説明

電力量管理方法、電力量管理装置、及び電力量管理プログラム

【課題】
電力計を新設することなく、既存の電力量測定値から電力消費要因別および組織単位別に電力量を算出し、電力量削減施策の効果を分析できるようにする。
【解決手段】
電力量の使用情報及び電力量を管理する組織別の熱負荷要因に関する情報を記憶した記憶領域を有する電力量管理装置において、記憶領域において記憶されている情報から各熱負荷要因毎に変数(xi)を算出し、電力量の使用情報及び変数から、熱負荷要因に関連付けられた消費要因別の電力量を推定し、消費要因別の電力量を電力量を管理する組織のデータに基づいて按分することにより、組織別及び消費要因別の電力量を算出し、推定した組織別及び消費要因別の電力量を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力量管理方法、電力量管理装置、及び電力量管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化防止を目的として、地球温暖化対策の推進に関する法律や東京都の地球温暖化対策計画書制度が施行されている。ともにCO2排出量の報告を事業者や事業所に義務づけるものではあるが、東京都の条例はさらに5年平均での削減率を義務化するものである。
【0003】
このためCO2排出量報告だけであれば、例えばCO2の排出要因である電力量を事業所全体に対して電力計一つででも把握していれば可能ではあるが、削減率の義務を満たすためには空調や照明など電力消費要因に対して、個別に状況と削減の可能性を把握しなくてはならない。
【0004】
しかしながら、電力計の設置には機器費用だけではなく、工事などの費用が伴う場合が多いため、細かく設置、測定されていない状況にある。また、各電力消費要因の削減を検討するためには、人・機器の数、フロア面積や外気温など各電力消費要因に影響を与える因子との相関を把握することも必要となる。
【0005】
本技術分野の背景技術として、特開2001-349909号公報(特許文献1)がある。この公報には、「使用電力量を簡単な手段で安価にしかも確実に各家電機器ごとに求め得るようにする。」と記載されている。また、特開2011-89677号公報(特許文献2)がある。この公報には、「大空間における任意の場所を、効率よく所望の空調環境へ制御する。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001-349909号公報
【特許文献2】特開2011-89677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記特許文献1には、家庭内にある家電機器それぞれに対して電力計を設置することなく各家電機器の使用電力量を算出する方法が記載されている。しかし各家電機器毎に、ある使用状態における単位時間当りの使用電力を定義する必要があり、家庭内のように機器台数が限られる場合には定義が可能ではあるが、オフィスビルのような場合には難しくなる。
【0008】
前記特許文献2には、空調環境を制御するために照明やOA機器の他に人体を発熱体として、それぞれの発熱量をデータベースなどに定義して、空調制御する方法が記載されている。しかし、空調の電力量に影響を与える因子に基づく制御方式ではあるが、その他の照明や機器などの電力消費要因ごとの電力量を算出するものでは無い。
【0009】
そこで本発明では、電力計を新設することなく、既存の電力量測定値から電力消費要因別および組織単位別に電力量を算出し、また、電力量削減施策の効果を分析する、電力量管理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、電力量の使用情報及び電力量を管理する組織別の熱負荷要因に関する情報を記憶した記憶領域を有する電力量管理装置において、電力量の使用情報から、電力量を管理する組織別に、電力の消費要因別の電力量を推定する電力量管理方法であって、前記記憶領域において記憶されている情報から各熱負荷要因毎に変数(xi)を算出する前処理ステップと、電力量の使用情報及び前記変数から、前記熱負荷要因に関連付けられた消費要因別の電力量を推定する要因別推定ステップと、前記消費要因別の電力量を電力量を管理する組織のデータに基づいて按分することにより、組織別及び消費要因別の電力量を算出する組織別推定ステップと、前記推定した組織別及び消費要因別の電力量を出力する結果出力ステップと、を備える。
【0011】
また前記前処理ステップは、電力量推定式
【0012】
【数1】

【0013】
(yn:電力量、i:熱負荷要因、j:電力量を管理する組織)におけるxiを前記記憶領域において記憶されているデータから各熱負荷要因毎に算出し、前記要因別推定ステップは、前記電力推定式における、αi及びβを回帰分析により算出することにより、前記熱負荷要因に関連付けられた消費要因別の電力量を推定する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、新規に電力計を設置することが無いために、低コストで、電力消費要因別に電力量を把握し、電力削減のための施策とその効果分析を行うことができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】電力量管理装置構成の例を示す
【図2】コンピュータの概略図
【図3】電力量管理装置の全体処理を示すフローチャート
【図4】電力量管理装置の制御画面
【図5】電力量管理の概念の例を示す
【図6】熱負荷要因の例を示す
【図7】電力量推定処理を示すフローチャート
【図8】電力管理単位テーブルの概略図
【図9】電力量テーブルの概略図
【図10】組織情報テーブルの概略図
【図11】フロア情報テーブルの概略図
【図12】出勤情報テーブルの概略図
【図13】気温情報テーブルの概略図
【図14】発熱体情報テーブルの概略図
【図15】推定式テーブルの概略図
【図16】一時情報テーブルの概略図
【図17】要因別電力量テーブルの概略図
【図18】評価結果テーブルの概略図
【図19】電力量予測画面
【図20】改善効果分析画面
【図21】照明情報テーブルの概略図
【図22】照明条件画面
【図23】機器構成テーブルの概略図
【図24】機器情報テーブルの概略図
【図25】機器条件画面
【図26】空調:フロア条件画面
【図27】遮光条件テーブルの概略図
【図28】遮光状態テーブル
【図29】空調:遮光条件画面
【図30】改善条件テーブルの概略図
【図31】改善結果テーブルの概略図
【図32】改善効果画面
【図33】コスト情報テーブルの概略図
【図34】目標削減率テーブルの概略図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施例を図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0017】
本実施例では、電力量管理を行う装置100の例を説明する。図1は、本実施例の電力量管理装置100の構成図の例である。電力量管理装置100は、記憶部110と、制御部130と、入力部140と、出力部150と、を備える。
【0018】
記憶部110は、電力管理単位記憶領域111と、電力量記憶領域112と、組織情報記憶領域113と、フロア情報記憶領域114と、出勤情報記憶領域115と、気温情報記憶領域116と、発熱体情報記憶領域117と、推定式記憶領域118と、改善条件記憶領域119と、機器構成情報記憶領域120と、機器情報記憶領域121と、照明情報記憶領域122と、遮光条件記憶領域123と、コスト情報記憶領域124と、組織別結果記憶領域125と、一時情報記憶領域126と、評価結果記憶領域127と、を備える。
【0019】
