説明

電力を供給するための設備および方法

【課題】フィルタバスを介して負荷へと電力を供給するための設備および方法を提供する。
【解決手段】フィルタバスを介して負荷へと電力を供給するための設備は、各々のコンバータに、コンバータからの電流の動的制御を維持しつつフィルタバスの電圧vを調節するように構成された制御部10が組み合わせられている。この制御部が、フィルタバスの電圧から2つの直交するフィルタバス電圧ベクトル(vfx、vfy)を生成し、各々の前記フィルタバスベクトルについて電流ベクトル(ikx、iky)を生成する。さらに制御部は、各々の前記電流ベクトルをすべての電流ベクトルに共通のドループ係数で乗算する。この乗算の結果が、この結果をそれぞれのフィルタバス電圧基準ベクトル(vfx、vfy)から減算する手段13へと送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタバスを介して負荷へと電力を供給するための設備であって、前記フィルタバスへとそれぞれのインダクタを介して並列に接続されて前記負荷を分担するように構成された少なくとも2つの電圧形コンバータ(Voltage Source Converter)を備えている設備、ならびにそのような設備によって負荷へと電力を供給するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、前記フィルタバスの電圧のレベルまたは前記負荷へと伝送できる電力のレベルに関して、いかなる特定のレベルにも限定されないが、それぞれ1kV〜32kVおよび100kW〜数MWを、例として挙げることができる。
【0003】
前記電圧形コンバータが接続された発電機の並列動作が、コンバータに共通の前記フィルタバスに接続された負荷を分担するために使用される。そのような用途の1つが、中央集中型の周波数変換による陸上から船舶への電力の供給であり、その場合には、前記負荷が、前記フィルタバスへと接続された1つ以上の船舶であってよい。このようなコンバータの並列接続の応用は、1つ以上のマイクログリッドであってもよい。
【0004】
前記負荷へと電力を供給するために複数の電源ユニットを並列に接続することには、いくつかの利点が存在する。その1つは、大きな電力定格を、ただ1つの大きな電源ユニットを使用する代わりに、前記フィルタバスへと並列に接続される複数のより小さな電源ユニットを使用することによって満たすことができる点にある。これは、そのような電源ユニットのうちの1つの保守を、前記負荷への電力の供給を完全に遮断することなく実行できることを意味する。なぜならば、残りの電源ユニットが、保守のために停止されるユニットからの負荷分を、一時的に引き受けることができるからである。また、いくつかの電源ユニットを並列に接続することによって得られる冗長性が、前記負荷への電力の安定供給も向上させる。なぜならば、充分な数の電源ユニットが稼働していれば、前記負荷へと電力を供給することができるからである。
【0005】
添付の図1が、共通負荷8を分担するようにインダクタ5〜7をそれぞれ介してフィルタバス4へと並列に接続された3つの電圧形コンバータ1〜3を有する前記設備を概略的に示しており、共通負荷8は、実際にはフィルタバスへと接続された複数の負荷であってよい。これらのコンバータで共通負荷を分担する1つのやり方は、すべてのコンバータの端子電圧を設定する主制御装置を使用することである。しかしながら、コンバータが接続された発電機(あるいは、コンバータが属する発電機)が、かなり遠く離れて位置し、それらの間の回線インピーダンスがかなり大きくなる可能性があるため、コンバータの並列動作を、制御通信を必要としないか、あるいは最小限の制御通信で達成すべきである。ただ1つの主制御装置へのすべてのコンバータの依存性を克服する別の制御の考え方は、並列な組み合わせにて各々のコンバータのための個別の制御装置を有することである。
【0006】
個別に制御される発電機および電圧形コンバータの負荷の分担のために、周波数−有効電力および電圧−無効電力のドループの仕組みを使用することが、広く知られている。しかしながら、インターフェイスインダクタを介して共通のフィルタバスへと並列に接続され、そのようなドループの仕組みを使用するコンバータは、電圧源として動作する。したがって、たとえフィルタバスの電圧を能動的に調節する場合でも、出力電流を動的に調節および制限する基本的な電流制御ループを有していない。
【0007】
