説明

集光器オプティクスを備えた光起電力デバイス

【課題】集光器オプティクスを有する光起電力デバイスを長期安定性の点から改善すること。
【解決手段】光起電力デバイスは、
−少なくとも1つの太陽電池(7)と、
−集光器オプティクスとを含み、
集光器オプティクスは、
−少なくとも1つの第1の光入射側の合焦光学素子(3)と、
−第1の光入射側の光学素子の下流に、および光起電力デバイス(1)の動作位置では、束ねられた太陽放射が第1の光学素子(3)を経由して降り注ぐ太陽電池(7)の上流に少なくとも1つの第2の光学素子(5)とを含み、第2の光学素子(5)は、ソラリゼーション安定化ケイ酸塩ガラスを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、光起電力発電デバイスの分野に関する。詳細には、本発明は、集光器オプティクスを備えた光起電力設備に関する。
【背景技術】
【0002】
光起電力設備についてまだ高い投資コストを下げるために、さまざまな手法が、取られてきた。1つの手法は、低コスト太陽電池の開発にある。例えば、高効率薄層太陽電池がより低コストで生産されることを可能にする材料が、探求されている。しかしながら、一般に、より低コストで生産できる薄層電池は、それらの効率の点からはより高コストな、特に単結晶の電池には達しないと言ってよい。
【0003】
別の手法は、高効率太陽電池の使用にあるが、しかしそのとき、集光器オプティクスを用いることにより、照射面積の小さな部分だけが太陽電池で占有される必要があるので、集光器オプティクスを通じて製造コストを下げることである。
【0004】
集光器光起電力技術は、次の手法、即ち、集光器の使用を通じての半導体材料の節約、および例えば超高効率トリプル型太陽電池などの、高効率太陽電池の使用を通じての効率の向上を追求する。従って、集光器の使用は、特別な光学部品を供給することを必須にする。
【0005】
集光器オプティクスの欠点は、この場合、追加の光学素子が用いられ、それが、効率の不必要な下落を防止するために長期安定性を有しなければならないことである。素子の光学特性は、とりわけ太陽放射それ自体によって変えられる。この問題は特に、いくつかの素子が直列に接続されたオプティクスが使用され、光線経路の下流にあるまたは太陽電池に最近接して配置される素子または複数の素子が集光された太陽光にさらされる場合に生じる。
【0006】
従って本発明は、それらの長期安定性の点から光起電力デバイスを改善する問題に基づく。
【0007】
本発明は、光起電力デバイスのすべての光透過素子のために用いられてもよい。本発明は、高UV強度のために、従来のガラスではUV照射に起因するガラスでの高透過損失が予想されるはずの場所で特に適している。
【0008】
特に、本発明の別の態様によれば、低く、定常的なソラリゼーション傾向だけを有し、従って集光器光起電力設備での二次オプティクスとしての使用に最適である二次オプティクスが供給される。
【0009】
次の一般的な設計原理は、本発明によるデバイスにとって好ましい、即ち、一次オプティクスは、太陽光を電池に集中させる。この一次オプティクスの光学的欠点を改善し、太陽の現在位置に依存するシステムの製作および機械的配列に対して最大限の許容誤差を提供するために、二次オプティクスが、追加として電池のすぐ前に提供される。
【0010】
一次オプティクスは、好ましくは屈折性(フレネル・レンズ)または反射性(放物面鏡)である。二次オプティクスとして特に好ましいのは、非結像ライトパイプである。後者の素子は、地上太陽スペクトルと、例えばトリプル型電池などの従来のIII−V族半導体の感度曲線との重複領域で高い透明性を持つべきである。問題の重複領域は、300nmから1900nmまで広がり、それ故に、可視領域のほかに、赤外部および近紫外部もまた含む。
【0011】
作製されるべき部品、ならびに結合のために使用される材料は、近UVに一部分を含む高集光−例えば2500倍集光まで−の太陽光への暴露に耐えることができなければならない。
【0012】
しかしながら、強いUV放射は、光学ガラス内に欠陥中心の形成をもたらす可能性があり、それは、とりわけUV端での透過率を低減する。この効果は、ソラリゼーションと呼ばれる。この透過損失が大きいほど、太陽電池での電力損失もまたそれに応じて大きい。
【0013】
UV放射に起因するガラスのソラリゼーションは、今までは特にマイクロリソグラフィに関連があった。
【0014】
波長365nmを有する光での照射のためにi線リソグラフィで使用されるのは、i線に対して特別にソラリゼーション安定化された多成分系ガラスである。
【0015】
しかしながら、そこで生じる暴露と比較して、集光器光起電力デバイスでの使用は、さらにより明らかに要求が厳しい。材料のためのi線に対する通常のソラリゼーション試験は典型的には、約2000W/mの放射パワーを試料上に放出するUVランプへの15h続く暴露にある。
【0016】
集光がなければ、ドイツで地上に降り注ぐ太陽光の単位面積当たりのパワーは、1000W/mまでであり、2500倍の集光に対しては、対応する2500000W/mである。このうち、約50000W/mは、300〜400nmのUV範囲によって占められる。この概算は、太陽光に対して色温度5760Kを持つ黒色放射体の仮定に基づいている。もっと南の国では、さらにより高い値が得られる。それ故に、北アフリカでは、単位面積当たりのパワー約2200W/mが、集光なしでさえ達成される。
