説明

電動歯ブラシ

【課題】組立作業を容易に行うことのできる電動歯ブラシを提供する。
【解決手段】電動歯ブラシ1は、電池100を収容する本体ケース22と、ブラシ毛61が植えられた植毛部分62を有するアタッチメント60とを有する。本体ケース22は、植毛部分62を照らす光源27と、この光源27の動作を制御する制御基板23と、光源27と制御基板23とを電気的に接続するための中継基板24とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源を収容する本体部材と、ブラシ毛が植えられた植毛部分を有する清掃部材とを備え、本体部材への清掃部材の取り付けおよび本体部材からの清掃部材の取り外しが可能な電動歯ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
上記電動歯ブラシとして、特許文献1に記載のものが知られている。
この文献の電動歯ブラシでは、機能部としての光源と制御基板とがリード線により互いに接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−47528号公報(図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記電動歯ブラシにおいては、本体部材内に収容することができるように光源および制御基板が比較的小さく構成されている。このため、本体部材内においての光源と制御基板との相対的な配置箇所が離れるにつれて、すなわち光源および制御基板を互いに接続するリード線の長さが長くなるにつれて、電動歯ブラシの組立作業が煩雑になるおそれがある。なお、このような問題は、機能部として光源を有する電動歯ブラシに限らず、機能部と制御基板とを電気的に接続する構成を含む電動歯ブラシであれば、上記電動歯ブラシと同様に生じるものとなる。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、組立作業を容易に行うことのできる電動歯ブラシを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための手段を以下に記載する。
・本発明の電動歯ブラシは、電源を収容する本体部材と、ブラシ毛が植えられた植毛部分を有する清掃部材とを備え、前記本体部材への前記清掃部材の取り付けおよび前記本体部材からの前記清掃部材の取り外しが可能であり、電力の供給を受けて動作する機能部と、この機能部の動作を制御する制御基板と、前記機能部と前記制御基板とを電気的に接続するための中継基板とが前記本体部材に設けられていることを特徴としている。
【0007】
・この電動歯ブラシにおいては、振動源としての振動発生装置が前記本体部材に設けられていることが好ましい。
・この電動歯ブラシにおいては、前記本体部材に支持部材が設けられていること、ならびに、前記機能部、前記振動発生装置、および前記中継基板が前記支持部材に取り付けられていることが好ましい。
【0008】
・この電動歯ブラシにおいては、前記本体部材に支持部材が設けられていること、ならびに、前記機能部の接続端子を配置するための端子溝が前記支持部材に形成されていることが好ましい。
【0009】
・この電動歯ブラシにおいては、前記本体部材には、振動源としての振動発生装置が設けられていること、前記振動発生装置と前記制御基板とが装置リード線により互いに接続されていること、前記中継基板と前記制御基板とが基板リード線により互いに接続されていること、前記本体部材の中心線に沿う方向を高さ方向として、この高さ方向と平行した状態で前記中継基板および前記制御基板が設けられていること、前記中継基板および前記制御基板が互いに平行していること、前記制御基板の厚さ方向および前記高さ方向に直交する方向を幅方向とし、前記制御基板と前記装置リード線との接続部分を第1接続部分とし、前記制御基板と前記基板リード線との接続部分を第2接続部分とし、前記中継基板と前記基板リード線との接続部分を第3接続部分としたとき、前記第1接続部分と前記第2接続部分とが前記幅方向に並べられていること、ならびに、前記制御基板のうちの前記第1接続部分に対して前記第2接続部分が形成される側を接続側として、前記中継基板のうちの前記接続側に対応する部分に前記第3接続部分が形成されていることが好ましい。
【0010】
・この電動歯ブラシにおいては、前記本体部材には、振動源としての振動発生装置が設けられていること、前記振動発生装置と前記制御基板とが装置リード線により互いに接続されていること、前記中継基板と前記制御基板とが基板リード線により互いに接続されていること、ならびに、前記装置リード線と前記基板リード線との間を隔てる隔離手段が前記本体部材に設けられていることが好ましい。
【0011】
・この電動歯ブラシにおいては、前記機能部として光源が設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、組立作業を容易に行うことのできる電動歯ブラシを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態の電動歯ブラシについて、(a)は歯ブラシ本体からキャップが取り外された状態の正面構造を示す正面図、(b)は本体ケースからアタッチメントが取り外された状態の側面構造を示す側面図。
【図2】同実施形態の電動歯ブラシについて、(a)は歯ブラシ本体にキャップが取り付けられた状態の正面構造を示す正面図、(b)は同状態の側面構造を示す側面図、(c)は同状態の背面構造を示す背面図。
【図3】同実施形態の電動歯ブラシについて、(a)は図2(a)のA−A線に沿う断面構造を示す断面図、(b)は同(a)のアタッチメントと取付軸を拡大した拡大図。
【図4】同実施形態の電動歯ブラシについて、(a)はインナーケースの背面側の斜視構造を示す斜視図、(b)はインナーケースのうちの制御基板が取り付けられる部分の平面構造を示す平面図。
【図5】同実施形態の電動歯ブラシについて、(a)は中継基板およびその周辺を拡大したインナーケースの斜視構造を示す斜視図、(b)はインナーケースのうちの中継基板が取り付けられる部分の平面構造を示す平面図。
【図6】本発明のその他の実施形態の電動歯ブラシのキャップについて、(a)は先端部分の正面構造を示す正面図、(b)は先端部分の断面構造を示す断面図。
【図7】本発明のその他の実施形態の電動歯ブラシについて、(a)は本体ケースからアタッチメントが取り外された状態の側面構造を示す側面図、(b)は本体ケースにアタッチメントが取り付けられた状態の同(a)のB−B線に沿う断面構造を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1および図2を参照して、電動歯ブラシ1の全体の構成について説明する。
電動歯ブラシ1は、使用者が自身または他人の歯を清掃するときに使用する歯ブラシ本体10と、使用者が歯ブラシ本体10を保管するときに歯ブラシ本体10に取り付けるキャップ90とを有する。
【0015】
図1(a)に示されるように、歯ブラシ本体10は、電源としての電池100(図3)等をはじめとして各種の部品が内蔵される本体装置20と、歯を清掃するアタッチメント60とを有する。
【0016】
本体装置20は、歯の清掃時に使用者により把持される把持ケース21と、本体装置20の各部品が取り付けられる本体ケース22とを有する。なお、本体ケース22は「本体部材」に相当する。
【0017】
図1(b)に示されるように、本体ケース22は、アタッチメント60を取り付けるための取付軸32を有する。取付軸32は、筒型の部分として形成されている。なお、アタッチメント60は「清掃部材」に相当する。
【0018】
アタッチメント60は、取付軸32に取り付けること、および取付軸32から取り外すことができる。また、フィラメントにより形成された複数のブラシ毛61と、複数のブラシ毛61が植えられたブラシ柄70とを有する。
【0019】
ブラシ柄70は、複数のブラシ毛61が植えられた先端部分71と、本体ケース22の取付軸32の周囲を覆う外壁部分72とを有する。ブラシ柄70を構成する材料としては、白色の樹脂材料が用いられている。なお、以下では先端部分71とブラシ毛61とにより構成される部分を植毛部分62とする。
【0020】
ここで、電動歯ブラシ1の方向として以下のものを定義する。
(A)歯ブラシ本体10の中心線(以下、「本体中心線C1」)に沿う方向を「高さ方向Y」とし、歯ブラシ本体10の正面視(図1(a))において高さ方向Yに直交する方向を「奥行方向Z」とし、歯ブラシ本体10の側面視(図1(b))において高さ方向Yに直交する方向を「幅方向X」とする。
