説明

雨滴検出装置

【課題】本発明は、雨滴検出装置に係り、ガラス板の表面に付着する雨滴の検出をガラス板の全面に亘って適切に行うことにある。
【解決手段】ガラス板に向けて光を照射する発光素子と、発光素子から照射された光のうち、ガラス板の、発光素子が配設される側の端面とは反対側の端面で反射する反射光を受光する受光素子と、を備え、受光素子での受光量に基づいてガラス板の表面に付着する雨滴を検出する雨滴検出装置において、発光素子として有機発光素子が複数配置された発光素子層と、受光素子として有機受光素子が複数配置された受光素子層と、を軟質材料上に積層させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雨滴検出装置に係り、特に、ガラス板の裏面側に配設された発光素子と受光素子とを備え、受光素子での受光量に基づいてガラス板の表面に付着する雨滴を検出するうえで好適な雨滴検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のウィンドウガラスなどのガラス板の表面に付着する雨滴を検出する雨滴検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この雨滴検出装置は、ガラス板に向けて光を照射する発光素子と、発光素子から照射された光のうちガラス板で反射する反射光を受光する受光素子と、からなるレインセンサを備えている。受光素子での受光量は、ガラス板の表面に雨滴が付着するか否か及びその付着量に応じて変化する。上記した雨滴検出装置は、受光素子での受光量に基づいてガラス板の表面に付着する雨滴の有無及びその量を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−37927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記した特許文献1記載の雨滴検出装置においては、レインセンサを構成する発光素子及び受光素子がそれぞれ一つずつ設けられていると共に、発光素子から受光素子までの光路上に回折格子が設けられている。回折格子は、発光素子から照射された光をガラス板表面で全反射するように屈折させると共に、ガラス板表面で反射した光を受光素子に受光されるように屈折させる。しかしながら、発光素子及び受光素子がそれぞれ一つずつしか設けられていない雨滴検出装置では、雨滴検出がガラス板の一部の領域のみを対象とするため、ガラス板の全面に亘る雨滴検出を行うことができず、均一な或いは精度の高い雨滴検出が困難である。
【0005】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、ガラス板の表面に付着する雨滴の検出をガラス板の全面に亘って適切に行うことが可能な雨滴検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的は、ガラス板に向けて光を照射する発光素子と、前記発光素子から照射された光のうち、前記ガラス板の、前記発光素子が配設される側の端面とは反対側の端面で反射する反射光を受光する受光素子と、を備え、前記受光素子での受光量に基づいて前記ガラス板の表面に付着する雨滴を検出する雨滴検出装置であって、前記発光素子として有機発光素子が複数配置された発光素子層と、前記受光素子として有機受光素子が複数配置された受光素子層と、を軟質材料上に積層させた雨滴検出装置により達成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ガラス板の表面に付着する雨滴の検出をガラス板の全面に亘って適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施例である雨滴検出装置の構成図である。
【図2】本実施例の雨滴検出装置が備える発光素子を含む回路構成図である。
【図3】本実施例の雨滴検出装置が備える受光素子を含む回路構成図である。
【図4】本実施例の雨滴検出装置が備える受光素子の配置図である。
【図5】本実施例の雨滴検出装置が備える発光素子及び受光素子の配線構造を表した図である。
【図6】本実施例の雨滴検出装置が備える複数の発光素子が配置された発光素子層及び複数の受光素子が配置された受光素子層の回路図である。
【図7】本実施例の雨滴検出装置において雨滴有無に応じた受光状態の変化を表した図である。
【図8】本発明の変形例である雨滴検出装置の構成図である。