【0017】
300〜400nmの範囲に対して結果として生じる値は、UVでは特に高い大気吸収を考慮に入れるためにさらに5で割られた。これは、約2.2%UV−Aを含む標準スペクトル「AM1.5d low aod」におおよそ対応する。上の概算では、300nmより下を吸収するガラス枠による一次オプティクスのカプセル化が仮定されたので、300nmより上のUV部分だけが、考慮に入れられた。しかしながら、暴露は本明細書では、リソグラフィ・オプティクスに対する試験でのように、15時間続くのではなく、むしろ典型的には少なくとも20年のサービス時間が、必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】DE10005088C1
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0019】
この問題を解決するために、本発明は、
−少なくとも1つの太陽電池と、
−集光器オプティクスとを有する光起電力デバイスを提供し、
集光器オプティクスは、
−少なくとも1つの第1の光入射側の合焦光学素子と、
−第1の光入射側光学素子の下流に、および光起電力デバイスの動作位置では、束ねられた太陽放射が第1の光学素子を経由して降り注ぐ太陽電池の上流に少なくとも1つの第2の光学素子とを含み、第2の光学素子は、少なくとも1つのソラリゼーション安定化または低ソラリゼーションのガラス、好ましくはソラリゼーション安定化または低ソラリゼーションのケイ酸塩ガラスを含む。本明細書では、本発明の点から見て、ソラリゼーション安定化ガラスは特に、さらされるUVパワーにかかわらず、ソラリゼーション効果の飽和を示し、飽和ソラリゼーションでの透過率が、照射されないガラスと比較して、300と400nmとの間の波長範囲にわたる平均で多くても0.03だけ減少するガラスを参照する。
【0020】
別法としてまたは追加として、ガラスはまた、第1の光入射側の合焦光学素子のために用いられてもよい。
【0021】
ある種のケイ酸塩ガラスは、低ソラリゼーション傾向の必要条件を満たすことが見いだされ、特に、ソラリゼーション効果は、照射されないガラスと比較して吸収の非常にわずかな増加だけが生じるレベルにすぐに到達することが立証されている。
【0022】
酸化物に基づく少なくとも0.005重量パーセントの量でケイ酸塩ガラスへの酸化チタンの混合は、とりわけ低ソラリゼーションのガラスをもたらすことが見いだされた。
【0023】
従って、本発明の別の態様によれば提供されるのは、
−少なくとも1つの太陽電池と、
−集光器オプティクスとを有する光起電力デバイスであって、
集光器オプティクスは、
−ケイ酸塩ガラスで作られた少なくとも1つの光学素子を含み、ケイ酸塩ガラスは、酸化物に基づく少なくとも0.005重量パーセントの量で酸化チタンを含む。第1の合焦素子の下流にあるオプティクスの第2の素子のための使用が好ましいけれども、ガラスはまったく一般的に、光起電力デバイスの任意の集光器素子のために使用されてもよい。
【0024】
飽和にすぐに到達する低ソラリゼーションを特徴とするガラスの1つの部類は、酸化物に基づく重量パーセントで次の成分、
SiO 65〜85、好ましくは66〜84、特に好ましくは67〜83、より好ましくは67〜82重量パーセント、
7〜15、好ましくは8〜14重量パーセント、特に好ましくは9〜14、
Al 0〜10、好ましくは0〜9、特に好ましくは0から8重量パーセント、
NaO 2〜13重量パーセント、好ましくは2から12重量パーセント、特に好ましくは2から11重量パーセント、
O 0〜11重量パーセント、好ましくは0から10重量パーセント、特に好ましくは0から9重量パーセント、
CsO 0〜11重量パーセント、好ましくは10重量パーセントまで、特に好ましくは9重量パーセントまで、
MgO 0〜0.5、好ましくは0〜0.3重量パーセント、
CaO 0〜3、好ましくは0〜2重量パーセント、
SrO 0〜0.5、好ましくは0〜0.3重量パーセント、
BaO 0〜6、好ましくは0〜5、特に好ましくは0〜4重量パーセント、
TiO 0.005(以下の本文による)〜1.5、好ましくは0.005〜1、特に好ましくは0.005から0.5、より好ましくは0.005〜0.03重量パーセント、
ZrO 0〜0.5、好ましくは0〜0.3重量パーセント、
CeO 0〜3、好ましくは0〜2重量パーセント、
F 0〜0.6、好ましくは0〜0.5、特に好ましくは0〜0.4重量パーセント、
を有するホウケイ酸塩ガラスから成る。
【0025】
DE10005088C1で述べられるガラスと比較して、上の組成によるホウケイ酸塩ガラスは、それらのAlおよびCaOのより低い含有量の点で異なる。
【0026】
このガラスは、ソラリゼーション傾向を著しく悪化させることなく、酸化物に基づく重量パーセントで次の清澄剤、
NaCl 0〜2、好ましくは0〜1、特に好ましくは0〜0.5重量パーセント、
