説明

電動巻上下装置

【課題】上下限位置設定及び軽負荷高速設定が手元の操作部の押ボタンスイッチの操作で簡単、且つ安全に設定できる電動巻上下装置を提供する。
【解決手段】操作部1、インバータ4、マイクロコンピュータを備えた制御部3、及び巻上下用の誘導電動機5を備え、操作部1の押釦スイッチの操作により揺動電動機5の起動運転制御を行い、制御部3への電源を供給し続け該制御部3の制御機能を生かしながら、非常停止用スイッチのON又はOFF操作によりインバータ4から誘導電動機5への駆動電力を遮断する安全機能を備えた電動巻上下装置であって、非常停止用スイッチ13のON又はOFF操作により揺動電動機5を起動運転制御にする運転制御モードにすると共に、OFF又はON操作により制御部3の各種機能を設定する機能設定モードとするモード設定手段を備え、モード設定手段を機能設定モードとし、操作部1の押釦スイッチの操作により各種機能を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電動チェーンブロックや電動ホイスト等の電動巻上下装置に関し、特に巻上下げの上限下限の設定・解除、及び軽負荷高速運転の設定・解除の各種機能の設定・解除が操作部の操作で容易に、且つ安全に実施できる電動巻上下装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の電動巻上下装置においては、荷の巻上下げ位置に上限位置及び下限位置を設けないと、荷の巻上げ過ぎ、巻下げ過ぎにより荷が他の物体に衝突する等の危険があるため、予め巻上げの上限位置及び巻下げの下限位置を設定し、この上限位置及び下限位置を超えて荷の巻上げ及び巻下げができないようにしている。この上限及び下限位置の設定には、機械式に設定する方法と、電子式に設定する方法がある。機械式の設定方法としてはギヤリミットを用いるものがあり、また、電子式の設定方法としては、エンコーダ式ギヤリミットを用いるものがある。また、特許文献1に記載のマイクロプロセッサ制御ホイストでは、ペンダント制御ステーションのボタンスイッチの組み合わせで上限位置及び下限位置を設定するようにしたものもある。
【特許文献1】特開昭61−23100号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の上限及び下限位置を設定する方法では、誤動作が発生する可能性があり危険である。また、設定及び解除するためには巻上下装置本体の位置にまで登って設定作業を行なう必要があり、作業が困難であると同時に危険が伴うという問題もある。また、特許文献1に記載の技術も、設定の後に動いてミスとなったり、人手で設定するので危険な作業になるという問題があった。
【0004】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、上下限位置設定及び軽負荷高速設定が手元の操作部の押ボタンスイッチの操作で簡単、且つ安全に設定できる電動巻上下装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため本発明は、非常停止用スイッチ及び押釦スイッチを備えた操作部、インバータ、該インバータに内蔵された又は独立したマイクロコンピュータを備えた制御部、及び巻上下用電動機を備え、操作部の押釦スイッチの操作により制御部を介してインバータを制御し、巻上下用電動機の起動運転制御を行い、制御部への電源を供給し続け該制御部の制御機能を生かしながら、非常停止用スイッチのON又はOFF操作によりインバータから巻上下用電動機への駆動電力を遮断する安全機能を備えた電動巻上下装置であって、非常停止用スイッチのON又はOFF操作により巻上下用電動機を起動運転制御にする運転制御モードにすると共に、OFF又はON操作により制御部の各種機能を設定する機能設定モードとするモード設定手段を備え、モード設定手段を機能設定モードとし、操作部の押釦スイッチの操作により各種機能を設定することを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、上記電動巻上下装置において、所定位置からの巻上距離及び巻下距離を測定する巻上下距離測定手段を備え、モード設定手段を前記運転制御モードとし巻上下用電動機の起動運転制御により所望の巻上上限又は巻下下限まで運転した後、モード設定手段を機能設定モードとし操作部の押