【図9】本発明の変形例である雨滴検出装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて、本発明に係る雨滴検出装置の具体的な実施の形態について説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施例である雨滴検出装置10の構成図を示す。尚、図1には断面図が示されている。図2は、本実施例の雨滴検出装置10が備える発光素子を含む回路構成図を示す。図3は、本実施例の雨滴検出装置10が備える受光素子を含む回路構成図を示す。図4は、本実施例の雨滴検出装置10が備える受光素子の配置図を示す。尚、図4には平面図が示されている。図5は、本実施例の雨滴検出装置が備える発光素子及び受光素子の配線構造を表した図を示す。尚、図5には上面視が示されている。また、図6は、本実施例の雨滴検出装置が備える複数の発光素子が配置された発光素子層及び複数の受光素子が配置された受光素子層の回路図を示す。尚、図6(A)には発光素子層の平面図が、また、図6(B)には受光素子層の平面図が、それぞれ示されている。
【0011】
本実施例の雨滴検出装置10は、例えば車両のウィンドシールドなどのガラス板12の表面に付着する雨滴を検出する装置であって、その雨滴が有ることが検出された場合に例えば車載ワイパーを自動的に作動させるための装置である。ガラス板12は、例えば“1.5”程度の反射率を有している。雨滴検出装置10は、発光素子14と受光素子16とからなるレインセンサ18を備えている。レインセンサ18すなわち発光素子14及び受光素子16は、ガラス板12の、雨滴が付着し得る表面側とは反対の裏面側に略全面(具体的には、例えばワイパー制御に必要な雨滴検知範囲内)に亘って配設されている。
【0012】
発光素子14は、ガラス板12に向けて光を照射する発光ダイオードである。発光素子14は、軟質材料で構成された有機発光素子である。また、受光素子16は、発光素子14から照射された光のうち、ガラス板12の、発光素子14が配設される裏面側の端面とは反対にある表面側の端面で反射する反射光を受光するフォトダイオードであって、入射した光を電気信号に光電変換する。受光素子16は、軟質材料で構成された有機受光素子である。発光素子14及び受光素子16はそれぞれ、複数設けられており、ガラス板12の略全面に亘って略均一な間隔が空くように配置されている。各発光素子14及び各受光素子16はそれぞれ、所定の大きさ(面積)を有している。
【0013】
複数個の発光素子14は、発光素子層20を形成している。また、複数個の受光素子16は、受光素子層22を形成している。すなわち、雨滴検出装置10は、発光素子14が複数配置された発光素子層20と、受光素子16が複数配置された受光素子層22と、を有している。発光素子層20及び受光素子層22はそれぞれ、所定の厚さに形成された有機層からなる。発光素子層20において、複数個の発光素子14は、格子状(具体的には、格子の交点)に配置されている。また、受光素子層22において、複数個の受光素子16は、格子状(具体的には、格子の交点)に配置されている。尚、これらの格子の間隔は、例えば、500μmなどであればよい。
【0014】
発光素子層20には、上記の発光素子14以外に、その発光素子14の発光をオン/オフするスイッチ(以下、発光用スイッチと称す)24と、その発光素子14に電流を流すための配線(以下、発光用配線と称す)26と、が形成されている。発光用スイッチ24は、発光素子14の数と同数だけ設けられており、発光素子14ごとに一つずつ設けられている。
【0015】
発光用スイッチ24には、発光用配線26を介してコントローラ30が接続されている。コントローラ30は、雨滴検出装置10の有するマイクロコンピュータを主体に構成された電子制御ユニットである。コントローラ30は、発光素子14に電流を流してその発光素子14を発光させる際に、発光用スイッチ24に対して発光素子14を発光させるための指令信号を供給する。
【0016】
発光用配線26は、図5及び図6(A)に示す如く、図中左右方向に延びるROW配線26aと、図中上下方向に延びるCOLUMN配線26bと、からなる。ROW配線26aとCOLUMN配線26bとは、発光素子層20において互いに接触しないように配置されている。発光用スイッチ24は、ROW配線26a及びCOLUMN配線26bに接続されており、コントローラ30からROW配線26aを通じて指令信号が供給される際にオンする。発光素子14は、発光用スイッチ24がオンした際にCOLUMN配線26bを通じて電流が流通することにより発光する。
【0017】
