電位治療器及び電位治療器用導電性繊維構成体
【課題】電位治療器の不安定さを無くして人体患部に電位及び電流を集中安定化して供給し、かつ患部に適した導電性炭素繊維構成体を使用して効果的に患部を治療でき、しかも治療に際して効率的に保管することができる構成体を提供する。
【解決手段】電位治療器は、高電位発生装置12と、高電位発生装置に配線で接続され人体に高電圧を印加するための主電極14と、主電極に対向して設けられた帯電集中化電極構造を備える対向電極16とを備える。対向電極と高電位発生装置とは、配線を必要としない。
【解決手段】電位治療器は、高電位発生装置12と、高電位発生装置に配線で接続され人体に高電圧を印加するための主電極14と、主電極に対向して設けられた帯電集中化電極構造を備える対向電極16とを備える。対向電極と高電位発生装置とは、配線を必要としない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、数百〜数千ボルトを人体に印加してその電気作用でコリや痛みを改善する電位治療器及び電位治療器用導電性繊維構成体に関する。
【背景技術】
【0002】
電位治療器は、人体を絶縁状態に置いて、数百〜数千ボルトを人体に印加して、その電気作用でコリや痛みを改善する医療用具であるが、人体を流れる電流量が少ないため高電圧を使用するにも拘らず安全な治療器として一般家庭にも広く普及してきている。
【0003】
電位治療器で人体に高電位を印加するための電極プレートには、主に鉄、アルミニウム、銅等の金属プレート、金網、金糸状の布、さらには導電コード類等が使用されているが、いずれも折れ、曲げに弱い。そのため、該プレートが折れ曲げられると、該折れ曲げ個所で導電が阻害され、よって高電圧のためにスパークを生じ出火の原因となることが多々あり、耐久性や安全性に難点があった。さらに、電位治療器は、アース等対極をもたない電気療法なので、通電状況によって如何ようにも微弱通電電流及び負荷電圧が変化することになる。このため、ある時効果が出たり、出なかったりして不安定となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述した従来の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、電位治療器の不安定さを無くして人体患部に電位及び電流を集中安定化して供給し、かつ患部に適した炭素繊維構成体を使用して効果的に患部を治療できる電位治療器及び電位治療器用導電性繊維構成体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る電位治療器用導電性繊維構成体は、高電位発生装置と、前記高電位発生装置に配線で接続され人体に高電圧を印加するための主電極と、前記主電極に対向して設けられた対向電極とを備える電位治療器であって、前記対向電極は、導電性炭素繊維体と該導電性炭素繊維体を覆う絶縁被覆材とを備える導電性繊維構成体からなり、前記導電性炭素繊維構成体は、人体に装着及び又は巻装され、導電性繊維で編んだ導電性繊維編物、及び又は合成繊維や綿等に導電性繊維を組込んで縫製した下着、衣類、腹巻、サポータ、靴下、マフラー、エプロン、手袋、腹巻又は帽子からなることを特徴とする。
【0006】
請求項2に係る電位治療器は、高電位発生装置と、前記高電位発生装置に配線で接続され人体に高電圧を印加するための主電極と、前記主電極に対向して設けられた対向電極とを備える電位治療器であって、前記対向電極は、導電性炭素繊維体と該導電性炭素繊維体を覆う絶縁被覆材とを備える導電性繊維構成体からなり、前記導電性炭素繊維構成体は、人体に装着及び又は巻装され、導電性繊維で編んだ導電性繊維編物、及び又は合成繊維や綿等に導電性繊維を組込んで縫製した下着、衣類、腹巻、サポータ、靴下、手袋、又は腹巻からなり、前記主電極は布団に設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明による電位治療器、電位治療方法及び電位治療具保管方法によれば、電位治療器の不安定さを無くして人体患部に電位及び電流を集中安定化して供給し、かつ患部に適した導電性炭素繊維構成体を使用して効果的に患部を治療でき、しかも該構成体を治療に際して効率的に保管することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
