説明

電動歯ブラシ

【課題】電動歯ブラシの大型化を抑制するとともにパネル部材内に水が浸入することを抑制することのできる電動歯ブラシを提供する。
【解決手段】電動歯ブラシは、ハウジング10内に設けられる基板12上に設けられる発光素子31と、ハウジング10の凹部10Bに設けられるパネル部材32とを含む。パネル部材32は、表側透光性部材43および裏側透光性部材42と遮光性部材41とが互いに溶着されて一体化された構造を有するとともに、裏側透光性部材42とハウジング10との間に形成された溶着構造を介してハウジング10に固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、持ち手となるハウジング内の基板に設けられる発光素子と、ハウジングの表側に形成された凹部に設けられるパネル部材とを含み、発光素子の光がハウジングの外側に出射する電動歯ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
上記電動歯ブラシとして、特許文献1に記載されたものが知られている。
このような電動歯ブラシには、同歯ブラシの状態を示す表示部に設けられるパネル部材の美観の向上を目的として、パネル部材に設けられた透光性部材の裏面側に加飾加工を施すものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−125428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ハウジングにパネル部材を固定するための構造としては、図7に示す第1の構造、および図8に示す第2の構造が考えられる。
すなわち、図7に示すように、第1の構造においては、回路基板100に設けられた発光素子110に対応するハウジング120の部位に、発光素子110の光を通過させるための開口部121が設けられている。この開口部121の表側には、第1パネル部材140が取り付けられている。第1パネル部材140の裏面には、例えば印刷加工されたり、箔が転写されるなどして遮光性の加飾加工部130が取り付けられている。
【0005】
ハウジング120には、第1パネル部材140の一部を覆う開口部151を有する第2パネル部材150が取り付けられている。詳細には、第1パネル部材140において加飾加工部130に対応する部位よりも外側に設けられたリブ141がハウジング120に溶着されている。
【0006】
第2パネル部材150は、第1パネル部材140の表側においてリブ141と対応するところを表側から覆う。これにより、リブ141とハウジング120との溶着部分を隠している。
【0007】
図8に示すように、第2の構造においては、裏面側に向けて凹む凹部122がハウジング120に設けられている。凹部122には、パネルユニット200が収容されている。パネルユニット200は、裏面側にリブ211を有するとともにハウジング120と溶着する裏側透光性部材210と、裏面に例えば印刷加工されたり、箔が転写されるなどして遮光性の加飾加工部220が施された表側透光性部材230とが設けられている。裏側透光性部材210と加飾加工部220とは、これらの間に水が浸入することを抑制するための両面テープ240によって互いに固定されている。
【0008】
しかしながら、上記の各構造には、次のような問題がある。
図7に示す第1の構造では、第1パネル部材140において加飾加工部130に対応する部位よりも外側にリブ141が設けられるため、第1パネル部材140が大型化する。これにより、電動歯ブラシが幅方向に大型化する。また図8に示す第2の構造では、電動歯ブラシを長期間使用した場合、水分吸収や環境変化などにより接着力が低下してしまい両面テープ240の剥がれを招いてしまう。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電動歯ブラシの大型化を抑制するとともにパネル部材内に水が浸入することを抑制することのできる電動歯ブラシを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の電動歯ブラシは、持ち手となるハウジングと、同ハウジング内に設けられる基板と、同基板上に設けられる発光素子と、前記ハウジングの表側に形成された凹部に設けられるパネル部材とを含み、同パネル部材が透光性部材および遮光性部材を含み、前記発光素子が発した光が前記遮光性部材の開口部および前記透光性部材を介して前記ハウジングの外側に出射されるものであって、前記パネル部材は、前記遮光性部材の表側に設けられた前記透光性部材としての表側透光性部材、および前記遮光性部材の裏側に設けられた前記透光性部材としての裏側透光性部材と前記遮光性部材とが互いに溶着されて一体化された構造を有するとともに、前記裏側透光性部材と前記ハウジングとの間に形成された溶着構造を介して前記ハウジングに固定されるものであることを特徴とする。