釦スイッチの操作により巻上下距離測定手段で測定した巻上上限までの距離又は巻下下限までの距離を巻上上限又は巻下下限として設定することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、上記電動巻上下装置において、モード設定手段を機能設定モードとし、操作部の押釦スイッチの操作により、軽負荷高速巻上下を設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、非常停止用スイッチのON又はOFF操作により巻上下用電動機を起動運転制御にする運転制御モードにすると共に、OFF又はON操作により制御部の各種機能を設定する機能設定モードとするモード設定手段を備え、モード設定手段を機能設定モードとし、操作部の押釦スイッチの操作により各種機能を設定するので、下記のような優れた効果が得られる。
(1)誤動作を防止でき安全性が向上する。
(2)手元操作部の押釦スイッチの操作で簡単に各種機能の設定・解除ができる。
(3)操作部の押釦スイッチの数を増やすことなく、標準の操作部で各種機能の設定が可能となる。
(4)安全性及び利便性の向上がコストアップなしで実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る電動巻上下装置のシステム構成例を示す図である。図示するように、本電動巻上下装置は、操作部1と、インタフェース(I/F)部2とマイクロコンピュータを備えた制御部3、インバータ4、巻上下用の誘導電動機5を具備する。6は三相交流電源であり、該三相交流電源6の三相(RST)がインバータ4に供給されると共に、トランス7を介した単相(ここではRT相)の交流電源がインタフェース(I/F)部2に供給されるようになっている。インタフェース(I/F)部2は交流の信号を直流信号に変換するインタフェースであり、操作部1から出力された交流の信号を受信し、直流の信号に変換して制御部3及びインバータ4へこの変換した直流信号を出力するようになっている。後に詳述するように、操作部1からの巻上及び巻下の低速・高速指令に応じて、マイクロコンピュータを備えた制御部3は速度指令信号線19を経由してインバータ4に速度指令信号を送り、インバータ4を制御し、誘導電動機5に供給する駆動電力の周波数を巻上低速・高速、巻下低速・高速用に変化させ、誘導電動機5を巻上低速・高速及び巻下低速・高速で運転する。
【0010】
操作部1は図2(a)に正面、(b)に側面を示すように、筐体に巻上用押釦スイッチ11、巻下用押釦スイッチ12、非常停止用スイッチ13を取り付け(実装し)た構成である。該操作部1は図示を省略するが誘導電動機5、巻上下機構等を備えた電動巻上下装置本体にケーブル8で接続されており、操作部1を手元において操作することにより、電動巻上下装置を運転できるようになっている。巻上用押釦スイッチ11は2段操作の押釦スイッチであり、1段目の押圧操作で接点11aがONし巻上低速指令信号ULを、2段目の操作で接点11bがONし高速指令信号Hをインタフェース(I/F)部2に出力するようになっている。また、巻下用押釦スイッチ12も2段操作の押釦スイッチであり、1段目の押圧操作で接点12aがONし巻下低速指令信号DLを、2段目の操作で接点12bがONし高速指令信号Hをインタフェース(I/F)部2に出力するようになっている。
【0011】
また、非常停止用スイッチ13は押釦を備え、該押釦頂部を押し込むことによりON(常閉接点が開)となり、該押釦頂部を回転させることにより押し込まれた押釦が元に戻りOFF(常閉接点が閉)となるスイッチであり、ONでインタフェース(I/F)部2にセフティ信号SAが出力され、OFFで該セフティ信号SAを遮断するようになっている。非常停止用スイッチ13がON(常閉接点が開)されると、インタフェース(I/F)部2からセフティ信号SAがインバータ4に出力され、誘導電動機5に供給する駆動電力は遮断されると共に、インバータ4からRS422通信線18を経由してマイクロコンピュータを備えた制御部3に非常停止用スイッチ13がON(常閉接点が開)されたことによりインバータ4の誘導電動機5への駆動電力が遮断されたことを示す信号が出力され、後に詳述するように制御部3は運転制御モードから機能設定モードに切り換わる。
【0012】
