説明

電力測定器、電力測定方法、電力測定システム、情報処理装置、制御プログラムおよび記憶媒体

【課題】電力測定精度を落とさずに、部品コストおよび製造コストを低減できる電力測定器を提供する。
【解決手段】この電力測定器1は、電源コンセントに接続されるプラグ3と、負荷が接続されプラグ3からの電力を前記負荷に供給するコンセント5と、前記負荷に供給される前記電力を測定する電力測定部9bと、電力測定部9bに関する測定誤差情報を記憶した記憶部11と、電力測定部9bの電力測定値を前記測定誤差情報に基づいて補正する補正部13とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に家庭または事務所において家電機器および事務機器等の消費電力を測定する電力測定器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題などから省エネへの関心が高くなってきており、企業はもちろんのこと、各家庭においても消費電力を確認したいという需要が増えてきている。
【0003】
最近では、エアコン等の家電機器において、その家電機器自体に消費電力を表示する機能を備えたものが発売されているが、何れも高価であり、また他の家電機器の消費電力を測定する事はできない。そのため多くの家電機器においては消費電力を測定する事はできない。
【0004】
多くの家電機器および事務機器(以後、これらをまとめて電気機器と呼ぶ)の消費電力を確認するためには、各コンセント毎に電力測定器を設ける必要がある。このため、各電力測定器は、部品が安価であると共に製造工程に掛かるコストも安価に済ませる必要がある。
【0005】
一般に、各家庭の消費電力は電力会社の設置している測定器により測定され、その測定結果に基づいて毎月の電気料金が請求される。その請求書には、各家庭で使用した消費電力が正確に記載されているため、上記の電力測定器には、精度の高い測定結果が求められる。
【0006】
特許文献1および2には、電力測定器を電源のコンセントと電力測定対象の電気機器との間に挿入してその電気機器の電力を測定し、その電力情報を例えばサーバに送信して蓄積させ、その電力情報を何時でもサーバから確認可能にする構成が開示されている。この様な電力測定器は、ICにより構成されたセンサ部を備えており、そのセンサ部により電力測定対象の電気機器の電圧値および電流値を測定し、それらの測定値から電力値を求めている。
【0007】
この様な電力測定器の電力測定精度を悪化させる要因としては、下記(1)〜(5)が挙げられる。
(1)センサ部での電圧測定精度
(2)センサ部での電流測定精度
(3)センサ部の基準電圧
(4)温度による測定値変移
(5)測定周波数精度
これらの要因のうち(4)に関しては、センサ部に温度センサが備えられており、その温度センサにより周囲温度を測定しその周囲温度に応じて各測定値を自動的に補正する事により、および(4)の要因自体が他の要因(1)〜(3)(5)に比べて影響が小さい事により、使用温度範囲を超えた環境下(例えば−5〜+70℃)においても、実力値が1%以内であり、無視できる事が確認されている。
【0008】
また(5)に関しては、±10ppm以下の精度の水晶を使用する事により、各測定値を補正する必要が無い位にその影響を小さくできる事が確認されている。
【0009】
また(1)〜(3)に関しては、全て初期値補正の問題となる。(1)に関しては、センサ部の個体精度に依存し、実力値として±5%程度発生する。(2)に関しては、センサ部の個体精度に加えてシャント抵抗の抵抗値のバラツキにも依存し、実力値として5%程度発生する。(3)に関しても、センサ部自体の個体精度に依存している。
【0010】
これらを考慮すると、電力測定精度を上げるには、(1)〜(3)だけを考慮すればよく、(1)〜(3)により±10%を超える誤差が発生する。しかしこの誤差は、センサ部の個体精度とシャント抵抗の抵抗値のバラツキとにより発生するので、製造工程において電力測定器の設定に適切な校正を行う事により、上記の誤差をゼロに近づけることが可能である。
【0011】
より詳細には、消費電力は、(1)の測定電圧値と(2)の測定電流値とを(3)の基準電圧と比較して電力情報となるため、製造工程において、測定電圧値、測定電流値および基準電圧の何れか一つのパラメータを校正すれば、(1)〜(3)により発生する誤差をゼロに近づける事ができる。
【0012】
従来の電力測定器では、図7の様な校正回路200を備える事により、上記の誤差をゼロに近づけていた。この校正回路200は、センサ部の電圧測定回路に挿入され、電流測定の誤差および基準電圧の誤差も含めた状況で、電力測定の誤差を校正する回路である。
【0013】
即ち、精度の良い電気機器を電力測定器のコンセント部に接続し、その電気機器に一定電力を消費させる。その時に適切な電力情報が出力される様に校正回路200全体の抵抗値を調整し、これによって電圧測定回路に印加される電圧を調整する事により、電力測定の誤差を校正する(即ち誤差をゼロに近づける)。
【0014】
尚、この校正回路200は、図7の様に抵抗ネットワークとなっており、各抵抗A〜Eに直列接続された各スイッチS1〜S5をオン/オフする事により、電圧測定回路の出力電圧V2outを電力測定の誤差がゼロになる様に調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2010−230330号公報(2010年11月14日公開)
【特許文献2】特開平8−184616号公報(1996年7月16日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、上記の校正回路200では、実際には、コストの観点から各スイッチS1〜S5はパターンランドだけであり、そのパターンランドを半田によりオープン/ショートさせる事によりオン/オフさせている。またそれら各スイッチS1〜S5を可変抵抗器に変える事は、信頼性および長期安定性(長期的に値がずれてしまう)の観点から適当ではない。
【0017】
この様に校正回路200を用いて電力測定精度を上げるには、抵抗数およびスイッチ数を増やせばよいが、その様にすると、部品コストが増加し、且つスイッチのオン/オフの切り替え作業(即ち半田でショートさせる作業)の時間が増加して製造工程のコストも増加する。
【0018】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、電力測定精度を落とさずに、部品コストおよび製造コストを低減できる電力測定器、電力測定方法、電力測定システム、情報処理装置、制御プログラム、および、記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明に係る電力測定器は、上記課題を解決するために、電源コンセントに接続されるプラグと、負荷が接続され前記プラグからの電力を前記負荷に供給するコンセントと、前記負荷に供給される前記電力を測定する電力測定手段と、前記電力測定手段に関する測定誤差情報を記憶した記憶手段と、前記電力測定手段の電力測定値を前記測定誤差情報に基づいて補正する補正手段と、を備えることを特徴としている。
【0020】
上記の構成によれば、記憶手段に測定誤差情報が記憶され、補正手段により、前記測定誤差情報に基づいて電力測定手段の電力測定値が補正される。即ち、従来の様なハード的な方法を用いずに(即ちソフト的な方法を用いて)電力測定値が補正される。よって、電力測定精度を落とさずに、部品コストおよび製造コストを低減できるという効果を奏する。
【0021】
また、本発明に係る電力測定器は、前記記憶手段は所定の負荷の電力値を記憶しており、前記所定の負荷が前記コンセントに接続された場合の前記電力測定手段の電力測定値と前記電力値とから前記測定誤差情報を算出する算出手段と、を更に備えることが好ましい。