(B)高さ方向Yにおいて、把持ケース21からアタッチメント60に向かう方向を「上方」とし、高さ方向Yにおいて上方とは反対の方向を「下方」とする。
(C)奥行方向Zにおいて、ブラシ毛61の根元部分から先端部分に向かう方向を「前方」とし、奥行方向Zにおいて前方とは反対の方向を「後方」とする。
(D)電動歯ブラシ1の任意の位置を基準として、高さ方向Yにおいて相対的に上方にある部分を「上側」とし、高さ方向Yにおいて相対的に下方にある部分を「下側」とする。
(E)電動歯ブラシ1の任意の位置を基準として、奥行方向Zにおいて相対的に前方にある部分を「前側」とし、奥行方向Zにおいて相対的に後方にある部分を「後側」とする。
(F)本体中心線C1およびブラシ毛61の中心線と平行な断面(図3)を「側断面」とする。
【0021】
図1(b)に示されるように、本体装置20は、歯ブラシ本体10の動作を切り替えるための操作部材26を有する。操作部材26は、高さ方向Yにおいて取付軸32よりも下側、かつ奥行方向Zにおいて本体中心線C1よりも後側に設けられている。
【0022】
図1(a)に示されるように、外壁部分72のうちの前側の部分には、開口部分73が形成されている。外壁部分72の幅方向Xの寸法は、高さ方向Yにおいて下方から上方に向かうにつれて小さくなる。開口部分73の高さ方向Yの寸法は、開口部分73の幅方向Xの寸法よりも大きい。開口部分73の幅方向Xの寸法は、高さ方向Yにおいて下方から上方に向かうにつれて小さくなる。
【0023】
開口部分73には、透明な樹脂材料であるABS樹脂により形成された透光部材80が取り付けられている。透光部材80の透過率は、ブラシ柄70の樹脂材料の透過率よりも大きい。
【0024】
図1(b)に示されるように、外壁部分72のうちの前方の部分には、高さ方向Yにおいて下方から上方に向かうにつれて本体中心線C1に近づくように傾斜する前側傾斜部分72Aが形成されている。外壁部分72のうちの後方の部分には、高さ方向において下方から上方に向かうにつれて本体中心線C1に近づくように傾斜する後側傾斜部分72Bが形成されている。前側傾斜部分72Aの傾斜度合は、後側傾斜部分72Bの傾斜度合よりも大きい。透光部材80は、前側傾斜部分72Aの一部を構成している。すなわち、透光部材80の外面の形状は、前側傾斜部分72Aの外面の形状に対応して傾斜している。
【0025】
図2を参照して、キャップ90の詳細な構成について説明する。
キャップ90は、図1のブラシ柄70の周囲を覆う円筒状の周壁91と、図1の植毛部分62の上方の部分を覆う半球状の上壁92とを有する。上壁92は、動物の頭部を模した形状を有する意匠部分として構成されている。
【0026】
図2(a)および(b)に示されるように、上壁92の上部には、半球状の2つの突起93が形成されている。上壁92のうちの前側の部分には、円形状の2つの換気孔94、楕円形状の換気孔95、および湾曲形状の換気孔96が形成されている。換気孔94〜96は、奥行方向Zにおいてブラシ毛61の先端面と対向している(図3参照)。
【0027】
キャップ90においては、正面からみたときに上壁92に動物の顔が形成されていることが認識されるように、突起93、2つの換気孔94、換気孔95、および換気孔96のそれぞれの形状および形成位置が規定されている。
【0028】
図2(c)に示されるように、キャップ90の後側の部分には、高さ方向Yにおいて整列した3つの換気孔97が形成されている。上段の換気孔97は、上壁92の中間部分に形成されている。中段の換気孔97は、上壁92の下端部分に形成されている。下段の換気孔97は、周壁91の上端部分に形成されている。各換気孔97は、楕円形状の孔として形成されている。各換気孔97の幅方向Xの寸法は、各換気孔97の高さ方向Yの寸法よりも大きい。
【0029】
キャップ90においては、背面からみたときに上壁92に動物の後頭部が形成されていることが認識されるように、3つの換気孔97および2つの突起93のそれぞれの形状および形成位置が規定されている。
【0030】
図3を参照して、歯ブラシ本体10内の構成について説明する。
本体ケース22は、複数の部品が取り付けられたインナーケース40と、インナーケース40の一部を覆うアウターケース30とを有する。
【0031】
本体ケース22の内部には、スイッチ23Aおよびマイクロコンピュータ(以下、「マイコン23B」)を有する制御基板23と、電源としての電池100と制御基板23とを互いに接続する接続部材25と、振動源としての振動発生装置50とが設けられている。また、植毛部分62に向けて光を照射する光源27と、制御基板23と光源27とを互いに接続する中継基板24と、光源27を上方から覆うカバー28とが設けられている。スイッチ23Aとしては、タクトスイッチが用いられている。光源27としては、砲弾型の発光ダイオードが用いられている。カバー28の材料としては、透明な樹脂材料であるABS樹脂が用いられている。
【0032】
スイッチ23Aは、操作部材26が押し下げられることにともない押し下げられる。マイコン23Bは、操作部材26の押し下げ操作によりスイッチ23Aが押し下げられる毎に入力される信号に基づいて、歯ブラシ本体10の動作を制御する。
【0033】
光源27は、光を照射する光源本体27Aと、光源本体27Aに電力を供給するための接続端子27Bとを有する。
振動発生装置50は、出力軸52を有する電動モータ51と、出力軸52に固定された偏心鐘53と、電動モータ51の駆動により生じる振動を本体ケース22に伝達する伝達部材54と、電動モータ51に電力を供給するモータリード線55とを有する。偏心鐘53の重心は、出力軸52の回転中心に対して偏心している。伝達部材54は、電動モータ51に固定されている。伝達部材54の外面は、アウターケース30の後面30Bに接触している。
【0034】
光源27および電動モータ51と制御基板23との電気的な接続について説明する。
光源27と制御基板23とは中継基板24を介して電気的に接続されている。すなわち、光源27と中継基板24とが接続端子27Bにより互いに接続されている。また、中継基板24と制御基板23とが基板リード線29により互いに接続されている。また、電動モータ51と制御基板23とが図5のモータリード線55により互いに接続されている。
【0035】
アウターケース30は、操作部材26が取り付けられた筒状のケース本体31と、ケース本体31の上部に連続して形成された取付軸32とを有する。取付軸32は、ケース本体31と一体的に形成されている。ケース本体31のうちの下方の外面には、装飾部材33が取り付けられている。
【0036】
図3(b)に示されるように、取付軸32には、側断面においての奥行方向Zの寸法が互いに異なる3つの部分、すなわち先端軸32A、中間軸32B、および基端軸32Cが形成されている。各軸32A〜32Cは、高さ方向Yにおいて上方から下方に向けて先端軸32A、中間軸32B、および基端軸32Cの順に形成されている。先端軸32Aの奥行方向Zの寸法は、中間軸32Bの奥行方向Zの寸法よりも小さい。中間軸32Bの奥行方向Zの寸法は、基端軸32Cの奥行方向Zの寸法よりも小さい。
【0037】
先端軸32Aの上端部分には、開口部分32Dが形成されている。カバー28は、開口部分32Dに圧入されている。カバー28の上面は、奥行方向Zおよび幅方向Xに沿う平面として形成されている。カバー28の下面には、下方から上方に向けて半球状に凹む湾曲部分28Aが形成されている。
【0038】
図3(a)に示されるように、インナーケース40は、各部品を取り付けるための5つの取付部分、すなわち第1取付部分41、第2取付部分42、第3取付部分43、第4取付部分44、および第5取付部分45を有する。各取付部分41〜45は、高さ方向Yにおいて下方から上方に向けて第1取付部分41、第2取付部分42、第3取付部分43、第4取付部分44、および第5取付部分45の順に形成されている。
【0039】
第1取付部分41は、電池100を取り付けるための部分として形成されている。第2取付部分42は、制御基板23を取り付けるための部分として形成されている。第3取付部分43は、中継基板24を取り付けるための部分として形成されている。第4取付部分44は、振動発生装置50を取り付けるための部分として形成されている。第5取付部分45は、光源27を取り付けるための部分として、かつ中実の四角柱形状の部分として形成されている。
【0040】