電位治療器は、人体を床、壁等から絶縁状態に置いて、一極のプレートから人体へ向けて電気導通を行う治療装置である。該電位治療器において、人体への入力極に対して流れ出るべき電流は、アース等の対向電極を電気的に絶縁遮蔽しているので殆ど電流が流れない。しかしながら、実際は、電位治療器では数百〜数千ボルトの高電位を人体に通電するので微弱電流が人体から空中に放電し又は漏れ電流として絶えず放出されている。
【0009】
図1(a)は、椅子型の電位治療器を示す。電位治療器10は、高電位発生装置12と、主電極14と、対向電極16とを備えて構成される。主電極14は、絶縁被覆されており、そして足載置に設けられている。主電極には高電位発生装置から数百〜数千ボルトの電圧が接続線18を介して印加される。治療者20は、椅子22に座り足を足載置の主電極に載せる。そして、治療者は、治療を行うための患部に対向電極16を取り付ける。対向電極16は、高電位発生装置12に接続線を介して接続されていない。なお、該図では対向電極は、脚に設けられているが、脚に限らずに患部に設けることも可能である。
【0010】
図1(b)は、布団型の電位治療器を示す。電位治療器10は、高電位発生装置12と、主電極14と、対向電極16とを備えて構成される。主電極14は、絶縁被覆されており、そして布団24の表面に設けられている。主電極には高電位発生装置から数百〜数千ボルトの電圧が接続線18を介して印加される。治療者20は、布団の主電極の上に仰向けに横たわる。そして、治療者は、治療を行うための患部に対向電極を取り付ける。対向電極は、高電位発生装置に接続線を介して接続されていない。なお、該図では対向電極は、脚に設けられているが、脚に限らずに患部に設けることも可能である。
【0011】
該図1(b)に使用される布団の一構成を図2に示す。該図において、布団24は、その上方位置に配置された一対の主電極14と、その下方の脚から足にかけて配置された温熱用のヒータ26とを備える。該図には示されていないが、さらにバイブレータを布団の腰の位置に配置してもよい。そして、電位治療の電圧の高低操作部、ヒータの温度調節部、さらにバイブレータの強弱操作部、電源のON−OFFを組み入れた制御装置が布団の脇に設置される。なお、温熱用のヒータやバイブレータは、布団に限らずにベッド、椅子等に設置してもよい。電位治療器、温熱用のヒータやバイブレータさらにエアーマッサージを作動させるための操作装置が設けられている。操作装置は、電位治療器とエアーマッサージとの作動を切り替える切替スイッチを備え、電位治療器とエアーマッサージとが同時に作動しないようにしている。
【0012】
前記対向電極16は、帯電集中化電極構造を備える。帯電集中化電極構造は、図3(a)及び図3(b)に示される構成を備える。該図において、帯電集中化電極構造は、通電作用を備える炭素繊維網体30を絶縁被覆材32で覆って作られる。炭素繊維は、竹等から作られる備長炭等の天然炭素材料又は合成繊維材料、例えば東レ(株)製の商品名「ベスファイ」である。なお、前記炭素繊維に代えて他の導電性繊維を使用してもよい。炭素繊維構成体の大きさは、特に制限はなく任意の長さ、面積を備えることができる。図3(a)において、帯電集中化電極構造は、炭素繊維編体30と、該炭素繊維編体の周囲をビニールシート類や布地等の絶縁性被覆材32で囲んで構成される。さらに、炭素繊維編体30から炭素繊維のアース線31を延出してもよい。図3(b)において、帯電集中化電極構造は、炭素繊維編物30と、炭素繊維編体30の一部を覆って設けられたビニールシート類や布地等の絶縁性被覆材32と、これらをハトメ34で固定した金属プレート36とで構成される。対向電極は、このままで構成してもよいが、前記金属プレート36に炭素繊維のアース線31を延出してもよい。
【0013】
図4は、対向電極を構成する前記帯電集中化電極構造に電池式駆動源を一体的に取り付けてなる構成の概略図である。該図において、帯電集中化電極構造は、炭素繊維網体30上に絶縁被覆材32を介して電池38を設けて構成される。電池の両電極は、金属プレート36を介して炭素繊維網体30に接続されている。前記電池駆動により前記対向電極には、約1000ボルト以下の電圧が印加される。
【0014】
電位治療方法は、主電極に所定の高電圧を印加する工程と、導電性繊維構成体からなる対向電極を駆動する工程と、前記主電極を駆動させるために電源をONにすると共に電位を調整し、かつ治療時間を設定するを備える。さらに、電位治療方法は、主電極に所定の高電圧を印加する工程と、導電性繊維構成体かならる対向電極を電池により駆動する工程と、前記主電極を駆動させるために電源をONにすると共に電位を調整し、かつ治療時間を設定する。