【0011】
この電動歯ブラシにおいて、前記裏側透光性部材の裏側には、前記溶着構造を形成するリブが設けられることが好ましい。
この電動歯ブラシにおいて、前記裏側透光性部材の裏側には、前記発光素子に向けて突出する突出部が設けられることが好ましい。
【0012】
この電動歯ブラシにおいて、前記裏側透光性部材には、光を拡散させるための拡散剤が含まれた構造、および光を拡散させるための拡散剤の層が当該裏側透光性部材の裏面に形成された構造の少なくとも一方が採用されることが好ましい。
【0013】
この電動歯ブラシにおいて、前記表側透光性部材の表面が前記ハウジングの凹部内に位置するように前記パネル部材が前記ハウジングの凹部に設けられることが好ましい。
この電動歯ブラシにおいて、前記基板と前記裏側透光性部材との間には、前記発光素子の周囲を取り囲むように前記パネル部材とは別体の素子側遮光性部材が設けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電動歯ブラシの大型化を抑制するとともにパネル部材内に水が浸入することを抑制することのできる電動歯ブラシを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の電動歯ブラシを具体化した第1の実施形態について、(a)は同歯ブラシの正面構造を示す正面図、(b)は同歯ブラシの側面において表示部のみ断面構造となる部分断面構造を示す部分断面図。
【図2】同実施形態の電動歯ブラシの表示部について、(a)は表示部の断面構造を示す断面図、(b)はパネル部材を表側から見た正面構造を示す正面図、(c)はパネル部材を裏側から見た背面構造を示す背面図。
【図3】同実施形態の表示部について、(a)および(b)はパネル部材を製造するための工程を模式的に示す断面図、(c)はパネル部材をハウジングに取り付ける工程を示す断面図。
【図4】本発明の電動歯ブラシを具体化した第2の実施形態について、表示部の断面構造を示す断面図。
【図5】本発明の電動歯ブラシを具体化した第3の実施形態について、(a)は表示部の断面構造を示す断面図、(b)は素子側遮光性部材の斜視構造を示す斜視図。
【図6】本発明の電動歯ブラシを具体化したその他の実施形態について、(a)は表示部の断面構造を示す断面図、(b)は素子側遮光性部材の斜視構造を示す斜視図。
【図7】従来の電動歯ブラシについて、(a)は、表示部の断面構造を示す断面図、(b)は、表示部を表側から見た正面構造を示す正面図。
【図8】従来の別の電動歯ブラシの表示部の断面構造を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1の実施形態)
図1〜3を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1(a)に示すように、電動歯ブラシ1は、使用者が把持するための持ち手となる細長筒状のハウジング10と、ハウジング10の長手方向の一端側(先端側)に取り付けられたブラシ部材11とを含む。ブラシ部材11は、使用者によりハウジング10への取り付けおよび取り外しができるように構成されている。この電動歯ブラシ1は、ハウジング10内に設けられた振動発生機構としてのアクチュエータにより、ブラシ部材11を長手方向に往復運動させる。
【0017】
ハウジング10の先端側には、電動歯ブラシ1の電源のオンおよびオフを切り替える電源スイッチ21と、ブラシ部材11の振動の強さを切り替える切替スイッチ22とが設けられている。ハウジング10の他端側には、上記振動の強さの表示および充電電池の充電状態を使用者に報知するための表示部23が設けられている。
【0018】
図1(b)に示すように、表示部23は、ハウジング10内に設けられた回路基板12に実装された5個の発光素子31と、ハウジング10に取り付けられるとともに発光素子31を表側から覆うパネル部材32とを含む。