図3(b)に示されるように、取付軸32の内部には、インナーケース40の第3取付部分43、第4取付部分44、および第5取付部分45が収容されている。すなわち、取付軸32の内部には、中継基板24、振動発生装置50、および光源27が収容されている。
【0041】
図3(a)を参照して、歯ブラシ本体10内の各部品の位置関係について説明する。なお、側断面においてブラシ柄70の外面のうちの前方の面を「前面70C」とし、ブラシ柄70の外面のうちの後方の面を「後面70D」とする。また、ブラシ柄70の先端部分71の前面70Cを「植毛面71A」とし、同先端部分71の後面70Dを「頭背面71B」とする。
(A)制御基板23は、高さ方向Yにおいて電池100よりも上側に設けられている。
(B)中継基板24は、高さ方向Yにおいて制御基板23よりも上側に設けられている。
(C)振動発生装置50は、高さ方向Yにおいて中継基板24の一部と重なり合う位置に設けられている。
(D)光源27は、高さ方向Yにおいて中継基板24および振動発生装置50よりも上側に設けられている。
(E)光源27は、奥行方向Zにおいて植毛面71Aよりも後側かつ頭背面71Bよりも前側に設けられている。
(F)光源27の頂部は、高さ方向Yにおいてカバー28の底面に対応する位置に設けられている。
(G)透光部材80は、高さ方向Yにおいて光源27よりも上側かつ植毛部分62よりも下側に設けられている。
(H)透光部材80の下端部分は、高さ方向Yにおいて取付軸32の上端部分の付近に設けられている。
【0042】
図3(b)を参照して、ブラシ柄70の詳細な形状について説明する。
側断面においてブラシ柄70の各部分を以下のように定義する。
(A)長手方向のブラシ毛61側の端部を「先端70A」とする。
(B)長手方向の本体装置20側の端部を「基端70B」とする。
(C)先端70Aから基端70Bまでの前面70Cに沿う長さを「前面長さV」とする。
(D)先端70Aから基端70Bまでの後面70Dに沿う長さを「後面長さW」とする。
(E)前側傾斜部分72Aのうちの外壁部分72と先端部分71との境界と光源27の上部との間に対応する部分を「前上傾斜部分72AU」とする。
(F)前側傾斜部分72Aのうちの振動発生装置50および光源27に対応する部分を「前下傾斜部分72AL」とする。
(G)後側傾斜部分72Bのうちの外壁部分72と先端部分71との境界と光源27の上部との間に対応する部分を「後上傾斜部分72BU」とする。
(H)後側傾斜部分72Bのうちの振動発生装置50および光源27に対応する部分を「後下傾斜部分72BL」とする。
【0043】
植毛面71Aは、奥行方向Zにおいて本体中心線C1よりも前側かつ前側傾斜部分72Aよりも後側に形成されている。頭背面71Bは、奥行方向Zにおいて本体中心線C1よりも後側かつ後側傾斜部分72Bよりも前側に形成されている。後壁長さWは、前壁長さVよりも小さい。
【0044】
前側傾斜部分72Aは、本体中心線C1よりも前側に形成されている。また、高さ方向Yにおいて下方から上方に向かうにつれて奥行方向Zにおいて前側から後側に傾斜している。また、外壁部分72と前上傾斜部分72AUとの間の部分の傾斜度合は、前下傾斜部分72ALの傾斜度合よりも大きい。
【0045】
後側傾斜部分72Bは、本体中心線C1よりも後側に形成されている。また、高さ方向Yにおいて下方から上方に向かうにつれて奥行方向Zにおいて後側から前側に傾斜している。また、後上傾斜部分72BUの傾斜度合は、後下傾斜部分72BLの傾斜度合よりも大きい。
【0046】
前側傾斜部分72Aの前上傾斜部分72AUの傾斜度合は、後側傾斜部分72Bの後上傾斜部分72BUの傾斜度合よりも大きい。前側傾斜部分72Aの前下傾斜部分72ALの傾斜度合は、後側傾斜部分72Bの後上傾斜部分72BUの傾斜度合よりも小さい。
【0047】
図3を参照して、本体装置20の詳細な構成について説明する。
側断面において、本体装置20の各部分を以下のように定義する。
(A)本体ケース22の外面のうちの前方の面を「前面22A」とする。
(B)本体ケース22の外面のうちの後方の面を「後面22B」とする。
(C)アウターケース30の外面のうちの前方の面を「前面30A」とする。
(D)アウターケース30の外面のうちの後方の面を「後面30B」とする。
(E)インナーケース40の外面のうちの前方の面を「前面40A」とする。
(F)インナーケース40の外面のうちの後方の面を「後面40B」とする。
(G)把持ケース21と対向する前面22Aの部分の長さを「前壁長さP」とする。
(H)把持ケース21と対向する後面22Bの部分の長さを「後壁長さQ」とする。
【0048】
図3(a)に示されるように、前面22Aは、前面30Aおよび前面40Aにより構成されている。後面22Bは、後面30Bおよび後面40Bにより構成されている。後壁長さQは、前壁長さPよりも小さい。なお、前壁長さPおよび後壁長さQは、前面22Aおよび後面22Bのそれぞれにおいて把持ケース21の内面と直接的に対向する部分の長さを示す。
【0049】
図3(b)に示されるように、アウターケース30の前面30Aは、インナーケース40の前面40Aよりも前側に設けられている。ブラシ柄70の前面70Cは、前面30Aよりも前側に設けられている。ケース本体31と取付軸32との接続部分には、段差部分34が形成されている。ブラシ柄70の下端面は、段差部分34の上面と対向している。
【0050】
図3(a)を参照して、歯ブラシ本体10のシール構造について説明する。
把持ケース21および本体ケース22の取付部分には、把持ケース21と本体ケース22との間をシールする把持側シール部材22Cが設けられている。把持側シール部材22Cは、インナーケース40に取り付けられている。また、高さ方向Yにおいて第1取付部分41よりも上側かつ把持ケース21の上端面よりも下側に取り付けられている。
【0051】
アウターケース30およびインナーケース40の取付部分には、アウターケース30とインナーケース40との間をシールする本体側シール部材22Dが設けられている。本体側シール部材22Dは、インナーケース40に取り付けられている。また、高さ方向Yにおいて把持ケース21の上端面よりも上側かつ第2取付部分42よりも下側に取り付けられている。
【0052】
図3を参照して、光源27の動作について説明する。
マイコン23Bの制御により光源27に電圧が加えられているとき、光源27から光が照射される。光源27から照射された光は、カバー28を介してブラシ柄70の内部を照らす。また、透光部材80を介して植毛部分62の部分およびその付近を照らす。
【0053】
図4を参照して、制御基板23およびその周辺の構成について説明する。
図4(a)に示されるように、制御基板23は、各部品との電気的な接続を得るための3種類の接続部分、すなわち2つのモータ接続部分23C、2つの基板接続部分23D、および2つの電池接続部分23Eを有する。
【0054】
モータ接続部分23Cは、制御基板23と電動モータ51とを電気的に接続するため部分として設けられている。モータ接続部分23Cには、モータリード線55が半田付けされている。
【0055】
基板接続部分23Dは、制御基板23と図3の中継基板24とを電気的に接続するための部分として設けられている。基板接続部分23Dには、図5の各基板リード線29が半田付けされている。
【0056】
電池接続部分23Eは、制御基板23と図3の電池100とを電気的に接続するための部分として設けられている。電池接続部分23Eには、接続部材25が半田付けされている。
【0057】
2つのモータ接続部分23Cは、高さ方向Yにおいて同じ位置に形成されている。2つの基板接続部分23Dは、高さ方向Yにおいて同じ位置に形成されている。各モータ接続部分23Cおよび各基板接続部分23Dは、高さ方向Yにおいて同じ位置に形成されている。
【0058】
図4(b)に示されるように、第2取付部分42は、制御基板23(二点鎖線)が搭載される搭載部分42Aと、制御基板23の上端部分に引っ掛けられる上側保持部分42Bと、制御基板23の下端部分に引っ掛けられる下側保持部分42Cとを有する。
【0059】
制御基板23の上端部分は、搭載部分42Aと上側保持部分42Bとにより挟み込まれている。制御基板23の下端部分は、搭載部分42Aと下側保持部分42Cとにより挟み込まれている。これにより、第2取付部分42に対する奥行方向Zへの制御基板23の移動が規制されている。
【0060】
図3および図5を参照して、中継基板24の構成について説明する。
