説明

集積回路装置

【課題】外部制御装置による内部メモリへの読み書き処理に要する時間の短縮を実現すること。
【解決手段】内部制御装置12と、内部メモリ15と、を含み、外部制御装置20と接続されるLSI10であって、外部制御装置20から書き込みデータの入力を受け付け、一時記憶するバッファメモリ17と、内部制御装置12が内部メモリ15へアクセスしないときに、バッファメモリ17に記憶される書き込みデータを内部メモリに書き込む選択部14と、を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路装置に関し、特に外部制御装置による内部メモリへの読み書き処理を受け入れる集積回路装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のオーディオ処理装置には、音楽再生用の集積回路装置と、外部制御装置と、を備えているものがある(例えば、特許文献1に記載のメモリボードとCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)。)。
【0003】
図3は、このようなオーディオ処理装置の例を示す図である。同図に示すオーディオ処理装置100は、LSI(Large Scale Integrated circuit:大規模集積回路装置)110、外部制御装置120、及び外部メモリ130から構成され、さらにLSI110は、内部制御装置111及び内部メモリ112から構成されている。
【0004】
内部メモリ112は、内部制御装置111の動作プログラムと、音楽データと、を記憶している。この動作プログラムには、内部制御装置111が、内部メモリ112上に記憶される音楽データを読み取りながら、該音楽データを再生するための処理を行うための手順が記述されている。内部制御装置111は、外部制御装置120から動作するよう指示された場合に、内部メモリ112に記憶される動作プログラムを読み出しながら、その記述に従って動作する。その結果、内部制御装置111は、内部メモリ112上に記憶される音楽データを読み取りながら、該音楽データを再生するための処理を行う。
【0005】
ところで、音楽データのフォーマット形式にはMP3やWAVなど種々のものがあり、一般に上記動作プログラムはフォーマット形式ごとに異なる。通常、内部メモリ112は1種類の動作プログラムしか記憶できないため、再生しようとする音楽データのフォーマット形式が複数種類にわたるときには、再生の都度、内部メモリ112に記憶される動作プログラムを書き換える必要がある。
【0006】
これについて、外部メモリ130は、各フォーマット形式の動作プログラムを記憶している。外部制御装置120は、必要に応じ、外部メモリ130から動作プログラムを読み出し、内部メモリ112に記憶される動作プログラムを、読み出した動作プログラムにより書き換える。こうして、オーディオ処理装置100は、再生しようとする音楽データのフォーマット形式が複数種類にわたる場合に対応している。
【特許文献1】特開昭62−150446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来のオーディオ処理装置には、動作プログラムの書き換えに長時間を要してしまう場合があった。
【0008】
すなわち、内部メモリが受け付けられるメモリアクセスは1度に1つの制御装置からのみであるため、外部制御装置は、内部制御装置が内部メモリへのアクセスを行っていないことを検知できるように構成されており、内部制御装置が内部メモリへのアクセスを行っていないことを検知した場合に、動作プログラムの書き換え処理を行う。しかし、外部制御装置は、この処理のみを行っているわけではなく、他の様々な処理も行っている。このため、内部制御装置が内部メモリへのアクセスを行っていないことを検知した場合に、外部制御装置が集積回路装置への動作プログラム設定処理を必ず行えるとは限らない。行えない場合には、結果として、動作プログラムの書き換えに長時間を要してしまうのである。
【0009】
なお、このような事情は動作プログラムを書き換える場合に限られるものではなく、外部制御装置が内部メモリにアクセスして読み書き処理を行おうとする場合に、常に同様の問題が生ずる。
【0010】
従って、本発明の目的の一つは、外部制御装置による内部メモリへの読み書き処理に要する時間の短縮を実現する集積回路装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための本発明にかかる集積回路装置は、内部制御装置と、内部メモリと、を含み、外部制御装置と接続される集積回路装置であって、前記外部制御装置から書き込みデータの入力を受け付け、一時記憶するバッファメモリと、前記内部制御装置が前記内部メモリへアクセスしないときに、前記バッファメモリに記憶される前記書き込みデータを前記内部メモリに書き込む書込手段と、を含むことを特徴とする。
