集光型太陽光発電ユニット、集光型太陽光発電モジュール、及び、集光型太陽光発電パネル
【課題】集光型太陽光発電の基本構造に関して、簡素で安価な二次光学系を用いて、光学系に多少のずれがあっても、発電量への影響を抑制する。
【解決手段】集光型太陽光発電モジュールの構成要素である集光型太陽光発電ユニットは、太陽光を集光するレンズ要素(例えばフレネルレンズ13f)を有する集光部13と、集光させた太陽光を受けて発電する発電素子21と、集光部13から発電素子21に至る光路上に設けられた導光部22とを備えたものである。この導光部22は、内壁22aを反射面として光の入口22inが光の出口22outより拡がっている形状の枠体であって、集光部13によって集光させた太陽光を内壁22aの反射により出口22outへ導いて、出口22outに面する発電素子21上に集める。
【解決手段】集光型太陽光発電モジュールの構成要素である集光型太陽光発電ユニットは、太陽光を集光するレンズ要素(例えばフレネルレンズ13f)を有する集光部13と、集光させた太陽光を受けて発電する発電素子21と、集光部13から発電素子21に至る光路上に設けられた導光部22とを備えたものである。この導光部22は、内壁22aを反射面として光の入口22inが光の出口22outより拡がっている形状の枠体であって、集光部13によって集光させた太陽光を内壁22aの反射により出口22outへ導いて、出口22outに面する発電素子21上に集める。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光を発電素子に集光して発電する集光型太陽光発電(CPV:Concentrated Photovoltaic)に関する。
【背景技術】
【0002】
集光型太陽光発電(CPV)では、発電効率の高い小型の化合物半導体素子を発電素子として、これに、フレネルレンズ等の集光部で集光させた太陽光を入射させる構成を基本としている(例えば、特許文献1参照。)。このような基本構成を多数備える集光型太陽光発電パネルを、常に太陽に向けるように追尾動作させることにより、所望の発電電力を得ることができる。
また、フレネルレンズを1次光学系として、さらに、2次光学系を設けて、光を効率良く発電素子へ導く技術も数多く提案されている(例えば、特許文献2及び非特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第4,069,812号
【特許文献2】特開2002−289896号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「集光型太陽光発電システムについて」、[online]、五鈴精工硝子株式会社、[平成23年10月14日検索]、インターネット〈URL:http://www.isuzuglass.co.jp/development/cpv.html〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような従来の集光型太陽光発電の装置においては、製造時の僅かな寸法誤差、取付誤差、あるいは、設置後の変形等、種々の理由によって、光軸のずれが生じる場合がある。このような場合、1次光学系のみでは、発電素子への集光の効率が悪くなり、日照条件は同じであっても発電量が低下する。また、追尾のずれによっても、光軸のずれと似たような状態が起こり、発電量が低下する。一方、2次光学系を併用すれば、多少のずれを吸収できるが、2次光学系は、特殊なレンズを用い、また、複雑な構成である等により、製造コストが高くなり、実用化の重荷となる。
【0006】
かかる従来の問題点に鑑み、本発明は、集光型太陽光発電の基本構造に関して、簡素で安価な二次光学系を用いて、光学系に多少のずれがあっても、発電量への影響を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の集光型太陽光発電ユニットは、太陽光を集光するレンズ要素を有する集光部と、集光させた太陽光を受けて発電する発電素子と、前記集光部から前記発電素子に至る光路上に設けられ、内壁を反射面として光の入口が光の出口より拡がっている形状の枠体であって、前記集光部によって集光させた太陽光を前記内壁の反射により前記出口へ導いて、当該出口に面する前記発電素子上に集める導光部とを備えたものである。
【0008】
上記のように構成された集光型太陽光発電ユニットでは、集光部の光軸と導光部の光軸(中心軸)とが互いに正確に一致している場合には、集光させた太陽光がそのまま直接、発電素子に達する。また、集光させた太陽光の一部が導光部の内壁に当たったとしても、当たって反射した光は導光部の出口へ導かれ、結局は、発電素子に達する。従って、実質的に全ての光が、発電素子による発電に寄与する。一方、集光部と導光部とで、光軸が互いに正確に一致していない場合には、直接的に発電素子に達する光が減少し、導光部の内壁に当たる光が多くなるが、内壁に当たりさえすれば、当たって反射した光は導光部の出口へ導かれ、結局は、発電素子に達する。
【0009】
従って、集光部の光軸と導光部の光軸(中心軸)とが互いに正確に一致していない場合でも、正確に一致している場合と同様に、発電量を確保することができる。このように、集光部で絞り、導光部でいわば光をかき集めるようにして出口すなわち発電素子へ導く構成によれば、集光部の集光度をあまり高めずに、光を効率よく発電素子上に集めることができる。これにより、優れた発電効率が安定的に得られる。
【0010】
なお、集光部が太陽光を垂直に受けていない場合(すなわち太陽に対する追尾のずれがある場合)においても、集光部と導光部とで光学系のずれが生じ得るが、この場合も同様に、導光部によって光を効率よく発電素子上に集めることができる。
【0011】
(2)また、上記(1)の集光型太陽光発電ユニットにおいて、導光部は、その内壁が、光の進行方向に下り傾斜した漏斗状の形態であってもよい。
この場合、傾斜の角度を適切に選択することによって、内壁に当たった光を確実に出口へ導くことができる。
【0012】
(3)また、上記(1)又は(2)の集光型太陽光発電ユニットにおいて、導光部の入口の形状は、レンズ要素の輪郭形状と相似であることが好ましい。
この場合、集光部の有効集光領域を通過した光を全て、導光部へ受け入れることが容易である。
【0013】
(4)また、上記(1)〜(3)のいずれかの集光型太陽光発電ユニットにおいて、導光部の少なくとも内壁は金属であることが好ましい。
この場合、光の反射率が良く、吸収率が少ない。
【0014】
(5)また、上記(4)の集光型太陽光発電ユニットにおいて、導光部はアルミニウムであることが好ましい。
この場合、光の反射率が良く、放熱性も良く、かつ、軽量である。
【0015】
(6)また、上記(4)の集光型太陽光発電ユニットにおいて、導光部は内壁に金属のコーティングが施されていてもよい。
この場合、基材には例えば樹脂を使用することができるので、特に軽量である。
【0016】
(7)また、上記(1)〜(6)のいずれかの集光型太陽光発電ユニットにおいて、導光部の内壁の表面粗さRzは、0.3μm以下であることが好ましい。
この場合、太陽光の最小波長に対しても、反射率が良い。
【0017】
(8)また、上記(1)〜(7)のいずれかの集光型太陽光発電ユニットにおいて、導光部の内側に、光透過性の材料からなる光透過層が設けられていてもよい。
この場合、導光部の内壁による反射のほか、光透過層によって光を屈折させつつ、発電素子へ導くことができる。
【0018】
(9)また、上記(8)の集光型太陽光発電ユニットにおいて、光透過層は、光透過性の材料を発電素子上にポッティングしたものであってもよい。
この場合、ポッティングにより形成された光透過層は、発電素子と導光部とを互いに固着する役割を果たすとともに、発電素子の表面を保護して劣化を抑制する。
【0019】
(10)また、上記(1)〜(9)のいずれかの集光型太陽光発電ユニットにおいて、導光部は、放熱フィンを備えていることが好ましい。
この場合、放熱を促進して、発電素子の過熱を防止することができる。
【0020】
(11)一方、本発明の集光型太陽光発電モジュールは、上記(1)の集光型太陽光発電ユニットの集合体であって、集光部はレンズ要素が複数個並んで形成され、発電素子は、各レンズ要素に対応して複数個並んで設けられ、導光部は、各レンズ要素に対応して複数個並んで設けられているものである。
上記のように構成された集光型太陽光発電モジュールでは、多数の集光型太陽光発電ユニットをアレイとしたモジュールを構成することができる。
【0021】
(12)また、本発明の集光型太陽光発電パネルは、上記(11)に記載の集光型太陽光発電モジュールを複数個集合させて成るものである。
この場合、発電パネルとして必要な出力を確保することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の集光型太陽光発電ユニット、集光型太陽光発電モジュール、及び、集光型太陽光発電パネルによれば、光学系に多少のずれがあっても、それによる発電量への影響を抑制することができる。すなわち、簡素で安価な導光部を用いて、優れた発電効率を安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係る集光型太陽光発電パネルを含む、集光型太陽光発電装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る集光型太陽光発電モジュールを拡大して示す斜視図(一部破断)である。
【図3】図2におけるIII部の拡大図である。
【図4】集光部のレンズ要素であるフレネルレンズと、導光部との相似関係を示す図である。
【図5】参考例として、導光部にガラス製の紡錘状のレンズを用いた場合の、1次レンズと、2次レンズとの光学的な関係を示す図である。