動的な電流制御および電流制限を可能にするために、図1の各コンバータは、基本的な電流制御装置による電圧ベクトル制御、例えばd−qフレームまたはα−βフレーム電圧制御を使用する必要がある。これは、コンバータ電流の動的制御を維持しつつ、フィルタバスの電圧ベクトルを調節することである。1つの前記コンバータについてこれを得る制御部の例が、添付の図2に示されている。この制御部10’は、フィルタバス電圧vから2つの直交するフィルタバス電圧ベクトルvfx、vfyを生成するように構成された第1の手段11’(信号の矢印によって示されている)と、前記2つのフィルタバス電圧ベクトルの各々についてフィルタバス電圧基準ベクトルvfx、vfyを生成するように構成された第2の手段12’(信号の矢印によって示されている)と、各々の前記フィルタバス電圧ベクトルおよび該フィルタバス電圧ベクトルに関連付けたフィルタバス電圧基準ベクトルを合計するように構成された第3の手段13’と、前記第3の手段の合計結果を受信するように接続され、各々のフィルタバス電圧ベクトルについて電流基準ベクトルを生成するレギュレータ14’と、互いに直交するk番目のコンバータからの電流の2つのベクトル(ikx、iky)を得るために、前記電流基準ベクトルにもとづくコンバータの制御における電流制御に関与するように構成された第4の手段15’とを備えている。この制御の仕組みにおいて、コンバータを、添付の図3に示されるようにフィルタバス4へと直接接続された電流源16〜18としてモデル化することができる。これらの電流源は、自身の出力電流を、フィルタバスの電圧を調節すべく電流の限界内で調節する。しかしながら、図2の制御の仕組みは、一度に図1のコンバータのうちの1つだけが稼働する場合に限り有効である。複数のコンバータがオンにされる場合、前記第4の手段の制御装置が、いずれもフィルタバスの同じ電圧ベクトルを調節しようと試みるため、互いに争うことになると考えられる。さらに、図2には、共通負荷の分担を保証するものが存在しない。周知の周波数−有効電力および電圧−無効電力のドループの仕組みは、これらの電流源に共通の負荷を分担させるためには使用することができない。なぜならば、これらのドループの仕組みは、厳密にインダクタンスを介して並列に接続された電圧源のため
のものであるからである。
【0008】
米国特許第7567064号が、冒頭で述べた形式の電力を供給するための設備であって、各々のコンバータの独立制御を備える設備を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、上述した形式の設備および方法であって、フィルタバスへとそれぞれのインダクタを介して並列に接続されて共通負荷を分担する複数の電圧形コンバータの各々のコンバータについて独立した制御を得る好都合な別のやり方を提案する設備および方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、添付の請求項1の前文に記載の設備であって、各々のコンバータの前記制御部が、各々の電流ベクトルまたは電流基準ベクトルをすべての電流ベクトルまたは電流基準ベクトルに共通のドループ係数で乗算し、この乗算の結果を、この結果をそれぞれのフィルタバス電圧基準ベクトルから減算する前記第3の手段へと送信するように構成された第5の手段をさらに備えることを特徴とする設備を提供することによって達成される。
【0011】
電圧基準ベクトル成分のドループは、制御部がそれぞれのコンバータを制御するときに互いに争わないことを保証し、コンバータが、別個の制御された状態で共通の有効負荷および無効負荷を分担することができる。
【0012】
本発明の一実施の形態によれば、それぞれの前記コンバータのための各々の前記制御部が、前記レギュレータから各々の前記フィルタバス電圧ベクトルについて無制限の電流基準ベクトルを受信し、各々の前記無制限の電流基準ベクトルの大きさを制限し、制限された電流基準ベクトルを前記第4の手段へと送信するように構成された第6の手段をさらに備える。これは、各々の電流基準ベクトルの大きさを、コンバータを傷めるレベルを超えることがないように制限できることを意味する。
【0013】
本発明の別の実施の形態によれば、それぞれのコンバータのための各々の前記制御部が、負荷電流を表わすフィードフォワード信号を第8の手段へと送信するように構成された第7の手段をさらに備え、前記第8の手段が、前記レギュレータからの出力信号を合計して各々の前記フィルタバス電圧ベクトルについて前記電流基準ベクトルを生成するように構成される。このような負荷電流フィードフォワード信号の使用は、負荷の変化の際のそれぞれのコンバータの制御における電流制御の応答の速度を向上させる。
【0014】
本発明のほかの実施の形態によれば、各々の前記第1の手段が、d−qフレームまたはα−βフレームに従って前記フィルタバス電圧ベクトルを生成するように構成され、各々の前記第4の手段が、それぞれd−q電流制御装置およびα−β電流制御装置を含んでいる。
【0015】
本発明の別の実施の形態によれば、設備が、前記フィルタバス電圧ベクトルを前記第3の手段への到達前に平滑化するために前記第1の手段と前記第3の手段との間に配置されたフィルタを備える。
【0016】
本発明によれば、負荷への電力の供給を、フィルタバスを介して、このフィルタバスへとそれぞれのインダクタを介して並列に接続されて前記負荷を分担するように構成された少なくとも2つの電圧形コンバータによって、これらのコンバータの別個独立の制御を可能にしつつ行なう方法が、添付の方法の独立請求項に定められる。そのような方法ならびに方法の従属請求項に定められるそのような方法の実施の形態の利点および好都合な特徴は、本発明による設備の上述の説明から明らかである。
【0017】