【0019】
図2(a)に示すように、ハウジング10において発光素子31と対応する部位には、同素子31の光が通過するための開口部10Aと、ハウジング10の表面から裏面側に向けて凹む凹部10Bとが設けられている。開口部10Aは、平面視において長穴状に形成されている。凹部10Bは、平面視において矩形状に形成されている。
【0020】
パネル部材32は、振動の強さや充電状態が印刷された遮光性部材41と、遮光性部材41の回路基板12側、すなわち裏面側に取り付けられた裏側透光性部材42と、遮光性部材41の表面側に取り付けられた表側透光性部材43とを含む3層構造の部材である。これら遮光性部材41、裏側透光性部材42および表側透光性部材43は、平面視においてそれぞれ矩形状に形成されるとともに、その外形が互いに等しくなるようにそれぞれ形成されている。裏側透光性部材42内には、光を分散させる分散剤が混入されている。
【0021】
パネル部材32は、表側透光性部材43が凹部10B内に位置するように、すなわち表側透光性部材43の表面がハウジング10の表面よりも裏側に配置されるようにハウジング10に設けられている。
【0022】
図2(b)に示すように、遮光性部材41(図2(a)参照)における発光素子31と対応するところには、発光素子31の光が通過するための5つの開口部41Aが設けられている。各開口部41Aの周縁には、上記振動の強さの表示である「パワフル」、「ソフト」、および「歯ぐきケア」の文字、および充電状態の表示である「充電促進」、「充電」の文字が印刷されている。なお、裏側透光性部材42(図2(a)参照)および表側透光性部材43において遮光性部材41の開口部41Aに対応する部位には、開口部は設けられていない。
【0023】
図2(c)に示すように、裏側透光性部材42の裏面には、裏側に向けて突出するリブ42Aが設けられている。このリブ42Aは、裏側透光性部材42の外周側に設けられるとともに平面視において5つの開口部41Aの周囲を取り囲む矩形状に形成されている。リブ42Aは、パネル部材32の厚み方向において遮光性部材41の加飾加工が施された部位と重なるように形成されている。
【0024】
使用者が電源スイッチ21(図1参照)をオン操作したとき、電動歯ブラシ1の設定された振動の強さに対応する発光素子31が発光する。発光素子31が発した光は、裏側透光性部材42内を通過することにより分散された後、開口部41Aおよび表側透光性部材43を介してハウジング10の外側に出射される。これにより、使用者は、開口部41Aを通過した光のみをハウジング10の外側から視認する。
【0025】
図3を参照して、パネル部材32の製造方法およびハウジング10への取付方法について説明する。
図3(a)に示すように、第1金型50の固定型51に設けられた固定側凹部52内に、加飾加工が施された遮光性部材41を配置する。そして可動型53を固定型51と接触させることにより、遮光性部材41を含む内部空間を形成する。
【0026】
すなわち、可動型53における固定側凹部52と対応するところには、同凹部52とは反対側に凹む可動側凹部54が設けられている。そして、これら凹部52,54により内部空間が形成されている。加えて、可動型53には、可動側凹部54に接続するとともに内部空間に連通するゲート55とが設けられている。
【0027】
次いで、表側透光性部材43を形成するための樹脂材料を、ゲート55を介して内部空間に流し込む。その後、固定型51から可動型53を離すことにより、遮光性部材41と表側透光性部材43とが一体化された組立体44が排出される。
【0028】
次に、図3(b)に示すように、第2金型60の固定型61に設けられた固定側凹部62内に遮光性部材41が可動型63と対向するように組立体44を配置する。そして可動型63を固定型61に接触させることにより、第1金型50と同様に組立体44を含む内部空間を形成する。可動型63には、内部空間を形成する可動側凹部64と、可動側凹部64に接続するとともに内部空間に連通するゲート65とが設けられている。可動側凹部64には、リブ42Aを形成するための凹部64Aが設けられている。
【0029】
次いで、裏側透光性部材42を形成するための樹脂材料を、ゲート65を介して内部空間に流し込む。その後、固定型61から可動型63を離すことにより、パネル部材32が排出される。なお、樹脂材料には分散剤が予め混入されている。
