説明

電力システム内の故障を識別するためのデータを提示するコンピュータデバイスおよび方法

【課題】電力システムと使用するためのコンピュータデバイスを提供する。
【解決手段】コンピュータデバイス112は、電力システム内の少なくとも1つの故障を表すデータを編成し、編成されたデータのグラフ表示を生成するようにプログラムされた、プロセッサ214を含む。コンピュータデバイスはまた、ユーザがその故障を識別できるようにするために、ユーザにグラフ表示を提示するためのプロセッサに結合された提示インターフェース208を含む。さらに、ユーザインターフェース204は、提示インターフェースに結合され、ユーザがその故障の少なくとも1つの変数を識別可能になるように、そのグラフ表示上の少なくとも1つのデータ点をユーザが選択できるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、概して電力システムに関し、より詳細には、ユーザが電力システム内の故障および/または故障に関連する変数を識別することができるようにユーザにデータを提示するための電力システムと使用するためのコンピュータデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
少なくともいくつかの知られている電力システムは、タービンなどの機械を含む。タービンなどの機械は、ベアリング、ギア、および/またはシャフトなどの構成要素を含み得る。そのような構成要素は、時間とともに摩滅することがあり、その構成要素の亀裂および/または誤整列などの故障をもたらし得る。故障がある摩滅した構成要素を継続して動作させることは、他の構成要素にさらなる損傷をもたらすこと、ならびに/あるいは、構成要素および/または関連システムの早期故障につながることがある。
【0003】
機械内の構成要素の損傷を検出するために、少なくともいくつかの知られている機械は、監視システムで継続的に監視される。少なくともいくつかの知られている監視システムは、そのシステムの少なくともいくつかの構成要素の近接測定を検出するために、センサを使用する。近接測定は、渦電流センサ、磁気ピックアップセンサ、マイクロ波センサ、および/または容量センサを使用して実行され得る。そのようなセンサによって検出されたデータは、表示デバイスおよび/または分析のためのコンピュータデバイスに送信され、その分析の出力は、ユーザが電力システム内の何らかの故障を識別できるようにするために使用される。そのようなデータは、その電力システム内に故障が存在するかどうかを判定するために、合計および/または照合される測定結果および/または様々な変数を含み得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0149981号明細書
【発明の概要】
【0005】
しかし、知られている監視システムでは、通常、システムの最終診断のみがユーザに提示される。たとえば、ユーザは、故障がその機械内に存在するという通知のみ提示され得る。結果として、ユーザは、故障の診断を容易にする実際の測定結果および/または変数を見ることができない場合がある。たとえば、ユーザは、検出された実際の測定結果および/または変数をユーザが識別できるようにするグラフ形式でデータを提示され得ない。知られているコンピュータおよび/または表示デバイスはまた、さらに考慮するための様々な測定結果および/または変数をユーザが選択できるようにするインタラクティブプラットフォームをユーザに提供することができない。
【0006】
一実施形態では、電力システムと使用するためのコンピュータデバイスが提供される。本コンピュータデバイスは、電力システム内の少なくとも1つの故障を表すデータを編成するように、および編成されたデータのグラフ表示を生成するようにプログラムされたプロセッサを含む。本コンピュータデバイスはまた、ユーザが故障を識別できるようにするために、ユーザにグラフ表示を提示するためのプロセッサに結合された提示インターフェースを含む。さらに、ユーザインターフェースは、提示インターフェースに結合され、ユーザがその故障の少なくとも1つの変数を識別可能になるように、そのグラフ表示上の少なくとも1つのデータ点をユーザが選択できるように構成されている。
【0007】