さらに本発明は、本発明による方法に関係するコンピュータプログラム製品およびコンピュータにとって読み取り可能な媒体に関する。
【0018】
本発明のさらなる利点および好都合な特徴が、以下の説明から明らかになるであろう。
【0019】
添付の図面を参照し、例として引用される本発明の実施の形態を、以下で詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明が属する種類の設備のきわめて概略的な図である。
【図2】コンバータを互いに依存して制御するためにただ1つの主制御装置を必要とする図1による設備について考えられる制御部の簡単な概略図である。
【図3】図2による制御部によって意図される制御を説明する図1による設備の概略図である。
【図4】並列に接続された各々のコンバータのための個別の制御装置を有する本発明による設備の制御部の図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1に示した形式の負荷へと電力を供給するための本発明の実施の形態による設備は、その各々のコンバータについて、コンバータからの電流の動的制御を維持しつつフィルタバスの電圧を調節するように構成された図4に示した制御部を有している。それらの各々の制御部は、フィルタバス電圧vから2つの直交するフィルタバス電圧ベクトルvfx、vfyを生成するように構成された第1の手段11を備えている。第1の手段を、d−qフレームまたはα−βフレームに従って前記フィルタバス電圧ベクトルを生成するように構成することができる。さらに制御部は、前記2つのフィルタバス電圧ベクトルの各々についてフィルタバス電圧基準ベクトルvfx、vfyを生成するように構成された第2の手段12を備えている。これらのフィルタバス電圧基準ベクトルを、設備が一群のコンバータを有する場合には、前記第2の手段に含まれるオペレータによって設定することができ、あるいは設備が複数のコンバータ群を備える場合には、より高レベルの制御部によって設定することができる。さらに設備は、各々の前記フィルタバス電圧ベクトルvfx、vfyおよび該フィルタバス電圧ベクトルに関するフィルタバス電圧基準ベクトルvfx、vfyを合計するように構成された第3の手段13を備えている。さらに制御部は、2つの直交するベクトルの各々について、フィルタバス電圧ベクトルが原則としていかなる定常誤差も有さずに基準をたどるように保証するために、前記第3の手段の合計の結果を受信するように接続されたレギュレータ14を備えている。
【0022】
さらに、制御部は、負荷電流を表わすフィードフォワード信号を第8の手段20へと送信するように構成された第7の手段19を備えており、第8の手段20が、レギュレータからの出力信号を合計して無制限電流基準ベクトルikx−Unlim、iky−Unlimを生成するように構成されている。この負荷電流フィードフォワード信号の使用は、負荷の変化の際にコンバータを制御する制御部の制御装置の応答の速度を向上させる。設備の前記直交するベクトルの間の結合の影響を打ち消すためにも使用することができる。
【0023】
さらに制御部は、手段20から各々の前記フィルタバス電圧ベクトルについて前記無制限電流基準ベクトルを受信し、該無制限電流基準ベクトルの大きさを制限し、制限された電流基準ベクトルikx、ikyを第4の手段15へと送信するように構成された電流制限ブロックの形の第6の手段21を備えており、第4の手段15が、互いに直交する前記コンバータからの電流の2つのベクトルikx、ikyを得るために、前記電流基準ベクトルにもとづくコンバータの制御における電流制御に関与するように構成されている。
【0024】
図4には、k番目のコンバータの各々の電流ベクトルikx、ikyを共通のドループ計数Dpriで乗算し、この乗算の結果を、この結果をそれぞれのフィルタバス電圧基準ベクトルから減算する前記第3の合計手段13へと送信するように構成された第5の手段22を、どのように制御部がさらに備えるのかが示されている。換言すると、k番目のコンバータの電圧基準ベクトルが、そのコンバータの電流ベクトル成分に対してドループされる。
【0025】
制限作用がないと仮定すると、図4のレギュレータの入力は、定常状態においてゼロでなければならない。したがって、定常状態のコンバータ電流ベクトルの成分は、以下によって与えられる。

【0026】
図1に示されているようなコンバータバンクにおいて、フィルタバス電圧は、すべてのコンバータに共通である。すべてのコンバータが同一の電圧ベクトル成分ドループ係数および電圧基準ベクトルを有するならば、式(1)および(2)は、k番目のコンバータの出力電流ベクトルの直交成分(直交するベクトル)が、同じコンバータ群のほかのすべてのコンバータの出力電流ベクトルの対応する成分に等しいことを意味する。したがって、コンバータが、共通の有効および無効負荷を分担する。また、電圧基準ベクトル成分のドループは、前記第4の手段15に含まれるコンバータの制御装置が互いに争わないことを保証する。したがって、図4に示したドループの仕組みは、図1に示したコンバータなどの並列動作のコンバータが、共通の負荷を分担しつつフィルタバス電圧ベクトルを協働して調節することを可能にする。