これによれば、集積回路装置内部にバッファメモリを設けるようにしたので、内部制御装置が内部メモリへのアクセスを行っていない場合に、外部制御装置の処理の状態如何に関わらず、内部メモリへ外部制御装置からの書き込みデータを書き込むことができる。その結果、外部制御装置による集積回路装置の内部メモリへの書き込み処理に要する時間の短縮が実現される。
【0012】
また、上記集積回路装置において、前記内部制御装置と前記内部メモリの間で送受信されるメモリ制御信号に基づいて、前記内部制御装置が前記内部メモリへアクセスするか否かを示すメモリアクセス信号を取得し、出力するメモリアクセス信号取得手段、を含み、前記書込手段は、前記メモリアクセス信号の入力を受け付け、該メモリアクセス信号に応じて、前記バッファメモリに記憶される前記書き込みデータを前記内部メモリに書き込む、こととしてもよい。
これによれば、書込手段は、メモリアクセス信号に応じて内部メモリへの書き込みを行うことができる。
【0013】
また、上記集積回路装置において、前記バッファメモリに記憶される前記書き込みデータを、前記書込手段に対して送信する転送手段、を含み、前記書込手段は、前記転送手段から受信した前記書き込みデータを前記内部メモリに書き込むことにより、前記バッファメモリに記憶される前記書き込みデータを前記内部メモリに書き込み、前記転送手段は、前記メモリアクセス信号の入力を受け付け、受け付けた該メモリアクセス信号に応じて、前記書き込みデータの前記書込手段に対する送信を再度行う、こととしてもよい。
これによれば、転送手段に、書込手段に入力されるものと同じメモリアクセス信号が入力されるので、転送手段は、書き込み手段が書き込みを行わなかったことを知ることができる。そしてこれにより、転送手段は、適宜書き込みデータの再送信を行うことができるようになる。
【0014】
また、本発明の別の1側面にかかる集積回路装置は、内部制御装置と、内部メモリと、を含み、外部制御装置と接続される集積回路装置であって、前記外部制御装置からデータの読み込み指示を受け付ける読み込み指示受付手段と、前記内部制御装置が前記内部メモリへアクセスしないときに、前記読み込み指示受付手段により受け付けられた読み込み指示に応じて、前記内部メモリからデータを読み出し、バッファメモリに一時記憶させる読出手段と、を含み、前記バッファメモリは、前記外部制御装置により読み出し可能に構成される、ことを特徴とする。
外部制御装置が内部メモリから直接データを読み出すこととすると、外部制御装置は、当該外部制御装置の処理状態が内部メモリへのアクセス可能状態であり、かつ内部制御装置が内部メモリにアクセスしていないときにしか、データを読み出せない。すなわち、これら2つの条件が満たされるときにしかデータを読み出させないので、結果として外部制御装置による内部メモリからの読み出し処理に要する時間が長くなってしまうことがある。この点、上記集積回路装置によれば、集積回路装置内部にバッファメモリを設けるようにしたので、一方の条件(内部制御装置が内部メモリにアクセスしていないこと)が満たされる場合にバッファメモリにデータを読み出しておき、他方の条件(外部制御装置の処理状態が内部メモリへのアクセス可能状態であること)が満たされる場合に外部制御装置がバッファメモリからデータを読み出すようにすることができるので、結果として外部制御装置による集積回路装置の内部メモリからの読み出し処理に要する時間が短縮される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1は、本実施の形態にかかるオーディオ処理装置1のシステム構成及び機能ブロックを示す概略ブロック図である。同図に示すように、オーディオ処理装置1は、LSI10、外部制御装置20、外部メモリ30を含んで構成される。また、LSI10は、その内部にFIFO(First In First Out)11、内部制御装置12、メモリアクセス信号取得部13、選択部14、内部メモリ15、転送装置16、バッファメモリ17を含んで構成される。このオーディオ処理装置1は例えば携帯電話に搭載されるものであり、LSI10は音楽再生にかかる信号処理等の処理を行うためのものである。
【0017】