As 0〜0.03、好ましくは0〜0.02重量パーセント、
Sb 0〜1、好ましくは0〜0.5重量パーセント、
の1つまたは複数を含むことができる。
【0027】
酸化ヒ素は一般に、より大きなソラリゼーションをもたらすけれども、上で与えられた限界0.02重量パーセントまでの混合は、有害でないことが判明した。
【0028】
ソラリゼーションは、とりわけ多価成分の光誘起酸化または還元によって引き起こされる可能性がある。従って、本発明の好ましいさらなる開発によれば、第2の光学素子のガラスは、多価成分がないまたは少なくともほとんどない。有害な多価成分として挙げられるべきは、例えば、酸化鉄、酸化コバルト、酸化クロム、酸化銅、および酸化マンガンである。従って、本発明のさらなる開発では、酸化鉄、酸化コバルト、酸化クロム、酸化銅、および酸化マンガンはそれぞれ、4ppm未満、好ましくは3ppm未満、特に好ましくは2ppm未満でガラスに含まれる。
【0029】
本発明のさらなる開発によれば、ソラリゼーション安定化ケイ酸塩ガラスは、加えて、酸化物に基づく重量パーセントで次の成分、
LiO 0〜2重量パーセント、
PbO 0〜2重量パーセント、
SnO 0〜1重量パーセント、
WO 0〜0.5重量パーセント、
Bi 0〜0.5重量パーセント、
を含む。
【0030】
極めて高い放射強度のもとでさえ、高いソラリゼーション安定性の点から集光器オプティクスに課せられる必要条件を満たす別のガラス組成は、酸化物に基づく重量パーセントで次の成分、
SiO 31〜55、好ましくは32〜54、特に好ましくは33〜53重量パーセント、
PbO 15〜65、好ましくは16〜64、特に好ましくは17〜63、より好ましくは18〜62重量パーセント、
Al 0〜8、好ましくは0〜7、特に好ましくは0〜6重量パーセント、
NaO 0.1〜9重量パーセント、好ましくは0.1〜8、特に好ましくは0.1〜7.5重量パーセント、
O 1〜13重量パーセント、好ましくは1〜12、特に好ましくは1.5〜11重量パーセント、
BaO 0〜17重量パーセント、好ましくは0〜16、特に好ましくは0〜15重量パーセント、
ZnO 0〜11、好ましくは0〜10、特に好ましくは0〜9重量パーセント、
ならびに、もし必要ならば、例えば、
As 0〜0.02重量パーセント、および/または
Sb 0〜1重量パーセント、
などの清澄剤を含む。
【0031】
このケイ酸鉛ガラスは、それぞれの光学素子の設計に応じて大きな利点となり得る高屈折率が達成されることを可能にする。酸化鉛は、いくつかの酸化状態で生じることがあり得るけれども、先の組成を有するガラスは、集光器オプティクスで生じる高放射パワーのもとでさえ、すぐに飽和に到達する非常に低いだけのソラリゼーションを示す。
【0032】
ソラリゼーションへの非常に低い傾向を有する、さらに別の種類のガラスは、酸化物に基づく重量パーセントで次の成分、
SiO 65〜75、好ましくは66〜74、特に好ましくは67〜72重量パーセント、
0〜3、好ましくは0〜2重量パーセント、
Al 0〜7、好ましくは0〜6、特に好ましくは0〜5重量パーセント、
NaO 5〜16、好ましくは6〜15、特に好ましくは7〜14重量パーセント、
O 0.5〜12重量パーセント、好ましくは0.5〜11、特に好ましくは0.5〜10重量パーセント、
MgO 0〜7、好ましくは0〜6、特に好ましくは0〜5重量パーセント、
CaO 2〜10、好ましくは2〜9、特に好ましくは3〜8重量パーセント、
BaO 0.5〜7重量パーセント、好ましくは0.5〜6、特に好ましくは0.5〜5重量パーセント、
ZnO 0.5〜7、好ましくは0.5〜6、特に好ましくは0.5〜5重量パーセント、
TiO 0〜1、好ましくは0〜0.5重量パーセント、
NaCl 0〜2重量パーセント、
As 0〜0.02重量パーセント、
Sb 0〜1重量パーセント、
を含む。
【0033】
本発明の好ましい実施形態によれば、第2の光学素子は、ライトパイプの光入射側で第1の光学素子によって束ねられた光を光出射側に案内するライトパイプである。この場合、太陽電池は、光学経路に沿って好ましくは光出射側に直接配置される。しかしながら、もし必要ならば、太陽電池と光出射側との間に間隔があってもよく、1つまたは複数のさらなる光学素子の介在もまた考えられる。しかしながら、光出射面での反射損失を低減するように、ライトパイプの光出射面への太陽電池の直結を提供することは、有利である。
【0034】
ライトパイプは、太陽電池がその面積の全域でできるだけ一様に照射されるように、合焦第1素子によって束ねられる光の横方向強度分布をより一様にする役目を果たす。例として挙げられるのは、太陽に対して正確に調整されないデバイスまたは太陽電池の面積よりも小さい焦点のために形成される焼灼剤である。どちらの場合も、太陽電池の全域での光強度はその結果、1桁または複数桁の大きさだけすぐに変化することがあり得る。局所的に増加した光強度は、太陽電池の寿命を短くする。さらに、太陽電池のある領域が飽和で動作し、他の領域が照射されないまたはほとんど照射されないとき、効率は、非一様な照射のために減少する。
【0035】
従って、上ですでに述べられたように、ライトパイプとして好ましいのは、非結像ライトパイプである。
