電力供給システム及び電気機器
【課題】商用電力系統から負荷への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる電力供給システムを提供する。
【解決手段】電力供給システム10であって、PV発電部30が発生する直流電流を交流電流に変換する、電圧源として動作することで負荷70に電力を供給可能な第一インバータ100と、FC発電部40が発生する直流電流を交流電流に変換する、電流源として動作することで負荷70に電力を供給可能な第二インバータ200と、第一インバータ100と第二インバータ200とを接続する電力線の導通状態及び非導通状態を切り替えるPV接続スイッチ300と、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した状態で、PV接続スイッチ300に当該電力線を導通状態にさせ、第二インバータ200に当該電力線を介して直流電流を第一インバータ100へ出力させる制御部400とを備える。
【解決手段】電力供給システム10であって、PV発電部30が発生する直流電流を交流電流に変換する、電圧源として動作することで負荷70に電力を供給可能な第一インバータ100と、FC発電部40が発生する直流電流を交流電流に変換する、電流源として動作することで負荷70に電力を供給可能な第二インバータ200と、第一インバータ100と第二インバータ200とを接続する電力線の導通状態及び非導通状態を切り替えるPV接続スイッチ300と、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した状態で、PV接続スイッチ300に当該電力線を導通状態にさせ、第二インバータ200に当該電力線を介して直流電流を第一インバータ100へ出力させる制御部400とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商用電力系統からの電力供給が可能な負荷に、分散型電源などの発電装置から電力を供給するための電力供給システム及び電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、燃料電池などの分散型電源を設置し、当該分散型電源と商用電力系統からの電力により、負荷に電力を供給する需要家が増えてきている。ここで、燃料電池は、消費される負荷が変動すると劣化が加速するため、急激な負荷変化に追従させることができない。
【0003】
このため、従来、燃料電池と蓄電池などの他の分散型電源とを組み合わせることで、当該負荷変化に対応することができる電力供給システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭63−110922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の電力供給システムでは、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した場合に、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができない場合があるという問題がある。以下に、具体的に説明する。
【0006】
負荷に電力を供給する分散型電源には、電圧源として動作する役割を担うものと電流源として動作する役割を担うものとがある。電圧源として動作する分散型電源としては、太陽光発電や蓄電池がある。電流源として動作する分散型電源としては、燃料電池がある。また、商用電力系統は、電圧源として動作する役割を担うものである。
【0007】
そして、負荷に電力を供給するためには、電圧源として動作する役割を担うものが必要である。このため、負荷が商用電力系統に連系されている場合には、商用電力系統が電圧源として動作する。また、停電などにより負荷が商用電力系統から切り離された場合には、太陽光発電や蓄電池などの分散型電源が電圧源として動作する。
【0008】
しかし、分散型電源として例えば太陽光発電と燃料電池しか有していない場合には、電圧源として動作する分散型電源は太陽光発電のみとなる。このため、雨天や夜間など太陽光発電の発電量が非常に小さいときに停電が発生した場合には、電圧源として動作すべき分散型電源が機能しなくなる。
【0009】
これにより、燃料電池が発電を行っていたとしても、当該燃料電池が発生した電力を負荷に供給することができず、当該電力を有効に活用することができない。このように、従来の電力供給システムでは、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した場合に、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができない場合があるという問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる電力供給システム及び電気機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る電力供給システムは、商用電力系統からの電力供給が可能な負荷に、電力を発生する第一発電部及び第二発電部から電力を供給するための電力供給システムであって、前記第一発電部に接続され、前記第一発電部が発生する直流電流を交流電流に変換するインバータであって、電圧源として動作することで前記負荷に電力を供給可能な第一インバータと、前記第二発電部に接続され、前記第二発電部が発生する直流電流を交流電流に変換するインバータであって、電流源として動作することで前記負荷に電力を供給可能な第二インバータと、前記第一インバータと前記第二インバータとを接続する電力線の導通状態及び非導通状態を切り替える切替部と、前記商用電力系統から前記負荷への電力供給が停止した状態で、前記切替部に前記電力線を導通状態にさせ、前記第二インバータに前記電力線を介して直流電流を前記第一インバータへ出力させる制御部とを備える。
【0012】
これによれば、電力供給システムは、電圧源として動作する第一インバータと、電流源として動作する第二インバータと、第一インバータと第二インバータとを接続する電力線の導通状態及び非導通状態を切り替える切替部とを備えており、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した状態で、切替部に当該電力線を導通状態にさせ、第二インバータに電力線を介して直流電流を電圧源として動作する第一インバータへ出力させる。つまり、電力供給システムは、停電などによって商用電力系統から負荷への電力供給が停止した場合に、電流源として動作する第二インバータからの直流電流を、電圧源として動作する第一インバータに出力する。ここで、第一インバータから出力される電力が小さくて電圧源として動作しなくなった場合には、第二発電部が発電して第二インバータから出力される電力を直接負荷に送ることはできない。このため、電力供給システムは、第二発電部が発電して第二インバータから出力される電力を第一インバータに送ることで、第一インバータを電圧源として動作させ、当該電力を第一インバータを介して負荷へ供給することができる。このため、当該電力供給システムによれば、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0013】
また、好ましくは、前記第二インバータは、前記第二発電部が発生する直流電流を所定の電圧の直流電流に変換するDC/DC変換器と、前記DC/DC変換器から出力された直流電流を交流電流に変換するためのDC/AC変換器とを備え、前記切替部は、前記DC/AC変換器の出力側と前記第一インバータの入力側とを接続する電力線の導通状態及び非導通状態を切り替え、前記制御部は、前記商用電力系統から前記負荷への電力供給が停止した状態で、前記切替部に前記電力線を導通状態にさせ、前記DC/AC変換器に、前記DC/DC変換器から出力された直流電流を交流電流に変換することなく直流電流として前記第一インバータへ出力させる。
【0014】
これによれば、電力供給システムは、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した状態で、切替部に、第二インバータのDC/AC変換器の出力側と第一インバータの入力側とを接続する電力線を導通状態にさせ、当該DC/AC変換器に、直流電流を交流電流に変換することなく直流電流として第一インバータへ出力させる。つまり、電力供給システムは、第二インバータのDC/AC変換器から直流電流を出力させ、第一インバータへ送る。これにより、電力供給システムは、第一インバータを電圧源として動作させ、第二インバータのDC/AC変換器から出力された電力を第一インバータを介して負荷へ供給することができる。このため、当該電力供給システムによれば、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0015】
また、好ましくは、前記切替部は、前記DC/AC変換器の出力側と前記第一インバータの入力側とを接続する電力線が導通状態である場合に、前記DC/AC変換器の出力側と前記負荷とを接続する電力線を非導通状態とし、前記DC/AC変換器の出力側と前記第一インバータの入力側とを接続する電力線が非導通状態である場合に、前記DC/AC変換器の出力側と前記負荷とを接続する電力線を導通状態とするように、電力線の導通状態及び非導通状態を切り替える。
【0016】
これによれば、電力供給システムは、切替部によって、第二インバータのDC/AC変換器の出力側と第一インバータの入力側とを接続する電力線を導通状態にしたり、当該DC/AC変換器の出力側と負荷とを接続する電力線を導通状態にしたりすることができる。これにより、電力供給システムは、商用電力系統から負荷への電力供給が停止しているか否かによって、第二インバータから出力される電流の流れを、第一インバータ側と負荷側とに切り替えることができる。このため、当該電力供給システムによれば、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0017】
また、好ましくは、前記第二インバータは、前記第二発電部が発生する直流電流を所定の電圧の直流電流に変換するDC/DC変換器と、前記DC/DC変換器から出力された直流電流を交流電流に変換するDC/AC変換器とを備え、前記切替部は、前記DC/DC変換器の出力側と前記第一インバータの入力側とを接続する電力線の導通状態及び非導通状態を切り替え、前記制御部は、前記商用電力系統から前記負荷への電力供給が停止した状態で、前記切替部に前記電力線を導通状態にさせ、前記DC/DC変換器からの直流電流を前記第一インバータへ出力させる。
【0018】
これによれば、電力供給システムは、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した状態で、切替部に、第二インバータのDC/DC変換器の出力側と第一インバータの入力側とを接続する電力線を導通状態にさせ、当該DC/DC変換器からの直流電流を第一インバータへ出力させる。つまり、電力供給システムは、第二インバータのDC/DC変換器から直流電流を出力させ、第一インバータへ送る。これにより、電力供給システムは、第一インバータを電圧源として動作させ、第二インバータのDC/DC変換器から出力された電力を第一インバータを介して負荷へ供給することができる。このため、当該電力供給システムによれば、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0019】
また、好ましくは、前記制御部は、さらに、前記DC/AC変換器に、前記交流電流の出力を停止させる。
【0020】
これによれば、電力供給システムは、DC/AC変換器に、交流電流の出力を停止させる。これにより、電力供給システムは、商用電力系統から負荷への電力供給が停止している場合には、第二インバータから出力される電力を、負荷側に送ることなく、第一インバータに送ることができる。このため、当該電力供給システムによれば、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0021】
また、好ましくは、前記制御部は、前記商用電力系統から前記負荷への電力供給が停止し、かつ、前記第一発電部が発電する発電量が所定の閾値より小さい場合に、前記切替部に前記電力線を導通状態にさせ、前記第二インバータに直流電流を前記第一インバータへ出力させる。
【0022】
これによれば、電力供給システムは、商用電力系統から負荷への電力供給が停止し、かつ、第一発電部の発電量が所定の閾値より小さい場合に、第二インバータからの直流電流を第一インバータへ出力させる。つまり、電力供給システムは、第一発電部の発電量が所定の閾値より小さい場合には、第一インバータから出力される電力が小さくなり電圧源として動作しなくなるため、第二発電部が発電して第二インバータから出力される電力を直接負荷に送ることはできない。このため、電力供給システムは、第二発電部が発電して第二インバータから出力される電力を第一インバータに送ることで、第一インバータを電圧源として動作させ、当該電力を第一インバータを介して負荷へ供給することができる。このため、当該電力供給システムによれば、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0023】
また、好ましくは、さらに、前記商用電力系統から前記負荷への電力供給が停止したか否かを検出する検出部を備え、前記制御部は、前記検出部が、前記商用電力系統から前記負荷への電力供給が停止したことを検出した場合に、前記切替部に前記電力線を導通状態にさせ、前記第二インバータに直流電流を前記第一インバータへ出力させる。
【0024】
これによれば、電力供給システムは、商用電力系統から負荷への電力供給が停止したか否かを検出し、当該電力供給が停止したことを検出した場合に、第二インバータに直流電流を第一インバータへ出力させる。このように、電力供給システムは、商用電力系統から負荷への電力供給が停止したことを検出することで、第二インバータからの直流電流を第一インバータへ出力すべきタイミングを把握することができる。このため、当該電力供給システムによれば、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した場合でも、適切なタイミングで切り替えを行い、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0025】
また、好ましくは、さらに、前記第二インバータに接続され、前記負荷に供給される電力から前記負荷に必要な電力を差し引いた余剰電力を回収する余剰電力回収部を備え、前記余剰電力回収部は、回収した前記余剰電力を、前記第二発電部の発電に必要な熱に変換する。
【0026】
これによれば、電力供給システムは、負荷に供給される電力の余剰電力を回収し、回収した余剰電力を、第二発電部の発電に必要な熱に変換する。これにより、電力供給システムは、分散型電源が発電した電力に余剰電力が生じた場合でも、当該余剰電力を有効に活用することができる。このため、当該電力供給システムによれば、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0027】