【0027】
図4に示した制御部10の上述の説明に加え、前記第4の手段15が、d−qまたはα−β制御装置のほかに、PWM(パルス幅変調)スイッチング発電機、コンバータブリッジ、およびインターフェイスインダクタを含み、ブロック23がフィルタバスの動態を表わすことを、述べておくことができる。また、フィルタバス電圧ベクトルを第3の手段への到達前に平滑化するために、どのようにフィルタ24が第1の手段11と第3の手段13との間に配置されるのかも示されている。負荷電流のフィードフォワードの分岐のほかに、dおよびq軸の動態を分離するためにvqの関数をvd制御経路へとフィードフォワードし、vdの関数をvq制御経路へとフィードフォワードする電圧ベクトルのフィードフォワードの分岐(図示されていない)も存在する。
【0028】
当然ながら、本発明は、決して上述した実施の形態だけには限られず、その変更についての多数の可能性が、添付の特許請求の範囲に定められる本発明の技術的範囲から離れることなく、当業者にとって明らかであろう。
【0029】
k番目のコンバータの制限された電流基準ベクトルikx、ikyを、前記第4の手段に含まれる電流制御装置が遅い場合には、電流基準ベクトルikx、ikyの代わりに共通のドループ係数で乗算してもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタバスを介して負荷(8)へと電力を供給するための設備であり、
前記フィルタバス(4)へとそれぞれのインダクタ(5〜7)を介して並列に接続されて前記負荷を分担するように構成された少なくとも2つの電圧形コンバータ(1〜3)と、
各々の前記コンバータについて、コンバータからの電流の動的制御を維持しつつフィルタバスの電圧を調節するように構成された制御部(10)と
を備え、
各々の前記制御部が、
a)前記フィルタバスの電圧(v)から2つの直交するフィルタバス電圧ベクトル(vfx、vfy)を生成するように構成された第1の手段(11)と、
b)前記2つのフィルタバス電圧ベクトルの各々についてフィルタバス電圧基準ベクトル(vfx、vfy)を生成するように構成された第2の手段(12)と、
c)各々の前記フィルタバス電圧ベクトル(vfx、vfy)および該フィルタバス電圧ベクトルに関連付けたフィルタバス電圧基準ベクトル(vfx、vfy)を合計するように構成された第3の手段(13)と、
d)前記第3の手段の合計の結果を受信するように接続され、各々の前記フィルタバス電圧ベクトル(vfx、vfy)について電流基準ベクトル(ikx−Unlim、iky−Unlim)を生成するレギュレータ(14)と、
e)互いに直交する前記コンバータからの電流の2つのベクトル(ikx、iky)を得るために、前記電流基準ベクトルにもとづく前記コンバータの制御における電流制御に関与するように構成された第4の手段(15)と
を備える設備であり、
前記制御部が、各々の前記電流ベクトル(ikx、iky)または電流基準ベクトル(ikx−Unlim、iky−Unlim、ikx、iky)をすべての前記電流ベクトルまたは電流基準ベクトルに共通のドループ係数(Dpri)で乗算し、該乗算の結果を、該結果をそれぞれのフィルタバス電圧基準ベクトル(vfx、vfy)から減算する前記第3の手段へと送信するように構成された第5の手段(22)をさらに備えることを特徴とする設備。
【請求項2】
それぞれの前記コンバータ(1〜3)のための各々の前記制御部(10)が、前記レギュレータから各々の前記フィルタバス電圧ベクトルについて無制限の電流基準ベクトル(ikx−Unlim、iky−Unlim)を受信し、各々の前記無制限の電流基準ベクトルの大きさを制限し、制限された電流基準ベクトル(ikx、iky)を前記第4の手段(15)へと送信するように構成された第6の手段(21)をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項3】
それぞれのコンバータ(1〜3)のための各々の前記制御部(10)が、負荷電流を表わすフィードフォワード信号を第8の手段(20)へと送信するように構成された第7の手段(19)をさらに備え、前記第8の手段(20)が、前記レギュレータ(14)からの出力信号を合計して各々の前記フィルタバス電圧ベクトル(vfx、vfy)について前記電流基準ベクトルを生成するように構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の設備。
【請求項4】
各々の前記第1の手段(11)が、d−qフレームに従って前記フィルタバス電圧ベクトルを生成するように構成され、各々の前記第4の手段(15)が、d−q電流制御装置を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の設備。
【請求項5】
各々の前記第1の手段(11)が、α−βフレームに従って前記フィルタバス電圧ベクトルを生成するように構成され、各々の前記第4の手段(15)が、α−β電流制御装置を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の設備。
