説明

電動歯ブラシ

電動歯ブラシが提供される。この電動歯ブラシは、細長い本体と、可動マッサージプレート及びそのマッサージプレートに対向して配置された可動毛支持体を有するヘッドと、本体及びヘッドの間に延在するネックとを有する。電動モータは作動的にシャフトに接続され、電動モータの作動により、シャフトが往復運動を行い、このシャフトはマッサージプレート及び剛毛支持体に作動的に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は歯ブラシの分野に関し、より詳細には、本発明は電動式歯ブラシの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
最も良く知られている電動歯ブラシは、歯ブラシに組み込まれている電動モータによって動力を備え、又は駆動される単一毛支持体を利用する。一般に、これら歯ブラシの毛支持体は回転運動を受ける。これらの毛支持体はある点においては十分であるが、動力を備えた歯ブラシの設計において未だ改善の必要性がある。
【0003】
電気歯ブラシの設計、性能、洗浄効果、簡素化、及び/又は商業可能性を改善しようという多くの試みがなされている。その1つの方法は、複数電動毛支持体を備えることである。ほとんどの技術者は、ブラシの一端に沿って毛を複数セットに分け、各組の毛を同時に回転させる駆動機構を組み込んでいる。設計例としては、米国特許第3,242,516号、同第4,156,620号、同第4,845,795号、同第5,088,145号、同第5,020,179号、同第4,827,550号、及び同第4,545,087号に開示されたものが挙げられる。
【0004】
複数の回転毛支持体上の毛を複数セット群に分ける関連方法は、米国特許第2,140,307号及び同第5,170,525号に開示されている。前述の特許で採用された方法、すなわち各毛セットがそれぞれの中心を回転するのではなく、米国特許2,140,307号及び同第5,170,525号に記載された設計では、複数の毛セット群が毛支持体の中心を回転する。特に、複数群の毛セットを円形の毛支持体上に配置し、通常は幾つかあるうちの1つの毛支持体がその軸を中心として回転する。
【0005】
米国特許第5,070,567号は、前述の2つの方法を組み合わせた設計について説明する。回転毛支持体は、個別に回転可能な複数の毛セットと共に備えられる。この設計は先行設計の関連した多くの利点を備えているようであるが、回転毛セットのみの洗浄効果については幾らか制限がある。
【0006】
更に別の設計が、米国特許第5,617,603号に開示されている。米国特許5,617,603号には、「ねじれ形回転」ブラシの組立品が記載されている。2つの毛支持体が歯ブラシの平面内における複雑な経路に沿って動くことは明らかである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
様々な組み合わせの動きをする二重毛支持体が従来技術において開示されているが、少なくとも1つの支持体が往復又は旋回タイプの動きをする複数の毛支持体を備えた電動歯ブラシを提供する必要性が残っている。更に、ブラシの別の構成要素がブラッシング動作を補助する特定タイプの動きを行う間、少なくとも1つの支持体が往復運動する複数の毛支持体を備えた電動歯ブラシを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
電動歯ブラシが提供される。電動歯ブラシは、ハンドルと、ヘッドと、前記ハンドル及び前記ヘッドの間に延在するネックとを含む伸長型本体を有する。複数の毛支持体がヘッド上に配置され、各毛支持体は毛のタフトの集合体を含む。電動モータは作動的にシャフトに接続され、その両方が歯ブラシの本体内に配置される。電動モータが作動すると、シャフトが往復運動する。そのシャフトは、少なくとも1つの毛支持体に作動的に接続され、その支持体と関連する支持体を動かす。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、様々な構成要素及び構成要素の配置、並びに様々な技法、方法、又は工程の手順及び配列の形態をとることができる。参照図面は、好ましい実施形態を図示する目的だけであり、必ずしも寸法には従っておらず、本発明を限定するものと解すべきではない。
本発明は、以下の説明に以下の添付図面を参照することで、より良く理解されると考えられる。
【0010】