また、好ましくは、前記第二インバータは、燃料電池の本体部である前記第二発電部に接続される。
【0028】
これによれば、第二発電部は、燃料電池の本体部である。つまり、燃料電池は、電流源として動作する分散型電源であるが、当該電力供給システムによれば、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した場合でも、燃料電池が発電した電力を有効に活用することができる。
【0029】
なお、本発明は、このような電力供給システムとして実現することができるだけでなく、当該電力供給システムが備える第二インバータと切替部と制御部とを備える電気機器として実現することもできる。
【0030】
また、本発明は、このような電力供給システムまたは電気機器として実現することができるだけでなく、当該電力供給システムまたは電気機器に含まれる制御部が行う特徴的な処理をステップとする方法としても実現することができる。また、当該方法に含まれる特徴的な処理をコンピュータに実行させるプログラムや集積回路として実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体及びインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
【発明の効果】
【0031】
本発明に係る電力供給システムによれば、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態1に係る電力供給システム及び電気機器の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る制御部が、第二インバータに直流電流を第一インバータへ出力させる制御を説明するための図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る制御部が負荷に電力を供給するために行う処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態1に係る制御部が負荷に電力を供給する処理を説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る制御部が負荷に電力を供給する処理を説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態1の変形例1に係る電力供給システム及び電気機器の構成を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態1の変形例2に係る電力供給システムの構成を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る電力供給システム及び電気機器の構成を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る制御部が負荷に電力を供給するために行う処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態2に係る制御部が負荷に電力を供給する処理を説明するための図である。
【図11】本発明の実施の形態2に係る制御部が負荷に電力を供給する処理を説明するための図である。
【図12】本発明の実施の形態2の変形例に係る電力供給システム及び電気機器の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る電力供給システム及び電気機器について、説明する。
【0034】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、特許請求の範囲だけによって限定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
【0035】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る電力供給システム10及び電気機器20の構成を示す図である。
【0036】
同図に示すように、電力供給システム10は、商用電力系統80からの電力供給が可能な負荷70に、電力を発生する第一発電部であるPV発電部30及び第二発電部であるFC発電部40から電力を供給するためのシステムである。
【0037】
ここで、商用電力系統80は、電力会社が所有する電力系統であり、具体的には、需要家に設置されたブレーカである系統連系ブレーカ81よりも屋外の配電系統である。また、負荷70は、需要家が消費する電力負荷である。
【0038】
また、PV発電部30は、太陽光発電の本体部であり、直流電流を発生する。なお、PV発電部30に代えて、またはPV発電部30に加えて、風力発電などの自然エネルギーを利用した発電形態や蓄電池などを採用してもよい。また、FC発電部40は、燃料電池の本体部(スタック)であり、直流電流を発生する。例えば、FC発電部40は、固体高分子形燃料電池である。
【0039】
そして、電力供給システム10は、第一インバータ100及び電気機器20を備えている。また、電気機器20は、第二インバータ200、PV接続スイッチ300及び制御部400を備えている。
【0040】
第一インバータ100は、PV発電部30に接続され、PV発電部30が発生する直流電流を交流電流に変換するインバータであって、電圧源として動作することで負荷70に電力を供給可能なインバータである。なお、電圧源として動作するとは、定電圧電気回路
として動作することをいう。
【0041】
例えば、第一インバータ100は、PCS(Power Conditioning System)である。ここで、第一インバータ100は、第一DC/DC変換器110及び第一DC/AC変換器120を備えている。
【0042】
第一DC/DC変換器110は、PV発電部30が発生する直流電流を所定の電圧の直流電流に変換するDC/DC変換器である。
【0043】
第一DC/AC変換器120は、第一DC/DC変換器110から出力された直流電流を交流電流に変換するDC/AC変換器である。
【0044】
第二インバータ200は、FC発電部40に接続され、FC発電部40が発生する直流電流を交流電流に変換するインバータであって、電流源として動作することで負荷70に電力を供給可能なインバータである。なお、電流源として動作するとは、定電流電気回路
として動作することをいう。
【0045】
つまり、燃料電池は、電力の出力を可変に制御することが困難であるため、第二インバータ200は、電圧源として動作することはできず、電流源として動作することで負荷70に電力を供給する。ここで、第二インバータ200は、第二DC/DC変換器210及び第二DC/AC変換器220を備えている。
【0046】
第二DC/DC変換器210は、FC発電部40が発生する直流電流を所定の電圧の直流電流に変換するDC/DC変換器である。
【0047】
第二DC/AC変換器220は、第二DC/DC変換器210から出力された直流電流を交流電流に変換するためのDC/AC変換器である。
【0048】
PV接続スイッチ300は、第一インバータ100と第二インバータ200とを接続する電力線の導通状態及び非導通状態を切り替える切替部である。具体的には、PV接続スイッチ300は、第二DC/AC変換器220の出力側と第一インバータ100の入力側とを接続する電力線の導通状態及び非導通状態を切り替える。
【0049】
さらに具体的には、PV接続スイッチ300は、第二DC/AC変換器220の出力側と第一インバータ100の入力側とを接続する電力線が導通状態である場合に、第二DC/AC変換器220の出力側と負荷70とを接続する電力線を非導通状態とし、第二DC/AC変換器220の出力側と第一インバータ100の入力側とを接続する電力線が非導通状態である場合に、第二DC/AC変換器220の出力側と負荷70とを接続する電力線を導通状態とするように、電力線の導通状態及び非導通状態を切り替える。
【0050】
つまり、PV接続スイッチ300は、第二インバータ200の出力を、PV発電部30側に接続するか、負荷70側に接続するかを切り替えるスイッチである。なお、PV接続スイッチ300は、同図では物理的なスイッチであることとしたが、電気的なスイッチであってもよい。
【0051】
また、上記の第一インバータ100の入力側については、同図では第一DC/DC変換器110の入力側として図示しているが、電圧の調整が不要な場合は、第一DC/AC変換器120の入力側(第一DC/DC変換器110の出力側)としてもよい。
【0052】
制御部400は、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した状態で、PV接続スイッチ300に、第一インバータ100と第二インバータ200とを接続する電力線を導通状態にさせ、第二インバータ200に、当該電力線を介して直流電流を第一インバータ100へ出力させる。具体的には、制御部400は、検出部60が、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止したことを検出した場合に、PV接続スイッチ300に当該電力線を導通状態にさせ、第二インバータ200に直流電流を第一インバータ100へ出力させる。
【0053】
ここで、検出部60は、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止したか否かを検出するセンサである。つまり、検出部60は、系統連系ブレーカ81が開放された場合に、当該電力供給が停止したことを検出する。例えば、検出部60は、電流の流れを検出することで当該電力供給が停止したか否かを検出する電流検出用トランス(カレントトランス)である。
【0054】
さらに具体的には、制御部400は、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止し、かつ、PV発電部30が発電する発電量が所定の閾値より小さい場合に、PV接続スイッチ300に当該電力線を導通状態にさせ、第二インバータ200に直流電流を第一インバータ100へ出力させる。
【0055】
なお、所定の閾値とは、第一インバータ100が電圧源として動作することができなくなる場合のPV発電部30の発電量であり、例えば、PV発電部30の電圧が110Vから20V低下して90Vになる場合の値である。
【0056】
ここで、制御部400が、第二インバータ200に直流電流を第一インバータ100へ出力させる制御について、具体的に説明する。
【0057】
図2は、本発明の実施の形態1に係る制御部400が、第二インバータ200に直流電流を第一インバータ100へ出力させる制御を説明するための図である。
【0058】
同図に示すように、第二DC/AC変換器220は、4つのスイッチング素子221〜224を備えている。ここで、スイッチング素子221〜224のそれぞれは、スイッチングトランジスタとダイオードとが並列に接続された構成になっている。つまり、第二DC/AC変換器220は、スイッチング素子221〜224のスイッチングトランジスタへの電圧の印加を切り替えることで、直流電流を交流電流に変換する機能を有している。
【0059】
このような構成において、制御部400は、スイッチング素子221及び224のスイッチングトランジスタに電圧を印加し続けることで、直流電流を出力させることができる。
【0060】
つまり、制御部400は、第二DC/AC変換器220に、第二DC/DC変換器210から出力された直流電流を交流電流に変換することなく直流電流として第一インバータ100へ出力させる。
【0061】
以上で、電力供給システム10及び電気機器20の構成の説明を終了する。なお、図1では、FC発電部40と電気機器20とで、燃料電池ユニットであるFCユニット50を構成している。また、同様に、PV発電部30と第一インバータ100とで、太陽光発電ユニットを構成していてもよい。
【0062】
次に、電力供給システム10が負荷70に電力を供給するための動作について、説明する。
【0063】
図3は、本発明の実施の形態1に係る制御部400が負荷70に電力を供給するために行う処理の一例を示すフローチャートである。
【0064】
図4及び図5は、本発明の実施の形態1に係る制御部400が負荷70に電力を供給する処理を説明するための図である。
【0065】
まず、図3に示すように、制御部400は、系統連系ブレーカ81が開放されたか否かを検出する(S102)。つまり、制御部400は、検出部60が、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止したことを検出したか否かを判断する。
【0066】
そして、制御部400は、系統連系ブレーカ81が開放されたことを検出した場合には(S102でYes)、自立運転制御を行うように、PV接続スイッチ300をPV側へ切り替える(S104)。つまり、制御部400は、検出部60が、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止したことを検出した場合に、PV接続スイッチ300に、第一インバータ100と第二インバータ200とを接続する電力線を導通状態にさせる。
【0067】
具体的には、図4に示すように、系統連系ブレーカ81が開放されて商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止し、かつ、PV発電部30が発電する発電量が所定の閾値より小さい場合を想定する。つまり、雨天や夜間など太陽光発電の発電量が非常に小さいときに停電が発生した場合などを想定する。
【0068】
この場合、負荷70に対して商用電力系統80が電圧源として動作することができない上に、第一インバータ100も電圧源として動作することができないため、FC発電部40が発電を行っていても、電流源としてしか動作できない第二インバータ200からは、負荷70に電力を供給することができない。
【0069】
このため、制御部400は、検出部60を介して、系統連系ブレーカ81が開放されたことを検出した場合に、PV接続スイッチ300をPV側へ切り替える。これにより、電流が、第二インバータ200から第一インバータ100に向けて流れる経路が形成される。
【0070】
そして、図3に戻り、制御部400は、第二インバータ200に、直流電流を第一インバータ100へ出力させる(S106)。
【0071】
つまり、図4に示すように、制御部400は、第二インバータ200の第二DC/AC変換器220に、直流電流を出力するよう指示を行うことで、当該直流電流を第一インバータ100へ出力させる。これにより、当該直流電流が第一インバータ100に入力されるので、電圧源として動作する第一インバータ100によって、負荷70へ電力が供給される。
【0072】
また、図3に戻り、制御部400は、系統連系ブレーカ81が開放されていないことを検出した場合には(S102でNo)、系統連系制御を行うように、PV接続スイッチ300を負荷70側へ切り替える(S108)。