【0015】
前記導電性炭素繊維構成体からなる対向電極16の人体へ巻装又は装着の配置は、図5(a)〜図5(f)に示される。該炭素繊維構成体としての対向電極は、上述したように人体の患部である脚の1ヶ所に巻装又は装着されるのみでなく、人体の複数の患部に同時に巻装及び又は装着させることもできる。対向電極は、図5(a)において背中の上部と腰全体に装着され、図5(b)において左及び右の腰に装着され、図5(c)において左及び右の肩に装着され、図5(d)において脚の上方と下方に巻装され、図5(e)において腕の上方と下方に巻装され、図5(f)において腕の1ヶ所を上半分と下半分に巻装される。なお、炭素繊維構成体としての対向電極は、該図5(a)、図5(b)、図5(c)、図5(d)、図5(d)、図54(f)を組み合わせて装着又は又は巻装してもよい。
【0016】
さらに前記炭素繊維構成体からなる対向電極は、通常の人が身につける下着、衣類、腹巻、サポータ、靴下、マフラー、エプロン、手袋、鉢巻又は帽子等の導電性繊維で編んだ導電性繊維編物である。又は前記対向電極は、炭素繊維を合成繊維、ウールや綿等に組み込んで縫製して作られる下着、衣類、腹巻、サポータ、靴下、マフラー、エプロン、手袋、鉢巻又は帽子で構成される導電性繊維縫製物であってもよい。さらに、前記対向電極は、上記導電性繊維編物又は導電性繊維縫製物に該編物又は該縫製物を駆動する電池を取り付けてもよい。また、このように対向電極が衣類等と一体的に構成される場合、炭素繊維の一端を前記衣類から外部に延出させてアースの作用をもたせておくことが好ましい。
【0017】
対向電極と高電位発生装置とを配線で接続する必要のない帯電集中化電極構造を採用することにより使用者は接続配線の煩わしさから解放される。すなわち、使用者が、対向電極を人体の患部に取り付けて布団に横たわる場合でも、配線はないので操作終了後に、配線を取り外す必要がなく、そのまま寝ることもできる。また、炭素繊維構成体を対向電極としているので、自由に折り曲げ可能であるので常に身体にぴったりして肌に違和感がない。このことは、特に対向電極を人体の複数の患部に取り付けた時、より効果的である。
【0018】
次に、治療院、集会所等の自宅以外の場所に設置された椅子型の電位治療器で治療を行う場合を説明する。治療院、集会所等は、上述の導電性炭素繊維編物、及び又は合成繊維、ウールや綿等に炭素繊維を組込んで縫製した下着、衣類、腹巻、サポータ、靴下、マフラー、アプロン、手袋、腹巻又は帽子等の導電性炭素繊維縫製物、及び又は電池式駆動の導電性炭素繊維編物又は導電性炭素繊維縫製物を用意する。患者は、電位治療器を設置している場所に赴く。そして、使用者は、上述の導電性炭素繊維編物及び又は上述した導電性炭素繊維縫製物の中から患部の部位、患部の具合い等を考慮して適切な対向電極を選んで取り出す。そして、選んだ対向電極を人体に装着及び又は巻装して、電位治療器に座って電位治療器の電源をONにする。そして、電位を調整し、かつ治療時間を設定する。なお、治療院、集会所等は、1回毎につき1つの電極の使用に対して所定の使用料金を徴収する。
【0019】
好ましくは、患者は、上述の導電性炭素繊維編物、及び又は炭素繊維を組込んで縫製した下着、衣類、腹巻、サポータ、靴下、マフラー、アプロン、手袋、腹巻又は帽子等の導電性炭素繊維縫製物、及び又は電池式駆動の導電性炭素繊維編物又は導電性炭素繊維縫製物の中から症状に適した対向電極を選択して使用することができる。そして、対向電極を選択して用意された個人用の収納箱に収納して保管しておく。必要に応じて選択した該編物や縫製物を他の該編物や縫製物に取り替えることができる。以後、患者は治療院に行った際、自分で用意した収納箱を取り出してきて人体に該編物や縫製物を装着及び又は巻装する。
【0020】
上記治療院、集会所等の自宅以外の場所に設置された椅子型の電位治療器で治療を行う場合、上述の編物、及び又は炭素繊維を組込んで縫製した該縫製物は、好ましくは配線なしの対向電極であるが、前記高電位発生装置と該対向電極とを配線で接続して使用してもよい。
【0021】
また、自宅に電位治療器、特に布団型の電位治療器を使用して治療を行う場合、使用者は、導電性炭素繊維編物、及び又は炭素繊維を入れて縫製した下着、衣類、腹巻、サポータ、靴下、マフラー、エプロン、手袋、腹巻又は帽子等の導電性炭素繊維縫製物、及び又は電池式駆動の導電性炭素繊維編物又は導電性炭素繊維縫製物を販売する店舗及びウエブ上での店舗から患部に適した該編物及び又は縫製物を購入する。そして、使用者は、患部に適した該編物又は縫製物を装着及び又は巻装して、該電位治療器上に座り又は仰向けに横たわり電位治療器の電源をONにする。そして、電位を調整し、かつ治療時間を設定する。