受光素子層22には、上記の受光素子16以外に、その受光素子16が受光した際に発生する電流の流通のオン/オフを切り替えるスイッチ(以下、受光用スイッチと称す)32と、その発生する電流を流すための配線(以下、受光用配線と称す)34と、が形成されている。受光用スイッチ32は、受光素子16の数と同数だけ設けられており、受光素子16ごとに一つずつ設けられている。
【0018】
受光用スイッチ32には、受光用配線34を介して上記のコントローラ30が接続されている。コントローラ30は、受光素子16の受光により発生する電流の流通をオンする際に、受光用スイッチ32に対してその電流流通をオンさせるための指令信号を供給する。
【0019】
受光用配線34は、図5及び図6(B)に示す如く、図中左右方向に延びるROW配線34aと、図中上下方向に延びるCOLUMN配線34bと、からなる。ROW配線34aとCOLUMN配線34bとは、受光素子層22において互いに接触しないように配置されている。受光用スイッチ32は、ROW配線34a及びCOLUMN配線34bに接続されており、コントローラ30からROW配線34aを通じて指令信号が供給される際にオンする。受光素子16が受光した際に発生する電流は、受光用スイッチ32がオンした際にCOLUMN配線34bを通じてコントローラ30へ向けて流通する。この電流量は、受光素子16での受光量に応じて変化する。
【0020】
コントローラ30は、電流流通指令時(すなわち、発光素子14の発光指令時)に受光素子16から受光用配線34を通じて流通する電流量を検出し、その電流量に基づいて受光素子16での受光量を検出し、その受光量に基づいて発光素子14から照射される光のうちガラス板12の表面側の端面で反射する反射光の量を検出する。そして、その反射光に基づいてガラス板12の表面に付着する雨滴の有無及びその量を検出する。
【0021】
上記の発光素子層20と上記の受光素子層22とは、透明な基板36上に積層されている。基板36は、軟質材料で構成されたポリシートなどである。基板36上に積層された発光素子層20及び受光素子層22は、ガラス板12の裏面に接着固定されている。発光素子層20は基板36に接しており、また、受光素子層22はガラス板12の裏面に接している。すなわち、受光素子層22は、ガラス板12と基板36上の発光素子層20とに挟まれた層である。
【0022】
発光素子層20の各発光素子14と受光素子層22の各受光素子16とは、基板36上において上下に並ぶようにすなわちガラス板12に対して鉛直方向に並ぶように配置されている。すなわち、ガラス板12の表面側から、その裏面側において基板36上に積層された発光素子層20と受光素子層22とを見た場合に、発光素子14と受光素子16とが互いに重なるように配置されている。発光素子14と受光素子16とは、互いに略同じ大きさ(面積)を有している。
【0023】
次に、図7を参照して、本実施例の雨滴検出装置10の動作について説明する。図7は、本実施例の雨滴検出装置10において雨滴有無に応じた受光状態の変化を表した図を示す。尚、図7(A)にはガラス板12の表面に雨滴が無い場合を、また、図7(B)にはガラス板12の表面に雨滴が有る場合を、それぞれ示す。
【0024】
本実施例の雨滴検出装置10は、ガラス板12の表面に雨滴が付着する前後でガラス12の表面側の端面での屈折率が変化することを利用して、雨滴の検出を行う。コントローラ30は、雨滴検出を行う場合、発光用スイッチ24に対して発光素子14を発光させるための指令を発する。かかる指令が行われると、発光素子14が発光する。
【0025】
上記した雨滴検出装置10の構造において、ガラス板12の表面に雨滴が付着していないときは、発光素子14から発せられた光は、2つの受光素子16の間を通過してガラス板12に達した後、ガラス板12の表面側の端面(界面)で反射して、受光素子16に受光される。一方、ガラス板12の表面に雨滴が付着しているときは、発光素子14から発せられた光は、2つの受光素子16の間を通過してガラス板12に達した後、付着する雨滴が無い面については、ガラス板12の表面側の端面で反射して受光素子16に受光される一方、付着する雨滴が有る面については、そのガラス板12の表面側の端面を透過して散乱する。
【0026】
受光素子16は、受光量に応じた光電変換を行う。すなわち、この光電変換により発生する電流の量は、受光素子16での受光量に応じた値であって、ガラス板12に付着する雨滴が無いときは、有るときに比べて大きな値となる。コントローラ30は、発光素子14の発光指令を行った以後、受光素子16からの電流量に基づいてガラス板12の表面側の端面での反射光の量を検出する。そして、その反射光の量に基づいてガラス板12の表面に付着する雨滴の有無及びその量を検出する。