【図6】(a)は、本発明の一実施形態に係る集光型太陽光発電ユニットの構成例として、フレネルレンズと、導光部との光学的な関係を示す図であり、(b)は、フレネルレンズと導光部と間で、軸のずれが生じている状態を表す図である。
【図7】導光部の入口側の開口の大きさと、反射との関係を示す図である。
【図8】導光部の詳細な形状の一例を、発電素子を保持するパッケージと一体に組み合わせた状態で示す斜視図である。
【図9】図8におけるIX-IX線断面図である。
【図10】レシーバの分解斜視図である。
【図11】レシーバの分解断面図である。
【図12】気温25℃、ずれ量ゼロの状態で、導光部の作用について検証した結果を示す図である。
【図13】気温45℃、ずれ量ゼロの状態で、導光部の作用について検証した結果を示す図である。
【図14】気温25℃、ずれ量最大の状態で、導光部の作用について検証した結果を示す図である。
【図15】気温45℃、ずれ量最大の状態で、導光部の作用について検証した結果を示す図である。
【図16】図12〜15の到達率をまとめた棒グラフである。
【図17】(a)は、図8と同じ構成のレシーバに、ポッティングを施した状態を示す斜視図であり、(b)は(a)におけるB−B線断面図である。
【図18】(a)は、図17と同様に、レシーバにポッティングを施した状態を示す斜視図であり、(b)は(a)におけるB−B線断面図である。
【図19】気温25℃、ずれ量ゼロの状態で、ポッティングを施した導光部の作用について検証した結果を示す図である。
【図20】気温45℃、ずれ量ゼロの状態で、ポッティングを施した導光部の作用について検証した結果を示す図である。
【図21】気温25℃、ずれ量最大の状態で、ポッティングを施した導光部の作用について検証した結果を示す図である。
【図22】気温45℃、ずれ量最大の状態で、ポッティングを施した導光部の作用について検証した結果を示す図である。
【図23】図19〜22の到達率をまとめた棒グラフである。
【図24】光透過層による屈折の様子を示す図である。
【図25】図6の(a)の状態から、太陽に対する追尾のずれが生じたために、集光部が太陽光を垂直に受けない場合の光の進路を示す図である。
【図26】図6の変形例としての集光型太陽光発電ユニットを示す図であり、発電素子が、フレネルレンズの焦点位置よりも光路上の後方にある場合の図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
《集光型太陽光発電装置・集光型太陽光発電パネル》
図1は、本発明の一実施形態に係る集光型太陽光発電パネルを含む、集光型太陽光発電装置の一例を示す斜視図である。図において、集光型太陽光発電装置100は、集光型太陽光発電パネル1と、これを背面中央で支持する支柱2と、支柱2を取り付ける架台3とを備えている。集光型太陽光発電パネル1は、例えば、支柱2との接続用の中央部を除く、62個(縦7×横9−1)の集光型太陽光発電モジュール1Mを縦横に集合させて成る。1個の集光型太陽光発電モジュール1Mの定格出力は例えば約100Wであり、集光型太陽光発電パネル1全体としては、約6kWの定格出力となる。架台3は、図示しない回転機構により支柱2を軸として回転することができ、集光型太陽光発電パネル1を常に太陽の方向へ向けるように追尾させることができる。
【0025】
《集光型太陽光発電モジュール》
図2は、集光型太陽光発電モジュール(以下、単にモジュールとも言う。)1Mを拡大して示す斜視図(一部破断)である。図において、モジュール1Mは、底面11aを有する器状(バット状)の筐体11と、底面11aに接して設けられたフレキシブルプリント配線板12と、筐体11の鍔部11bに、蓋のように取り付けられた集光部13とを備えている。筐体11は、例えば金属製であり、アルミニウムが好適である。金属製であることによって、筐体11は良好な熱伝導性を有する。従って、フレキシブルプリント配線板12から筐体11への放熱性が特に良い。
【0026】
集光部13は、フレネルレンズアレイであり、太陽光を集光するレンズ要素としてのフレネルレンズ13fがマトリックス状に複数個(例えば縦16×横12で、192個)並んで形成されている。このような集光部13は、例えば、ガラス板を基材として、その裏面(内側)にシリコーン樹脂膜を形成したものとすることができる。フレネルレンズは、この樹脂膜に形成される。筐体11の外面には、モジュール1Mの出力を取り出すためのコネクタ14が設けられている。
【0027】
図3は、図2におけるIII部の拡大図である。なお、このIII部以外も同様である。
図3において、フレキシブルプリント配線板12は、リボン状のフレキシブル基板15と、その上に設けられた発電素子(太陽電池)21と、この発電素子21に載せるように設けられた導光部22とを備えている。発電素子21及び導光部22のセットは、集光部13の各フレネルレンズ13fに対応した位置に、同一の個数だけ設けられている。導光部22は、各フレネルレンズ13fから入射された太陽光を発電素子21上に集める。
【0028】
モジュール1M全体の多数の発電素子21は、例えば、そのうちの所定数がフレキシブル基板15に形成された導電体のパターン(図示せず。)で互いに直列に接続され、その直列体群がさらに互いに並列に接続されることにより、モジュール1M全体で、所要の電圧・電力を発電することができるようになっている。
【0029】
フレキシブル基板15は、例えば、耐熱性に優れたポリイミド製の絶縁基材と、銅箔からなる導電性のパターンとによって構成されている。絶縁基材によって、パターンは、筐体11から絶縁されている。柔軟性に富むフレキシブル基板15を用いることで、フレキシブルプリント配線板12を、モジュール1Mの底面11a全体に自在に張り巡らすことができ、安価・至便で好適である。但し、その他、樹脂基板、セラミック基板等も採用可能である。
【0030】
図4は、集光部13の1レンズ要素であるフレネルレンズ13fと、導光部22との相似関係を示す図である。すなわち、フレネルレンズ13fを平面視した輪郭形状は矩形(典型的には正方形)であり、導光部22も、平面視した形状は相似な矩形である。これにより、フレネルレンズ13fの有効集光領域を通過した光を全て導光部22によって受け入れることが容易である。なお、図示している二点鎖線は、相似を示すための線であり、実際にフレネルレンズ13fで集光させた光は、導光部22の中心付近に到達する。但し、到達する光は、発電素子上に焦点を形成しない(詳細後述)。
【0031】
導光部22は、その内壁22aが光の進行方向に下り傾斜した漏斗状の形状の枠体であり、フレネルレンズ13fから来る光の入口が、出口より拡がっている。このような形状によれば、傾斜の角度を適切に選択することによって、内壁22aに当たった光を確実に出口へ導くことができる。
【0032】
内壁22aは、光の反射面であり、4つの下り傾斜面(四角錐面の転写形状)からなる。なお、導光部22の外形状はフレネルレンズ13fと対応した相似形としてこのような形態となっているが、例えば、フレネルレンズ13fの有効集光領域が円形(四隅無し)であれば、導光部22の輪郭形状は円形でよいし、内壁は、円錐面を転写した漏斗状の形状であればよい。すなわち、導光部22の形状は、フレネルレンズ13fで集光させる光を全て受け止めることができる内壁を有する形状であればよい。
【0033】
導光部22の材質としては、光の反射率が良く、吸収率が少ない金属が好ましい。例えば表面粗さRzが0.3μm以下であれば、太陽光の最小波長(約0.38μm)に対しても反射率が良い。金属の中では、アルミニウムが好ましい。アルミニウムは、光の反射率が良く、熱伝導性も良いので放熱させやすい。また、アルミニウムは軽量であり、太陽光発電モジュール1Mの軽量化、さらには、太陽光発電パネル1の軽量化にも寄与する。
【0034】
また、導光部22の材質は必ずしも全て金属でなくても良く、例えば、樹脂を基材として、光の反射をする内壁のみ、金属(例えば反射率の良いアルミニウム、銀)のコーティングを施すことも可能である。この場合は、材質全体がアルミニウムの場合よりもさらに軽量化を実現することができる。なお、樹脂であっても、高熱伝導性を有する絶縁性フィラー(例えば、アルミナ、シリカ、炭化珪素、酸化マグネシウム等)を添加した樹脂は、熱伝導性に優れ、放熱性が向上するので、好適である。
【0035】
図5は、参考例として、上述のような導光部22ではなく、代わりにガラス製の紡錘形状のレンズを用いた場合の、1次レンズ(フレネルレンズ13fに相当する。)23と、2次レンズ24との光学的な関係を示す図である。図において、本来、1次レンズ23と、2次レンズ24とは、互いの光軸が一致している。発電素子21は、2次レンズ24の底部中心にある。
【0036】
図5において、1次レンズ23に入射する平行光である太陽光は、1次レンズ23で屈折し、集光する。集光した光はさらに、2次レンズ24により収束させられ、発電素子21上に照射される。このような2次レンズ方式の集光型太陽光発電ユニットを構成することも可能である。この場合、二重の集光によって光を細く絞るので、若干の光軸のずれが生じても、発電素子21上に照射することは可能である。しかし、このように光を細く絞って、発電素子21上でピンポイント的に光を集めると、発電素子21の特性上、発電効率がむしろ下がるということが分かってきた。
【0037】
2次レンズ24を省略して、1次レンズ23の屈折率を高め、発電素子21上でピンポイント的に光を集めるということも可能であるが、この場合も同様に、発電素子21の特性上、発電効率がむしろ下がるということが分かっている。
すなわち、発電素子21に対して、1点集中的に光を集めるよりも、発電素子21の発電に寄与する表面部分の全体に対して、まんべんなく光を当てる方が、発電効率が良い。
【0038】
《集光型太陽光発電ユニット》