様々な好ましい実施形態について説明する前に、様々な歯ブラシの可動毛が受け得る様々なタイプの運動を定義するのが参考になる。本明細書で使用する用語「角運動」は、任意の角度変位を指す。「直線運動」は、直線又は実質的に直線の線若しくは方向に沿う動作を指す。「曲線運動」は、完全に直線状でも完全に角度を成すでもなく、その2つの組み合わせ(例えば、曲線状)の動作である。これらの運動は、一定にも又は周期的にもすることができる。一定運動は、方向又は経路を変化させない(すなわち、単一方向の)運動を指す。周期運動は、方向又は経路を逆転させる運動を指す。一定角運動は回転運動と呼ばれるが、本明細書における機構は「回転可能に取り付けられた」と記載されてもよく、この表現は、周期的であれ、一定であれ、単に角運動が可能であることを意味することを意図する。周期角運動は振動運動と呼ばれる。曲線運動もまた、一定(すなわち単一方向)又は周期(すなわち方向逆転)のいずれかにすることができる。周期直線運動は、「往復運動」と呼ばれる。「軌道運動」は、運動している構成要素(例えば、シャフト)の中心とは別個の、そこから幾らか離れた軸を中心とした角運動の一種である。この距離は、本明細書において軌道運動のオフセットの範囲と呼ばれる。軌道運動は、一定角運動か、又は周期角運動のいずれであってもよい。
【0011】
前述の運動は、毛支持体、歯ブラシ、歯ブラシヘッドなどの1つ以上の軸に沿って起こり得る。したがって、本明細書で示される動作は、軸座標の数に応じて、1次元、2次元、又は3次元の動きとして描かれ、この軸座標は、動作中における毛支持体の位置を示すために必要となるものである。図1に軸X、Y、Zを示す。1次元動作は、1つの座標(X、Y、又はZ座標)によって表すことのできる動きである。典型的には、1次元運動になり得るのは線状運動のみである。例えば、実質的にY軸に沿ってのみ動く周期線運動は、1次元運動である(本明細書では、「パルシング運動」又は「上下運動」と呼ぶ)。2次元運動とは、毛支持体の動作経路を表すために2つの座標(例えば、X及びY座標)が必要となる毛支持体による動きを意味する。毛支持体上の点は移動経路を表すのに2つの座標が必要となるため、単一平面内で生じる角運動は2次元運動である。3次元運動とは、毛支持体の動作経路を表すために3つの座標(例えば、X、Y及びZ座標)が必要となる毛支持体による動きを意味する。3次元運動の例としては、らせん状の経路を取る毛支持体の動きが挙げられる。
【0012】
本明細書に記載された毛支持体の運動の大部分は、様々な構造上の特性を調整することによって変更できるので、本明細書中の運動に関する記載がこれらの変形を含むことは、自動的に理解されるものとする。例えば、軸の周囲を振動するものとして記載される運動は、他の運動(例えば、往復直線運動)の要素も含み得るが、それは特に、この第2の動きの要素を提供するべく、幾つかの変更を行い得ることに留意する場合である。かかる変更の除外を意図した運動は、本明細書では、修飾語「主として」(例えば、「主として振動する」又は「主として往復運動する」)を伴って記載され、有意な他のタイプの運動は除外するが、製造許容差若しくは可変性から偶発的に発生し得る、又は大抵の場合のように、毛支持体から完全に別のタイプの動きを完全に排除することが難しい場合の他の運動は除外しないことを意図するものとする。本明細書に記載された全ての運動は、所望であれば、主として記載された運動に制限されることもある。
【0013】
図1は、本発明の好ましい実施形態である歯ブラシ2の斜視図である。この歯ブラシ2は、ハンドル30と、ヘッド50と、ハンドル30及びヘッド50の間に延在するネック40とを有する伸長型本体10から構成されている。本体10の外側領域に沿って、スイッチ20が配置又はアクセスできるようになっている。当然のことながら、スイッチ20によって、歯ブラシ2の本体10内に含有されている電動モータが作動する。モータ(図示せず)及び本明細書に記載される駆動機構(図示せず)は、歯ブラシの遠位端に配置された1つ以上の毛支持体を駆動する。具体的には、歯ブラシ2は、最遠位第1端部52に隣接している第1毛支持体60と、第2毛支持体70とを更に具備する。本明細書でより詳細に述べる通り、駆動機構を稼動させると、第1及び第2毛支持体は、特定の動作が組み合わさった動きを見せる。それらの運動は、軸X、Y、及びZに関して最良に記載されている。
【0014】