もう1つの実施形態では、電力システムが提供される。本電力システムは、少なくとも1つの構成要素を含む少なくとも1つの機械と、その構成要素に近接して位置付けられた少なくとも1つのセンサとを含む。そのセンサは、その構成要素内の少なくとも1つの故障を検出するように構成されている。本電力システムはまた、そのセンサに結合されたコンピュータデバイスも含む。本コンピュータデバイスは、故障を表すデータを編成するように、およびそのデータのグラフ表示を生成するようにプログラムされたプロセッサを含む。さらに、本コンピュータデバイスは、ユーザが故障を識別できるようにするために、ユーザにグラフ表示を提示するためのプロセッサに結合された提示インターフェースを含む。ユーザインターフェースは、提示インターフェースに結合され、ユーザがその故障の少なくとも1つの変数を識別可能になるように、そのグラフ表示上の少なくとも1つのデータ点をユーザが選択できるように構成されている。
【0008】
さらに別の実施形態では、電力システム内の故障を識別するためのデータを提示する方法が提供される。電力システム内の少なくとも1つの故障を表すデータが、プロセッサにより編成される。そのデータのグラフ表示が、プロセッサによって生成される。そのグラフ表示は、ユーザがその故障を識別できるようにするために、提示インターフェースを介してユーザに提示される。さらに、ユーザがその故障の少なくとも1つの変数を識別可能になるように、ユーザは、ユーザインターフェースを介して、そのグラフ表示上の少なくとも1つのデータ点を選択できるようにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】例示的な電力システムのブロック図である。
【図2】図1に示す電力システムと使用され得る例示的なコンピュータデバイスのブロック図である。
【図3】図2に示すコンピュータデバイスによって生成され得る例示的な出力のグラフである。
【図4】図2に示すコンピュータデバイスを使用して故障を識別するためのデータを提示する例示的な方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に記載の例示的なシステムおよび方法は、ユーザが電力システム内の故障を表すことが可能な実際の測定結果および/または変数を識別することができるように、ユーザに電力システム内で検出されたデータをグラフ形式で提示することによって、知られている監視システムの少なくともいくつかの知られている弱点を克服する。さらに具体的には、本明細書に記載の実施形態は、電力システムと使用するためのコンピュータデバイスを提供する。本コンピュータデバイスは、電力システム内の少なくとも1つの故障を表すデータを編成し、その編成されたデータのグラフ表示を生成するプロセッサを含む。本コンピュータデバイスはまた、その故障をユーザが識別できるようにするために、ユーザにグラフ表示を提示する提示インターフェースを含む。さらに、ユーザインターフェースは、その故障の少なくとも1つの変数を識別する際に使用するためのそのグラフ表示上の少なくとも1つのデータ点をユーザが可変的に選択できるようにするために、提示インターフェースに結合される。本明細書に記載のシステムを使用することによって、ユーザは、故障を識別し、故障を診断可能にする実際の測定結果および/または変数を見ることができる。ユーザはまた、その故障に固有の様々な測定結果および/または変数をユーザが選択できるようにするインタラクティブプラットフォームも提供される。
【0011】
図1は、少なくとも1つの機械102を含む例示的な電力システム100を示す。本例示的実施形態では、機械102は、風力タービン、水力発電タービン、ガスタービン、および/または、可変速度で動作する任意の他の機械などの可変速度機械である。別法として、機械102は、同期速度機械でもよい。機械102は、ギアおよび/またはドライブシャフトなどの少なくとも1つの機械構成要素104を含む。本例示的実施形態では、構成要素104は、ジェネレータなどの負荷108に結合される。本明細書では、「結合」という用語は、構成要素間の直接的な通信、機械的および/または電気的接続に限定されず、複数構成要素間の間接的な通信、機械的および/または電気的接続も含み得ることに留意されたい。
【0012】
本例示的実施形態では、構成要素104は、少なくとも部分的に、機械102内におよび/または負荷108内に収容された1つまたは複数のベアリング(図示せず)によって支持される。別法としてまたは追加で、そのベアリングは、ギアボックスなどの別個の支持構造物(図示せず)、または、本明細書に記載するように電力システム100が機能できるようにする任意の他の構造体内に収容され得る。