次に、本発明の一実施形態に係る集光型太陽光発電ユニットの構成例について説明する。上記の集光型太陽光発電モジュール1Mは、多数の集光型太陽光発電ユニットをアレイとしたものである。
【0039】
図6の(a)は、集光型太陽光発電ユニットの構成例として、集光部13のフレネルレンズ13fと、導光部22との光学的な関係を示す図である。導光部22は、内壁22aの形状を主に描けば、このようになる。図において、本来、フレネルレンズ13fと、導光部22とは、互いの光軸A(中心軸)が正確に一致している。発電素子21は、フレネルレンズ13fの焦点位置Fよりも光路上の手前にあり、また、導光部22の底部中心にあって、光の出口22outに面している。光の入口22inは、光の出口22outよりも大きく拡がっている。
【0040】
フレネルレンズ13fに入射する平行光である太陽光は、フレネルレンズ13fで屈折し、集光する。集光した光は導光部22の内壁22aにはほとんど当たらずに、直接、発電素子21の、発電に寄与する領域全体に達する。仮に、光が僅かに内壁22aに当たったとしても、当たって反射した光は導光部22の出口22outへ導かれ、結局は、発電素子21に達する。従って、実質的に全ての光が、発電素子21による発電に寄与する。
【0041】
図6の(b)は、フレネルレンズ13fが本来あるべき位置(点線)より右へずれて、その光軸がA’となり、導光部22の光軸Aと間で、軸のずれが生じている状態を表す図である。このように、フレネルレンズ13fと導光部22とで、光軸が互いに正確に一致していない場合には、直接的に発電素子21に達する光が減少し、導光部22の内壁22aに当たる光が多くなる。しかし、光が内壁22aに当たりさえすれば、当たって反射した光は導光部22の出口22outへ導かれ、結局は、発電素子21に達する。
【0042】
従って、集光部13のフレネルレンズ13fの光軸と導光部22の光軸とが互いに正確に一致していない場合でも、正確に一致している場合と同様に、発電量を確保することができる。なお、前述のように、フレネルレンズ13fの集光度を高めてピンポイントに光を集めることは、発電素子21の発電効率の点ではむしろ好ましくない。このように、フレネルレンズ13fで絞り、集光させた光を導光部22でいわば、かき集めるようにして発電素子21に導く構成によれば、フレネルレンズ13fの集光度をあまり高めずに、光を効率よく発電素子21上に集めることができる。これにより、簡素で安価な二次光学系を用いて、優れた発電効率を安定的に得ることができる。
【0043】
図7は、導光部22の入口側の開口の大きさと、反射との関係を示す図である。導光部22の出口の大きさは、発電素子21の大きさによって決まるが、入口の大きさは任意に設計可能である。例えば、図7の(a)に示すように入口の開口寸法をL1とすると、内壁22aの傾斜が比較的なだらかになる。そのため、入射光の一部が図示のように内壁22aから反対側の内壁22aへ反射して、導光部22から出てしまう。すなわち、このように反射させては、光を全て発電素子21に導くことはできない。
【0044】
一方、例えば、図7の(b)に示すように入口の開口寸法をL2(<L1)とすると、内壁22aの傾斜が比較的急峻になって、導光部22に一旦入った光は全て、発電素子21へ導くことができる。すなわち、フレネルレンズ13fによって集光させた太陽光を効率よく、発電素子21へ導くことができる。このような内壁22aの傾斜角度は、例えば、約58度である。
【0045】
なお、(b)の場合は、開口寸法が(a)の場合に比べて小さいため、光軸のずれ量によっては、フレネルレンズ13fから来た光の一部を導光部22内に受け入れることができない場合もあるが、そのことの損失よりも、導光部22に入った光を確実に発電素子21に導くことの方が、発電量の確保には重要である。
【0046】
《集光型太陽光レシーバ》
図8は、導光部22の詳細な形状の一例を、発電素子21を保持するパッケージ25と一体に組み合わせた状態で示す斜視図である。このように一体に組み合わせたものを、集光型太陽光レシーバ(以下、単にレシーバという。)20と称する。
【0047】
また、図9は図8におけるIX-IX線断面図である。図8,図9において、前述のように、導光部22の内壁22aは、光の進行方向に下り傾斜する漏斗のような形状であり、出口22outより、入口22inの方が拡がっている。導光部22の外側(4方向)には、放熱フィン22fが形成されている。放熱フィン22fは、導光部22の熱を自然空冷で放熱させる。導光部22が高温になると発電素子21が過熱状態となって発電効率が低下する場合があるが、このような放熱フィン22fを設けることにより、発電効率の低下を抑制することができる。導光部22の出口22outには、発電素子21が存在している。発電素子21は、パッケージ25に装着されている。
【0048】
図10は、レシーバ20の分解斜視図である。パッケージ25は、樹脂やセラミックの絶縁物から成り、発電素子21及びリードフレーム26を備えるとともに、導光部22を一体に取り付ける機能を備えている。発電素子21は、パッケージ25の中央に取り付けられており、その出力が一対のリードフレーム26に導出されるようになっている。パッケージ25には導光部22を定位置に取り付けるための穴25hが2箇所に設けられている。
【0049】
図11は、図10のXI−XI線での、レシーバ20の分解断面図である。パッケージ25の穴25hに対応した位置の導光部22には、突起22pが設けられている。これらの突起22pを、穴25hに嵌め込むことにより、導光部22と、発電素子21が装着されたパッケージ25とは、互いに一体化される。こうして、図8,図9に示すレシーバ20が出来上がる。このような一体化によって、導光部22と発電素子21との相互の光学的な位置関係は、一定の状態に安定して維持される。
【0050】
《導光部の作用の検証》
図12〜15は、上記の導光部22の作用について検証した結果を示す図である。各図における1次レンズとは、フレネルレンズ13fのことである。
まず、図12は、気温25℃で、導光部22に対する1次レンズの光軸のずれが無い場合における、導光部22の作用を示している。なお、1次レンズの吸収損失については無視し、導光部22の反射率は100%とする。図中の点線の二重枠のうち外側は、一辺の長さ3.2mmの正方形の発電素子を表している。なお、内側の枠は、一辺の長さ2.5mmの正方形の発電素子を想定したものであるが、ここでは、外側の3.2mmの正方形の発電素子についての検証結果(数値)のみを示している。
【0051】
図12において、上段は、比較のために、1次レンズのみ、すなわち、導光部22を使用せずに、フレネルレンズ13fのみによって集光させた光を発電素子21に与えた場合の光の当たり方を示している。左から右へ第1〜4列とすると、第1列は波長400nmの光、第2列は波長650nmの光、第3列は波長1600nmの光、そして、第4列(Totalと表記)は、第1〜3列の3種類の波長の総和である光についての光の当たり方を示し、%は、概ね平均値を示している。
【0052】
なお、図12(図13〜15も同様。)は、カラーの原図を白黒で表した図であり、中央の黒っぽく見える小領域(第3列では拡がっている。)はカラーでは赤であり、相対的に強く光が当たっている部位である。その周りの白く見える環状(又は枠状)部分は、中央よりは弱いものの、光が当たっている部位であり、外側へ行くほど光が弱くなる。図中の「%」は、光が、発電素子に到達する割合(以下、到達率と言う。)を示している。
【0053】
一方、下段は、1次レンズによって集光させた光を、導光部22を介して発電素子に与えた場合の光の当たり方を示している。波長の条件は、上段と同じである。
図12における上段と下段とを互いに比較すると、下段の方が到達率で僅かに優れているが、ほとんど差が無い。すなわち、1次レンズによって集光させた光は、導光部22にはほとんど当たらず、直接、発電素子に達しているので大きな差が出なかった、と考えられる。
【0054】
図13は、気温45℃で、導光部22に対する1次レンズの光軸のずれが無い場合における、導光部22の作用を示している。上段と下段とを互いに比較すると、図12の場合とは異なり、波長1600nm及び平均(Total)についての到達率に大きな差が出ている。これを分析・評価すれば、気温が高くなると、1次レンズの屈折率が下がり、集光度が低下する。そのため、発電素子上に集光しきれなかった光が、損失となる。長波長になる程、屈折率が小さくなるので、損失が顕著に生じやすい。これが、上段の波長1600nmにおける到達率73.3%、全波長における到達率86.7%という数字に表れている。しかしながら、導光部22の存在によって、波長1600nmで92.3%、全波長で93.2%と、損失を抑制していることがわかる。
【0055】
図14は、気温25℃で、導光部22に対する1次レンズの光軸のずれが、想定される最大値である場合における、導光部22の作用を示している。図において、1次レンズのみの場合は、光軸のずれによって光の照射領域が右上に移動し、どの波長域でも到達率が大幅に低下している。しかしながら、導光部22が設けられている下段の到達率を見れば明らかなように、どの波長域でも、光を良く集め、到達率の低下を劇的に抑制していることがわかる。
【0056】
図15は、気温45℃で、導光部22に対する1次レンズの光軸のずれが、想定される最大値である場合における、導光部22の作用を示している。図において、1次レンズのみの場合は、図14の場合と同様に、光軸のずれによって光の照射領域が右上に移動し、どの波長域でも到達率が大幅に低下している。しかしながら、導光部22が設けられている下段の到達率を見れば明らかなように、どの波長域でも、光を良く集め、到達率の低下を劇的に抑制していることがわかる。
【0057】