【0036】
光分布の均一化を達成するために適しているのは、特に正方形の断面を持つ棒の形をしたライトパイプであり、好ましくは縦方向に対して横方向に直線状の側面を有するものである。棒はまた、もし必要ならば、光のさらなる集光のためおよび太陽への調整に課せられる必要条件を軽減するために、錐体形状を有することもでき、より小さな断面積の前面が、光出射面を形成する。本発明の別のさらなる開発によれば、ライトパイプは、平板として設計され、2つの反対側にある端面が、光入射面および光出射面を形成する。これは、例えば、円柱レンズもしくは円柱レンズとして働くフレネル・レンズまたは円柱状合焦反射体などの、縦方向に合焦する第1の光学素子が用いられるとき適している。平板はまた、それが光入射面から光出射面までテーパー状にされるように、変化する厚さを有することもできる。集光器または第2の光学素子として、例えば、複合放物面反射体などの、他の素子および集光器形状もまた可能である。
【0037】
角部は、直線状の側面と併せて、光線が非合焦方式で側壁において反射される結果をもたらす。その結果、入射側の空間光線分布の直接またはゆがめられた像は、短い長さのライトパイプに対してさえ光出射側で防止される。反射の平均数、それ故にライトパイプの長さもまた、光の均一化で役割を果たす。この場合、ライトパイプを、反射の数に関連する光出射面の断面の横方向寸法の少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも2.5倍長くすることが好ましい。
【0038】
集光器オプティクスのための製造コストをできるかぎり低く保つために、ソラリゼーション安定化ガラスを含むガラス素子をプレス加工によって形成することは、さらに有利である。従って、本発明のこのさらなる開発では、ガラスを含む光学素子、特に第1の合焦素子の下流の第2の光学素子は、プレス加工されたガラス部品として構成される。
【0039】
本発明のガラスにとって特に有利であることが観測された効果はまた、ガラスの焼き戻しによる、どんな場合でも小さいだけであるソラリゼーションの少なくとも部分的な回復でもある。この過程では、200℃の温度は、ソラリゼーションに起因する透過率劣化を逆転させるためにはすでに十分であった。100℃から始まる温度でさえ、ソラリゼーションの緩和をもたらすためには十分であると推測される。従って、本発明のさらに別のさらなる開発によれば、ガラスを少なくとも100℃まで加熱するための加熱デバイスが、提供されてもよい。この加熱はまた、特に簡単な方法で、衝突太陽放射によって達成されてもよく、この場合、ガラス素子での熱供給もまた、少なくとも100℃、好ましくは少なくとも150℃の温度を達成するように、熱放散と比較して十分に大きいような方法でデバイスを設置することが可能である。
【0040】
一般に、本発明は、集光器オプティクスの利点を全部使い尽くすことができるためには特に効率的で、高価な太陽電池に適している。従って、トリプル型太陽電池または三接合型太陽電池は、特に適している。しかしながら、例えば一般に単結晶素子などの、他の太陽電池もまた、使用されてもよい。
【0041】
さらに、ガラスはまた、例えば長期間にわたって透過率を増加させるように反射防止特性および/または引っかき傷保護を提供するために表面を覆われてもよい。
【0042】
本発明によるガラスは、UV放射によって活性化される非常に低密度の欠陥中心を特徴とする。太陽電池応用での効率に関連する条件のもとでの強いソラリゼーションは、ケイ酸塩ガラス内のUV光誘起欠陥の密度が3×1018cm−3未満であるとき防止できることが見いだされた。
【0043】
本発明は次に、例示の実施形態に基づいて、および同じ参照符号は同じまたは対応する素子を参照する添付の図を参照して、以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】光起電力デバイスを示す図である。
【図2】図1で例示される配置のライトパイプの図である。
【図3】円柱状合焦反射体を備える、図1で示されるデバイスの変形を示す図である。
【図4】UV照射前後の2つのガラスのスペクトル透過率のプロットである。
【図5】本発明に適しているガラスのソラリゼーションの決定緩和時間を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1は、参照符号1によって全体として参照される光起電力デバイスを示す。光起電力デバイス1は、例えば高効率三接合型太陽電池の形をした、少なくとも1つの太陽電池7と集光器オプティクスとを含む。集光器オプティクスは次には、2つの素子を含む。特に、少なくとも1つの第1の光入射側の合焦光学素子3ならびに第1の光入射側の合焦素子3の下流におよび太陽電池7の上流に接続される1つの第2の光学素子5である。光起電力デバイスの動作位置では、即ち、それが太陽光の衝突方向に調整されるとき、束ねられた太陽放射は、第1の光学素子3を経由して第2の光学素子に降り注ぐ。光線経路を強調するために、衝突太陽光の2つの光線10が例示される。
【0046】