【0073】
具体的には、図5に示すように、系統連系ブレーカ81が開放されていない場合には、PV発電部30が発電する発電量が所定の閾値より小さい場合でも、商用電力系統80が電圧源として動作することができるため、第二インバータ200は電流源として動作しても、負荷70に電力を供給することができる。
【0074】
このため、制御部400は、検出部60を介して、系統連系ブレーカ81が開放されていないことを検出した場合に、PV接続スイッチ300を負荷70側へ切り替える。これにより、第二インバータ200から出力される交流電流を負荷70へ直接供給することができるため、上記の自立運転制御のような第一インバータ100を経由する際の電力損失を低減することができる。
【0075】
以上により、電力供給システム10が負荷70に電力を供給するための動作は、終了する。
【0076】
以上のように、本発明の実施の形態1に係る電力供給システム10によれば、電圧源として動作する第一インバータ100と、電流源として動作する第二インバータ200と、第一インバータ100と第二インバータ200とを接続する電力線の導通状態及び非導通状態を切り替えるPV接続スイッチ300とを備えており、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した状態で、PV接続スイッチ300に当該電力線を導通状態にさせ、第二インバータ200に電力線を介して直流電流を電圧源として動作する第一インバータ100へ出力させる。つまり、電力供給システム10は、停電などによって商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した場合に、電流源として動作する第二インバータ200からの直流電流を、電圧源として動作する第一インバータ100に出力する。ここで、第一インバータ100から出力される電力が小さくて電圧源として動作しなくなった場合には、FC発電部40が発電して第二インバータ200から出力される電力を直接負荷70に送ることはできない。このため、電力供給システム10は、FC発電部40が発電して第二インバータ200から出力される電力を第一インバータ100に送ることで、第一インバータ100を電圧源として動作させ、当該電力を第一インバータ100を介して負荷70へ供給することができる。このため、電力供給システム10によれば、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0077】
また、電力供給システム10は、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した状態で、PV接続スイッチ300に、第二インバータ200の第二DC/AC変換器220の出力側と第一インバータ100の入力側とを接続する電力線を導通状態にさせ、第二DC/AC変換器220に、直流電流を交流電流に変換することなく直流電流として第一インバータ100へ出力させる。つまり、電力供給システム10は、第二インバータ200の第二DC/AC変換器220から直流電流を出力させ、第一インバータ100へ送る。これにより、電力供給システム10は、第一インバータ100を電圧源として動作させ、第二インバータ200の第二DC/AC変換器220から出力された電力を第一インバータ100を介して負荷70へ供給することができる。このため、電力供給システム10によれば、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0078】
また、電力供給システム10は、PV接続スイッチ300によって、第二インバータ200の第二DC/AC変換器220の出力側と第一インバータ100の入力側とを接続する電力線を導通状態にしたり、第二DC/AC変換器220の出力側と負荷70とを接続する電力線を導通状態にしたりすることができる。これにより、電力供給システム10は、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止しているか否かによって、第二インバータ200から出力される電流の流れを、第一インバータ100側と負荷70側とに切り替えることができる。このため、電力供給システム10によれば、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0079】
また、電力供給システム10は、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止し、かつ、PV発電部30の発電量が所定の閾値より小さい場合に、第二インバータ200からの直流電流を第一インバータ100へ出力させる。つまり、電力供給システム10は、PV発電部30の発電量が所定の閾値より小さい場合には、第一インバータ100から出力される電力が小さくなり電圧源として動作しなくなるため、FC発電部40が発電して第二インバータ200から出力される電力を直接負荷70に送ることはできない。このため、電力供給システム10は、FC発電部40が発電して第二インバータ200から出力される電力を第一インバータ100に送ることで、第一インバータ100を電圧源として動作させ、当該電力を第一インバータ100を介して負荷70へ供給することができる。このため、電力供給システム10によれば、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0080】
また、電力供給システム10は、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止したか否かを検出し、当該電力供給が停止したことを検出した場合に、第二インバータ200に直流電流を第一インバータ100へ出力させる。このように、電力供給システム10は、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止したことを検出することで、第二インバータ200からの直流電流を第一インバータ100へ出力すべきタイミングを把握することができる。このため、電力供給システム10によれば、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した場合でも、適切なタイミングで切り替えを行い、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0081】
また、FC発電部40は、燃料電池の本体部である。つまり、燃料電池は、電流源として動作する分散型電源であるが、電力供給システム10によれば、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した場合でも、燃料電池が発電した電力を有効に活用することができる。
【0082】
(実施の形態1の変形例1)
次に、実施の形態1の変形例1について、説明する。本変形例1では、電力供給システムは、FC発電部40が発電した電力の余剰分を回収する機能を有している。
【0083】
図6は、本発明の実施の形態1の変形例1に係る電力供給システム11及び電気機器21の構成を示す図である。
【0084】
同図に示すように、電力供給システム11は、図1に示された実施の形態1における電気機器20に代えて、電気機器21を備えている。また、電気機器21は、図1に示された実施の形態1における電気機器20が有する構成に加えて、余剰電力回収部500を備えている。
【0085】
なお、FC発電部40と電気機器21とで、FCユニット51を構成している。また、電力供給システム11が備えるその他の構成については、図1に示された実施の形態1における電力供給システム10が備える構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0086】
余剰電力回収部500は、第二インバータ200に接続され、負荷70に供給される電力から、負荷70に必要な電力を差し引いた余剰電力を回収する。そして、余剰電力回収部500は、回収した余剰電力を、FC発電部40の発電に必要な熱に変換する。
【0087】
具体的には、余剰電力回収部500は、第二インバータ200の第二DC/DC変換器210と第二DC/AC変換器220との間に接続されたヒータである。つまり、余剰電力回収部500は、第二DC/DC変換器210から出力される直流電流、または商用電力系統80やPV発電部30から第二DC/AC変換器220を介して出力される直流電流によって加熱され、FC発電部40の起動時や通常運転時などに必要な熱として使用される。
【0088】
商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した場合には、PV接続スイッチ300がPV側へ切り替えられるが、この場合でも、PV発電部30からの直流電流がPV接続スイッチ300及び第二DC/AC変換器220を介して余剰電力回収部500に供給される。なお、この場合、図2に示したように、第二DC/AC変換器220は、PV発電部30からの直流電流を、交流電流に変換することなく、直流電流のままで余剰電力回収部500に供給する。
【0089】
これにより、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した場合でも、余剰電力回収部500により、FC発電部40の起動時や通常運転時などに必要な熱を生成することができる。
【0090】
なお、余剰電力が発生していない場合でも、FC発電部40の起動時や通常運転時などに必要な熱が不足している場合には、余剰電力回収部500は、当該必要な熱を生成するための電力を回収することにしてもよい。
【0091】
以上のように、本発明の実施の形態1の変形例1に係る電力供給システム11によれば、負荷70に供給される電力の余剰電力を回収し、回収した余剰電力を、FC発電部40の発電に必要な熱に変換する。これにより、電力供給システム11は、分散型電源が発電した電力に余剰電力が生じた場合でも、当該余剰電力を有効に活用することができる。このため、電力供給システム11によれば、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0092】
(実施の形態1の変形例2)
次に、実施の形態1の変形例2について、説明する。本変形例2では、電力供給システムは、複数の発電部と接続される第一インバータを備えている。
【0093】
図7は、本発明の実施の形態1の変形例2に係る電力供給システム12の構成を示す図である。
【0094】
同図に示すように、電力供給システム12は、図1に示された実施の形態1における第一インバータ100に代えて、第一インバータ101を備えている。また、第一インバータ101は、図1に示された実施の形態1における第一インバータ100が有する第一DC/DC変換器110に代えて、第一DC/DC変換器111〜113を備えている。
【0095】
なお、電力供給システム12が備えるその他の構成については、図1に示された実施の形態1における電力供給システム10が備える構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0096】
第一DC/DC変換器111は、太陽光発電の本体部であるPV発電部31に接続されるDC/DC変換器である。そして、第一DC/DC変換器111は、PV接続スイッチ300を介して、第二インバータ200と電気的に接続可能な構成となっている。
【0097】
第一DC/DC変換器112は、太陽光発電の本体部であるPV発電部32に接続されるDC/DC変換器である。
【0098】
第一DC/DC変換器113は、蓄電池の本体部であるSB発電部33に接続されるDC/DC変換器である。
【0099】
以上のように、本発明の実施の形態1の変形例2に係る電力供給システム12によれば、第一インバータ101に複数の発電部が接続されていても、電流源として動作する第二インバータ200からの直流電流を、電圧源として動作する第一インバータ101の第一DC/DC変換器111に出力することで、第一DC/DC変換器111を介して負荷70へ電力を供給することができる。このため、電力供給システム12によれば、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0100】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について、説明する。本実施の形態2では、電力供給システムは、第二インバータ200の第二DC/DC変換器210から出力される直流電流を第一インバータ100に送ることで、負荷70へ電力を供給する。
【0101】
図8は、本発明の実施の形態2に係る電力供給システム13及び電気機器23の構成を示す図である。
【0102】
同図に示すように、電力供給システム13は、図1に示された実施の形態1における電気機器20に代えて、電気機器23を備えている。また、電気機器23は、図1に示された実施の形態1における電気機器20が有するPV接続スイッチ300及び制御部400に代えて、PV接続スイッチ310及び制御部410を備えている。
【0103】
なお、FC発電部40と電気機器23とで、FCユニット53を構成している。また、電力供給システム13が備えるその他の構成については、図1に示された実施の形態1における電力供給システム10が備える構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0104】
つまり、第二DC/DC変換器210は、FC発電部40が発生する直流電流を所定の電圧の直流電流に変換するDC/DC変換器であり、第二DC/AC変換器220は、第二DC/DC変換器210から出力された直流電流を交流電流に変換するDC/AC変換器である。
【0105】
また、PV接続スイッチ310は、第二DC/DC変換器210の出力側と第一インバータ100の入力側とを接続する電力線の導通状態及び非導通状態を切り替える切替部である。
【0106】
つまり、PV接続スイッチ310は、オンのときに、当該電力線を導通状態にさせ、オフのときに、当該電力線を非導通状態にさせるスイッチである。なお、PV接続スイッチ310は、同図では物理的なスイッチであることとしたが、電気的なスイッチであってもよい。
【0107】
また、上記の第一インバータ100の入力側については、同図では第一DC/DC変換器110の入力側として図示しているが、電圧の調整が不要な場合は、第一DC/AC変換器120の入力側(第一DC/DC変換器110の出力側)としてもよい。
【0108】
制御部410は、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した状態で、PV接続スイッチ310に当該電力線を導通状態にさせ、第二DC/DC変換器210からの直流電流を第一インバータ100へ出力させる。また、制御部410は、第二DC/AC変換器220に、交流電流の出力を停止させるゲートブロック機能も有する。
【0109】
次に、電力供給システム13が負荷70に電力を供給するための動作について、説明する。
