電力情報管理システム
【課題】電力を発電する供給設備が電力の消費先である需要家を指定できる電力管理システムを提供する。
【解決手段】制御サーバ203で供給設備201の電力の需給契約番号と供給設備IDを1対1で対応付けして管理し、該対応付が作成された日時も登録日として保持する。供給設備は発電した電力をあらかじめ設定された比率、最大供給量、期間に応じて特定の需要家202に供給することにより、供給設備が電力を供給したい需要家に発電した電力を供給する。供給情報は、供給情報登録部233から制御サーバに送信することで利用者の意図した任意のタイミングで変更することを可能とする。
【解決手段】制御サーバ203で供給設備201の電力の需給契約番号と供給設備IDを1対1で対応付けして管理し、該対応付が作成された日時も登録日として保持する。供給設備は発電した電力をあらかじめ設定された比率、最大供給量、期間に応じて特定の需要家202に供給することにより、供給設備が電力を供給したい需要家に発電した電力を供給する。供給情報は、供給情報登録部233から制御サーバに送信することで利用者の意図した任意のタイミングで変更することを可能とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術を開示するものとして、特開2002−304443号公報(特許文献1)がある。この公報には、「電力仲介者の電力の仕入先売電者と販売先需要家の決定を支援する電力売買契約支援装置であって、需要家の電力需要量および需要家への販売価格を記録した需要家データベース1と、売電者の電力供給量および売電者からの仕入価格を記録した売電者データベース2と、前記2つのデータベースから、指定された評価基準を満たす販売先需要家と仕入先売電者の組合せを解析的に求める組合せ手段3と、前記組合せ手段で求めた組合せ解を表示する情報表示手段4とを備えた。」と記載されている(要約参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−304443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
背景技術に記載した従来技術では、売電者および発電者である供給設備と電力を消費する需要家との組み合わせを算出することはできるが、供給設備が特定の意図した需要家に電力を供給する組み合わせを算出するための手段については考慮されておらず、供給設備が特定の需要家に電力を供給することができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、その一例として特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、電力を発電する供給設備が電力の消費先である需要家を指定することで、供給設備の意思を反映した電力の需給システムが構築可能であり、その需給システムをベースとした様々なサービスやシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の概要を示す図である。
【図2】本発明のシステム構成を示す図である。
【図3】本発明の制御サーバの供給設備登録情報を示す図である。
【図4】本発明の供給設備-制御サーバ間の供給設備情報登録フローである。
【図5】本発明の需要家の需要家情報を示す図である。
【図6】本発明の制御サーバの需要家登録情報を示す図である。
【図7】本発明の需要家-制御サーバ間の需要家情報登録フローである。
【図8】本発明の供給設備-制御サーバ間の需要家情報取得フローである。
【図9】本発明の供給設定情報を示す図である。
【図10】本発明の供給カレンダーを示す図である。
【図11】本発明の供給設備-制御サーバ間の供給情報登録フローである。
【図12】本発明の需給実績算出フローである。
【図13】本発明の需給実績を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に本発明を実施するための形態を説明する。
【実施例1】
【0009】
本実施例では、電力を発電する供給設備が電力の消費先である需要家を指定できる電力情報管理システムの例について、図1ないし図13を用いて説明する。
【0010】
図1は電力情報管理システムのシステム概要を示す図であり、図2は本実施例のシステム構成を示す図であり、図3は制御サーバの供給設備登録情報を示す図であり、図4は供給設備-制御サーバ間の供給設備情報登録フローであり、図5は需要家の需要家情報を示す図であり、図6は制御サーバの需要家登録情報を示す図であり、図7は需要家-制御サーバ間の需要家情報登録フローであり、図8は供給設備-制御サーバ間の需要家情報取得フローであり、図9は供給設定情報を示す図であり、図10は供給カレンダーを示す図であり、図11は供給設備-制御サーバ間の供給情報登録フローであり、図12は需給実績算出フローであり、図13は需給実績を示す図である。
【0011】
図1において、101,102は発電設備を保持し、発電した電力を供給可能な供給設備Aと供給設備Bである。発電設備とは太陽光発電、風力発電、水力発電、火力発電、原子力発電等の電力を発電可能な設備である。103,104は電力を消費する需要家Aと需要家Bであり、個人住宅、会社や飲食店等の商業施設、学校や病院等の公共施設等がこれに該当する。105は電力の供給量情報と消費量情報を管理し、供給設備と供給設備が指定した需要家との組み合わせにおける電力の需給情報の管理を行う制御サーバである。106は発電された電力の買取りや需要家への売電を管理する電力会社である。供給設備および需要家は制御サーバとネットワーク01で接続され、情報の送受信を行うことができる。供給設備および需要家は電力会社と電力系統02で接続され、電力の授受を行うことができる。
【0012】
図2において、201は供給設備A101および供給設備B102の具体的な構成例を示し、202は需要家A103および需要家B104の具体的な構成例を示し、203は制御サーバ105の具体的な構成例を示している。
【0013】
供給設備201において、205は供給設備201に関する情報の表示や入力等を行うための供給設備情報端末である。具体的には供給設備内に設置された専用端末やパソコン、移動可能な携帯端末等がこれにあたる。供給設備情報端末205はネットワーク01に接続され、制御サーバ203との通信を行う。206は供給設備201内に設置された供給設備固定装置であり、電力を発電する発電装置207と発電された電力量を算出する供給電力メータ208と供給電力メータ208で算出された電力量を制御サーバ203に送信する通信装置209で構成される。供給電力メータ208により算出された電力は電力系統02を通して電力会社に供給される。
【0014】