図1で示される例については、第1の光学素子は、フレネル・レンズである。第2の光学素子は、光入射面51および光出射面52を有する短いライトパイプとして構成される。この場合、ライトパイプは、光出射面52の断面の最小横方向寸法の少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも2.5倍長い。
【0047】
ライトパイプは、プレス加工された部品としてケイ酸塩ガラスから製作される。ガラスは、ソラリゼーション安定化され、ケイ酸塩ガラスは、さらされるUVパワーにかかわらずソラリゼーション効果の飽和を示す。この場合、透過率は、飽和ソラリゼーションに対して照射されないガラスと比較して300と400ナノメータとの間の波長範囲にわたる平均で多くても0.03だけ減少する。
【0048】
ライトパイプは、わずかに錐体状の構成を有し、光入射面51から光出射面までテーパー状である。ライトパイプの図は、図2で例示される。図2に基づいて分かるように、ライトパイプは、わずかに錐体形状を有するだけでなく、正方形の断面もまた有する。一例として、光入射面51および光出射面52はそれぞれ、正方形の断面を有することができる。
【0049】
図2で例示されるものとは違って、ライトパイプはまた、錐体以外の形状で光出射面52までテーパー状であってもよい。どんな場合でも、縦方向に垂直な方向の側面は、直線状である。その結果、光出射側での横方向光分布の不均一性に寄与し得る、側壁における反射中の合焦効果は、防止される。
【0050】
円柱状に合焦する第1の光学素子3を有する光起電力デバイスの例は、図3で示される。この配置では、一例として、第1の光学素子は、円柱状合焦反射体として構成される。一般に、図3の例となる実施形態に限定されることなく、円柱状合焦は、反射体面が円柱状であることを意味せず、むしろ合焦が円柱レンズのように一方向だけで起こることを意味する。それ故に、図3で示される例でもまた、反射体面31は、放物面状に湾曲している。
【0051】
この例では、第2の光学素子5もまた、この場合ただ平板形状であるライトパイプとして構成され、光入射面および光出射面は、平板の反対側にある端部を形成し、平板は、平板の厚さを減少させることによって、細片状の太陽電池7が配置される光出射面52の方へテーパー状にされる。
【0052】
図4は、それぞれ強いUV照射の前、およびその後の、また太陽光線にさらされた状態でもある2つのガラスに対して波長の関数としてスペクトル透過率の図を例示のために示す。
【0053】
第2の光学素子のための好ましいガラスは、酸化物に基づく重量パーセントで次の成分、
SiO 65〜85重量パーセント、
7〜15重量パーセント、
Al 0〜10重量パーセント、
NaO 2〜13重量パーセント、
O 0〜11重量パーセント、
CsO 0〜11重量パーセント、
MgO 0〜0.5重量パーセント、
CaO 0〜3重量パーセント、
SrO 0〜0.5重量パーセント、
BaO 0〜6重量パーセント、
TiO 0.005〜1.5重量パーセント、
ZrO 0〜0.5重量パーセント、
CeO 0〜3重量パーセント、
F 0〜0.6重量パーセント、
を含む。
【0054】
この場合、ホウケイ酸塩クラウン・ガラスの中に含まれてもよいこのガラスに対して、このホウケイ酸塩ガラスの特にチタン割合は、非常に高い透過率が材料のUV端においてもまた達成されるように、ソラリゼーションがすぐに飽和に到達するという事実に寄与することが意外にも見いだされた。いくらかより低い酸化チタン含有量を用いることもまた可能である。しかしながら、好ましくは、酸化チタン含有量は、酸化物に基づく少なくとも0.005重量パーセントを与える。図4での曲線40および41は、そのようなガラスのスペクトル透過率プロットを示す。この場合、曲線40は、UVランプでの照射前のスペクトル透過率プロットであり、曲線41は、照射後のスペクトル透過率プロット、即ち、太陽光線にさらされたガラスのプロットである。
【0055】
比較のために示されるのは、照射前(曲線42)およびその後(曲線43)の比較できる組成のガラスのスペクトル透過率である。これらの曲線が測定されたガラスは、測定可能な割合の酸化チタンを有さない。曲線40および42の比較は、チタンのないガラスがそれ自体では、UV領域でより高い透過率を有しさえすることを示す。しかしながら、チタンガラスに対するUV領域での透過率は、照射の後(曲線43)かなり下落し、透過損失は、可視領域にまで遠く広がることが見いだされる。
【0056】
それに反して、本発明による照射されたガラスに対する透過率は、UV照射によってほとんど影響を及ぼされない。300と400ナノメータとの間の波長範囲では、透過率の下落は常に、明らかに0.05未満にある。測定されたのは、特に、UV端での約1.4%の透過率低減の値である。この波長範囲にわたって平均すると、下落は、明らかに0.03未満である。それに反して、比較ガラスの透過率低減は、約0.2(320ナノメータにおいて)までである。
【0057】
本発明によるガラスの透過率はまた、さらされるUV放射のパワーまたは継続時間にかかわらず、到達レベルにとどまりもする。ソラリゼーション効果(残留ソラリゼーション)は、供給される光パワーで拡大縮小されず、むしろ透過率は、供給されるUVパワーにかかわらず、高透過率レベルで飽和にとどまることが保証されるので、このソラリゼーションの安定化は、集光器で二次オプティクスとして使うためのガラスの特別な適合性を保証する。