内部メモリ15は、内部制御装置12の動作プログラムと、各フォーマット形式により生成(圧縮)された音楽データと、を記憶している。この動作プログラムには、内部制御装置12が、内部メモリ15上に記憶される音楽データを読み取りながら、該音楽データを再生するための処理を行うための手順が記述されている。内部制御装置12は、外部制御装置20から動作するよう指示された場合(後述)に、内部メモリ15に記憶される動作プログラムを読み出しながら、その記述に従って動作する。その結果、内部制御装置12は、内部メモリ15上に記憶される音楽データを読み取りながら、該音楽データを再生するための処理を行う。具体的には、圧縮されている音楽データを、図示しない音源が再生可能なフォーマット形式(例えばPCM(Pluse-Code Modulation)形式)に変換し、該音源に対して出力する。
【0018】
内部制御装置12と内部メモリ15との間でのデータのやり取りは、メモリ制御信号によって行われる。すなわち、内部制御装置12は、データの書き込み又はデータの読み出しを指示するメモリ制御信号を、後述するメモリアクセス信号取得部13及び選択部14を介し、内部メモリ15に対して送信する。データの書き込みを指示する際には、このメモリ制御信号に書き込みデータ(ライトデータ)が含まれる。内部メモリ15は、メモリ制御信号を受信すると、該メモリ制御信号による指示に応じてデータの書き込み又は読み出しを行い、その結果を示すメモリ制御信号を、後述するメモリアクセス信号取得部13及び選択部14を介して、内部制御装置12に対して送信する。データの読み出しを行った際には、このメモリ制御信号に読み出しデータ(リードデータ)が含まれる。
【0019】
外部メモリ30は、各フォーマット形式の内部制御装置12の動作プログラムを記憶している。外部制御装置20は、必要に応じ、外部メモリ30から動作プログラムを読み出し、内部メモリ15に書き込む。
【0020】
また、外部メモリ30は、上記各フォーマット形式により生成(圧縮)された音楽データも記憶している。外部制御装置20は、ユーザの指示に応じて、外部メモリ30から音楽データを読み出し、内部メモリ15に書き込む。
【0021】
ここで、外部制御装置20は、内部メモリ15に対して動作プログラムや音楽データなどの各種データを書き込む際、直接経路S1又は転送経路S2のいずれかを用いて、内部メモリ15に対するアクセスを行う。この詳細については後述する。
【0022】
外部制御装置20はさらに、内部制御装置12に対して動作を指示するための制御データを生成し、FIFO11に対して送信する。FIFO11は、受信した制御データを一時記憶する。内部制御装置12は、FIFO11に書き込まれた順に制御データを読み出し、該制御データに応じた動作を行う。内部制御装置12は、動作結果を示す制御データを外部制御装置20に対して送信する。
【0023】
外部制御装置20は、直接経路S1を用いて内部メモリ15に対するアクセスを行う際、内部制御装置12に対し、停止動作を行うよう指示するための制御データを生成し、FIFO11に対して送信する。内部制御装置12は、この制御データを読み出すと、停止動作を行い、その動作を停止するとともに、停止したことを示す制御データを外部制御装置20に対して送信する。外部制御装置20は、この制御データを受信すると、直接経路S1を用いて、内部メモリ15に対するアクセスを行う。ただし、この場合、上述のように、読み書き処理に要する時間が長くなってしまう。
【0024】
なお、直接経路S1を用いるアクセスには、他の構成も考えられる。一例では、内部メモリ15(例えば32kWord)を2つ(例えば16kWordずつ)の部分に分割し、部分ごとのアクセスラインを設ける。そして、各部分を、外部制御装置20用と内部制御装置12用とに所定時間ずつ交互に割り当てる。こうすれば、外部制御装置20と内部制御装置12とが同時に内部メモリ15にアクセスできることになる。ただし、この構成を採用する場合、一度にアクセスできるメモリ容量に制限が生じてしまう。また、アクセスラインが2つ必要となり、回路構成が複雑になる。
【0025】
また、他の例では、外部制御装置20と内部制御装置12とが時分割で内部メモリ15にアクセスできるようにする構成も考えられる。ただし、この構成を採用する場合、無駄な時間(非処理時間)が生ずる。また、回路構成が複雑化し、処理負荷も増大する。
【0026】
さらに、外部制御装置20と内部制御装置12の間でハンドシェイク処理を行うようにし、適宜内部メモリ15への接続バス(不図示)の占有権を与えるようにすることも考えられる。ただし、この構成を採用する場合、無駄な時間(非処理時間)が生ずる。また、回路構成が複雑化し、処理負荷も増大する。
【0027】
以下、外部制御装置20が、転送経路S2を用いて内部メモリ15に対するアクセスを行うための構成について説明する。なお、以下では、内部メモリ15に対してデータを書き込む場合と、内部メモリ15からデータを読み出す場合とに分けて説明する。
【0028】