【0022】
上記の構成によれば、記憶手段に所定の負荷の電力値が記憶され、算出手段により、前記所定の負荷がコンセントに接続された場合の電力測定手段の電力測定値と前記電力値とから測定誤差情報が算出される。よって、電力測定器において正確な測定誤差情報を得る事ができる。
【0023】
また、本発明に係る電力測定器は、人の操作を受け付ける操作受付手段を更に備え、前記算出手段は、前記操作受付手段に入力された特定の操作に応じて前記測定誤差情報を算出することが好ましい。
【0024】
上記の構成によれば、操作受付手段に入力された特定の操作に応じて測定誤差情報が算出されるので、特定の操作の内容を知る人だけが測定誤差情報を設定できる。従って、利用者が勝手に測定誤差情報を書き換える事を防止できる。
【0025】
また、本発明に係る電力測定器は、所定の情報処理装置との間で通信を行う第1通信手段を更に備え、前記算出手段は、前記第1通信手段を介して前記所定の情報処理装置から受信した指示に応じて、前記測定誤差情報を算出することが好ましい。
【0026】
上記の構成によれば、第1通信手段を介して所定の情報処理装置から受信した指示に応じて測定誤差情報が算出されるので、所定の情報処理装置を用いて外部からの指示により、測定誤差情報を設定できる。
【0027】
また、本発明に係る電力測定器は、前記第1通信手段が受信した認証情報と予め設定された認証情報とを照合する照合手段を更に備え、前記記憶手段は、前記照合手段による照合が一致する場合だけ、前記記憶手段への測定誤差情報の書き込みを許可することが好ましい。
【0028】
上記の構成によれば、照合手段により、第1通信手段が受信した認証情報と予め設定された認証情報とが照合され、照合手段の照合が一致する場合だけ、記憶手段への測定誤差情報の書き込みが許可されるので、認証情報を知る人だけが測定誤差情報を設定できる。従って、利用者が勝手に測定誤差情報を書き換える事を防止できる。
【0029】
また、本発明に係る電力測定器は、電源コンセントに接続されるプラグと、負荷が接続され前記プラグからの電力を前記負荷に供給するコンセントと、前記負荷に供給される前記電力を測定する電力測定手段と、所定の情報処理装置から送信される前記電力測定手段に関する測定誤差情報を受信する第1通信手段と、前記電力測定手段の電力測定値を前記測定誤差情報に基づいて補正する補正手段と、を備えることを特徴としている。
【0030】
上記の構成によれば、第1通信手段により、所定の情報処理装置からの測定誤差情報が受信され、補正手段により、電力測定手段の電力測定値が前記測定誤差情報に基づいて補正される。即ち、従来の様なハード的な方法を用いずに(即ちソフト的な方法を用いて)電力測定値が補正される。よって、電力測定精度を落とさずに、部品コストおよび製造コストを低減できる。
【0031】
また測定誤差情報は、第1通信手段により所定の情報処理装置から受信される(即ち電力測定器に記憶されない)ので、電力測定器において測定誤差情報を記憶する分の記憶容量を低減でき、電力測定器の部品コストを低減できる。
【0032】
また、本発明に係る電力測定システムは、上記に記載の電力測定器と、前記電力測定器と通信可能な情報処理装置と、を備える電力測定システムであって、前記電力測定器の前記第1通信手段は、前記電力測定器の識別情報を前記情報処理装置に送信し、前記情報処理装置は、前記電力測定手段に関する前記測定誤差情報および前記電力測定器の前記識別情報を互いに対応させて記憶した第1記憶手段と、前記第1通信手段からの前記識別情報を受信する第2通信手段と、前記第2通信手段が受信した前記識別情報に対応する前記測定誤差情報を選択する選択手段と、を備え、前記第2通信手段は、前記選択手段が選択した前記測定誤差情報を前記第1通信手段に送信することが望ましい。
【0033】
上記の構成によれば、情報処理装置の第1記憶手段に測定誤差情報が記憶されるので、電力測定器において測定誤差情報を記憶する分の記憶容量を低減でき、部品コストを低減できる。
【0034】
また情報処理装置の第1記憶手段には、測定誤差情報および識別情報が互いに対応付けられて記憶され、選択手段により、前記第1記憶手段に記憶された測定誤差情報の中から、第2通信手段が受信した識別情報に対応するものが選択され、その選択された測定誤差情報が第2通信手段により電力測定器に送信されるので、前記第1記憶手段において複数の電力測定器の測定誤差情報を混同する事無く記憶する事ができる。
【0035】
また、本発明に係る電力測定システムは、負荷の電力を測定する電力測定器と、前記電力測定器と通信可能な情報処理装置と、を備える電力測定システムであって、前記電力測定器は、電源コンセントに接続されるプラグと、負荷が接続され前記プラグからの電力を前記負荷に供給するコンセントと、前記負荷に供給される前記電力を測定する電力測定手段と、前記電力測定手段の電力測定値および前記電力測定器の識別情報とを前記情報処理装置に送信する第1通信手段と、を備え、前記情報処理装置は、前記電力測定手段に関する測定誤差情報および前記電力測定器の識別情報を互いに対応させて記憶する第1記憶手段と、前記第1通信手段からの前記電力測定値および前記識別情報を受信する第2通信手段と、前記第2通信手段が受信した前記識別情報に対応する前記測定誤差情報を選択する選択手段と、前記第2通信手段が受信した前記電力測定値を、前記選択手段が選択した前記測定誤差情報に基づいて補正する補正手段と、を備えることを特徴としている。
【0036】
上記の構成によれば、電力測定器では、電力測定手段の電力測定値が第1通信手段により情報処理装置に送信され、情報処理装置では、第1記憶手段に測定誤差情報が記憶されており、補正手段により、前記測定誤差情報に基づいて電力測定手段の電力測定値が補正される。即ち、従来の様なハード的な方法を用いずに(即ちソフト的な方法を用いて)電力測定値が補正される。よって、電力測定精度を落とさずに、部品コストおよび製造コストを低減できる。
【0037】
また情報処理装置の第1記憶手段に測定誤差情報が記憶される(即ち電力測定器に測定誤差情報が記憶されない)ので、その分、電力測定器の記憶容量を低減でき、電力測定器のコストを削減できる。
【0038】
また電力測定器では、第1通信手段により電力測定値と識別情報とを情報処理装置に送信し、情報処理装置では、第1記憶手段により測定誤差情報と識別情報とを対応させて記憶し、補正手段により、電力測定器からの電力測定値を電力測定器からの識別情報に対応する電力誤差情報を用いて補正する。よって、情報処理装置において、複数の電力測定器の電力測定値を混同すること無く補正できる。
【0039】
また情報処理装置で電力測定値の補正が行われるので、電力測定器の処理負担を軽減できる。
【0040】
また、本発明に係る電力測定システムは、前記電力測定器は、所定の負荷の電力値を記憶した第2記憶手段と、前記所定の負荷が前記コンセントに接続された場合の前記電力測定手段の電力測定値と前記電力値とから前記測定誤差情報を算出する算出手段と、を更に備え、前記第1通信手段は、前記測定誤差情報および前記電力測定器の識別情報を前記情報処理装置に送信し、前記測定誤差情報および前記識別情報は互いに対応付けられて前記第1記憶手段に記憶されることが好ましい。
【0041】
上記の構成によれば、電力測定器では、第2記憶手段に所定の負荷の電力値が記憶され、算出手段により、前記所定の負荷がコンセントに接続された場合の電力測定手段の電力測定値と前記電力値とから測定誤差情報が算出される。よって、電力測定器において正確な測定誤差情報を得る事ができる。
【0042】
