説明

電動ステアリングロック装置

【課題】ステアリングシャフト横に径方向に延びる大きな配設スペースを必要としない薄型化が可能な電動ステアリングロック装置を提供する。
【解決手段】電動モータ26の駆動力によって回転する回転体30と、回転体30の回転により、回転体30の回転軸31に対して直交方向に移動するスライダ44と、スライダ44に連結され、スライダ44の直線移動に連動して回動することにより、回転体30の回転軸31の延び方向に沿って突出してステアリングシャフト1に係合するロック位置と、その係合が解除されるアンロック位置との間を移動可能なロック部材49と、を備えた構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等のステアリングをロックするための電動ステアリングロック装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の電動ステアリングロック装置は、ステアリング操作に伴って回動するステアリングシャフトの外周に係合凹部が設けられている。そして、この電動ステアリングロック装置は、運転者がキー等により自動車のエンジンの停止操作をすると、電動モータの駆動によってロック部材が進出し、係合凹部に係合する。これにより、ステアリングは、ステアリングシャフトの回動が規制されることによりロックされる。一方、電動ステアリングロック装置は、運転者がキー等によりエンジンの始動操作をすると、電動モータの駆動によってロック部材が後退し、係合凹部との係合が解除される。これにより、ステアリングは、ステアリングシャフトの回動規制が解除されることによりアンロックされる。なお、エンジンは、アンロック後に始動される。
【0003】
このような電動ステアリングロック装置が特許文献1に記載されている。この特許文献1の電動ステアリングロック装置は、電動モータの駆動力で回転するカムギアを備えている。このカムギアには、渦巻き形状をなすカム溝が設けられている。このカム溝には、ロック部材の係合ピンが係合されている。そして、ロック部材は、電動モータの駆動によりカム溝に沿って係合ピンが外周側に移動することにより進出する。また、ロック部材は、電動モータの駆動によりカム溝に沿って係合ピンが中心側に移動することにより後退する構成となっている。
【0004】
しかしながら、この電動ステアリングロック装置は、ステアリングシャフトに対してロック部材が径方向に進退するように配設する必要がある。そのため、ステアリングシャフトの横には、径方向に延びるように電動ステアリングロック装置を配設するための大きなスペースが必要になる。また、電動ステアリングロック装置は、その配置位置によっては衝突時に運転者の膝と干渉する恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2006−525170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来の問題に鑑みてなされたもので、ステアリングシャフト横に径方向に延びる大きな配設スペースを必要としない薄型化が可能な電動ステアリングロック装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明の電動ステアリングロック装置は、電動モータの駆動力によって回転する回転体と、前記回転体の回転により、該回転体の回転軸に対して直交方向に移動するスライダと、前記スライダに連結され、該スライダの直線移動に連動して回動することにより、前記回転体の回転軸の延び方向に沿って突出してステアリングシャフトに係合するロック位置と、その係合が解除されるアンロック位置との間を移動可能なロック部材と、を備えた構成としている。
【0008】
この電動ステアリングロック装置は、ロック部材を回転体の回転軸の延び方向に沿って突出させ、ステアリングシャフトに係合するように構成しているため、板状をなす回転体をステアリングシャフトに沿って配置できる。その結果、電動ステアリングロック装置を配設するために、ステアリングシャフトの外周部に径方向に延びる大きなスペースが不要となる。よって、電動ステアリングロック装置に運転者の膝が干渉することはない。
【0009】
この電動ステアリングロック装置では、前記ロック部材と回転体とを、該回転体の径方向外側の略同一平面上に配置することが好ましい。このようにすれば、電動ステアリングロック装置の薄型化が可能となる。
【0010】
また、前記スライダに、前記ロック部材を回動可能に連結する連結ピンを支持する一対の支持部を設けることが好ましい。このようにすれば、簡単な構成にてスライダとロック部材との連結が可能である。また、この構成により、スライダの薄型化が可能であるため、より電動ステアリングロック装置の薄型化が可能となる。
【0011】
さらに、前記スライダに、該スライダの移動方向に延び、前記回転体の回転軸を挿通するガイド孔を設けることが好ましい。このようにすれば、簡単な構成でスライダを確実に保持し、安定した作動状態を得ることができる。
【0012】
さらにまた、前記ロック部材は、線材を略U字形状に屈曲させロック部材の端部に当接する作用部と、該作用部の両端に形成され前記ロック部材の回転軸に巻回された一対の線輪部とを有するダブルトーションバネにより、前記ロック位置に向けて付勢されていることが好ましい。このようにすれば、ロック部材を付勢する付勢部材の配置によって電動ステアリングロック装置が大型(厚肉)化することを抑制できる。