電力管理単位記憶領域111には、既存の電力管理設備による電力消費要因毎の測定単位を特定する情報が記憶される。電力量記憶領域112には、前記測定単位毎の電力量を特定する情報が記憶される。組織情報記憶領域113には、組織を識別する指標と共に人員数など、組織を特定する情報が記憶される。フロア情報記憶領域114には、建物において前記組織が属するフロアを特定する情報が記憶される。出勤情報記憶領域115には、前記組織に属する人員の出勤時間を特定する情報が記憶される。気温情報記憶領域116には、外気温と室温を特定する情報が記憶される。発熱体情報記憶領域117には、発熱体種類を定義する情報が記憶される。推定式記憶領域118には、電力量の推定式を特定する情報が記憶される。
【0020】
改善条件記憶領域119には、改善条件として入力された内容を特定する情報が記憶される。機器構成情報記憶領域120には、前記組織が所有する電力使用機器を特定する情報が記憶される。機器情報記憶領域121には、前記電力使用機器を特定する情報が記憶される。照明情報記憶領域122には、照明を特定する情報が記憶される。遮光条件記憶領域123には、窓の種別による遮光条件を特定する情報が記憶される。コスト情報記憶領域124には、電力料金などコストを特定する情報が記憶される。組織別結果記憶領域125には、組織別に電力消費要因毎の電力量を算定するための情報が記憶される。一時情報記憶領域126には、後述する制御部130が入力を受け付けた情報や、制御部130が算出した情報が格納される。評価結果記憶領域127には、後述する制御部130が算出した評価結果に関連する情報が格納される。
【0021】
制御部130は、評価モード選択部131と、電力量推定部132と、改善条件入力部133と、改善効果演算部134と、評価結果出力部135と、を備える。評価モード選択部131は、入力部140を介して、ユーザからの入力を受け付けて、電力量推定部132か、改善効果演算部134の処理、もしくは電力量管理装置100の終了処理を行う。
【0022】
電力量推定部132は、電力管理単位記憶領域111と、電力量記憶領域112と、組織情報記憶領域113と、フロア情報記憶領域114と、出勤情報記憶領域115と、気温情報記憶領域116と、発熱体情報記憶領域117の情報により、組織別の各電力消費要因の電力量を算出する。また、算出の過程で得られる電力量の推定式の係数を、推定式記憶領域118に記憶する処理を行う。さらに、推定式を用いて年間の電力量予測値の算出処理を行う。
【0023】
改善条件入力部133は、出力部150を介して、機器情報記憶領域121と、照明情報記憶領域122と、遮光条件記憶領域123の情報により、設定可能な改善条件の表示処理を行う。さらに、入力部130を介して、ユーザからの入力を受け付けて、改善条件記憶領域119に記憶する処理を行う。そして、改善効果演算部134の処理を実行する。
【0024】
改善効果演算部134は、推定式記憶領域118と、改善条件記憶領域119の情報により、推定式を更新し、年間の電力量予測値の算出処理を行う。さらに、機器情報記憶領域121と、照明情報記憶領域122と、遮光条件記憶領域123と、コスト情報記憶領域124の情報により、改善に伴い発生する費用の算出処理を行う。
【0025】
評価結果出力部135は、電力量推定部132の結果を、出力部150を介して表示する。さらに、入力部140を介して、ユーザからの入力を受け付けて、改善条件入力部133の処理を実行する。そして、改善効果演算部134の処理結果を出力部150を介して、表示する。入力部140は、情報の入力を受け付ける。出力部150は、情報を出力する。
【0026】
以上に記載した電力量管理装置100は、例えば、図2(コンピュータ200の概略図)に示すような、CPU(Central Processing Unit)201と、メモリ202と、HDD(Hard Disk Drive)等の外部記憶装置203と、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)等の可搬性を有する記憶媒体204に対して情報を読み書きする読書装置205と、キーボードやマウスなどの入力装置206と、ディスプレイなどの出力装置207と、通信ネットワークに接続するためのNIC(Network Interface Card)等の通信装置208と、を備えた一般的なコンピュータ200で実現できる。
【0027】
例えば、記憶部110は、CPU201がメモリ202又は外部記憶装置203を利用することにより実現可能であり、制御部130は、外部記憶装置203に記憶されている所定のプログラムをメモリ202にロードしてCPU201で実行することで実現可能であり、入力部140は、CPU201が入力装置206を利用することで実現可能であり、出力部150は、CPU201が出力装置207を利用することで実現可能である。
【0028】
この所定のプログラムは、読書装置205を介して記憶媒体204から、あるいは、通信装置208を介してネットワークから、外部記憶装置203にダウンロードされ、それから、メモリ202上にロードされてCPU201により実行されるようにしてもよい。また、読書装置205を介して記憶媒体204から、あるいは、通信装置208を介してネットワークから、メモリ202上に直接ロードされ、CPU201により実行されるようにしてもよい。
【0029】
次に、図3は本発明の一実施形態における電力量管理装置100の処理フロー全体を表すものである。図3に示すように、処理判定S301、電力量推定S302、効果分析S303、結果出力S304の4つのステップから成る。また、図4は電力量管理装置100の制御画面である。電力推定ボタン400、改善効果分析401、終了ボタン402から成る。
【0030】
以降、本発明の一実施形態における電力量管理装置100の動作について図3のステップおよび図4の制御画面に応じて説明する。
【0031】
まず、処理判定S301ステップの処理について説明する。ここでは、図1の評価モード選択部部131の処理動作に対応する。電力量管理装置100の起動後、図4に示す電力量管理装置100の制御画面を、出力部150を介して表示する。入力部140を介して、ユーザからの入力を受け付ける。電力推定ボタン400の場合には電力量推定S302ステップ、改善効果分析401の場合には効果分析S305ステップの処理を実行する。終了ボタン402の場合には、電力量管理装置100の処理を終了し、電源を落とす処理を行う。
【0032】
次に電力量推定S302ステップの処理について説明する。ここでは、図1の電力量推定部132の処理動作に対応する。まず、図5は電力量管理の概念図である。簡単な事例として、既存の電力量管理においては、組織単位をA、B部、電力消費要因を空調、照明及び機器とし、組織の区別無く、電力計500により空調、照明及び機器の合計値の2カ所で測定しているものとする。これに対して本発明の電力量管理装置100においては、電力計500の測定値より、仮想的な電力計501を設置、測定した場合と同様に、組織別、電力消費要因別に電力量を算出するものである。
【0033】
また、図6に空調の能力に影響を与える熱負荷要因と影響の大きさの一例を示す。機器の消費電力や気温に影響されるが、電力消費要因である照明、機器の影響も含まれる。したがって、建物の総電力量はこれらの熱負荷要因に相関する。
【0034】
そこで電力量推定S302ステップでは、図7の電力量推定処理フローに基づいて処理を行い、以下に示す(式1)に対して回帰分析を実施することにより、(式1)の電力量推定式を構成する係数αi、βを算出し、組織別、電力消費要因別に電力量を算出する。
【0035】
【数1】

【0036】
ただし、i:熱負荷要因、j:同じ電力量管理単位に含まれる組織、n:電力量管理単位を意味する。
【0037】
図7に示すように電力量推定処理フローは、前処理S701、要因別推定S702、組織別推定S703、結果出力S704の4つのステップからなる。まず、前処理S701ステップの処理について説明する。前処理ステップでは、記憶領域において記憶されている下記の各種情報から各熱負荷要因毎に以下のXiを算出する。ここでは(式1)のXi(説明変数)として下記の5つを定義する。
【0038】
照明:X1=フロア面積/延べ人数
機器:X2=延べ人数
人体:X3=延べ人数/フロア面積