なお、巻上用押釦スイッチ11及び巻下用押釦スイッチ12は2段目の操作では接点11a、12aはONの状態を継続するようになっている。従って、制御部3は「巻上げ」か「巻下げ」かの判断は接点11a、12aのONによる信号、即ち巻上低速指令信号UL、巻下低速指令信号DLで行う。インバータ4には三相(R,S,T)交流電源6が入力され、インバータ4から誘導電動機5に3相(U、V、W)の駆動電力が供給されるようになっている。図示を省略するがインバータ4にはマイクロコンピュータが備えられており、非常停止用スイッチ13がONとなり、インタフェース(I/F)部2にセフティ信号SAが入力されるとインバータ4にもセフティ信号SAが入力され、誘導電動機5に供給する駆動電力は遮断される。なお、インバータ4にセフティ信号SAが入力され、誘導電動機5に供給される駆動電力は遮断されても、インバータ4に備えられているマイクロコンピュータは作動しており、誘導電動機5への駆動電力が遮断されているのみで、制御機能は正常に作動している。
【0013】
14はロータリーエンコーダであり、誘導電動機5で駆動される電動巻上下装置本体のロープやチェーンを巻上下げする巻上下機構の回転軸に連動して回転し、該回転軸の回転数(巻上下げ距離)に比例したパルスを制御部3に入力するようになっている。即ち、制御部3のマイクロコンピュータは、例えば回転軸の正回転でロータリーエンコーダ14からのパルスを加算し、逆回転で減算し、このロータリーエンコーダ14からのパルスのカウント値により巻上距離及び巻下距離を検知するようになっている。なお、15は回生制動用抵抗器であり、16は機械式ブレーキである。機械式ブレーキ16は、整流器17を介して直流電力が供給されることにより、機械式ブレーキ16は解放され、該直流電力が遮断されると作動し誘導電動機5及び巻上下機構の回転軸の回転を拘束する。
【0014】
本発明は非常停止用スイッチ13がONされている時、即ちインバータ4にセフティ信号SAが入力され、誘導電動機5に供給する駆動電力が遮断され、インバータ4に備えられているマイクロコンピュータが、誘導電動機5に駆動電力を供給する機能を除いて正常に作動していることを利用して、巻下げ下限位置、巻上げ上限位置、軽負荷高速巻上下等の各種機能を設定する。即ち、誘導電動機5に供給される駆動電力が遮断され、巻上下機構が動作不能の状態を利用して、各種機能を設定しようとするのである。言い換えれば、非常停止用スイッチ13がOFFの時は運転モードとし、ONの時は設定モードとし、該設定モードで操作部1の巻上用押釦スイッチ11及び巻下用押釦スイッチ12の操作により各種の機能の設定を行なうものである。以下に非常停止用スイッチ13によるモード切替処理、設定モードにおける機能設定処理、運転モードにおける運転制御処理について説明する。
【0015】
図3は非常停止用スイッチ13によるモード切替処理フローを示す図である。先ず、ステップST1において、非常停止用スイッチ13がONか否かを判断し、YESであったらステップST2で設定モードとし、NOであったらステップST3で運転モードとする。
【0016】
巻上げ上限位置の設定は、非常停止用スイッチ13をOFF、即ち運転モードとし、所望の巻上げ位置まで荷吊上下用フックを巻上げた状態とする。この状態で、非常停止用スイッチ13をON、即ち設定モードとし、後に詳述するように操作部1の巻上用押釦スイッチ11を所定の手順で操作して、上記荷吊上下用フックを巻上げた位置を巻上げ上限位置(ロータリーエンコーダ14からのパルスのカウント値)として設定する。また、設定した巻上げ上限位置の解除も、後に詳述するようにこの非常停止用スイッチ13をONにした状態で巻上用押釦スイッチ11を所定の手順で操作して行う。
【0017】
また、巻下げ下限位置の設定は、非常停止用スイッチ13をON、即ち設定モードとし、荷吊上下用フックを所望の位置まで巻下げた状態とする。この状態で、非常停止用スイッチ13をOFF、即ち運転モードとし、後に詳述するように操作部1の巻下用押釦スイッチ12を所定手順で操作して、上記荷吊上下用フックの巻下げた位置を巻下げ下限位置として設定する。また、設定した巻下げ下限位置の解除も巻下用押釦スイッチ12を所定手順で操作することにより行う。
【0018】