【0110】
図9は、本発明の実施の形態2に係る制御部410が負荷70に電力を供給するために行う処理の一例を示すフローチャートである。
【0111】
図10及び図11は、本発明の実施の形態2に係る制御部410が負荷70に電力を供給する処理を説明するための図である。
【0112】
まず、図9に示すように、制御部410は、系統連系ブレーカ81が開放されたか否かを検出する(S202)。つまり、制御部410は、検出部60が、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止したことを検出したか否かを判断する。
【0113】
そして、制御部410は、系統連系ブレーカ81が開放されたことを検出した場合には(S202でYes)、自立運転制御を行うように、第二DC/AC変換器220をゲートブロックする(S204)。つまり、制御部410は、第二DC/AC変換器220に、交流電流の出力を停止させる。
【0114】
そして、制御部410は、PV接続スイッチ310をオンに切り替える(S206)。つまり、制御部410は、第二DC/DC変換器210の出力側と第一インバータ100の入力側とを接続する電力線を導通状態にさせる。
【0115】
具体的には、図10に示すように、系統連系ブレーカ81が開放されて商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止し、かつ、PV発電部30が発電する発電量が所定の閾値より小さい場合を想定する。
【0116】
この場合、負荷70に対して商用電力系統80が電圧源として動作することができない上に、第一インバータ100も電圧源として動作することができないため、FC発電部40が発電を行っていても、電流源としてしか動作できない第二インバータ200からは、負荷70に電力を供給することができない。
【0117】
このため、制御部410は、検出部60を介して、系統連系ブレーカ81が開放されたことを検出した場合に、PV接続スイッチ310をオンに切り替える。これにより、第二DC/DC変換器210から出力された直流電流が第一インバータ100に入力されるので、電圧源として動作する第一インバータ100によって、負荷70へ電力が供給される。
【0118】
また、図9に戻り、制御部410は、系統連系ブレーカ81が開放されていないことを検出した場合には(S202でNo)、系統連系制御を行うように、PV接続スイッチ310をオフに切り替える(S208)。
【0119】
そして、制御部410は、第二DC/AC変換器220をAC出力モードに変更する(S210)。つまり、制御部410は、第二DC/AC変換器220に、ゲートブロックを解除させて、交流電流を出力させる。
【0120】
具体的には、図11に示すように、系統連系ブレーカ81が開放されていない場合には、PV発電部30が発電する発電量が所定の閾値より小さい場合でも、商用電力系統80が電圧源として動作することができるため、第二インバータ200は電流源として動作しても、負荷70に電力を供給することができる。
【0121】
このため、制御部410は、検出部60を介して、系統連系ブレーカ81が開放されていないことを検出した場合に、PV接続スイッチ310をオフに切り替えるとともに、第二DC/AC変換器220に交流電流を出力させる。これにより、第二インバータ200から出力される交流電流を負荷70へ直接供給することができるため、上記の自立運転制御のような第一インバータ100を経由する際の電力損失を低減することができる。
【0122】
以上により、電力供給システム13が負荷70に電力を供給するための動作は、終了する。
【0123】
以上のように、本発明の実施の形態2に係る電力供給システム13によれば、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した状態で、PV接続スイッチ310に、第二インバータ200の第二DC/DC変換器210の出力側と第一インバータ100の入力側とを接続する電力線を導通状態にさせ、第二DC/DC変換器210からの直流電流を第一インバータ100へ出力させる。つまり、電力供給システム13は、第二インバータ200の第二DC/DC変換器210から直流電流を出力させ、第一インバータ100へ送る。これにより、電力供給システム13は、第一インバータ100を電圧源として動作させ、第二インバータ200の第二DC/DC変換器210から出力された電力を第一インバータ100を介して負荷70へ供給することができる。このため、電力供給システム13によれば、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0124】
また、電力供給システム13は、第二DC/AC変換器220に、交流電流の出力を停止させる。これにより、電力供給システム13は、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止している場合には、第二インバータ200から出力される電力を、負荷70側に送ることなく、第一インバータ100に送ることができる。このため、電力供給システム13によれば、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0125】
(実施の形態2の変形例)
次に、実施の形態2の変形例について、説明する。本変形例では、電力供給システムは、FC発電部40が発電した電力の余剰分を回収する機能を有している。
【0126】
図12は、本発明の実施の形態2の変形例に係る電力供給システム14及び電気機器24の構成を示す図である。
【0127】
同図に示すように、電力供給システム14は、図8に示された実施の形態2における電気機器23に代えて、電気機器24を備えている。また、電気機器24は、図8に示された実施の形態2における電気機器23が有する構成に加えて、余剰電力回収部500を備えている。
【0128】
なお、FC発電部40と電気機器24とで、FCユニット54を構成している。また、電力供給システム14が備えるその他の構成については、図8に示された実施の形態2における電力供給システム13が備える構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0129】
余剰電力回収部500は、第二インバータ200に接続され、負荷70に供給される電力から、負荷70に必要な電力を差し引いた余剰電力を回収する。そして、余剰電力回収部500は、回収した余剰電力を、FC発電部40の発電に必要な熱に変換する。
【0130】
具体的には、余剰電力回収部500は、第二インバータ200の第二DC/DC変換器210と第二DC/AC変換器220との間に接続されたヒータである。つまり、余剰電力回収部500は、第二DC/DC変換器210から出力される直流電流、または商用電力系統80から第二DC/AC変換器220を介して出力される直流電流によって加熱され、FC発電部40の起動時や通常運転時などに必要な熱として使用される。
【0131】
商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した場合には、PV接続スイッチ310がオンに切り替えられるが、この場合でも、PV発電部30からの直流電流がPV接続スイッチ310を介して余剰電力回収部500に供給される。これにより、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した場合でも、余剰電力回収部500により、FC発電部40の起動時や通常運転時などに必要な熱を生成することができる。
【0132】
なお、余剰電力が発生していない場合でも、FC発電部40の起動時や通常運転時などに必要な熱が不足している場合には、余剰電力回収部500は、当該必要な熱を生成するための電力を回収することにしてもよい。
【0133】
以上のように、本発明の実施の形態2の変形例に係る電力供給システム14によれば、負荷70に供給される電力の余剰電力を回収し、回収した余剰電力を、FC発電部40の発電に必要な熱に変換する。これにより、電力供給システム14は、分散型電源が発電した電力に余剰電力が生じた場合でも、当該余剰電力を有効に活用することができる。このため、電力供給システム14によれば、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0134】
以上、本発明の実施の形態及びその変形例に係る電力供給システム及び電気機器について説明したが、本発明は、この実施の形態及びその変形例に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、異なる実施の形態またはその変形例における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0135】
また、本発明は、このような電力供給システムまたは電気機器として実現することができるだけでなく、当該電力供給システムまたは電気機器に含まれる制御部が行う特徴的な処理をステップとする方法としても実現することができる。また、当該方法に含まれる特徴的な処理をコンピュータに実行させるプログラムや集積回路として実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体及びインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0136】
本発明は、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる電力供給システム等に適用できる。
【符号の説明】
【0137】
10、11、12、13、14 電力供給システム
20、21、23、24 電気機器
30、31、32 PV発電部
33 SB発電部
40 FC発電部
50、51、53、54 FCユニット
60 検出部
70 負荷
80 商用電力系統
81 系統連系ブレーカ
100、101 第一インバータ
110、111、112、113 第一DC/DC変換器
120 第一DC/AC変換器
200 第二インバータ
210 第二DC/DC変換器
220 第二DC/AC変換器
221、222、223、224 スイッチング素子
300、310 PV接続スイッチ
400、410 制御部
500 余剰電力回収部
【技術分野】
【0001】
本発明は、商用電力系統からの電力供給が可能な負荷に、分散型電源などの発電装置から電力を供給するための電力供給システム及び電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、燃料電池などの分散型電源を設置し、当該分散型電源と商用電力系統からの電力により、負荷に電力を供給する需要家が増えてきている。ここで、燃料電池は、消費される負荷が変動すると劣化が加速するため、急激な負荷変化に追従させることができない。
【0003】
このため、従来、燃料電池と蓄電池などの他の分散型電源とを組み合わせることで、当該負荷変化に対応することができる電力供給システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭63−110922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の電力供給システムでは、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した場合に、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができない場合があるという問題がある。以下に、具体的に説明する。
【0006】
負荷に電力を供給する分散型電源には、電圧源として動作する役割を担うものと電流源として動作する役割を担うものとがある。電圧源として動作する分散型電源としては、太陽光発電や蓄電池がある。電流源として動作する分散型電源としては、燃料電池がある。また、商用電力系統は、電圧源として動作する役割を担うものである。
【0007】
そして、負荷に電力を供給するためには、電圧源として動作する役割を担うものが必要である。このため、負荷が商用電力系統に連系されている場合には、商用電力系統が電圧源として動作する。また、停電などにより負荷が商用電力系統から切り離された場合には、太陽光発電や蓄電池などの分散型電源が電圧源として動作する。
【0008】
しかし、分散型電源として例えば太陽光発電と燃料電池しか有していない場合には、電圧源として動作する分散型電源は太陽光発電のみとなる。このため、雨天や夜間など太陽光発電の発電量が非常に小さいときに停電が発生した場合には、電圧源として動作すべき分散型電源が機能しなくなる。
【0009】
これにより、燃料電池が発電を行っていたとしても、当該燃料電池が発生した電力を負荷に供給することができず、当該電力を有効に活用することができない。このように、従来の電力供給システムでは、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した場合に、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができない場合があるという問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる電力供給システム及び電気機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る電力供給システムは、商用電力系統からの電力供給が可能な負荷に、電力を発生する第一発電部及び第二発電部から電力を供給するための電力供給システムであって、前記第一発電部に接続され、前記第一発電部が発生する直流電流を交流電流に変換するインバータであって、電圧源として動作することで前記負荷に電力を供給可能な第一インバータと、前記第二発電部に接続され、前記第二発電部が発生する直流電流を交流電流に変換するインバータであって、電流源として動作することで前記負荷に電力を供給可能な第二インバータと、前記第一インバータと前記第二インバータとを接続する電力線の導通状態及び非導通状態を切り替える切替部と、前記商用電力系統から前記負荷への電力供給が停止した状態で、前記切替部に前記電力線を導通状態にさせ、前記第二インバータに前記電力線を介して直流電流を前記第一インバータへ出力させる制御部とを備える。
【0012】
これによれば、電力供給システムは、電圧源として動作する第一インバータと、電流源として動作する第二インバータと、第一インバータと第二インバータとを接続する電力線の導通状態及び非導通状態を切り替える切替部とを備えており、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した状態で、切替部に当該電力線を導通状態にさせ、第二インバータに電力線を介して直流電流を電圧源として動作する第一インバータへ出力させる。つまり、電力供給システムは、停電などによって商用電力系統から負荷への電力供給が停止した場合に、電流源として動作する第二インバータからの直流電流を、電圧源として動作する第一インバータに出力する。ここで、第一インバータから出力される電力が小さくて電圧源として動作しなくなった場合には、第二発電部が発電して第二インバータから出力される電力を直接負荷に送ることはできない。このため、電力供給システムは、第二発電部が発電して第二インバータから出力される電力を第一インバータに送ることで、第一インバータを電圧源として動作させ、当該電力を第一インバータを介して負荷へ供給することができる。このため、当該電力供給システムによれば、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0013】