【0058】
本発明によるガラスで観測されたソラリゼーションの急速な飽和は、一方では、低密度の欠陥中心だけがとにかく起こり得るという事実に、他方では、欠陥中心の熱的緩和が特に強く顕著であるという事実に起因する可能性がある。本発明によるガラスにとって、低い最大可能濃度の欠陥中心だけが決定的であると推測される。
【0059】
本発明によるデバイスのための光学素子について観測されたような、ソラリゼーションの急速な飽和のこの効果は、モデルに基づいて以下でより詳細に説明される。
【0060】
達成されるソラリゼーションは一般に、時間に関するUV誘起欠陥の生成および消滅の速度方程式によって記述できる。この場合、生成速度Eは、UV誘起欠陥の最大可能密度nmaxとこれらの欠陥の現在の密度nとの間の差に比例する、即ち、
E=γproduction+(nmax−n)
と設定できる。ここで、γは、ソラリゼーション効果の増強の時定数に反比例する定数である。それは、UV強度に依存している。
【0061】
消滅速度Vは、UV誘起欠陥の現在の密度nに比例する、即ち、
V=γannihilation×n
と設定される。定数γannihilationは、ソラリゼーション効果の軽減の時定数に反比例する。この定数は一般に温度に依存することが見いだされた。
【0062】
両方の速度は、平衡において等しく、次式
n=nmax×γproduction/(γproduction+γannihilation
が適用できる。しかしながら、これは、UV強度にかかわらず、γproduction>>γannihilationのとき、nが値nmaxを取ることを意味する。
【0063】
速度の逆数は、それぞれの過程に対する特性時間である。ソラリゼーションに起因する欠陥の消滅(回復)に対する特性時間は、室温で6時間を超えるところにあることが実証された。
【0064】
HOK−4ランプを使用するソラリゼーション測定は、15時間後だけでなく、1時間未満後でさえ、一定値が達成されることを示し、それは、ソラリゼーション効果の軽減の時定数がすでにHOK−4ランプ試験では1時間未満であるという事実を支持する。これは、集光器光起電力設備で生じるUV強度になおさら当てはまるはずである。従って、生成速度は常に、消滅速度よりもかなり高く、欠陥中心濃度の飽和値は、本質的に最大可能値nmaxに対応する。
【0065】
HOK−4ランプを使用した照射の後、本発明によるガラスは、透過率の非常にわずかな下落を示す。これは、述べられたことによれば、さらなるまたはより強い照射によってもはや悪化することはない。ソラリゼーション効果の飽和は、低レベルで生じる。
【0066】
従って、本発明によるガラスに対して、非常に低い最大密度の欠陥中心nmaxだけが、形成でき、この濃度は、比較的すぐに到達されると推測される。ソラリゼーション効果は、典型的にはゆっくりと増強され、飽和値は、明らかにより高レベルで達成されるので、これらは、ガラスの明白な特性ではない。
【0067】
本発明によるガラスについて測定された緩和時間は、室温まで外挿されると、6時間よりも大きい。200℃では、緩和時間は、3時間未満である。この関連で、図5は、上述のガラスの緩和時間を温度の関数として示す。
【0068】
緩和時間の決定は、次のように行われた。
【0069】
直径18mmおよび厚さ約1mmを有する円形試料が、本発明によるガラスから準備された。
【0070】
本調査は、Lambda900およびLambda950型の透過分光計を使用して行われた。この場合、250〜850nm波長の完全なスペクトルが、ソラリゼーションの決定のために記録された。
【0071】
緩和時間の決定のために、照射された試料が、加熱キュベット内に置かれ、透過率の時間的経過が、波長345nmについて決定された。
【0072】
本明細書ではまた図4に従って最大変化が観測されたので、回復が次いで、波長345nmで調べられた。誘起ソラリゼーションの時間変化(=透過率の増加)が、記録された。指数関数が、測定値へのフィッティングのために選択された。
(1)A=A×exp[−t/τrelax
UV誘起吸収の回復は、材料に典型的な緩和時間τrelaxを持つ方程式(1)内の指数因子によって記述される。この緩和時間は次には、述べられたように、温度依存性であり、関係式
(2)τrelax=τ×exp[+Hτ/RT]
によって記述できる。ここで、τおよびHτは、材料に特有の定数であり、Rは、気体定数を表し、Tは、K単位での絶対温度である。
【0073】
図5で提示されるのは、決定された緩和時間である。実線の曲線は、3つの緩和時間を通じて立証された方程式(2)による指数関数である。
【0074】
方程式(1)の次のパラメータ値は、フィッティングによって決定された。
【0075】
【表1】

【0076】