需要家202において、210は需要家202に関する情報の表示や入力等を行うための需要家情報端末である。具体的には需要家設備内に設置された専用端末やパソコン、移動可能な携帯端末等がこれにあたる。需要家情報端末210はネットワーク01に接続され、制御サーバ203と通信を行う。211は需要家202内に設置された需要家固定装置であり、消費された電力量を算出する需要電力メータ212と需要電力メータ212で算出された電力量を制御サーバ203に送信する通信装置213で構成される。需要家202で消費される電力は電力系統02を通して電力会社から供給される。
【0015】
供給設備情報端末205において、214は制御サーバ203に送信する情報を入力するための入力装置であり、具体的にはタッチパネルやボタン等がこれにあたる。215は制御サーバ203から受信した情報や供給設備情報端末205内の情報を表示するための表示装置であり、具体的には液晶パネル等がこれにあたる。216は制御サーバ203に送信する情報や制御サーバ203から受信した情報を保存する記憶装置であり、具体的にはハードディスクやフラッシュメモリ等がこれにあたる。217は供給設備情報端末205が制御サーバ203との通信を行う通信部である。218は供給設備情報端末205内の各装置や各処理部との情報の入出力や処理命令を行う制御部である。
【0016】
制御サーバ203において、219は供給設備情報端末205や需要家情報端末210から送信された情報や制御サーバ203内で処理された情報の保存を行う記憶装置であり、具体的にはハードディスクやフラッシュメモリ等がこれにあたる。220は供給設備情報端末205や供給設備固定装置206や需要家情報端末210や需要家固定装置211との通信を行う通信部である。221は制御サーバ203内の各装置や各処理部との情報の入出力や処理命令を行う制御部である。
【0017】
需要家情報端末210において、222は制御サーバ203に送信する情報を入力するための入力装置であり、具体的にはタッチパネルやボタン等がこれにあたる。223は制御サーバ203から受信した情報や需要家情報端末210内の情報を表示するための表示装置であり、具体的には液晶パネル等がこれにあたる。224は制御サーバ203に送信する情報や制御サーバ203から受信した情報を保存する記憶装置であり、具体的にはハードディスクやフラッシュメモリ等がこれにあたる。225は需要家情報端末210が制御サーバ203との通信を行う通信部である。226は需要家情報端末210内の各装置や各処理部との情報の入出力や処理命令を行う制御部である。
【0018】
供給設備201が電力会社106と電気供給の契約を結んでいる場合、お客様番号のような、供給設備201を一意に特定できる番号が割り振られている。本発明ではこのお客様番号を需給契約番号とする。需要家202も同様に、電力会社106との電気供給の契約により需給契約番号が割り振られている。需給契約番号は電力会社106が管理する番号であり、個人情報保護の観点からも、制御サーバ203では需給契約番号と1対1に対応するID情報を用いて供給設備201や需要家202を管理する。本発明では供給設備201を一意に特定するためのID情報を供給設備ID、需要家202を一意に特定するためのID情報を需要家IDとする。227から235については、追って詳細を説明する。
【0019】
図3は、制御サーバ203が保持している供給設備登録情報であり、供給設備201の需給契約番号と供給設備IDが1対1に対応付けられ管理されている。この対応付けが作成された日時も登録日として保持される。図2において、227は供給設備201の需給契約番号を制御サーバ203に登録する供給設備情報登録部であり、228は供給設備情報端末205から送信された需給契約番号に1対1に対応するIDを生成し、供給設備IDとして割り振り、記憶装置219に保存する供給設備情報保存部である。供給設備登録情報の作成手順について図4のフローを用いて説明する。
【0020】
図4において、供給設備情報端末205の供給設備情報登録部227は入力装置214に需給契約番号が入力されるのを待ち受ける( ステップ401)。入力装置214に需給契約番号が入力される( ステップ402) 。供給設備201のユーザから入力装置214に需給契約番号が入力されると、供給設備情報登録部227は通信部217経由で需給契約番号を制御サーバ203に送信する(ステップ403)。制御サーバ203の通信部220は供給設備情報端末205から送信された需給契約番号を受信する(ステップ404)。受信した需給契約番号に対する供給設備IDが既に割り振られているかどうかを供給設備情報保存部228は判定する(ステップ405)。需給契約番号に、既に、供給設備IDが割り振られている場合には、既に供給設備登録情報が登録済みであるため、登録されている供給設備登録情報を通信部220経由で供給設備情報端末205に送信する(ステップ407)。需給契約番号に、まだ、供給設備IDが割り振られていない場合は、新規登録であるため、供給設備情報保存部228は供給設備IDを割り振り、供給設備登録情報として記憶装置219に保存する(ステップ406)。供給設備情報保存部228は供給設備登録情報を通信部220経由で供給設備情報端末205に送信する(ステップ407)。供給設備情報端末205の通信部217は制御サーバ203から送信された供給設備登録情報を受信する(ステップ408)。供給設備情報登録部227は制御サーバ203から受信した供給設備登録情報を記憶装置216に保存する(ステップ409) 。供給設備情報登録部227は表示装置215に供給設備登録情報を表示する(ステップ410)。これにより、供給設備201を一意に特定するための供給設備登録情報が制御サーバ203上に保持される。
【0021】
図5は、需要家202が制御サーバ203に登録する需要家設定情報であり、需要家202の需給契約番号と、複数の需要家202をまとめて1つのグループとして設定するための需要家グループIDと、需要家202毎に任意の文字列を設定するための需要家名を持つ。需要家名の具体例としては、飲食店の店舗名、小学校名、会社名、施設名等が挙げられる。
【0022】
図6は、制御サーバ203が保持している需要家登録情報であり、需要家202の需要家設定情報と需要家IDが1対1に対応付けられ管理されている。図2において、229は需要家情報端末210が需要家設定情報を制御サーバ203に登録する需要家情報登録部であり、230は需要家情報端末210から送信された需要家設定情報を基に、需要家IDを割り振り記憶装置224に保存する需要家情報保存部である。需要家登録情報の作成手順について図7のフローを用いて説明する。
【0023】