本明細書では、X軸は、通常は長手方向軸と呼ばれ、一般的に、歯ブラシヘッド又は毛支持体の長手方向又は縦方向の面(歯ブラシの平面図に見られるように)に沿って延在している。例えば、長手方向軸は、歯ブラシヘッドの最長面を通る軸である。Y軸は、X軸に対して横断方向、直交又は垂直であり、一般に、歯ブラシヘッドを左右に二分する。Z軸は、X軸及びY軸に対して横断方向、直交又は垂直である。軸の配向は、別の軸に対して正確に直交しているか、又は垂直である必要はなく、特にこれらの軸が運動の方向について記載するのに使用されるとき、軸同士は90度から幾らか偏差があることが理解される。本明細書中のいかなる軸の配向も、用語「概ね」又は「実質的に」(例えば、「概ね横断方向」又は「実質的に横断方向」)によって修飾され得ることが理解されるべきである。用語「実質的に」は、幾らかの角度のずれを含意するが、「概ね」という用語ほど90度から角度がずれているわけではない。90度から僅かにずれる〜全くずれないということを示す修飾語はない。したがって、第2軸に対して横断方向である第1軸に沿って生じるものとして記載されている運動は、第2軸に対して90度で生じるが、(例えば、製造許容差などから生じる)多少の偏差は許容されることを含意する。運動が概ね横断方向であるか、又は実質的に横断方向であるならば、90度からより大きくずれることも考えられる。本明細書に記載された全ての軸は、前述の他の軸に対して概ね又は実質的に横断方向である別の軸と交差し得る。
X面はX軸を含む面で、本明細書では一般的に、歯ブラシの平面又は歯ブラシヘッドの平面と呼ばれる。一般に、この平面は歯ブラシの長手方向の面に沿って延在する。Y面はY軸を含む面で、歯ブラシ全体にわたって延在し、X面に垂直な面である。Y面は、歯ブラシを二分する面、又は歯ブラシを二分する面と平行な面である。Z面は、X面及びY面の両方に対して垂直であり、Z軸を含む。
【0015】
更に、好ましい実施形態の歯ブラシ、毛支持体、種々の駆動機構について説明する際に使用する専門用語について取り上げるのも有益であろう。本明細書で使用する場合、用語「前方」とは、ハンドルからヘッドに向かう方向を意味し、用語「後方」とは、ヘッドからハンドルに向かう方向を意味する。長手方向とは、長手方向軸、つまりX軸と概ね一致する方向を意味するが、この軸と同じ面内にある必要はない。例えば、シャフト及び毛支持体の長手方向軸は、同じ面内に延在する軸である必要はないが、上平面から見て、概ね同じ方向に延在する軸である。同様に、互いに関して角度をなすネック及びヘッドは、同一平面内に延在する長手方向軸を有さないこともあるが、上平面から見て、概ね同じ長手方向に延在する軸を有する。好ましい実施形態である電気歯ブラシの多くには、通常は歯ブラシの最長面を通る長手方向軸を有する伸長型ヘッドが備わっている。この軸は、典型的には、歯ブラシのネック及び/又はシャフトの長手方向軸と概ね同一の方向に延在する。この軸は、一般的に歯ブラシの長手方向軸と呼ばれる。「概ね同じ方向」という表現は、軸の角度に幾分偏差があることを意味する。
【0016】
一般に、本発明の好ましい実施形態である歯ブラシは、電動モータ及び駆動機構を包含する中空の伸長型本体を具備し、この駆動機構は、1、2、3つ以上の可動毛支持体を作動させるために使用される。中空の伸長型本体はまた、モータに電力を供給するバッテリーを1つ以上収めるための内部チャンバ又は空洞部を含む。また、モータ及び駆動機構を作動させるために、本体の外部領域に沿って1つ以上のスイッチがある。当然のことながら、取り外し可能な端部キャップを付けて内部チェンバーを囲み、外部の物質から歯ブラシの本体内の構成要素を保護するようにする。本明細書で詳細に述べるように、好ましい実施形態である歯ブラシは、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の可動毛支持体を有する。毛支持体はそれぞれ、特定タイプの動作を見せ、結果的に、動作が組み合わさることにより、優れた洗浄効果を発揮する。
【0017】
更に、用語「固定」又は「静止」毛と、用語「可動」毛とを定義することも有用である。固定毛又は静止毛という用語は、毛、具体的には毛の基部が歯ブラシの長手方向軸に対して移動しないように、歯ブラシのブラシヘッド若しくは本体、又はその他の構成要素に、固定又は固着される毛を指す。言い換えれば、固定毛又は静止毛は、それらの基部又は取り付け点が歯ブラシに対して動かないように、歯ブラシに固着される毛について言う。毛若しくは毛群の先端部、又はその基部から離れた領域は、毛の屈曲の結果として動くこともあることが認識される。しかしながら、静的毛、静止毛、又は固定毛の基部はブラシに対して動かない。可動毛という用語は、毛の基部が歯ブラシに対して、特にブラシの長手方向軸に対して動く毛を指す。一般には、この構成は、取り付け要素、すなわち、ブラシに対して運動可能な毛支持体又はホルダに対して毛の基部を固着するか、又は支持することにより達成される。言い換えると、可動毛は、ブラシの長手方向軸に対して運動可能である毛である。