図5で示され、方程式(2)に基づいて決定されるような、さまざまな温度での緩和時間は、本発明に従って適しているガラスに対する特性と見なされてもよい。室温では、緩和時間は、6時間よりも大きく、それ故に飽和限界までのソラリゼーションの発生に必要とされる時間よりも明らかに長い。200℃と400℃との間の温度では、この場合の緩和時間は、3時間未満である。従って提供されるのは、本発明の実施形態によれば、例となる実施形態に限定されることなく、少なくとも1つの太陽電池と集光器オプティクスとを有する光起電力デバイスであり、集光器オプティクスは、ガラス素子を含み、それのガラスは、200℃から400℃の範囲内の温度で3時間未満のソラリゼーションの緩和時間(τrelax)を有する。この場合、緩和時間τrelaxは、ソラリゼーションの飽和までのUV暴露後前述の範囲内の温度での保管のもとで345ナノメータでの透過率の時間プロットの測定および方程式(1)から(3)による曲線のフィッティングを通じて決定できる。好ましくは、そのようなガラスは次には、2部品式集光器オプティクスで第2の光学素子として用いられ、それの上に、束ねられた太陽放射が第1の光学素子を経由して導かれる。
【0077】
本発明によるガラスは一般に、低密度のUV誘起欠陥を有することが見いだされた。この欠陥密度は、ソラリゼーションの飽和状態でさえ、一般に3×1018cm−3未満である。
【0078】
図4での透過率プロット40および41を持つガラスに基づいて、欠陥濃度は、次のように概算できる。
【0079】
ガラス内のTi4+イオンは、効果的なUV阻止を提供する。UV端での透過率値が50%まで減少する透過率のカットオフは、波長315と320nmとの間にある。図4での曲線40および41の比較から、345nmでの透過率の1.4%だけの低減が、結果として生じる。
【0080】
スペクトル吸収計数Aに対して、次式が適用できる、即ち、
【0081】
【数1】

この関係式では、dはガラスの密度、Tは測定透過率、Pは最大可能透過率値を表す。Pの値に対しては、ガラス内での吸収がないことが仮定される。代わりに、透過損失は、フレネル・レンズ、即ち境界での反射によってだけ創出される。
【0082】
波長345nmにおいて、吸収計数は、約6.0×10−3mm−1である。
【0083】
飽和ソラリゼーションの状態でのUV照射後、この値は、約8.6×10−3mm−1まで増加する。この2.6×10−3mm−1だけの吸収の増加は、UV光誘起欠陥によって引き起こされる。従って、10−18mmの範囲内の欠陥中心に対する典型的な有効吸収断面積σとの関係式
【0084】
【数2】

を用いて、
n≒3×1015mm−3=3×1018cm−3=30ppm
のUV誘起欠陥密度が、結果として生じる。
【0085】
本発明が、上で述べられた例となる実施形態に限定されず、むしろ以下の特許請求の範囲およびその組み合わせの枠組み内でさまざまな仕方で変更されてもよいことは、当業者には明らかである。それ故に、図1および3で一例として示されるように、例えば二次光学素子として、例えばもしライトパイプが用いられるならば、例えば2つの異なるガラスが、芯−被覆型ライトパイプとしてライトパイプを創出するように組み合わされてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
−少なくとも1つの太陽電池(7)と、
−集光器オプティクスとを有する光起電力デバイス(1)であって、
前記集光器オプティクスは、
−少なくとも1つの第1の光入射側の合焦光学素子(3)と、
−前記第1の光入射側の光学素子の下流に、および前記光起電力デバイス(1)の動作位置では、束ねられた太陽放射が前記第1の光学素子(3)を経由して降り注ぐ前記太陽電池(7)の上流に少なくとも1つの第2の光学素子(5)とを含み、前記第2の光学素子(5)は、ソラリゼーション安定化ケイ酸塩ガラスを含む、光起電力デバイス。
【請求項2】
前記ケイ酸塩ガラスは、さらされるUVパワーにかかわらず、ソラリゼーション効果の飽和を示し、飽和ソラリゼーションに対する透過率は、照射されないガラスと比較して、300と400nmとの間の波長範囲にわたる平均で多くても0.03だけ減少する、請求項1に記載の光起電力デバイス。
【請求項3】
前記ケイ酸塩ガラスは、酸化物に基づく0.005重量パーセントの量で酸化チタンを含むことをさらに特徴とする、請求項1または2に記載の光起電力デバイス。
【請求項4】
前記ソラリゼーション安定化ケイ酸塩ガラスは、酸化物に基づく重量パーセントで次の成分、
SiO 65〜85重量パーセント、
7〜15重量パーセント、
Al 0〜10重量パーセント、
NaO 2〜13重量パーセント、
O 0〜11重量パーセント、
CsO 0〜11重量パーセント、
MgO 0〜0.5重量パーセント、
CaO 0〜3重量パーセント、
SrO 0〜0.5重量パーセント、
BaO 0〜6重量パーセント、
TiO 0.005〜1.5重量パーセント、
ZrO 0〜0.5重量パーセント、
CeO 0〜3重量パーセント、
F 0〜0.6重量パーセント、
を有するホウケイ酸塩ガラスであることをさらに特徴とする、請求項3に記載の光起電力デバイス。
【請求項5】
前記ガラスは、酸化物に基づく重量パーセントで次の清澄剤、
NaCl 0〜2重量パーセント、
As 0〜0.02重量パーセント、
Sb 0〜1重量パーセント、
を含むことをさらに特徴とする、請求項4に記載の光起電力デバイス。
【請求項6】
