説明

電動ベッド

【課題】 特定の時間帯の電力使用量を低減する。
【解決手段】 電動ベッドAに蓄電池7を備える。平常時は商用電力により電動ベッドAを動作させ、かつ、蓄電池7を充電する。停電時は蓄電池7の電力を利用して電動ベッドAを動作させる。また、平常時において、商用電力と蓄電池7の選択を可能とし、平常時においても蓄電池7の電力により電動ベッドAの動作を可能とする。蓄電池7は任意の時間帯を利用して充電可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、停電時駆動用の蓄電池を備えた電動ベッドにおいて、平常時においても商用電力と蓄電池による駆動の切り換えを行なうことのできる電動ベッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から電動でボトムを起伏又はフレーム昇降させる電動ベッドは知られている。また、近年、電動ベッドに蓄電池を備えて、平常時の商用電力を利用して充電し、停電時に蓄電池の電力を利用してベッドを動作させる提案もなされている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−236139
【0004】
前記特許文献1記載の技術は、停電時の電源として蓄電池(無停電電源装置)を備えるだけでなく、蓄電池の電力を利用して照明灯を点灯させて、ベッドの操作時の灯りとして利用するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載の電動ベッドは、停電時の動作電力(照明を含む)を供給するための電源を確保するものであり、平常時に蓄電池の電力を利用して電動ベッドの動作を行なうことは想定されていない。
【0006】
また、近年、電力消費量の増大によって消費電力量が供給電力の上限値を超えないよう工夫する努力が求められている。特に、震災による発電量の減少により消費電力量の抑制は急務である。本発明は、このような要求に応え得るものであり、停電時の動作電力を確保するのみならず、平常時(ピーク時)における電力消費量の抑制にも貢献することのできる電動ベッドを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、平常時に商用電力を利用して各ボトムを起伏又はフレームを昇降動作させ、かつ、商用電源を利用して蓄電池に充電し、当該蓄電池の電力を利用して停電時に各ボトムを起伏又はフレームを昇降動作させる電動ベッドにおいて、平常時に手動又は自動で商用電力と蓄電池の選択を可能とする切換装置を具備して構成したことを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記蓄電池は、平常時の夜間又は電力使用量の少ない時間帯に充電する手段を具備して構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によれば、停電時のみならず平常時においても、蓄電池の電力を利用して電動ベッドを駆動することができるので、ピーク時の電力消費量を抑制することができる。
【0010】
請求項2記載の発明によれば、夜間や電力使用量の少ない時間帯を利用して蓄電池へ充電することにより、電力消費量のピーク値を削減できるのみならず、電気料金の削減にも貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る電動ベッドの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図1を用いて説明する。図1は本発明に係る電動ベッドAを示す側面図である。図1において、1はベッドAの昇降フレームであり、2は背角度が可変する背ボトムである。3は膝角度が可変する膝ボトムであり、4は昇降フレーム1の高さを可変する昇降機構である。前記背ボトム2や膝ボトム3、或いは、昇降フレーム1は、図示しないアクチエータ等の駆動機構の動作とリンクして可変する。
【0013】
5は前記駆動機構(アクチエータ等)を動作させる操作用の手元スイッチであり、6は手元スイッチ5の操作に応じて前記駆動機構を駆動させる制御装置を示している。
【0014】
7は平常時に商用電力を充電する蓄電池であり、8は蓄電池7を充電するための充電装置を示している。9は蓄電池7又は商用電力の選択を行なう切換装置を示しており、10は商用電力を蓄電池7及び切換装置9側に分岐するタップである。
【0015】
つづいて、本発明に係る電動ベッドAの動作について説明する。平常時、電動ベッドAには、商用電源より交流電力がタップ10を介して充電装置8に供給され、充電装置8によって蓄電池7が充電される。
【0016】
蓄電池7に充電された電力は、切換装置9の遮断動作によって制御装置6に供給されない。一方、タップ10から切換装置9に供給される商用電力は、切換装置9の投入動作によって制御装置6に供給され、制御装置6に駆動電力を与える。
【0017】
これにより電動ベッドAは動作可能な状態となり、利用者が手元スイッチ5を操作することによって、制御装置6から図示しない各駆動機構(アクチエータ等)に駆動指令が出力され、背ボトム2や膝ボトム3の角度調節、又は、昇降フレーム1の高さ調節を行なう。
【0018】
一方、停電が発生した場合、商用電力の供給が停止されるので、平常時に充電した蓄電池7の電力が切換装置9の投入動作によって制御装置6に供給される。この結果、制御装置6は停電時においても動作電力を確保し、利用者が手元スイッチ5を操作することにより、各ボトム2,3、又は、フレーム1を動作させることが可能となる。
【0019】
以上の動作を基本としつつ、本発明の電動ベッドAは切換装置9に図示しない手動スイッチを備え、停電時のみならず平常時においても蓄電池7の電力を制御装置6に供給可能に構成したことに特徴を有する。
【0020】
これにより、使用電力の多い時間帯は商用電力の消費を中止し、蓄電池7に充電した電力を利用して電動ベッドAの動作を可能とし、ピーク時の電力消費量がピーク値となる時間帯の電力を抑制することができる。
【0021】
また、切換装置9にタイマ機能を備え、電力使用量の少ない時間帯や夜間の時間帯を予め指定し、この時間帯は蓄電池7に充電した電力を制御装置6に供給するように切換装置9を構成しても良い。
【0022】
これによれば、ピーク時の電力使用量を抑制できるとともに、電気料金の安い時間帯の電力を利用することができ、経済的な貢献度も高い。
【0023】
以上説明したように、本発明の電動ベッドAは、平常時に充電した蓄電池の電力を停電時のみならず平常時においても利用可能とし、特定の時間帯における電力消費量を抑制するとともに、使用電力料金を削減することを可能とする。
【産業上の利用可能性】
【0024】
あらゆる電力消費機器で利用することが可能である。
【符号の説明】
【0025】
1 昇降フレーム
2 背ボトム
3 膝ボトム
4 昇降機構
5 手元スイッチ
6 制御装置
7 蓄電池
8 充電装置
9 切換装置
10 タップ
A 電動ベッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平常時に商用電力を利用して各ボトムを起伏又はフレームを昇降動作させ、かつ、商用電源を利用して蓄電池に充電し、当該蓄電池の電力を利用して停電時に各ボトムを起伏又はフレームを昇降動作させる電動ベッドにおいて、平常時に手動又は自動で商用電力と蓄電池の選択を可能とする切換装置を具備して構成したことを特徴とする電動ベッド。
【請求項2】
前記蓄電池は、平常時の夜間又は電力使用量の少ない時間帯に充電する手段を具備して構成したことを特徴とする請求項1記載の電動ベッド。

【図1】
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【公開番号】特開2013−63194(P2013−63194A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203940(P2011−203940)
【出願日】平成23年9月19日(2011.9.19)
【出願人】(000116666)愛知電機株式会社 (93)