【0030】
図3(c)に示すように、ハウジング10の凹部10B内にパネル部材32を配置するとともに、振動溶接を用いてリブ42Aと凹部10Bの底面とを互いに溶着する。具体的には、凹部10B内にパネル部材32を配置した状態において、パネル部材32を加振する。そしてリブ42Aと凹部10Bの底面との間に発生する摩擦熱により、リブ42Aと凹部10Bの底面とが互いに溶融する。その結果、ハウジング10にパネル部材32が固定される。
【0031】
本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態によれば、裏側透光性部材42と遮光性部材41とが互いに溶着されるため、これら部材41,42の固定に両面テープを用いた場合と比較して、遮光性部材41が裏側透光性部材42から剥がれることを抑制することができる。これは、表側透光性部材43と遮光性部材41とにおいても同様である。
【0032】
また、裏側透光性部材42と遮光性部材41との間に接着剤を塗布することにより、これら部材41,42を固定する方法も考えられるが、接着剤がこれら部材41,42の他の部位に付着する場合がある。その点、本実施形態では、裏側透光性部材42と遮光性部材41とが互いに溶着しているため、上記問題の発生を抑制することができる。
【0033】
また、裏側透光性部材42とハウジング10とを溶着構造により互いに固定しているため、遮光性部材に加飾加工が施される場合に、加飾加工が施された部位を取り囲むように溶着のためのリブを設ける必要がない。したがって、電動歯ブラシ1の大型化を抑制することができる。
【0034】
(2)本実施形態では、裏側透光性部材42側にリブ42Aが設けられている。すなわち振動溶接において発振側にリブ42Aが設けられるため、裏側透光性部材42とハウジング10との溶着を安定して行うことができる。
【0035】
加えて、裏側透光性部材42にリブ42Aがハウジング10に溶着することにより、ハウジング10に裏側透光性部材42が取り付けられる。これにより、ハウジング10に裏側透光性部材42を溶着するためのろう等の他の部材を省略することができる。
【0036】
(3)本実施形態では、裏側透光性部材42内に拡散剤が混入されている。このため、拡散剤により裏側透光性部材42内を通過する発光素子31の光が拡散される。これにより、ハウジング10の外側から開口部41Aを見たときに開口部41Aの全体に光がいきわたる。
【0037】
(4)本実施形態では、表側透光性部材43の表面がハウジング10の凹部10B内に位置する。これにより、電動歯ブラシ1が落下したときにパネル部材32に直接衝撃が与えられる機会を低減することができる。
【0038】
これにより、上記衝撃に起因するパネル部材32の溶着構造の破損を抑制することができるため、パネル部材32とハウジング10との間の防水性能の低下を抑制することができる。
【0039】
(5)本実施形態では、パネル部材32が凹部10B内に収容される。これにより、図7に示す従来構造と比較して、ハウジング10にパネル部材32を取り付けるときにハウジング10に対するパネル部材32の位置を容易に決定することができる。
【0040】
(第2の実施形態)
図4を参照して、本発明を具体化した第2の実施形態について説明する。
本実施形態では、第1の実施形態と比較して、裏側透光性部材の形状が異なる。以降では、第1の実施形態と同一の構成には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0041】
裏側透光性部材42には、ハウジング10の各開口部10Aに挿通されるとともに発光素子31に向けて延びる5個の突出部42Bが設けられている。この突出部42Bは、開口部10Aの形状と略同一の外周形状を有している。開口部10Aの内周面とこの内周面に対応する突出部42Bの外周面とは、互いに近接している。突出部42Bの裏側の端部の端面と発光素子31とは、互いに対向するとともに隣接している。これにより、発光素子31の光は、対応する突出部42B内を通過してハウジング10の外側に出射する。
【0042】
本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(5)に加え、以下の効果を奏することができる。