また電力測定器の第1通信手段により、その算出された測定誤差情報が電力測定器の識別情報と共に情報処理装置に送信され、それら測定誤差情報および識別情報は互いに対応されて情報処理装置の第1記憶手段に記憶される。よって、情報処理装置では、複数の電力測定器からの測定誤差情報を混同すること無く記憶できる。
【0043】
また、本発明に係る電力測定システムは、前記電力測定器の前記第1通信手段は、所定の負荷が前記コンセントに接続された場合の前記電力測定手段の電力測定値を前記第2通信手段に送信し、前記情報処理装置は、前記所定の負荷の電力値を記憶した記憶手段と、前記電力値と前記第2通信手段が受信した前記電力測定値とから前記測定誤差情報を算出する算出手段と、を備えることが好ましい。
【0044】
上記の構成によれば、電力測定器では、第1通信手段により、所定の負荷がコンセントに接続された場合の電力測定手段の電力測定値を情報処理装置に送信し、情報処理装置では、記憶手段に所定の負荷の電力値が記憶されており、算出手段により、前記電力測定値と前記電力値とから測定誤差情報が算出される。よって、情報処理装置において、電力測定器に関する測定誤差情報を正確に算出できる。
【0045】
また情報処理装置により測定誤差情報が算出される(即ち電力測定器により測定誤差情報が算出されない)ので、電力測定器の処理負担を軽減できる。
【0046】
また、本発明に係る情報処理装置は、所定の電力測定器に関する測定誤差情報および前記所定の電力測定器の識別情報を互いに対応させて記憶する記憶手段と、前記所定の電力測定器から送信される電力測定値および識別情報を受信する通信手段と、前記通信手段が受信した前記識別情報に対応する前記測定誤差情報を選択する選択手段と、前記通信手段が受信した前記電力測定値を、前記選択手段が選択した前記測定誤差情報に基づいて補正する補正手段と、を備えることを特徴としている。
【0047】
上記の構成によれば、情報処理装置では、記憶手段に測定誤差情報が記憶されており、補正手段により、前記測定誤差情報に基づいて電力測定手段の電力測定値が補正される。即ち、従来の様なハード的な方法を用いずに(即ちソフト的な方法を用いて)電力測定値が補正される。よって、電力測定精度を落とさずに、部品コストおよび製造コストを低減できる。
【0048】
また、本発明に係る情報処理装置は、前記記憶手段には所定の負荷の電力値が記憶されており、前記電力値と前記通信手段が受信した前記所定の負荷に対する電力測定値とから前記測定誤差情報を算出する算出手段と、を備えることが望ましい。
【0049】
上記の構成によれば、情報処理装置では、記憶手段に所定の負荷の電力値が記憶され、算出手段により、前記電力値と、通信手段が受信した前記所定の負荷に対応した電力測定値とから測定誤差情報が算出される。よって、情報処理装置において正確な測定誤差情報を得る事ができる。
【0050】
尚、上記電力測定器、電力測定システムおよび情報処理装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記電力測定器および電力測定システムの各手段として動作させることにより、上記電力測定器および電力測定システムをコンピュータにて実現させる制御プログラムおよびそれを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体も本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0051】
以上のように、本発明に係る電力測定器は、電源コンセントに接続されるプラグと、負荷が接続され前記プラグからの電力を前記負荷に供給するコンセントと、前記負荷に供給される前記電力を測定する電力測定手段と、前記電力測定手段に関する測定誤差情報を記憶した記憶手段と、前記電力測定手段の電力測定値を前記測定誤差情報に基づいて補正する補正手段と、を備えた構成である。
【0052】
よって、電力測定精度を落とさずに、部品コストおよび製造コストを低減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電力測定器の構成概略図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る電力測定器の外観の一例図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る電力測定システムの構成概略図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る電力測定システムの構成概略図である。
【図5】本発明の第4実施形態に係る電力測定システムの構成概略図である。
【図6】本発明の第5実施形態に係る電力測定システムの構成概略図である。
【図7】校正回路の一例図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態について図1および図2に基づいて説明すると以下の通りである。まず、本実施形態の電力測定器1の概要について、図1および図2に基づいて説明する。
【0055】
(電力測定器1の概要)
本実施形態に係る電力測定器1Aは、電源コンセントと負荷(家電機器または事務機器などの電気機器)との間に介在されて前記負荷の電力を測定するものであり、図1に示す様に、プラグ3と、コンセント5と、電源部7と、センサ部9と、記憶部11(記憶手段)と、補正部13(補正手段)と、スイッチ15(操作受付手段)と、通信部17(通信手段)と、算出部21(算出手段)と、スイッチ信号処理部22と、ランプ制御部23と、LED等のランプ25とを備えている。
【0056】
またこの電力測定器1は、図2の様に、例えば略立方体状で中空の筐体22を備えている。筐体22内には、各部7,9,11,13,17,21,22,23が収容配設されている。また筐体22の背面22aには、プラグ3が突出状に配置されている。また筐体22における背面22aの反対側の面22bには、コンセント5および例えば2つのランプ25が配置されている。また筐体22の一側面22cには、スイッチ15が配置されている。
【0057】
プラグ3は、所定の電源コンセント(図示省略)に着脱自在に接続されるものである。コンセント5は、電力測定対象となる負荷(図示省略)の電源用プラグが着脱自在に接続されるものである。プラグ3の一方の雄型端子3aは、配線4aを介してコンセント5の一方の雌型端子5aに接続され、またプラグ3の他方の雄型端子3bは、配線4bを介してコンセント5の他方の雌型端子5bに接続されている。
【0058】
これにより、プラグ3が前記電源コンセントに接続され、且つコンセント5に前記負荷が接続される事により、前記電源コンセントからの電力がプラグ3、各配線4a,4bおよびコンセント5を介して前記負荷に供給される。
【0059】
電源部7は、プラグ3からの電力を各部9,11,13,15,17,21,22,23,25に供給するものである。より詳細には、電源部7は、プラグ3から出力される交流電圧(例えば100V)を分岐し、その分岐した出力を前記各部に必要な直流電圧に変換して前記各部に出力する。ここでは、電源部7は、プラグ3からの交流電圧をセンサ部9に必要な直流電圧(例えば5V)に変換するAC/DC回路部7aと、AC/DC回路部7aの出力電圧を各部11,13,15,17,21,22,23,25に必要な直流電圧(例えば3.3V)に変換するDC/DC回路部7bとを備えている。
【0060】
ここでは例えば、プラグ3が前記電源コンセントに接続されると、電源部7から各部9,11,13,15,17,21,22,23,25への電力供給が自動的に開始され、これにより電力測定器1が作動する。
【0061】
センサ部9は、コンセント5側で消費される電力(即ち負荷に供給される電力)を測定する回路であり、シャント抵抗9aと、電力測定部9b(電力測定手段)とを備えている。