図7において、需要家情報端末210の需要家情報登録部229は入力装置222に需要家設定情報が入力されるのを待ち受ける(ステップ701)。需要家202のユーザから入力装置222に需要家設定情報が入力される(ステップ702)。入力装置222に需要家設定情報が入力されると、需要家情報登録部229は通信部225経由で需要家設定情報を制御サーバ203に送信する(ステップ703)。制御サーバ203の通信部220は需要家情報端末210から送信された需要家設定情報を受信する(ステップ704)。受信した需要家設定情報に対する需要家IDが既に割り振られているかどうかを需要家情報保存部230は判定する(ステップ705)。需要家登録情報に、既に、需要家IDが割り振られている場合には、既に需要家登録情報が登録済みであるため、登録されている需要家登録情報を通信部220経由で需要家情報端末210に送信する(ステップ707)。需要家設定情報に、また、需要家設備IDが割り振られていない場合は、新規登録であるため、需要家情報保存部230は需要家IDを割り振り、需要家登録情報として記憶装置219に保存する(ステップ706)。需要家情報保存部230は需要家登録情報を通信部220経由で需要家情報端末210に送信する(ステップ707)。需要家情報端末210の通信部225は制御サーバ203から送信された需要家登録情報を受信する(ステップ708)。需要家情報登録部229は制御サーバ203から受信した需要家登録情報を記憶装置224に保存する(ステップ709)。需要家情報登録部229は表示装置223に需要家登録情報を表示する(ステップ710)。これにより、需要家202を一意に特定するための需要家登録情報が制御サーバ203上に保持される。
【0024】
供給設備201が発電した電力の供給先を指定するには、どのような需要家が供給先として指定できるのかを決定する必要がある。供給先の候補である需要家は制御サーバ203の記憶装置219に需要家登録情報として保存されているため、制御サーバ203から需要家登録情報を取得する必要がある。図2において、231は供給設備情報端末205が制御サーバ203から需要家登録情報を取得する需要家情報取得部であり、232は制御サーバ203の記憶装置219に保存された需要家登録を取得し供給設備情報端末205に送信する需要家情報提供部である。供給設備情報端末205が制御サーバ203から需要家登録情報を取得する方法について図8のフローを用いて説明する。
【0025】
図8において、供給設備情報端末205の需要家情報取得部231は入力装置214に需要家登録情報取得要求が入力されるのを待ち受ける(ステップ801)。供給設備201のユーザから入力装置214に需要家登録情報取得要求が入力される(ステップ802)。入力装置214に需要家登録情報取得要求が入力されると、需要家情報取得部231は通信装置217経由で制御サーバに需要家登録情報取得要求を送信する(ステップ803)。需要家登録情報取得要求では、制御サーバ203に登録されている全需要家IDを取得する方法や、需要家IDまたはグループIDを指定した方法や、需要家名の一部または全部を示す文字列が指定する方法等が挙げられる。制御サーバ203の通信部220は供給設備情報端末205から送信された需要家登録情報取得要求を受信する(ステップ804)。需要家情報提供部232は需要家登録情報取得要求の内容に該当する需要家登録情報を記憶装置219から取得する(ステップ805)。需要家登録情報取得要求に全需要家IDが指定されている場合は、全需要家IDを取得し、グループIDが指定されている場合は、そのグループIDの全需要家IDを取得し、需要家名の一部または全部を示す文字列が指定されている場合は、その文字列を含む需要家IDを取得する。需要家情報提供部232はステップ805から需要家登録情報が1件以上取得できたか判定する(ステップ806)。1件以上の需要家登録情報が取得できた場合、需要家情報提供部232は通信部220経由で取得した需要家登録情報を供給設備情報端末205に送信する(ステップ807)。需要家登録情報が0件の場合は、登録されている需要家登録情報が無いため、需要家登録情報無しの情報を通信部220経由で供給設備情報端末205に送信する(ステップ808)。供給設備情報端末205の通信部217は制御サーバ203から1件以上の需要家登録情報を受信する(ステップ809)。1件以上の需要家登録情報を受信した場合、需要家情報取得部231は記憶装置216に需要家登録情報を保存する(ステップ810)。需要家情報取得部231は取得した需要家登録情報の一部または全部を表示措置215に表示する(ステップ811)。制御サーバ203から需要家登録情報無しの情報を供給設備情報端末205の通信部217が受信した場合(ステップ812)、供給先として指定できる需要家が無い事を、需要家情報取得部231は表示措置215に表示する(ステップ813)。これにより供給設備201のユーザは発電した電力の供給先である需要家の候補を取得することができ、この中から供給先を指定することができる。
【0026】
供給設備201のユーザは需要家情報取得部231で取得した需要家の一覧から、実際に発電した電力の供給先を指定し、制御サーバ203に登録する。図2において、233は供給設備201で発電した電力の供給先である需要家に対してどれだけの電力を供給するかという情報が設定された供給情報を制御サーバに登録する供給情報登録部であり、234は供給設備情報端末205から受信した供給情報を記憶装置219に保存する供給情報保存部である。供給設備情報端末205が制御サーバ203に供給情報を登録する方法について図9ないし図11を用いて説明する。
【0027】
図9は、供給設備情報端末205により設定される供給情報である。電力の供給元である供給設備IDと電力の供給先である需要家IDとの組み合わせが設定される。供給設備201で発電された電力のうち何パーセントの電力をどの需要家に供給するかを設定する供給比率が設定できる。需要家毎に最大の電力供給量を設定する最大供給量が設定できる。具体的な使用例として、供給比率により分配された電力量が最大供給量を超える場合は最大供給量の電力が需要家に供給されたと制御サーバ203は算出する。最大供給量を設定しない場合は、供給設備201が供給可能な電力量は供給比率で分配された電力量となる。需要家毎にいつから供給を開始し、いつまで供給するかという供給の期間を設定する、供給開始日と供給終了日が設定できる。制御サーバ203は供給設備情報端末205から受信した供給情報を基に、どの供給設備からどの需要家にどれだけの電力を供給することができるのか判断するための供給カレンダーを作成する。供給カレンダーの例を図10に示す。
【0028】
図10において、ある供給設備で供給日に発電した電力のうち、どれだけの供給比率で最大どれだけの電力をある需要家に供給するかが設定されている。例においては、供給設備IDがS001の供給設備は、2011/1/1に発電した電力のうちの40%または最大供給量10kWのいずれか低い方の電力量を需要家IDがD001の需要家に供給できるということを示している。
【0029】