【0022】
上述の電位治療具、特に対向電極の電位治療用電極の使用方法は、導電性炭素繊維編物、及び又は合成繊維や綿等に炭素繊維を組込んで縫製した下着、衣類、腹巻、サポータ、靴下、マフラー、エプロン、手袋、腹巻又は帽子等の導電性炭素繊維縫製物、及び又は電池式駆動の導電性炭素繊維編物又は導電性炭素繊維縫製物からなる対向電極の中から症状に適した対向電極を選択し、選択して取り出した前記対向電極を各個人毎に用意された収納箱に収納して治療場所に保管し、前記選択した対向電極を必要に応じて取り替えてなる。
【0023】
炭素繊維で編んだ下着、衣類、腹巻、サポータ、靴下、マフラー、エプロン、手袋、腹巻又は帽子が用意され、また該電位治療器用に炭素繊維を入れて縫製した下着、衣類、腹巻、サポータ、靴下、マフラー、手袋、腹巻又は帽子等の縫製物、あるいは電池式駆動の導電性炭素繊維編物又は導電性炭素繊維縫製物は、店舗及びウエブ上での店舗で販売される。
【産業上の利用可能性】
【0024】
電位治療器
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1(a)】図1(a)は、椅子型の電位治療器を示す概略図である。
【図1(b)】図1(b)は、布団型の電位治療器を示す概略図である。
【図2】図2は、布団の構成を示す概略図である。
【図3(a)】図3(a)は、対向電極としての導電性炭素繊維構成体を示す概略図である。
【図3(b)】図3(b)は、対向電極としての他の導電性炭素繊維構成体を示す概略図である。
【図4】図4は、電池式駆動源を導電性炭素繊維構成体に取り付けた示す概略図である。
【図5(a)】図5(a)は、導電性炭素繊維構成体からなる対向電極の人体への装着を示す配置図である。
【図5(b)】図5(b)は、導電性炭素繊維構成体からなる対向電極の人体への他の装着を示す配置図である。
【図5(c)】図5(c)は、導電性炭素繊維構成体からなる対向電極の人体への他の巻装を示す配置図である。
【図5(d)】図5(d)は、導電性炭素繊維構成体からなる対向電極の人体への他の巻装を示す配置図である。
【図5(e)】図5(e)は、導電性炭素繊維構成体からなる対向電極の人体への他の巻装を示す配置図である。
【図5(f)】図5(f)は、導電性炭素繊維構成体からなる対向電極の人体への他の巻装を示す配置図である。
【符号の説明】
【0026】
10;電位治療器
12;高電位発生装置
14;主電極
16;対向電極
18;接続線
20;治療者
22;椅子
24;布団
26;温熱用のヒータ
28;導電性炭素繊維構成体
30;導電性炭素繊維編物
31;炭素繊維のアース線
32;絶縁被覆材
34;ハトメ
36;金属プレート
38;電池
【技術分野】
【0001】
本発明は、数百〜数千ボルトを人体に印加してその電気作用でコリや痛みを改善する電位治療器及び電位治療器用導電性繊維構成体に関する。
【背景技術】
【0002】
電位治療器は、人体を絶縁状態に置いて、数百〜数千ボルトを人体に印加して、その電気作用でコリや痛みを改善する医療用具であるが、人体を流れる電流量が少ないため高電圧を使用するにも拘らず安全な治療器として一般家庭にも広く普及してきている。
【0003】
電位治療器で人体に高電位を印加するための電極プレートには、主に鉄、アルミニウム、銅等の金属プレート、金網、金糸状の布、さらには導電コード類等が使用されているが、いずれも折れ、曲げに弱い。そのため、該プレートが折れ曲げられると、該折れ曲げ個所で導電が阻害され、よって高電圧のためにスパークを生じ出火の原因となることが多々あり、耐久性や安全性に難点があった。さらに、電位治療器は、アース等対極をもたない電気療法なので、通電状況によって如何ようにも微弱通電電流及び負荷電圧が変化することになる。