【0018】
図2は、本発明の好ましい実施形態である歯ブラシ100の部分的な斜視図である。好ましい実施形態の歯ブラシ100は、本体130と、ブラシヘッド150と、本体及びヘッドの間に延在するネック140とを具備する。歯ブラシ100は、以下のような複数の毛支持体を特徴とする毛支持体センブリを更に包含する。この好ましいアセンブリは、第1毛支持体160と、第2毛支持体170と、第3毛支持体180とを包含する。第1毛支持体160は基部162を包含する。第2毛支持体170は基部172を包含する。また、第3毛支持体180は基部182を包含する。好ましくは、第1毛支持体160、第2毛支持体170、及び第3毛支持体180は、旋回部材183及び163などの1つ以上の旋回部材を通って延在する軸の周囲を旋回可能である(歯ブラシヘッドに組み込まれるとき)。各基部162、172、及び182は、カミング(camming)部材161、171、及び181を包含し、そのそれぞれがカム部材134の中で画定されたカミングスロット136の中に受容される。好ましくは、各カミング部材161、171、及び181は、図2に示されるように、それぞれの基部から下向きに延在する。カム部材134は、歯ブラシヘッドの内部に保持されて、駆動シャフト116と係合する。分かるように、駆動シャフト116は、好ましくは、往復型の運動を受ける。駆動シャフト116の往復運動により、往復運動ではあるが、駆動シャフト116の運動に対して横断方向である運動、又は周期的な曲線運動が、各毛支持体160、170、及び180に付与される。各毛支持体に付与された特定タイプの運動は、構成とカミング部材及びカミングスロットの間の係合とに依存する。
【0019】
図3は、本発明による別の好ましい実施形態である歯ブラシ200の斜視図である。好ましい実施形態の歯ブラシ200は、本体230と、ブラシヘッド250と、本体及びヘッドの間に延在するネック240とを包含する。歯ブラシ200は、以下のような複数の毛支持体を特徴とする毛支持体アセンブリを更に包含する。図3は、第1毛支持体260と、第2毛支持体270と、第3毛支持体280とを含むものとしてアセンブリを示している。第1毛支持体260は基部262を包含する。第2毛支持体270は基部272を包含する。第3毛支持体280は基部282を包含する。好ましくは、各基部262、272、及び282は、係合スロット又は開口を画定するカラーを備える。例えば、図3に示すように、第3毛支持体280は、係合スロット又は開口286を画定するカラー284を包含する。それぞれのカラーの各スロット又は開口は、駆動シャフト216のカム領域218に沿って受容される。好ましくは、駆動シャフト216は、各毛支持体260、270、及び280に横運動又は他の動きを付与するような往復運動を受ける。図2に関して先に説明したように、毛支持体260、270、280の1つ以上は、図3の部材283などの旋回部材を包含してもよい。旋回部材は、それらの構成及び内部に毛支持体センブリが組み込まれた歯ブラシヘッドの保持構成要素との係合に応じて、一般に旋回部材の軸を中心とする旋回運動を毛支持体に行わせるのに役立つ。
【0020】
図4は、本発明による別の好ましい実施形態の歯ブラシ300の斜視図である。この好ましい実施形態の歯ブラシ300は、本体330と、ヘッド350と、本体330及びヘッド350の間に延在するネック340とを具備する。ブラシヘッド350上に配置されているのは、図4に示されるように、第1支持体360と第2毛支持体370とを包含する複数の可動毛支持体である。各毛支持体360及び370は、ブラシの起動により、示されるような往復運動を受ける。具体的には、本体330に配置された駆動機構からのような駆動シャフト316(図示せず)の直線的な往復運動が、連結装置317を介して第2の駆動シャフト318に付与される。駆動シャフト318の運動は、更にヒンジ構成要素319に伝達され、ヒンジ構成要素319と毛支持体360及び370の一方又は両方との間に延在する連結アーム320に伝達される。
【0021】
最も好ましい態様では、第1支持体360及び第2支持体370の間に延在する揺れアーム321が利用される。最も好ましくは、揺れアーム321がその部材の周囲を移動するか、又は旋回し得るように、前記アーム321は、ブラシヘッド350内部でその中心の周りで静止部材にヒンジ留めされる。連結アーム320の端部は、連結アーム320の往復運動によりアーム321がその中心周囲を旋回するように、揺れアーム321の端部に係合される。図4に示されるように、毛支持体360及び370のそれぞれが揺れアーム321の反対端に係合するので、アーム321の旋回は支持体360及び370の往復運動を引き起こす。各支持体360及び370の往復運動は互いに位相ずれしている。したがって、支持体360が前方方向に動くとき、支持体370は後方方向に動き、逆もまた同様である。