【0013】
電力システム100はまた、構成要素104にごく近接して置かれた少なくとも1つのセンサ110を含む。本例示的実施形態では、センサ110は、構成要素104とセンサ110の間の距離などの構成要素104に関連する様々なパラメータを測定する。センサ110はまた、構成要素104内の亀裂および/または構成要素104の誤整列を監視することができる。たとえば、センサ110は、1つまたは複数のマイクロ波信号を使用して、センサ110に関する構成要素104の近接性、周波数、雑音および/または振動を測定することができる。本明細書では、「マイクロ波」という用語は、信号、あるいは、約300メガヘルツ(MHz)から約300ギガヘルツ(GHz)の間の周波数を有する信号を受信および/または送信する構成要素を示す。別法として、センサ110は、システム100内の故障を検出することができ、本明細書に記載するようにシステム100が機能できるようにする、任意の他のセンサまたはトランスジューサでもよい。
【0014】
コンピュータデバイス112は、データルート114を介してセンサ110に結合される。別法として、コンピュータデバイス112は、センサ110にワイヤレスで結合され得る。本例示的実施形態では、データルート114は、金属線から製造される。本例示的実施形態では、ルート114は、コンピュータデバイス112とセンサ110の間の接続を可能にする導電体である。別法として、他の接続が、勧告基準(RS)232またはRS−485などの低レベルのシリアルデータ接続、ユニバーサルシリアルバス(USB)または電気電子技術者協会(IEEE(登録商標))1394などの高レベルのシリアルデータ接続、IEEE(登録商標)1284またはIEEE(登録商標)488などの並列データ接続、BLUETOOTH(登録商標)などの短距離ワイヤレス通信チャネル、ならびに/あるいは、ワイヤードかワイヤレスかの(たとえば、外部の発電システム100にアクセス不可能な)プライベートネットワーク接続を含み、コンピュータデバイス112とセンサ110の間で利用可能であり得る。IEEEは、ニューヨーク州ニューヨーク市の電気電子技術者協会(Institute of Electrical and Electronics Engineers,Inc.)の登録商標である。BLUETOOTHは、ワシントン州カークランドのBluetooth SIG,Inc.の登録商標である。
【0015】
本例示的実施形態では、コンピュータデバイス112は、センサ110から受信されたデータを処理および/または分析し、システム100のオペレータなどのユーザにそのデータを提示する。別法として、電力システム100は、共に結合された、複数の別個のコンピュータデバイスを含むことができ、少なくとも1つのコンピュータデバイスがデータを処理および/または分析し、少なくとも1つの他のコンピュータデバイスがユーザにそのデータを提示する。本例示的実施形態では、コンピュータデバイス112はまた、ユーザに履歴および/または実時間データを提示する。
【0016】
動作中、本例示的実施形態では、たとえば、摩滅、損傷、または振動のため、構成要素104などの電力システム100の1つまたは複数の構成要素が、センサ110に対する相対位置を変え得る。たとえば、振動が構成要素104に生じることがあり、および/または電力システム100内の動作温度が変化するにつれて、構成要素104が拡大または縮小することがある。本例示的実施形態では、センサ110が、構成要素104内の亀裂および/または構成要素104の誤整列などの少なくとも1つの故障を検出できるようにするために、センサ110に対する構成要素104の相対位置などの近接性、構成要素104の周波数、雑音および/または振動を測定および/または監視する。
【0017】
センサ110が、構成要素104内の少なくとも1つの故障を表すデータを、処理および/または分析し、そのデータをユーザに提示するためのコンピュータデバイス112に送信する。本例示的実施形態では、コンピュータデバイス112は、そのようなデータのグラフおよび/またはテキストによる表示を提供する。たとえば、コンピュータデバイス112は、その故障の少なくとも1つの変数の識別を容易にする少なくとも1つのデータ点または値をユーザが選択できるようにするデータのグラフ表示を提供する。たとえば、データ点が選択されるとき、コンピュータデバイス112は、そのデータ点に対応する少なくとも1つの変数のテキストによる表示を提供し、その変数は故障を表す。別法として、コンピュータデバイス112は、ユーザが選択する特定のデータ点の異なるグラフ表示を提示することができる。本例示的実施形態では、そのデータ点に対応する変数は、近接測定値、周波数測定値、および/または振動測定値などの故障の測定値である。