図11において、ステップ811で表示された需要家登録情報の中から電力を供給したい需要家IDを1件選択する(ステップ1101)。この需要家IDに対して、供給比率、最大供給量、供給開始日、供給終了日を入力装置214から入力する(ステップ1102)。複数の需要家を供給先として指定したい場合に、まだ供給情報を設定していない需要家があるか判定する(ステップ1103)。ある場合はステップ1101、ステップ1102を繰り返し実行し、供給先として指定したい全需要家に対して供給情報の設定を行う。全需要家に対して供給情報を設定した場合、供給情報登録部233は供給比率の整合性確認を行う(ステップ1104)。全需要家に対する供給比率の合計が100%を超える、つまり、発電した電力量より多い電力量を供給することはできないため、整合性の確認を行う。整合性が取れていない場合、ステップ1102で供給比率の再設定を行う。整合性が取れている場合、供給情報登録部233は通信部217経由で制御サーバに供給情報を送信する(ステップ1105)。制御サーバ203の通信部220は供給設備情報端末205から供給情報を受信する(ステップ1106)。供給情報を受信した制御サーバ203は、供給情報保存部234において、受信した供給情報を基に供給カレンダーを作成し、記憶装置219に保存する(ステップ1107)。制御サーバ203は供給カレンダーを登録したことを通信部220経由で供給設備情報端末205に送信する(ステップ1108)。供給設備情報端末205の通信部217は制御サーバから登録結果を受信する(ステップ1109)。供給情報登録部233は供給情報が制御サーバに登録されたことを表示装置215に表示する(ステップ1110)。
【0030】
供給カレンダーに従って、制御サーバ203が供給設備201から供給された電力のうちどれだけの電力量を指定された需要家202に供給したかを実績として算出する方法について説明する。
【0031】
235は、供給設備固定装置206の通信装置209から送信された供給電力量と需要家固定装置211の通信装置213から送信された消費電力量を制御サーバ203の通信装置220経由で定期的に取得し、記憶装置219に保存された供給カレンダーの情報を基に、どの供給設備からどれだけの電力がどの需要家に供給されたかを算出し、需給実績(図13)として記憶装置219に保存する需給実績登録部である。
【0032】
図12は、制御サーバ203の需給実績登録部235により処理される需給実績算出フローである。需給実績登録部235は供給カレンダーに最大供給量が設定されているかを確認する(ステップ1201)。最大供給量が設定されていない場合、供給比率によって配分された後の電力の値に関わらず、需給実績として算出し、記憶装置219に保存する(ステップ1204)。最大供給量が設定されている場合、発電された電力が最大供給量を超えない範囲で需給実績を算出する。最大供給量を超える電力が供給可能な場合に最大供給量を超えた分の供給電力は最終余剰値として算出し(ステップ1202)、最終余剰値を記憶装置219に保存する(ステップ1203)。
【0033】
図13は図12の需給実績算出フローによって算出された需給実績である。供給設備A101の2011/1/2における発電実績は12kWであるが、最大供給量が10kWに設定されているため、需給実績は10kWと算出され、最終余剰値が2kWと算出される。供給設備A101の2011/4/1における発電実績は10kWであり、需要家A103と需要家B104への供給比率は4対6に設定されているため、需給実績は需要家A103に4kW、需要家B104に6kWと算出される。供給設備A101の2011/4/2における発電実績は30kWであり、需要家A103への供給電力は40%の12kWであるが、最大供給量が10kWに設定されているため、需給実績は10kWと算出される。これに対し、需要家B104への需給電力は60%の18kWであり、最大供給量の20kWを超えていないため、需給実績は18kWと算出される。供給設備A101の2011/4/3における発電実績は40kWであり、どちらも最大供給量を超えているため、需給実績は需要家A103に10kW、需要家B104に20kW、最終余剰値が6kWと4kWの合計10kWと算出される。
【0034】
上記処理により、需給契約番号に1対1で対応する供給設備IDと需要家IDを使用し、供給設備は発電した電力をあらかじめ設定された比率、最大供給量、期間に応じて、特定の需要家に供給することができる。これにより、供給設備が電力を供給したい需要家に発電した電力を供給することができ、供給設備の意思を反映した電力情報管理システムを構築することができる。このシステムが構築できることにより、発電した電力の使われ方の選択肢が広がることで発電設備の普及も期待できる。
【0035】
なお、本実施例における、供給情報は利用者の意図した任意のタイミングで変更することが可能であり、供給情報登録部233から制御サーバ203に送信することで供給カレンダーを更新することができる。
【0036】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0037】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0038】
101、102・・・供給設備A、供給設備B
103、104・・・需要家A、需要家B
105・・・制御サーバ
227・・・供給設備情報登録部
228・・・供給設備情報保存部
231・・・需要家情報取得部
233・・・供給情報登録部
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術を開示するものとして、特開2002−304443号公報(特許文献1)がある。この公報には、「電力仲介者の電力の仕入先売電者と販売先需要家の決定を支援する電力売買契約支援装置であって、需要家の電力需要量および需要家への販売価格を記録した需要家データベース1と、売電者の電力供給量および売電者からの仕入価格を記録した売電者データベース2と、前記2つのデータベースから、指定された評価基準を満たす販売先需要家と仕入先売電者の組合せを解析的に求める組合せ手段3と、前記組合せ手段で求めた組合せ解を表示する情報表示手段4とを備えた。」と記載されている(要約参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−304443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
背景技術に記載した従来技術では、売電者および発電者である供給設備と電力を消費する需要家との組み合わせを算出することはできるが、供給設備が特定の意図した需要家に電力を供給する組み合わせを算出するための手段については考慮されておらず、供給設備が特定の需要家に電力を供給することができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、その一例として特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、電力を発電する供給設備が電力の消費先である需要家を指定することで、供給設備の意思を反映した電力の需給システムが構築可能であり、その需給システムをベースとした様々なサービスやシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の概要を示す図である。