【0062】
シャント抵抗9aは、例えば1mΩ程度の抵抗値の小さな抵抗である。シャント抵抗9aは、各配線4a,4bの一方(例えば4b)において、例えばコンセント5付近の位置に直列に接続されている。
【0063】
電力測定部9bは、シャント抵抗9aの両端間の電圧を測定し、その測定値に基づいてシャント抵抗9aに流れる電流(即ちコンセント5に流れる電流)を測定する。また電力測定部9bは、各配線4a,4b間の電圧(即ちコンセント5に印加される電圧)を測定する。そして電力測定部9bは、その測定した電流および電圧を積算して、コンセント5側で消費される電力を測定する。尚、この測定された電力には、電力測定器1の電力は含まれない。
【0064】
記憶部11は、例えば不揮発性メモリであり、電力測定部9bに関する測定誤差情報、および正確な電力値が既知である所定の負荷の前記電力値を記憶する。
【0065】
スイッチ15は、人による電力測定器1に対する各種の操作を受け付けるものであり、例えばプッシュキーにより構成されている。
【0066】
補正部13は、スイッチ15に入力された操作に応じて、記憶部11に記憶された上記の測定誤差情報に基づいて、電力測定部9bの電力測定値を補正する。
【0067】
通信部17は、補正部13が補正した電力測定値(以後、電力情報と呼ぶ)を例えばRF信号に変換して所定の情報処理装置(例えばサーバ)19に送信する。
【0068】
尚、情報処理装置19では、通信部17からの電力情報が蓄積される。情報処理装置19に蓄積された電力情報は、情報処理装置19に対して所定の操作を行う事により、情報処理装置19に備えられた所定の表示部に表示させる事ができる。尚、情報処理装置19で、複数の電力測定器1の電力情報を蓄積する場合は、電力測定器1の電力情報と電力測定器1の識別情報とを情報処理装置19に送信し、情報処理装置19では、電力情報と識別情報とを対応させて蓄積させればよい。
【0069】
尚ここでは、電力測定器1と情報処理装置19との間の通信は、例えばRF信号を使用した無線により行われるが、LANケーブル等を使用した有線により行われてもよい。
【0070】
またここでは、電力情報を情報処理装置19に蓄積させたが、電力測定器1の記憶部11に電力情報を蓄積させてもよく、更に電力測定器1に電力情報を表示する表示部を備えさせて、その表示部に電力情報を表示させてもよい。
【0071】
算出部21は、スイッチ15に入力された操作に応じて、コンセント5に上記の所定の負荷が接続された場合の電力測定部9bの電力測定値と、記憶部11に記憶された上記の電力値との差(=電力測定値−電力値)を求め、その差から電力測定部9bに関する測定誤差情報(=(電力測定値−電力値)/電力値)を求め、記憶部11に記憶する。尚、記憶部11に既に測定誤差情報が記憶されている場合は、その上から上書きされて記憶される。
【0072】
尚、補正部13では、測定誤差情報を用いて電力測定値が補正される。その補正には、例えば、電力測定値/(1+測定誤差情報)の演算式が用いられる。
【0073】
スイッチ信号処理部22は、スイッチ15に入力された操作に応じて、例えば、補正部13および算出部21の作動/停止を制御するものである。より詳細には、スイッチ信号処理部22は、例えばスイッチ15に特定の操作が入力された場合は、補正部13を停止させ且つ算出部21を作動させる(即ち測定誤差情報の設定モードに切り替える)。これにより、算出部21は、上述の様に、測定誤差情報を算出しその算出結果を記憶部11に記憶する。
【0074】
またスイッチ信号処理部22は、スイッチ15に上記の特定の操作が入力されない場合は、補正部13を作動させ且つ算出部21を停止させる(即ちコンセント5に接続された負荷の電力を測定する電力測定モードになる)。これにより、補正部13は、上述の様に、記憶部11に記憶された測定誤差情報に基づいて電力測定部9bの電力測定値を補正し、その補正結果を通信部17から情報処理装置19に送信する。
【0075】
ランプ制御部23は、補正部13,算出部21および通信部17等の各々の動作状態を検知し、その検知結果に応じてランプ25の点灯パターンを変化させる。これにより、ランプ25の点灯パターンにより、電力測定器1の現在の動作状態を利用者に知らせる事ができる。
【0076】
(測定誤差情報の設定手順)
次に図1に基づいてこの電力測定器1の測定誤差情報の設定手順を説明する。
【0077】
プラグ3を所定の電源コンセントに接続して電力測定器1を作動させる。これにより、算出部21は停止したままで補正部13が作動して電力測定モードになる。即ち電力測定器1の作動開始時は自動的に電力測定モードになる。そしてスイッチ15に特定の操作を入力して、電力測定器1の動作モードを測定誤差情報の設定モードに切り替える。これにより、補正部13は停止し、算出部21が作動する。
【0078】
そしてコンセント5に所定の負荷(即ち記憶部11に記憶された電力値(例えば300W)と同じ電力値の負荷)を接続する。これにより、電力測定部9bにより前記所定の負荷の電力が測定され、算出部21により、電力測定部9bで測定された当該電力測定値(例えば330W)と、記憶部11に予め記憶された電力値(例えば300W)との差(+30W)が求められ、その差から電力測定部9bに関する測定誤差情報(=(330W−300W)/300W=+0.1=+10%)が求められて記憶部11に記憶される。
【0079】
そして、プラグ3が前記所定の電源コンセントから外され、コンセント5から前記所定の負荷が外される。この様にして測定誤差情報の設定が行われる。尚、この測定誤差情報の設定は、例えば製造会社側で行われる。この様にスイッチ15に特定の操作を入力した場合だけ、測定誤差情報の設定が行えるので、利用者が勝手に測定誤差情報の設定を行う事を防止できる。
【0080】
(電力測定器1の電力測定動作)
次に電力測定器1の電力測定動作を説明する。
【0081】
例えば利用者がプラグ3を所定の電源コンセントに接続して電力測定器1を作動させる。これにより、算出部21は停止したままで補正部13が作動して電力測定モードになる。
【0082】
そして例えば利用者がコンセント5に電力測定対象となる負荷を接続する。これにより、コンセント5に接続された上記の負荷の電力測定が開始される。即ち電源コンセントからの電力がプラグ3、各配線4a,4bおよびコンセント5を介して負荷に供給される。これに並行して、電力測定部9bにより負荷に供給される電力が例えば一定時間間隔で測定され、補正部13により、電力測定部9bの当該電力測定値が記憶部11に記憶された測定誤差情報に基づいて補正される。例えば、電力測定部9bの電力測定値が660Wであった場合、補正部13は、電力測定値/(1+測定誤差情報)=660W/(1+0.1)=600Wに上記電力測定値を補正する。そして、補正された電力測定値(即ち電力情報)は、通信部17により所定の情報処理装置19に送信され、情報処理装置19に蓄積される。
【0083】
以上の様にこの電力測定器1によれば、記憶部11に測定誤差情報が記憶され、補正部13により、前記測定誤差情報に基づいて電力測定部9bの電力測定値が補正される。即ち、従来の様なハード的な方法を用いずに(即ちソフト的な方法を用いて)電力測定値が補正される。よって、電力測定精度を落とさずに、部品コストおよび製造コストを低減できる。
【0084】
また記憶部11に所定の負荷の電力値が記憶され、算出部21により、前記所定の負荷がコンセント5に接続された場合の電力測定部9bの電力測定値と前記電力値とから測定誤差情報が算出される。よって、電力測定器1において正確な測定誤差情報を得る事ができる。
【0085】
〔第2実施形態〕