【0018】
コンピュータデバイス112は、故障の最終診断を表示し、その診断で使用された実際のデータおよび/または変数をユーザに提示する。したがって、ユーザは、故障の存在の診断をもたらした実際の測定結果および/または変数を見ることができる。さらに、コンピュータデバイス112はまたユーザにインタラクティブプラットフォームを提供するので、ユーザはその故障に特有の様々な測定結果および/または変数を選択することができる。
【0019】
図2は、コンピュータデバイス112の例示的なブロック図である。本例示的実施形態では、コンピュータデバイス112は、ユーザから少なくとも1つの入力を受信するユーザインターフェース204を含む。本例示的実施形態では、ユーザインターフェース204は、関連情報をユーザが入力できるようにするキーボード205を含む。本例示的実施形態では、ユーザインターフェース204はまた、ポインティングデバイス206およびマウス207を含む。別法として、ユーザインターフェース204は、たとえば、スタイラス、タッチパネル(タッチパッドまたはタッチスクリーンなど)、ジャイロスコープ、加速度計、位置検出器、および/または音声入力インターフェース(たとえば、マイクロホンを含む)を含み得る。
【0020】
本例示的実施形態では、コンピュータデバイス112は、ユーザに入力事象および/または検証結果などの情報を表示する/提示する、提示インターフェース208を含む。本例示的実施形態では、提示インターフェース208は、少なくとも1つの表示デバイス210に結合された表示アダプタ209を含む。さらに具体的には、本例示的実施形態では、表示デバイス210は、ブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機LED(OLED)ディスプレイ、および/または「電子インク」ディスプレイなどの視覚表示デバイスである。別法として、提示インターフェース208は、音声出力デバイス(音声アダプタおよび/またはスピーカなど)および/またはプリンタを含み得る。
【0021】
コンピュータデバイス112はまた、プロセッサ214およびメモリデバイス218を含む。本例示的実施形態では、プロセッサ214は、システムバス220を介して、ユーザインターフェース204、提示インターフェース208、および、メモリデバイス218に結合される。本例示的実施形態では、プロセッサ214は、たとえば、提示インターフェース208を介してユーザに促すことによって、および/またはユーザインターフェース204を介してユーザ入力を受信することによって、ユーザと通信する。本例示的実施形態では、プロセッサ214はまた、1つまたは複数の実行可能命令を使用し、動作を符号化すること、およびメモリデバイス218内でその実行可能命令を実行することによって、プログラムされ得る。たとえば、プロセッサ214は、プロセッサ214がセンサ110(図1に示す)から受信する電力システム100(図1に示す)内の少なくとも1つの故障を表すデータを編成するようにプログラムされる。さらに具体的には、プロセッサ214は、そのデータの階層を生成するようにプログラムされ、その最も高いデータ点または値はその階層内の第1の層として編成され、最も低いデータ点または値はその階層内の最後の層として編成される。プロセッサ214はまた、そのデータのグラフ表示を生成するようにプログラムされる。本例示的実施形態では、プロセッサ214はまた、データに基づいて少なくとも1つの変数を計算するようにプログラムされる。たとえば、ユーザがグラフ表示上のデータ点または値を選択した後に、プロセッサ214は、その選択されたデータ点に関連する変数を計算する。
【0022】
「プロセッサ」という用語は、概して、システムおよびマイクロコントローラを含む任意のプログラマブルシステムと、縮小命令セット回路(RISC)と、特定用途向け集積回路(ASIC)と、プログラマブルロジック回路(PLC)と、本明細書に記載の機能を実行する能力のある任意の他の回路またはプロセッサとを指す。上述の例は、単に例示的なものであり、「プロセッサ」という用語の定義および/または意味を何ら限定するものではない。