まず、外部制御装置20が、転送経路S2を用いて内部メモリ15に対する書き込みを行う場合について説明する。この場合、外部制御装置20は、バッファメモリ17に対し、書き込みデータを出力する。バッファメモリ17は、この入力を受け付け、一時記憶する。
【0029】
また、外部制御装置20は、転送装置16に対して、内部メモリ15のアドレスを指定しつつ、データの書き込みを指示する。具体的には、転送装置16に対して、転送先アドレス(内部メモリ15のアドレス)と転送開始指示(データの書き込み指示)と、を送信する。
【0030】
転送装置16は、バッファメモリ17に記憶される上記書き込みデータと、外部制御装置20から受信される転送先アドレス及び転送開始指示と、を含むメモリ制御信号を生成し、選択部14に対して送信する。なお、転送装置16はその内部に図示しないクロックに応じてその値が増加するカウンタ(不図示)を保持しており、このカウンタの値が加算される都度、メモリ制御信号を送信する。
【0031】
選択部14は、内部制御装置12が内部メモリ15へアクセスしないときに、バッファメモリ17に記憶される上記書き込みデータを内部メモリ15に書き込む書込手段として機能する。具体的には、選択部14は、内部制御装置12が内部メモリ15へアクセスしないときに、転送装置16から受信されるメモリ制御信号に含まれる上記転送先アドレス及び上記転送開始指示に応じて、該メモリ制御信号に含まれる書き込みデータを内部メモリ15に書き込む。
【0032】
より具体的な例では、メモリアクセス信号取得部13は、内部制御装置12が内部メモリ15へアクセスするか否かを示すメモリアクセス信号を取得し、選択部14に対して出力する。選択部14は、メモリアクセス信号取得部13からメモリアクセス信号の入力を受け付け、該メモリアクセス信号に応じて、バッファメモリ17に記憶される書き込みデータ(転送装置16から受信されるメモリ制御信号に含まれる書き込みデータ)を内部メモリ15に書き込む。
【0033】
さらに具体的には、選択部14は、メモリアクセス信号に応じて転送装置16又は内部制御装置12のいずれかを選択し、選択した装置から受信されるメモリ制御信号に含まれる書き込みデータを、内部メモリ15に書き込む。すなわち、メモリアクセス信号により内部制御装置12が内部メモリ15へアクセスすることが示される場合に内部制御装置12を選択し、内部制御装置12から受信される書き込みデータを内部メモリ15に書き込むとともに、転送装置16から受信されるメモリ制御信号を無効化する。一方、メモリアクセス信号により内部制御装置12が内部メモリ15へアクセスしないことが示される場合に転送装置16を選択し、転送装置16から受信される書き込みデータを内部メモリ15に書き込む。なお、この場合、内部制御装置12から書き込みデータが受信されることはない。
【0034】
メモリアクセス信号について、詳細に説明する。メモリアクセス信号取得部13は、内部制御装置12と内部メモリ15(より特定的には選択部14。)の間で送受信されるメモリ制御信号を取得し、該メモリ制御信号に基づいて、内部制御装置12が内部メモリ15へアクセスするか否かを判定し、その結果を示すメモリアクセス信号を取得する。具体的な例では、メモリ制御信号には、リード(読み出し)指示信号またはライト(書き込み)指示信号が含まれる。メモリアクセス信号取得部13は、これらの各指示信号のうちいずれかが取得されている場合に、内部制御装置12が内部メモリ15へアクセスすると判定し、その旨を示すメモリアクセス信号を取得する。また、別の例では、メモリ制御信号には、内部制御装置12が内部メモリ15へアクセスすることを示すチップセレクト信号が含まれる。メモリアクセス信号取得部13は、チップセレクト信号が取得されている場合に、内部制御装置12が内部メモリ15へアクセスすると判定し、その旨を示すメモリアクセス信号を取得する。
【0035】
なお、メモリアクセス信号取得部13は、内部メモリ15へアクセスすると判定した場合にのみ、その旨を示すメモリアクセス信号を送信し、内部メモリ15へアクセスしないと判定した場合には、何も送信しないこととしてもよい。或いは、メモリアクセス信号を送信するための信号線(バス)の電圧状態を、内部メモリ15へアクセスすると判定した場合にハイとし、内部メモリ15へアクセスしないと判定した場合にローとすることにより、メモリアクセス信号を送信することとしてもよい。
【0036】