第1実施形態では、電力測定器1のスイッチ15への特定の操作の入力により、測定誤差情報の設定が行われた。この実施形態では、図3の様に、通信を用いて外部の情報処理装置28(パソコンまたはサーバなど)からの操作により、電力測定器1Bでの測定誤差情報の設定が行われる。
【0086】
以下、図3に基づいてこの実施形態に係る電力測定システム100Bについて説明する。尚、以下では、第1実施形態と同じ構成要素には同符号を付して説明を省略し、異なる構成要素についてだけ説明する。
【0087】
電力測定システム100Bは、電力測定器1Bと、外部の情報処理装置28(所定の情報処理装置)とを備えている。
【0088】
情報処理装置28は、電力測定器1Bの通信部17と通信を行う通信部28a(第2通信手段)と、人の操作入力を受け付ける入力受付部28b(入力受付手段)とを備えている。
【0089】
入力受付部28bには、パスワード等の認証情報と、電力測定器1Bを測定誤差情報の設定モードに切り替えるための指示とが入力される。入力受付部28bに上記の認証情報および上記の指示が入力されると、それら認証情報および指示は、通信部28aにより、電力測定器1Bの通信部17に送信される。
【0090】
電力測定器1Bは、第1実施形態の電力測定器1と比べて、照合部27(照合手段)を更に備え、スイッチ15およびスイッチ信号処理部22が省略された構成となっている。
【0091】
照合部27には、パスワードまたはID情報などの認証情報が予め設定されている。照合部27は、通信部17を介して情報処理装置29から認証情報を受信すると、その受信した認証情報と予め設定された上記の認証情報とを照合する。
【0092】
そして記憶部11(記憶手段)は、照合部27の照合が一致する場合だけ、記憶部11への測定誤差情報の書き込みを許可する。従って、照合部27の照合が一致しない場合は、記憶部11への測定誤差情報の書き込みは不可能になる。
【0093】
また照合部27は、通信部17(第1通信手段)を介して情報処理装置29から上記の指示を受信すると、補正部13を停止させ、且つ算出部21を作動させる(即ち測定誤差情報の設定モードに切り替える)。これにより、第1実施形態の場合と同様に、算出部21により測定誤差情報が算出される。この算出された測定誤差情報は、記憶部11が測定誤差情報の書き込みを許可している場合は、記憶部11に書き込まれる(即ち記憶される)が、記憶部11が測定誤差情報の書き込みを許可していない場合は、記憶部11に書き込まれずに(即ち記憶されずに)破棄される。
【0094】
以上の様にこの電力測定システム100Bによれば、第1実施形態と同様の構成部分について同様の効果を得る他に、下記の効果を得る。即ち電力測定器1Bでは、通信部17を介して情報処理装置28から受信した指示に応じて測定誤差情報が算出される。よって、情報処理装置28を用いて外部からの指示により、測定誤差情報を設定できる。
【0095】
また照合部27により、通信部17が受信した認証情報と予め設定された認証情報とが照合され、照合部27の照合が一致する場合だけ、記憶部11への測定誤差情報の書き込みが許可される。よって、認証情報を知る人だけが測定誤差情報を設定できる。従って、利用者が勝手に測定誤差情報を書き換える事を防止できる。
【0096】
〔第3実施形態〕
第1実施形態では、電力測定器1で、測定誤差情報の算出、測定誤差情報の記憶および電力測定値の補正が行われた。この実施形態では、電力測定器1Cで、測定誤差情報の算出および電力測定値の補正が行われ、外部の情報処理装置29で、測定誤差情報の記憶が行われる。
【0097】
(電力測定システム100Cの概要)
以下、図4に基づいてこの実施形態に係る電力測定システム100Cについて説明する。尚、以下では、第1実施形態と同じ構成要素には同符号を付して説明を省略し、異なる構成要素についてだけ説明する。
【0098】
電力測定システム100Cは、電力測定器1Cと、電力測定器1Cに関する測定誤差情報を記憶する外部の情報処理装置29とを備えている。
【0099】
電力測定器1Cの記憶部11C(第2記憶手段)には、正確な電力値が既知である所定の負荷の前記電力値は記憶されているが、電力測定部9bに関する測定誤差情報は記憶されていない。
【0100】
電力測定器1Cの算出部21C(算出手段)は、第1実施形態の算出部21と同様に測定誤差情報を算出し、その算出した測定誤差情報を通信部17(第1通信手段)に出力する。
【0101】
電力測定器1Cの通信部17Cは、算出部21Cからの測定誤差情報を電力測定器1Cの識別情報と共に情報処理装置29に送信する。
【0102】
電力測定器1Cの補正部13C(補正手段)は、その作動開始時に、通信部17を介して情報処理装置29に電力測定器1Cの識別情報を送信する。これにより後述の様に、情報処理装置29から電力測定器1Cに電力測定部9b(電力測定手段)に関する測定誤差情報が送信される。そして補正部13Cは、通信部17を介して情報処理装置29から上記の測定誤差情報を取得すると、その取得した測定誤差情報を用いて第1実施形態の補正部13と同様に、電力測定部9bの電力測定値を補正する。
【0103】
電力測定器1Cの他の構成要素はそれぞれ、第1実施形態の電力測定器1の同符号の構成要素と同様に構成されている。
【0104】
情報処理装置29は、通信部29a(第2通信手段)と、記憶部29b(第1記憶手段)と、選択部29c(選択手段)とを備えている。情報処理装置29は、例えば、製造会社側の施設に設けられる。
【0105】
通信部29aは、電力測定器1Cの通信部17と通信を行うものである。記憶部29bは、例えば不揮発性メモリまたはハードディスクであり、通信部17から送信される上記の測定誤差情報および識別情報を互いに対応させて記憶するものである。
【0106】
記憶部29bには、電力測定器1Cからの上記の電力測定器1Cの識別情報および電力測定器1Cの測定誤差情報が記憶される。なお、情報処理装置29と通信される電力測定器が複数ある場合、記憶部29bには、各電力測定器の識別情報と、各電力測定器の測定誤差情報とが対応付けられて記憶されている。
【0107】
選択部29cは、通信部29aが電力測定器1Cからの上記の識別情報を受信すると、記憶部29bに記憶された測定誤差情報の中から、その識別情報に対応するもの(即ち電力測定器1Cに関する測定誤差情報)を選択し、その選択した測定誤差情報を通信部29aを介して電力測定器1Cの通信部17Cに送信する。
【0108】
(測定誤差情報の設定手順)
次にこの電力測定システム100Cでの測定誤差情報の設定手順を説明する。
【0109】
まず第1実施形態と同様の手順で、算出部21Cにより測定誤差情報を算出させる。ここでは、通信部17により、その算出された測定誤差情報は、電力測定器1Cの識別情報と共に情報処理装置29の通信部29aに送信される。そして情報処理装置29の記憶部29bにより、それら測定誤差情報および識別情報は互いに対応付けられて記憶される。この様に、電力測定器1Cで算出された測定誤差情報は、情報処理装置29の記憶部29bに記憶される。
【0110】
(電力測定器1Cの電力測定動作)
次に電力測定器1Cの電力測定動作を説明する。
【0111】
まず第1実施形態と同様の手順で、電力測定器1Cを作動させる。これにより補正部13Cは、作動開始して、通信部17Cを介して情報処理装置29の通信部29aに電力測定器1Cの識別情報を送信する。
【0112】
そして情報処理装置29では、通信部29aにより、通信部17からの上記の識別情報が受信される。そして選択部29cにより、記憶部29bに記憶された測定誤差情報の中から、通信部29bが受信した識別情報に対応するもの(即ち電力測定器1Cに関する測定誤差情報)が選択され、その選択された測定誤差情報が通信部29aを介して電力測定器1Cの通信部17に送信される。