図5(a)に示されるように、中継基板24は、光源27の接続端子27Bが接続される2つの光源接続部分24Aと、基板リード線29が接続される2つのリード線接続部分24Bとを有する。また、インナーケース40の保持部分44Bが挿入される長孔形状の第1貫通孔24Cと、インナーケース40の上側突出部分44Cが挿入される四角形状の第2貫通孔24Dとを有する。またこの他に、対応する光源接続部分24Aとリード線接続部分24Bとを互いに接続する回路パターン(図示略)を有する。
【0061】
光源接続部分24Aは、中継基板24の幅方向Xの端部から幅方向Xの中間部分に向けて凹む切欠形状を有する。光源接続部分24Aには、光源27の接続端子27Bが半田付けされている。リード線接続部分24Bには、基板リード線29が半田付けされている。
【0062】
図3に示されるように、第4取付部分44の保持部分44B、上側突出部分44C、および下側突出部分44Dは、それぞれアウターケース30の内面と接触している。これにより、アウターケース30に対する奥行方向Zの前方への第4取付部分44の移動が規制されている。
【0063】
図3を参照して、半田部分と第4取付部分44との関係について説明する。なお、以下では、光源接続部分24Aと接続端子27Bとが半田付けされた部分を「半田部分HPA」とし、リード線接続部分24Bと基板リード線29とが半田付けされた部分を「半田部分HPB」とする。
【0064】
半田部分HPAの頂部および半田部分HPBの頂部は、奥行方向Zにおいて保持部分44B、下側突出部分44D、および上側突出部分44Cよりも後側に位置している。すなわち、半田部分HPAの頂部および半田部分HPBとアウターケース30の内面との間には空間が形成されている。
【0065】
図5を参照して、インナーケース40と中継基板24との関係について説明する。
図5(b)に示されるように、インナーケース40の第4取付部分44は、中継基板24(二点鎖線)を支持する搭載部分44Aと、中継基板24を保持するフック形状の保持部分44Bとを有する。また、中継基板24の高さ方向Yおよび幅方向Xの位置を決める下側突出部分44Dと、中継基板24の上方への移動を規制する上側突出部分44Cとを有する。
【0066】
搭載部分44Aは、中継基板24の背面を支持している。保持部分44Bは、中継基板24の第1貫通孔24Cを介して中継基板24の外面に引っ掛けられている。これにより、第4取付部分44に対する幅方向X、高さ方向Y、および奥行方向Zへの中継基板24の移動が規制されている。
【0067】
インナーケース40において、第4取付部分44と第5取付部分45との間の部分(以下、「中間部分49」)には、光源27の接続端子27Bを配置するための2つの端子溝47が形成されている。端子溝47は、インナーケース40の長手方向(高さ方向Y)に沿うように形成されている。端子溝47の高さ方向Yの寸法すなわち端子溝47の深さは、接続端子27Bの最大径よりも大きい。
【0068】
接続端子27Bは、端子溝47内に配置されている。また、奥行方向Zにおいて中間部分49の外面よりも後方に配置されている。すなわち、奥行方向Zにおいては、接続端子27Bの全体が端子溝47内に配置されている。
【0069】
図5を参照して、各リード線29,55の配線態様について説明する。
図5(a)に示されるように、インナーケース40において、第4取付部分44の下側には、各リード線29,55を配線するための配線部分48が形成されている。配線部分48は、アウターケース30との間に各リード線29,55を配線するための空間を形成する案内壁48F(図3)と、第4取付部分44と案内壁48Fとを互いに接続する接続壁48Cと、各リード線29,55の幅方向Xへの移動を規制する右壁48Dおよび左壁48Eとを有する。なお、配線部分48は「隔離手段」に相当する。
【0070】
配線部分48には、モータリード線55を配線するための第1配線部分48Aと、基板リード線29を配線するための第2配線部分48Bとが形成されている。第1配線部分48Aは、案内壁48Fと接続壁48Cと右壁48Dとに囲まれた空間として形成されている。第2配線部分48Bは、案内壁48Fと接続壁48Cと左壁48Eとに囲まれた空間として形成されている。
【0071】
案内壁48Fは、アウターケース30の内面と対向する外面として、高さ方向Yに対する傾斜度合が互いに異なる3種類の面、すなわち上部傾斜面48G、中間平面48H、および下部傾斜面48Iを有する。上部傾斜面48Gは、高さ方向Yにおいて上方から下方に向かうにつれて奥行方向Zにおいて後方から前方に向けて傾斜している。中間平面48Hは、高さ方向Yに平行している。下部傾斜面48Iは、高さ方向Yにおいて上方から下方に向かうにつれて奥行方向Zにおいて後方から前方に向けて傾斜している。
【0072】
図3に示されるように、下部傾斜面48Iは上部傾斜面48Gよりも奥行方向Zの前方に形成されている。このため、案内壁48Fの外面とアウターケース30の内面との間隔は、高さ方向Yの上方よりも下方において狭い。
【0073】
図4および図5を参照して、第1配線部分48Aの詳細な構成について説明する。
図4(a)に示されるように、第1配線部分48Aは、奥行方向Zにおいてモータ接続部分23Cの前方に設けられている。図4(b)に示されるように、第1配線部分48Aは、高さ方向Yにおいて制御基板23のモータ接続部分23Cと同じ位置に設けられている。
【0074】
図5(a)に示されるように、モータリード線55は、折り曲げられた部分(以下、「折曲部分55A」)が形成された状態で第1配線部分48Aを通過して配線されている。折曲部分55Aの一部分は、奥行方向Zにおいて第1配線部分48Aから前方に飛び出ている。折曲部分55Aの同一部分は、上部傾斜面48Gおよび中間平面48Hに沿うように配線されている。
【0075】
図4および図5を参照して、第2配線部分48Bの詳細な構成について説明する。
図4(a)に示されるように、第2配線部分48Bは、奥行方向Zにおいてモータ接続部分23Cの前方に設けられている。図4(b)に示されるように、第2配線部分48Bは、高さ方向Yにおいて制御基板23のモータ接続部分23Cと同じ位置に設けられている。図5(b)に示されるように、中継基板24のリード線接続部分24Bは、幅方向Xにおいて第2配線部分48Bに対応する位置に形成されている。
【0076】
図5(a)に示されるように、基板リード線29は、折り曲げられた部分(以下、「折曲部分29A」)が形成された状態で第2配線部分48Bを通過して配線されている。折曲部分29Aの一部分は、奥行方向Zにおいて第1配線部分48Aから前方に飛び出ている。折曲部分29Aの同一部分は、上部傾斜面48Gおよび中間平面48Hに沿うように配線されている。
【0077】
図1および図3を参照して、歯ブラシ本体10の制御について説明する。
マイコン23Bは、操作部材26の操作に応じて歯ブラシ本体10の動作を制御するモード制御と、電動モータ51の回転速度を調整する回転速度制御と、歯ブラシ本体10の動作時間を管理するタイマ制御とを行なう。
【0078】
モード制御では、操作部材26の操作に応じて歯ブラシ本体10の動作モードを切り替える。歯ブラシ本体10の動作モードとしては、第1動作モードおよび第2動作モードが予め用意されている。第1動作モードは、光源27を点灯し、かつ電動モータ51を駆動する。第2動作モードは、光源27を消灯し、かつ電動モータ51を駆動する。
【0079】
マイコン23Bは、次のように動作モードの切り替えを行なう。
(A)電源がオフの状態において操作部材26を押し下げる操作が1回行なわれたとき、電源がオフの状態から第1動作モードを選択した状態に変更する。
(B)第1動作モードを選択した状態において操作部材26を押し下げる操作が1回行なわれたとき、動作モードを第1動作モードから第2動作モードに変更する。
(C)第2動作モードを選択した状態において操作部材26を押し下げる操作が1回行なわれたとき、第2動作モードを選択した状態から電源がオフの状態に変更する。
【0080】
マイコン23Bは、第1動作モードまたは第2動作モードを選択しているときに回転速度制御を行なう。回転速度制御では、電動モータ51の駆動電圧をPWM制御により変更することにより、電動モータ51の回転速度を所定範囲内に維持する。すなわち、電動モータ51の回転により生じる振動の大きさを所定範囲内に維持する。
【0081】
回転速度制御では、次のように電動モータ51の電圧のデューティー比を変更する。
(A)電池100の電圧の測定値が基準電圧よりも高いとき、電動モータ51の駆動電圧と基準電圧との差に応じてデューティー比を小さくする。