また、好ましくは、前記第二インバータは、前記第二発電部が発生する直流電流を所定の電圧の直流電流に変換するDC/DC変換器と、前記DC/DC変換器から出力された直流電流を交流電流に変換するためのDC/AC変換器とを備え、前記切替部は、前記DC/AC変換器の出力側と前記第一インバータの入力側とを接続する電力線の導通状態及び非導通状態を切り替え、前記制御部は、前記商用電力系統から前記負荷への電力供給が停止した状態で、前記切替部に前記電力線を導通状態にさせ、前記DC/AC変換器に、前記DC/DC変換器から出力された直流電流を交流電流に変換することなく直流電流として前記第一インバータへ出力させる。
【0014】
これによれば、電力供給システムは、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した状態で、切替部に、第二インバータのDC/AC変換器の出力側と第一インバータの入力側とを接続する電力線を導通状態にさせ、当該DC/AC変換器に、直流電流を交流電流に変換することなく直流電流として第一インバータへ出力させる。つまり、電力供給システムは、第二インバータのDC/AC変換器から直流電流を出力させ、第一インバータへ送る。これにより、電力供給システムは、第一インバータを電圧源として動作させ、第二インバータのDC/AC変換器から出力された電力を第一インバータを介して負荷へ供給することができる。このため、当該電力供給システムによれば、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0015】
また、好ましくは、前記切替部は、前記DC/AC変換器の出力側と前記第一インバータの入力側とを接続する電力線が導通状態である場合に、前記DC/AC変換器の出力側と前記負荷とを接続する電力線を非導通状態とし、前記DC/AC変換器の出力側と前記第一インバータの入力側とを接続する電力線が非導通状態である場合に、前記DC/AC変換器の出力側と前記負荷とを接続する電力線を導通状態とするように、電力線の導通状態及び非導通状態を切り替える。
【0016】
これによれば、電力供給システムは、切替部によって、第二インバータのDC/AC変換器の出力側と第一インバータの入力側とを接続する電力線を導通状態にしたり、当該DC/AC変換器の出力側と負荷とを接続する電力線を導通状態にしたりすることができる。これにより、電力供給システムは、商用電力系統から負荷への電力供給が停止しているか否かによって、第二インバータから出力される電流の流れを、第一インバータ側と負荷側とに切り替えることができる。このため、当該電力供給システムによれば、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0017】
また、好ましくは、前記第二インバータは、前記第二発電部が発生する直流電流を所定の電圧の直流電流に変換するDC/DC変換器と、前記DC/DC変換器から出力された直流電流を交流電流に変換するDC/AC変換器とを備え、前記切替部は、前記DC/DC変換器の出力側と前記第一インバータの入力側とを接続する電力線の導通状態及び非導通状態を切り替え、前記制御部は、前記商用電力系統から前記負荷への電力供給が停止した状態で、前記切替部に前記電力線を導通状態にさせ、前記DC/DC変換器からの直流電流を前記第一インバータへ出力させる。
【0018】
これによれば、電力供給システムは、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した状態で、切替部に、第二インバータのDC/DC変換器の出力側と第一インバータの入力側とを接続する電力線を導通状態にさせ、当該DC/DC変換器からの直流電流を第一インバータへ出力させる。つまり、電力供給システムは、第二インバータのDC/DC変換器から直流電流を出力させ、第一インバータへ送る。これにより、電力供給システムは、第一インバータを電圧源として動作させ、第二インバータのDC/DC変換器から出力された電力を第一インバータを介して負荷へ供給することができる。このため、当該電力供給システムによれば、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0019】
また、好ましくは、前記制御部は、さらに、前記DC/AC変換器に、前記交流電流の出力を停止させる。
【0020】
これによれば、電力供給システムは、DC/AC変換器に、交流電流の出力を停止させる。これにより、電力供給システムは、商用電力系統から負荷への電力供給が停止している場合には、第二インバータから出力される電力を、負荷側に送ることなく、第一インバータに送ることができる。このため、当該電力供給システムによれば、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0021】
また、好ましくは、前記制御部は、前記商用電力系統から前記負荷への電力供給が停止し、かつ、前記第一発電部が発電する発電量が所定の閾値より小さい場合に、前記切替部に前記電力線を導通状態にさせ、前記第二インバータに直流電流を前記第一インバータへ出力させる。
【0022】
これによれば、電力供給システムは、商用電力系統から負荷への電力供給が停止し、かつ、第一発電部の発電量が所定の閾値より小さい場合に、第二インバータからの直流電流を第一インバータへ出力させる。つまり、電力供給システムは、第一発電部の発電量が所定の閾値より小さい場合には、第一インバータから出力される電力が小さくなり電圧源として動作しなくなるため、第二発電部が発電して第二インバータから出力される電力を直接負荷に送ることはできない。このため、電力供給システムは、第二発電部が発電して第二インバータから出力される電力を第一インバータに送ることで、第一インバータを電圧源として動作させ、当該電力を第一インバータを介して負荷へ供給することができる。このため、当該電力供給システムによれば、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0023】
また、好ましくは、さらに、前記商用電力系統から前記負荷への電力供給が停止したか否かを検出する検出部を備え、前記制御部は、前記検出部が、前記商用電力系統から前記負荷への電力供給が停止したことを検出した場合に、前記切替部に前記電力線を導通状態にさせ、前記第二インバータに直流電流を前記第一インバータへ出力させる。
【0024】
これによれば、電力供給システムは、商用電力系統から負荷への電力供給が停止したか否かを検出し、当該電力供給が停止したことを検出した場合に、第二インバータに直流電流を第一インバータへ出力させる。このように、電力供給システムは、商用電力系統から負荷への電力供給が停止したことを検出することで、第二インバータからの直流電流を第一インバータへ出力すべきタイミングを把握することができる。このため、当該電力供給システムによれば、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した場合でも、適切なタイミングで切り替えを行い、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0025】
また、好ましくは、さらに、前記第二インバータに接続され、前記負荷に供給される電力から前記負荷に必要な電力を差し引いた余剰電力を回収する余剰電力回収部を備え、前記余剰電力回収部は、回収した前記余剰電力を、前記第二発電部の発電に必要な熱に変換する。
【0026】
これによれば、電力供給システムは、負荷に供給される電力の余剰電力を回収し、回収した余剰電力を、第二発電部の発電に必要な熱に変換する。これにより、電力供給システムは、分散型電源が発電した電力に余剰電力が生じた場合でも、当該余剰電力を有効に活用することができる。このため、当該電力供給システムによれば、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0027】
また、好ましくは、前記第二インバータは、燃料電池の本体部である前記第二発電部に接続される。
【0028】
これによれば、第二発電部は、燃料電池の本体部である。つまり、燃料電池は、電流源として動作する分散型電源であるが、当該電力供給システムによれば、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した場合でも、燃料電池が発電した電力を有効に活用することができる。
【0029】
なお、本発明は、このような電力供給システムとして実現することができるだけでなく、当該電力供給システムが備える第二インバータと切替部と制御部とを備える電気機器として実現することもできる。
【0030】
また、本発明は、このような電力供給システムまたは電気機器として実現することができるだけでなく、当該電力供給システムまたは電気機器に含まれる制御部が行う特徴的な処理をステップとする方法としても実現することができる。また、当該方法に含まれる特徴的な処理をコンピュータに実行させるプログラムや集積回路として実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体及びインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
【発明の効果】
【0031】
本発明に係る電力供給システムによれば、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態1に係る電力供給システム及び電気機器の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る制御部が、第二インバータに直流電流を第一インバータへ出力させる制御を説明するための図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る制御部が負荷に電力を供給するために行う処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態1に係る制御部が負荷に電力を供給する処理を説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る制御部が負荷に電力を供給する処理を説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態1の変形例1に係る電力供給システム及び電気機器の構成を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態1の変形例2に係る電力供給システムの構成を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る電力供給システム及び電気機器の構成を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る制御部が負荷に電力を供給するために行う処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態2に係る制御部が負荷に電力を供給する処理を説明するための図である。
【図11】本発明の実施の形態2に係る制御部が負荷に電力を供給する処理を説明するための図である。
【図12】本発明の実施の形態2の変形例に係る電力供給システム及び電気機器の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る電力供給システム及び電気機器について、説明する。
【0034】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、特許請求の範囲だけによって限定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
【0035】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る電力供給システム10及び電気機器20の構成を示す図である。
【0036】
同図に示すように、電力供給システム10は、商用電力系統80からの電力供給が可能な負荷70に、電力を発生する第一発電部であるPV発電部30及び第二発電部であるFC発電部40から電力を供給するためのシステムである。
【0037】
ここで、商用電力系統80は、電力会社が所有する電力系統であり、具体的には、需要家に設置されたブレーカである系統連系ブレーカ81よりも屋外の配電系統である。また、負荷70は、需要家が消費する電力負荷である。
【0038】
また、PV発電部30は、太陽光発電の本体部であり、直流電流を発生する。なお、PV発電部30に代えて、またはPV発電部30に加えて、風力発電などの自然エネルギーを利用した発電形態や蓄電池などを採用してもよい。また、FC発電部40は、燃料電池の本体部(スタック)であり、直流電流を発生する。例えば、FC発電部40は、固体高分子形燃料電池である。
【0039】
そして、電力供給システム10は、第一インバータ100及び電気機器20を備えている。また、電気機器20は、第二インバータ200、PV接続スイッチ300及び制御部400を備えている。
【0040】
第一インバータ100は、PV発電部30に接続され、PV発電部30が発生する直流電流を交流電流に変換するインバータであって、電圧源として動作することで負荷70に電力を供給可能なインバータである。なお、電圧源として動作するとは、定電圧電気回路
として動作することをいう。
【0041】
例えば、第一インバータ100は、PCS(Power Conditioning System)である。ここで、第一インバータ100は、第一DC/DC変換器110及び第一DC/AC変換器120を備えている。
【0042】
第一DC/DC変換器110は、PV発電部30が発生する直流電流を所定の電圧の直流電流に変換するDC/DC変換器である。
【0043】
第一DC/AC変換器120は、第一DC/DC変換器110から出力された直流電流を交流電流に変換するDC/AC変換器である。
【0044】
第二インバータ200は、FC発電部40に接続され、FC発電部40が発生する直流電流を交流電流に変換するインバータであって、電流源として動作することで負荷70に電力を供給可能なインバータである。なお、電流源として動作するとは、定電流電気回路
として動作することをいう。
【0045】