【0113】
そして電力測定器1Cでは、通信部17により、通信部29aからの上記の測定誤差情報が受信される。そして補正部13Cにより、その測定誤差情報を用いて第1実施形態と同様に電力測定部9bの電力測定値が補正される。そしてその補正された電力測定値(即ち電力情報)は、第1実施形態と同様に、通信部17Cにより所定の情報処理装置(図示省略)に送信されて蓄積される。
【0114】
以上の様にこの電力測定システム100Cによれば、第1実施形態と同様の構成部分については同様の効果を得る他に、下記の効果を得る。即ち測定誤差情報は、通信部17Cにより情報処理装置29から受信される(即ち電力測定器1Cに記憶されない)ので、電力測定器1Cにおいて測定誤差情報を記憶する分の記憶容量を削減でき、電力測定器1Cの部品コストを低減できる。
【0115】
また記憶部29bには、測定誤差情報および識別情報が互いに対応されて記憶され、選択部29cにより、記憶部29bに記憶された測定誤差情報の中から、通信部29aが受信した識別情報と同じ識別情報に対応するものが選択され、その選択された測定誤差情報が通信部29aにより電力測定器1Cに送信される。よって、記憶部29bにおいて複数の電力測定器1Cの測定誤差情報を混同する事無く記憶できる。
【0116】
〔第4実施形態〕
第3実施形態では、電力測定器1Cで、測定誤差情報の算出および電力測定値の補正が行われ、外部の情報処理装置29で、測定誤差情報の記憶が行われた。この実施形態では、電力測定器1Dで、電力測定値の補正が行われ、外部の情報処理装置29Dで、測定誤差情報の算出および測定誤差情報の記憶が行われる。
【0117】
(電力測定システム100Dの概要)
以下、図5に基づいて、この実施形態に係る電力測定システム100Dについて説明する。尚、以下では、第3実施形態と同じ構成要素には同符号を付して説明を省略し、異なる構成要素についてだけ説明する。
【0118】
この実施形態の電力測定器1Dは、第3実施形態の電力測定器1Cにおいて、測定誤差情報の算出を行う算出部21C、および測定誤差情報の算出に使用される電力値が記憶された記憶部11Cが省略された構成をしている。
【0119】
またこの電力測定器1Dの電力測定部9bは、電力測定モード時は第3実施形態の電力測定部9bと同様の動作を行い、他方、測定誤差情報の設定モード時は、その測定した電力測定値(即ちコンセント5に所定の負荷が接続された場合の電力測定値)を、通信部17を介して、電力測定器1Dの識別情報と共に情報処理装置29の通信部29aに送信する。
【0120】
電力測定器1Dの他の構成要素はそれぞれ、第3実施形態の電力測定器1Dの同符号の構成要素と同様に構成されている。
【0121】
この実施形態の情報処理装置29Dは、第3実施形態の情報処理装置29において、測定誤差情報の算出を行う算出部29dを更に備えた構成をしている。また情報処理装置29Dの記憶部29bには、正確な電力値が既知である所定の負荷の前記電力値が記憶されている。
【0122】
算出部29dは、通信部29aを介して通信部17Cからの上記の電力測定値を受信すると、その電力測定値と記憶部29bに記憶された上記の電力値との差を求め、第1実施形態の算出部21と同様にして測定誤差情報を算出する。そして算出部29dは、その算出した測定誤差情報を、上記の電力測定値と一緒に受信した識別情報と対応させて記憶部29bに記憶する。
【0123】
情報処理装置29Dの他の構成要素はそれぞれ、第3実施形態の情報処理装置29の同符号の構成要素と同様に構成されている。
【0124】
(測定誤差情報の設定手順)
次にこの電力測定システム100Dでの測定誤差情報の設定手順を説明する。
【0125】
第1実施形態と同様にして電力測定器1Dを作動させる。そしてスイッチ15に特定の操作を入力して、測定誤差情報の設定モードに切り替える。そしてコンセント5に所定の負荷(即ち記憶部29bに記憶された電力値と同じ電力値の負荷)を接続する。これにより、電力測定部9bにより前記所定の負荷の電力が測定され、その電力測定値は、通信部17Cにより、電力測定器1Dの識別情報と共に情報処理装置29の通信部29aに送信される。
【0126】
そして情報処理装置29では、通信部29aにより、通信部17からの上記の電力測定値および上記の識別情報が受信される。そして算出部29dにより、通信部29aの受信した上記の電力測定値と、記憶部29bに予め記憶された電力値との差が求められて、第1実施形態の算出部21と同様にして測定誤差情報が算出される。そして算出部29dにより、その測定誤差情報は、通信部29aが上記の電力測定値と一緒に受信した上記の識別情報と対応させられて記憶部29bに記憶される。この様にして測定誤差情報が設定される。
【0127】
尚、この電力測定システム100Dの電力測定動作は、第3実施形態での電力測定動作と同様であるので、説明は省略する。
【0128】
以上の様にこの電力測定システム100Dによれば、第3実施形態と同様の構成については同様の効果を得る他に、下記の効果を得る。即ち電力測定器1Dでは、通信部17Cにより、所定の負荷がコンセント5に接続された場合の電力測定部9bの電力測定値を情報処理装置29Dに送信し、情報処理装置29Dでは、記憶部29bに所定の負荷の電力値が記憶されており、算出部29dにより、前記電力測定値と前記電力値とから測定誤差情報が算出される。よって、情報処理装置において、電力測定器に関する測定誤差情報を正確に算出できる。
【0129】
また情報処理装置29Dにより測定誤差情報が算出される(即ち電力測定器1Dにより測定誤差情報が算出されない)ので、電力測定器1Dの処理負担を軽減できる。
【0130】
〔第5実施形態〕
第4実施形態では、電力測定器1Dで、電力測定値の補正が行われ、情報処理装置29Dで、測定誤差情報の算出および測定誤差情報の記憶が行われた。この実施形態では、情報処理装置29Eで、測定誤差情報の算出、測定誤差情報の記憶および電力測定値の補正が行われる。
【0131】
(電力測定システム100Eの概要)
以下、図6に基づいてこの実施形態に係る電力測定システム100Eについて説明する。尚、以下では、第4実施形態と同じ構成要素には同符号を付して説明を省略し、異なる構成要素についてだけ説明する。
【0132】
この実施形態の電力測定器1Eは、第4実施形態の電力測定器1Dにおいて、電力測定値の補正を行う補正部13Cが省略された構成をしている。
【0133】
またこの電力測定器1Eの電力測定部9bは、その電力測定値を通信部17Cに出力する。
【0134】
またこの電力測定器1Eのスイッチ信号処理部22Cは、スイッチ15に特定の操作が入力されない場合は、電力測定器1Eが電力測定モードである旨の情報(以後、動作状態情報と呼ぶ)を通信部17Cに出力し、スイッチ15に特定の操作が入力された場合は、電力測定器1Eが測定誤差情報の設定モードである旨の動作状態情報を通信部17Cに出力する。
【0135】
またこの電力測定器1Eの通信部17Cは、電力測定部9bから電力測定値を受け取ると、その電力測定値を、電力測定器1Eの識別情報およびスイッチ信号処理部22Cからの動作状態情報と共に、情報処理装置29Eの通信部29aに送信する。
【0136】
電力測定器1Eの他の構成要素はそれぞれ、第4実施形態の電力測定器1Dの同符号の構成要素と同様に構成されている。
【0137】
この実施形態の情報処理装置29Eは、第4実施形態の情報処理装置29Dにおいて、電力測定値の補正を行う補正部29eと、動作状態判定部29fとを更に備えた構成をしている。
【0138】
動作状態判定部29fは、通信部29aが上記の電力測定値、識別情報および動作状態情報を受信すると、その動作状態情報に基づいて、電力測定器1Eが測定誤差情報の設定モードであるか、電力測定モードであるかを判定する。