前記第2の光学素子の前記ガラスは、多価成分がないまたは少なくともほとんどなく、酸化鉄、酸化コバルト、酸化クロム、酸化銅、および酸化マンガンはそれぞれ、4ppm未満、好ましくは3ppm未満、特に好ましくは2ppm未満で前記ガラスに含まれることをさらに特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光起電力デバイス。
【請求項7】
前記ガラスは、酸化物に基づく重量パーセントで次の成分、
LiO 0〜2重量パーセント、
PbO 0〜2重量パーセント、
SnO 0〜1重量パーセント、
WO 0〜0.5重量パーセント、
Bi 0〜0.5重量パーセント、
を追加として含むことをさらに特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光起電力デバイス。
【請求項8】
前記第2の光学素子は、ライトパイプの光入射側(51)で前記第1の光学素子によって束ねられた光を光出射側(52)に案内する前記ライトパイプであることをさらに特徴とする、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光起電力デバイス。
【請求項9】
前記第2の光学素子は、正方形の断面を持つ棒または平板の形をしたライトパイプを含むことをさらに特徴とする、請求項8に記載の光起電力デバイス。
【請求項10】
前記ライトパイプは、前記光出射面(52)の断面の最小横方向寸法の少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも2.5倍長いことをさらに特徴とする、請求項8または9に記載の光起電力デバイス。
【請求項11】
前記第2の光学素子は、酸化物に基づく重量パーセントで次の成分、
SiO 31〜55重量パーセント、
PbO 15〜65重量パーセント、
Al 0〜8重量パーセント、
NaO 0.1〜9重量パーセント、
O 1〜13重量パーセント、
BaO 0〜17重量パーセント、
ZnO 0〜11重量パーセント、
ならびに清澄剤を、好ましくは
As 0〜0.2重量パーセント、
Sb 0〜1重量パーセント
を含むケイ酸鉛ガラスを含むことをさらに特徴とする、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光起電力デバイス。
【請求項12】
前記第2の光学素子は、酸化物に基づく重量パーセントで次の成分、
SiO 65〜75重量パーセント、
0〜3重量パーセント、
Al 0〜7重量パーセント、
NaO 5〜16重量パーセント、
O 0.5〜12重量パーセント、
MgO 0〜7重量パーセント、
CaO 2〜10重量パーセント、
BaO 0.5〜7重量パーセント、
ZnO 0.5〜7重量パーセント、
TiO 0〜1.5重量パーセント、
As 0〜0.2重量パーセント、
Sb 0〜1重量パーセント、
を含むガラスを含むことをさらに特徴とする、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の光起電力デバイス。
【請求項13】
前記第2の光学素子は、プレス加工されたガラス部品として構成されることをさらに特徴とする、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の光起電力デバイス。
【請求項14】
前記デバイスは、前記ケイ酸塩ガラスを少なくとも100℃の温度まで加熱するように設置されることをさらに特徴とする、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の光起電力デバイス。
【請求項15】
トリプル型太陽電池をさらに特徴とする、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の光起電力デバイス。
【請求項16】
前記ケイ酸塩ガラスは、200℃から400℃の範囲内の温度で6時間未満のソラリゼーションの緩和時間を有することをさらに特徴とする、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の光起電力デバイス。
【請求項17】
前記ケイ酸塩ガラス内でUV光によって誘起され得る欠陥の密度は、3×1018cm−3未満であることをさらに特徴とする、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の光起電力デバイス。
【請求項18】
光起電力デバイスの集光器素子のために請求項4、11、または12のいずれか1項に記載の組成を有するガラスの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−199588(P2010−199588A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−38266(P2010−38266)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(504299782)ショット アクチエンゲゼルシャフト (346)
【氏名又は名称原語表記】Schott AG
【住所又は居所原語表記】Hattenbergstr.10,D−55122 Mainz,Germany
【Fターム(参考)】