このため、ある時効果が出たり、出なかったりして不安定となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述した従来の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、電位治療器の不安定さを無くして人体患部に電位及び電流を集中安定化して供給し、かつ患部に適した炭素繊維構成体を使用して効果的に患部を治療できる電位治療器及び電位治療器用導電性繊維構成体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る電位治療器用導電性繊維構成体は、高電位発生装置と、前記高電位発生装置に配線で接続され人体に高電圧を印加するための主電極と、前記主電極に対向して設けられた対向電極とを備える電位治療器であって、前記対向電極は、導電性炭素繊維体と該導電性炭素繊維体を覆う絶縁被覆材とを備える導電性繊維構成体からなり、前記導電性炭素繊維構成体は、人体に装着及び又は巻装され、導電性繊維で編んだ導電性繊維編物、及び又は合成繊維や綿等に導電性繊維を組込んで縫製した下着、衣類、腹巻、サポータ、靴下、マフラー、エプロン、手袋、腹巻又は帽子からなることを特徴とする。
【0006】
請求項2に係る電位治療器は、高電位発生装置と、前記高電位発生装置に配線で接続され人体に高電圧を印加するための主電極と、前記主電極に対向して設けられた対向電極とを備える電位治療器であって、前記対向電極は、導電性炭素繊維体と該導電性炭素繊維体を覆う絶縁被覆材とを備える導電性繊維構成体からなり、前記導電性炭素繊維構成体は、人体に装着及び又は巻装され、導電性繊維で編んだ導電性繊維編物、及び又は合成繊維や綿等に導電性繊維を組込んで縫製した下着、衣類、腹巻、サポータ、靴下、手袋、又は腹巻からなり、前記主電極は布団に設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明による電位治療器、電位治療方法及び電位治療具保管方法によれば、電位治療器の不安定さを無くして人体患部に電位及び電流を集中安定化して供給し、かつ患部に適した導電性炭素繊維構成体を使用して効果的に患部を治療でき、しかも該構成体を治療に際して効率的に保管することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
電位治療器は、人体を床、壁等から絶縁状態に置いて、一極のプレートから人体へ向けて電気導通を行う治療装置である。該電位治療器において、人体への入力極に対して流れ出るべき電流は、アース等の対向電極を電気的に絶縁遮蔽しているので殆ど電流が流れない。しかしながら、実際は、電位治療器では数百〜数千ボルトの高電位を人体に通電するので微弱電流が人体から空中に放電し又は漏れ電流として絶えず放出されている。
【0009】
図1(a)は、椅子型の電位治療器を示す。電位治療器10は、高電位発生装置12と、主電極14と、対向電極16とを備えて構成される。主電極14は、絶縁被覆されており、そして足載置に設けられている。主電極には高電位発生装置から数百〜数千ボルトの電圧が接続線18を介して印加される。治療者20は、椅子22に座り足を足載置の主電極に載せる。そして、治療者は、治療を行うための患部に対向電極16を取り付ける。対向電極16は、高電位発生装置12に接続線を介して接続されていない。なお、該図では対向電極は、脚に設けられているが、脚に限らずに患部に設けることも可能である。
【0010】
図1(b)は、布団型の電位治療器を示す。電位治療器10は、高電位発生装置12と、主電極14と、対向電極16とを備えて構成される。主電極14は、絶縁被覆されており、そして布団24の表面に設けられている。主電極には高電位発生装置から数百〜数千ボルトの電圧が接続線18を介して印加される。治療者20は、布団の主電極の上に仰向けに横たわる。そして、治療者は、治療を行うための患部に対向電極を取り付ける。対向電極は、高電位発生装置に接続線を介して接続されていない。なお、該図では対向電極は、脚に設けられているが、脚に限らずに患部に設けることも可能である。
【0011】
該図1(b)に使用される布団の一構成を図2に示す。該図において、布団24は、その上方位置に配置された一対の主電極14と、その下方の脚から足にかけて配置された温熱用のヒータ26とを備える。該図には示されていないが、さらにバイブレータを布団の腰の位置に配置してもよい。そして、電位治療の電圧の高低操作部、ヒータの温度調節部、さらにバイブレータの強弱操作部、電源のON−OFFを組み入れた制御装置が布団の脇に設置される。なお、温熱用のヒータやバイブレータは、布団に限らずにベッド、椅子等に設置してもよい。電位治療器、温熱用のヒータやバイブレータさらにエアーマッサージを作動させるための操作装置が設けられている。操作装置は、電位治療器とエアーマッサージとの作動を切り替える切替スイッチを備え、電位治療器とエアーマッサージとが同時に作動しないようにしている。