図4は巻上げ上限位置の設定・解除、及び巻下げ下限位置の設定・解除の処理フローを示す図である。先ず、巻上げ上限位置の設定は、上記のように非常停止用スイッチ13をOFF(運転モード)とし、荷吊上下用フックを所望の巻上げ位置まで巻上げた状態とする。この状態で非常停止用スイッチ13をON(設定モード)とする。続いてステップST11で巻上用押釦スイッチ11がONになった否かを判断し、ONであったらステップST12で巻上用押釦スイッチ11の2段押し込み(高速)であるか否かを判断し、2段押し込みでなかったら、ステップST13で巻上用押釦スイッチ11の1段押し込みが連続5秒ONであるかを判断し、連続5秒ONであったら、ステップST14で上記巻上げ位置を上限位置(巻上げ上限位置)として設定する。また、上限位置の解除は、ステップST12で巻上用押釦スイッチ11の2段押し込み(高速)であったら、続いてステップST15で連続5秒の押し込みであるか否かを判断し、連続5秒押し込みであったら、ステップST16で設定している上限位置(巻上げ上限位置)を解除する。
【0019】
巻下げ下限位置の設定は、上記のように非常停止用スイッチ13をON(設定モード)とし、荷吊上下用フックを所望の巻下げ位置まで巻下げた状態とする。この状態で非常停止用スイッチ13をOFF(運転モード)とする。ステップST11で巻上用押釦スイッチ11がOFFであったらステップST17で巻下用押釦スイッチ12がONであるか否かを判断し、ONであったらステップST18で巻下用押釦スイッチ12の2段押し込み(高速)であるか否かを判断し、2段押し込みであったらステップST19で連続5秒ONであるか否かを判断し、連続5秒ONであったら、ステップST20で下限位置(巻下げ下限位置)を解除する。上記ステップST18で巻下用押釦スイッチ12の2段押し込みでなかったら、ステップST21で巻下用押釦スイッチ12のONが連続5秒ONであるかを判断し、連続5秒ONであったら、ステップST22で上記巻下げ位置を下限位置(巻下げ上限位置)として設定する。
【0020】
図5は運転モードにおける運転制御の処理フローを示す図である。先ず、ステップST31で巻上用押釦スイッチ11がONであるか否かを判断し、ONであったらステップST32で2段押し込み(高速)であるかを判断し、2段押し込み(高速)でなかったらステップST33で巻上げ低速指令を出力する。これによりインバータ4から誘導電動機5に巻上げ低速用駆動電力が出力され、巻上下装置は巻上げ低速運転となる。また、ステップST32で2段押し込み(高速)である場合、ステップST34で巻上げ高速指令を出力する。これによりインバータ4から誘導電動機5に巻上げ高速用駆動電力が出力され、巻上下装置は巻上げ高速運転となる。
【0021】
上記ステップST31において、巻上用押釦スイッチ11がOFFであったら、ステップST35で巻下用押釦スイッチ12がONであるか否かを判断し、ONであったらステップST36で2段押し込み(高速)であるかを判断し、2段押し込み(高速)であったらステップST37で巻下げ高速指令を出力する。これによりインバータ4から誘導電動機5に巻下げ高速用駆動電力が出力され、巻上下装置は巻下げ高速運転となる。上記ステップST36で巻下用押釦スイッチ12の2段押し込み(高速)でなかったら、巻下げ低速指令を出力する。これによりインバータ4から誘導電動機5に巻下げ低速用駆動電力が出力され、巻上下装置は巻下げ低速運転となる。
【0022】
上記のように上限位置の設定、設定した巻上げ上限位置の解除、巻下げ下限位置の設定、設定した巻下げ下限位置の解除は、操作部1の巻上用押釦スイッチ11、巻下用押釦スイッチ12の所定手順の操作で行うが、非常停止用スイッチ13のONの状態、即ちインバータ4から誘導電動機5へ供給された駆動電力を遮断した状態で行うので、操作部1の巻上用押釦スイッチ11及び巻下用押釦スイッチ12を操作しても、誘導電動機5が作動することがないから安全である。なお、図4に示す巻上げ上限位置の設定、設定した巻上げ上限位置の解除、巻下げ下限位置の設定、設定した巻下げ下限位置の解除における巻上用押釦スイッチ11、巻下用押釦スイッチ12の操作手順は一例であり、巻上用押釦スイッチ11及び巻下用押釦スイッチ12の操作手順はこれに限定されるものではない。