(B)電池100の電圧の測定値が基準電圧よりも低いとき、電動モータ51の駆動電圧と基準電圧との差に応じてデューティー比を大きくする。
(C)電池100の電圧の測定値が基準電圧と等しいとき、デューティー比を維持する。
【0082】
基準電圧は、電動モータ51の回転により所定範囲の大きさの振動が発生するときの駆動電圧として予め設定されている。なお、ここでは1つの設定値として基準電圧が設定されているが、上記所定範囲の大きさの振動が発生する電圧の範囲として基準電圧を設定することもできる。
【0083】
タイマ制御では、第1動作モードまたは第2動作モードが連続して選択されている時間に応じて電源を強制的にオフする。すなわち、操作部材26の操作が行なわれなくとも所定条件の成立に基づいて歯ブラシ本体10の動作を停止させる。
【0084】
具体的には、以下のように動作モードを変更する。
(A)電源がオフの状態から第1動作モードを選択した状態に変更したとき、第1動作モードを選択してからの経過時間(以下、「第1動作時間TA」)のカウントを開始する。そして、第1動作時間TAが判定時間TAX以上のとき、電源をオフにする。
(B)第1動作モードから第2動作モードに変更したとき、動作モードを変更してからの経過時間(以下、「第2動作時間TB」)のカウントを開始する。そして、第2動作時間TBが判定時間TBX以上のとき、電源をオフにする。
【0085】
判定時間TAXは、第1動作モードにより継続して歯に振動を付与することが好ましい範囲内の時間として予め設定されている。また、判定時間TBXは、第2動作モードにより継続して歯に振動を付与することが好ましい範囲内の時間として予め設定されている。なお、判定時間TAXおよび判定時間TBXとしては、同じ値または互いに異なる値を設定することができる。
【0086】
(実施形態の効果)
本実施形態の電動歯ブラシ1によれば以下の効果が得られる。
(1)電動歯ブラシ1においては、光源27と制御基板23とを電気的に接続するための中継基板24が設けられている。また、光源27が中継基板24に直接的に接続されている。この構成によれば、光源27および制御基板23を接続するためのリード線が不要となるため、中継基板24が設けられていない構成と比較して、本体ケース22への各部品の組み付け作業が容易となる。
【0087】
(2)電動歯ブラシ1においては、振動発生装置50が取り付けられる第3取付部分43と、中継基板24が取り付けられる第4取付部分44、および光源27が取り付けられる第5取付部分45とが一体的に形成されている。この構成によれば、振動発生装置50の振動にともない光源27および中継基板24が実質的に同じ位相で振動する。このため、振動発生装置50の振動に起因して、光源27と中継基板24との接続部分に大きな応力が生じることが抑制される。
【0088】
(3)電動歯ブラシ1においては、インナーケース40の中間部分49に端子溝47が形成されている。また、接続端子27Bが端子溝47内に配置されている。この構成によれば、中間部分49に端子溝47が形成されていない構成、すなわち接続端子27Bの全体が中間部分49の外面上に配置される構成と比較して、中間部分49の外面からの接続端子27Bの突出量が小さくなる。
【0089】
(4)電動歯ブラシ1においては、中継基板24および制御基板23が互いに平行している。また、中継基板24のリード線接続部分24Bと制御基板23の基板接続部分23Dとが幅方向Xにおいて互いに対応する位置に設けられている。この構成によれば、基板リード線29の長さが短くなる。
【0090】
(5)電動歯ブラシ1においては、モータリード線55が第1配線部分48Aを介して配線されている。また、基板リード線29が第2配線部分48Bを介して配線されている。この構成によれば、モータリード線55および基板リード線29が互いに交差することが抑制される。
【0091】
(6)電動歯ブラシ1においては、上部傾斜面48G、接続壁48C、および右壁48Dに囲まれて第1配線部分48Aが形成されている。この構成によれば、幅方向Xにおいてモータリード線55が第1配線部分48Aの外部に移動することが右壁48Dにより妨げられる。このため、アウターケース30とインナーケース40とを組み付けるとき、モータリード線55がアウターケース30とインナーケース40との間に噛み込むことが抑制される。
【0092】
(7)電動歯ブラシ1においては、上部傾斜面48G、接続壁48C、および左壁48Eに囲まれて第2配線部分48Bが形成されている。この構成によれば、幅方向Xにおいて基板リード線29が第2配線部分48Bの外部に移動することが左壁48Eにより妨げられる。このため、アウターケース30とインナーケース40とを組み付けるとき、基板リード線29がアウターケース30とインナーケース40との間に噛み込むことが抑制される。
【0093】
(8)電動歯ブラシ1においては、側断面において上部傾斜面48Gと中間平面48Hとにより形成される角部分の角度が鈍角に設定されている。また、モータリード線55のうち奥行方向Zにおいて第1配線部分48Aから突出した部分、および基板リード線29のうち奥行方向Zにおいて第2配線部分48Bから突出した部分がそれぞれ上部傾斜面48G上に配置されている。この構成によれば、モータリード線55および基板リード線29の上記突出した部分に対して直角の角部分が接触する構成と比較して、モータリード線55および基板リード線29の被覆部分が損傷するおそれが小さくなる。
【0094】
(9)電動歯ブラシ1においては、上側突出部分44Cおよび下側突出部分44Dが半田部分HPAおよび半田部分HPBよりも前側に突出している。また、上側突出部分44Cおよび下側突出部分44Dがアウターケース30の内面に接触している。この構成によれば、半田部分HPAおよび半田部分HPBがアウターケース30の内面に接触することが抑制される。
【0095】
(10)電動歯ブラシ1においては、取付軸32に光源27が設けられている。この構成によれば、本体装置20においての光源27の位置が植毛部分62に近くなるため、植毛部分62をより明るくすることができる。
【0096】
(11)電動歯ブラシ1においては、光源27が植毛部分62に向けて光を照射する。この構成によれば、上記(10)の効果がより高められる。
(12)電動歯ブラシ1においては、ブラシ柄70の前面70Cに透光部材80が設けられている。この構成によれば、上記(10)の効果がより高められる。
【0097】
(13)電動歯ブラシ1においては、ブラシ柄70の前側傾斜部分72Aの前上傾斜部分72AUに透光部材80が取り付けられている。この構成によれば、ブラシ柄70の別の部分、例えば前側傾斜部分72Aの前下傾斜部分72AL、またはブラシ柄70の側壁に透光部材80が取り付けられる構成と比較して、上記(10)の効果がより高くなる。
【0098】
(14)電動歯ブラシ1においては、取付軸32の内部に振動発生装置50が収容されている。この構成によれば、取付軸32よりも下側に振動発生装置50が設けられる構成と比較して、歯ブラシ本体10の高さ方向Yの寸法を小さくすることができる。
【0099】
(15)電動歯ブラシ1においては、ブラシ柄70の植毛面71Aが本体中心線C1よりも前側に位置している。この構成によれば、植毛面71Aが本体中心線C1よりも後側に位置する構成と比較して、歯の清掃時に外壁部分72の前面70Cが歯に接触しにくくなる。また、植毛面71Aが本体中心線C1よりも後側に位置する構成と比較して、取付軸32の奥行方向Zの寸法を大きくすることができる。このため、取付軸32の内部に大きな空間を形成することにより、振動発生装置50および光源27等の部品を配置するためのスペースを大きくすることができる。
【0100】
(16)電動歯ブラシ1においては、キャップ90の換気孔94〜96がブラシ毛61の先端面と対向している。この構成によれば、換気孔94〜96を介してキャップ90の外部からキャップ90の内部に流入する空気がブラシ毛61に触れやすくなるため、キャップ90が歯ブラシ本体10に取り付けられていることによりブラシ毛61が乾きにくくなることが抑制される。
【0101】
(17)電動歯ブラシ1においては、側断面において本体中心線C1に対してブラシ毛61とは反対側に操作部材26が設けられている。この構成によれば、電動歯ブラシ1の使用者が同歯ブラシ1により他人の歯を清掃するとき、操作部材26が使用者側に位置する。このため、側断面において本体中心線C1に対してブラシ毛61と同じ側に操作部材26が設けられる構成と比較して、操作部材26の操作が容易になる。