【図2】本発明のシステム構成を示す図である。
【図3】本発明の制御サーバの供給設備登録情報を示す図である。
【図4】本発明の供給設備-制御サーバ間の供給設備情報登録フローである。
【図5】本発明の需要家の需要家情報を示す図である。
【図6】本発明の制御サーバの需要家登録情報を示す図である。
【図7】本発明の需要家-制御サーバ間の需要家情報登録フローである。
【図8】本発明の供給設備-制御サーバ間の需要家情報取得フローである。
【図9】本発明の供給設定情報を示す図である。
【図10】本発明の供給カレンダーを示す図である。
【図11】本発明の供給設備-制御サーバ間の供給情報登録フローである。
【図12】本発明の需給実績算出フローである。
【図13】本発明の需給実績を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に本発明を実施するための形態を説明する。
【実施例1】
【0009】
本実施例では、電力を発電する供給設備が電力の消費先である需要家を指定できる電力情報管理システムの例について、図1ないし図13を用いて説明する。
【0010】
図1は電力情報管理システムのシステム概要を示す図であり、図2は本実施例のシステム構成を示す図であり、図3は制御サーバの供給設備登録情報を示す図であり、図4は供給設備-制御サーバ間の供給設備情報登録フローであり、図5は需要家の需要家情報を示す図であり、図6は制御サーバの需要家登録情報を示す図であり、図7は需要家-制御サーバ間の需要家情報登録フローであり、図8は供給設備-制御サーバ間の需要家情報取得フローであり、図9は供給設定情報を示す図であり、図10は供給カレンダーを示す図であり、図11は供給設備-制御サーバ間の供給情報登録フローであり、図12は需給実績算出フローであり、図13は需給実績を示す図である。
【0011】
図1において、101,102は発電設備を保持し、発電した電力を供給可能な供給設備Aと供給設備Bである。発電設備とは太陽光発電、風力発電、水力発電、火力発電、原子力発電等の電力を発電可能な設備である。103,104は電力を消費する需要家Aと需要家Bであり、個人住宅、会社や飲食店等の商業施設、学校や病院等の公共施設等がこれに該当する。105は電力の供給量情報と消費量情報を管理し、供給設備と供給設備が指定した需要家との組み合わせにおける電力の需給情報の管理を行う制御サーバである。106は発電された電力の買取りや需要家への売電を管理する電力会社である。供給設備および需要家は制御サーバとネットワーク01で接続され、情報の送受信を行うことができる。供給設備および需要家は電力会社と電力系統02で接続され、電力の授受を行うことができる。
【0012】
図2において、201は供給設備A101および供給設備B102の具体的な構成例を示し、202は需要家A103および需要家B104の具体的な構成例を示し、203は制御サーバ105の具体的な構成例を示している。
【0013】
供給設備201において、205は供給設備201に関する情報の表示や入力等を行うための供給設備情報端末である。具体的には供給設備内に設置された専用端末やパソコン、移動可能な携帯端末等がこれにあたる。供給設備情報端末205はネットワーク01に接続され、制御サーバ203との通信を行う。206は供給設備201内に設置された供給設備固定装置であり、電力を発電する発電装置207と発電された電力量を算出する供給電力メータ208と供給電力メータ208で算出された電力量を制御サーバ203に送信する通信装置209で構成される。供給電力メータ208により算出された電力は電力系統02を通して電力会社に供給される。
【0014】
需要家202において、210は需要家202に関する情報の表示や入力等を行うための需要家情報端末である。具体的には需要家設備内に設置された専用端末やパソコン、移動可能な携帯端末等がこれにあたる。需要家情報端末210はネットワーク01に接続され、制御サーバ203と通信を行う。211は需要家202内に設置された需要家固定装置であり、消費された電力量を算出する需要電力メータ212と需要電力メータ212で算出された電力量を制御サーバ203に送信する通信装置213で構成される。需要家202で消費される電力は電力系統02を通して電力会社から供給される。
【0015】
供給設備情報端末205において、214は制御サーバ203に送信する情報を入力するための入力装置であり、具体的にはタッチパネルやボタン等がこれにあたる。215は制御サーバ203から受信した情報や供給設備情報端末205内の情報を表示するための表示装置であり、具体的には液晶パネル等がこれにあたる。216は制御サーバ203に送信する情報や制御サーバ203から受信した情報を保存する記憶装置であり、具体的にはハードディスクやフラッシュメモリ等がこれにあたる。217は供給設備情報端末205が制御サーバ203との通信を行う通信部である。218は供給設備情報端末205内の各装置や各処理部との情報の入出力や処理命令を行う制御部である。
【0016】
制御サーバ203において、219は供給設備情報端末205や需要家情報端末210から送信された情報や制御サーバ203内で処理された情報の保存を行う記憶装置であり、具体的にはハードディスクやフラッシュメモリ等がこれにあたる。220は供給設備情報端末205や供給設備固定装置206や需要家情報端末210や需要家固定装置211との通信を行う通信部である。221は制御サーバ203内の各装置や各処理部との情報の入出力や処理命令を行う制御部である。
【0017】
需要家情報端末210において、222は制御サーバ203に送信する情報を入力するための入力装置であり、具体的にはタッチパネルやボタン等がこれにあたる。223は制御サーバ203から受信した情報や需要家情報端末210内の情報を表示するための表示装置であり、具体的には液晶パネル等がこれにあたる。224は制御サーバ203に送信する情報や制御サーバ203から受信した情報を保存する記憶装置であり、具体的にはハードディスクやフラッシュメモリ等がこれにあたる。225は需要家情報端末210が制御サーバ203との通信を行う通信部である。226は需要家情報端末210内の各装置や各処理部との情報の入出力や処理命令を行う制御部である。
【0018】
供給設備201が電力会社106と電気供給の契約を結んでいる場合、お客様番号のような、供給設備201を一意に特定できる番号が割り振られている。本発明ではこのお客様番号を需給契約番号とする。需要家202も同様に、電力会社106との電気供給の契約により需給契約番号が割り振られている。需給契約番号は電力会社106が管理する番号であり、個人情報保護の観点からも、制御サーバ203では需給契約番号と1対1に対応するID情報を用いて供給設備201や需要家202を管理する。本発明では供給設備201を一意に特定するためのID情報を供給設備ID、需要家202を一意に特定するためのID情報を需要家IDとする。227から235については、追って詳細を説明する。