【0023】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、処理フローは省略するが、非常停止用スイッチ13をON(設定モード)とし、巻上用押釦スイッチ11のインチング操作を所定回数(例えば10回)行うことにより、軽負荷高速設定になるようにし、巻下用押釦スイッチ12のインチング操作を所定回数(例えば10回)行うことにより、軽負荷高速設定の解除というように、非常停止用スイッチ13をON(設定モード)とし、インバータ4から誘導電動機5への駆動電力の供給を遮断した状態で、操作部1の巻上用押釦スイッチ11及び巻下用押釦スイッチ12の操作により、種々の機能を設定することが、安全に実施できる。
【0024】
なお、上記実施形態例では、制御部3にマイクロコンピュータを設け、該マイクロコンピュータにより上記機能の設定及び解除を行う例を示したが、制御部3にマイクロコンピュータを設けることなく、インバータ4に備えられている(インバータ内蔵)マイクロコンピュータで行うようにしてもよい。また、非常停止用スイッチ13のONで設定モードとし、OFFで運転モードとしているが、反対に非常停止用スイッチ13のOFFで設定モードとし、ONで運転モードとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る電動巻上下装置のシステム構成例を示す図である。
【図2】本発明に係る電動巻上下装置の操作部の概観構成を示す図であり、(a)は正面、(b)は側面を示す。
【図3】本発明に係る電動巻上下装置の非常停止用スイッチによるモード切替処理フローを示す図である。
【図4】本発明に係る電動巻上下装置の巻上げ上限位置設定・解除及び巻下げ下限位置設定・解除の処理フローを示す図である。
【図5】本発明に係る電動巻上下装置の運転制御処理フローを示す図である。
【符号の説明】
【0026】
1 操作部
2 インタフェース(I/F)部
3 制御部
4 インバータ
5 誘導電動機
6 三相交流電源
7 トランス
8 ケーブル
11 巻上用押釦スイッチ
12 巻下用押釦スイッチ
13 非常停止用スイッチ
14 ロータリーエンコーダ
15 回生制動用抵抗器
16 機械式ブレーキ
17 整流器
18 RS422通信線
19 速度指令信号線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非常停止用スイッチ及び押釦スイッチを備えた操作部、インバータ、該インバータに内蔵された又は独立したマイクロコンピュータを備えた制御部、及び巻上下用電動機を備え、
前記操作部の押釦スイッチの操作により前記制御部を介して前記インバータを制御し、前記巻上下用電動機の起動運転制御を行い、前記制御部への電源を供給し続け該制御部の制御機能を生かしながら、前記非常停止用スイッチのON又はOFF操作により前記インバータから前記巻上下用電動機への駆動電力を遮断する安全機能を備えた電動巻上下装置であって、
前記非常停止用スイッチのON又はOFF操作により前記巻上下用電動機を前記起動運転制御にする運転制御モードにすると共に、OFF又はON操作により前記制御部の各種機能を設定する機能設定モードとするモード設定手段を備え、
前記モード設定手段を機能設定モードとし、前記操作部の押釦スイッチの操作により各種機能を設定することを特徴とする電動巻上下装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電動巻上下装置において、
所定位置からの巻上距離及び巻下距離を測定する巻上下距離測定手段を備え、
前記モード設定手段を前記運転制御モードとし前記巻上下用電動機の前記起動運転制御により所望の巻上上限又は巻下下限まで運転した後、前記モード設定手段を機能設定モードとし前記操作部の押釦スイッチの操作により前記巻上下距離測定手段で測定した前記巻上上限までの距離又は巻下下限までの距離を巻上上限又は巻下下限として設定することを特徴とする電動巻上下装置。
【請求項3】
請求項1に記載の電動巻上下装置において、
前記モード設定手段を前記機能設定モードとし、
前記操作部の押釦スイッチの操作により、軽負荷高速巻上下を設定することを特徴とする電動巻上下装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−30760(P2010−30760A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−196290(P2008−196290)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(000129367)株式会社キトー (101)