日射熱:X4=窓面積
熱伝達:X5=内外温度差/窓面積
なお、これらの他にも壁面の特性を表すXiを定義するなども考えられる。
【0039】
次に、上記Xiを算出するために記憶部110に備える、電力管理単位記憶領域111と、電力量記憶領域112と、組織情報記憶領域113と、フロア情報記憶領域114と、出勤情報記憶領域115と、気温情報記憶領域116と、発熱体情報記憶領域117、推定式記憶領域118、一時情報記憶領域126の各テーブル構成を以下に説明する。
【0040】
まず、図8に示す電力管理単位テーブルを電力管理単位記憶領域111に記憶している。電力管理単位テーブルは、管理ID8a、消費要因管理単位8b、組織ID8cからなるレコードにて構成される。図8では2パターンを例として示している。一つ目は、管理ID8a=1のレコードで、図5で示した電力計500を一つで、照明、機器及び空調全てを管理する場合であり、管理ID8a、消費要因管理単位8bは同一の値とし、図5の例では2部門を含んでいるので組織ID8cに2部門を表す値を設定する。2つめは、管理ID8a=10および100のレコードで、図5で示した電力計500により照明と機器を合わせ、かつ空調は単独で管理する場合である。
【0041】
このように、既存の電力計毎に、管理ID8aおよびその電力計が管理する消費要因を消費要因管理単位8bに設定し、組織ID8cには電力計が管理する範囲に含まれる組織を区別して、レコードを作成する。ただし、図8の例では2パターンを例示しているが、1つの建屋を管理するものであるため1つのみが定義される。
【0042】
図9に示す電力量テーブルを電力量記憶領域112に記憶している。電力量テーブルは、年度9a、月9b、管理ID9c、電力量9cからなるレコードにて構成される。月単位に前記管理ID8aに対応する管理ID9c別のデータを記憶している。ただし、本実施例では簡単のために年月単位にしているが、日単位に管理しても構わない。
【0043】
図10に示す組織情報テーブルを組織情報記憶領域113に記憶している。組織情報テーブルは、年度10a、組織ID10b、名称10c、人員10d、フロアID10e、機器構成ID10fからなるレコードにて構成される。
【0044】
図11に示すフロア情報テーブルをフロア情報記憶領域114に記憶している。フロア情報テーブルは、フロアID11a、フロア面積11b、窓面積11cからなるレコードにて構成される。前記組織情報テーブルのフロアID10eに対応するフロアID11aにより、データを管理する。
【0045】
図12に示す出勤情報テーブルを出勤情報記憶領域115に記憶している。出勤情報テーブルは、年度12a、月12b、組織ID12c、延べ人数12d、室温12eからなるレコードにて構成される。延べ人数12dは、日毎の出勤者数の月間総和を設定する。室温12eは、別途測定手段による日々の測定結果の月間平均値もしくは設定値を入力する。
【0046】
図13に示す気温情報テーブルを気温情報記憶領域116に記憶している。気温情報テーブルは、年度13a、月13b、外気温13cからなるレコードにて構成される。外気温13cは、例えば、気象庁が出している気象統計情報を利用する。地点と年度を選択することにより、対象とする年度の月ごとのデータが得られるので、各月の日平均気温を設定する。なお、年度13a=0のレコードは、同じ気象統計情報において年・月ごとの平均値があるのでその値を設定する。
【0047】
図14に示す発熱体情報テーブルを発熱体情報記憶領域117に記憶している。発熱体情報テーブルは、ID14a、発熱体14bからなるレコードにて構成される。
【0048】
図15に示す推定式テーブルを推定式記憶領域118に記憶している。推定式テーブルは、年度15a、管理ID15b、発熱要因15c、算出値15d、種類15eからなるレコードにて構成される。
【0049】
図16に示す一時情報テーブルを一時情報記憶領域126に記憶している。一時情報テーブルは、月16a、照明16b、機器16c、人体16d、日射熱16e、熱伝達16f、種類16gからなるレコードにて構成される。
【0050】
続いて、Xiの算出処理を示す。推定においては前年度のデータを用いるので、各テーブルの年度に関しては、断りがない限りは電力量管理装置100起動時にシステムから得られる年度の−1年のデータを使用することを前提として、説明する。また、組織情報テーブルの組織ID10bの数をjとして、以下のXi算出を行う。
【0051】
照明:X1に関しては、フロア面積/延べ人数で表されるので、組織情報テーブルの組織ID10bとjが一致するレコードのフロアID10eを抽出する。抽出したフロアID10eとフロア情報テーブルのフロアID11aが一致するレコードのフロア面積11bを抽出する。さらに、出勤情報テーブルの組織ID12cとjが一致するレコードの延べ人数12dを抽出し、月12b=1から12まで個々に、フロア面積11b/延べ人数12dを算出する。月12bに応じて一時情報テーブルの照明16b及び組織ID10bを組織ID16hに記憶する。これまでの処理を、jの数だけ繰り返す。
【0052】
機器:X2に関しては、出勤情報テーブルの月12bが同じで、jと組織ID12cが同じレコードの延べ人数12dを抽出し、月12b=月16a、j=組織ID16hとなる一時情報テーブルレコードの機器16cに記憶する。月12b、jの数だけ繰り返し同じ処理を行う。
【0053】
人体:X3に関しては、延べ人数/フロア面積で表されるので、組織情報テーブルの組織ID10bとjが一致するレコードのフロアID10eを抽出する。抽出したフロアID10eとフロア情報テーブルのフロアID11aが一致するレコードのフロア面積11bを抽出する。さらに、出勤情報テーブルの組織ID12cとjが一致するレコードの延べ人数12dを抽出し、月12b=1から12まで個々に、延べ人数12d/フロア面積11bを算出する。これまでの処理を、組織情報テーブルの組織ID10bが記憶されているだけ繰り返し、月12b=月16a、j=組織ID16hとなる一時情報テーブルレコードの人体16dに記憶する。月12b、jの数だけ繰り返し同じ処理を行う。
【0054】
日射熱:X4に関しては、組織情報テーブルの組織ID10bとjが一致するレコードのフロアID10eを抽出する。抽出したフロアID10eとフロア情報テーブルのフロアID11aが一致するレコードの窓面積11cを抽出する。この処理を、組織情報テーブルの組織ID10bが記憶されているだけ繰り返し、抽出した窓面積11cを、j=組織ID16hとなる一時情報テーブルレコードの日射熱16eに記憶する。月によって変化しないため、全て同じ値を記憶する。
【0055】
熱伝達:X5に関しては、内外温度差/窓面積で表されるので、組織情報テーブルの組織ID10bとjが一致するレコードのフロアID10eを抽出する。抽出したフロアID10eとフロア情報テーブルのフロアID11aが一致するレコードの窓面積11cを抽出する。また、出勤情報テーブルの組織ID12cとjが一致するレコードの年度12a、月12bと気温情報テーブルの年度13a、月13bが一致するレコードにより、(外気温13c−室温12e)/窓面積11cの算出を月12bの数だけ繰り返し処理を行う。ただし、負の値になる場合は正の値に変換する。各jにおいて算出された結果を、月12b=月16a、j=組織ID16hとなる一時情報テーブルレコードの熱伝達16fに記憶する。
【0056】
以上までの処理は、種類16g=実績として、一時情報記憶領域126に記憶する。以上までの処理を年度に1を加算して同じ処理を繰り返し、種類16g=予測として、一時情報記憶領域126に記憶する。
【0057】
ただし、気象情報の予測値は無いため、年度13a=0のレコードを使用する。
【0058】
また、延べ人数も年度12aとして、年度に1を加算したデータはないため、組織情報テーブルの年度10a=年度、年度+1および組織ID10bのレコードの人員10dを抽出し、年度10a=年度+1の人員10dを年度10a=年度の人員10dで除算する。この数値を年度12a=年度および該当する組織ID12cの延べ人数12dに乗算して、年度12a=年度+1の延べ人数とする。以上により、前処理S701ステップの処理を終了する。