【0013】
また、前記ロック部材の回転軸に設けられ該ロック部材と一体的に回転する回転子と、該回転子が当接することによってスイッチ操作が行われるスイッチ部とを有し、前記ロック部材の位置を検出するロック状態検出機構を設けることが好ましい。このようにすれば、ロック状態検出機構をロック部材の回転軸近傍に省スペースにて配設することができる。
【0014】
なお、これらの電動ステアリングロック装置は、前記回転体の回転軸が前記ステアリングシャフトの軸線を含む平面に対して略直交方向に延びるように配設することが望ましい。また、前記スライダの移動方向がステアリングシャフトの軸線と略平行に延びるように配設することが望ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の電動ステアリングロック装置では、ロック部材を回転体の回転軸の延び方向に沿って突出させるため、板状をなす回転体をステアリングシャフトに沿って配置できる。その結果、ステアリングシャフトの外周部に径方向に延びる大きなスペースが不要となる。よって、電動ステアリングロック装置に運転者の膝が干渉することはない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る実施形態の電動ステアリングロック装置を示す分解斜視図である。
【図2】ロック部材のアンロック状態を示す斜視図である。
【図3】外装体の構成を示す分解断面図である。
【図4】回転体の構成を示し、(A)は上方から見た分解斜視図、(B)は下方から見た分解斜視図である。
【図5】カバーを除く組立状態を示し、(A)はロック状態を示す平面図、(B)はアンロック状態を示す平面図である。
【図6】電動ステアリングロック装置の作動状態を示し、(A)はアンロック状態を示す断面図、(B)はロック状態を示す断面図、(C)は係合凸部が係合凹部に一致しない場合を示す断面図である。
【図7】ロック作動およびアンロック作動を示すタイムチャートである。
【図8】ロック状態検出機構を構成する回転子の変形例を示す斜視図である。
【図9】(A),(B)は図8の回転子の動作状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係る電動ステアリングロック装置(以下「ロック装置」と略する。)10を示す。このロック装置10は、車両の操舵を行う図示しないステアリングを上端に配設したステアリングシャフト1の外周部に配設される。そして、このロック装置10は、運転者がキー等によりエンジンを始動操作すると、ステアリングを操舵可能にアンロックするとともに、エンジンを停止操作すると、ステアリングを操舵不可能にロック可能とする。
【0019】
まず、車両のステアリングシャフト1は、図6に示すように、車室内において四角筒状をなすステアリングコラム2の内部に挿通されている。このステアリングコラム2には、ロック装置10の装着位置に貫通孔3が設けられている。また、ステアリングシャフト1には、貫通孔3の形成位置にステアリングシャフト1に対して相対的に移動しないようにカラー4が配設されている。図2に示すように、カラー4は円筒形状をなし、その外周部に軸方向に延びる係合凹部5が周方向に所定間隔をもって設けられている。
【0020】
本実施形態のロック装置10は、ケース11およびカバー20からなる外装体の内部に、電動モータ26、回転体30、スライダ44、ロック部材49、回転体30の回転位置検出機構およびロック状態検出機構を、プリント基板64と一緒に配設したものである。
【0021】
ケース11は、図1および図3に示すように、一端開口の有底四角筒形状をなす。このケース11の底には、カバー20を固定するためのネジ挿通部12が設けられている。また、ケース11には、一端の壁の中央に、横方向外向きおよび底から外向きに突出する装着部13が設けられている。この装着部13はステアリングコラム2の貫通孔3に装着される。この装着部13には、開口端から底側にかけた厚さ方向に延びるロック部材挿通孔14が設けられている。また、ケース11内のロック部材挿通孔14の近傍には、上方を開放したU字形状の溝を有する一対のロック部材軸支部15が設けられている。さらに、このケース11には、中央に回転体30を回動可能に装着するための軸受部16が設けられている。そして、このケース11には、一方の側壁の隅に位置するようにモータ収納部17が設けられるとともに、該モータ収納部17と所定間隔をもってモータ軸支部18が設けられている。また、ケース11には、装着部13を設けた一端とは逆側に位置する端壁に、コネクタ65を外部に露出させるための露出溝19が設けられている。即ち、本実施形態のケース11は、中央に回転体30を配設し、この回転体30の径方向外側にロック部材49を配設するとともに、回転体30に対してロック部材49と反対側に位置するようにプリント基板64の電子部品66を配置するようにした平面視長方形状をなす。
【0022】