つまり、燃料電池は、電力の出力を可変に制御することが困難であるため、第二インバータ200は、電圧源として動作することはできず、電流源として動作することで負荷70に電力を供給する。ここで、第二インバータ200は、第二DC/DC変換器210及び第二DC/AC変換器220を備えている。
【0046】
第二DC/DC変換器210は、FC発電部40が発生する直流電流を所定の電圧の直流電流に変換するDC/DC変換器である。
【0047】
第二DC/AC変換器220は、第二DC/DC変換器210から出力された直流電流を交流電流に変換するためのDC/AC変換器である。
【0048】
PV接続スイッチ300は、第一インバータ100と第二インバータ200とを接続する電力線の導通状態及び非導通状態を切り替える切替部である。具体的には、PV接続スイッチ300は、第二DC/AC変換器220の出力側と第一インバータ100の入力側とを接続する電力線の導通状態及び非導通状態を切り替える。
【0049】
さらに具体的には、PV接続スイッチ300は、第二DC/AC変換器220の出力側と第一インバータ100の入力側とを接続する電力線が導通状態である場合に、第二DC/AC変換器220の出力側と負荷70とを接続する電力線を非導通状態とし、第二DC/AC変換器220の出力側と第一インバータ100の入力側とを接続する電力線が非導通状態である場合に、第二DC/AC変換器220の出力側と負荷70とを接続する電力線を導通状態とするように、電力線の導通状態及び非導通状態を切り替える。
【0050】
つまり、PV接続スイッチ300は、第二インバータ200の出力を、PV発電部30側に接続するか、負荷70側に接続するかを切り替えるスイッチである。なお、PV接続スイッチ300は、同図では物理的なスイッチであることとしたが、電気的なスイッチであってもよい。
【0051】
また、上記の第一インバータ100の入力側については、同図では第一DC/DC変換器110の入力側として図示しているが、電圧の調整が不要な場合は、第一DC/AC変換器120の入力側(第一DC/DC変換器110の出力側)としてもよい。
【0052】
制御部400は、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した状態で、PV接続スイッチ300に、第一インバータ100と第二インバータ200とを接続する電力線を導通状態にさせ、第二インバータ200に、当該電力線を介して直流電流を第一インバータ100へ出力させる。具体的には、制御部400は、検出部60が、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止したことを検出した場合に、PV接続スイッチ300に当該電力線を導通状態にさせ、第二インバータ200に直流電流を第一インバータ100へ出力させる。
【0053】
ここで、検出部60は、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止したか否かを検出するセンサである。つまり、検出部60は、系統連系ブレーカ81が開放された場合に、当該電力供給が停止したことを検出する。例えば、検出部60は、電流の流れを検出することで当該電力供給が停止したか否かを検出する電流検出用トランス(カレントトランス)である。
【0054】
さらに具体的には、制御部400は、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止し、かつ、PV発電部30が発電する発電量が所定の閾値より小さい場合に、PV接続スイッチ300に当該電力線を導通状態にさせ、第二インバータ200に直流電流を第一インバータ100へ出力させる。
【0055】
なお、所定の閾値とは、第一インバータ100が電圧源として動作することができなくなる場合のPV発電部30の発電量であり、例えば、PV発電部30の電圧が110Vから20V低下して90Vになる場合の値である。
【0056】
ここで、制御部400が、第二インバータ200に直流電流を第一インバータ100へ出力させる制御について、具体的に説明する。
【0057】
図2は、本発明の実施の形態1に係る制御部400が、第二インバータ200に直流電流を第一インバータ100へ出力させる制御を説明するための図である。
【0058】
同図に示すように、第二DC/AC変換器220は、4つのスイッチング素子221〜224を備えている。ここで、スイッチング素子221〜224のそれぞれは、スイッチングトランジスタとダイオードとが並列に接続された構成になっている。つまり、第二DC/AC変換器220は、スイッチング素子221〜224のスイッチングトランジスタへの電圧の印加を切り替えることで、直流電流を交流電流に変換する機能を有している。
【0059】
このような構成において、制御部400は、スイッチング素子221及び224のスイッチングトランジスタに電圧を印加し続けることで、直流電流を出力させることができる。
【0060】
つまり、制御部400は、第二DC/AC変換器220に、第二DC/DC変換器210から出力された直流電流を交流電流に変換することなく直流電流として第一インバータ100へ出力させる。
【0061】
以上で、電力供給システム10及び電気機器20の構成の説明を終了する。なお、図1では、FC発電部40と電気機器20とで、燃料電池ユニットであるFCユニット50を構成している。また、同様に、PV発電部30と第一インバータ100とで、太陽光発電ユニットを構成していてもよい。
【0062】
次に、電力供給システム10が負荷70に電力を供給するための動作について、説明する。
【0063】
図3は、本発明の実施の形態1に係る制御部400が負荷70に電力を供給するために行う処理の一例を示すフローチャートである。
【0064】
図4及び図5は、本発明の実施の形態1に係る制御部400が負荷70に電力を供給する処理を説明するための図である。
【0065】
まず、図3に示すように、制御部400は、系統連系ブレーカ81が開放されたか否かを検出する(S102)。つまり、制御部400は、検出部60が、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止したことを検出したか否かを判断する。
【0066】
そして、制御部400は、系統連系ブレーカ81が開放されたことを検出した場合には(S102でYes)、自立運転制御を行うように、PV接続スイッチ300をPV側へ切り替える(S104)。つまり、制御部400は、検出部60が、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止したことを検出した場合に、PV接続スイッチ300に、第一インバータ100と第二インバータ200とを接続する電力線を導通状態にさせる。
【0067】
具体的には、図4に示すように、系統連系ブレーカ81が開放されて商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止し、かつ、PV発電部30が発電する発電量が所定の閾値より小さい場合を想定する。つまり、雨天や夜間など太陽光発電の発電量が非常に小さいときに停電が発生した場合などを想定する。
【0068】
この場合、負荷70に対して商用電力系統80が電圧源として動作することができない上に、第一インバータ100も電圧源として動作することができないため、FC発電部40が発電を行っていても、電流源としてしか動作できない第二インバータ200からは、負荷70に電力を供給することができない。
【0069】
このため、制御部400は、検出部60を介して、系統連系ブレーカ81が開放されたことを検出した場合に、PV接続スイッチ300をPV側へ切り替える。これにより、電流が、第二インバータ200から第一インバータ100に向けて流れる経路が形成される。
【0070】
そして、図3に戻り、制御部400は、第二インバータ200に、直流電流を第一インバータ100へ出力させる(S106)。
【0071】
つまり、図4に示すように、制御部400は、第二インバータ200の第二DC/AC変換器220に、直流電流を出力するよう指示を行うことで、当該直流電流を第一インバータ100へ出力させる。これにより、当該直流電流が第一インバータ100に入力されるので、電圧源として動作する第一インバータ100によって、負荷70へ電力が供給される。
【0072】
また、図3に戻り、制御部400は、系統連系ブレーカ81が開放されていないことを検出した場合には(S102でNo)、系統連系制御を行うように、PV接続スイッチ300を負荷70側へ切り替える(S108)。
【0073】
具体的には、図5に示すように、系統連系ブレーカ81が開放されていない場合には、PV発電部30が発電する発電量が所定の閾値より小さい場合でも、商用電力系統80が電圧源として動作することができるため、第二インバータ200は電流源として動作しても、負荷70に電力を供給することができる。
【0074】
このため、制御部400は、検出部60を介して、系統連系ブレーカ81が開放されていないことを検出した場合に、PV接続スイッチ300を負荷70側へ切り替える。これにより、第二インバータ200から出力される交流電流を負荷70へ直接供給することができるため、上記の自立運転制御のような第一インバータ100を経由する際の電力損失を低減することができる。
【0075】
以上により、電力供給システム10が負荷70に電力を供給するための動作は、終了する。
【0076】
以上のように、本発明の実施の形態1に係る電力供給システム10によれば、電圧源として動作する第一インバータ100と、電流源として動作する第二インバータ200と、第一インバータ100と第二インバータ200とを接続する電力線の導通状態及び非導通状態を切り替えるPV接続スイッチ300とを備えており、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した状態で、PV接続スイッチ300に当該電力線を導通状態にさせ、第二インバータ200に電力線を介して直流電流を電圧源として動作する第一インバータ100へ出力させる。つまり、電力供給システム10は、停電などによって商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した場合に、電流源として動作する第二インバータ200からの直流電流を、電圧源として動作する第一インバータ100に出力する。ここで、第一インバータ100から出力される電力が小さくて電圧源として動作しなくなった場合には、FC発電部40が発電して第二インバータ200から出力される電力を直接負荷70に送ることはできない。このため、電力供給システム10は、FC発電部40が発電して第二インバータ200から出力される電力を第一インバータ100に送ることで、第一インバータ100を電圧源として動作させ、当該電力を第一インバータ100を介して負荷70へ供給することができる。このため、電力供給システム10によれば、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0077】
また、電力供給システム10は、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した状態で、PV接続スイッチ300に、第二インバータ200の第二DC/AC変換器220の出力側と第一インバータ100の入力側とを接続する電力線を導通状態にさせ、第二DC/AC変換器220に、直流電流を交流電流に変換することなく直流電流として第一インバータ100へ出力させる。つまり、電力供給システム10は、第二インバータ200の第二DC/AC変換器220から直流電流を出力させ、第一インバータ100へ送る。これにより、電力供給システム10は、第一インバータ100を電圧源として動作させ、第二インバータ200の第二DC/AC変換器220から出力された電力を第一インバータ100を介して負荷70へ供給することができる。このため、電力供給システム10によれば、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0078】
また、電力供給システム10は、PV接続スイッチ300によって、第二インバータ200の第二DC/AC変換器220の出力側と第一インバータ100の入力側とを接続する電力線を導通状態にしたり、第二DC/AC変換器220の出力側と負荷70とを接続する電力線を導通状態にしたりすることができる。これにより、電力供給システム10は、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止しているか否かによって、第二インバータ200から出力される電流の流れを、第一インバータ100側と負荷70側とに切り替えることができる。このため、電力供給システム10によれば、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0079】
また、電力供給システム10は、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止し、かつ、PV発電部30の発電量が所定の閾値より小さい場合に、第二インバータ200からの直流電流を第一インバータ100へ出力させる。つまり、電力供給システム10は、PV発電部30の発電量が所定の閾値より小さい場合には、第一インバータ100から出力される電力が小さくなり電圧源として動作しなくなるため、FC発電部40が発電して第二インバータ200から出力される電力を直接負荷70に送ることはできない。このため、電力供給システム10は、FC発電部40が発電して第二インバータ200から出力される電力を第一インバータ100に送ることで、第一インバータ100を電圧源として動作させ、当該電力を第一インバータ100を介して負荷70へ供給することができる。このため、電力供給システム10によれば、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0080】
また、電力供給システム10は、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止したか否かを検出し、当該電力供給が停止したことを検出した場合に、第二インバータ200に直流電流を第一インバータ100へ出力させる。このように、電力供給システム10は、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止したことを検出することで、第二インバータ200からの直流電流を第一インバータ100へ出力すべきタイミングを把握することができる。このため、電力供給システム10によれば、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した場合でも、適切なタイミングで切り替えを行い、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0081】
また、FC発電部40は、燃料電池の本体部である。つまり、燃料電池は、電流源として動作する分散型電源であるが、電力供給システム10によれば、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した場合でも、燃料電池が発電した電力を有効に活用することができる。