【0059】
次に、要因別推定S702ステップの処理について説明する。要因別推定ステップでは、電力量の使用情報及びS701で算出したXiから、熱負荷要因に関連付けられた消費要因別の電力量を推定するものである。まず、一時情報テーブルに記憶するXiと((式1)のynに該当する電力量の組合せを求める。図8に示す電力管理単位テーブルに示すように、照明、機器、空調の全てが一緒に管理されている、例えば管理ID8a=1の場合以外に必要となる。
【0060】
照明、機器が一緒に管理され、空調が別となる場合、本例では管理ID8a=10および100のレコードの場合は、照明と機器分が別途測定されているので、空調の電力量からその分の電力量を差し引く。つまり、y空調=y空調−y照明、機器と置き換える。
したがって、y照明、機器とX1、X2の組合せと、y空調とX3、X4、X5の組合せに分けて回帰分析を行い、αi、βを求める。また、照明、機器、空調が個別に管理されている場合には、y空調=y空調−(y照明+y機器)と置き換えて、同様にそれぞれ回帰分析を実施する。
【0061】
ただし、前述したように図8は例として、照明、機器、空調の全てが一緒に管理されている場合と照明、機器が一緒に管理され、空調が別となる場合の2つを記載しているが、通常は1つのみを電力管理単位テーブルに定義する。
【0062】
なお、コンピュータの処理では、電力管理単位テーブルの管理ID8aが定義されている数によってその判断が可能であり、電力量の算出も電力量テーブルの年度9a、月9bが一致するレコードにおいて、管理ID9cの値により各レコードの電力量9dを演算することで算出する。
【0063】
また、本実施例における(式1)の電力量ynとしては、電力消費要因として、空調、照明、機器の3種類を扱っているので、下記の(1)(2)(3)の組合せのいずれかになる。
(1)照明、機器、空調の全てが一緒に管理(管理ID8aが1種類の場合)
(式2) y空調、照明、機器 = α1・X1+α2・X2+α3・X3+α4・X4+α5・X5+β1
(2)3種類のうち2つが同じとなる場合(本実施例のように、照明、機器が一緒に管理され、空調が別となる場合、またこれは管理ID8aが2種類の場合となる)
(式3) y照明、機器 = α1・X1+α2・X2+β1
(式4) y空調 = α3・X3+α4・X4+α5・X5+β2
(3)照明、機器、空調が全て別となる場合(管理ID8aが3種類の場合)
(式5) y照明 = α1・X1+β1
(式6) y機器 = α2・X2+β2
(式7) y空調 = α3・X3+α4・X4+α5・X5+β3
したがって、上記で算出したynの月9bと一時情報テーブル月16aが一致し、かつ種類16g=実績となるレコードを抽出する。同じ管理ID8aとなる組織ID8cと組織ID16hが一致する場合は、一致するレコードの照明16b、機器16c、人体16d、日射熱16e、熱伝達16fを加算する。そして、上記のパターンに応じた組み合わせのデータを回帰分析ツールに渡し、αi及びβの算出結果をツールから得て、図15に示す推定式テーブルに記憶する。ただし、消費要因15cのβは管理ID15bの種類、例えば、本実施例では10、100だけ生じる。また、種類15e=推定とする。発熱要因15cはαi(i=1〜5)に応じて、発熱体情報テーブルのID14aと一致する発熱体14bの値を設定する。なお、回帰分析には表計算ソフトを始めとした市販の回帰分析ツールを用いる。以上により、要因別推定S702ステップの処理を終了する。
【0064】
次に、組織別推定S703ステップの処理について説明する。組織別推定ステップでは、消費要因別の電力量を電力量を管理する組織のデータに基づいて按分することにより、組織別及び消費要因別の電力量を算出する。ここでは、前述の(式2)(式3)のように複数の電力消費要因を一緒に管理する場合において、推定に使用した前年度電力量を電力消費要因別に算出する。また、個別に管理している電力消費要因の電力量を含めて、これらの電力量から組織別の電力量を算出する。
【0065】
まず、電力消費要因別の算出処理について説明する。この処理は、管理ID8aの種類が2種類以下の場合実施する。推定式テーブルの種類15e=推定、一時情報テーブルの種類16g=実績のレコードを抽出し、月16aの数だけ繰り返す。Xi(i=1〜5)として、照明16bから熱伝達16fの値を設定し、ID14a=iとなるレコードの発熱体14bと発熱要因15cが一致するレコードの算出値15dをαi(i=1〜5)とする。ただし、同じ管理ID8aに属する組織ID16hのレコードものはXiを加算し、1つとする。
ここで、γkを以下のように定義する。
γ1=α1・X1
γ2=α2・X2
γ3=α3・X3+α4・X4+α5・X5
次に、γγkを以下と定義して算出する。
管理ID8aが1種類の場合は、
γ1=γ1/2
γ2=γ2/2とした後に、
γ3=γ1+γ2+γ3
γγk=γk(γ1+γ2+γ3)
管理ID8aが2種類の場合は、 γγk=γk(γ1+γ2)
続いて、月16aと電力量テーブルの月9bが一致し、管理ID8aと管理ID9cが一致するレコードの電力量9dに対して、前記γγkを乗じることにより電力消費要因別に電力量を算出する。本実施例では、k=1が照明、k=2が機器、k=3が空調となる。
【0066】
図17に示す、一時情報記憶領域126の要因別電力量テーブルに記憶する。要因別電力量テーブルは月17a、照明17b、機器17c、空調17d、種類17eからなるレコードにて構成される。ここでは、種類17e=実績として記憶する。
【0067】
次に、組織別の電力量算出を実行する。ここでは、前記で算出した要因別電力量テーブルの値を(式1)のXiの組織比に応じて組織別に電力量を算出する。
【0068】
図18に示す評価結果テーブルを評価結果記憶領域127に記憶している。評価結果テーブルは、年度18a、月18b、組織ID18c、照明18d、機器18e、空調18fからなるレコードにて構成される。
【0069】
まず、照明の電力量に関しては、一時情報テーブルの種類16g=実績のレコードにおいて、月16aが一致し、同じ管理ID8aとなる組織ID16hの照明16bの和を求める。そして、月16a=月17aとなる照明17bに対して、組織ID16h毎に、照明16bを前記照明16bの和で除算した値を乗算し、月18b=月16a、組織ID18c=組織ID16hとなるレコードの照明18dに記憶する。また、月16aの数だけ繰り返す。機器は同様にして前記で生成したレコードの機器18eに数値を記憶する。
【0070】
また、空調に関しては、一時情報テーブルの種類16g=実績のレコードにおいて、月16aが一致し、同じ管理ID8aとなる組織ID16hの人体16d、日射熱16e、熱伝達16f毎に各和を求める。組織ID16h毎に、人体16d、日射熱16e、熱伝達16fを前記の和で除算した値を個々に求め、その和を求める。この和を3で除算した値を空調17dに対して乗算し、空調18fとする。また、月16aの数だけ繰り返す。ただし、以上の処理は種類17e=実績のレコードとする。
以上の処理の年度18aは前記と同じく、システムの年度の−1とする。
【0071】
続いて、組織別要因別電力量の予測値を算出する処理を実行する。ここでは、実績値の代わりに、前記で算出した推定式を用いて算出する。まず、要因別電力量を算出する。推定式テーブルの種類15e=推定、一時情報テーブルの種類16g=予測のレコードを抽出し、月16aの数だけ以下の処理を繰り返す。
Xi(i=1〜5)として、照明16bから熱伝達16fの値を設定し、ID14a=iとなるレコードの発熱体14bと発熱要因15cが一致するレコードの算出値15dをαi(i=1〜5)とする。ただし、同じ管理ID8aに属する組織ID16hのレコードものはXiを加算し、1つとする。
【0072】
ここで、γkを以下のように定義する。
γ1=α1・X1
γ2=α2・X2