(6)本実施形態によれば、発光素子31の光が突出部42B内を通過することにより、ハウジング10内の発光素子31が発した光をハウジング10の外側に容易に案内することができる。
【0043】
(第3の実施形態)
図5を参照して、本発明を具体化した第3の実施形態について説明する。
本実施形態では、第2の実施形態と比較して、素子側遮光性部材が追加された点が異なる。以降では、第2の実施形態と同一の構成には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0044】
図5(a)に示すように、ハウジング10の開口部10Aおよび回路基板12の発光素子31に対応するところにおいて、ハウジング10と回路基板12との間には、素子側遮光性部材70が設けられている。
【0045】
図5(b)に示すように、素子側遮光性部材70は、直方体状の本体部71を含む。この本体部71における突出部42Bに対応するところには、同本体部71を貫通する貫通孔72が設けられている。この貫通孔72は、発光素子31と、突出部42Bの開口部10Aよりも裏側の部位をそれぞれ収容する。すなわち、貫通孔72は、各発光素子31および各突出部42Bをそれぞれ周囲から取り囲む。
【0046】
本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(5)および第2の実施形態の効果(6)に加え、以下の効果を奏することができる。
(7)本実施形態では、素子側遮光性部材70が各発光素子31の周囲を取り囲むため、発光素子31の光は、貫通孔72内を通過する。したがって、表示部23において隣り合う発光素子31の光同士が互いに映り込むことを抑制することができる。
【0047】
(8)本実施形態では、素子側遮光性部材70が各突出部42Bの周囲を取り囲むため、発光素子31の光は、貫通孔72内を介して各開口部10Aに出射する。したがって、表示部23において隣り合う発光素子31の光同士が互いに映り込むことを一層抑制することができる。
【0048】
(その他の実施形態)
本発明の電動歯ブラシは、上記各実施形態に限定されることなく、例えば以下の変更が可能である。また、以下の変形例は、上記各実施形態についてのみ適用されるものでなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
【0049】
・第2の実施形態では、突出部42Bがハウジング10の開口部10Aよりも裏側に向けて突出したが、裏側透光性部材42の裏面から延びる突出部42Bの長さはこれに限定されることはない。例えば、突出部42Bの裏側の端面が開口部10Aの裏側の開口面と面一とすることもできる。
【0050】
・第2の実施形態では、突出部42Bが開口部10Aの形状と略同一の外周形状を有していたが、突出部42Bの外周形状はこれに限定されることはない。開口部10A内に突出部42Bが挿通されるような突出部42Bの外周形状であれば、開口部10Aと異なる形状であってもよい。
【0051】
・第3の実施形態では、素子側遮光性部材70が直方体状であったが、素子側遮光性部材70の形状はこれに限定されることはない。例えば、図6に示すように、素子側遮光性部材70の本体部71の表側端部に延長部73を設けることもできる。この場合、ハウジング10の凹部10Bの延長部73と対応するところには、同延長部73を収容する段差部10Cを設けることもできる。この場合、開口部10Aは、全ての突出部42Bを収容する1つの貫通孔として形成されている。延長部73を段差部10Cに嵌合することにより、素子側遮光性部材70をハウジング10に容易に取り付けることができる。
【0052】
・第1の実施形態と第3の実施形態とを組み合わせて実施することもできる。
・上記各実施形態では、表側透光性部材43の表面がハウジング10の凹部10B内に位置するように設けられたが、同部材42の表面を凹部10Bの開口面と面一にさせること、または凹部10Bより表側に突出させることもできる。
【0053】
・上記各実施形態では、裏側透光性部材42内に拡散剤を混入したが、裏側透光性部材42の裏面側に拡散剤の層を形成する構成も採用することもできる。また、同部材42の裏面側の拡散剤の層に加え、同部材42内に拡散剤を混入することもできる。
【0054】