【0012】
前記対向電極16は、帯電集中化電極構造を備える。帯電集中化電極構造は、図3(a)及び図3(b)に示される構成を備える。該図において、帯電集中化電極構造は、通電作用を備える炭素繊維網体30を絶縁被覆材32で覆って作られる。炭素繊維は、竹等から作られる備長炭等の天然炭素材料又は合成繊維材料、例えば東レ(株)製の商品名「ベスファイ」である。なお、前記炭素繊維に代えて他の導電性繊維を使用してもよい。炭素繊維構成体の大きさは、特に制限はなく任意の長さ、面積を備えることができる。図3(a)において、帯電集中化電極構造は、炭素繊維編体30と、該炭素繊維編体の周囲をビニールシート類や布地等の絶縁性被覆材32で囲んで構成される。さらに、炭素繊維編体30から炭素繊維のアース線31を延出してもよい。図3(b)において、帯電集中化電極構造は、炭素繊維編物30と、炭素繊維編体30の一部を覆って設けられたビニールシート類や布地等の絶縁性被覆材32と、これらをハトメ34で固定した金属プレート36とで構成される。対向電極は、このままで構成してもよいが、前記金属プレート36に炭素繊維のアース線31を延出してもよい。
【0013】
図4は、対向電極を構成する前記帯電集中化電極構造に電池式駆動源を一体的に取り付けてなる構成の概略図である。該図において、帯電集中化電極構造は、炭素繊維網体30上に絶縁被覆材32を介して電池38を設けて構成される。電池の両電極は、金属プレート36を介して炭素繊維網体30に接続されている。前記電池駆動により前記対向電極には、約1000ボルト以下の電圧が印加される。
【0014】
電位治療方法は、主電極に所定の高電圧を印加する工程と、導電性繊維構成体からなる対向電極を駆動する工程と、前記主電極を駆動させるために電源をONにすると共に電位を調整し、かつ治療時間を設定するを備える。さらに、電位治療方法は、主電極に所定の高電圧を印加する工程と、導電性繊維構成体かならる対向電極を電池により駆動する工程と、前記主電極を駆動させるために電源をONにすると共に電位を調整し、かつ治療時間を設定する。
【0015】
前記導電性炭素繊維構成体からなる対向電極16の人体へ巻装又は装着の配置は、図5(a)〜図5(f)に示される。該炭素繊維構成体としての対向電極は、上述したように人体の患部である脚の1ヶ所に巻装又は装着されるのみでなく、人体の複数の患部に同時に巻装及び又は装着させることもできる。対向電極は、図5(a)において背中の上部と腰全体に装着され、図5(b)において左及び右の腰に装着され、図5(c)において左及び右の肩に装着され、図5(d)において脚の上方と下方に巻装され、図5(e)において腕の上方と下方に巻装され、図5(f)において腕の1ヶ所を上半分と下半分に巻装される。なお、炭素繊維構成体としての対向電極は、該図5(a)、図5(b)、図5(c)、図5(d)、図5(d)、図54(f)を組み合わせて装着又は又は巻装してもよい。
【0016】
さらに前記炭素繊維構成体からなる対向電極は、通常の人が身につける下着、衣類、腹巻、サポータ、靴下、マフラー、エプロン、手袋、鉢巻又は帽子等の導電性繊維で編んだ導電性繊維編物である。又は前記対向電極は、炭素繊維を合成繊維、ウールや綿等に組み込んで縫製して作られる下着、衣類、腹巻、サポータ、靴下、マフラー、エプロン、手袋、鉢巻又は帽子で構成される導電性繊維縫製物であってもよい。さらに、前記対向電極は、上記導電性繊維編物又は導電性繊維縫製物に該編物又は該縫製物を駆動する電池を取り付けてもよい。また、このように対向電極が衣類等と一体的に構成される場合、炭素繊維の一端を前記衣類から外部に延出させてアースの作用をもたせておくことが好ましい。
【0017】
対向電極と高電位発生装置とを配線で接続する必要のない帯電集中化電極構造を採用することにより使用者は接続配線の煩わしさから解放される。すなわち、使用者が、対向電極を人体の患部に取り付けて布団に横たわる場合でも、配線はないので操作終了後に、配線を取り外す必要がなく、そのまま寝ることもできる。また、炭素繊維構成体を対向電極としているので、自由に折り曲げ可能であるので常に身体にぴったりして肌に違和感がない。このことは、特に対向電極を人体の複数の患部に取り付けた時、より効果的である。
【0018】