γ3=α3・X3+α4・X4+α5・X5
次に、γγkを以下と定義して算出する。
管理ID8aが1種類の場合は、
γ1=γ1/2
γ2=γ2/2とした後に、
γ3=γ1+γ2+γ3
γγk=γk(γ1+γ2+γ3)
管理ID8aが2種類の場合は、 γγk=γk(γ1+γ2)
さらに、推定式テーブルにおいて、種類15e=推定かつ管理ID8aに対応する管理ID15bの発熱要因15c=βとなるレコードの算出値15dを抽出する。管理ID8aの状態に応じて、前記γγk×算出値15dをkに応じて算出し、βkとする。
【0073】
なお、本実施例では管理ID8aが2種類であり、発熱要因15c=βをk=1が照明、k=2が機器として、2つに分割することになる。管理ID8aが1種類の場合は、k=3の空調を含めて、3つに分割する。
【0074】
次に、k=1の時はi=1とし、発熱要因15c=照明、k=2の時はi=2とし、発熱要因15c=機器、k=3の時はi=3、4、5とし、それぞれ発熱要因15c=人体、日射熱、熱伝達として、その時の算出値15dにより、yk=算出値15d×Xi+βkを算出する。ただし、k=3の時は、yk=算出値15d×X3+算出値15d×X4+算出値15d×X5+βkとなる。
【0075】
要因別電力量テーブルにおいて、k=1の時は照明17b、k=2の時は機器17c、k=3の時は空調17dに記憶する。ここでは、種類17e=予測として記憶する。月16aの数が終われば、処理を終了する。
【0076】
次に、組織別の電力量算出を実行する。ここでは、前記で算出した要因別電力量テーブルの値を(式1)のXiの組織比に応じて組織別に電力量の予測値を算出する。
【0077】
まず、照明の電力量に関しては、一時情報テーブルの種類16g=予測のレコードにおいて、月16aが一致し、同じ管理ID8aとなる組織ID16hの照明16bの和を求める。そして、月16a=月17aとなる照明17bに対して、組織ID16h毎に、照明16bを前記照明16bの和で除算した値を乗算し、月18b=月16a、組織ID18c=組織ID16hとなるレコードの照明18dに記憶する。また、月16aの数だけ繰り返す。機器は同様にして前記で生成したレコードの機器18eに数値を記憶する。
【0078】
また、空調に関しては、一時情報テーブルの種類16g=実績のレコードにおいて、月16aが一致し、同じ管理ID8aとなる組織ID16hの人体16d、日射熱16e、熱伝達16f毎に各和を求める。組織ID16h毎に、人体16d、日射熱16e、熱伝達16fを前記の和で除算した値を個々に求め、その和を求める。この和を3で除算した値を空調17dに対して乗算し、空調18fとする。また、月16aの数だけ繰り返す。ただし、以上の処理は種類17e=予測のレコードとする。以上の処理の年度18aは、システムの年度とする。以上により、組織別推定S703ステップの処理を終了する。
【0079】
次に、結果出力S704ステップの処理について説明する。評価結果出力部135においては、結果出力S704ステップから実行が掛かると以下の処理を実行する。
【0080】
図19に電力量予測画面を示す。トグルスイッチ19a、組織別要因別電力量表示エリア19b、グラフ表示エリア19c、分析ボタン19d、終了ボタン19eからなる。
【0081】
トグルスイッチ19aにより、組織別要因別電力量表示エリア19bの内容を前年度実績か当年度予測の切り替えを行う。トグルスイッチ19aが前年度実績の場合は、評価結果テーブルの年度18aがシステムの年度−1、当年度予測の場合は、評価結果テーブルの年度18aがシステムの年度のレコードとする。そして、組織ID18c毎に、月18b=1から12までのレコードの照明18d、機器18e、空調18f個々に、総和を算出し、さらにその3つの合計を求め、組織別要因別電力量表示エリア19bに表示する。
【0082】
また、評価結果テーブルの年度18a毎に、月18b単位に組織ID18cの区別無く、照明18d、機器18e、空調18fの総和を求める。そして、月18b=1を基点として、前月までの累積値に、各月の総和を加算し、グラフ表示エリア19cに折れ線で表示する。この時、年度18aがシステムの年度−1の場合には、折れ線を実線で表示し、近傍に実績、システムの年度の場合は、折れ線を破線で表示し、近傍に予測と表示する。そして、年度18aがシステムの年度−1の累積値に対する年度18aがシステムの年度の累積値の差分を比率で表示する。
【0083】
分析ボタン19dを押すと、効果分析S303ステップの処理を実行する。終了ボタン19eを押すと表示画面をクローズし、図4の制御画面表示を行う。その際に、一時情報記憶領域126にある、一時情報テーブルを同じ構成で一時情報記憶テーブル及び要因別電力量テーブルを要因別電力量記憶テーブルとして、組織別結果記憶領域125に記憶を行い、一時情報記憶領域のデータは消去する。
【0084】
以上の処理を、出力部150を介して表示を行い、入力部140を介して、ユーザからのトグルスイッチ19a及び分析ボタン19d、終了ボタン19eの入力を受け付ける。 以上により、結果出力S704ステップの処理及び電力量推定S302ステップの処理を終了する。
【0085】
続いて、効果分析S303ステップの処理を説明する。前記の電力量推定S302の継続処理及び改善効果分析ボタン401の入力による処理のいずれにおいても同じ処理を実施する。
【0086】
ただし、改善効果分析ボタン401の入力の場合には、電力量予測画面の表示がないので、結果出力S704ステップの処理のみ実施する。その際には、結果出力S704ステップの実行前に、組織別結果記憶領域125に記憶する、一時情報記憶テーブル及び要因別電力量記憶テーブルを、それぞれ一時情報テーブル、要因別電力量テーブルとして一時情報記憶領域126に作成する。
【0087】
以下の処理は改善条件入力部133の動作になる。図30に示す改善条件テーブルを改善条件記憶領域119に記憶している。改善条件テーブルは、種類30a、組織ID30b、変更ID30c、コスト30dから構成される。以下の処理において入力部140を介して、ユーザから受け付ける内容を記憶する。
【0088】
まず、図20に示す改善効果分析画面を出力部150を介して表示する。入力部140を介して、ユーザから全体20aの入力を受け付けると、組織リスト20c及び空調:遮光20gを操作不可状態にする。また、組織20bの入力を受け付けると、照明20d及び空調:フロア20fを同様に操作不可状態にする。なお、組織リスト20cのデータは、組織情報テーブルの名称10cから同一のものを除外して生成する。
【0089】
次に、照明20d、機器20e、空調:フロア20f、空調:遮光20gの動作を説明する。まず、照明20dについて説明する。図21に示す照明情報テーブルを照明情報記憶領域122に記憶している。照明情報テーブルは、照明ID21a、照明種類21b、定格電力21c、間引き率21d、コスト21e、選択21fから構成される。コスト21eには、照明種類21b、定格電力21c、間引き率21dの照明条件を適用した時の総コストを設定している。選択21f=1のレコードが現在の条件とする。
【0090】
図22は照明条件画面であり、表22a、選択22bからなる。照明20dの入力により表示する。表22aは、照明情報テーブルの照明種類21b、定格電力21c、間引き率21d、コスト21eのデータを用いて作成し、選択21f=1となるレコードを反転表示する。ユーザからの表22のレコード選択を受け付け、選択22bの入力により確定する。同一レコードのままであれば、以下の改善条件記憶処理をしない。
【0091】
改善条件テーブルに対して、種類30a=照明、組織ID30bは何も入力せず、変更ID30cにはユーザ選択値としてレコードを生成し、記憶する。
【0092】
次に、機器20eについて説明する。図23に示す機器構成テーブルを機器構成情報記憶領域120に記憶している。機器構成テーブルは、機器構成ID23a、モニタ23a、PC23c、TEL23d、COPY23eから構成される。また、図24に示す機器情報テーブルを機器情報記憶領域121に記憶している。機器情報テーブルは、機器分類24a、機器ID24b、定格電力24c、コスト24dから構成される。なお、定格電力24c、コスト24dは1台当たりの値を設定している。