・上記各実施形態では、裏側透光性部材42内に拡散剤を混入したが、拡散剤に代えて光の拡散作用を有する着色剤を混入することもできる。また裏側透光性部材42内に拡散剤および着色剤の両方を混入することもできる。また、裏側透光性部材42の裏面側に拡散剤の層を形成する代わりに、着色剤の層を形成することもできる。また裏側透光性部材42の裏面側に拡散剤の層および着色剤の層の両方を形成することもできる。
【0055】
・上記各実施形態において、拡散剤を省略することもできる。
・上記各実施形態では、裏側透光性部材42の裏面にリブ42Aを設けたが、凹部10Bの底面にリブを設けることもできる。この場合、リブは、底面から表側に向かい突出する。
【0056】
・上記各実施形態では、第1金型50で遮光性部材41と表側透光性部材43とを溶着した後、第2金型60で組立体44と裏側透光性部材42とを溶着することにより、パネル部材32を製造したが、パネル部材32の製造工程はこれに限定されることはない。遮光性部材41と裏側透光性部材42とを溶着した後、遮光性部材41および裏側透光性部材42の組立体と表側透光性部材43とを溶着することにより、パネル部材32を製造することもできる。
【0057】
・上記各実施形態では、パネル部材32とハウジング10との溶着構造として、リブ42Aと凹部10Bの底面との間を振動溶接によりリブ42Aを溶着するものとしたが、上記溶着構造はこれに限定されるものではない。例えば、パネル部材32と凹部10Bとの間にろうを介在させ、このろうを溶融することによりパネル部材32とハウジング10とを固定することもできる。
【符号の説明】
【0058】
1…電動歯ブラシ、10…ハウジング、10A…開口部、10B…凹部、11…ブラシ部材、12…回路基板(基板)、31…発光素子、32…パネル部材、41…遮光性部材、41A…開口部、42…裏側透光性部材、42A…リブ、42B…突出部、43…表側透光性部材、70…素子側遮光性部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
持ち手となるハウジングと、同ハウジング内に設けられる基板と、同基板上に設けられる発光素子と、前記ハウジングの表側に形成された凹部に設けられるパネル部材とを含み、同パネル部材が透光性部材および遮光性部材を含み、前記発光素子が発した光が前記遮光性部材の開口部および前記透光性部材を介して前記ハウジングの外側に出射される電動歯ブラシにおいて、
前記パネル部材は、前記遮光性部材の表側に設けられた前記透光性部材としての表側透光性部材、および前記遮光性部材の裏側に設けられた前記透光性部材としての裏側透光性部材と前記遮光性部材とが互いに溶着されて一体化された構造を有するとともに、前記裏側透光性部材と前記ハウジングとの間に形成された溶着構造を介して前記ハウジングに固定されるものである
ことを特徴とする電動歯ブラシ。
【請求項2】
請求項1に記載の電動歯ブラシにおいて、
前記裏側透光性部材の裏側には、前記溶着構造を形成するリブが設けられる
ことを特徴とする電動歯ブラシ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電動歯ブラシにおいて、
前記裏側透光性部材の裏側には、前記発光素子に向けて突出する突出部が設けられる
ことを特徴とする電動歯ブラシ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の電動歯ブラシにおいて、
前記裏側透光性部材には、光を拡散させるための拡散剤が含まれた構造、および光を拡散させるための拡散剤の層が当該裏側透光性部材の裏面に形成された構造の少なくとも一方が採用される
ことを特徴とする電動歯ブラシ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の電動歯ブラシにおいて、
前記表側透光性部材の表面が前記ハウジングの凹部内に位置するように前記パネル部材が前記ハウジングの凹部に設けられる
ことを特徴とする電動歯ブラシ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の電動歯ブラシにおいて、
前記基板と前記裏側透光性部材との間には、前記発光素子の周囲を取り囲むように前記パネル部材とは別体の素子側遮光性部材が設けられる
ことを特徴とする電動歯ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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