次に、治療院、集会所等の自宅以外の場所に設置された椅子型の電位治療器で治療を行う場合を説明する。治療院、集会所等は、上述の導電性炭素繊維編物、及び又は合成繊維、ウールや綿等に炭素繊維を組込んで縫製した下着、衣類、腹巻、サポータ、靴下、マフラー、アプロン、手袋、腹巻又は帽子等の導電性炭素繊維縫製物、及び又は電池式駆動の導電性炭素繊維編物又は導電性炭素繊維縫製物を用意する。患者は、電位治療器を設置している場所に赴く。そして、使用者は、上述の導電性炭素繊維編物及び又は上述した導電性炭素繊維縫製物の中から患部の部位、患部の具合い等を考慮して適切な対向電極を選んで取り出す。そして、選んだ対向電極を人体に装着及び又は巻装して、電位治療器に座って電位治療器の電源をONにする。そして、電位を調整し、かつ治療時間を設定する。なお、治療院、集会所等は、1回毎につき1つの電極の使用に対して所定の使用料金を徴収する。
【0019】
好ましくは、患者は、上述の導電性炭素繊維編物、及び又は炭素繊維を組込んで縫製した下着、衣類、腹巻、サポータ、靴下、マフラー、アプロン、手袋、腹巻又は帽子等の導電性炭素繊維縫製物、及び又は電池式駆動の導電性炭素繊維編物又は導電性炭素繊維縫製物の中から症状に適した対向電極を選択して使用することができる。そして、対向電極を選択して用意された個人用の収納箱に収納して保管しておく。必要に応じて選択した該編物や縫製物を他の該編物や縫製物に取り替えることができる。以後、患者は治療院に行った際、自分で用意した収納箱を取り出してきて人体に該編物や縫製物を装着及び又は巻装する。
【0020】
上記治療院、集会所等の自宅以外の場所に設置された椅子型の電位治療器で治療を行う場合、上述の編物、及び又は炭素繊維を組込んで縫製した該縫製物は、好ましくは配線なしの対向電極であるが、前記高電位発生装置と該対向電極とを配線で接続して使用してもよい。
【0021】
また、自宅に電位治療器、特に布団型の電位治療器を使用して治療を行う場合、使用者は、導電性炭素繊維編物、及び又は炭素繊維を入れて縫製した下着、衣類、腹巻、サポータ、靴下、マフラー、エプロン、手袋、腹巻又は帽子等の導電性炭素繊維縫製物、及び又は電池式駆動の導電性炭素繊維編物又は導電性炭素繊維縫製物を販売する店舗及びウエブ上での店舗から患部に適した該編物及び又は縫製物を購入する。そして、使用者は、患部に適した該編物又は縫製物を装着及び又は巻装して、該電位治療器上に座り又は仰向けに横たわり電位治療器の電源をONにする。そして、電位を調整し、かつ治療時間を設定する。
【0022】
上述の電位治療具、特に対向電極の電位治療用電極の使用方法は、導電性炭素繊維編物、及び又は合成繊維や綿等に炭素繊維を組込んで縫製した下着、衣類、腹巻、サポータ、靴下、マフラー、エプロン、手袋、腹巻又は帽子等の導電性炭素繊維縫製物、及び又は電池式駆動の導電性炭素繊維編物又は導電性炭素繊維縫製物からなる対向電極の中から症状に適した対向電極を選択し、選択して取り出した前記対向電極を各個人毎に用意された収納箱に収納して治療場所に保管し、前記選択した対向電極を必要に応じて取り替えてなる。
【0023】
炭素繊維で編んだ下着、衣類、腹巻、サポータ、靴下、マフラー、エプロン、手袋、腹巻又は帽子が用意され、また該電位治療器用に炭素繊維を入れて縫製した下着、衣類、腹巻、サポータ、靴下、マフラー、手袋、腹巻又は帽子等の縫製物、あるいは電池式駆動の導電性炭素繊維編物又は導電性炭素繊維縫製物は、店舗及びウエブ上での店舗で販売される。
【産業上の利用可能性】
【0024】
電位治療器
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1(a)】図1(a)は、椅子型の電位治療器を示す概略図である。
【図1(b)】図1(b)は、布団型の電位治療器を示す概略図である。
【図2】図2は、布団の構成を示す概略図である。
【図3(a)】図3(a)は、対向電極としての導電性炭素繊維構成体を示す概略図である。
【図3(b)】図3(b)は、対向電極としての他の導電性炭素繊維構成体を示す概略図である。
【図4】図4は、電池式駆動源を導電性炭素繊維構成体に取り付けた示す概略図である。
【図5(a)】図5(a)は、導電性炭素繊維構成体からなる対向電極の人体への装着を示す配置図である。
【図5(b)】図5(b)は、導電性炭素繊維構成体からなる対向電極の人体への他の装着を示す配置図である。
【図5(c)】図5(c)は、導電性炭素繊維構成体からなる対向電極の人体への他の巻装を示す配置図である。
【図5(d)】図5(d)は、導電性炭素繊維構成体からなる対向電極の人体への他の巻装を示す配置図である。
【図5(e)】図5(e)は、導電性炭素繊維構成体からなる対向電極の人体への他の巻装を示す配置図である。