ところで、以上の処理では、転送装置16が送信したメモリ制御信号に含まれる書き込みデータを、選択部14が内部メモリ15に書き込むのであるが、選択部14は、メモリアクセス信号により内部制御装置12が内部メモリ15へアクセスすることが示される場合に、転送装置 16から受信されているメモリ制御信号を無効化する。そこで、メモリアクセス信号取得部13は、上記メモリアクセス信号を転送装置16に対しても出力する。そして転送装置16は、メモリアクセス信号の入力を受け付け、受け付けた該メモリアクセス信号に応じて、メモリ制御信号の内部メモリ15に対する送信を再度行う。
【0037】
以上の処理について、各装置間で送受信される信号等のタイムチャートを参照しながら再度より詳細に説明する。
【0038】
図2は、外部制御装置20が、転送経路S2を用いて内部メモリ15に対する書き込みを行う場合に、内部メモリ15に対して入出力されるデータのタイムチャートを示す図である。図中の記号CLK,A,RD,WR,D,M,Sは、それぞれクロック,アドレスデータ,リード,ライト,ライトデータ,内部制御装置12による内部メモリ15へのアクセス,外部制御装置20による内部メモリ15へのアクセスをそれぞれ示している。
【0039】
選択部14は、所定周期の周期信号であるクロック(図2のCLK)に同期して、書き込みアドレス又は読み出しアドレスを示すアドレスデータを内部メモリ15に出力する(図2のA)。このアドレスデータには、内部制御装置12により指示されたもの(M)と、外部制御装置20により指示されたもの(S)と、がある。
【0040】
次に、選択部14は、内部メモリ15からの読み出し又は内部メモリ15への書き込みを行う。同図に示す例では、まず内部制御装置12により指示された読み出しを行い、次に内部制御装置12により指示された書き込みを行い、次に外部制御装置20により指示された書き込みを行い、というような処理を行っている(図2のRD及びWR)。そして書き込みの際には、ライトデータが内部メモリ15に入力される(図2のD)。このように、選択部14は、内部制御装置12により指示された読み出し又は書き込みがない場合に、外部制御装置20により指示された書き込みを行う。
【0041】
以上説明したように、LSI10内部にバッファメモリ17を設けるようにしたので、内部制御装置12が内部メモリ15へのアクセスを行っていない場合に、外部制御装置20の処理の状態如何に関わらず、書込手段としての選択部14は、内部メモリ15へ外部制御装置20からの書き込みデータを書き込むことができる。その結果、外部制御装置20によるLSI10の内部メモリ15への書き込み処理に要する時間の短縮が実現される。
【0042】
また、選択部14は、メモリアクセス信号に応じて内部メモリ15への書き込みを行うことができ、さらに、転送装置16は、選択部14が外部制御装置20からの書き込みを行わなかったことを知ることができる。そしてこれにより、転送装置16は、適宜外部制御装置20からの書き込みデータの再送信を行うことができるようになる。
【0043】
次に、外部制御装置20が、転送経路S2を用いて内部メモリ15からのデータの読み出しを行う場合について説明する。この場合、外部制御装置20は、転送装置16に対して、内部メモリ15のアドレスを指定しつつ、データの読み込みを指示する。具体的には、転送装置16に対して、転送先アドレス(内部メモリ15のアドレス)と転送開始指示(データの読み込み指示)と、を送信する。
【0044】
転送装置16は、外部制御装置20から、内部メモリ15内のデータ読み出し位置のアドレス(上記転送先アドレス)と、上記転送開始指示と、を受け付ける。また、選択部14は、内部制御装置12が内部メモリ15へアクセスしないときに、上記転送先アドレス及び上記転送開始指示に応じて、内部メモリ15に記憶される指示されたデータを読み出し、バッファメモリ17に一時記憶させる読出手段として機能する。
【0045】
具体的には、まず、転送装置16は、外部制御装置20から受信される転送先アドレス及び転送開始指示に基づいてメモリ制御信号を生成し、選択部14に対して出力する。
【0046】
選択部14は、メモリアクセス信号取得部13からメモリアクセス信号の入力を受け付け、該メモリアクセス信号に応じて、内部メモリ15からデータを読み出し、転送装置16に出力する。より具体的には、選択部14は、受け付けたメモリアクセス信号に応じて、内部制御装置12又は転送装置16のいずれか一方を選択し、選択した装置から受信されるメモリ制御信号による読み出し指示に基づいて、内部メモリ15からデータを読み出し、選択した装置に対して出力する。
【0047】
さらに具体的には、メモリアクセス信号により内部制御装置12が内部メモリ15へアクセスすることが示される場合に、選択部14は、内部制御装置12を選択し、内部制御装置12から受信されるメモリ制御信号による読み出し指示に基づいて、内部メモリ15からデータを読み出し、内部制御装置12に対して出力する。一方、メモリアクセス信号により内部制御装置12が内部メモリ15へアクセスしないことが示される場合に、選択部14は、転送装置16を選択し、転送装置16から受信されるメモリ制御信号による読み出し指示に基づいて、内部メモリ15からデータを読み出し、転送装置16に対して出力する。転送装置16は、選択部14から入力されたデータをバッファメモリ17に書き込む。