【0022】
図5、図6、及び図7は、本発明による更に別の好ましい実施形態である歯ブラシ400を示している。好ましい実施形態の歯ブラシ400は、本体430と、ヘッド450と、本体430及びブラシヘッド450の間に延在するネック440とを包含する。ブラシヘッド450上に配置されているのは、第1支持体460及び第2毛支持体470などの複数の可動毛支持体である。駆動シャフト416は、ネック440及び本体430内に延在し、駆動機構(図示せず)からの動きを毛支持体460及び470の一方又は両方に付与する。好ましくは、歯ブラシ400が作動すると、駆動シャフト416は、図5に示されるように往復運動する。駆動シャフト416の遠位端部は、第2の毛支持体470の基部472と係合する。当然のことながら、第1支持体460は、駆動シャフト416から直接作動されてもよく、又は第2毛支持体470を介するなど、間接的に作動されてもよい。
【0023】
図5、図6、及び図7の好ましい実施形態の歯ブラシ400は、ブラシヘッド450の裏面に沿って可動に配置されたマッサージプレート480を特徴とする。歯ブラシ400が作動すると、マッサージプレート480は、歯ブラシ400の長手方向軸に概ね沿って往復運動される。マッサージプレートは、好ましくは、エラストマー材料、又は他の比較的可撓性の柔軟な材料から形成される。マッサージプレート480の外側表面は、特定のマッサージ特性を付与するのに役立つ1つ以上の外側に延在する隆起部、突出部、又は他の部材を備えるように形成されてもよい。図6は、マッサージプレート480の様々な別の変形を示している。外側表面から延在する複数の起立突出部又は他の突起を有するプレート480aが提供されてもよい。複数の外側に延在する隆起部を特徴とするプレート480bを使用してもよい。また、いかなる起立突起又は外側に延在する突起も持たない比較的滑らかな外側表面を特徴とするプレート480cを使用してもよい。
【0024】
図7は、図5に示す歯ブラシのブラシヘッド450の、線VII−VIIに沿って切り取った部分的な断面の立面図である。図7は、駆動シャフト416の遠位端部を毛支持体470及びマッサージプレート480に係合する連結構成要素418を示している。駆動シャフト416の往復運動により、毛支持体470及びマッサージプレート480の両方が同様に動かされる。
【0025】
図8、図9、及び図10は、本発明による更に別の好ましい実施形態である歯ブラシ500を示している。歯ブラシ500は、本体530と、ブラシヘッド550と、本体530及びブラシヘッド550の間に延在するネック540とを具備する。第1毛支持体560はブラシヘッド550上に配置される。また、第2の毛支持体570はブラシヘッド550上に配置される。駆動シャフト516は、ネック540内に延在し、ブラシの起動により、毛支持体560及び570の一方又は両方に運動を付与する。
【0026】
歯ブラシ500は、前述の歯ブラシ400と同様のマッサージプレート580を備える。しかしながら、歯ブラシ500のマッサージプレート580は、歯ブラシ400のマッサージプレート480のように往復運動しない。これについては、本明細書において更に詳細に説明する。マッサージプレート580は、好ましくは、エラストマー材料又は他の好適な材料から形成される。プレート580は、好ましくは、歯ブラシヘッド550の裏面に沿って配置され、それに固定されている。様々な異なる外形のプレート580が提供されてもよい。図9は複数の外側に延在する起立領域を有するマッサージプレート580a、複数の起立隆起部を有する580b、及び滑らかな外側表面を有する580cを示している。
【0027】
図10は、図8の線X−Xに沿って切り取った歯ブラシ500のブラシヘッド550の部分的な断面の立面図である。駆動シャフト516の遠位端部を毛支持体570に係合する連結構成要素518が設けられている。連結構成要素518は、マッサージプレート580の下側と接触する、外側に延在するバルブ又は領域を備えている。当然のことながら、プレート580は可撓性で柔軟な材料から形成されるので、連結構成要素518がプレート580の下側に沿って変位するとき、プレート580の外側表面に運動が付与される。この構成の結果、歯ブラシ500が作動すると、マッサージプレート580の外側表面がパルシング運動を呈し、本質的には振動する。