【0102】
(18)電動歯ブラシ1においては、取付軸32の開口部分32Dにカバー28が圧入されている。この構成によれば、カバー28と開口部分32Dとの隙間を介して水および埃が取付軸32の内部に侵入することが抑制される。
【0103】
(19)電動歯ブラシ1の歯ブラシ本体10は、動作モードとして第1動作モードおよび第2動作モードを有する。この構成によれば、使用者は光源27の点灯を必要としないときに第2動作モードを選択することができる。これにより、歯ブラシ本体10の消費電力を少なくすることができる。
【0104】
(20)電動歯ブラシ1のマイコン23Bは、電動モータ51の回転速度を制御する回転速度制御を行なう。この構成によれば、第1動作モードまたは第2動作モードが選択されているとき、使用者が受ける歯磨きの感覚を安定させることができる。
【0105】
(21)電動歯ブラシ1のマイコン23Bは、電源を強制的にオフするタイマ制御を行なう。この構成によれば、長時間にわたり電動モータ51の振動が歯に付与されることが抑制される。また、使用者が歯の清掃後に歯ブラシ本体10の電源をオンからオフに変更することを忘れた場合、マイコン23Bにより電源がオフされる。このため、歯ブラシ本体10の電力が不要に消費されることが抑制される。
【0106】
(22)電動歯ブラシ1においては、ブラシ柄70の後壁長さWが前壁長さVよりも小さい。この構成によれば、振動発生装置50の振動がブラシ柄70の後面70Dに伝達されやすくなる。
【0107】
(23)電動歯ブラシ1においては、振動発生装置50の伝達部材54がアウターケース30の壁部に接触している。この構成によれば、振動発生装置50の振動がブラシ柄70の後側傾斜部分72Bに伝達されやすくなる。
【0108】
(24)電動歯ブラシ1においては、電動モータ51の回転軸が把持ケース21の中心線に対して後側に偏倚しているため、電動モータ51の回転にともなう振動が把持ケース21のうちの後側の壁部に伝達されやすい。一方、本体ケース22の後壁長さQが前壁長さPよりも小さい。このため、後壁長さQが前壁長さPよりも大きい構成と比較して、把持ケース21の後側の壁部には振動が伝達されにくい。すなわち、把持ケース21から使用者の手に付与される振動が小さい。
【0109】
このように、電動歯ブラシ1によれば、電動モータ51の回転軸を把持ケース21の中心線に対して後側に偏倚させる構成を採用したうえで、歯ブラシ本体10の使用時に使用者の手に伝達される振動を低減することができる。
【0110】
(25)比較例としての電動歯ブラシ(以下、「第1の比較歯ブラシ」)との対比に基づいて、電動歯ブラシ1により得られる効果について説明する。第1の比較歯ブラシは、以下の各点において電動歯ブラシ1と相違し、その他の点については電動歯ブラシ1と同じ構成を有する。
(A)取付軸32から光源27が省略されている。
(B)取付軸32の体格が電動歯ブラシ1よりも小さい。
(C)ブラシ柄70の前側傾斜部分72Aの傾斜度合が電動歯ブラシ1よりも大きい。
(D)ブラシ柄70の後側傾斜部分72Bの傾斜度合が電動歯ブラシ1よりも小さい。
(E)植毛部分62が電動歯ブラシ1よりも奥行方向Zの後方に位置している。すなわち、植毛面71Aが電動歯ブラシ1よりも奥行方向Zの後方に位置している。
【0111】
第1の比較歯ブラシにおいては、光源27が省略されているため、取付軸32内に光源27を配置するためのスペースを確保する必要がない。このため、取付軸32の体格が電動歯ブラシ1よりも小さい。また、取付軸32の体格が小さいことにともない、ブラシ柄70内において取付軸32を配置するためのスペースが小さくなる。また、ブラシ柄70内の同スペースが小さいことにより、前側傾斜部分72Aにおいて取付軸32に対応する部分が本体中心線C1に対してより近い位置に形成される。これにより、奥行方向Zにおいて取付軸32に対応する部分の前側傾斜部分72Aの前方への膨らみ度合が電動歯ブラシ1よりも小さくなり、かつ取付軸32に対応する部分の前側傾斜部分72Aの傾斜度合が電動歯ブラシ1よりも大きくなる。
【0112】
また、前側傾斜部分72Aの傾斜度合の変更に応じて植毛面71Aが本体中心線C1よりも後側に位置するように植毛部分62が電動歯ブラシ1よりも後側に形成されている。また、植毛部分62の位置に応じて後側傾斜部分72Bの傾斜度合が電動歯ブラシ1よりも小さくなる。すなわち、第1の比較歯ブラシの後側傾斜部分72Bは、電動歯ブラシ1の後側傾斜部分72Bと比較して、本体中心線C1に対する傾斜度合がより小さい部分として構成されている。
【0113】
電動歯ブラシ1は、上記第1の比較歯ブラシを基準としたとき、取付軸32に光源27が設けられることにともない、第1の比較歯ブラシに対して次の変更が加えられたものとみることができる。
【0114】
すなわち、取付軸32内に光源27を配置するためのスペースを確保するため、取付軸32の体格を第1の比較歯ブラシよりも大きくしている。また、取付軸32の体格を大きくしていることにともない、ブラシ柄70内において取付軸32を配置するためのスペースを大きくしている。
【0115】
このため、第1の比較歯ブラシと比較して、前側傾斜部分72Aにおいて取付軸32に対応する部分を本体中心線C1からより離れた位置に形成している。また、奥行方向Zにおいて取付軸32に対応する部分の前側傾斜部分72Aの前方への膨らみ度合を第1の比較歯ブラシよりも大きくし、かつ取付軸32に対応する部分の前側傾斜部分72Aの傾斜度合を第1の比較歯ブラシよりも小さくしている。
【0116】
ここで、電動歯ブラシ1において、第1の比較歯ブラシと同様に植毛面71Aが本体中心線C1よりも後側に位置するように植毛部分62を形成することもできるが、本実施形態の同歯ブラシ1では上記のとおり植毛面71Aが本体中心線C1よりも前側に位置するように植毛部分62を形成している。すなわち、奥行方向Zにおいて第1の比較歯ブラシの植毛部分62よりも前側に植毛部分62を形成している。また、こうした植毛部分62の形成位置の設定に応じて、第1の比較歯ブラシよりも後側傾斜部分72Bを本体中心線C1に近い位置に形成している。このため、後側傾斜部分72Bの傾斜度合が第1の比較歯ブラシよりも大きくなる。
【0117】
そして、植毛面71Aが本体中心線C1よりも前側に位置するように植毛部分62の位置を設定していることにより、植毛面71Aが本体中心線C1よりも後側に位置するように植毛部分62の位置を設定した別の比較歯ブラシ(以下、「第2の比較歯ブラシ」)と比較して、次のような有利な効果が得られる。なお、第2の比較歯ブラシは、植毛面71Aの位置が上記のとおり相違する点を除いて電動歯ブラシ1と同じ構成を有する。
【0118】
第2の比較歯ブラシにおいては、取付軸32に対応する部分の前側傾斜部分72Aの前方への膨らみ度合が第1の比較歯ブラシよりも大きいため、歯の清掃時に前側傾斜部分72Aが歯に接触しやすくなる。
【0119】
一方、電動歯ブラシ1においては、取付軸32に対応する部分の前側傾斜部分72Aの前方への膨らみ度合が第2の比較歯ブラシと同じである一方、植毛面71Aが第2の比較歯ブラシよりも奥行方向Zの前側に形成されているため、すなわち植毛面71Aが本体中心線C1よりも奥行方向Zの前側に形成されているため、第2の比較歯ブラシと比較して歯の清掃時に前側傾斜部分72Aが歯に接触するおそれが小さくなる。
【0120】
なお、第2の比較歯ブラシにおいてブラシ毛61の長さを長くすることにより、前側傾斜部分72Aが歯に接触することを抑制することもできる。ただし、この場合にはブラシ毛61の長さが予め設定された好ましい長さよりも長くなるため、この点において使用者が違和感を覚えるおそれがある。これに対して、電動歯ブラシ1は上記のとおり植毛面71Aの形成位置を第1の比較歯ブラシよりも前側に設定していることにより、前側傾斜部分72Aが歯に接触することを抑制する効果が得られる。このため、第2の比較歯ブラシとは異なり、ブラシ毛61の長さについては好ましい長さを設定することができる。
【0121】
(その他の実施形態)
本発明の実施態様は、上記実施形態の内容に限られるものではなく、例えば以下のように変更することもできる。また、以下の変形例は上記実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
【0122】
・上記実施形態(図2)において、キャップ90にストラップを取り付けることもできる。この構成の具体的な例としては、以下の(A)〜(D)が挙げられる。
