説明

電力接続装置

【課題】特にタンクまたは圧力容器向けの、運用安全性が向上した電気フィードスルーを提供すること。
【解決手段】電力接続装置が、2つの縦続接続された電流フィードスルーを備え、それにより、フィードスルーの各導体間の電気接続部が、ボリュームの低減した導管内に配置され、その結果、各導体間のすき間が、少なくとも部分的に満たされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に電力接続装置に関し、詳細には、本発明は、特に低電圧および中電圧の範囲で、容器を通してまたは容器の中に大電流を導く電気フィードスルーに関する。
【背景技術】
【0002】
可燃性の危険物を格納または運搬するための容器の場合、容器内に高電力を導くことがしばしば必要になる。たとえば、液化天然ガスをパイプで送り、かつ/または運搬するために、容器の内部に配置された水中ポンプがプラント内で使用される。ポンプに必要な電力を容器の内部に導くために、密閉電気フィードスルーを有する接続装置が使用される。そうするために、通常、圧力容器のフランジ上にフィードスルーがフランジ付けされる。
【0003】
特に、可燃性のガスおよび流体の圧力容器を使用する場合には、したがって、電流フィードスルーが長期間漏れないことが重要である。まさに、爆発性混合ガスを形成することがある可燃性材料を格納する場合には、漏れ自体が非常に少なくて問題ない場合でさえ、フィードスルーの閉鎖領域で混合ガスが形成されることがあるという、さらなるリスクがある。このような領域は、形に合うように作られた保護筺体内で形成されることがある。次いで、デフラグレーションが発生する場合には、フィードスルーが損傷することがあり、その結果、次に可燃性材料が急速に漏れる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、具体的にはタンクまたは圧力容器向けの、特に爆発性混合ガスを形成する材料を格納し運搬するための、運用安全性が向上した電気フィードスルーを形成することが本発明の目的である。この目的は、各独立クレームの主題によって解決される。本発明の有利な実施形態およびさらなる発展形態が、各従属クレームに示してある。
【0005】
本発明によれば、そうするために、特に圧力容器の電力接続向けの電力接続装置が設けられ、この装置は、2つの縦続接続された電力フィードスルーまたは一般には電気フィードスルーをそれぞれ備え、電力フィードスルーの各導体間の電気接続部が導管内に導かれ、その結果、各導体間のすき間が少なくとも部分的に満たされる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
より詳細には、本発明は、容器向けの、特に圧力容器向けの電力接続装置であって、
−第1および第2の電気フィードスルーであって、それぞれが金属フランジを有し、それぞれが、密閉するために絶縁体により軸方向に満たされた少なくとも1つの開口を有し、この絶縁体には、フランジと電気的に絶縁され、この絶縁体から突出している少なくとも1つの導体が配置される、第1および第2の電気フィードスルーを備え、
−各電気フィードスルーは、それぞれいくつかの導体を有し、第1のフィードスルーの導体は、第2の電気フィードスルーの導体とそれぞれ電気的に接触し、また電気接続部を形成し、
−電気接続部の互いに接触している導体端部は、導管内に配置され、様々な電気接続部の導管は、互いに分離されており、その結果、様々な電気接続部の導体端部間のすき間が少なくとも部分的に満たされ、
−2つの電流フィードスルーは、互いに密閉接続され、その結果、各導管は各絶縁体間にチャンバを形成し、各チャンバは、電力接続装置の周囲に対して密閉されている、電力接続装置を提供する。
それにより、各チャンバは、分離して密閉してもよく、または、たとえば導管または他の接続を介して互いに連通してもよい。しかし、両方の場合において、各チャンバの全体が、周囲に対して密閉される。
【0007】
フィードスルーの密閉絶縁体のうちの1つが機能不良を起こす場合でさえ、電力フィードスルーが2つあるので、容器の内容物は依然として漏れることがない。一方で、容器に面する電気フィードスルーの絶縁体が漏れやすくなると、爆発性混合ガスが形成されることがある。特に、動作中、各導体に加えられる電圧が原因で放電する可能性があるので、原則としてデフラグレーションまたは爆発の危険がある。これにより、絶縁体が損傷することもあり、その結果、電力接続装置全体が漏れやすくなる。