【請求項6】
前記フィルタバス電圧ベクトルを前記第3の手段(13)への到達前に平滑化するために前記第1の手段と前記第3の手段との間に配置されたフィルタ(24)を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の設備。
【請求項7】
それぞれのインダクタ(5〜7)を介してフィルタバスへ並列に接続され、且つ、前記負荷を分担するように構成された少なくとも2つの電圧形コンバータ(1〜3)によって、フィルタバス(4)を介して負荷(8)への電力を供給するための方法であって、各々のコンバータからの電流の動的制御が維持された状態で前記フィルタバスの電圧が調節され、
前記方法は、各々のコンバータについて実行される以下のステップ、すなわち、
1)前記フィルタバスの電圧(v)から2つの直交するフィルタバス電圧ベクトル(vfx、vfy)を生成するステップ、
2)前記2つのフィルタバス電圧ベクトルの各々についてフィルタバス電圧基準ベクトル(vfx、vfy)を生成するステップ、
3)各々の前記フィルタバス電圧ベクトル(vfx、vfy)および該フィルタバス電圧ベクトルに関するフィルタバス電圧基準ベクトル(vfx、vfy)を合計するステップ、
4)各々の前記フィルタバス電圧ベクトル(vfx、vfy)について電流基準ベクトル(ikx−Unlim、iky−Unlim)を生成しつつ、前記合計の結果を処理するステップ、および
5)互いに直交する各々のコンバータからの電流の2つのベクトル(ikx、iky)を得るために、前記電流基準ベクトルにもとづく電流制御を含む各々の前記コンバータを制御するステップ
を含み、
前記方法は、各々の前記電流ベクトル(ikx、iky)または電流基準ベクトル(ikx−Unlim、iky−Unlim、ikx、iky)をすべての前記電流ベクトルまたは電流基準ベクトルに共通のドループ係数(Dpri)で乗算するステップ6)をさらに含み、ステップ3)において、前記乗算の結果が、それぞれのフィルタバス電圧基準ベクトル(vfx、vfy)から減算されることを特徴とする方法。
【請求項8】
ステップ4)において、最初に無制限の電流基準ベクトル(ikx−Unlim、iky−Unlim)が各々の前記フィルタバス電圧ベクトルについて生成され、次いで各々の前記無制限の電流基準ベクトルの大きさが制限されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
負荷電流を表わすフィードフォワード信号を得るステップ7)をさらに含み、ステップ4)において、前記フィードフォワード信号が、各々の前記フィルタバス電圧ベクトルについて、前記電流基準ベクトルを生成するために使用されることを特徴とする請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
ステップ1)において、前記2つの直交するフィルタバス電圧ベクトルがd−qフレームに従って生成され、ステップ5)において、前記電流制御がd−q電流制御であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
ステップ1)において、前記2つの直交するフィルタバス電圧ベクトルがα−βフレームに従って生成され、ステップ5)において、前記電流制御がα−β電流制御であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
請求項7乃至11のいずれか一項に記載の方法を評価するプロセッサのための指令を含んでいるコンピュータにおいて使用可能な媒体上に保存できるコンピュータプログラム製品。
【請求項13】
少なくとも一部がインターネットなどのネットワークを介してもたらされる請求項12に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項14】
請求項12に記載のコンピュータプログラム製品を含んでいることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項15】
陸上の少なくとも2つの電圧形コンバータから、前記フィルタバスに接続された1つ以上の船舶へと電力を供給するための請求項1乃至6のいずれか一項に記載の設備の使用。
【請求項16】
少なくとも2つの電圧形コンバータから、前記フィルタバスに接続された1つ以上のマイクログリッドへと電力を供給するための請求項1乃至6のいずれか一項に記載の設備の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−27311(P2013−27311A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−161776(P2012−161776)
【出願日】平成24年7月20日(2012.7.20)
【出願人】(303005562)エー ビー ビー リサーチ リミテッド (15)
【Fターム(参考)】