図16は、図12〜15の到達率をまとめた棒グラフである。ずれ量最大の場合には、図中の矢印で示すように、導光部22を設けることで、到達率の大幅な改善効果が見られる。ずれ量ゼロの場合でも、導光部22を設けることで、常に安定した到達率が得られていることがわかる。
【0058】
《屈折要素と組み合わせた導光部》
次に、導光部22に屈折要素を併用した例について説明する。
図17の(a)は、図8と同じ構成のレシーバ20に、ポッティングを施した状態を示す斜視図であり、図17の(b)は(a)におけるB−B線断面図である。図において、光透過層27は、光透過性の材料(例えばシリコーン)を、導光部22内にポッティングにより充填して固めたものである。光透過層27の深さ(厚さ)は、例えば1mmである。なお、導光部22の高さ寸法は例えば3mmである。ポッティングにより形成された光透過層27は、発電素子21と導光部22とを互いに固着する役割を果たすとともに、発電素子21の表面を保護して劣化を抑制する。また、光透過層27は、導光部22と一体化し、レシーバ20の一部を成す。
【0059】
図18の(a)は、図17と同様に、レシーバ20にポッティングを施した状態を示す斜視図であり、図18の(b)は(a)におけるB−B線断面図である。図17との違いは、光透過層27の深さ(厚さ)で、この場合は、例えば3mmである。
【0060】
《光透過層を有する導光部の作用の検証》
上記のような2種類の深さのポッティングを施した導光部22について、その作用を検証した。なお、光透過層27の屈折率は、例えば1.41である。また、光透過層27自身の光吸収損失は無視している。
【0061】
図19〜22は、ポッティングを施した上記の導光部22の作用について検証した結果を示す図である。図19〜22の各図における上段(1次レンズのみの場合)及び中段(導光部を設けた場合)は、それぞれ、図12〜15と同じ数値を示している。なお、中段の括弧書きの数字は、参考のために、一辺の長さ2.5mmの正方形の発電素子についての検証結果も併せて示している。
【0062】
まず、図19は、気温25℃で、導光部22に対する1次レンズの光軸のずれが無い場合における、ポッティングを施した導光部22の作用を示している。
下段は、ポッティングを施した導光部22についての到達率を示している。ポッティングを施すことによって、中段のポッティング無しよりも若干数値が低下するが、低下の程度は僅かである。この低下は、光透過層の表面でのフレネル反射損失である。また、1mm充填と、3mm充填との間には、ほとんど差が無い。
【0063】
図20は、気温45℃で、導光部22に対する1次レンズの光軸のずれが無い場合における、ポッティングを施した導光部22の作用を示している。
この場合も、図18と同様、ポッティングの1mm充填と、3mm充填との間には、ほとんど差が無い。
【0064】
図21は、気温25℃で、導光部22に対する1次レンズの光軸のずれが、想定される最大値である場合における、ポッティングを施した導光部22の作用を示している。
この場合、ポッティング無しの場合(中段)と比較すると、若干、数値は下がる場合もあるが、低下の程度は少ない。また、波長400nmでは、むしろ、僅かに数値が上がっている。
【0065】
図22は、気温45℃で、導光部22に対する1次レンズの光軸のずれが、想定される最大値である場合における、ポッティングを施した導光部22の作用を示している。
この場合も、ポッティング無しの場合(中段)と比較すると、若干、数値は下がる場合もあるが、低下の程度は少ない。
【0066】
図23は、図19〜22の到達率をまとめた棒グラフである。ずれ量最大の場合には、ポッティングを施した導光部22を設けることで、到達率の大幅な改善効果が見られる。また、ポッティング無しの場合と比べて、ポッティングを施しても到達率への影響が少ない。
【0067】
図24は、光透過層27による屈折の様子を示す図である。(a)は光透過層27が1mmの場合を示し、(b)は光透過層27が3mmの場合を示している。点線の楕円で示す部分すなわち、光透過層27と空気との界面で、光の屈折が起こる。光軸のずれが生じた場合、屈折がなければ導光部22の内壁に当たる光の一部が、このような屈折により、発電素子21に直接当たると考えられる。
【0068】
《その他》
なお、上記実施形態では、集光部13と導光部22との間で光軸(中心軸)のずれがあった場合について説明したが、集光部13が太陽光を垂直に受けていない場合、すなわち太陽に対する追尾のずれがある場合においても、光学系のずれが生じ得る。
【0069】
図25は、このような状態の一例を示す図である。図において、太陽に対する追尾のずれがある場合には、集光部13のフレネルレンズ13fが太陽光を垂直に受けないことになる。この場合、集光した光の進路は導光部22の光軸A(中心軸)に対して角度的にずれるが、内壁22aの反射により、光は発電素子21上に集められる。従って、この場合も同様に、導光部22によって光を効率よく発電素子21上に集めることができる。
【0070】
また、上記集光型太陽光発電ユニットの実施形態では、図6に示したように、発電素子21は、フレネルレンズ13fの焦点位置Fよりも光路上の手前にあるとしたが、必ずしも手前でなくてもよい。
図26は、図6の変形例としての集光型太陽光発電ユニットを示す図であり、発電素子21が、フレネルレンズ13fの焦点位置Fよりも光路上の後方にある場合の図である。図6と同様に、(a)は、フレネルレンズ13fと導光部22との間で軸のずれが無い場合の状態を表す図であり、(b)は、フレネルレンズ13fと導光部22と間で軸のずれが生じている状態を表す図である。
【0071】
図26の(a)において、フレネルレンズ13fに入射する平行光である太陽光は、フレネルレンズ13fで集光し、焦点位置Fより後方で発電素子21に達する。なお、焦点位置Fより後方ではあるが、相対的にはフレネルレンズ13fに入射する前よりは集光している状態の光が、発電素子21に達する。この場合の光は、図6の(a)の場合と同様に、導光部22の内壁22aにはほとんど当たらずに、直接、発電素子21の、発電に寄与する領域全体に達する。仮に、光が僅かに内壁22aに当たったとしても、当たって反射した光は導光部22の出口22outへ導かれ、結局は、発電素子21に達する。従って、実質的に全ての光が、発電素子21による発電に寄与する。
【0072】
また、図26の(b)は、フレネルレンズ13fが本来あるべき位置(点線)より右へずれて、その光軸がA’となり、導光部22の光軸Aと間で、軸のずれが生じている状態を表す図である。この場合には図6の(b)の場合と同様に、直接的に発電素子21に達する光が減少し、導光部22の内壁22aに当たる光が多くなる。しかし、光が内壁22aに当たりさえすれば、当たって反射した光は導光部22の出口22outへ導かれ、結局は、発電素子21に達する。
【0073】
従って、図6の場合と同様に、集光部13のフレネルレンズ13fの光軸と導光部22の光軸とが互いに正確に一致していない場合でも、正確に一致している場合と同様に、発電量を確保することができる。但し、図6と異なるのは、焦点で収束した後の光であるため、内壁22aに対する入射角が小さくなりやすい。従って、例えば、内壁22aの傾斜角度を大きくすることにより、反射した光が導光部22の入口22inから出ないように設計することが必要である。
【0074】
なお、上記実施形態において集光部(1次レンズ)13のレンズ要素としては、軽量で製造容易なフレネルレンズ13fが好適であるが、ガラス等のレンズを使用することも可能である。
【0075】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0076】
1 集光型太陽光発電パネル
1M 集光型太陽光発電モジュール
13 集光部
13f フレネルレンズ(レンズ要素)
21 発電素子
22 導光部
22a 内壁
22f 放熱フィン
22in 入口
22out 出口
27 光透過層
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光を発電素子に集光して発電する集光型太陽光発電(CPV:Concentrated Photovoltaic)に関する。
【背景技術】
【0002】
集光型太陽光発電(CPV)では、発電効率の高い小型の化合物半導体素子を発電素子として、これに、フレネルレンズ等の集光部で集光させた太陽光を入射させる構成を基本としている(例えば、特許文献1参照。)。このような基本構成を多数備える集光型太陽光発電パネルを、常に太陽に向けるように追尾動作させることにより、所望の発電電力を得ることができる。
また、フレネルレンズを1次光学系として、さらに、2次光学系を設けて、光を効率良く発電素子へ導く技術も数多く提案されている(例えば、特許文献2及び非特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第4,069,812号
【特許文献2】特開2002−289896号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「集光型太陽光発電システムについて」、[online]、五鈴精工硝子株式会社、[平成23年10月14日検索]、インターネット〈URL:http://www.isuzuglass.co.jp/development/cpv.html〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような従来の集光型太陽光発電の装置においては、製造時の僅かな寸法誤差、取付誤差、あるいは、設置後の変形等、種々の理由によって、光軸のずれが生じる場合がある。このような場合、1次光学系のみでは、発電素子への集光の効率が悪くなり、日照条件は同じであっても発電量が低下する。また、追尾のずれによっても、光軸のずれと似たような状態が起こり、発電量が低下する。一方、2次光学系を併用すれば、多少のずれを吸収できるが、2次光学系は、特殊なレンズを用い、また、複雑な構成である等により、製造コストが高くなり、実用化の重荷となる。