(A)図6(a)に示されるように、キャップ90の各突起93に貫通孔93Aを形成する。そして、この貫通孔93Aにストラップ98を取り付ける。
(B)キャップ90の一方の突起93だけに貫通孔93Aを形成する。そして、この貫通孔93Aにストラップ98を取り付ける。
(C)図6(b)に示されるように、換気孔94および換気孔97にストラップ98を挿入することにより、キャップ90にストラップ98を取り付ける。
(D)換気孔94〜97のうちの少なくとも2つの換気孔にストラップ98を挿入することにより、キャップ90にストラップ98を取り付ける。
【0123】
・上記実施形態(図3)では、光源27として砲弾型の発光ダイオードを用いているが、チップ型の発光ダイオードに変更することもできる。また、光源27の種類を白熱電球または放電電球に変更することもできる。
【0124】
・上記実施形態(図3)では、圧入によりカバー28を取付軸32に固定しているが、超音波溶接によりカバー28を取付軸32に固定することもできる。
・上記実施形態(図3)では、カバー28の上面を平面として形成しているが、カバー28の上面形状はこれに限られない。例えば、高さ方向Yの上方に向けて突出する曲面形状に変更することもできる。また、奥行方向Zの後方に向かうにつれて高さ方向Yの上方に向けて傾斜する傾斜面に変更することもできる。
【0125】
・上記実施形態(図1)では、カバー28に湾曲部分28Aを形成しているが、カバー28から湾曲部分28Aを省略し、かつカバー28の下面を平面として形成することもできる。この構成によれば、光源27から照射された光がカバー28を介して幅方向Xおよび奥行方向Zに広がることが抑制されるため、植毛部分62を明るくする効果が高められる。
【0126】
・上記実施形態(図1)では、カバー28および透光部材80の材料としてABS樹脂を用いているが、カバー28および透光部材80の材料はこれに限られない。例えば、カバー28および透光部材80の少なくとも一方の材料として、ポリカーボネートまたはポリプロピレンを用いることもできる。ポリカーボネートを用いた場合、ABS樹脂を用いた場合よりもカバーおよび透光部材の透過率が高くなる。また、ポリプロピレンを用いた場合、ABS樹脂を用いた場合よりも耐薬品性が高くなる。
【0127】
・上記実施形態(図3)において、ブラシ柄70の開口部分73および透光部材80を省略することもできる。
・上記実施形態(図3)では、振動発生装置50の全体を取付軸32に収容しているが、振動発生装置50の一部を取付軸32よりも下側に設けることもできる。また、振動発生装置50の全体を取付軸32よりも下側に設けることもできる。
【0128】
・上記実施形態(図3)では、中継基板24をインナーケース40の前側の部分に取り付けているが、中継基板24をインナーケース40の後側の部分に取り付けることもできる。この場合、第4取付部分44がインナーケース40の後側の部分に形成される。
【0129】
・上記実施形態(図5)では、第4取付部分44において下側突出部分44Dよりも上側に保持部分44Bを形成しているが、下側突出部分44Dよりも下側に保持部分44Bを形成することもできる。
【0130】
・上記実施形態(図4)では、インナーケース40を単一部材として構成しているが、複数の部品の組み合わせによりインナーケース40を構成することもできる。例えば、第1取付部分41が形成された部品、第2取付部分42が形成された部品、第3取付部分43が形成された部品、第4取付部分44が形成された部品、および第5取付部分45が形成された部品を互いに組み合わせることによりインナーケース40を構成することもできる。
【0131】
・上記実施形態(図5)において、端子溝47を省略することもできる。この場合、インナーケース40の中間部分49の外面上に光源27の接続端子27Bが配置される。
・上記実施形態(図4)では、第1配線部分48Aおよび第2配線部分48Bとして奥行方向Zに対して開口したものを形成しているが、第1配線部分48Aおよび第2配線部分48Bに代えて幅方向Xに対して開口する第1配線部分および第2配線部分を形成することもできる。
【0132】
・上記実施形態(図4)では、隔離手段としての第1配線部分48Aおよび第2配線部分48Bをインナーケース40に形成しているが、隔離手段の具体的構成はこれに限られない。例えば、リード線を引っ掛けることによりインナーケース40に対してリード線を保持するフックを隔離手段として設けることもできる。
【0133】
・上記実施形態(図5)では、光源27を接続端子27Bにより中継基板24に直接的に接続し、かつ制御基板23を基板リード線29により中継基板24に接続しているが、これらの部品の接続態様を次のように変更することもできる。
(A)光源27をリード線により中継基板24に接続する。また、制御基板23をコネクタにより中継基板24に直接的に接続する。
(B)光源27をリード線により中継基板24に接続する。また、制御基板23をリード線により中継基板24に接続する。
(C)光源27を接続端子27Bにより中継基板24に直接的に接続する。また、制御基板23をコネクタにより中継基板24に直接的に接続する。
【0134】
上記(A)および(B)の構成によれば、中継基板24が設けられていない構成と比較して、光源27および制御基板23を電気的に接続するためのリード線の長さを短くすることができる。このため、本体ケース22への各部品の組付作業が容易になる。また、上記(C)の構成によれば、中継基板24が設けられていない構成と比較して、光源27および制御基板23を電気的に接続するためのリード線が不要となる。このため、本体ケース22への各部品の組付作業が容易になる。
【0135】
・上記実施形態(図3)では、機能部として光源27を設けているが、光源27に代えて他の部品を機能部として設けることもできる。その一例としては、警告音等の音声を出力する音声出力部が挙げられる。機能部として光源27とは別のものを設ける場合には、アタッチメント60から透光部材80および開口部分73を省略することができる。
【0136】
・上記実施形態(図3)において、次の第3動作モードを追加することもできる。この第3動作モードは、光源27を点灯し、かつ電動モータ51を停止する。また、操作部材26の操作に応じた第3動作モードの選択順序としては、第1動作モードの前、または第1動作モードの後、または第2動作モードの後のいずれかを設定することができる。
【0137】
・上記実施形態(図3)に対して、次の第11動作モードおよび第12動作モードを追加することもできる。なお、これらの動作モードを追加する変形例をモード追加変形例Aとする。
【0138】
第11動作モードは、第1動作モードよりも強い振動を歯に付与する。第12動作モードは、第1動作モードよりも弱い振動を歯に付与する。第11動作モードおよび第12動作モードは、第1動作モードと同様に光源27を点灯する。
【0139】
マイコン23Bは、第11動作モードおよび第12動作モードを選択しているとき、次のように回転速度制御を行なう。なお、第1動作モードを選択しているときの回転速度制御において、電動モータ51の回転速度の目標範囲として設定される所定範囲を「中間所定範囲」とする。
【0140】
(A)第11動作モードを選択しているとき、電動モータ51の駆動電圧をPWM制御により変更することにより、電動モータ51の回転速度を中間所定範囲よりも大きい所定範囲内に維持する。
【0141】
(B)第12動作モードを選択しているとき、電動モータ51の駆動電圧をPWM制御により変更することにより、電動モータ51の回転速度を中間所定範囲よりも小さい所定範囲内に維持する。
【0142】
・上記モード追加変形例Aにおいて、第1動作モード、第11動作モード、および第12動作モードのいずれか1つを省略することもできる。
・上記モード追加変形例Aにおいて、使用者が動作モードを第1動作モードから第11動作モードまたは第12動作モードに変更するための別の操作部材を追加することもできる。この場合、マイコン23Bは、操作部材26の操作に対しては上記実施形態と同様に動作モードの変更、電源のオン、および電源のオフを行なう。そして、第1動作モードが選択されている状態において上記別の操作部材が操作される毎に第11動作モード、第12動作モード、および第1動作モードの順に動作モードを変更する。なお、上記別の操作部材の操作に対する動作モードの選択順序は、上記の例に限られるものではなく、予め任意のものを設定することができる。
【0143】