【0008】
電力接続装置のこのような機能不良は、各フィードスルー間の導体が、個々のボリュームが共通チャンバのボリュームよりも小さい単一の導管内に進むように回避される。電気的および機械的な要求を考慮すると、個々のチャンバは、可能な限り小さいボリュームを有することが好ましい。そうすることにより、2つのフィードスルー間のすき間の中に形成される密閉されたボリュームは低減されて最小限になる。漏れる場合の爆発性ガスの量もそれに応じて低減するので、それによって生成される圧力は、フィードスルーを損傷するに足るものではない。したがって、縦続接続されたフィードスルーと、各フィードスルーの絶縁体間の導管内を進む導体とを組み合わせることにより、運用安全性が著しく増大する。
【0009】
電力接続装置の耐漏洩性を試験できるようにするために、本発明のさらなる有利な発展形態では、外部から各導管に接続された少なくとも1つの試験用導管が設けられている。外部から各導管に接続された2つの試験用導管を設けることが好ましい。次いで、試験装置は、1つまたはいくつかの試験用導管に接続してもよく、この装置により、容器または周囲からのガスが、それぞれ各導管により2つの電流フィードスルー間に形成されたすき間の内部に到達したかまたは漏れ出したかが判定される。たとえば、天然ガス用の容器には、ガス検出器を接続してもよい。あるいは、内部空間は、導管システムを介して、洗い流してもよく、また不活性な状態にしてもよい。
【0010】
2つの縦続接続された電流フィードスルーにより、容器を2重密閉する機能を確実なものにするために、フィードスルーを試験するために開くことができるバルブを試験用導管に設けることが、さらに目的にかなう。あるいは、また永久に動作可能な洗浄システムまたは監視システムを接続してもよい。
【0011】
デフラグレーションの場合に発生する圧力に対して電流フィードスルーが抵抗する能力をさらに改善するために、2つの電気フィードスルーのうちの少なくとも1つをそれぞれ使用する場合、導体が別々の絶縁体内に配置されることがさらに有利である。両方のフィードスルーが、このように組み立てられることが好ましい。
【0012】
各導体はまた、別々に密閉されたすき間として形成してもよい。好ましくは、各導体は互いに連通してもよい。後者により、単一の試験用導管において試験することによって耐漏洩性の試験がすでに実行されていることになるという利点がある。
【0013】
本発明のさらなる実施形態によれば、絶縁体から突出しており、絶縁体に押しつけられている導体を囲む少なくとも1つのスリーブ形状の絶縁要素が設けられる。各導体を囲む導管の内壁まで間隔があるので、さらには絶縁体によって絶縁されているので、各導体は、フィードスルーの金属フランジに対して原則として電気的に絶縁されている。しかし、電気絶縁は、前述の絶縁要素によって著しく改善されることがあり、それにより、特に導電性の材料からなる混入した汚染物質に対して、可能な限り改善される。フィードスルーのそれぞれの絶縁体上に絶縁要素を押圧することにより、絶縁要素とフィードスルーの絶縁体との密接な接触も特に実現する。こうした理由で、絶縁体が配置される、導体と金属フランジ内の開口の内壁との間の沿面電流は、回避されるか、または少なくとも抑制されることがある。そうするとき、ばね要素またはばね力それぞれにより、絶縁体上またはその表面上に絶縁要素が押圧される場合、さらに特に有利である。絶縁要素が沈降することにより、ばね要素が少々緩む場合でさえ、依然として十分な押圧を保っている。対照的に、絶縁要素がねじ止めされているだけの場合には、絶縁要素のねじ止め、または変形もしくは収縮を解決することにより、結果として、押圧が少なくとも局所的に失われることもある。一般に、各絶縁要素は、ナックルまたは上に突き出た縁部を有することがあり、絶縁要素の円周方向に沿って押圧を等しく分配するために、そこにばね要素が作用する。特に、たとえばPVC、シリコン、またはフッ素化ポリマーのような高絶縁プラスチック材料が、これらの絶縁要素にとって適切な材料である。特に極低温ガスの場合には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が特に適している。
【0014】