カバー20は、ケース11の上端開口を閉塞する長方形状の平板からなる。このカバー20は、回転体30とスライダ44および電動モータ26と対応する位置がそれぞれ膨出されている。このカバー20には、ケース11の内部を臨む内面側に、ネジ挿通部12に対応するボス21が突設されている。また、カバー20には、装着部13に対応する一端に装着部カバー部22が突設されている。さらに、カバー20の内面には、組付状態でロック部材挿通孔14内に進入する一対の押さえ部23,23が突設されている。そして、カバー20には、軸受部16と対応する位置に同様の軸受部24が設けられている。また、カバー20には、軸受部24を中心として回転体30を覆う隔壁部25が突設されている。この隔壁部25は、装着部カバー部22の側を切り欠いた平面視略C字形状をなす。
【0023】
電動モータ26は、回転体30およびスライダ44を介してロック部材49を作動させるための駆動手段である。この電動モータ26は、電力が供給されると、その通電方向によって出力軸27がロック作動方向(正転)またはアンロック作動方向(逆転)に回転する。この出力軸27には、螺旋状の歯が形成されたウォームギア28が配設されている。この電動モータ26は、ケース11のモータ収納部17に収納され、出力軸27の先端がモータ軸支部18に回転可能に支持される。また、この電動モータ26は、ターミナルベース29によってプリント基板64に電気的に接続されている。このターミナルベース29は、電力を供給するための一対の電極をインサート成形によって内部に一体的に形成した樹脂製のものである。
【0024】
回転体30は、電動モータ26の駆動力によって回転するものである。この回転体30は、樹脂製のギア部材33と金属製のカム部材39とを備えている。そして、この回転体30は、カム部材39をギア部材33に対して回転軸31の延び方向に重ね、相対的に回転不可能に連結する構成としている。なお、この回転体30の回転軸31は、ギア部材33およびカム部材39とは更に別体の棒材により構成している。この回転軸31の上端近傍には、スライダ44を離脱不可能に装着するための鍔部32が設けられている。
【0025】
ギア部材33は、ポリアセタール等の樹脂材料にて形成されている。このギア部材33は、図1および図4(A),(B)に示すように、一端開口の有底筒形状をなす。このギア部材33の外周面には、周方向に連続する凹凸からなるギア溝34が設けられている。このギア部材33の内部底には、カム部材39を相対的に移動不可能に連結するための嵌合溝35が設けられている。この嵌合溝35は、底外周部に設けた円環状の環状溝部35aと、環状溝部35aの一部から中心に向けて延びる扇形溝部35bと、中心に位置する中心孔部35cと、中心孔部35cから径方向外向きに延びる直線溝部35dとを備えている。また、ギア部材33には、カム部材39を相対的に移動不可能に連結するための凸状の係合部36が、底の中心を除く所定位置から軸方向に沿って延びるように突設されている。さらに、ギア部材33には、扇形溝部35bの外周部に位置するように、貫通した収納部37が設けられている。この収納部37は、回転位置検出機構を構成する磁石57を配設するもので、貫通した底縁に内向きに突出する抜止段部38が設けられている。
【0026】
カム部材39は、亜鉛合金等の非磁性体の金属材料にて形成され、使用による経時的な摩耗に対する耐久性を向上したものである。このカム部材39は、ギア部材33の内部に装着可能な直径の有底筒形状をなす。このカム部材39の底面には、上向き(軸方向)に突出したカム部40が設けられている。また、カム部材39の底には、ギア部材33の嵌合溝35に嵌合する嵌合凸部41が設けられている。この嵌合凸部41は、環状溝部35aと対応する環状突部41aと、扇形溝部35bと対応する扇形突部41bと、中心孔部35cと対応する中心突部41cと、直線溝部35dと対応する直線突部41dとを備えている。そのうち、中心突部41cは、ギア部材33への組付状態で、該ギア部材33の底面に略位置する寸法で突設されている。そして、この中心突部41cは、内部に貫通した孔を有する円筒形状に形成され、その内部に回転軸31を貫通させる構成としている。さらに、カム部材39には、組付状態でギア部材33の係合部36と対応する位置に、該係合部36を係合する係合受部42が設けられている。本実施形態の係合受部42は、貫通した孔により構成している。さらにまた、カム部材39には、外周部上端より扇型形状をなすように径方向外向きに突出する移動阻止部43が設けられている。この移動阻止部43は、回転体30が電動モータ26によりアンロック位置に回転すると、アンロック位置にあるロック部材49のロック位置への回動軌道上に位置する。その結果、この状態でロック部材49に対してロック位置へ回動する力が加わると、ロック部材49が移動阻止部43に係合(当接)することにより、ロック部材49のロック位置への移動が阻止される。また、回転体30がロック位置に回転すると、ロック部材49の回動軌道上から離反し、ロック部材49が移動阻止部43に対して係合不可能となる。その結果、この状態でロック部材49に対してロック位置へ回動する力が加わると、ロック部材49がロック位置へ移動される。また、カム部材39には、カム部40の上面に、中心突部41cと対応する中心突部39aが設けられている。この中心突部39aは、スライダ44を移動阻止部43より上側に位置した状態に保持するためのもので、移動阻止部43より上側に突出している。
【0027】