・上記実施形態(図3)に対して、次の第21動作モードおよび第22動作モードを追加することもできる。なお、これらの動作モードを追加する変形例をモード追加変形例Bとする。
【0144】
第21動作モードは、第2動作モードよりも強い振動を歯に付与する。第22動作モードは、第2動作モードよりも弱い振動を歯に付与する。第21動作モードおよび第22動作モードは、第2動作モードと同様に光源27を消灯する。
【0145】
マイコン23Bは、第21動作モードを選択しているとき、第11動作モードを選択しているときと同様の態様で回転速度制御を行なう。また、第22動作モードを選択しているとき、第12動作モードを選択しているときと同様の態様で回転速度制御を行なう。
【0146】
・上記モード追加変形例Bにおいて、第2動作モード、第21動作モード、および第22動作モードのいずれか1つを省略することもできる。
・上記モード追加変形例Bにおいて、使用者が動作モードを第2動作モードから第21動作モードまたは第22動作モードに変更するための別の操作部材を追加することもできる。なお、別の操作部材の操作に対する動作モードの選択方法については、上記モード追加変形例Aに準じたものを採用することができる。
【0147】
・上記モード追加変形例Aと上記モード追加変形例Bとを組み合わせて実施することもできる。この場合、上記モード追加変形例Aの別の操作部材と、上記モード追加変形例Bの別の操作部材とを個別に設ける構成、または2つの別の操作部材を共通化する構成を採用することができる。
【0148】
・上記実施形態(図3)では、歯ブラシ本体10に振動発生装置50を設けているが、歯ブラシ本体10から振動発生装置50を省略することもできる。また、この場合には振動発生装置50を本体ケース22に取り付けるための構成についても併せて省略することができる。
【0149】
要するに、電力の供給を受けて動作する機能部と、この機能部の動作を制御する制御基板とを有する電動歯ブラシであれば、歯に振動を付与する機能を有していなくとも本発明を適用することができる。また、この構成の場合にも上記実施形態に準じた態様で本発明の具体的構成を電動歯ブラシに適用することにより、同実施形態の(1)、(3)〜(13)、(15)〜(19)、(21)、(22)、および(25)の効果に準じた効果が得られる。
【0150】
(電動歯ブラシの参考例1)
図7に、電動歯ブラシ1の構成の一部を変更した他の電動歯ブラシを示す。なお、同他の電動歯ブラシにおいて、電動歯ブラシ1と共通する構成要素については、電動歯ブラシ1の構成要素に付された符号と同様の符号を付している。
【0151】
この電動歯ブラシは、歯ブラシ本体10と図1のキャップ90とを有する。また、以下の点において電動歯ブラシ1と構成が相違している。
(A)取付軸32の先端部分には、光源27に代えてステインケアアタッチメント110が設けられている。
(B)取付軸32の先端軸32Aおよびカバー28が省略されている。
(C)アタッチメント60から透光部材80が省略されている。
(D)ブラシ柄70から開口部分73が省略されている。
(E)取付軸32の中間軸32Bには、頂壁32Eが形成されている。
(F)取付軸32の頂壁32Eには、ステインケアアタッチメント110を取り付けるための取付部分32Fが形成されている。
【0152】
ステインケアアタッチメント110は、取付軸32に取り付けること、および取付軸32から取り外すことができる。また、取付部分32Fに取り付けられる基台111と、基台111から上方に向けて突出する研磨部分112とを有する。
【0153】
参考例1の電動歯ブラシにおいては、アタッチメント60が本体ケース22に取り付けられているとき、ステインケアアタッチメント110がアタッチメント60内の空間に収容される。そして、アタッチメント60が本体ケース22から取り外されたとき、ステインケアアタッチメント110の使用が可能になる。
【0154】
(電動歯ブラシの参考例2)
参考例1の電動歯ブラシにおいて、ステインケアアタッチメント110に代えて、歯の清掃に関連する機能を有する別の機能部材を取付軸32に設けることもできる。同機能部材の例としては、歯茎マッサージアタッチメント、ポイント磨き歯ブラシ、爪磨き用アタッチメント、歯間ブラシ、歯磨剤チューブ、および振動調整用の鐘が挙げられる。
【符号の説明】
【0155】
1…電動歯ブラシ、22…本体ケース(本体部材)、23…制御基板、23C…モータ接続部分(第1接続部分)、23D…基板接続部分(第2接続部分)、24…中継基板、24D…リード線接続部分(第3接続部分)、27…光源(機能部)、27B…接続端子、29…基板リード線、40…インナーケース(支持部材)、47…端子溝、48…配線部分(隔離手段)、50…振動発生装置、60…アタッチメント(清掃部材)、61…ブラシ毛、62…植毛部分、100…電池(電源)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源を収容する本体部材と、ブラシ毛が植えられた植毛部分を有する清掃部材とを備え、前記本体部材への前記清掃部材の取り付けおよび前記本体部材からの前記清掃部材の取り外しが可能な電動歯ブラシにおいて、
電力の供給を受けて動作する機能部と、この機能部の動作を制御する制御基板と、前記機能部と前記制御基板とを電気的に接続するための中継基板とが前記本体部材に設けられていること
を特徴とする電動歯ブラシ。
【請求項2】
請求項1に記載の電動歯ブラシにおいて、
振動源としての振動発生装置が前記本体部材に設けられていること
を特徴とする電動歯ブラシ。
【請求項3】
請求項2に記載の電動歯ブラシにおいて、
前記本体部材に支持部材が設けられていること、
ならびに、前記機能部、前記振動発生装置、および前記中継基板が前記支持部材に取り付けられていること
を特徴とする電動歯ブラシ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の電動歯ブラシにおいて、
前記本体部材に支持部材が設けられていること、
ならびに、前記機能部の接続端子を配置するための端子溝が前記支持部材に形成されていること
を特徴とする電動歯ブラシ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の電動歯ブラシにおいて、
前記本体部材には、振動源としての振動発生装置が設けられていること、
前記振動発生装置と前記制御基板とが装置リード線により互いに接続されていること、
前記中継基板と前記制御基板とが基板リード線により互いに接続されていること、
前記本体部材の中心線に沿う方向を高さ方向として、この高さ方向と平行した状態で前記中継基板および前記制御基板が設けられていること、
前記中継基板および前記制御基板が互いに平行していること、
前記制御基板の厚さ方向および前記高さ方向に直交する方向を幅方向とし、前記制御基板と前記装置リード線との接続部分を第1接続部分とし、前記制御基板と前記基板リード線との接続部分を第2接続部分とし、前記中継基板と前記基板リード線との接続部分を第3接続部分としたとき、前記第1接続部分と前記第2接続部分とが前記幅方向に並べられていること、
ならびに、前記制御基板のうちの前記第1接続部分に対して前記第2接続部分が形成される側を接続側として、前記中継基板のうちの前記接続側に対応する部分に前記第3接続部分が形成されていること
を特徴とする電動歯ブラシ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の電動歯ブラシにおいて、
前記本体部材には、振動源としての振動発生装置が設けられていること、
前記振動発生装置と前記制御基板とが装置リード線により互いに接続されていること、
前記中継基板と前記制御基板とが基板リード線により互いに接続されていること、
ならびに、前記装置リード線と前記基板リード線との間を隔てる隔離手段が前記本体部材に設けられていること
を特徴とする電動歯ブラシ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の電動歯ブラシにおいて、
前記機能部として光源が設けられていること
を特徴とする電動歯ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−249720(P2012−249720A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122935(P2011−122935)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】