【0019】
図3は、制御サーバ203が保持している供給設備登録情報であり、供給設備201の需給契約番号と供給設備IDが1対1に対応付けられ管理されている。この対応付けが作成された日時も登録日として保持される。図2において、227は供給設備201の需給契約番号を制御サーバ203に登録する供給設備情報登録部であり、228は供給設備情報端末205から送信された需給契約番号に1対1に対応するIDを生成し、供給設備IDとして割り振り、記憶装置219に保存する供給設備情報保存部である。供給設備登録情報の作成手順について図4のフローを用いて説明する。
【0020】
図4において、供給設備情報端末205の供給設備情報登録部227は入力装置214に需給契約番号が入力されるのを待ち受ける( ステップ401)。入力装置214に需給契約番号が入力される( ステップ402) 。供給設備201のユーザから入力装置214に需給契約番号が入力されると、供給設備情報登録部227は通信部217経由で需給契約番号を制御サーバ203に送信する(ステップ403)。制御サーバ203の通信部220は供給設備情報端末205から送信された需給契約番号を受信する(ステップ404)。受信した需給契約番号に対する供給設備IDが既に割り振られているかどうかを供給設備情報保存部228は判定する(ステップ405)。需給契約番号に、既に、供給設備IDが割り振られている場合には、既に供給設備登録情報が登録済みであるため、登録されている供給設備登録情報を通信部220経由で供給設備情報端末205に送信する(ステップ407)。需給契約番号に、まだ、供給設備IDが割り振られていない場合は、新規登録であるため、供給設備情報保存部228は供給設備IDを割り振り、供給設備登録情報として記憶装置219に保存する(ステップ406)。供給設備情報保存部228は供給設備登録情報を通信部220経由で供給設備情報端末205に送信する(ステップ407)。供給設備情報端末205の通信部217は制御サーバ203から送信された供給設備登録情報を受信する(ステップ408)。供給設備情報登録部227は制御サーバ203から受信した供給設備登録情報を記憶装置216に保存する(ステップ409) 。供給設備情報登録部227は表示装置215に供給設備登録情報を表示する(ステップ410)。これにより、供給設備201を一意に特定するための供給設備登録情報が制御サーバ203上に保持される。
【0021】
図5は、需要家202が制御サーバ203に登録する需要家設定情報であり、需要家202の需給契約番号と、複数の需要家202をまとめて1つのグループとして設定するための需要家グループIDと、需要家202毎に任意の文字列を設定するための需要家名を持つ。需要家名の具体例としては、飲食店の店舗名、小学校名、会社名、施設名等が挙げられる。
【0022】
図6は、制御サーバ203が保持している需要家登録情報であり、需要家202の需要家設定情報と需要家IDが1対1に対応付けられ管理されている。図2において、229は需要家情報端末210が需要家設定情報を制御サーバ203に登録する需要家情報登録部であり、230は需要家情報端末210から送信された需要家設定情報を基に、需要家IDを割り振り記憶装置224に保存する需要家情報保存部である。需要家登録情報の作成手順について図7のフローを用いて説明する。
【0023】
図7において、需要家情報端末210の需要家情報登録部229は入力装置222に需要家設定情報が入力されるのを待ち受ける(ステップ701)。需要家202のユーザから入力装置222に需要家設定情報が入力される(ステップ702)。入力装置222に需要家設定情報が入力されると、需要家情報登録部229は通信部225経由で需要家設定情報を制御サーバ203に送信する(ステップ703)。制御サーバ203の通信部220は需要家情報端末210から送信された需要家設定情報を受信する(ステップ704)。受信した需要家設定情報に対する需要家IDが既に割り振られているかどうかを需要家情報保存部230は判定する(ステップ705)。需要家登録情報に、既に、需要家IDが割り振られている場合には、既に需要家登録情報が登録済みであるため、登録されている需要家登録情報を通信部220経由で需要家情報端末210に送信する(ステップ707)。需要家設定情報に、また、需要家設備IDが割り振られていない場合は、新規登録であるため、需要家情報保存部230は需要家IDを割り振り、需要家登録情報として記憶装置219に保存する(ステップ706)。需要家情報保存部230は需要家登録情報を通信部220経由で需要家情報端末210に送信する(ステップ707)。需要家情報端末210の通信部225は制御サーバ203から送信された需要家登録情報を受信する(ステップ708)。需要家情報登録部229は制御サーバ203から受信した需要家登録情報を記憶装置224に保存する(ステップ709)。需要家情報登録部229は表示装置223に需要家登録情報を表示する(ステップ710)。これにより、需要家202を一意に特定するための需要家登録情報が制御サーバ203上に保持される。
【0024】
供給設備201が発電した電力の供給先を指定するには、どのような需要家が供給先として指定できるのかを決定する必要がある。供給先の候補である需要家は制御サーバ203の記憶装置219に需要家登録情報として保存されているため、制御サーバ203から需要家登録情報を取得する必要がある。図2において、231は供給設備情報端末205が制御サーバ203から需要家登録情報を取得する需要家情報取得部であり、232は制御サーバ203の記憶装置219に保存された需要家登録を取得し供給設備情報端末205に送信する需要家情報提供部である。供給設備情報端末205が制御サーバ203から需要家登録情報を取得する方法について図8のフローを用いて説明する。
【0025】