【0027】
このように本実施例の雨滴検出装置10においては、複数の発光素子14からなる発光素子層20及び複数の受光素子16からなる受光素子層22が、ガラス板12の略全面(具体的には、例えばワイパー制御に必要な雨滴検知範囲内)に亘って配置されている。このため、本実施例の雨滴検出装置10によれば、ガラス板12の表面に付着する雨滴の検出をそのガラス板12の全面に亘って行うことができ、これにより、ガラス板12の表面に付着する雨滴の検出をガラス板12上で均一にかつ精度良く行うことができる。従って、ガラス板12の表面上を払拭するワイパーの自動制御などを的確に行うことができる。
【0028】
尚、上記の如く複数の発光素子14と複数の受光素子16とを用いてガラス板12の全面に亘って均一に雨滴検出を行うことができれば、発光素子14や受光素子16とガラス板12との間に、光を全反射させて光の散乱や集光を実現するレンズを設けることは不要である。このため、本実施例の雨滴検出装置10によれば、上記の如くレンズが設けられた構成(対比構成)とは異なり、素子14,16とガラス板12との間にレンズを配置するためのある程度の距離を確保することが不要となり、レインセンサ18全体としての薄型化を図ることができる。
【0029】
例えば、ガラス板12のワイパー制御に必要な雨滴検知面積を確保するためには、上記の対比構成では、発光素子14や受光素子16とガラス板12とを1cm以上の距離離すことが必要であるが、これに対して、本実施例の雨滴検出装置10の構成によれば、発光素子14や受光素子16とガラス板12とを1〜2mm程度離すだけで十分であるので、薄型化が可能である。
【0030】
また、本実施例の雨滴検出装置10においては、受光素子16がガラス板12の全面に亘って格子状に配置されているので、そのガラス板12の全面に亘る雨滴検知を木目細かく行うことが可能である。このため、ガラス板12の表面に付着した雨滴の大きさやその個数などを認識することが可能である。例えば、受光素子16が500μm間隔で配置される場合は、1mm程度の雨滴を識別することができ、霧雨や小雨,大雨などの雨の状態を認知することができる。従って、ワイパーの自動制御を雨の状態に応じて木目細かなものとすることができる。
【0031】
また、発光素子14から照射された光がガラス板12の表面の端面で反射して受光素子16に受光されるためには、ガラス板12の端面で全反射する必要がある。この全反射の条件は、スネルの法則により入射角≧臨界角であるが、例えばガラスの反射率が1.52であるときは臨界角が41°となり、入射角はその41°よりも鈍角であることが全反射の条件である。
【0032】
これに対して、本実施例の雨滴検出装置10においては、発光素子層20と受光素子層22とが基板36上に積層されており、受光素子層22がガラス板12と発光素子層20とに挟まれており、かつ、発光素子14と受光素子16とが基板36上においてガラス板12に対して鉛直方向に並ぶように配置されている。この点、発光素子14がガラス板12に対して受光素子16の直下に配置される。
【0033】
このため、発光素子14から照射される光のうち発光素子14からガラス板12へ向けて真上方向に照射される光はガラス板12に到達する前に受光素子16に妨げられる一方、入射角が臨界角に比して鈍角側である光がガラス板12に到達する前に受光素子16に妨げられるのは防止されると共に、発光素子14からガラス板12に達する光の入射角は臨界角に比して鈍角側となり易くなる。従って、本実施例によれば、発光素子14から照射された光のガラス板12での全反射を効率的・効果的に行うことができると共に、その発光素子14から照射された光がガラス板12に到達する前に受光素子16に妨げられることに起因する受光素子16での受光量の減少を抑制することができるので、雨滴検出を適切かつ効率的に行うことができる。
【0034】
また、本実施例の雨滴検出装置10においては、発光素子14が軟質材料で構成された有機発光素子でありかつ受光素子16が軟質材料で構成された有機受光素子である共に、それらの素子14,16が配置された層20,22が積層される基板36も軟質材料で構成されたポリシートなどである。このため、本実施例の雨滴検出装置10によれば、図8に示す如くガラス板12が極端に大きく湾曲している構造であっても、発光素子層20及び受光素子層22をそのガラス板12の裏面に沿って隙間無く貼付することができ、発光素子層20及び受光素子層22をガラス板12と略平行に配置することができ、これにより、ガラス板12の全面に亘って均一な雨滴検出を実現することができる。