【0028】
本発明の実施形態の全てにおいて、静止毛又は他の洗浄部材の1つ以上の群が、可動毛に結合して設けられてもよいことが理解される。多くの例では、歯ブラシヘッド上に静止毛の集合体を設けるのが好ましいであろう。例えば、静止毛は、毛支持体間の間隙に配置されるか、又は毛支持体を完全に包囲してもよい。静止毛はまた、ヘッド最遠位端部及び/又はヘッドの最後端部、及び/又は歯ブラシの側面に隣接して配置されてもよい。本発明と共に使用され得る静止毛の更なる例は、米国特許出願番号10/274,40号及び米国特許第6,360,395号に記載されている。例えば、熱可塑性エラストマー又はゴムから形成された可動毛又は静止エラストマー毛も、可動毛支持体又は歯ブラシヘッド上に設けることができる。1つの配置例が、米国特許第6,371,294号に記載されている。
【0029】
本発明のブラシヘッド実施形態は、簡略化のために、それらが延び出すヘッドの長手方向軸に実質的に垂直な方向に延在する毛のタフトと共に示したが、静止毛及び/又は可動毛は、静止毛又は可動毛の運動を補完する(compliment)又は更に強化するべく異なる配置にしてもよいと考えられている。毛の一部又は全部は、毛ホルダの上面と鋭角を形成する方向に延在してもよいし、前方又は後方の方向に延在してもよい。別の実施形態において、毛の一部は、ヘッドから別の方向に外側に離れるように延在し、更に毛ホルダの上面に対して鋭角を形成してもよい。他の好適な毛の配置例は、米国意匠特許第330,286号、同第434,563号、米国特許第6,006,394号、同第4,081,876号、同第5,046,213号、同第5,335,389号、同第5,392,483号、同第5,446,940号、同第4,894,880号;及び国際公報WO99/23910に記載されている。
【0030】
本発明の歯ブラシは、広範なポリマーから形成されてもよい。本発明で使用するための好ましいポリマー材料についての以下の説明において、当業者が幾つかのポリマーを指すのに通常使用する略語を、ポリマーの全名称の後に括弧書きしている。ポリマーは、好ましくはポリプロピレン(「PP」)であり、又はポリスチレン(「PS」)、ポリエチレン(「PE」)、アクリロニトリル−スチレンコポリマー(「SAN」)、及びセルロースアセテートプロピオネート(「CAP」)などのその他市販の材料からなる群から選択されてもよい。これらの材料は、熱可塑性エラストマー(「TPE」)、熱可塑性オレフィン(「TPO」)、及び軟質熱可塑性ポリオレフィン(例えば、ポリブチレン)などの1以上の更なるポリマーとブレンドしてもよく、又はエチレン−ビニルアセテートコポリマー(「EVA」)及びエチレンプロピレンゴム(「EPR」)などの他の弾性材料から選択されてもよい。本発明において好適な熱可塑性エラストマーの例としては、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン(「SEBS」)、スチレン−ブタジエン−スチレン(「SBS」)、及びスチレン−イソプレン−スチレン(「SIS」)が挙げられる。本発明において好適な熱可塑性オレフィンの例としては、ポリブチレン(「PB」)及びポリエチレン(「PE」)が挙げられる。射出成形などの当該技術分野で既知の技術を、本発明の歯ブラシを製造するのに使用することができる。
【0031】
特定の好ましい実施形態を参照して、本発明を記載した。本発明の範囲内で、これらの実施形態に対して修正及び変更を行ってもよい。例えば、毛支持体の幾つかの組み合わせを、本明細書に記載した。毛支持体を再配置し、1つの実施形態の毛支持体の代わりに別の実施形態のものを使用できることが理解される。更に、幾つかの毛支持体は、毛支持体の運動を誘導するために歯ブラシヘッド上のピンと係合するスロットを有してもよいが、これらの特徴は逆にすることもできるので、ピンが毛支持体上に配置され、スロットがヘッド上に配置されるように、更に当該技術分野で既知の他の構造が本明細書に記載された毛支持体のいずれかの運動を誘導するために使用できることが理解される。全てのそのような変形及び変更は、添付の特許請求又はそれに等しい範囲内にある限り包含されると意図する。
【0032】
「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であるとの容認と解釈されるべきではない。
【0033】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、その他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明による好ましい実施形態における歯ブラシの斜視図であり、歯ブラシに対する様々な面及びその方向を図解。