【0006】
かかる従来の問題点に鑑み、本発明は、集光型太陽光発電の基本構造に関して、簡素で安価な二次光学系を用いて、光学系に多少のずれがあっても、発電量への影響を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の集光型太陽光発電ユニットは、太陽光を集光するレンズ要素を有する集光部と、集光させた太陽光を受けて発電する発電素子と、前記集光部から前記発電素子に至る光路上に設けられ、内壁を反射面として光の入口が光の出口より拡がっている形状の枠体であって、前記集光部によって集光させた太陽光を前記内壁の反射により前記出口へ導いて、当該出口に面する前記発電素子上に集める導光部とを備えたものである。
【0008】
上記のように構成された集光型太陽光発電ユニットでは、集光部の光軸と導光部の光軸(中心軸)とが互いに正確に一致している場合には、集光させた太陽光がそのまま直接、発電素子に達する。また、集光させた太陽光の一部が導光部の内壁に当たったとしても、当たって反射した光は導光部の出口へ導かれ、結局は、発電素子に達する。従って、実質的に全ての光が、発電素子による発電に寄与する。一方、集光部と導光部とで、光軸が互いに正確に一致していない場合には、直接的に発電素子に達する光が減少し、導光部の内壁に当たる光が多くなるが、内壁に当たりさえすれば、当たって反射した光は導光部の出口へ導かれ、結局は、発電素子に達する。
【0009】
従って、集光部の光軸と導光部の光軸(中心軸)とが互いに正確に一致していない場合でも、正確に一致している場合と同様に、発電量を確保することができる。このように、集光部で絞り、導光部でいわば光をかき集めるようにして出口すなわち発電素子へ導く構成によれば、集光部の集光度をあまり高めずに、光を効率よく発電素子上に集めることができる。これにより、優れた発電効率が安定的に得られる。
【0010】
なお、集光部が太陽光を垂直に受けていない場合(すなわち太陽に対する追尾のずれがある場合)においても、集光部と導光部とで光学系のずれが生じ得るが、この場合も同様に、導光部によって光を効率よく発電素子上に集めることができる。
【0011】
(2)また、上記(1)の集光型太陽光発電ユニットにおいて、導光部は、その内壁が、光の進行方向に下り傾斜した漏斗状の形態であってもよい。
この場合、傾斜の角度を適切に選択することによって、内壁に当たった光を確実に出口へ導くことができる。
【0012】
(3)また、上記(1)又は(2)の集光型太陽光発電ユニットにおいて、導光部の入口の形状は、レンズ要素の輪郭形状と相似であることが好ましい。
この場合、集光部の有効集光領域を通過した光を全て、導光部へ受け入れることが容易である。
【0013】
(4)また、上記(1)〜(3)のいずれかの集光型太陽光発電ユニットにおいて、導光部の少なくとも内壁は金属であることが好ましい。
この場合、光の反射率が良く、吸収率が少ない。
【0014】
(5)また、上記(4)の集光型太陽光発電ユニットにおいて、導光部はアルミニウムであることが好ましい。
この場合、光の反射率が良く、放熱性も良く、かつ、軽量である。
【0015】
(6)また、上記(4)の集光型太陽光発電ユニットにおいて、導光部は内壁に金属のコーティングが施されていてもよい。
この場合、基材には例えば樹脂を使用することができるので、特に軽量である。
【0016】
(7)また、上記(1)〜(6)のいずれかの集光型太陽光発電ユニットにおいて、導光部の内壁の表面粗さRzは、0.3μm以下であることが好ましい。
この場合、太陽光の最小波長に対しても、反射率が良い。
【0017】
(8)また、上記(1)〜(7)のいずれかの集光型太陽光発電ユニットにおいて、導光部の内側に、光透過性の材料からなる光透過層が設けられていてもよい。
この場合、導光部の内壁による反射のほか、光透過層によって光を屈折させつつ、発電素子へ導くことができる。
【0018】
(9)また、上記(8)の集光型太陽光発電ユニットにおいて、光透過層は、光透過性の材料を発電素子上にポッティングしたものであってもよい。
この場合、ポッティングにより形成された光透過層は、発電素子と導光部とを互いに固着する役割を果たすとともに、発電素子の表面を保護して劣化を抑制する。
【0019】
(10)また、上記(1)〜(9)のいずれかの集光型太陽光発電ユニットにおいて、導光部は、放熱フィンを備えていることが好ましい。
この場合、放熱を促進して、発電素子の過熱を防止することができる。
【0020】
(11)一方、本発明の集光型太陽光発電モジュールは、上記(1)の集光型太陽光発電ユニットの集合体であって、集光部はレンズ要素が複数個並んで形成され、発電素子は、各レンズ要素に対応して複数個並んで設けられ、導光部は、各レンズ要素に対応して複数個並んで設けられているものである。
上記のように構成された集光型太陽光発電モジュールでは、多数の集光型太陽光発電ユニットをアレイとしたモジュールを構成することができる。
【0021】
(12)また、本発明の集光型太陽光発電パネルは、上記(11)に記載の集光型太陽光発電モジュールを複数個集合させて成るものである。
この場合、発電パネルとして必要な出力を確保することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の集光型太陽光発電ユニット、集光型太陽光発電モジュール、及び、集光型太陽光発電パネルによれば、光学系に多少のずれがあっても、それによる発電量への影響を抑制することができる。すなわち、簡素で安価な導光部を用いて、優れた発電効率を安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係る集光型太陽光発電パネルを含む、集光型太陽光発電装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る集光型太陽光発電モジュールを拡大して示す斜視図(一部破断)である。
【図3】図2におけるIII部の拡大図である。
【図4】集光部のレンズ要素であるフレネルレンズと、導光部との相似関係を示す図である。
【図5】参考例として、導光部にガラス製の紡錘状のレンズを用いた場合の、1次レンズと、2次レンズとの光学的な関係を示す図である。
【図6】(a)は、本発明の一実施形態に係る集光型太陽光発電ユニットの構成例として、フレネルレンズと、導光部との光学的な関係を示す図であり、(b)は、フレネルレンズと導光部と間で、軸のずれが生じている状態を表す図である。
【図7】導光部の入口側の開口の大きさと、反射との関係を示す図である。
【図8】導光部の詳細な形状の一例を、発電素子を保持するパッケージと一体に組み合わせた状態で示す斜視図である。
【図9】図8におけるIX-IX線断面図である。
【図10】レシーバの分解斜視図である。
【図11】レシーバの分解断面図である。
【図12】気温25℃、ずれ量ゼロの状態で、導光部の作用について検証した結果を示す図である。
【図13】気温45℃、ずれ量ゼロの状態で、導光部の作用について検証した結果を示す図である。
【図14】気温25℃、ずれ量最大の状態で、導光部の作用について検証した結果を示す図である。
【図15】気温45℃、ずれ量最大の状態で、導光部の作用について検証した結果を示す図である。
【図16】図12〜15の到達率をまとめた棒グラフである。
【図17】(a)は、図8と同じ構成のレシーバに、ポッティングを施した状態を示す斜視図であり、(b)は(a)におけるB−B線断面図である。
【図18】(a)は、図17と同様に、レシーバにポッティングを施した状態を示す斜視図であり、(b)は(a)におけるB−B線断面図である。
【図19】気温25℃、ずれ量ゼロの状態で、ポッティングを施した導光部の作用について検証した結果を示す図である。
【図20】気温45℃、ずれ量ゼロの状態で、ポッティングを施した導光部の作用について検証した結果を示す図である。
【図21】気温25℃、ずれ量最大の状態で、ポッティングを施した導光部の作用について検証した結果を示す図である。
【図22】気温45℃、ずれ量最大の状態で、ポッティングを施した導光部の作用について検証した結果を示す図である。
【図23】図19〜22の到達率をまとめた棒グラフである。
【図24】光透過層による屈折の様子を示す図である。
【図25】図6の(a)の状態から、太陽に対する追尾のずれが生じたために、集光部が太陽光を垂直に受けない場合の光の進路を示す図である。
【図26】図6の変形例としての集光型太陽光発電ユニットを示す図であり、発電素子が、フレネルレンズの焦点位置よりも光路上の後方にある場合の図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
《集光型太陽光発電装置・集光型太陽光発電パネル》
図1は、本発明の一実施形態に係る集光型太陽光発電パネルを含む、集光型太陽光発電装置の一例を示す斜視図である。図において、集光型太陽光発電装置100は、集光型太陽光発電パネル1と、これを背面中央で支持する支柱2と、支柱2を取り付ける架台3とを備えている。集光型太陽光発電パネル1は、例えば、支柱2との接続用の中央部を除く、62個(縦7×横9−1)の集光型太陽光発電モジュール1Mを縦横に集合させて成る。1個の集光型太陽光発電モジュール1Mの定格出力は例えば約100Wであり、集光型太陽光発電パネル1全体としては、約6kWの定格出力となる。架台3は、図示しない回転機構により支柱2を軸として回転することができ、集光型太陽光発電パネル1を常に太陽の方向へ向けるように追尾させることができる。
【0025】
《集光型太陽光発電モジュール》