平坦な渦巻ばね、引張ばね、円板ばね、または板ばね、ならびにエラストマーばねを、ばね要素として考慮する。たとえば、板ばねとして圧力板を使用してもよく、この圧力板は開口を有し、この開口を通してスリーブ形状の絶縁要素が導かれる。絶縁要素から間隔を空けたねじ止めにより圧力板がフィードスルーに取り付けられ、絶縁要素のナックル上にある場合、曲げ応力が板に加えられ、それによって生成されるスプリング力により、電気フィードスルーの絶縁体上に絶縁要素が押圧される。
【0015】
このようにして取り付けられた絶縁要素は、フィードスルーの外側で使用されることが好ましく、したがって、その他のフィードスルーの側部に面しているフランジの側部が取り付けられる。突出している導体を囲む絶縁要素は、電気フィードスルーの外側に両方設けられることが好ましい。
【0016】
導管内に効率的で省スペースの絶縁を確立するために、それぞれが導管内に配置され互いに差し込まれた2つの絶縁要素を設けてもよく、これらの絶縁要素は、ばねによって離れる方向に押され、その結果、絶縁要素の各端部は、第1および第2の電気フィードスルーの互いに向き合う絶縁体に押しつけられる。
【0017】
導体が中に入り込む導管は、別々のスペーサ片部の中に、または2つの電気フィードスルー間の内部片部の中にも挿入してもよい。しかし、本発明のさらなる実施形態によれば、第1または第2のフィードスルーの各金属フランジのうちの1つに導管が挿入される。このようにして、別々の接続片部が回避され、それによって組立てがより容易になる。
【0018】
組立てを容易にするために、特にロック・ブッシュ接続を設けてもよく、それにより、各フィードスルーが互いに取り付けられ、または固定されているとき、電気フィードスルーに属する各導体は、互いに電気的に接続される。それにより、面倒な内部配線を省略することができるので、電力接続装置は、特に容易なやり方で取り付けることができる。さらに、ラグによる接続と比較して、個々の接続に必要となる空間は著しく狭い。一方で、これにより、導管のボリュームも対応して低減され、爆発性混合ガスのデフラグレーションの場合に、信頼性が改善されるという前述の利点がある。
【0019】
やはり、2つの電気フィードスルーの構成の外側では、プラグ接続が有利であり、これは組立て時に形成される。それに加えて、本発明を発展させることにより、さらに、少なくとも1つの接続フランジが電気フィードスルーのうちの1つに接続され、各プラグ要素を有するプラグ本体が接続フランジ内に配置され、その結果、接続フランジ上にフィードスルーを取り付けることにより、電気フィードスルーの各導体に各プラグ要素が電気的に接触されるようになる。2つの電気フィードスルーの構成が、対応するフランジに接続され、その中で、両側すなわち容器側ならびに接続側でプラグ本体が挿入される。あるいは、接続ボックス内でのラグによる通常の接続が可能である。
【0020】
前述の通り電気絶縁を改善するために、フィードスルーの絶縁体上にあるスリーブ形状の絶縁要素を使用する場合、絶縁耐力を改善するために軸方向に絶縁要素がプラグ本体と重なるなら、さらに好都合である。本発明のさらなる実施形態によれば、それに加えて、スリーブ形状の絶縁要素が、プラグ本体の開口に延在し、その開口内にプラグ要素がそれぞれ配置される。
【0021】
本発明の好ましい一実施形態では、密閉絶縁体は、ガラス融解としての形態である。金属フランジ、および導体内の融解したものへの、非常に密で耐圧性を有する接続部は、ガラス融解によって生成することができる。さらに、このような絶縁体は、ガラス構造のために多孔度が非常に低い。ガラス構造により、絶縁体を介する拡散は回避される。長い動作時間の後でも、たとえば各導管によって形成される、各絶縁体間のすき間の中のメタンの凝集は、天然ガス用の容器を使用すると避けられる。あるいは、しかし、セラミック絶縁体を使用してもよい。
【0022】
例示的な実施形態により、また添付の図を参照して、以下で本発明をより詳細に説明する。それに関して、同じ参照符号は、同じまたは対応する要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】電力接続装置を通して見た概略断面図である。
【図2】図1と比較して、電力接続装置の互いの上に置かれた電気フィードスルーの拡大図である。
【図3】導管を有し、各フィードスルー間のすき間を満たす充填体を備えた一実施形態を示す図である。