ここで、本実施形態のカム部40について具体的に説明する。このカム部40は、スライダ44を介してロック部材49を作動させるために、中心から径方向外側に向けて流曲線的の延びるカム面40aを備えている。そして、図7に示すように、反時計回りに回転されることにより従動部46を径方向内向きに移動させ、ロック作動を実行し、時計回りに回転されることによりスライダ44の従動部46を径方向外向きに移動させて、アンロック作動を実行する。また、このカム部40は、カム面40aの端部であるロック位置P1の更に時計回り側に延びるように、従動部46を径方向に移動させない非作動面40bを備えている。同様に、カム部40は、アンロック位置P2の更に反時計回り側に延びるように、従動部46を径方向に移動させない非作動面40cを備えている。これら非作動面40b,40cは、電動モータ26の停止後に回転体30が惰性によって反時計回りまたは時計回りに回転しても、スライダ44を介してロック部材49が移動しないように作用する。
【0028】
スライダ44は、回転体30の回転に連動し、回転体30の回転軸31に対して直交方向に移動するものである。このスライダ44には、一端近傍にスライダ44の移動方向である長手方向に沿って延びるガイド孔45が設けられている。このガイド孔45は、カム部材39の中心突部39aに一致された状態で、回転軸31を上方から貫通することにより規制される。このようにして、簡単な構成でスライダ44を確実に保持し、安定した作動状態を得ることができるようにしている。また、このスライダ44の一端には、カム部材39のカム部40の外周面に摺接する従動部46が設けられている。この従動部46は金属製であり、スライダ44とは別体で設けられ、加締めにより固定されている。また、この従動部46は、組付状態ではカム部40において、回転体30の回転軸31を中心としてロック部材49と直径方向逆側に位置するように配設される。さらに、スライダ44には、従動部46と逆側に位置する他端に、ロック部材49を回動可能に連結するための支持部47,47が設けられている。この支持部47,47は、略逆U字形状をなすように、スライダ44の両側縁から下向きに突設されている。これら支持部47,47には、連結ピン48を貫通させるための孔が設けられている。
【0029】
回転体30のカム部40、従動部46、および従動部46を結合したスライダ44は、回転体30を構成するギア部材33の回転によって変位し、ロック部材49をロック作動およびアンロック作動させるためのカム機構を構成する。
【0030】
本実施形態のロック部材49は、図1、図2および図6に示すように、スライダ44の直線的な移動により回動し、ロック部材49がステアリングシャフト1の係合凹部5に係合するロック位置、および、ステアリングシャフト1の係合凹部5と係合しないアンロック位置間を、回転軸31の軸方向に沿って略進退する構成となっている。具体的には、ロック部材49は、図6(A)に示すアンロック状態で、上端がスライダ44の移動方向に沿って略平行に延び、下端に略90度をなす角部が位置する略直角二等辺三角形状をなす。このロック部材49には、下部に位置する略直角部分に、別体の回転軸50が相対的に移動不可能に固着されている。この回転軸50は、ケース11のロック部材軸支部15に配設することにより、ロック部材49全体が回転体30の径方向外側の略同一平面上に位置するように構成されている。しかも、回転軸50は、ケース11に対してカバー20を組み付けると、ロック部材軸支部15の開放した上部が押さえ部23で塞がれるため、確実に離脱が阻止される。また、ロック部材49の上部には、スライダ44の支持部47,47に連結ピン48によって連結される連結孔51が設けられている。この連結孔51は、連結ピンの外径より大きい略四角形状をなす。さらに、このロック部材49には、回転軸50を中心として回転体30と逆側に、下(外)向きに突出する係合凸部52が設けられている。この係合凸部52は、ロック部材49が回転軸50を中心として回動することにより、ロック部材挿通孔14を貫通してステアリングシャフト1の係合凹部5に係合する一方、ロック部材挿通孔14内に没入して係合凹部5との係合が解除される。そして、ロック部材49の後端には、アンロック状態で回転体30の移動阻止部43の下部に位置する当接部53が突設されている。
【0031】
ロック部材49は、付勢部材であるダブルトーションバネ54によって、図1および図6(B)に示すロック位置へ回動するように付勢されている。このダブルトーションバネ54は、線材を略U字形状に屈曲させた作用部55を備えている。この作用部55は、ロック部材49の後端部、更に具体的には当接部53の下部に係合される。この作用部55の両端には、ロック部材の回転軸50に巻回するように該回転軸50に外嵌される一対の線輪部56が設けられている。そして、この線輪部56から突出する端部は、組立状態でケース11の底に係止される。
【0032】
回転位置検出機構は、回転体30の回転位置を検出するもので、図7に示すように、回転体30に配設する磁石57と、プリント基板64に配設する一対のホール素子59A,59Bを備えている。磁石57は、ギア部材33の収納部37に収納されるもので、円弧状に湾曲した形状をなす。この磁石57には、収納部37からの脱落を防止するために、下端の内外縁にギア部材33の抜止段部38に係合する係合段部58が設けられている。ホール素子59A,59Bは、磁石57の磁力を検出することにより、該磁石57の接近状態を検出する。第1のホール素子59Aは、回転体30が予め設定したロック位置に回転した状態を検出するように、プリント基板64の対応位置に実装されている。第2のホール素子59Bは、回転体30が予め設定したアンロック位置に回転した状態を検出するように、プリント基板64の対応位置に実装されている。