図2は、集光型太陽光発電モジュール(以下、単にモジュールとも言う。)1Mを拡大して示す斜視図(一部破断)である。図において、モジュール1Mは、底面11aを有する器状(バット状)の筐体11と、底面11aに接して設けられたフレキシブルプリント配線板12と、筐体11の鍔部11bに、蓋のように取り付けられた集光部13とを備えている。筐体11は、例えば金属製であり、アルミニウムが好適である。金属製であることによって、筐体11は良好な熱伝導性を有する。従って、フレキシブルプリント配線板12から筐体11への放熱性が特に良い。
【0026】
集光部13は、フレネルレンズアレイであり、太陽光を集光するレンズ要素としてのフレネルレンズ13fがマトリックス状に複数個(例えば縦16×横12で、192個)並んで形成されている。このような集光部13は、例えば、ガラス板を基材として、その裏面(内側)にシリコーン樹脂膜を形成したものとすることができる。フレネルレンズは、この樹脂膜に形成される。筐体11の外面には、モジュール1Mの出力を取り出すためのコネクタ14が設けられている。
【0027】
図3は、図2におけるIII部の拡大図である。なお、このIII部以外も同様である。
図3において、フレキシブルプリント配線板12は、リボン状のフレキシブル基板15と、その上に設けられた発電素子(太陽電池)21と、この発電素子21に載せるように設けられた導光部22とを備えている。発電素子21及び導光部22のセットは、集光部13の各フレネルレンズ13fに対応した位置に、同一の個数だけ設けられている。導光部22は、各フレネルレンズ13fから入射された太陽光を発電素子21上に集める。
【0028】
モジュール1M全体の多数の発電素子21は、例えば、そのうちの所定数がフレキシブル基板15に形成された導電体のパターン(図示せず。)で互いに直列に接続され、その直列体群がさらに互いに並列に接続されることにより、モジュール1M全体で、所要の電圧・電力を発電することができるようになっている。
【0029】
フレキシブル基板15は、例えば、耐熱性に優れたポリイミド製の絶縁基材と、銅箔からなる導電性のパターンとによって構成されている。絶縁基材によって、パターンは、筐体11から絶縁されている。柔軟性に富むフレキシブル基板15を用いることで、フレキシブルプリント配線板12を、モジュール1Mの底面11a全体に自在に張り巡らすことができ、安価・至便で好適である。但し、その他、樹脂基板、セラミック基板等も採用可能である。
【0030】
図4は、集光部13の1レンズ要素であるフレネルレンズ13fと、導光部22との相似関係を示す図である。すなわち、フレネルレンズ13fを平面視した輪郭形状は矩形(典型的には正方形)であり、導光部22も、平面視した形状は相似な矩形である。これにより、フレネルレンズ13fの有効集光領域を通過した光を全て導光部22によって受け入れることが容易である。なお、図示している二点鎖線は、相似を示すための線であり、実際にフレネルレンズ13fで集光させた光は、導光部22の中心付近に到達する。但し、到達する光は、発電素子上に焦点を形成しない(詳細後述)。
【0031】
導光部22は、その内壁22aが光の進行方向に下り傾斜した漏斗状の形状の枠体であり、フレネルレンズ13fから来る光の入口が、出口より拡がっている。このような形状によれば、傾斜の角度を適切に選択することによって、内壁22aに当たった光を確実に出口へ導くことができる。
【0032】
内壁22aは、光の反射面であり、4つの下り傾斜面(四角錐面の転写形状)からなる。なお、導光部22の外形状はフレネルレンズ13fと対応した相似形としてこのような形態となっているが、例えば、フレネルレンズ13fの有効集光領域が円形(四隅無し)であれば、導光部22の輪郭形状は円形でよいし、内壁は、円錐面を転写した漏斗状の形状であればよい。すなわち、導光部22の形状は、フレネルレンズ13fで集光させる光を全て受け止めることができる内壁を有する形状であればよい。
【0033】
導光部22の材質としては、光の反射率が良く、吸収率が少ない金属が好ましい。例えば表面粗さRzが0.3μm以下であれば、太陽光の最小波長(約0.38μm)に対しても反射率が良い。金属の中では、アルミニウムが好ましい。アルミニウムは、光の反射率が良く、熱伝導性も良いので放熱させやすい。また、アルミニウムは軽量であり、太陽光発電モジュール1Mの軽量化、さらには、太陽光発電パネル1の軽量化にも寄与する。
【0034】
また、導光部22の材質は必ずしも全て金属でなくても良く、例えば、樹脂を基材として、光の反射をする内壁のみ、金属(例えば反射率の良いアルミニウム、銀)のコーティングを施すことも可能である。この場合は、材質全体がアルミニウムの場合よりもさらに軽量化を実現することができる。なお、樹脂であっても、高熱伝導性を有する絶縁性フィラー(例えば、アルミナ、シリカ、炭化珪素、酸化マグネシウム等)を添加した樹脂は、熱伝導性に優れ、放熱性が向上するので、好適である。
【0035】
図5は、参考例として、上述のような導光部22ではなく、代わりにガラス製の紡錘形状のレンズを用いた場合の、1次レンズ(フレネルレンズ13fに相当する。)23と、2次レンズ24との光学的な関係を示す図である。図において、本来、1次レンズ23と、2次レンズ24とは、互いの光軸が一致している。発電素子21は、2次レンズ24の底部中心にある。
【0036】
図5において、1次レンズ23に入射する平行光である太陽光は、1次レンズ23で屈折し、集光する。集光した光はさらに、2次レンズ24により収束させられ、発電素子21上に照射される。このような2次レンズ方式の集光型太陽光発電ユニットを構成することも可能である。この場合、二重の集光によって光を細く絞るので、若干の光軸のずれが生じても、発電素子21上に照射することは可能である。しかし、このように光を細く絞って、発電素子21上でピンポイント的に光を集めると、発電素子21の特性上、発電効率がむしろ下がるということが分かってきた。
【0037】
2次レンズ24を省略して、1次レンズ23の屈折率を高め、発電素子21上でピンポイント的に光を集めるということも可能であるが、この場合も同様に、発電素子21の特性上、発電効率がむしろ下がるということが分かっている。
すなわち、発電素子21に対して、1点集中的に光を集めるよりも、発電素子21の発電に寄与する表面部分の全体に対して、まんべんなく光を当てる方が、発電効率が良い。
【0038】
《集光型太陽光発電ユニット》
次に、本発明の一実施形態に係る集光型太陽光発電ユニットの構成例について説明する。上記の集光型太陽光発電モジュール1Mは、多数の集光型太陽光発電ユニットをアレイとしたものである。
【0039】
図6の(a)は、集光型太陽光発電ユニットの構成例として、集光部13のフレネルレンズ13fと、導光部22との光学的な関係を示す図である。導光部22は、内壁22aの形状を主に描けば、このようになる。図において、本来、フレネルレンズ13fと、導光部22とは、互いの光軸A(中心軸)が正確に一致している。発電素子21は、フレネルレンズ13fの焦点位置Fよりも光路上の手前にあり、また、導光部22の底部中心にあって、光の出口22outに面している。光の入口22inは、光の出口22outよりも大きく拡がっている。
【0040】
フレネルレンズ13fに入射する平行光である太陽光は、フレネルレンズ13fで屈折し、集光する。集光した光は導光部22の内壁22aにはほとんど当たらずに、直接、発電素子21の、発電に寄与する領域全体に達する。仮に、光が僅かに内壁22aに当たったとしても、当たって反射した光は導光部22の出口22outへ導かれ、結局は、発電素子21に達する。従って、実質的に全ての光が、発電素子21による発電に寄与する。
【0041】
図6の(b)は、フレネルレンズ13fが本来あるべき位置(点線)より右へずれて、その光軸がA’となり、導光部22の光軸Aと間で、軸のずれが生じている状態を表す図である。このように、フレネルレンズ13fと導光部22とで、光軸が互いに正確に一致していない場合には、直接的に発電素子21に達する光が減少し、導光部22の内壁22aに当たる光が多くなる。しかし、光が内壁22aに当たりさえすれば、当たって反射した光は導光部22の出口22outへ導かれ、結局は、発電素子21に達する。
【0042】
従って、集光部13のフレネルレンズ13fの光軸と導光部22の光軸とが互いに正確に一致していない場合でも、正確に一致している場合と同様に、発電量を確保することができる。なお、前述のように、フレネルレンズ13fの集光度を高めてピンポイントに光を集めることは、発電素子21の発電効率の点ではむしろ好ましくない。このように、フレネルレンズ13fで絞り、集光させた光を導光部22でいわば、かき集めるようにして発電素子21に導く構成によれば、フレネルレンズ13fの集光度をあまり高めずに、光を効率よく発電素子21上に集めることができる。これにより、簡素で安価な二次光学系を用いて、優れた発電効率を安定的に得ることができる。
【0043】
図7は、導光部22の入口側の開口の大きさと、反射との関係を示す図である。導光部22の出口の大きさは、発電素子21の大きさによって決まるが、入口の大きさは任意に設計可能である。例えば、図7の(a)に示すように入口の開口寸法をL1とすると、内壁22aの傾斜が比較的なだらかになる。そのため、入射光の一部が図示のように内壁22aから反対側の内壁22aへ反射して、導光部22から出てしまう。すなわち、このように反射させては、光を全て発電素子21に導くことはできない。
【0044】
一方、例えば、図7の(b)に示すように入口の開口寸法をL2(<L1)とすると、内壁22aの傾斜が比較的急峻になって、導光部22に一旦入った光は全て、発電素子21へ導くことができる。すなわち、フレネルレンズ13fによって集光させた太陽光を効率よく、発電素子21へ導くことができる。このような内壁22aの傾斜角度は、例えば、約58度である。
【0045】