【0048】
バッファメモリ17は、外部制御装置20により読み出し可能に構成される。外部制御装置20は、他の処理を行っていないときにバッファメモリ17にアクセスし、一時記憶されているデータを読み出す。
【0049】
以上説明したように、LSI10内部にバッファメモリを設けるようにしたので、内部制御装置12が内部メモリ15にアクセスしていない場合にバッファメモリにデータを読み出しておき、外部制御装置20の処理状態が内部メモリ15へのアクセス可能状態である場合に、外部制御装置20がバッファメモリ17からデータを読み出すようにすることができるので、結果として外部制御装置20によるLSI10の内部メモリ15からの読み出し処理に要する時間が短縮される。
【0050】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施の形態にかかるオーディオ処理装置のシステム構成及び機能ブロックを示す概略ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかる外部制御装置が、転送経路を用いて内部メモリに対する書き込みを行う場合に、内部メモリに対して入出力されるデータのタイムチャートを示す図である。
【図3】本発明の背景技術にかかるオーディオ処理装置を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
1 オーディオ処理装置、10 LSI、11 FIFO、12 内部制御装置、13 メモリアクセス信号取得部、14 選択部、15 内部メモリ、16 転送装置、17 バッファメモリ、20 外部制御装置、30 外部メモリ、S1 直接経路、S2 転送経路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部制御装置と、内部メモリと、を含み、外部制御装置と接続される集積回路装置であって、
前記外部制御装置から書き込みデータの入力を受け付け、一時記憶するバッファメモリと、
前記内部制御装置が前記内部メモリへアクセスしないときに、前記バッファメモリに記憶される前記書き込みデータを前記内部メモリに書き込む書込手段と、
を含むことを特徴とする集積回路装置。
【請求項2】
請求項1に記載の集積回路装置において、
前記内部制御装置と前記内部メモリの間で送受信されるメモリ制御信号に基づいて、前記内部制御装置が前記内部メモリへアクセスするか否かを示すメモリアクセス信号を取得し、出力するメモリアクセス信号取得手段、
を含み、
前記書込手段は、前記メモリアクセス信号の入力を受け付け、該メモリアクセス信号に応じて、前記バッファメモリに記憶される前記書き込みデータを前記内部メモリに書き込む、
ことを特徴とする集積回路装置。
【請求項3】
請求項2に記載の集積回路装置において、
前記バッファメモリに記憶される前記書き込みデータを、前記書込手段に対して送信する転送手段、
を含み、
前記書込手段は、前記転送手段から受信した前記書き込みデータを前記内部メモリに書き込むことにより、前記バッファメモリに記憶される前記書き込みデータを前記内部メモリに書き込み、
前記転送手段は、前記メモリアクセス信号の入力を受け付け、受け付けた該メモリアクセス信号に応じて、前記書き込みデータの前記書込手段に対する送信を再度行う、
ことを特徴とする集積回路装置。
【請求項4】
内部制御装置と、内部メモリと、を含み、外部制御装置と接続される集積回路装置であって、
前記外部制御装置からデータの読み込み指示を受け付ける読み込み指示受付手段と、
前記内部制御装置が前記内部メモリへアクセスしないときに、前記読み込み指示受付手段により受け付けられた読み込み指示に応じて、前記内部メモリからデータを読み出し、バッファメモリに一時記憶させる読出手段と、
を含み、
前記バッファメモリは、前記外部制御装置により読み出し可能に構成される、
ことを特徴とする集積回路装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−134892(P2008−134892A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−321598(P2006−321598)
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】