【0033】
本実施形態の磁石57は、回転体30を構成するギア部材33とカム部材39とを組み付ける際に、ギア部材33の収納部37に収納させた状態で、後からカム部材39を配設する。これにより、ギア部材33の収納部37の挿入開口をカム部材39で閉塞し、脱落不可能に装着する構成としている。ここで、従来では、樹脂製のカム部材に磁石を配設する場合には、カム部材を金型により成型する際に、磁石をインサート成形して埋設する構成としていた。しかし、インサート成型は製造コストが高い。しかも、樹脂製のカム部材と磁石との熱膨張率の違いから、温度変化によってカム部材の磁石周辺が部分的に割れるという問題があった。しかし、本実施形態では、成型後のギア部材33に磁石57を配設し、別体のカム部材39の配設により離脱不可能に装着するため、製造コストを低減できる。しかも、磁石57と収納部37との間にある程度のクリアランスを設けた設計とすることにより、熱膨張率の違いを吸収でき、温度変化によるカム部材39の破損を防止できる。
【0034】
ロック状態検出機構は、ロック部材49の回動位置(作動状態)を検出するもので、図1および図5(A),(B)に示すように、ロック部材49と一体的に回転する回転子60と、該回転子60が当接するアンロック検出スイッチ63とを備えている。回転子60は、ロック部材49の回転軸50と同一直径の軸部61を備えている。これら回転軸50と軸部61とは、互いに設けた凹凸嵌合部の嵌合により一体的に回転可能に固定されている。この軸部61には、径方向外向きに突出するとともに、軸方向に沿って突出する操作部62が設けられている。そして、この操作部62は、凹凸嵌合部の嵌合により、ロック部材49のロック状態で、径方向上向きに位置するように配設されている。アンロック検出スイッチ63はマイクロスイッチからなり、ロック部材49がアンロック位置に回動することにより、回転子60の操作部62が当接して短絡するようにプリント基板64に実装されている。本実施形態では、図7に示すように、ロック作動時に、回転体30のアンロック回転状態を検出する第2のホール素子59Bがアンロック位置(領域)から逸脱したことを検出した直後に、アンロック状態ではなくなったこと、即ちロック状態になったことを検出するように構成している。即ち、操舵に関する安全性を確保できるアンロック領域から逸脱すると、直ぐに操舵に支障をきたす可能性がある状態になっていることを検出できるようにしている。
【0035】
プリント基板64は、ケース11のネジ挿通部12上に載置され、カバー20のボス21との間に挟持された状態で配設される。このケース11には、車両のメインコントローラに対して双方向で信号を送受信するとともに、電動モータ26を駆動するための電力を受けるためのコネクタ65が実装されている。また、プリント基板64には、一対のホール素子59A,59Bおよびアンロック検出スイッチ63を含む所定の電子部品66が実装されている。そして、このプリント基板64と電動モータ26とは、ターミナルベース29により電気的に接続されている。なお、メインコントローラから受信する信号は、電動モータ26を正転または逆転させることを意味する駆動信号である。また、メインコントローラへ送信する信号は、ホール素子59A,59Bによる回転体30の回転位置情報、および、アンロック検出スイッチ63によるロック部材49のアンロック検出情報を意味する情報信号である。これらの処理は、プリント基板64に実装した制御手段であるマイコンにより行われる。
【0036】
前記構成のロック装置10は、四角筒状をなすステアリングコラム2の貫通孔3を有する壁面に配設される。この際、図6(A)に示すように、ケース11の底面から突出した装着部13を貫通孔3に挿通させる。これにより、直方体形状をなすケース11の底面が、ステアリングコラム2の壁面に沿って延びるように配設される。この状態では、回転体30の回転軸31がステアリングシャフト1の軸線を含む平面に対して略直交方向に延びるように位置する。言い換えれば、スライダ44の移動方向がステアリングシャフト1の軸線と略平行に延びるように位置する。
【0037】
そして、本実施形態のロック装置10は、ロック部材49と回転体30とを、回転体30の径方向外側の略同一平面上に配置する構成としているため、全体の薄型化が可能である。また、スライダ44にロック部材49を回動可能に連結するための支持部47,47を設けているため、簡単な構成にてスライダ44とロック部材49との連結ができるうえ、スライダ44の薄型化が可能であるため、より全体の薄型化が図られている。さらに、ロック部材49を回転軸50に巻回するように配設するダブルトーションバネ54により付勢するため、付勢部材の配置によって大型化を回避できる。しかも、ロック部材49の作動位置を検出するための回転子60を、ロック部材49の回転軸50と一体的に配設し、省スペースにて実装可能としているため、更に大型化を回避できる。