【0139】
尚、その判定の結果、測定誤差情報の設定モードである場合は、算出部29dにより、通信部29aが受信した上記の電力測定値から第4実施形態と同様に(即ち第3実施形態と同様に)して測定誤差情報が算出されて記憶部29bに記憶される。他方、電力測定モードである場合は、補正部29eおよび選択部29cにより電力測定値の補正が行われる。
【0140】
この実施形態の選択部29cは、動作状態判定部29fの判定結果が電力測定モードである場合は、第4実施形態と同様に(即ち第3実施形態と同様に)して、記憶部29bに記憶された測定誤差情報の中から、通信部29aが受信した上記の識別情報に対応するもの(即ち電力測定器1Eに関する測定誤差情報)を選択し、それを補正部29eに出力させる。
【0141】
またこの実施形態の補正部29eは、動作状態判定部29fの判定結果が電力測定モードである場合は、通信部29aが受信した上記の電力測定値を、選択部29cが選択した上記の測定誤差情報を用いて、第4実施形態と同様に(即ち第1実施形態と同様に)補正する。そして補正部29eは、その補正した電力測定値(即ち電力情報)を、第4実施形態と同様に通信部29aを介して所定のサーバに送信して蓄積する。
【0142】
情報処理装置29Dの他の構成要素はそれぞれ、第3実施形態の情報処理装置29の同符号の構成要素と同様に構成されている。
【0143】
(電力測定情報の設定手順)
次にこの電力測定システム1Eでの測定誤差情報の設定手順を説明する。
【0144】
プラグ3を所定の電源コンセントに接続して電力測定器1Eを作動させる。そしてスイッチ15に特定の操作を入力して、測定誤差情報の設定モードに切り替える。そしてコンセント5に所定の負荷(即ち記憶部29bに記憶された電力値と同じ電力値の負荷)を接続する。これにより、電力測定部9bにより前記所定の負荷の電力が測定され、その電力測定値は、通信部17Cにより、電力測定器1Dの識別情報および測定誤差情報の設定モードである旨の動作状態情報と共に情報処理装置29の通信部29aに送信される。
【0145】
そして情報処理装置29Eでは、通信部29aにより、通信部17からの上記の電力測定値、識別情報および動作状態情報が受信される。
そして動作状態判定部29fにより、通信部29aが受信した上記の動作状態情報から電力測定モードであると判定される。この判定により、算出部29dにより、第4実施形態と同様にして、通信部29aが受信した上記の電力測定値から測定誤差情報が算出され、通信部29aが受信した上記の識別情報と対応されて記憶部29bに記憶される。この様にして測定誤差情報が設定される。
【0146】
(電力測定システム100Eの電力測定動作)
次にこの電力測定システム100Eでの電力測定動作を説明する。
【0147】
まず上述と同様にして電力測定器1Eを作動させる(即ち自動的に電力測定モードとなる)。そしてコンセント5に電力測定対象となる負荷を接続する。これにより、電力測定部9bにより、コンセント5に接続された上記の負荷の電力測定が開始され、その電力測定値は、通信部17Cにより、電力測定器1Eの識別情報および電力測定モードである旨の動作状態情報と共に情報処理装置29Eの通信部29aに送信される。
【0148】
そして情報処理装置29Eでは、通信部29aにより、通信部17Cからの上記の電力測定値、識別情報および動作状態情報が受信される。そして動作状態判定部29fにより、通信部29aが受信した上記の動作状態情報から電力測定モードであると判定される。この判定により、選択部29cおよび算出部29dにより、通信部29aが受信した上記の電力測定値の補正が行われる。
【0149】
即ち選択部29cにより、記憶部29bに記憶された測定誤差情報の中から、通信部29bが受信した識別情報に対応するもの(即ち電力測定器1Eに関する測定誤差情報)が選択され、その選択された測定誤差情報が補正部29eに出力される。そして補正部29eにより、選択部29cが選択した上記の測定誤差情報を用いて、通信部17が受信した上記の電力測定値が補正される。
【0150】
そしてその補正された電力測定値(即ち電力情報)は、第1実施形態と同様に、通信部29aにより所定の情報処理装置(図示省略)に送信されて蓄積される。尚、所定の情報処理装置に蓄積させる代わりに、記憶部29bに蓄積させてもよい。この様に負荷の電力測定が行われる。
【0151】
以上の様にこの電力測定システム100Eによれば、第4実施形態と同様の構成部分について同様の効果を得る他に、下記の効果を得る。即ち、電力測定器1Eでは、電力測定部9bの電力測定値が通信部17Cにより情報処理装置29Eに送信され、情報処理装置29Eでは、記憶部29bに測定誤差情報が記憶されており、補正部29eにより、前記測定誤差情報に基づいて電力測定部9bの電力測定値が補正される。即ち、従来の様なハード的な方法を用いずに(即ちソフト的な方法を用いて)電力測定値が補正される。よって、電力測定精度を落とさずに、部品コストおよび製造コストを低減できる。
【0152】
また電力測定器1Eでは、通信部17Cにより電力測定値と識別情報とを情報処理装置29Eに送信し、情報処理装置29Eでは、記憶部29bにより測定誤差情報と識別情報とを対応させて記憶し、補正部29eにより、電力測定器1Eからの電力測定値を電力測定器1Eからの識別情報と一致する識別情報に対応する電力誤差情報を用いて補正する。よって、情報処理装置29Eにおいて、複数の電力測定器1Eの電力測定値を混同すること無く補正できる。
【0153】
また、情報処理装置29Dで電力測定値の補正が行われるので、電力測定器1Eの処理負担を軽減できる。
【0154】
(付記事項)
尚、上記の実施形態には、電力測定器の測定方法も含まれるものとする。
【0155】
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0156】
最後に、電力測定器1,1B,1C,1D,1Eおよび情報処理装置19,28,29,29D,29Eの各ブロック、特に電力測定部9b、記憶部11,11C,29b、補正部13,13C,29e、通信部17,17C,29a,算出部21,21C,29d、ランプ制御部23、選択部29cおよび動作状態判定部29fは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0157】
即ち、電力測定器1,1B,1C,1D,1Eおよび情報処理装置19,28,29,29D,29Eの各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM、上記プログラムを展開するRAM、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである電力測定器1,1B,1C,1D,1Eおよび情報処理装置19,28,29,29D,29Eの制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記電力測定器1,1B,1C,1D,1Eおよび情報処理装置19,28,29,29D,29Eに供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0158】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0159】
また、電力測定器1,1B,1C,1D,1Eおよび情報処理装置19,28,29,29D,29Eを通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0160】
本発明は、家庭または事務所において家電機器または事務機器の消費電力を測定する機器に利用することができる。