【0035】
尚、上記の実施例においては、基板36が特許請求の範囲に記載した「軟質材料」に相当している。
【0036】
ところで、上記の実施例においては、ガラス板12の表面に付着する雨滴を検出するために発光素子14と受光素子16とからなるレインセンサ18を設け、受光素子16での受光量に基づいて雨滴検出を行うこととしている。しかし、雨滴検出を行ううえで、外乱光(例えば、太陽光や赤外線を応用した装置からの光など)による誤差分を補正することとしてもよい。
【0037】
すなわち、外乱光が受光素子16に受光されると、その受光分だけ受光素子16での受光量が増加するので、そのままでは外乱光の変化によって雨滴検出結果が誤認識されるおそれがある。そこで、かかる課題を解決すべく、発光素子14からの光の照射を間欠的に行って点滅を施したうえで、点灯時における受光素子16での受光量と消灯時における受光素子16での受光量との差に基づいて雨滴検出のための閾値や雨滴検出結果に補正を施すことが考えられる。しかし、かかる構成では、発光素子14を点滅させる必要があるので、単位時間当たりの雨滴検出時間が減少し、また、外乱光が急峻に変化した際に速やかな雨滴検出を行うことができなくなる。
【0038】
そこで、本変形例においては、図9に示す如く、受光素子層22に、雨滴検出を行うための受光素子16以外に、外乱光を検出するための受光素子50が設けられる。この受光素子50は、例えば受光素子16の外周側に配置される。また、受光素子層22における受光素子16と受光素子50との間の境界領域には、発光素子14からの光を遮光する遮蔽層(遮光配線)52が配設される。この遮蔽層52は、受光素子50での、受光素子16の直下に配設される発光素子14からの光の受光を妨げる機能を有する。
【0039】
かかる変形例において、受光素子50からの電流量は、コントローラ30に供給される。コントローラ30は、受光素子50からの電流量に基づいて受光素子50での受光量を検出し、外乱光の量を検出する。そして、その外乱光の量に基づいて雨滴検出のための閾値や雨滴検出結果に補正を施す。かかる変形例によれば、外乱光が変化しても、精度の高い雨滴検出を実現することができると共に、その雨滴検出を間欠的にではなく常時行うことができる。
【0040】
また、上記の実施例においては、発光素子14、受光素子16、及び基板36をそれぞれ軟質材料により構成することとしたが、Si系の材料により構成することとしてもよい。また、発光素子14及び受光素子16を半導体によるものとしてもよい。
【0041】
また、上記の実施例においては、基板36上において発光素子層20を下層としかつ受光素子層22を上層としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも両層20,22を多層構造とすればよい。
【符号の説明】
【0042】
10 雨滴検出装置
12 ガラス板
14 発光素子
16 受光素子
20 発光素子層
22 受光素子層
30 コントローラ
36 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス板に向けて光を照射する発光素子と、前記発光素子から照射された光のうち、前記ガラス板の、前記発光素子が配設される側の端面とは反対側の端面で反射する反射光を受光する受光素子と、を備え、前記受光素子での受光量に基づいて前記ガラス板の表面に付着する雨滴を検出する雨滴検出装置であって、
前記発光素子として有機発光素子が複数配置された発光素子層と、前記受光素子として有機受光素子が複数配置された受光素子層と、を軟質材料上に積層させたことを特徴とする雨滴検出装置。
【請求項2】
前記受光素子層は、前記ガラス板と前記発光素子層とに挟まれた層であり、
前記発光素子と前記受光素子とは、前記ガラス板に対して鉛直方向に並ぶように配置されていることを特徴とする請求項1記載の雨滴検出装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−113681(P2013−113681A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259383(P2011−259383)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)