【0038】
次に、ロック装置10の作動について具体的に説明する。
【0039】
図6(A)に示すアンロック状態で、運転者がキー等によりエンジンを停止操作すると、メインコントローラの駆動信号によりマイコンが電動モータ26を正転させ、ロック作動が実行される。そうすると、図7に示すように、ウォームギア28を介して回転体30が反時計回りに回転される。
【0040】
この回転体30のロック作動前のアンロック位置では、回転位置検出機構を構成する第1のホール素子59Aはオフ状態をなし、第2のホール素子59Bはオン状態をなす。そして、回転体30がアンロック検出位置まで回転すると、第2のホール素子59Bは、磁石57が検出可能領域から離れるためオフ状態をなす。また、第1のホール素子59Aはオフ状態を維持する。引き続いて回転体30が回転し、ロック検出位置まで回転すると、第1のホール素子59Aは、磁石57が検出可能領域に至るためオン状態をなす。また、第2のホール素子59Bは、オフ状態を維持する。このホール素子59Aによるオン信号を受信したマイコンは、電動モータ26を停止させる。そうすると、回転体30は、電動モータ26の惰性回転が停止するまで反時計回りに回転し、ロック位置に至る。この状態では、第1のホール素子59Aはオン状態を維持し、第2のホール素子59Bはオフ状態を維持する。
【0041】
このように回転体30がロック作動方向に回転すると、スライダ44の従動部46は、カム部40における非作動面40cを摺接した後、カム面40aを経て非作動面40bに至る。従動部46がカム部40の非作動面40cを摺接する際には、非作動面40cが回転軸31からの距離(半径)が一様の円弧状をなすため、スライダ44の移動方向に沿った変位はない。そして、従動部46がカム面40aに至ると、回転体30の移動阻止部43は、回転体30の回転によって、ロック部材49のロック位置への回転を阻止する回動軌道上から回動軌道の外へと移動して、ロック部材49のロック位置への回転が可能となる。また、従動部46は、カム面40aが回転軸31からの距離が徐々に変化する(小さくなる)流曲線状をなすため、ロック部材49およびスライダ44を介して、ダブルトーションバネ54の付勢力でロック部材49の側に移動される。これにより、従動部46とカム面40aとの摺接状態が維持される。また、スライダ44は、従動部46とともにロック部材49の側に進出する。さらに、ロック部材49は、回転軸50を中心としてロック位置へ向けて回動する。その後、非作動面40bに至ると、非作動面40bが回転軸31からの距離が一様の円弧状をなすため、スライダ44の移動方向に沿った変位はない。
【0042】
そして、このようにロック部材49がロック位置に向けて回動すると、先端の係合凸部52は、回転体の回転軸31の軸方向に略沿ってロック部材挿通孔14を貫通(進出)する。その結果、図6(B)に示すように、係合凸部52と対応するステアリングシャフト1のカラー4の係合凹部5に係合し、ロック状態となる。なお、このロック作動時に係合凸部52と係合凹部5がステアリングシャフト1の径方向に一致しない場合、図6(C)に示すように、係合凹部5がカラー4の外周部に当接した状態をなす。その結果、回転体30がロック位置まで回転しても、ロック部材49は、ロック位置に移動できない。そのため、この状態では、運転者がステアリングを回転操作することが可能である。そして、その回転操作の際にステアリングシャフト1を介してカラー4が回動し、係合凸部52が係合凹部5に一致すると、ダブルトーションバネ54の付勢力でロック部材49がロック位置に回動し、図6(B)に示すように係合凸部52が係合凹部5に係合する。
【0043】
また、ロック部材49が回動すると、ロック状態検出機構を構成する回転子60が連動して回転する。その結果、アンロック検出スイッチ63は、操作部62による押圧が解除され、オン状態からオフ状態となる。なお、アンロック検出スイッチ63は、スライダ44の従動部46がカム部40の非作動面40cからカム面40aに至り、その境界であるアンロック位置P2を通過した後に、オン状態からオフ状態に切り替わる。
【0044】
一方、図6(B)に示すロック状態で、運転者がキー等によりエンジンを始動操作すると、メインコントローラの駆動信号によりマイコンが電動モータ26を逆転させ、アンロック作動が実行される。そうすると、図7に示すように、ウォームギア28を介して回転体30が時計回りに回転される。
【0045】
この回転体30のアンロック作動前のロック位置では、第1のホール素子59Aはオン状態をなし、第2のホール素子59Bはオフ状態をなす。そして、回転体30がロック検出位置まで回転すると、第1のホール素子59Aは、磁石57が検出可能領域から離れるためオフ状態をなす。また、第2のホール素子59Bはオフ状態を維持する。引き続いて回転体30が回転し、アンロック検出位置まで回転すると、第2のホール素子59Bは、磁石57が検出可能領域に至るためオン状態をなす。また、第1のホール素子59Aは、オフ状態を維持する。このホール素子59Bによるオン信号を受信したマイコンは、電動モータ26を停止させる。そうすると、回転体は、電動モータ26の惰性回転が停止するまで時計回りに回転し、アンロック位置に至る。この状態では、第1のホール素子59Aはオフ状態を維持し、第2のホール素子59Bはオン状態を維持する。