【0093】
図25は機器条件画面であり、組織表示25a、機器表示25b、選択25cからなる。機器20eの入力により表示する。組織表示25aは改善効果分析画面の、全体20a、組織20bによって表示を制御する。全体20aの場合は組織情報テーブルの名称10cの全ての組織、組織20bでは選択された組織を表示する。その際、名称10cに対応する機器構成ID10fと機器構成テーブルの機器構成ID23aのレコードのモニタ23a、PC23c、TEL23d、COPY23eを抽出し、組織表示25aに表示する。ただし、年度10a=システムの年度とする。
【0094】
また、機器表示25bには機器情報テーブルの、機器分類24a、機器ID24b、定格電力24c、コスト24dを各レコード順に表示する。
【0095】
機器の変更は、組織名以外の組織表示25aの各セルをクリックして、機器表示25bの機器IDのセルをクリックすると、組織表示25aのセルを機器表示25bの機器IDのセルの値で更新する。そして、選択25cの入力により確定する。何も変更なければ、以下の改善条件記憶処理をしない。
【0096】
改善条件テーブルに対して、ユーザの選択に応じて種類30aにモニタ、PC、TEL、COPYのいずれかを入力、組織ID30bは組織表示25aの内容から組織情報テーブルの名称10cと一致する組織ID10bとし、変更ID30cにはユーザ選択値としてレコードを生成し、記憶する。ただし、変更があったセルのみ実施する。
【0097】
次に、空調:フロア20fについて説明する。図26は空調:フロア条件画面であり、組織表示26a、フロア表示26b、選択26cからなる。空調:フロア20fの入力により表示する。組織表示26aは組織情報テーブルの年度10a=システムの年度−1および年度10a=システムの年度のレコードにおいて、名称10c、人員10d、フロアID10eの値を、名称、人員、フロアIDとして、年度と共に表示する。ただし、年度=システムの年度のフロアID以外は選択不可で表示する。
【0098】
また、フロア表示26bはフロアテーブル情報のフロアID11a、フロア面積11b、窓面積11cをフロアID、フロア面積、窓面積として全レコードを表示する。なお、フロアID以外は選択不可で表示する。
【0099】
フロアの変更は、組織表示26aのフロアIDのセルをクリックして、フロア表示26bのフロアIDのセルをクリックすると、組織表示26aのセルをフロア表示26bのフロアIDのセルの値で更新する。そして、選択26cの入力により確定する。同一レコードのままであれば、以下の改善条件記憶処理をしない。
【0100】
改善条件テーブルに対して、種類30a=フロアとし、組織ID30bは組織表示26aの内容から組織情報テーブルの名称10cと一致する組織ID10bとし、変更ID30cにはユーザ選択値としてレコードを生成し、記憶する。
【0101】
次に、空調:遮光20gについて説明する。図27に示す遮光条件テーブル及び図28に示す遮光状態テーブルを遮光条件記憶領域123に記憶している。遮光条件テーブルは、遮光ID27a、ガラス種類27b、ブラインド有無27c、遮蔽係数27d、コスト27eから構成される。遮光状態テーブルは、年度28a、フロアID28b、遮光ID28cから構成される。
【0102】
図29は空調:遮光条件画面であり、条件表示29a、選択29bからなる。空調:遮光20gの入力により表示する。遮光条件29aは、遮光条件テーブルの全レコードを表示する。また、改善効果分析画面の組織20bで選択された組織と組織情報テーブル名称10cが一致するレコードのフロアID10eを抽出する。ただし、年度10a=システム年度−1とする。そして、遮光状態テーブルにおいて、年度28a=年度10a、フロアID28b=フロアID10eとなるレコードの遮光ID28cを抽出する。遮光ID229a=遮光ID28cとなるレコードを図29に示すように反転表示する。
【0103】
遮光条件の変更は、ユーザからの該当する遮光IDのクリックを受け付け、選択29bの入力により確定する。同一レコードのままであれば、以下の改善条件記憶処理をしない。
【0104】
改善条件テーブルに対して、種類30a=遮光とし、組織ID30bは改善効果分析画面の組織20bで選択された組織と組織情報テーブルの名称10cと一致する組織ID10bとし、変更ID30cにはユーザ選択値としてレコードを生成し、記憶する。以上で改善条件入力部133の動作を終了する。
【0105】
以下の処理により、改善効果演算部134の動作を説明する。ここでは、前述の改善条件入力部133で作成した改善条件テーブルの項目により、電力量推定部132の処理で作成した電力量予測の変化量により、改善効果を算出及び表示する。
【0106】
処理手順としては、フロア変更に伴う(式1)変数Xiの処理を行い、電力量推定を行う。そして、その他の変更に伴う電力量変化分を算出し、改善条件による電力量算出を実施する。まず、フロア変更に伴う処理を説明する。ただし、改善条件テーブルの種類30a=フロアのレコードがない場合は実施しない。
【0107】
始めに、一時情報記憶領域126に組織情報テーブルを同じ構成で記憶する。なお、効果分析S303ステップ処理終了後に、一時情報記憶領域126に記憶した組織情報テーブルを組織情報記憶領域113の組織情報テーブルとして再度記憶する処理を行う。
【0108】
続いて、組織情報テーブルの年度10a=システムの年度レコードにおいて、改善条件テーブルの種類30a=フロアのレコードの組織ID30b=組織ID10bとなるフロアID10eに変更ID30cの値を代入する。改善条件テーブルの種類30a=フロアのレコードが無くなるまで実施する。
【0109】
そして、前述の前処理S701ステップと同じ処理を行う。ただし、電力量推定部132では年度のデータをシステムの年度−1とシステムの年度で実施し、一時情報テーブルに、種類16g=実績、予測として結果を記憶している。改善効果演算部134では、年度のデータをシステムの年度のみ実施し、種類16g=改善として結果を記憶する。
【0110】
次に、組織別要因別電力量の予測値を算出する処理を実行する。まず、要因別電力量を算出する。推定式テーブルの種類15e=推定、一時情報テーブルの種類16g=改善のレコードを抽出し、月16aの数だけ以下の処理を繰り返す。
Xi(i=1〜5)として、照明16bから熱伝達16fの値を設定し、ID14a=iとなるレコードの発熱体14bと発熱要因15cが一致するレコードの算出値15dをαi(i=1〜5)とする。ただし、同じ管理ID8aに属する組織ID16hのレコードものはXiを加算し、1つとする。
【0111】
ここで、γkを以下のように定義する。
γ1=α1・X1
γ2=α2・X2
γ3=α3・X3+α4・X4+α5・X5
次に、γγkを以下と定義して算出する。
管理ID8aが1種類の場合は、
γ1=γ1/2
γ2=γ2/2とした後に、
γ3=γ1+γ2+γ3
γγk=γk(γ1+γ2+γ3)
管理ID8aが2種類の場合は、 γγk=γk(γ1+γ2)
さらに、推定式テーブルにおいて、種類15e=推定かつ管理ID8aに対応する管理ID15bの発熱要因15c=βとなるレコードの算出値15dを抽出する。管理ID8aの状態に応じて、前記γγk×算出値15dをkに応じて算出し、βkとする。
【0112】
なお、本実施例では管理ID8aが2種類であり、発熱要因15c=βをk=1が照明、k=2が機器として、2つに分割することになる。管理ID8aが1種類の場合は、k=3の空調を含めて、3つに分割する。
【0113】
次に、k=1の時はi=1とし、発熱要因15c=照明、k=2の時はi=2とし、発熱要因15c=機器、k=3の時はi=3、4、5とし、それぞれ発熱要因15c=人体、日射熱、熱伝達として、その時の算出値15dにより、yk=算出値15d×Xi+βkを算出する。ただし、k=3の時は、yk=算出値15d×X3+算出値15d×X4+算出値15d×X5+βkとなる。