図8において、供給設備情報端末205の需要家情報取得部231は入力装置214に需要家登録情報取得要求が入力されるのを待ち受ける(ステップ801)。供給設備201のユーザから入力装置214に需要家登録情報取得要求が入力される(ステップ802)。入力装置214に需要家登録情報取得要求が入力されると、需要家情報取得部231は通信装置217経由で制御サーバに需要家登録情報取得要求を送信する(ステップ803)。需要家登録情報取得要求では、制御サーバ203に登録されている全需要家IDを取得する方法や、需要家IDまたはグループIDを指定した方法や、需要家名の一部または全部を示す文字列が指定する方法等が挙げられる。制御サーバ203の通信部220は供給設備情報端末205から送信された需要家登録情報取得要求を受信する(ステップ804)。需要家情報提供部232は需要家登録情報取得要求の内容に該当する需要家登録情報を記憶装置219から取得する(ステップ805)。需要家登録情報取得要求に全需要家IDが指定されている場合は、全需要家IDを取得し、グループIDが指定されている場合は、そのグループIDの全需要家IDを取得し、需要家名の一部または全部を示す文字列が指定されている場合は、その文字列を含む需要家IDを取得する。需要家情報提供部232はステップ805から需要家登録情報が1件以上取得できたか判定する(ステップ806)。1件以上の需要家登録情報が取得できた場合、需要家情報提供部232は通信部220経由で取得した需要家登録情報を供給設備情報端末205に送信する(ステップ807)。需要家登録情報が0件の場合は、登録されている需要家登録情報が無いため、需要家登録情報無しの情報を通信部220経由で供給設備情報端末205に送信する(ステップ808)。供給設備情報端末205の通信部217は制御サーバ203から1件以上の需要家登録情報を受信する(ステップ809)。1件以上の需要家登録情報を受信した場合、需要家情報取得部231は記憶装置216に需要家登録情報を保存する(ステップ810)。需要家情報取得部231は取得した需要家登録情報の一部または全部を表示措置215に表示する(ステップ811)。制御サーバ203から需要家登録情報無しの情報を供給設備情報端末205の通信部217が受信した場合(ステップ812)、供給先として指定できる需要家が無い事を、需要家情報取得部231は表示措置215に表示する(ステップ813)。これにより供給設備201のユーザは発電した電力の供給先である需要家の候補を取得することができ、この中から供給先を指定することができる。
【0026】
供給設備201のユーザは需要家情報取得部231で取得した需要家の一覧から、実際に発電した電力の供給先を指定し、制御サーバ203に登録する。図2において、233は供給設備201で発電した電力の供給先である需要家に対してどれだけの電力を供給するかという情報が設定された供給情報を制御サーバに登録する供給情報登録部であり、234は供給設備情報端末205から受信した供給情報を記憶装置219に保存する供給情報保存部である。供給設備情報端末205が制御サーバ203に供給情報を登録する方法について図9ないし図11を用いて説明する。
【0027】
図9は、供給設備情報端末205により設定される供給情報である。電力の供給元である供給設備IDと電力の供給先である需要家IDとの組み合わせが設定される。供給設備201で発電された電力のうち何パーセントの電力をどの需要家に供給するかを設定する供給比率が設定できる。需要家毎に最大の電力供給量を設定する最大供給量が設定できる。具体的な使用例として、供給比率により分配された電力量が最大供給量を超える場合は最大供給量の電力が需要家に供給されたと制御サーバ203は算出する。最大供給量を設定しない場合は、供給設備201が供給可能な電力量は供給比率で分配された電力量となる。需要家毎にいつから供給を開始し、いつまで供給するかという供給の期間を設定する、供給開始日と供給終了日が設定できる。制御サーバ203は供給設備情報端末205から受信した供給情報を基に、どの供給設備からどの需要家にどれだけの電力を供給することができるのか判断するための供給カレンダーを作成する。供給カレンダーの例を図10に示す。
【0028】
図10において、ある供給設備で供給日に発電した電力のうち、どれだけの供給比率で最大どれだけの電力をある需要家に供給するかが設定されている。例においては、供給設備IDがS001の供給設備は、2011/1/1に発電した電力のうちの40%または最大供給量10kWのいずれか低い方の電力量を需要家IDがD001の需要家に供給できるということを示している。
【0029】
図11において、ステップ811で表示された需要家登録情報の中から電力を供給したい需要家IDを1件選択する(ステップ1101)。この需要家IDに対して、供給比率、最大供給量、供給開始日、供給終了日を入力装置214から入力する(ステップ1102)。複数の需要家を供給先として指定したい場合に、まだ供給情報を設定していない需要家があるか判定する(ステップ1103)。ある場合はステップ1101、ステップ1102を繰り返し実行し、供給先として指定したい全需要家に対して供給情報の設定を行う。全需要家に対して供給情報を設定した場合、供給情報登録部233は供給比率の整合性確認を行う(ステップ1104)。全需要家に対する供給比率の合計が100%を超える、つまり、発電した電力量より多い電力量を供給することはできないため、整合性の確認を行う。整合性が取れていない場合、ステップ1102で供給比率の再設定を行う。整合性が取れている場合、供給情報登録部233は通信部217経由で制御サーバに供給情報を送信する(ステップ1105)。制御サーバ203の通信部220は供給設備情報端末205から供給情報を受信する(ステップ1106)。供給情報を受信した制御サーバ203は、供給情報保存部234において、受信した供給情報を基に供給カレンダーを作成し、記憶装置219に保存する(ステップ1107)。制御サーバ203は供給カレンダーを登録したことを通信部220経由で供給設備情報端末205に送信する(ステップ1108)。供給設備情報端末205の通信部217は制御サーバから登録結果を受信する(ステップ1109)。供給情報登録部233は供給情報が制御サーバに登録されたことを表示装置215に表示する(ステップ1110)。
【0030】
供給カレンダーに従って、制御サーバ203が供給設備201から供給された電力のうちどれだけの電力量を指定された需要家202に供給したかを実績として算出する方法について説明する。
【0031】
235は、供給設備固定装置206の通信装置209から送信された供給電力量と需要家固定装置211の通信装置213から送信された消費電力量を制御サーバ203の通信装置220経由で定期的に取得し、記憶装置219に保存された供給カレンダーの情報を基に、どの供給設備からどれだけの電力がどの需要家に供給されたかを算出し、需給実績(図13)として記憶装置219に保存する需給実績登録部である。
【0032】
図12は、制御サーバ203の需給実績登録部235により処理される需給実績算出フローである。需給実績登録部235は供給カレンダーに最大供給量が設定されているかを確認する(ステップ1201)。最大供給量が設定されていない場合、供給比率によって配分された後の電力の値に関わらず、需給実績として算出し、記憶装置219に保存する(ステップ1204)。最大供給量が設定されている場合、発電された電力が最大供給量を超えない範囲で需給実績を算出する。最大供給量を超える電力が供給可能な場合に最大供給量を超えた分の供給電力は最終余剰値として算出し(ステップ1202)、最終余剰値を記憶装置219に保存する(ステップ1203)。
【0033】