【0046】
このように回転体30がアンロック作動方向に回転すると、スライダ44の従動部46は、カム部40における非作動面40bを摺接した後、カム面40aを経て非作動面40cに至る。従動部46がカム部40の非作動面40bを摺接する際には、非作動面40bが一様な半径の円弧状をなすため、スライダ44の移動方向に沿った変位はない。そして、従動部46がカム面40aに至ると、カム面40aが徐々に変化して大きくなる半径の流曲線状をなすため、従動部46が押圧されてカム部材39に対して径方向外向きに移動される。これにより、スライダ44は、従動部46に連動してロック部材49から離反する方向に移動する。その結果、ロック部材49は、スライダ44の移動により上方が引っ張られる。そして、回転軸50を中心として、ダブルトーションバネ54の付勢力に抗してアンロック位置に向けて回動する。その後、従動部46が非作動面40cに至ると、回転体30の移動阻止部43は、回転体30の回転によって、ロック部材49の回動軌道外の位置から、ロック部材49のロック位置への回転を阻止する回動軌道上に移動して、ロック部材49のロック位置への回転を阻止した状態をなす。また、従動部46は、非作動面40cが一様の半径の円弧状をなすため、スライダ44の移動方向に沿った変位が停止する。その結果、スライダ44およびロック部材49の移動も停止する。
【0047】
このようにしてロック部材49がアンロック位置に向けて回動すると、先端の係合凸部52は、回転体の回転軸31の軸方向に略沿って移動するように、ロック部材挿通孔14内に没入する。その結果、図6(A)に示すように、係合凸部52がステアリングシャフト1の係合凹部5から完全に離反(係合解除)し、アンロック状態となる。
【0048】
また、ロック部材49が回動すると、回転子60が連動して回転する。その結果、ロック部材49がアンロック状態となると、アンロック検出スイッチ63は、操作部62により押圧され、オフ状態からオン状態となる。なお、アンロック検出スイッチ63は、第2ホール素子59Bがオフ状態からオン状態に切り替わる前、即ち電動モータ26の通電中にオフ状態からオン状態に切り替わる。これは、ロック部材49がロック位置からアンロック位置まで移動した後、更に電動モータ26を作動させて、回転体30の移動阻止部43をロック部材49の回動軌道上まで回転移動させるように構成しているためである。
【0049】
ここで、本実施形態のロック部材49は、ダブルトーションバネ54によってロック位置に向けて付勢されている。そして、この付勢力に抗してアンロック位置に保持する主たる構成は、スライダ44の従動部46と回転体30のカム部40との係合によるものである。そのため、このアンロック状態でスライダ44の従動部46が破損して脱落した場合、規制が解除されるため、ロック部材49が付勢力でロック位置へ向けて回動可能となる。しかし、本実施形態では、このアンロック状態では、図6(A)に示すように、ロック部材49の当接部53において、ロック位置への回動軌道上である上部に、回転体30に設けた移動阻止部43が位置する。そのため、万が一、従動部46の破損によりロック部材49の規制が解除されても、ロック部材49の当接部53が回転体30の移動阻止部43に係合(当接)してロック部材49のアンロック位置からロック位置への回転を阻止するため、アンロック状態、即ち車両が走行可能な状態で、ロック部材49がロック位置へ移動することを防止できる。
【0050】
このように、本発明のロック装置10は、ロック部材49を回転体30の回転軸31の延び方向に沿って突出させ、ステアリングシャフト1に係合するように構成しているため、板状をなす回転体30をステアリングシャフト1に沿って配置できる。その結果、電動ステアリングロック装置を配設するために、ステアリングシャフト1の外周部に径方向に延びる大きなスペースが不要となる。よって、配設したロック装置10に運転者の膝が干渉することはない。
【0051】
また、アンロック位置に作動した状態では、回転体30に設けた移動阻止部43によりロック部材49が不意にロック位置に移動することを防止できる。そして、このアンロック作動状態は、主として車両を運転している場合が多いため、安全性を向上できる。また、移動阻止部43は、ロック部材49を作動させるための回転体30に設けられているため、別途、専用部品を設ける必要がなく、コスト高になることを防止できる。
【0052】
さらに、回転体30を樹脂製のギア部材33と金属製のカム部材39とで構成しているため、カム部材39の耐久性を向上しつつ、軽量化を図ることができる。しかも、ギア部材33とカム部材39とは、カム部材39をギア部材33に重ね、係合部36と係合受部42とを係合させることにより、相対的に移動不可能に連結しているため、組立作業性を向上できる。
【0053】
なお、本発明の電動ステアリングロック装置は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0054】