【0023】
本例示的実施形態では、メモリデバイス218は、実行可能命令および/または他のデータなどの情報を記憶および検索できるようにする1つまたは複数のデバイスを含む。さらに、本例示的実施形態では、メモリデバイス218は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ソリッドステートディスク、および/またはハードディスクなどの、これらに限定されない、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体を含む。本例示的実施形態では、メモリデバイス218は、アプリケーションソースコード、アプリケーションオブジェクトコード、構成データ、追加入力事象、アプリケーション状態、表明ステートメント、検証結果、および/または任意の他のタイプのデータを、これらに限定されず、記憶する。さらに具体的には、本例示的実施形態では、メモリデバイス218は、ユーザインターフェース204を介してユーザによって受信される入力データ、および/または、電力システム100の他の構成要素から受信される情報を記憶する。
【0024】
本例示的実施形態では、コンピュータデバイス112はまた、システムバス220を介してプロセッサ214に結合された通信インターフェース230を含む。さらに、本例示的実施形態では、通信インターフェース230は、データルート114(図1に示す)を介してセンサ110に結合され、センサ110からデータを受信するように構成されている。
【0025】
動作中、本例示的実施形態では、たとえば、摩滅、損傷、または振動のため、構成要素104(図1に示す)などの電力システム100の1つまたは複数の構成要素が、センサ110に対する位置を変更することがある。たとえば、振動が構成要素104に生じることがあり、および/または電力システム100内の動作温度が変化するにつれて、構成要素104が拡大または縮小することがある。本例示的実施形態では、センサ110は、構成要素104内の亀裂および/または構成要素104の誤整列などの少なくとも1つの故障を検出可能にするために、センサ110に対する構成要素104の相対位置などの近接性、周波数、雑音および/または振動を測定および/または監視する。
【0026】
センサ110は、構成要素104内の少なくとも1つの故障を表すデータを、処理および/または分析し、ユーザに提示するためのコンピュータデバイス112に送信する。さらに具体的には、本例示的実施形態では、通信インターフェース230が、そのデータを受信し、そのデータをプロセッサ214に送信する。プロセッサ214はデータの階層を生成することによって、それらのデータを編成し、最も高いデータ点または値がその階層内の第1の層として編成され、最も低いデータ点または値がその階層の最後の層として編成される。さらに、プロセッサ214は、そのデータのグラフ表示を生成する。そのグラフ表示は、提示インターフェース208内の表示デバイス210を介してユーザに提示される。
【0027】
ユーザは、そのグラフ表示の表示を見ているときに、検出される故障の少なくとも1つの変数を識別するために、そのグラフ表示の一部を選択することができる。たとえば、ユーザは、ユーザインターフェース204を介してグラフ表示上の少なくとも1つのデータ点または値をクリックすることができる。さらに具体的には、ユーザは、ポインティングデバイス206またはマウス207を使用して、データ点または値を選択することができる。データ点または値が選択された後に、プロセッサ214が、選択されたデータ点または値を表す少なくとも1つの変数を計算する。その変数のテキストによるおよび/またはグラフの表示が、提示インターフェース208を介してユーザに提示される。本例示的実施形態では、その変数は、故障の周波数測定値および/または振動測定値である。
【0028】