【図4】導管を有するスペーサ片部を備える一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明による電力接続装置の一実施形態の横断面図が、図1に示してある。図2には、互いにねじ止めされた2つの電気フィードスルー3、5を有する構成の詳細がさらに示してある。
【0025】
電力接続装置1は、第1の電気フィードスルー3、および第1の電気フィードスルー3とともにねじ止めされた第2の電気フィードスルー5を備え、それぞれが金属フランジ35または55をそれぞれ有する。フィードスルー3、5には、軸方向に開口30、50があり、各シーリングは、それぞれ絶縁体31または51によって満たされている。フランジ35、55に対してそれぞれ電気絶縁されており、絶縁体31、51から突出している導体32または52は、各開口のそれぞれに配置される。導体32、52の突出端部は、参照符号33、34ならびに53、54で示してある。
【0026】
電気フィードスルー3、5はそれぞれ、いくつかの導体を有し、それぞれ1つの導体だけが図1の横断面図で見ることができる。たとえば、電力接続装置は、容器内の水中物を接続するための全体で3つの導体、または他の電気装置を有することができる。
【0027】
2つの導体32、52は互いに電気的に接触しており、その結果、電気接続部を形成している。それにより、互いに接続している電気接続部の導体端部34、54は、フランジ55の開口50によって形成される導管内に配置される。さらなる電気接続部はまた、それ自体の導管内に導かれ、様々な電気接続部の導管が互いに分離され、その結果、様々な電気接続部間のすき間が少なくとも部分的に満たされる。
【0028】
2つの電流フィードスルー3、5は、フランジ35、55の間に挿入されたシーリングおよびねじ21によって互いに密閉接続され、その結果、電力接続装置1の周囲に対して、開口50は、絶縁体32、52の間に密閉チャンバを形成する。それにより、図示していないさらなる開口もまた、開口50と連通してもよい。
【0029】
試験用導管によってガス検出器の接続が可能になり、この検出器により、材料が、容器側のフィードスルー内の漏れを介して、開口50によって形成されるすき間内で、容器から到達したのかどうかを判定することができる。同様に、その他のフィードスルーも、たとえば試験ガスを外側に送り込むことにより、気密度について試験してもよい。各開口が互いに連通している場合、第1のフィードスルー3および第2のフィードスルー5からなる全体の構成の気密度を試験するには、単一の試験用導管で十分である。試験用導管には、周囲に対して開口50を密閉することができるようにするためのバルブ(図示せず)を設けることが好ましい。
【0030】
2つの絶縁要素10、11は、フィードスルー5の開口50によって形成された導管内に配置される。これらの要素は、フィードスルー3と5の間の密閉された内部に配置されているので、これらの絶縁要素10、11は、内部絶縁要素とも呼ばれている。絶縁要素は、高絶縁性の耐熱性材料から作製されることが好ましい。PTFEは、特に適した材料である。
【0031】
絶縁要素10、11は、パイプ形状またはスリーブ形状に形成され、それぞれ上に突き出た縁部100または110を有し、上に突き出た縁部のうちの1つがそれぞれ、絶縁体31または51のうちの1つの上にそれぞれ載っている。渦巻ばね12は、プリテンションがかかった状態で挿入され、その端部を上に突き出た縁部100、110に接した状態で存在しており、その結果、ばねは、縁部100、110に同時に作用し、絶縁要素10、11を、フランジ35、55内の絶縁体31、51の表面上に押圧する。
【0032】
さらに、絶縁要素10、11は様々な直径を有し、その結果、これらは互いに差し込まれてもよく、また導体に沿って軸方向に、互いに対してシフトしてもよい。軸方向に絶縁要素10、11が重なるので、それにより完全な絶縁が実現する。
【0033】
外側では、したがって、容器および電力接続装置1の接続側に面しているフランジ35、55の側では、パイプ形状の絶縁要素17、18も取り付けられる。ここで、絶縁要素17、18を、それらの上に突き出た縁部170、180それぞれにおいて、電気フィードスルー3、5のフランジ35、55内の絶縁体31、51上に堅く押圧するために、ばね要素も設けられる。
【0034】