【図5(f)】図5(f)は、導電性炭素繊維構成体からなる対向電極の人体への他の巻装を示す配置図である。
【符号の説明】
【0026】
10;電位治療器
12;高電位発生装置
14;主電極
16;対向電極
18;接続線
20;治療者
22;椅子
24;布団
26;温熱用のヒータ
28;導電性炭素繊維構成体
30;導電性炭素繊維編物
31;炭素繊維のアース線
32;絶縁被覆材
34;ハトメ
36;金属プレート
38;電池
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高電位発生装置と、前記高電位発生装置に配線で接続され人体に高電圧を印加するための主電極と、前記主電極に対向して設けられた対向電極とを備える電位治療器であって、前記対向電極は、導電性炭素繊維体と該導電性炭素繊維体を覆う絶縁被覆材とを備える導電性繊維構成体からなり、前記導電性炭素繊維構成体は、人体に装着及び又は巻装され、導電性繊維で編んだ導電性繊維編物、及び又は合成繊維や綿等に導電性繊維を組込んで縫製した下着、衣類、腹巻、サポータ、靴下、マフラー、エプロン、手袋、腹巻又は帽子からなることを特徴とする電位治療器用導電性繊維構成体。
【請求項2】
高電位発生装置と、前記高電位発生装置に配線で接続され人体に高電圧を印加するための主電極と、前記主電極に対向して設けられた対向電極とを備える電位治療器であって、前記対向電極は、導電性炭素繊維体と該導電性炭素繊維体を覆う絶縁被覆材とを備える導電性繊維構成体からなり、前記導電性炭素繊維構成体は、人体に装着及び又は巻装され、導電性繊維で編んだ導電性繊維編物、及び又は合成繊維や綿等に導電性繊維を組込んで縫製した下着、衣類、腹巻、サポータ、靴下、手袋、又は腹巻からなり、前記主電極は布団に設けられることを特徴とする電位治療器。
【請求項1】
高電位発生装置と、前記高電位発生装置に配線で接続され人体に高電圧を印加するための主電極と、前記主電極に対向して設けられた対向電極とを備える電位治療器であって、前記対向電極は、導電性炭素繊維体と該導電性炭素繊維体を覆う絶縁被覆材とを備える導電性繊維構成体からなり、前記導電性炭素繊維構成体は、人体に装着及び又は巻装され、導電性繊維で編んだ導電性繊維編物、及び又は合成繊維や綿等に導電性繊維を組込んで縫製した下着、衣類、腹巻、サポータ、靴下、マフラー、エプロン、手袋、腹巻又は帽子からなることを特徴とする電位治療器用導電性繊維構成体。
【請求項2】
高電位発生装置と、前記高電位発生装置に配線で接続され人体に高電圧を印加するための主電極と、前記主電極に対向して設けられた対向電極とを備える電位治療器であって、前記対向電極は、導電性炭素繊維体と該導電性炭素繊維体を覆う絶縁被覆材とを備える導電性繊維構成体からなり、前記導電性炭素繊維構成体は、人体に装着及び又は巻装され、導電性繊維で編んだ導電性繊維編物、及び又は合成繊維や綿等に導電性繊維を組込んで縫製した下着、衣類、腹巻、サポータ、靴下、手袋、又は腹巻からなり、前記主電極は布団に設けられることを特徴とする電位治療器。
【図1(a)】
【図1(b)】
【図2】
【図3(a)】
【図3(b)】
【図4】
【図5(a)】
【図5(b)】
【図5(c)】
【図5(d)】
【図5(e)】
【図5(f)】
【図1(b)】
【図2】
【図3(a)】
【図3(b)】
【図4】
【図5(a)】
【図5(b)】
【図5(c)】
【図5(d)】
【図5(e)】
【図5(f)】
【公開番号】特開2007−175506(P2007−175506A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−357124(P2006−357124)
【出願日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【分割の表示】特願2001−133375(P2001−133375)の分割
【原出願日】平成13年3月27日(2001.3.27)
【出願人】(391059159)株式会社ベステック (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【分割の表示】特願2001−133375(P2001−133375)の分割
【原出願日】平成13年3月27日(2001.3.27)
【出願人】(391059159)株式会社ベステック (9)
【Fターム(参考)】
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