図3は、コンピュータデバイス112(図1および2に示す)によって生成され得る例示的な出力300のグラフである。さらに具体的には、本例示的実施形態では、出力300は、GHz(図3の横座標に示す)での特定の周波数320におけるマイクロ波信号内に含まれる振動測定310(図3の縦座標に示す)のグラフによる比較である。本例示的実施形態では、センサ110(図1に示す)は、約1GHzと約20GHzの間の周波数範囲を有する所定の周波数帯域330内の複数の周波数構成要素をそれぞれ含むマイクロ波信号を生成する。本例示的実施形態では、そのような周波数帯域330は、第1の周波数帯域332、第2の周波数帯域334、第3の周波数帯域336、および第4の周波数帯域338を含む。さらに具体的には、本例示的実施形態では、第2の周波数帯域334は、2のべき乗によって第1の周波数帯域332に比例する。たとえば、第1の周波数帯域332は約1GHzおよび約2GHzの間の周波数を含み、第2の周波数帯域334は約2GHzから約4GHzの間の周波数を含む。さらに、第3の周波数帯域336は、約4GHzから約8GHzの間の周波数を含む。さらにまた、第4の周波数帯域338は、約8GHzおよび約16GHzの間の周波数を含む。別法として、ユーザは、ユーザのニーズに適したおよび/または適合する、対数および/または均等目盛り表示などの出力300の任意の他のタイプのグラフ表示を生成することができる。
【0029】
本例示的実施形態では、出力300は、期待振動レベル応答曲線350を実際の振動レベル応答曲線360に比較する。期待振動レベル応答曲線350は、損傷を受けていない構成要素104(図1に示す)のセンサ110(図2に示す)から受信された各周波数の期待振動レベルに基づく。実際の振動レベル応答曲線360は、センサ110から受信された各周波数の実際の振動レベルに基づく。各実際の振動レベルと各期待振動レベルの間の差異が約0である場合には、構成要素104(図1に示す)は、亀裂および/または構成要素104の誤整列を含む何らかの故障を含まないと判断される。別法として、各実際の振動レベルと各期待振動レベルの間の差異が0よりも大きい場合には、構成要素104は少なくとも1つの故障を含むと判断される。
【0030】
本例示的実施形態では、ユーザは、その故障の少なくとも1つの変数を識別する際に使用するために出力300の一部を選択することができる。たとえば、ユーザは、ユーザインターフェース204(図2に示す)を介して出力300上の少なくとも1つのデータ点または任意の値をクリックすることができる。さらに具体的には、ユーザは、ポインティングデバイス206(図2に示す)またはマウス207(図2に示す)を使用して、1つまたは複数のデータ点あるいは1つまたは複数の値を選択することができる。プロセッサ214(図2に示す)は次いで、選択されたデータ点または値を表す少なくとも1つの変数を計算する。その変数のテキストによるおよび/またはグラフの表示が、提示インターフェース208を介してユーザに提示される。たとえば、その変数のテキストによるおよび/またはグラフの表示は、ユーザが出力300と選択された変数とを同時に見ることができ得るように、出力300の下でユーザに提示され得る。
【0031】
図4は、コンピュータデバイス112(図1および2に示す)などのコンピュータデバイスを使用して故障を識別するためのデータを提示するために使用され得る方法400の流れ図である。電力システム100(図1に示す)の構成要素104(図1に示す)内の少なくとも1つの故障を表すデータが、通信インターフェース230(図1に示す)を介して受信される402。そのデータは、プロセッサ214(図2に示す)を介して編成される404。そのデータのグラフ表示が、プロセッサ214により生成されて406、その故障を識別可能にする。そのデータのグラフ表示が、提示インターフェース208(図2に示す)を介してユーザに提示される408。
【0032】
ユーザは、ユーザインターフェース204(図2に示す)を介して、その故障の少なくとも1つの変数を識別するためのグラフ表示上の少なくとも1つのデータ点を選択できるようにされる410。さらに具体的には、本例示的実施形態では、プロセッサが、グラフ表示上のデータ点が選択された後に、変数を計算する412。その変数は、提示インターフェース208を介してテキストによる表示および/またはグラフ表示でユーザに提示される414。
【0033】