特に、ここで、圧力板15がばね要素として設けられ、圧力板は、各開口から離れているねじ150により電気フィードスルー3、5のフランジ35または55にそれぞれ取り付けられ、これら開口を通して、スリーブ形状の絶縁要素が差し込まれる。離れて配置されているねじ、およびスリーブ形状の絶縁要素17、18のそれぞれ上に突き出た縁部170、180上の圧力板15の残りにより、圧力板15内で曲げモーメントが生成され、その結果、圧力板15は板ばねとして働く。したがって、この場合も、絶縁体31、51と絶縁要素17、18との間の永久的な押圧が確実になる。
【0035】
図2の詳細図によってもっともよく分かるように、各導体32、52の突出している2つの縁部34、54の間の電気接続部は、ロック・ブッシュ接続によって確立される。例示的に、導体32、52の互いに向き合っている両方の端部34、54は、図2に示す例にあるロック・ブッシュとして形成され、両方のブッシュにロッドが挿入されている。
【0036】
導体32、52が軸方向に位置合わせされているので、組立て中に、電気フィードスルー3、5が互いの上に載るのと同時に、電気接続部が確立される。
【0037】
パイプ70、90を有する接続フランジ7、9は、フィードスルー3、5の金属フランジに取り付けられる。接続フランジ7、9のうちの一方は、容器の接続フランジであるが、もう一方のフランジにおいて、外部接続線がパイプを通って中に導かれている。図に示した例示的な実施形態の場合には、両方のフランジが同様のタイプであり、その結果、フランジ7ならびにフランジ9は、構造に関する限り、主として容器側のフランジでもよい。とりわけ、対面しているフランジにおけるパイプは、保護ハウジングの役割を果たす。少なくとも、容器側フランジと、上部にフランジをつけたフィードスルー3、5との間に、シーリング20または密閉接続部が設けられ、好ましくは接続フランジ7、9の両方に設けられる。
【0038】
プラグ要素41を有するプラグ本体40は、フランジ7、9のパイプ70、90内に挿入され、これらの要素を用いて、パイプ70、90内の各接続ケーブル42が接続される。さらに、プラグ要素41は、取り付け時に、割り当てられた導体32、53との接触を実現するためのラグ固着用に形成される。示した例の場合、プラグ要素41はロック・ブッシュであり、フランジ7、9またはフィードスルー3、5をそれぞれ取り付けるとき、導体32、52がこれらのロック・ブッシュ内に挿入される。
【0039】
絶縁を改善するために、スリーブ形状の絶縁要素17、18、およびプラグ本体40を組み合わせる。示した例の場合、プラグ要素41は、プラグ本体内の開口44中に配置され、絶縁要素17、18が開口44まで延在する。
【0040】
前述の例の場合、各導管は、各フランジのうちの1つのフランジ中に配置される。しかし、さらなる構成も可能であることが依然として自明であり、この構成を用いて、2つのフィードスルー間の密閉された内部ボリュームが、導管の大きさまで実質的に低減され、導管内を単一の電気接続部が進む。
【0041】
1つの実現可能な方法は、導管を有する充填体であり、この充填体で各フィードスルー間の内部ボリュームが満たされる。図3には、こうした例が示してある。この例では、フィードスルー5は、キャップ形状のフランジを有する。内部ボリューム56は、このキャップ形状によって画定される。この内部ボリュームは、充填体57によって少なくとも部分的に満たされ、この充填体は別々の導管58を有し、その中で、それぞれ単一の電気接続部が配置され、ここで再び、ロック・ブッシュ接続を有する導管端部34、54によって構築される。
【0042】
これまでに示した例の場合には、2つのフィードスルーは、互いの上にさらに直接フランジ付けされている。導管を有し、2つのフィードスルーが上にフランジ付けされているスペーサ片部を挿入することもまた可能である。図4には、こうした例が示してある。ここで、フランジの形のスペーサ片部が設けられる。導管61がスペーサ片部60の中に挿入され、その結果、電気接続部の導体端部34、54の間のすき間が、少なくとも部分的に満たされる。
【0043】
2つのフィードスルー3、5をすき間60にフランジ付けするために、チャネル孔62をスペーサ片部60内に設けてもよく、それらの孔を通って、ねじ接続部21のねじが差し込まれる。したがって、2つのフィードスルー3、5は、スペーサ片部60に同時にフランジ付けされる。図4に示す例の場合には、試験用導管14がスペーサ片部60内にも配置される。
【0044】
