説明

電動シャンプーブラシ

【課題】防水性が確保された本体に振動を伝達する部材を貫通させる穴を設けることなく、シャンプーブラシに振動を伝達できる電動シャンプーブラシを提供すること。
【解決手段】電動シャンプーブラシ1は、本体10において、シャンプーブラシ20に連結される上ボディ11及び下ボディ15と、防水された空間を形成する上ボディ11及び下ボディ15の内部において、上ボディ11に固着されて、偏芯重り12cが先端に設けられたシャフト12bを回転するモータ12aにより振動を発生する振動発生手段12と、を備え、上ボディ11を介して振動発生手段12で発生した振動をシャンプーブラシ20に伝達する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動シャンプーブラシに関し、詳しくは、振動を発生する本体と、本体に着脱自在に装着されたシャンプーブラシと、を備える電動シャンプーブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
電動シャンプーブラシは、本体に内蔵されたモータにより振動を発生し、シャンプーブラシに振動を伝達し、このシャンプーブラシを振動させる。
電動シャンプーブラシは、浴室や洗面所の水場で使用されるため、本体の内部に設けられたモータが水没しないように、本体には防水性が要求される。
ところが、電動シャンプーブラシには、防水性が確保された本体の内部に設けられたモータにより発生させた振動を、水に浸ることとなるシャンプーブラシに伝達させなければならないという問題がある。
【0003】
そこで、特許文献1には、本体の内部に設けられたモータに鉄心を接続し、本体に鉄心が貫通する穴を設け、この穴から鉄心を突出させてシャンプーブラシに接続する電動シャンプーブラシが提案されている。
この電動シャンプーブラシによれば、鉄心を介して、モータにより発生させた振動をシャンプーブラシに伝達できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−95534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の電動シャンプーブラシは、本体に設けた鉄心が貫通する穴から、鉄心を伝って本体の内部に水が侵入する場合がある。
【0006】
本発明は、防水性が確保された本体に振動を伝達する部材を貫通させる穴を設けることなく、シャンプーブラシに振動を伝達できる電動シャンプーブラシを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 振動を発生する本体と、前記本体に着脱自在に装着されたシャンプーブラシと、を備える電動シャンプーブラシにおいて、前記本体は、内部に防水された空間を形成し、前記シャンプーブラシに連結されるボディと、前記ボディの内部において、前記ボディに固着されて振動を発生する振動発生手段と、を備え、前記振動発生手段は、シャフトが回転するモータと、前記シャフトに設けられた偏芯重りを有し、前記シャンプーブラシには、前記ボディを介して前記振動発生手段で発生した振動が伝達される電動シャンプーブラシ。
【0008】
(1)の発明によれば、本体は、内部に防水された空間を形成し、シャンプーブラシに連結されるボディと、ボディの内部において、ボディに固着されて、偏芯重りが先端に設けられたシャフトを回転するモータにより振動を発生する振動発生手段と、を備えた。そして、シャンプーブラシには、ボディを介して振動発生手段で発生した振動を伝達する。
これにより、本体において、モータにより偏芯重りが設けられたシャフトが回転すると、偏芯重りにより、モータ自体が振動する。この振動は、モータが固着されたボディに伝達され、さらに、ボディを介してシャンプーブラシに伝達される。
したがって、防水性が確保された本体に振動を伝達する部材を貫通させる穴を設けることなく、シャンプーブラシに振動を伝達できる電動シャンプーブラシを提供できる。
【0009】
(2) 前記シャンプーブラシは、略平板状のベースと、前記ベースから突出する複数の突起と、互いに隣接する前記突起の基端部に連結し、前記ベースから突出する板状の壁部と、を備える(1)に記載の電動シャンプーブラシ。
【0010】
(2)の発明によれば、(1)の発明の構成に加え、電動シャンプーブラシは、弾性変形可能なベースと、
ベースから突出する複数の突起と、互いに隣接する突起の基端部に連結し、ベースから突出する板状の壁部とを備えた。
これにより、(1)の発明の作用効果に加え、複数の突起により、使用者の頭皮をマッサージし、壁部により頭髪の中に埋もれた抜け毛を掻き出すことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、防水性が確保された本体に振動を伝達する部材を貫通させる穴を設けることなく、シャンプーブラシに振動を伝達できる電動シャンプーブラシを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る電動シャンプーブラシの斜視図である。
【図2】前記実施形態に係る電動シャンプーブラシの分解斜視図である。
【図3】前記実施形態に係る本体の分解斜視図である。
【図4】前記実施形態に係る振動発生手段の説明図である。
【図5】前記実施形態に係る電動シャンプーブラシのブロック図である。
【図6】前記実施形態に係るシャンプーブラシの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電動シャンプーブラシ1の斜視図である。
電動シャンプーブラシ1は、振動を発生する本体10と、本体10に着脱自在に装着されたシャンプーブラシ20と、を備える。
【0014】
図2は、電動シャンプーブラシ1の分解斜視図である。
本体10は、ドーム状に形成された上ボディ11と、上ボディ11に固定される皿状に形成された下ボディ15を有し、上ボディ11の頂部近傍には使用者が把持可能な把持部10aが形成されている。
シャンプーブラシ20は、略円形状に立設する壁21aが形成された枠21を有し、壁21aの内周面が本体10の外周に係合することで、本体10に着脱自在に装着される。
【0015】
本体10の構成について、詳細に説明する。