電力システムのデータを提示するために使用される既知のシステムおよび方法と比較して、本明細書に記載の例示的なシステムおよび方法は、ユーザが電力システム内の故障を表し得る実際の測定結果および/または変数を識別することができるように、電力システム内で検出されたデータをユーザにグラフ形式で提示する。さらに具体的には、本明細書に記載の実施形態は、電力システムと使用するためのコンピュータデバイスを提供する。本コンピュータデバイスは、電力システム内の少なくとも1つの故障を表すデータを編成し、その編成されたデータのグラフ表示を生成するプロセッサを含む。本コンピュータデバイスはまた、ユーザにグラフ表示を提示してそのユーザがその故障を識別できるようにする提示インターフェースを含む。さらに、ユーザインターフェースは、その故障の少なくとも1つの変数を識別するのに使用するためのグラフ表示上の少なくとも1つのデータ点をユーザが可変的に選択できるようにするために、提示インターフェースに結合される。本明細書に記載のシステムを使用することによって、ユーザは、故障を識別し、故障の診断を可能にする実際の測定結果および/または変数を見ることができる。ユーザにはまた、その故障に固有の様々な測定結果および/または変数をユーザが選択できるようにするインタラクティブプラットフォームが提供される。
【0034】
本明細書に記載のシステムおよび方法の技術的効果は、(a)電力システム内の少なくとも1つの故障を表すデータをプロセッサにより編成するステップと、(b)データのグラフ表示をプロセッサにより生成するステップと、(c)提示インターフェースを介してユーザにグラフ表示を提示してユーザが少なくとも1つの故障を識別できるようにするステップと、(d)ユーザが少なくとも1つの故障の少なくとも1つの変数を識別可能になるように、ユーザインターフェースを介して、グラフ表示上の少なくとも1つのデータ点をユーザが選択できるようにするステップとのうちの少なくとも1つを含む。
【0035】
システムおよび方法の例示的実施形態を詳細に前述している。本システムおよび方法は、本明細書に記載の特定の実施形態に限定されず、そうではなくて、本システムの構成要素および/または本方法のステップは、本明細書に記載の他の構成要素および/またはステップから独立して、別個に使用され得る。たとえば、本システムはまた、他のシステムおよび方法との組合せでも使用可能であり、本明細書に記載するようなシステムのみでの実行に限定されない。そうではなくて、例示的な実施形態は、多数の他のアプリケーションに関連して実装および使用可能である。
【0036】
本発明の様々な実施形態の特定の特徴がいくつかの図面には示され、他では示されていないことがあるが、これは単に便宜上である。本発明の原理にしたがって、図面の任意の特徴が、任意の他の図面の任意の特徴と組み合わせて参照および/または主張され得る。
【0037】
本明細書は、最良の形態を含み、本発明を開示するために、また、任意のデバイスまたはシステムの作成および使用と任意の組み込まれた方法の実行とを含めて、本発明を当業者が実行できるようにするために、例を使用する。本発明の特許性のある範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が気付く他の例を含み得る。そのような他の例は、それらが本特許請求の範囲の文言と異ならない構造的要素を有する場合に、または、それらが本特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない均等な構造的要素を含む場合に、本特許請求の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0038】
100 電力システム
102 機械
104 構成要素
108 負荷
110 センサ
112 コンピュータデバイス
114 ルート
204 ユーザインターフェース
205 キーボード
206 ポインティングデバイス
207 マウス
208 提示インターフェース
209 表示アダプタ
210 表示デバイス
214 プロセッサ
218 メモリデバイス
220 システムバス
230 通信インターフェース
300 出力
310 測定
320 周波数
330 周波数帯域
332 第1の周波数帯域
334 第2の周波数帯域
336 第3の周波数帯域
338 第4の周波数帯域
350 期待振動レベル応答曲線
360 実際の振動レベル応答曲線
400 コンピュータデバイスを使用して、故障を識別するためのデータを提示するための方法
402 少なくとも1つの故障を表すデータが受信される
404 データが編成される
406 データのグラフ表示が生成される
408 グラフ表示がユーザに提示される
410 ユーザは少なくとも1つのデータ点を選択可能になる
412 変数が計算される