図4で示す例は、全く同じようにまたは同様に構成された2つの電気フィードスルー3、5を挿入してもよいという効果に対して有利である。
【0045】
本発明は、前述の例に限定されることはなく、実際には、以下の特許請求の範囲に記載の範囲内で、様々な方法で変更してもよいことが当業者には明白である。特に、例示的な実施形態の特徴は、意味あるものとして互いに組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 電力接続装置
3 電気フィードスルー
5 電気フィードスルー
7 接続フランジ
9 接続フランジ
10 内面絶縁要素
11 内面絶縁要素
12 ばね
14 試験用導管
17 外面絶縁要素
18 外面絶縁要素
20 シーリング
21 3、5のねじ止め
30 3、5内の導体用開口
31 3、5の導体
33 31の端部
34 31の端部
35 3、5のフランジ
40 プラグ本体
41 40でのプラグ要素
42 接続ケーブル
44 40での開口
50 3、5内の導体用開口
51 3、5の導体
53 51の端部
54 51の端部
55 3、5のフランジ
56 55での内部ボリューム
57 充填体
58 57での導管
60 スペーサ片部
61 60での導管
62 60でのねじ止め用のチャネル孔
70 7、9でのパイプ
90 7、9でのパイプ
100 10、11の上に突き出た縁部
110 10、11の上に突き出た縁部
170 17、18の上に突き出た縁部
180 17、18の上に突き出た縁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器用の、特に圧力容器用の電力接続装置(1)であって、
−第1および第2の電気フィードスルー(3、5)であって、それぞれが金属フランジ(35、55)を有し、それぞれが、密閉するために絶縁体(31、51)により軸方向に満たされた少なくとも1つの開口(30、50)を有し、この絶縁体には、前記フランジ(35、55)と電気的に絶縁され、前記絶縁体(31、51)から突出している少なくとも1つの導体(32、52)が配置される、第1および第2の電気フィードスルー(3、5)を備え、
−前記電気フィードスルー(3、5)は、それぞれいくつかの導体(32、52)を有し、前記第1のフィードスルー(3)の導体(32)は、前記第2の電気フィードスルー(5)の導体(52)とそれぞれ電気的に接触し、また電気接続部を形成し、
−前記電気接続部の互いに接触している導体端部(34、54)は、導管内に配置され、様々な電気接続部の前記導管は、互いに分離されており、その結果、様々な電気接続部の前記導体端部間のすき間が少なくとも部分的に満たされ、
−前記2つの電流フィードスルー(3、5)は、互いに密閉接続され、その結果、前記導管は前記絶縁体(31、51)間にチャンバを形成し、前記チャンバは、前記電力接続装置の周囲に対して密閉されている電力接続装置(1)。
【請求項2】
前記導管のうちの1つと接続された外部からの少なくとも1つの試験用導管(14)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の電力接続装置。
【請求項3】
前記試験用導管(14)にバルブを設けることを特徴とする、請求項1または2に記載の電力接続装置。
【請求項4】
前記2つの電気フィードスルー(3、5)のうちの少なくとも1つを用いて、導体(32、52)がそれぞれ、別々の絶縁体(31、51)内に配置されることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電力接続装置。
【請求項5】
前記導管は互いに連通していることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電力接続装置。
【請求項6】
少なくとも1つのスリーブ形状の絶縁要素(10、11、17、18)が絶縁体(31、51)に対して押圧され、前記絶縁体(31、51)から突出している前記導体(32、52)を囲んでいることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電力接続装置。
【請求項7】
前記絶縁体に対して前記絶縁要素を押圧するばね要素を備えることを特徴とする、請求項6に記載の電力接続装置。
【請求項8】