例えば、前記実施形態では、ロック状態検出機構を構成する回転子60を、ロック部材49の回転軸50に対して凹凸嵌合により一体的に回転可能に固定したが、図8に示すように、回転子60に装着孔67を設け、ロック部材49の回転軸50に回転可能に軸支する構成してもよい。そして、この回転子60には、ロック部材49の当接部53の下部に延びるように作動部68を設け、図9(A),(B)に示すように、この作動部68をダブルトーションバネ54の付勢によってロック部材49と一体的に回動する構成とする。このようにすれば、回転子60の取付構造の簡素化を図ることができるため、コストダウンを図ることができるとともに、組付作業性の向上を図ることができる。
【0055】
また、前記実施形態では、ギア部材33とカム部材39とを相対的に回動不可能に組み付けるために、ギア部材33に嵌合溝35を設けるとともに係合部36を設ける一方、カム部材39に嵌合凸部41を設けるとともに係合受部42を設けたが、これらの形成部材は逆としてもよい。さらに、嵌合溝35と嵌合凸部41および係合部36と係合受部42のいずれか一方だけを設ける構成としてもよい。また、係合受部42は、貫通した孔により構成したが、差込方向の端部が閉鎖された凹部により構成してもよい。さらに、係合受部42を貫通した孔により構成する場合、凸状をなす係合部36の先端を貫通させて加締めにより変形させて離脱不可能に固定する構成としてもよい。
【0056】
さらに、前記実施形態では、回転体30を一体的に連結するギア部材33とカム部材39とで構成したが、電動モータ26により回転駆動される回転体30をギア部材33で構成し、互いのギア溝の噛み合わせにより別体のカム部材39を回転させる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1…ステアリングシャフト
5…係合凹部
10…ロック装置
11…ケース
20…カバー
26…電動モータ
30…回転体
31…回転軸
33…ギア部材
34…ギア溝
35…嵌合溝
36…係合部
37…収納部
39…カム部材
40…カム部
41…嵌合凸部
42…係合受部
43…移動阻止部
44…スライダ
45…ガイド孔
46…従動部
47…支持部
48…連結ピン
49…ロック部材
50…回転軸
52…係合凸部
54…ダブルトーションバネ
55…作用部
56…線輪部
57…磁石
59A,59B…ホール素子
60…回転子
63…アンロック検出スイッチ
64…プリント基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータの駆動力によって回転する回転体と、
前記回転体の回転により、該回転体の回転軸に対して直交方向に移動するスライダと、
前記スライダに連結され、該スライダの直線移動に連動して回動することにより、前記回転体の回転軸の延び方向に沿って突出してステアリングシャフトに係合するロック位置と、その係合が解除されるアンロック位置との間を移動可能なロック部材と、
を備えたことを特徴とする電動ステアリングロック装置。
【請求項2】
前記ロック部材と回転体とを、該回転体の径方向外側の略同一平面上に配置したことを特徴とする請求項1に記載の電動ステアリングロック装置。
【請求項3】
前記スライダに、前記ロック部材を回動可能に連結する連結ピンを支持する一対の支持部を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動ステアリングロック装置。
【請求項4】
前記スライダに、該スライダの移動方向に延び、前記回転体の回転軸を挿通するガイド孔を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電動ステアリングロック装置。
【請求項5】
前記ロック部材は、線材を略U字形状に屈曲させロック部材の端部に当接する作用部と、該作用部の両端に形成され前記ロック部材の回転軸に巻回された一対の線輪部とを有するダブルトーションバネにより、前記ロック位置に向けて付勢されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電動ステアリングロック装置。
【請求項6】
前記ロック部材の回転軸に設けられ該ロック部材と一体的に回転する回転子と、該回転子が当接することによってスイッチ操作が行われるスイッチ部とを有し、前記ロック部材の位置を検出するロック状態検出機構を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の電動ステアリングロック装置。
【請求項7】
前記回転体の回転軸が前記ステアリングシャフトの軸線を含む平面に対して略直交方向に延びるように配設したことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の電動ステアリングロック装置。
【請求項8】
前記スライダの移動方向がステアリングシャフトの軸線と略平行に延びるように配設したことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の電動ステアリングロック装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−208364(P2010−208364A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−53735(P2009−53735)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【出願人】(000138462)株式会社ユーシン (241)