【0082】
(実施の形態1の変形例1)
次に、実施の形態1の変形例1について、説明する。本変形例1では、電力供給システムは、FC発電部40が発電した電力の余剰分を回収する機能を有している。
【0083】
図6は、本発明の実施の形態1の変形例1に係る電力供給システム11及び電気機器21の構成を示す図である。
【0084】
同図に示すように、電力供給システム11は、図1に示された実施の形態1における電気機器20に代えて、電気機器21を備えている。また、電気機器21は、図1に示された実施の形態1における電気機器20が有する構成に加えて、余剰電力回収部500を備えている。
【0085】
なお、FC発電部40と電気機器21とで、FCユニット51を構成している。また、電力供給システム11が備えるその他の構成については、図1に示された実施の形態1における電力供給システム10が備える構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0086】
余剰電力回収部500は、第二インバータ200に接続され、負荷70に供給される電力から、負荷70に必要な電力を差し引いた余剰電力を回収する。そして、余剰電力回収部500は、回収した余剰電力を、FC発電部40の発電に必要な熱に変換する。
【0087】
具体的には、余剰電力回収部500は、第二インバータ200の第二DC/DC変換器210と第二DC/AC変換器220との間に接続されたヒータである。つまり、余剰電力回収部500は、第二DC/DC変換器210から出力される直流電流、または商用電力系統80やPV発電部30から第二DC/AC変換器220を介して出力される直流電流によって加熱され、FC発電部40の起動時や通常運転時などに必要な熱として使用される。
【0088】
商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した場合には、PV接続スイッチ300がPV側へ切り替えられるが、この場合でも、PV発電部30からの直流電流がPV接続スイッチ300及び第二DC/AC変換器220を介して余剰電力回収部500に供給される。なお、この場合、図2に示したように、第二DC/AC変換器220は、PV発電部30からの直流電流を、交流電流に変換することなく、直流電流のままで余剰電力回収部500に供給する。
【0089】
これにより、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した場合でも、余剰電力回収部500により、FC発電部40の起動時や通常運転時などに必要な熱を生成することができる。
【0090】
なお、余剰電力が発生していない場合でも、FC発電部40の起動時や通常運転時などに必要な熱が不足している場合には、余剰電力回収部500は、当該必要な熱を生成するための電力を回収することにしてもよい。
【0091】
以上のように、本発明の実施の形態1の変形例1に係る電力供給システム11によれば、負荷70に供給される電力の余剰電力を回収し、回収した余剰電力を、FC発電部40の発電に必要な熱に変換する。これにより、電力供給システム11は、分散型電源が発電した電力に余剰電力が生じた場合でも、当該余剰電力を有効に活用することができる。このため、電力供給システム11によれば、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0092】
(実施の形態1の変形例2)
次に、実施の形態1の変形例2について、説明する。本変形例2では、電力供給システムは、複数の発電部と接続される第一インバータを備えている。
【0093】
図7は、本発明の実施の形態1の変形例2に係る電力供給システム12の構成を示す図である。
【0094】
同図に示すように、電力供給システム12は、図1に示された実施の形態1における第一インバータ100に代えて、第一インバータ101を備えている。また、第一インバータ101は、図1に示された実施の形態1における第一インバータ100が有する第一DC/DC変換器110に代えて、第一DC/DC変換器111〜113を備えている。
【0095】
なお、電力供給システム12が備えるその他の構成については、図1に示された実施の形態1における電力供給システム10が備える構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0096】
第一DC/DC変換器111は、太陽光発電の本体部であるPV発電部31に接続されるDC/DC変換器である。そして、第一DC/DC変換器111は、PV接続スイッチ300を介して、第二インバータ200と電気的に接続可能な構成となっている。
【0097】
第一DC/DC変換器112は、太陽光発電の本体部であるPV発電部32に接続されるDC/DC変換器である。
【0098】
第一DC/DC変換器113は、蓄電池の本体部であるSB発電部33に接続されるDC/DC変換器である。
【0099】
以上のように、本発明の実施の形態1の変形例2に係る電力供給システム12によれば、第一インバータ101に複数の発電部が接続されていても、電流源として動作する第二インバータ200からの直流電流を、電圧源として動作する第一インバータ101の第一DC/DC変換器111に出力することで、第一DC/DC変換器111を介して負荷70へ電力を供給することができる。このため、電力供給システム12によれば、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0100】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について、説明する。本実施の形態2では、電力供給システムは、第二インバータ200の第二DC/DC変換器210から出力される直流電流を第一インバータ100に送ることで、負荷70へ電力を供給する。
【0101】
図8は、本発明の実施の形態2に係る電力供給システム13及び電気機器23の構成を示す図である。
【0102】
同図に示すように、電力供給システム13は、図1に示された実施の形態1における電気機器20に代えて、電気機器23を備えている。また、電気機器23は、図1に示された実施の形態1における電気機器20が有するPV接続スイッチ300及び制御部400に代えて、PV接続スイッチ310及び制御部410を備えている。
【0103】
なお、FC発電部40と電気機器23とで、FCユニット53を構成している。また、電力供給システム13が備えるその他の構成については、図1に示された実施の形態1における電力供給システム10が備える構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0104】
つまり、第二DC/DC変換器210は、FC発電部40が発生する直流電流を所定の電圧の直流電流に変換するDC/DC変換器であり、第二DC/AC変換器220は、第二DC/DC変換器210から出力された直流電流を交流電流に変換するDC/AC変換器である。
【0105】
また、PV接続スイッチ310は、第二DC/DC変換器210の出力側と第一インバータ100の入力側とを接続する電力線の導通状態及び非導通状態を切り替える切替部である。
【0106】
つまり、PV接続スイッチ310は、オンのときに、当該電力線を導通状態にさせ、オフのときに、当該電力線を非導通状態にさせるスイッチである。なお、PV接続スイッチ310は、同図では物理的なスイッチであることとしたが、電気的なスイッチであってもよい。
【0107】
また、上記の第一インバータ100の入力側については、同図では第一DC/DC変換器110の入力側として図示しているが、電圧の調整が不要な場合は、第一DC/AC変換器120の入力側(第一DC/DC変換器110の出力側)としてもよい。
【0108】
制御部410は、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した状態で、PV接続スイッチ310に当該電力線を導通状態にさせ、第二DC/DC変換器210からの直流電流を第一インバータ100へ出力させる。また、制御部410は、第二DC/AC変換器220に、交流電流の出力を停止させるゲートブロック機能も有する。
【0109】
次に、電力供給システム13が負荷70に電力を供給するための動作について、説明する。
【0110】
図9は、本発明の実施の形態2に係る制御部410が負荷70に電力を供給するために行う処理の一例を示すフローチャートである。
【0111】
図10及び図11は、本発明の実施の形態2に係る制御部410が負荷70に電力を供給する処理を説明するための図である。
【0112】
まず、図9に示すように、制御部410は、系統連系ブレーカ81が開放されたか否かを検出する(S202)。つまり、制御部410は、検出部60が、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止したことを検出したか否かを判断する。
【0113】
そして、制御部410は、系統連系ブレーカ81が開放されたことを検出した場合には(S202でYes)、自立運転制御を行うように、第二DC/AC変換器220をゲートブロックする(S204)。つまり、制御部410は、第二DC/AC変換器220に、交流電流の出力を停止させる。
【0114】
そして、制御部410は、PV接続スイッチ310をオンに切り替える(S206)。つまり、制御部410は、第二DC/DC変換器210の出力側と第一インバータ100の入力側とを接続する電力線を導通状態にさせる。
【0115】
具体的には、図10に示すように、系統連系ブレーカ81が開放されて商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止し、かつ、PV発電部30が発電する発電量が所定の閾値より小さい場合を想定する。
【0116】
この場合、負荷70に対して商用電力系統80が電圧源として動作することができない上に、第一インバータ100も電圧源として動作することができないため、FC発電部40が発電を行っていても、電流源としてしか動作できない第二インバータ200からは、負荷70に電力を供給することができない。
【0117】
このため、制御部410は、検出部60を介して、系統連系ブレーカ81が開放されたことを検出した場合に、PV接続スイッチ310をオンに切り替える。これにより、第二DC/DC変換器210から出力された直流電流が第一インバータ100に入力されるので、電圧源として動作する第一インバータ100によって、負荷70へ電力が供給される。
【0118】
また、図9に戻り、制御部410は、系統連系ブレーカ81が開放されていないことを検出した場合には(S202でNo)、系統連系制御を行うように、PV接続スイッチ310をオフに切り替える(S208)。
【0119】
そして、制御部410は、第二DC/AC変換器220をAC出力モードに変更する(S210)。つまり、制御部410は、第二DC/AC変換器220に、ゲートブロックを解除させて、交流電流を出力させる。
【0120】
具体的には、図11に示すように、系統連系ブレーカ81が開放されていない場合には、PV発電部30が発電する発電量が所定の閾値より小さい場合でも、商用電力系統80が電圧源として動作することができるため、第二インバータ200は電流源として動作しても、負荷70に電力を供給することができる。
【0121】
このため、制御部410は、検出部60を介して、系統連系ブレーカ81が開放されていないことを検出した場合に、PV接続スイッチ310をオフに切り替えるとともに、第二DC/AC変換器220に交流電流を出力させる。これにより、第二インバータ200から出力される交流電流を負荷70へ直接供給することができるため、上記の自立運転制御のような第一インバータ100を経由する際の電力損失を低減することができる。
【0122】
以上により、電力供給システム13が負荷70に電力を供給するための動作は、終了する。
【0123】
以上のように、本発明の実施の形態2に係る電力供給システム13によれば、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した状態で、PV接続スイッチ310に、第二インバータ200の第二DC/DC変換器210の出力側と第一インバータ100の入力側とを接続する電力線を導通状態にさせ、第二DC/DC変換器210からの直流電流を第一インバータ100へ出力させる。つまり、電力供給システム13は、第二インバータ200の第二DC/DC変換器210から直流電流を出力させ、第一インバータ100へ送る。これにより、電力供給システム13は、第一インバータ100を電圧源として動作させ、第二インバータ200の第二DC/DC変換器210から出力された電力を第一インバータ100を介して負荷70へ供給することができる。このため、電力供給システム13によれば、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0124】
また、電力供給システム13は、第二DC/AC変換器220に、交流電流の出力を停止させる。これにより、電力供給システム13は、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止している場合には、第二インバータ200から出力される電力を、負荷70側に送ることなく、第一インバータ100に送ることができる。このため、電力供給システム13によれば、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0125】
(実施の形態2の変形例)
次に、実施の形態2の変形例について、説明する。本変形例では、電力供給システムは、FC発電部40が発電した電力の余剰分を回収する機能を有している。
【0126】
図12は、本発明の実施の形態2の変形例に係る電力供給システム14及び電気機器24の構成を示す図である。
【0127】
同図に示すように、電力供給システム14は、図8に示された実施の形態2における電気機器23に代えて、電気機器24を備えている。また、電気機器24は、図8に示された実施の形態2における電気機器23が有する構成に加えて、余剰電力回収部500を備えている。
【0128】
なお、FC発電部40と電気機器24とで、FCユニット54を構成している。また、電力供給システム14が備えるその他の構成については、図8に示された実施の形態2における電力供給システム13が備える構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0129】
余剰電力回収部500は、第二インバータ200に接続され、負荷70に供給される電力から、負荷70に必要な電力を差し引いた余剰電力を回収する。そして、余剰電力回収部500は、回収した余剰電力を、FC発電部40の発電に必要な熱に変換する。
【0130】