【符号の説明】
【0161】
1,1B,1C,1D,1E 電力測定器
3 プラグ
4a,4b 配線
5 コンセント
7 電源部
9 センサ部
9a シャント抵抗
9b 電力測定部(電力測定手段)
11 記憶部(記憶手段)
11C 記憶部(第2記憶手段)
13,13C,29e 補正部(補正手段)
15 スイッチ(操作受付手段)
17,17C 通信部(第1通信手段)
19,28,29,29D,29E 情報処理処置
21,21C,29d 算出部(算出手段)
23 ランプ制御部
27 照合部(照合手段)
29a 通信部(第2通信手段)
29b 記憶部(第1記憶手段)
29c 選択部(選択手段)
29f 動作状態判定部
100B,100C,100D,100E 電力測定システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源コンセントに接続されるプラグと、
負荷が接続され前記プラグからの電力を前記負荷に供給するコンセントと、
前記負荷に供給される前記電力を測定する電力測定手段と、
前記電力測定手段に関する測定誤差情報を記憶した記憶手段と、
前記電力測定手段の電力測定値を前記測定誤差情報に基づいて補正する補正手段と、
を備えることを特徴とする電力測定器。
【請求項2】
請求項1に記載の電力測定器であって、
前記記憶手段は所定の負荷の電力値を記憶しており、
前記所定の負荷が前記コンセントに接続された場合の前記電力測定手段の電力測定値と前記電力値とから前記測定誤差情報を算出する算出手段を更に備えることを特徴とする電力測定器。
【請求項3】
請求項2に記載の電力測定器であって、
人の操作を受け付ける操作受付手段を更に備え、
前記算出手段は、前記操作受付手段に入力された特定の操作に応じて前記測定誤差情報を算出することを特徴とする電力測定器。
【請求項4】
請求項2に記載の電力測定器であって、
所定の情報処理装置との間で通信を行う第1通信手段を更に備え、
前記算出手段は、前記第1通信手段を介して前記所定の情報処理装置から受信した指示に応じて、前記測定誤差情報を算出することを特徴とする電力測定器。
【請求項5】
請求項4に記載の電力測定器であって、
前記第1通信手段が受信した認証情報と予め設定された認証情報とを照合する照合手段を更に備え、
前記記憶手段は、前記照合手段による照合が一致する場合だけ、前記記憶手段への測定誤差情報の書き込みを許可することを特徴とする電力測定器。
【請求項6】
電源コンセントに接続されるプラグと、
負荷が接続され前記プラグからの電力を前記負荷に供給するコンセントと、
前記負荷に供給される前記電力を測定する電力測定手段と、
所定の情報処理装置から送信される前記電力測定手段に関する測定誤差情報を受信する第1通信手段と、
前記電力測定手段の電力測定値を前記測定誤差情報に基づいて補正する補正手段と、
を備えることを特徴とする電力測定器。
【請求項7】
請求項6に記載の電力測定器と、
前記電力測定器と通信可能な情報処理装置と、
を備える電力測定システムであって、
前記電力測定器の前記第1通信手段は、前記電力測定器の識別情報を前記情報処理装置に送信し、
前記情報処理装置は、
前記電力測定手段に関する前記測定誤差情報および前記電力測定器の前記識別情報を互いに対応させて記憶した第1記憶手段と、
前記第1通信手段からの前記識別情報を受信する第2通信手段と、
前記第2通信手段が受信した前記識別情報に対応する前記測定誤差情報を選択する選択手段と、
を備え、
前記第2通信手段は、前記選択手段が選択した前記測定誤差情報を前記第1通信手段に送信することを特徴とする電力測定システム。
【請求項8】
負荷の電力を測定する電力測定器と、
前記電力測定器と通信可能な情報処理装置と、
を備える電力測定システムであって、
前記電力測定器は、
電源コンセントに接続されるプラグと、
負荷が接続され前記プラグからの電力を前記負荷に供給するコンセントと、
前記負荷に供給される前記電力を測定する電力測定手段と、
前記電力測定手段の電力測定値および前記電力測定器の識別情報とを前記情報処理装置に送信する第1通信手段と、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記電力測定手段に関する測定誤差情報および前記電力測定器の識別情報を互いに対応させて記憶する第1記憶手段と、
前記第1通信手段からの前記電力測定値および前記識別情報を受信する第2通信手段と、
前記第2通信手段が受信した前記識別情報に対応する前記測定誤差情報を選択する選択手段と、
前記第2通信手段が受信した前記電力測定値を、前記選択手段が選択した前記測定誤差情報に基づいて補正する補正手段と、
を備えることを特徴とする電力測定システム。
【請求項9】
請求項7または8に記載の電力測定システムであって、
前記電力測定器は、
所定の負荷の電力値を記憶した第2記憶手段と、
前記所定の負荷が前記コンセントに接続された場合の前記電力測定手段の電力測定値と前記電力値とから前記測定誤差情報を算出する算出手段と、
を更に備え、
前記第1通信手段は、前記測定誤差情報および前記電力測定器の識別情報を前記情報処理装置に送信し、前記測定誤差情報および前記識別情報は互いに対応付けられて前記第1記憶手段に記憶されることを特徴とする電力測定システム。
【請求項10】
請求項7または8に記載の電力測定システムであって、
前記電力測定器の前記第1通信手段は、所定の負荷が前記コンセントに接続された場合の前記電力測定手段の電力測定値を前記第2通信手段に送信し、
前記情報処理装置は、
前記所定の負荷の電力値を記憶した記憶手段と、
前記電力値と前記第2通信手段が受信した前記電力測定値とから前記測定誤差情報を算出する算出手段と、
を備えることを特徴とする電力測定システム。
【請求項11】
所定の電力測定器に関する測定誤差情報および前記所定の電力測定器の識別情報を互いに対応させて記憶する記憶手段と、
前記所定の電力測定器から送信される電力測定値および識別情報を受信する通信手段と、
前記通信手段が受信した前記識別情報に対応する前記測定誤差情報を選択する選択手段と、
前記通信手段が受信した前記電力測定値を、前記選択手段が選択した前記測定誤差情報に基づいて補正する補正手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
請求項11に記載の情報処理装置であって、
前記記憶手段には所定の負荷の電力値が記憶されており、
前記電力値と前記通信手段が受信した前記所定の負荷に対する前記電力測定値とから前記測定誤差情報を算出する算出手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項13】
請求項1〜6の何れか1項に記載の電力測定器を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項14】
請求項7〜10の何れか1項に記載の電力測定システムを動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項15】
請求項11または12に記載の情報処理装置を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項16】
請求項13〜15の何れか1項に記載の制御プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−122966(P2012−122966A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−276045(P2010−276045)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)