【図2】本発明に従った別の好ましい実施形態の歯ブラシの斜視図。
【図3】本発明に従った別の好ましい実施形態の歯ブラシの斜視図。
【図4】本発明に従った別の好ましい実施形態の歯ブラシの斜視図。
【図5】本発明に従った別の好ましい実施形態の歯ブラシのブラシヘッドの前部及び後部の斜視図。
【図6】図5に示された好ましい実施形態の歯ブラシが活用する幾つかの好ましいマッサージ要素の詳細図。
【図7】図5に示された好ましい実施形態の歯ブラシのブラシヘッドの詳細な断面図。
【図8】本発明に従った別の好ましい実施形態の歯ブラシのブラシヘッドの前部及び後部の詳細図。
【図9】図8に示された好ましい実施形態の歯ブラシが活用する幾つかの好ましいマッサージ要素の詳細図。
【図10】図8に示された好ましい実施形態の歯ブラシのブラシヘッドの詳細な断面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にモータが配置されたハンドル(30)と、
可動マッサージプレート(480)及び前記可動マッサージプレート(480)に対向して配置された可動毛支持体を有するヘッド(450)であって、前記可動マッサージプレート(480)が前記ヘッド(450)の裏面に配置されるヘッド(450)と、
前記ハンドル(30)及び前記ヘッド(450)の間に延在するネック(440)と、
前記モータ、前記可動毛支持体及び前記可動マッサージプレート(480)に作動的に接続されたシャフト(416)と
を具備する電動歯ブラシ。
【請求項2】
前記マッサージプレート(480)が複数の突出部又は隆起部を含む、請求項1に記載の電動歯ブラシ。
【請求項3】
前記マッサージプレート(480)がエラストマー材料を含む、請求項1又は2に記載の電動歯ブラシ。
【請求項4】
前記シャフト(416)が往復運動する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電動歯ブラシ。
【請求項5】
前記可動マッサージプレート(480)が往復運動する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電動歯ブラシ。
【請求項6】
前記マッサージプレート(480)がパルス運動する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電動歯ブラシ。
【請求項7】
前記シャフト(416)に作動的に接続され、前記マッサージプレートの下側に接触して前記マッサージプレートをパルス運動させる構成要素(418)を更に具備する、請求項6に記載の電動歯ブラシ。
【請求項8】
内部にモータが配置されたハンドル(30)と、
長手方向軸及び複数の可動毛支持体(160、170)を含むヘッド(150)と、
前記ハンドル(30)及び前記ヘッド(150)の間に延在するネック(140)と、
前記モータ及び前記複数の可動毛支持体(160、170)に作動的に接続する往復シャフト(116)であって、前記複数の可動毛支持体(160、170)が、前記長手方向軸に対して実質的に横断方向に往復運動する往復シャフト(116)と
を具備する電動歯ブラシ。
【請求項9】
前記複数の可動毛支持体が3つの毛支持体(160、170、180)を含む、請求項8に記載の電動歯ブラシ。
【請求項10】
内部にモータが配置されたハンドル(30)と、
長手方向軸及び複数の可動毛支持体(360、370)を含むヘッド(350)と、
前記ハンドル(30)及び前記ヘッド(350)の間に延在するネック(340)と、
前記モータ及び前記複数の可動毛支持体(360、370)に作動的に接続する往復シャフト(316)であって、前記複数の可動毛支持体(360、370)が、前記長手方向軸に沿った方向に往復運動する往復シャフト(316)と
を具備する電動歯ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2006−521833(P2006−521833A)
【公表日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501273(P2006−501273)
【出願日】平成16年4月16日(2004.4.16)
【国際出願番号】PCT/US2004/011803
【国際公開番号】WO2004/093719
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】