図13は図12の需給実績算出フローによって算出された需給実績である。供給設備A101の2011/1/2における発電実績は12kWであるが、最大供給量が10kWに設定されているため、需給実績は10kWと算出され、最終余剰値が2kWと算出される。供給設備A101の2011/4/1における発電実績は10kWであり、需要家A103と需要家B104への供給比率は4対6に設定されているため、需給実績は需要家A103に4kW、需要家B104に6kWと算出される。供給設備A101の2011/4/2における発電実績は30kWであり、需要家A103への供給電力は40%の12kWであるが、最大供給量が10kWに設定されているため、需給実績は10kWと算出される。これに対し、需要家B104への需給電力は60%の18kWであり、最大供給量の20kWを超えていないため、需給実績は18kWと算出される。供給設備A101の2011/4/3における発電実績は40kWであり、どちらも最大供給量を超えているため、需給実績は需要家A103に10kW、需要家B104に20kW、最終余剰値が6kWと4kWの合計10kWと算出される。
【0034】
上記処理により、需給契約番号に1対1で対応する供給設備IDと需要家IDを使用し、供給設備は発電した電力をあらかじめ設定された比率、最大供給量、期間に応じて、特定の需要家に供給することができる。これにより、供給設備が電力を供給したい需要家に発電した電力を供給することができ、供給設備の意思を反映した電力情報管理システムを構築することができる。このシステムが構築できることにより、発電した電力の使われ方の選択肢が広がることで発電設備の普及も期待できる。
【0035】
なお、本実施例における、供給情報は利用者の意図した任意のタイミングで変更することが可能であり、供給情報登録部233から制御サーバ203に送信することで供給カレンダーを更新することができる。
【0036】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0037】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0038】
101、102・・・供給設備A、供給設備B
103、104・・・需要家A、需要家B
105・・・制御サーバ
227・・・供給設備情報登録部
228・・・供給設備情報保存部
231・・・需要家情報取得部
233・・・供給情報登録部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
需要家側の装置に電力を供給する供給設備装置と、電力の需給情報を管理する制御サーバからなる電力情報管理システムであって、
制御サーバは、
供給設備装置と通信可能な通信部と、
供給設備装置を特定する固有情報と1対1に対応する供給設備装置IDを保持する第1の保存部と、
需要家側の装置を特定する固有情報と1対1に対応する需要家側装置IDを保持する第2の保存部と、
供給設備装置IDと、需要家側装置IDと、供給設備装置から需要家側の装置に供給される電力量に関する情報とで構成されるテーブルを保持する第3の保存部と、
制御部と、
を備え、
供給設備装置は、
制御サーバと通信可能な通信部と、
自装置の供給設備装置IDを保持する保存部と、
前記需要家側装置IDに対応する需要家側の装置に供給する電力量に関する情報を入力する入力部と、
制御部と、
を備え、
前記供給設備装置の制御部は、前記通信部において、制御サーバから需要家側装置IDを受信させ、制御サーバに前記入力部で入力される該需要家側装置IDに対する電力量に関する情報を該需要家側装置ID及び供給設備装置IDとともに送信させ、
前記制御サーバの制御部は、前記通信部で、送信された需要家側装置ID、供給設備装置ID及び電力量に関する情報を受信させ、これらを第3の保存部に保持させることを特徴とする電力情報管理システム。
【請求項2】
前記電力量に関する情報は、複数の需要家のうちの1つの需要家における電力の供給比率、電力の最大供給量、電力の供給開始日、あるいは、電力の供給終了日であることを特徴とする請求項1に記載の電力情報管理システム。
【請求項3】
前記制御サーバの制御部は、供給設備装置IDと、需要家側装置IDと、供給設備装置から需要家側の装置に供給される電力量に関する情報を用いたカレンダーを作成し、通信部で、供給設備装置に送信させ、
前記供給設備装置は、さらに表示部を備え、
前記供給設備装置の制御部は、通信部で、前記カレンダーを受信させ、当該カレンダーを表示部で表示させることを特徴とする請求項1に記載の電力情報管理システム。
【請求項1】
需要家側の装置に電力を供給する供給設備装置と、電力の需給情報を管理する制御サーバからなる電力情報管理システムであって、
制御サーバは、
供給設備装置と通信可能な通信部と、
供給設備装置を特定する固有情報と1対1に対応する供給設備装置IDを保持する第1の保存部と、
需要家側の装置を特定する固有情報と1対1に対応する需要家側装置IDを保持する第2の保存部と、
供給設備装置IDと、需要家側装置IDと、供給設備装置から需要家側の装置に供給される電力量に関する情報とで構成されるテーブルを保持する第3の保存部と、
制御部と、
を備え、
供給設備装置は、
制御サーバと通信可能な通信部と、
自装置の供給設備装置IDを保持する保存部と、
前記需要家側装置IDに対応する需要家側の装置に供給する電力量に関する情報を入力する入力部と、
制御部と、
を備え、
前記供給設備装置の制御部は、前記通信部において、制御サーバから需要家側装置IDを受信させ、制御サーバに前記入力部で入力される該需要家側装置IDに対する電力量に関する情報を該需要家側装置ID及び供給設備装置IDとともに送信させ、
前記制御サーバの制御部は、前記通信部で、送信された需要家側装置ID、供給設備装置ID及び電力量に関する情報を受信させ、これらを第3の保存部に保持させることを特徴とする電力情報管理システム。
【請求項2】
前記電力量に関する情報は、複数の需要家のうちの1つの需要家における電力の供給比率、電力の最大供給量、電力の供給開始日、あるいは、電力の供給終了日であることを特徴とする請求項1に記載の電力情報管理システム。
【請求項3】
前記制御サーバの制御部は、供給設備装置IDと、需要家側装置IDと、供給設備装置から需要家側の装置に供給される電力量に関する情報を用いたカレンダーを作成し、通信部で、供給設備装置に送信させ、
前記供給設備装置は、さらに表示部を備え、
前記供給設備装置の制御部は、通信部で、前記カレンダーを受信させ、当該カレンダーを表示部で表示させることを特徴とする請求項1に記載の電力情報管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−46534(P2013−46534A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184258(P2011−184258)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】
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