図3は、本体10の分解斜視図である。
本体10は、上ボディ11の端縁においてゴムパッキンが埋め込まれた溝部11aと、下ボディ15の端縁に形成された突起部15aとが嵌合することで、防水された内部空間を形成する。
本体10は、この内部空間において、振動発生手段12と、振動発生手段12に電池から電流を供給する電源13と、振動発生手段12の駆動を制御する基板14と、基板14に信号を送信し、上ボディ11においてゴムで形成された部分を介して使用者が操作可能なスイッチ142と、を備える。
【0016】
図4は、振動発生手段12の説明図である。
振動発生手段12は、シャフト12bが回転するモータ12aと、シャフト12bに設けられた偏芯重り12cを有する。振動発生手段12は、上ボディ11から内部に突出して設けられたモータ固定部11bにより、上ボディ11に固着されている。
【0017】
偏芯重り12cは、シャフト12bの軸芯から外縁までの距離が、モータ12aよりも大きく略半円状に形成されている。これにより、モータ12aによりシャフト12bが回転されると、この偏芯重り12cも回転し、モータ12aに対して周期的に偏芯加重が発生し振動となる。この振動は、モータ固定部11bを介して上ボディ11に伝達され、本体10に装着されたシャンプーブラシ20(図1参照)に伝達される。
【0018】
図3に戻って、基板14について説明する。
基板14には、モータ12a、電源13及びスイッチ142が電気的に接続されている。
基板14は、電源13より供給された電流を、その強さを調整し、所定のタイミングでモータ12aに供給する。
【0019】
図5は、電動シャンプーブラシ1のブロック図である。
基板14は、マイクロプロセッサ140と、共振器141と、スイッチ142と、を備え。マイクロプロセッサ140は、スイッチ142から送信される使用者の操作に応じた電源のオン及びオフやモード(例えば、連続的に振動を発生するモードや間欠的に振動を発生するモード)の切り替え信号に応じて、共振器141により発生した周波数で、電源13から得た電流をモータ12aに供給する。
【0020】
次に、シャンプーブラシ20の構成について、詳細に説明する。
図6は、シャンプーブラシ20の斜視図である。
シャンプーブラシ20は、本体10と係合する枠21と、枠21の本体10とは反対側に設けられ、弾性部材で略平板状に形成されたベース22と、ベースから突出し、弾性部材で形成された複数の突起23と、互いに隣接する突起23の基端部に連結し、ベース22から突出し、弾性部材で板状に形成された壁部24と、を備える。
【0021】
次に、電動シャンプーブラシ1の動作を説明する。
使用者は、シャンプーブラシ20の突起23を頭皮に当て、スイッチ42を操作して、電動シャンプーブラシ1の電源をオンにする。
これにより、モータ12aがシャフト12bと共に偏芯重り12cを回転させることで、本体10に振動が発生し、この振動がシャンプーブラシ20に伝達され、使用者の頭皮をマッサージできる。
【0022】
上記実施形態によれば、電動シャンプーブラシ1は、以下の作用効果を奏する。
本体10は、内部に防水された空間を形成し、シャンプーブラシ20に連結される上ボディ11及び下ボディ15と、上ボディ11及び下ボディ15の内部において、上ボディ11に固着されて、偏芯重り12cが先端に設けられたシャフト12bを回転するモータ12aにより振動を発生する振動発生手段12と、を備えた。そして、シャンプーブラシ20には、上ボディ11を介して振動発生手段12で発生した振動を伝達する。
これにより、本体10において、モータ12aにより偏芯重り12cが設けられたシャフト12bが回転すると、偏芯重り12cにより、モータ12aが振動する。この振動は、モータ12aが固着された上ボディ11に伝達され、さらに、上ボディ11を介してシャンプーブラシ20に伝達される。
したがって、防水性が確保された本体に振動を伝達する部材を貫通させる穴を設けることなく、シャンプーブラシに振動を伝達できる電動シャンプーブラシを提供できる。
【0023】
また、電動シャンプーブラシ1は、弾性変形可能なベース22と、ベース22から突出する複数の突起23と、互いに隣接する突起23の基端部に連結し、ベース22から突出する板状の壁部24を備えた。
これにより、複数の突起により、使用者の頭皮をマッサージし、壁部により頭髪の中に埋もれた抜け毛を掻き出すことができる。
【0024】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0025】
1 電動シャンプーブラシ
10 本体
11 上ボディ
15 下ボディ
12c 偏芯重り
12b シャフト
12a モータ
20 シャンプーブラシ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動を発生する本体と、前記本体に着脱自在に装着されたシャンプーブラシと、を備える電動シャンプーブラシにおいて、
前記本体は、
内部に防水された空間を形成し、前記シャンプーブラシに連結されるボディと、
前記ボディの内部において、前記ボディに固着されて振動を発生する振動発生手段と、を備え、
前記振動発生手段は、
シャフトが回転するモータと、
前記シャフトに設けられた偏芯重りを有し、
前記シャンプーブラシには、前記ボディを介して前記振動発生手段で発生した振動が伝達される電動シャンプーブラシ。
【請求項2】
前記シャンプーブラシは、
弾性変形可能なベースと、
前記ベースから突出する複数の突起と、
互いに隣接する前記突起の基端部に連結し、前記ベースから突出する板状の壁部と、を備える請求項1に記載の電動シャンプーブラシ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−235941(P2012−235941A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107674(P2011−107674)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(511041709)リースンテック有限公司 (2)
【出願人】(509017745)有限会社イーグルジャパン (3)
【Fターム(参考)】