具体的には、余剰電力回収部500は、第二インバータ200の第二DC/DC変換器210と第二DC/AC変換器220との間に接続されたヒータである。つまり、余剰電力回収部500は、第二DC/DC変換器210から出力される直流電流、または商用電力系統80から第二DC/AC変換器220を介して出力される直流電流によって加熱され、FC発電部40の起動時や通常運転時などに必要な熱として使用される。
【0131】
商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した場合には、PV接続スイッチ310がオンに切り替えられるが、この場合でも、PV発電部30からの直流電流がPV接続スイッチ310を介して余剰電力回収部500に供給される。これにより、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した場合でも、余剰電力回収部500により、FC発電部40の起動時や通常運転時などに必要な熱を生成することができる。
【0132】
なお、余剰電力が発生していない場合でも、FC発電部40の起動時や通常運転時などに必要な熱が不足している場合には、余剰電力回収部500は、当該必要な熱を生成するための電力を回収することにしてもよい。
【0133】
以上のように、本発明の実施の形態2の変形例に係る電力供給システム14によれば、負荷70に供給される電力の余剰電力を回収し、回収した余剰電力を、FC発電部40の発電に必要な熱に変換する。これにより、電力供給システム14は、分散型電源が発電した電力に余剰電力が生じた場合でも、当該余剰電力を有効に活用することができる。このため、電力供給システム14によれば、商用電力系統80から負荷70への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる。
【0134】
以上、本発明の実施の形態及びその変形例に係る電力供給システム及び電気機器について説明したが、本発明は、この実施の形態及びその変形例に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、異なる実施の形態またはその変形例における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0135】
また、本発明は、このような電力供給システムまたは電気機器として実現することができるだけでなく、当該電力供給システムまたは電気機器に含まれる制御部が行う特徴的な処理をステップとする方法としても実現することができる。また、当該方法に含まれる特徴的な処理をコンピュータに実行させるプログラムや集積回路として実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体及びインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0136】
本発明は、商用電力系統から負荷への電力供給が停止した場合でも、分散型電源が発電した電力を有効に活用することができる電力供給システム等に適用できる。
【符号の説明】
【0137】
10、11、12、13、14 電力供給システム
20、21、23、24 電気機器
30、31、32 PV発電部
33 SB発電部
40 FC発電部
50、51、53、54 FCユニット
60 検出部
70 負荷
80 商用電力系統
81 系統連系ブレーカ
100、101 第一インバータ
110、111、112、113 第一DC/DC変換器
120 第一DC/AC変換器
200 第二インバータ
210 第二DC/DC変換器
220 第二DC/AC変換器
221、222、223、224 スイッチング素子
300、310 PV接続スイッチ
400、410 制御部
500 余剰電力回収部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電力系統からの電力供給が可能な負荷に、電力を発生する第一発電部及び第二発電部から電力を供給するための電力供給システムであって、
前記第一発電部に接続され、前記第一発電部が発生する直流電流を交流電流に変換するインバータであって、電圧源として動作することで前記負荷に電力を供給可能な第一インバータと、
前記第二発電部に接続され、前記第二発電部が発生する直流電流を交流電流に変換するインバータであって、電流源として動作することで前記負荷に電力を供給可能な第二インバータと、
前記第一インバータと前記第二インバータとを接続する電力線の導通状態及び非導通状態を切り替える切替部と、
前記商用電力系統から前記負荷への電力供給が停止した状態で、前記切替部に前記電力線を導通状態にさせ、前記第二インバータに前記電力線を介して直流電流を前記第一インバータへ出力させる制御部と
を備える電力供給システム。
【請求項2】
前記第二インバータは、
前記第二発電部が発生する直流電流を所定の電圧の直流電流に変換するDC/DC変換器と、
前記DC/DC変換器から出力された直流電流を交流電流に変換するためのDC/AC変換器とを備え、
前記切替部は、前記DC/AC変換器の出力側と前記第一インバータの入力側とを接続する電力線の導通状態及び非導通状態を切り替え、
前記制御部は、前記商用電力系統から前記負荷への電力供給が停止した状態で、前記切替部に前記電力線を導通状態にさせ、前記DC/AC変換器に、前記DC/DC変換器から出力された直流電流を交流電流に変換することなく直流電流として前記第一インバータへ出力させる
請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項3】
前記切替部は、前記DC/AC変換器の出力側と前記第一インバータの入力側とを接続する電力線が導通状態である場合に、前記DC/AC変換器の出力側と前記負荷とを接続する電力線を非導通状態とし、前記DC/AC変換器の出力側と前記第一インバータの入力側とを接続する電力線が非導通状態である場合に、前記DC/AC変換器の出力側と前記負荷とを接続する電力線を導通状態とするように、電力線の導通状態及び非導通状態を切り替える
請求項2に記載の電力供給システム。
【請求項4】
前記第二インバータは、
前記第二発電部が発生する直流電流を所定の電圧の直流電流に変換するDC/DC変換器と、
前記DC/DC変換器から出力された直流電流を交流電流に変換するDC/AC変換器とを備え、
前記切替部は、前記DC/DC変換器の出力側と前記第一インバータの入力側とを接続する電力線の導通状態及び非導通状態を切り替え、
前記制御部は、前記商用電力系統から前記負荷への電力供給が停止した状態で、前記切替部に前記電力線を導通状態にさせ、前記DC/DC変換器からの直流電流を前記第一インバータへ出力させる
請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項5】
前記制御部は、さらに、前記DC/AC変換器に、前記交流電流の出力を停止させる
請求項4に記載の電力供給システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記商用電力系統から前記負荷への電力供給が停止し、かつ、前記第一発電部が発電する発電量が所定の閾値より小さい場合に、前記切替部に前記電力線を導通状態にさせ、前記第二インバータに直流電流を前記第一インバータへ出力させる
請求項1〜5のいずれか1項に記載の電力供給システム。
【請求項7】
さらに、
前記商用電力系統から前記負荷への電力供給が停止したか否かを検出する検出部を備え、
前記制御部は、前記検出部が、前記商用電力系統から前記負荷への電力供給が停止したことを検出した場合に、前記切替部に前記電力線を導通状態にさせ、前記第二インバータに直流電流を前記第一インバータへ出力させる
請求項1〜6のいずれか1項に記載の電力供給システム。
【請求項8】
さらに、
前記第二インバータに接続され、前記負荷に供給される電力から前記負荷に必要な電力を差し引いた余剰電力を回収する余剰電力回収部を備え、
前記余剰電力回収部は、回収した前記余剰電力を、前記第二発電部の発電に必要な熱に変換する
請求項1〜7のいずれか1項に記載の電力供給システム。
【請求項9】
前記第二インバータは、燃料電池の本体部である前記第二発電部に接続される
請求項1〜8のいずれか1項に記載の電力供給システム。
【請求項10】
電力を発生する第一発電部及び商用電力系統からの電力供給が可能な負荷に、電力を発生する第二発電部から電力を供給するための電気機器であって、
前記第一発電部は、前記第一発電部が発生する直流電流を交流電流に変換するインバータであって、電圧源として動作することで前記負荷に電力を供給可能な第一インバータに接続されており、
前記電気機器は、
前記第二発電部に接続され、前記第二発電部が発生する直流電流を交流電流に変換するインバータであって、電流源として動作することで前記負荷に電力を供給可能な第二インバータと、
前記第一インバータと前記第二インバータとを接続する電力線の導通状態及び非導通状態を切り替える切替部と、
前記商用電力系統から前記負荷への電力供給が停止した状態で、前記切替部に前記電力線を導通状態にさせ、前記第二インバータに前記電力線を介して直流電流を前記第一インバータへ出力させる制御部と
を備える電気機器。
【請求項1】
商用電力系統からの電力供給が可能な負荷に、電力を発生する第一発電部及び第二発電部から電力を供給するための電力供給システムであって、
前記第一発電部に接続され、前記第一発電部が発生する直流電流を交流電流に変換するインバータであって、電圧源として動作することで前記負荷に電力を供給可能な第一インバータと、
前記第二発電部に接続され、前記第二発電部が発生する直流電流を交流電流に変換するインバータであって、電流源として動作することで前記負荷に電力を供給可能な第二インバータと、
前記第一インバータと前記第二インバータとを接続する電力線の導通状態及び非導通状態を切り替える切替部と、
前記商用電力系統から前記負荷への電力供給が停止した状態で、前記切替部に前記電力線を導通状態にさせ、前記第二インバータに前記電力線を介して直流電流を前記第一インバータへ出力させる制御部と
を備える電力供給システム。
【請求項2】
前記第二インバータは、
前記第二発電部が発生する直流電流を所定の電圧の直流電流に変換するDC/DC変換器と、
前記DC/DC変換器から出力された直流電流を交流電流に変換するためのDC/AC変換器とを備え、
前記切替部は、前記DC/AC変換器の出力側と前記第一インバータの入力側とを接続する電力線の導通状態及び非導通状態を切り替え、
前記制御部は、前記商用電力系統から前記負荷への電力供給が停止した状態で、前記切替部に前記電力線を導通状態にさせ、前記DC/AC変換器に、前記DC/DC変換器から出力された直流電流を交流電流に変換することなく直流電流として前記第一インバータへ出力させる
請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項3】
前記切替部は、前記DC/AC変換器の出力側と前記第一インバータの入力側とを接続する電力線が導通状態である場合に、前記DC/AC変換器の出力側と前記負荷とを接続する電力線を非導通状態とし、前記DC/AC変換器の出力側と前記第一インバータの入力側とを接続する電力線が非導通状態である場合に、前記DC/AC変換器の出力側と前記負荷とを接続する電力線を導通状態とするように、電力線の導通状態及び非導通状態を切り替える
請求項2に記載の電力供給システム。
【請求項4】
前記第二インバータは、
前記第二発電部が発生する直流電流を所定の電圧の直流電流に変換するDC/DC変換器と、
前記DC/DC変換器から出力された直流電流を交流電流に変換するDC/AC変換器とを備え、
前記切替部は、前記DC/DC変換器の出力側と前記第一インバータの入力側とを接続する電力線の導通状態及び非導通状態を切り替え、
前記制御部は、前記商用電力系統から前記負荷への電力供給が停止した状態で、前記切替部に前記電力線を導通状態にさせ、前記DC/DC変換器からの直流電流を前記第一インバータへ出力させる
請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項5】
前記制御部は、さらに、前記DC/AC変換器に、前記交流電流の出力を停止させる
請求項4に記載の電力供給システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記商用電力系統から前記負荷への電力供給が停止し、かつ、前記第一発電部が発電する発電量が所定の閾値より小さい場合に、前記切替部に前記電力線を導通状態にさせ、前記第二インバータに直流電流を前記第一インバータへ出力させる
請求項1〜5のいずれか1項に記載の電力供給システム。
【請求項7】
さらに、
前記商用電力系統から前記負荷への電力供給が停止したか否かを検出する検出部を備え、
前記制御部は、前記検出部が、前記商用電力系統から前記負荷への電力供給が停止したことを検出した場合に、前記切替部に前記電力線を導通状態にさせ、前記第二インバータに直流電流を前記第一インバータへ出力させる
請求項1〜6のいずれか1項に記載の電力供給システム。
【請求項8】
さらに、
前記第二インバータに接続され、前記負荷に供給される電力から前記負荷に必要な電力を差し引いた余剰電力を回収する余剰電力回収部を備え、
前記余剰電力回収部は、回収した前記余剰電力を、前記第二発電部の発電に必要な熱に変換する
請求項1〜7のいずれか1項に記載の電力供給システム。
【請求項9】
前記第二インバータは、燃料電池の本体部である前記第二発電部に接続される
請求項1〜8のいずれか1項に記載の電力供給システム。
【請求項10】
電力を発生する第一発電部及び商用電力系統からの電力供給が可能な負荷に、電力を発生する第二発電部から電力を供給するための電気機器であって、
前記第一発電部は、前記第一発電部が発生する直流電流を交流電流に変換するインバータであって、電圧源として動作することで前記負荷に電力を供給可能な第一インバータに接続されており、
前記電気機器は、
前記第二発電部に接続され、前記第二発電部が発生する直流電流を交流電流に変換するインバータであって、電流源として動作することで前記負荷に電力を供給可能な第二インバータと、
前記第一インバータと前記第二インバータとを接続する電力線の導通状態及び非導通状態を切り替える切替部と、
前記商用電力系統から前記負荷への電力供給が停止した状態で、前記切替部に前記電力線を導通状態にさせ、前記第二インバータに前記電力線を介して直流電流を前記第一インバータへ出力させる制御部と
を備える電気機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−78223(P2013−78223A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217226(P2011−217226)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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