414 変数がユーザに提示される

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力システム(100)と使用するためのコンピュータデバイス(112)であって、
電力システム内の少なくとも1つの故障を表すデータを編成し、
編成されたデータのグラフ表示を生成する
ようにプログラムされたプロセッサ(214)と、
少なくとも1つの故障をユーザが識別できるようにするために、前記ユーザに前記グラフ表示を提示するための前記プロセッサに結合された提示インターフェース(208)と、
前記提示インターフェースに結合され、前記ユーザが前記少なくとも1つの故障の少なくとも1つの変数を識別可能になるように、前記ユーザが前記グラフ表示上の少なくとも1つのデータ点を選択できるように構成された、ユーザインターフェース(204)と
を備える、コンピュータデバイス。
【請求項2】
前記プロセッサ(214)がさらに、前記グラフ表示上の前記少なくとも1つのデータ点が選択された後に、前記少なくとも1つの変数を計算するようにプログラムされた、請求項1記載のコンピュータデバイス(112)。
【請求項3】
前記プロセッサ(214)が、周波数測定値および振動測定値のうちの少なくとも1つを計算することによって、前記少なくとも1つの変数を計算する、請求項2記載のコンピュータデバイス(112)。
【請求項4】
実時間データおよび履歴データのうちの少なくとも1つを含むデータを受信するための前記プロセッサ(214)に結合された通信インターフェース(230)をさらに備える、請求項1記載のコンピュータデバイス(112)。
【請求項5】
前記提示インターフェース(208)がさらに、テキストによる表示およびグラフの表示のうちの少なくとも1つで前記少なくとも1つの変数を提示する、請求項1記載のコンピュータデバイス(112)。
【請求項6】
前記プロセッサ(214)が、データの階層を生成することによって、データを編成する、請求項1記載のコンピュータデバイス(112)。
【請求項7】
前記ユーザインターフェース(204)がさらに、前記グラフ表示上の前記少なくとも1つのデータ点を前記ユーザが選択できるようにそれぞれ構成されたポインティングデバイス(206)およびマウス(207)のうちの少なくとも1つを備える、請求項1記載のコンピュータデバイス(112)。
【請求項8】
少なくとも1つの構成要素(104)を備える、少なくとも1つの機械(102)と、
前記少なくとも1つの構成要素に近接して位置付けられ、前記少なくとも1つの構成要素内の少なくとも1つの故障を検出するように構成された、少なくとも1つのセンサ(110)と、
前記少なくとも1つのセンサ(110)に結合された、コンピュータデバイス(112)と
を備える、電力システム(100)であって、前記コンピュータデバイスが、
少なくとも1つの故障を表すデータを編成し、データのグラフ表示を生成するようにプログラムされた、プロセッサ(214)と、
前記少なくとも1つの故障をユーザが識別できるようにするために、前記ユーザに前記グラフ表示を提示するための、前記プロセッサに結合された、提示インターフェース(208)と、
前記提示インターフェースに結合され、前記ユーザが前記少なくとも1つの故障の少なくとも1つの変数を識別可能になるように、前記ユーザが前記グラフ表示上の少なくとも1つのデータ点を選択できるように構成された、ユーザインターフェース(204)と
を備える、システム。
【請求項9】
前記プロセッサ(214)が、前記グラフ表示上の前記少なくとも1つのデータ点が選択された後に、前記少なくとも1つの変数を計算するようにプログラムされた、請求項8記載の電力システム(100)。
【請求項10】
前記プロセッサ(214)が、周波数測定値および振動測定値のうちの少なくとも1つを計算することによって、前記少なくとも1つの変数を計算する、請求項9記載の電力システム(100)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−33477(P2013−33477A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−166445(P2012−166445)
【出願日】平成24年7月27日(2012.7.27)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】