前記絶縁要素(10、11、17、18)は、前記ばね要素が作用するナックル(100、110、170、180)を有することを特徴とする、請求項6または7に記載の電力接続装置。
【請求項9】
前記絶縁要素(17、18)から間隔を空けたねじ(150)により前記電気フィードスルー(3、5)に取り付けられる圧力板(15)であって、前記絶縁要素(17、18)のナックル(170、180)を押圧し、その結果、圧力板(15)が曲げ応力の下でセットされ、これによって生成される前記ばねの力が、前記絶縁要素(17、18)を前記電気フィードスルーの前記絶縁体(31、51)上に押圧する、圧力板(15)を備えることを特徴とする、請求項8に記載の電力接続装置。
【請求項10】
それぞれが前記導管内に配置され、互いに差し込まれる2つの絶縁要素(10、11)であって、ばね(12)により離れる方向に押され、その結果、絶縁要素(10、11)の各端部が、前記第1および前記第2の電気フィードスルー(3、5)の互いに向き合う絶縁要素(31、51)に対して押圧される、2つの絶縁要素(10、11)を備えることを特徴とする、請求項6乃至9のいずれか1項に記載の電力接続装置。
【請求項11】
電気接続部の前記導体(32、52)が、ロック・ブッシュ接続により互いに電気的に接触していることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の電力接続装置。
【請求項12】
前記絶縁体(31、51)はガラス溶融部を含むことを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の電力接続装置。
【請求項13】
前記電気フィードスルー(3、5)のうちの1つと接続された少なくとも1つの接続フランジ(7、9)であって、プラグ要素(41)を有するプラグ本体(40)が、接続フランジ(7、9)内に配置され、その結果、前記プラグ要素(41)が、接続フランジ(7、9)上に前記フィードスルー(3、5)を置くことにより、前記電気フィードスルー(3、5)の前記導体(32、52)と電気的に接触している、接続フランジ(7、9)を備えることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の電力接続装置。
【請求項14】
フィードスルー(3、5)の前記絶縁体(31、51)上にある少なくとも1つのスリーブ形状の絶縁要素(17、18)であって、前記プラグ本体(40)の開口内に延在し、この開口内にプラグ要素(41)が配置される、絶縁要素を備えることを特徴とする、請求項13に記載の電力接続装置。
【請求項15】
前記導管は、前記第1または前記第2のフィードスルー(3、5)の前記金属フランジ(35、55)のうちの1つに挿入されることを特徴とする、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の電力接続装置。
【請求項16】
導管を有する充填体であって、前記フィードスルー間の内部ボリュームを満たす充填体を備えることを特徴とする、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の電力接続装置。
【請求項17】
前記導管を有するスペーサ片部であって、前記第1および前記第2のフィードスルーがそのスペーサ片部の上にフランジ付けされるスペーサ片部を備えることを特徴とする、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の電力接続装置。
【請求項18】
請求項1乃至17のいずれか1項に記載の電力接続装置を備えることを特徴とする、特に可燃性の爆発性混合ガスを生成する物質を格納または運搬するためのタンクまたは圧力容器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−220463(P2010−220463A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−48600(P2010−48600)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(504299782)ショット アクチエンゲゼルシャフト (346)
【氏名又は名称原語表記】Schott AG
【住所又は居所原語表記】Hattenbergstr.10,D−55122 Mainz,Germany
【Fターム(参考)】