なお、(b)の場合は、開口寸法が(a)の場合に比べて小さいため、光軸のずれ量によっては、フレネルレンズ13fから来た光の一部を導光部22内に受け入れることができない場合もあるが、そのことの損失よりも、導光部22に入った光を確実に発電素子21に導くことの方が、発電量の確保には重要である。
【0046】
《集光型太陽光レシーバ》
図8は、導光部22の詳細な形状の一例を、発電素子21を保持するパッケージ25と一体に組み合わせた状態で示す斜視図である。このように一体に組み合わせたものを、集光型太陽光レシーバ(以下、単にレシーバという。)20と称する。
【0047】
また、図9は図8におけるIX-IX線断面図である。図8,図9において、前述のように、導光部22の内壁22aは、光の進行方向に下り傾斜する漏斗のような形状であり、出口22outより、入口22inの方が拡がっている。導光部22の外側(4方向)には、放熱フィン22fが形成されている。放熱フィン22fは、導光部22の熱を自然空冷で放熱させる。導光部22が高温になると発電素子21が過熱状態となって発電効率が低下する場合があるが、このような放熱フィン22fを設けることにより、発電効率の低下を抑制することができる。導光部22の出口22outには、発電素子21が存在している。発電素子21は、パッケージ25に装着されている。
【0048】
図10は、レシーバ20の分解斜視図である。パッケージ25は、樹脂やセラミックの絶縁物から成り、発電素子21及びリードフレーム26を備えるとともに、導光部22を一体に取り付ける機能を備えている。発電素子21は、パッケージ25の中央に取り付けられており、その出力が一対のリードフレーム26に導出されるようになっている。パッケージ25には導光部22を定位置に取り付けるための穴25hが2箇所に設けられている。
【0049】
図11は、図10のXI−XI線での、レシーバ20の分解断面図である。パッケージ25の穴25hに対応した位置の導光部22には、突起22pが設けられている。これらの突起22pを、穴25hに嵌め込むことにより、導光部22と、発電素子21が装着されたパッケージ25とは、互いに一体化される。こうして、図8,図9に示すレシーバ20が出来上がる。このような一体化によって、導光部22と発電素子21との相互の光学的な位置関係は、一定の状態に安定して維持される。
【0050】
《導光部の作用の検証》
図12〜15は、上記の導光部22の作用について検証した結果を示す図である。各図における1次レンズとは、フレネルレンズ13fのことである。
まず、図12は、気温25℃で、導光部22に対する1次レンズの光軸のずれが無い場合における、導光部22の作用を示している。なお、1次レンズの吸収損失については無視し、導光部22の反射率は100%とする。図中の点線の二重枠のうち外側は、一辺の長さ3.2mmの正方形の発電素子を表している。なお、内側の枠は、一辺の長さ2.5mmの正方形の発電素子を想定したものであるが、ここでは、外側の3.2mmの正方形の発電素子についての検証結果(数値)のみを示している。
【0051】
図12において、上段は、比較のために、1次レンズのみ、すなわち、導光部22を使用せずに、フレネルレンズ13fのみによって集光させた光を発電素子21に与えた場合の光の当たり方を示している。左から右へ第1〜4列とすると、第1列は波長400nmの光、第2列は波長650nmの光、第3列は波長1600nmの光、そして、第4列(Totalと表記)は、第1〜3列の3種類の波長の総和である光についての光の当たり方を示し、%は、概ね平均値を示している。
【0052】
なお、図12(図13〜15も同様。)は、カラーの原図を白黒で表した図であり、中央の黒っぽく見える小領域(第3列では拡がっている。)はカラーでは赤であり、相対的に強く光が当たっている部位である。その周りの白く見える環状(又は枠状)部分は、中央よりは弱いものの、光が当たっている部位であり、外側へ行くほど光が弱くなる。図中の「%」は、光が、発電素子に到達する割合(以下、到達率と言う。)を示している。
【0053】
一方、下段は、1次レンズによって集光させた光を、導光部22を介して発電素子に与えた場合の光の当たり方を示している。波長の条件は、上段と同じである。
図12における上段と下段とを互いに比較すると、下段の方が到達率で僅かに優れているが、ほとんど差が無い。すなわち、1次レンズによって集光させた光は、導光部22にはほとんど当たらず、直接、発電素子に達しているので大きな差が出なかった、と考えられる。
【0054】
図13は、気温45℃で、導光部22に対する1次レンズの光軸のずれが無い場合における、導光部22の作用を示している。上段と下段とを互いに比較すると、図12の場合とは異なり、波長1600nm及び平均(Total)についての到達率に大きな差が出ている。これを分析・評価すれば、気温が高くなると、1次レンズの屈折率が下がり、集光度が低下する。そのため、発電素子上に集光しきれなかった光が、損失となる。長波長になる程、屈折率が小さくなるので、損失が顕著に生じやすい。これが、上段の波長1600nmにおける到達率73.3%、全波長における到達率86.7%という数字に表れている。しかしながら、導光部22の存在によって、波長1600nmで92.3%、全波長で93.2%と、損失を抑制していることがわかる。
【0055】
図14は、気温25℃で、導光部22に対する1次レンズの光軸のずれが、想定される最大値である場合における、導光部22の作用を示している。図において、1次レンズのみの場合は、光軸のずれによって光の照射領域が右上に移動し、どの波長域でも到達率が大幅に低下している。しかしながら、導光部22が設けられている下段の到達率を見れば明らかなように、どの波長域でも、光を良く集め、到達率の低下を劇的に抑制していることがわかる。
【0056】
図15は、気温45℃で、導光部22に対する1次レンズの光軸のずれが、想定される最大値である場合における、導光部22の作用を示している。図において、1次レンズのみの場合は、図14の場合と同様に、光軸のずれによって光の照射領域が右上に移動し、どの波長域でも到達率が大幅に低下している。しかしながら、導光部22が設けられている下段の到達率を見れば明らかなように、どの波長域でも、光を良く集め、到達率の低下を劇的に抑制していることがわかる。
【0057】
図16は、図12〜15の到達率をまとめた棒グラフである。ずれ量最大の場合には、図中の矢印で示すように、導光部22を設けることで、到達率の大幅な改善効果が見られる。ずれ量ゼロの場合でも、導光部22を設けることで、常に安定した到達率が得られていることがわかる。
【0058】
《屈折要素と組み合わせた導光部》
次に、導光部22に屈折要素を併用した例について説明する。
図17の(a)は、図8と同じ構成のレシーバ20に、ポッティングを施した状態を示す斜視図であり、図17の(b)は(a)におけるB−B線断面図である。図において、光透過層27は、光透過性の材料(例えばシリコーン)を、導光部22内にポッティングにより充填して固めたものである。光透過層27の深さ(厚さ)は、例えば1mmである。なお、導光部22の高さ寸法は例えば3mmである。ポッティングにより形成された光透過層27は、発電素子21と導光部22とを互いに固着する役割を果たすとともに、発電素子21の表面を保護して劣化を抑制する。また、光透過層27は、導光部22と一体化し、レシーバ20の一部を成す。
【0059】
図18の(a)は、図17と同様に、レシーバ20にポッティングを施した状態を示す斜視図であり、図18の(b)は(a)におけるB−B線断面図である。図17との違いは、光透過層27の深さ(厚さ)で、この場合は、例えば3mmである。
【0060】
《光透過層を有する導光部の作用の検証》
上記のような2種類の深さのポッティングを施した導光部22について、その作用を検証した。なお、光透過層27の屈折率は、例えば1.41である。また、光透過層27自身の光吸収損失は無視している。
【0061】
図19〜22は、ポッティングを施した上記の導光部22の作用について検証した結果を示す図である。図19〜22の各図における上段(1次レンズのみの場合)及び中段(導光部を設けた場合)は、それぞれ、図12〜15と同じ数値を示している。なお、中段の括弧書きの数字は、参考のために、一辺の長さ2.5mmの正方形の発電素子についての検証結果も併せて示している。
【0062】
まず、図19は、気温25℃で、導光部22に対する1次レンズの光軸のずれが無い場合における、ポッティングを施した導光部22の作用を示している。
下段は、ポッティングを施した導光部22についての到達率を示している。ポッティングを施すことによって、中段のポッティング無しよりも若干数値が低下するが、低下の程度は僅かである。この低下は、光透過層の表面でのフレネル反射損失である。また、1mm充填と、3mm充填との間には、ほとんど差が無い。
【0063】
図20は、気温45℃で、導光部22に対する1次レンズの光軸のずれが無い場合における、ポッティングを施した導光部22の作用を示している。
この場合も、図18と同様、ポッティングの1mm充填と、3mm充填との間には、ほとんど差が無い。
【0064】
図21は、気温25℃で、導光部22に対する1次レンズの光軸のずれが、想定される最大値である場合における、ポッティングを施した導光部22の作用を示している。
この場合、ポッティング無しの場合(中段)と比較すると、若干、数値は下がる場合もあるが、低下の程度は少ない。また、波長400nmでは、むしろ、僅かに数値が上がっている。
【0065】
図22は、気温45℃で、導光部22に対する1次レンズの光軸のずれが、想定される最大値である場合における、ポッティングを施した導光部22の作用を示している。
この場合も、ポッティング無しの場合(中段)と比較すると、若干、数値は下がる場合もあるが、低下の程度は少ない。
【0066】