【0114】
要因別電力量テーブルにおいて、k=1の時は照明17b、k=2の時は機器17c、k=3の時は空調17dに記憶する。ここでは、種類17e=改善として記憶する。月16aの数が終われば、処理を終了する。
【0115】
図31に示す改善結果テーブルを評価結果記憶領域127に記憶している。改善結果テーブルは、種類31a、月31b、組織ID31c、照明31d、機器31e、空調31fからなるレコードにて構成される。
【0116】
次に、組織別の電力量算出を実行する。まず、照明の電力量に関しては、一時情報テーブルの種類16g=改善のレコードにおいて、月16aが一致し、同じ管理ID8aとなる組織ID16hの照明16bの和を求める。そして、月16a=月17aとなる照明17bに対して、組織ID16h毎に、照明16bを前記照明16bの和で除算した値を乗算し、月31b=月16a、組織ID31c=組織ID16hとなるレコードの照明31dに記憶する。また、月16aの数だけ繰り返す。機器は同様にして前記で生成したレコードの機器31eに数値を記憶する。
【0117】
また、空調に関しては、一時情報テーブルの種類16g=改善のレコードにおいて、月16aが一致し、同じ管理ID8aとなる組織ID16hの人体16d、日射熱16e、熱伝達16f毎に各和を求める。組織ID16h毎に、人体16d、日射熱16e、熱伝達16fを前記の和で除算した値を個々に求め、その和を求める。この和を3で除算した値を空調17dに対して乗算し、空調31fとする。また、月16aの数だけ繰り返す。ただし、以上の処理は種類17e=改善のレコードとする。以上の処理の種類31aは、0とする。以上で、フロア変更に伴う処理を終了する。
【0118】
続いて、その他の変更に伴う処理を実行する。
照明について説明する。改善条件テーブルの種類30a=照明のレコードにおける変更ID30Cと照明情報テーブルの照明ID21aが一致するレコードを抽出する。また、選択21f=1のレコードを抽出する。それぞれ、定格電力21c×(100−間引き率21d)/100を算出し、前者の値を後者の値で除算する。
【0119】
改善結果テーブルにおいて、種類31a=0のレコードの月31b、組織ID31cをコピーして、種類31a=1のレコードを生成する。また、種類31a=0のレコードの照明31dに対して前記の算出値を乗算して、種類31a=1のレコードの照明31dとする。照明の処理を終了する。
【0120】
機器について説明する。改善条件テーブルの組織ID30b単位に、種類30a=モニタ、PC、TEL、COPYのレコードを抽出する。組織情報テーブルの年度10a=システムの年度かつ組織ID10b=組織ID30bのレコードの機器構成ID10fを抽出する。更に機器構成情報テーブルの機器構成ID23a=機器構成ID10fとなるレコードを抽出する。種類30a=モニタ、PC、TEL、COPYに従い、変更ID30cと変更対象となるモニタ23b、PC23c、TEL23d、COPY23eの数値に対応する、機器情報テーブルの機器分類24a、機器ID24bの定格電力24c、コスト24dを抽出する。変更ID30cに対応する定格電力24cに対して、組織ID30bに対応する組織ID10bのレコードにおいて、年度10a=システムの年度の人員10dを種類30a=COPY以外の場合に乗算して、各定格電力24cの和を求める。同様にコスト24dに対して、人員10dを乗算した結果を、種類30aに対応するコスト30dに代入する。
【0121】
また、モニタ23b、PC23c、TEL23d、COPY23eの数値に対応する定格電力24cに対して、組織ID30bに対応する組織ID10bのレコードにおいて、年度10a=システムの年度−1の人員10dをCOPY23e以外の場合に乗算して、各定格電力24cの和を求める。前者の和を後者の和で除算する。
【0122】
改善結果テーブルの、種類31a=0のレコードにおいて、月31bに応じて、組織ID31c=組織ID30bとなるレコードの機器31eに前記除算結果を乗算し、種類31a=1のレコードの機器31eとする。機器の処理を終了する。
【0123】
遮光について説明する。改善条件テーブルの種類30a=遮光のレコードにおける、組織ID30bを抽出する。組織情報テーブルにおける年度10a=システムの年度のレコードで、組織ID10b=組織ID30bとなるフロアID10eを抽出する。次に、遮光状態テーブルの年度28a=システムの年度のレコードにおいて、フロアID28b=フロアID10eとなる遮光ID28cを抽出する。
【0124】
続いて、遮光条件テーブルの遮光ID27aが、それぞれ変更ID30c、遮光ID28cに対応する遮光係数27dを抽出し、前者の値を後者の値で除算したものを遮光Sとする。また、遮光ID27a=変更ID30cとなるコスト27eをコスト30dとする。
【0125】
次に、一時情報テーブルの種類16g=改善、組織ID16h=組織ID30bとなるレコードの人体16d、日射熱16e、熱伝達16fに対して、推定式テーブルの種類15e=改善のレコードの発熱要因15cが人体、日射熱、熱伝達となる算出値15dを乗算し、それぞれを人体S、日射熱S、熱伝達Sとする。そして、SS=(日射熱S+熱伝達S)/(人体S+日射熱S+熱伝達S)を求める。改善結果テーブルの、種類31a=0のレコードにおいて、月31b=月16a、組織ID31c=組織ID30bとなるレコードの空調31fを抽出する。種類31a=1のレコードの空調31fを以下とする。
(種類31a=1のレコードの空調31f)
=(組織ID31c=組織ID30bとなるレコードの空調31f)×SS×遮光S
+(組織ID31c=組織ID30bとなるレコードの空調31f)×(1−SS)
以上で、遮光の処理を終了する。
以上で、効果分析S303ステップの処理を終了する。
【0126】
次に、結果出力S304ステップの処理について説明する。
評価結果出力部135においては、結果出力S304ステップから実行が掛かると以下の処理を実行する。
【0127】
図32に改善効果画面を示す。電力量累積表示エリア32a、コスト表示エリア32b、グラフ表示エリア32cからなる。
図33に示すコスト情報テーブルをコスト情報記憶領域124に記憶している。コスト情報テーブルは費目33a、費用33bから構成される。
図34に示す目標削減率テーブルを改善条件記憶領域119に記憶している。目標削減率テーブルは年度34a、削減率34bから構成される。
【0128】
まず、評価結果テーブルの年度18a毎に、月18b単位に組織ID18cの区別無く、照明18d、機器18e、空調18fの総和を求める。そして、月18b=1を基点として、前月までの累積値に、各月の総和を加算し、グラフ表示エリア32cに折れ線で表示する。この時、年度18aがシステムの年度−1の場合には、折れ線を実線で表示し、近傍に実績、システムの年度の場合は、折れ線を破線で表示し、近傍に予測と表示する。そして、年度18aがシステムの年度−1の累積値に対する年度18aがシステムの年度の累積値の差分を比率で表示する。そして、電力量累積表示エリア32aの前年実績に前者の最終累積値および予測に後者の最終累積値を表示する。
【0129】
また、同様に改善結果テーブルの種類31a=1のレコードにおいて、月31b単位に累積値をグラフ表示エリア32c折れ線を1点鎖線で表示し、近傍に改善と表示する。そして、年度18aがシステムの年度−1の累積値に対しての累積値の差分を比率で表示する。また、電力量累積表示エリア32aの改善後に最終累積値を表示する。
【0130】
続いて、改善条件テーブルの全レコードのコスト30dの総和を算出し、コスト表示エリア32bの改善投資に表示する。また、電力量累積表示エリア32aに表示した、改善後の累積値から前年実績の累積値の差分を取る。目標削減率テーブルの年度34a=システムの年度となるレコードの削減率34bを抽出する。前記差分に対して、前年実績の累積値に削減率34b/100を乗算した値を加算した値が正の場合、その値にコストテーブルの費目33a=排出権の費目33bを乗算し、排出権購入に表示する。負の場合は0を表示する。また、費目33a=電気料金の費目33bを前記差分に乗算し、電気料金変化分に表示する。