図23は、図19〜22の到達率をまとめた棒グラフである。ずれ量最大の場合には、ポッティングを施した導光部22を設けることで、到達率の大幅な改善効果が見られる。また、ポッティング無しの場合と比べて、ポッティングを施しても到達率への影響が少ない。
【0067】
図24は、光透過層27による屈折の様子を示す図である。(a)は光透過層27が1mmの場合を示し、(b)は光透過層27が3mmの場合を示している。点線の楕円で示す部分すなわち、光透過層27と空気との界面で、光の屈折が起こる。光軸のずれが生じた場合、屈折がなければ導光部22の内壁に当たる光の一部が、このような屈折により、発電素子21に直接当たると考えられる。
【0068】
《その他》
なお、上記実施形態では、集光部13と導光部22との間で光軸(中心軸)のずれがあった場合について説明したが、集光部13が太陽光を垂直に受けていない場合、すなわち太陽に対する追尾のずれがある場合においても、光学系のずれが生じ得る。
【0069】
図25は、このような状態の一例を示す図である。図において、太陽に対する追尾のずれがある場合には、集光部13のフレネルレンズ13fが太陽光を垂直に受けないことになる。この場合、集光した光の進路は導光部22の光軸A(中心軸)に対して角度的にずれるが、内壁22aの反射により、光は発電素子21上に集められる。従って、この場合も同様に、導光部22によって光を効率よく発電素子21上に集めることができる。
【0070】
また、上記集光型太陽光発電ユニットの実施形態では、図6に示したように、発電素子21は、フレネルレンズ13fの焦点位置Fよりも光路上の手前にあるとしたが、必ずしも手前でなくてもよい。
図26は、図6の変形例としての集光型太陽光発電ユニットを示す図であり、発電素子21が、フレネルレンズ13fの焦点位置Fよりも光路上の後方にある場合の図である。図6と同様に、(a)は、フレネルレンズ13fと導光部22との間で軸のずれが無い場合の状態を表す図であり、(b)は、フレネルレンズ13fと導光部22と間で軸のずれが生じている状態を表す図である。
【0071】
図26の(a)において、フレネルレンズ13fに入射する平行光である太陽光は、フレネルレンズ13fで集光し、焦点位置Fより後方で発電素子21に達する。なお、焦点位置Fより後方ではあるが、相対的にはフレネルレンズ13fに入射する前よりは集光している状態の光が、発電素子21に達する。この場合の光は、図6の(a)の場合と同様に、導光部22の内壁22aにはほとんど当たらずに、直接、発電素子21の、発電に寄与する領域全体に達する。仮に、光が僅かに内壁22aに当たったとしても、当たって反射した光は導光部22の出口22outへ導かれ、結局は、発電素子21に達する。従って、実質的に全ての光が、発電素子21による発電に寄与する。
【0072】
また、図26の(b)は、フレネルレンズ13fが本来あるべき位置(点線)より右へずれて、その光軸がA’となり、導光部22の光軸Aと間で、軸のずれが生じている状態を表す図である。この場合には図6の(b)の場合と同様に、直接的に発電素子21に達する光が減少し、導光部22の内壁22aに当たる光が多くなる。しかし、光が内壁22aに当たりさえすれば、当たって反射した光は導光部22の出口22outへ導かれ、結局は、発電素子21に達する。
【0073】
従って、図6の場合と同様に、集光部13のフレネルレンズ13fの光軸と導光部22の光軸とが互いに正確に一致していない場合でも、正確に一致している場合と同様に、発電量を確保することができる。但し、図6と異なるのは、焦点で収束した後の光であるため、内壁22aに対する入射角が小さくなりやすい。従って、例えば、内壁22aの傾斜角度を大きくすることにより、反射した光が導光部22の入口22inから出ないように設計することが必要である。
【0074】
なお、上記実施形態において集光部(1次レンズ)13のレンズ要素としては、軽量で製造容易なフレネルレンズ13fが好適であるが、ガラス等のレンズを使用することも可能である。
【0075】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0076】
1 集光型太陽光発電パネル
1M 集光型太陽光発電モジュール
13 集光部
13f フレネルレンズ(レンズ要素)
21 発電素子
22 導光部
22a 内壁
22f 放熱フィン
22in 入口
22out 出口
27 光透過層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光を集光するレンズ要素を有する集光部と、
集光させた太陽光を受けて発電する発電素子と、
前記集光部から前記発電素子に至る光路上に設けられ、内壁を反射面として光の入口が光の出口より拡がっている形状の枠体であって、前記集光部によって集光させた太陽光を前記内壁の反射により前記出口へ導いて、当該出口に面する前記発電素子上に集める導光部と
を備えていることを特徴とする集光型太陽光発電ユニット。
【請求項2】
前記導光部は、その内壁が、光の進行方向に下り傾斜した漏斗状の形態である請求項1記載の集光型太陽光発電ユニット。
【請求項3】
前記導光部の入口の形状は、前記レンズ要素の輪郭形状と相似である請求項1又は2に記載の集光型太陽光発電ユニット。
【請求項4】
前記導光部の少なくとも内壁は金属である請求項1〜3のいずれか1項に記載の集光型太陽光発電ユニット。
【請求項5】
前記導光部はアルミニウムである請求項4記載の集光型太陽光発電ユニット。
【請求項6】
前記導光部は内壁に金属のコーティングが施されている請求項4記載の集光型太陽光発電ユニット。
【請求項7】
前記導光部の内壁の表面粗さRzは、0.3μm以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の集光型太陽光発電ユニット。
【請求項8】
前記導光部の内側に、光透過性の材料からなる光透過層が設けられる請求項1〜7のいずれか1項に記載の集光型太陽光発電ユニット。
【請求項9】
前記光透過層は、光透過性の材料を前記発電素子上にポッティングしたものである請求項8記載の集光型太陽光発電ユニット。
【請求項10】
前記導光部は、放熱フィンを備えている請求項1〜9のいずれか1項に記載の集光型太陽光発電ユニット。
【請求項11】
請求項1の集光型太陽光発電ユニットの集合体としての集光型太陽光発電モジュールであって、
前記集光部はレンズ要素が複数個並んで形成され、
前記発電素子は、各レンズ要素に対応して複数個並んで設けられ、
前記導光部は、各レンズ要素に対応して複数個並んで設けられていることを特徴とする集光型太陽光発電モジュール。
【請求項12】
請求項11に記載の集光型太陽光発電モジュールを複数個集合させて成る集光型太陽光発電パネル。
【請求項1】
太陽光を集光するレンズ要素を有する集光部と、
集光させた太陽光を受けて発電する発電素子と、
前記集光部から前記発電素子に至る光路上に設けられ、内壁を反射面として光の入口が光の出口より拡がっている形状の枠体であって、前記集光部によって集光させた太陽光を前記内壁の反射により前記出口へ導いて、当該出口に面する前記発電素子上に集める導光部と
を備えていることを特徴とする集光型太陽光発電ユニット。
【請求項2】
前記導光部は、その内壁が、光の進行方向に下り傾斜した漏斗状の形態である請求項1記載の集光型太陽光発電ユニット。
【請求項3】
前記導光部の入口の形状は、前記レンズ要素の輪郭形状と相似である請求項1又は2に記載の集光型太陽光発電ユニット。
【請求項4】
前記導光部の少なくとも内壁は金属である請求項1〜3のいずれか1項に記載の集光型太陽光発電ユニット。
【請求項5】
前記導光部はアルミニウムである請求項4記載の集光型太陽光発電ユニット。
【請求項6】
前記導光部は内壁に金属のコーティングが施されている請求項4記載の集光型太陽光発電ユニット。
【請求項7】
前記導光部の内壁の表面粗さRzは、0.3μm以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の集光型太陽光発電ユニット。
【請求項8】
前記導光部の内側に、光透過性の材料からなる光透過層が設けられる請求項1〜7のいずれか1項に記載の集光型太陽光発電ユニット。
【請求項9】
前記光透過層は、光透過性の材料を前記発電素子上にポッティングしたものである請求項8記載の集光型太陽光発電ユニット。
【請求項10】
前記導光部は、放熱フィンを備えている請求項1〜9のいずれか1項に記載の集光型太陽光発電ユニット。
【請求項11】
請求項1の集光型太陽光発電ユニットの集合体としての集光型太陽光発電モジュールであって、
前記集光部はレンズ要素が複数個並んで形成され、
前記発電素子は、各レンズ要素に対応して複数個並んで設けられ、
前記導光部は、各レンズ要素に対応して複数個並んで設けられていることを特徴とする集光型太陽光発電モジュール。
【請求項12】
請求項11に記載の集光型太陽光発電モジュールを複数個集合させて成る集光型太陽光発電パネル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図16】
【図17】
【図18】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図16】
【図17】
【図18】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2013−93437(P2013−93437A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234674(P2011−234674)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
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