【0131】
終了ボタン32dを押すと表示画面をクローズし、図4の制御画面表示を行う。その際に、一時情報記憶領域のデータは消去する。
以上の処理を、出力部150を介して表示を行い、入力部140を介して、ユーザからの終了ボタン32dの入力を受け付ける。
以上で、結果出力S304ステップの処理を終了する。
制御画面の処理により、電力量管理装置100の処理を終了し、電源を落とす処理を行う。
【0132】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0133】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0134】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0135】
100 電力量管理装置
110 記憶部
111 測定単位記憶領域
112 電力量記憶領域
113 組織情報記憶領域
114 フロア情報記憶領域
115 出勤情報記憶領域
116 気温情報記憶領域
117 発熱体情報記憶領域
118 推定式記憶領域
119 改善条件記憶領域
120 機器構成情報記憶領域
121 機器情報記憶領域
122 照明情報記憶領域
123 遮光条件記憶領域
124 コスト情報記憶領域
125 組織別結果記憶領域
126 一時情報記憶領域
127 評価結果記憶領域
130 制御部
131 評価モード選択部
132 電力量推定部
133 改善条件入力部
134 改善効果演算部
135 評価結果出力部
140 入力部140
150 出力部150

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力量の使用情報及び電力量を管理する組織別の熱負荷要因に関する情報を記憶した記憶領域を有する電力量管理装置において、電力量の使用情報から、電力量を管理する組織別に、電力の消費要因別の電力量を推定する電力量管理方法であって、
前記記憶領域において記憶されている情報から各熱負荷要因毎に変数(xi)を算出する前処理ステップと、
電力量の使用情報及び前記変数から、前記熱負荷要因に関連付けられた消費要因別の電力量を推定する要因別推定ステップと、
前記消費要因別の電力量を電力量を管理する組織のデータに基づいて按分することにより、組織別及び消費要因別の電力量を算出する組織別推定ステップと、
前記推定した組織別及び消費要因別の電力量を出力する結果出力ステップと、
を備えたことを特徴とする電力量管理方法。
【請求項2】
前記前処理ステップは、
電力量推定式
【数1】

(yn:電力量、i:熱負荷要因、j:電力量を管理する組織)
におけるxiを前記記憶領域において記憶されているデータから各熱負荷要因毎に算出し、
前記要因別推定ステップは、前記電力推定式における、αi及びβを回帰分析により算出することにより、前記熱負荷要因に関連付けられた消費要因別の電力量を推定することを特徴とする請求項1に記載の電力量管理方法。
【請求項3】
前記要因別推定ステップにおいて、過去の前記電力量を管理する組織のデータに基づいて、過去の消費要因別の電力量を推定することを特徴とする請求項1に記載の電力量管理方法。
【請求項4】
前記要因別推定ステップにおいて、前記電力量を管理する組織のデータを更新し、将来の消費要因別の電力量を推定することを特徴とする請求項1に記載の電力量管理方法。
【請求項5】
前記要因別推定ステップにおいて算出されたβは各消費要因別の推定電力量に応じて按分されることを特徴とする請求項1に記載の電力量管理方法。
【請求項6】
前記消費要因別の電力量は、照明による電力量、機器による電力量及び空調による電力量を含むことを特徴とする請求項1に記載の電力量管理方法。
【請求項7】
前記熱負荷要因は、照明、機器、人体、日射熱、熱伝達のいずれかを含み、
照明:x1=フロア面積/延べ人数
機器:x2=延べ人数
人体:x3=延べ人数/フロア面積
日射熱:x4=窓面積
熱伝達:x5=内外温度差/窓面積
とし、前記記憶領域において記憶されている、電力量を管理する組織に熱負荷要因に関する情報として、延べ人数、フロア面積、窓面積のデータ及び内外温度差データから算出されることを特徴とする請求項1に記載の電力量管理方法。
【請求項8】
請求項1に記載の電力量管理方法において、さらに、
前記熱負荷要因に関する情報を更新するステップと、
更新された前記熱負荷要因に関する情報により、前記電力量を計算するステップと、
前記熱負荷要因に関する情報の更新前の電力量と、前記熱負荷要因に関する情報の更新後の電力量とを対比させて出力するステップと、
を備えることを特徴とする電力量管理方法。
【請求項9】
電力量の使用情報及び電力量を管理する組織別の熱負荷要因に関する情報を記憶した記憶領域を有する記憶部と、
前記記憶部に記憶された情報から、電力量を管理する組織別に、電力の消費要因別の電力量を推定する制御部と、
前記制御部により推定された組織別及び消費要因別の電力量電力量を出力する出力部と、を備えた電力量管理装置であって、
前記制御部は、前記記憶部において記憶されている情報から各熱負荷要因毎に変数(xi)を算出し、電力量の使用情報及び前記変数から、前記熱負荷要因に関連付けられた消費要因別の電力量を推定し、 前記消費要因別の電力量を電力量を管理する組織のデータに基づいて按分することにより、組織別及び消費要因別の電力量を算出することを特徴とする電力量管理装置。
【請求項10】
前記制御部は、
電力量推定式
【数1】

(yn:電力量、i:熱負荷要因、j:電力量を管理する組織)
におけるxiを前記記憶領域において記憶されているデータから各熱負荷要因毎に算出し、
前記要因別推定ステップは、前記電力推定式における、αi及びβを回帰分析により算出することにより、前記熱負荷要因に関連付けられた消費要因別の電力量を推定することを特徴とする請求項9に記載の電力量管理装置。
【請求項11】
電力量の使用情報及び電力量を管理する組織別の熱負荷要因に関する情報を記憶した記憶領域を有する記憶部と、前記記憶部に記憶された情報から、電力量を管理する組織別に、電力の消費要因別の電力量を推定する制御部と、前記制御部により推定された組織別及び消費要因別の電力量電力量を出力する出力部と、を備えた電力量管理装置において実行されるプログラムであって、
前記記憶領域において記憶されている情報から各熱負荷要因毎に変数(xi)を算出する前処理手順と、
電力量の使用情報及び前記変数から、前記熱負荷要因に関連付けられた消費要因別の電力量を推定する要因別推定手順と、
前記消費要因別の電力量を電力量を管理する組織のデータに基づいて按分することにより、組織別及び消費要因別の電力量を算出する組織別推定手順と、
前記推定した組織別及び消費要因別の電力量を前記出力部から出力する結果出力手順と、
を実行することを特徴とする電力量管理プログラム
【請求項12】
前記前処理手順は、
電力量推定式
【数1】

(yn:電力量、i:熱負荷要因、j:電力量を管理する組織)
におけるxiを前記記憶領域において記憶されているデータから各熱負荷要因毎に算出し、
前記要因別推定手順は、前記電力推定式における、αi及びβを回帰分析により算出することにより、前記熱負荷要因に関連付けられた消費要因別の電力量を推定することを特徴とする請求項11に記載の電力量管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2013−101057(P2013−101057A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245055(P2011−245055)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)