説明

電動車椅子

【課題】幅広い人が使用することが可能で、使いやすい電動車椅子を提供する。
【解決手段】椅子15、該椅子15を支持する支持架台16、該支持架台16の下部の固着された車輪17を含む車椅子本体10と、該車椅子本体10を駆動可能な車椅子駆動装置30と、該椅子15を傾斜可能なチルト駆動装置40と、入出力部111、表示部130、記憶部120、及び演算制御処理部112、を備える操作コントローラ101と、該操作コントローラ101の該表示部130に表示される表示データを選択するデータ選択装置102と、を含み、該操作コントローラ101は、該データ選択装置101を通じて車椅子駆動データ又はチルト駆動データが選択されると、選択されたデータに基づき該車椅子駆動装置30又は該チルト駆動装置40に制御信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車椅子に関し、重度障害者や高齢者を含め幅広い人が使い易い機能を備える電動車椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
重度の障害等により手動の推進力が得られない場合、電動車椅子が利用されていることは周知のところである。一般に電動車椅子は、左右一対の車輪を駆動する駆動装置、駆動装置に制御信号を送る制御装置、制御装置に電動車椅子の移動、停止等の信号を入力する入力装置を備え、利用者は、入力装置を通じて電動車椅子を移動、停止させる。従来、信号の入力装置には、利用者の手元に設けられたいわゆるジョイスティック型の操作レバーが使用されていた。このジョイスティック型操作レバーは、360度どの方向にも動く構造を有し、利用者は、自分の進みたい方向にジョイスティック操作レバーを倒すことで、電動車椅子を前進、後退、左折、右折、停止等をさせることができる。
【0003】
しかしながら、筋ジストロフィやALS(Amyotrophic Laterral Sclerosis:筋萎縮性側索硬化症)、脳性まひ等によって握力や手指の筋力が低下したり、手の動作が不自由な人は、ジョイスティック型操作レバーが握れなかったり、ジョイスティック型操作レバーの調整が難しく、補助者がいないと使用することができない。このように重度障害者等にとっては、ジョイスティック型操作レバーを備える電動車椅子は、使い易いとは言えない面があった。このためジョイスティック型操作レバーの操作を行うことが困難な、例えば手の動作の不自由な人でも容易に運転できるように、利用者の呼気を利用した呼気スイッチを使用するもの、CCDカメラで頭部の動きを捕らえて制御するもの(例えば特許文献1参照)、利用者が乗車した状態で頭をもたせかける枕の中に、頭の押圧によって作用する感圧式スイッチを内蔵したものが開発されている(例えば特許文献2参照)。
【0004】
また、電動車椅子は、利用者が車椅子に容易に乗り降りすることできるものであることが必要である。このためジョイスティック操作レバー等が、利用者が車椅子に乗り降りするとき邪魔にならないように、収納可能とする技術も提案されている(例えば特許文献3、特許文献4参照)。また筋ジストロフィ者等は、座骨結節部等の加重を軽減させ、除圧を図るリクライニング機構を備えた電動車椅子が必要となる。このリクライニング機構を備える電動車椅子には、座面と背もたれが一体となって回転するチルトタイプのリクライニング機構が、コントローラの位置や重心位置の変化がないため採用されやすい。
【特許文献1】特開平11−47196号公報
【特許文献2】特開2001−70355号公報
【特許文献3】特開平7−265361号公報
【特許文献4】特開2000−84005号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
人の呼気を利用した呼気スイッチは、息の仕方による制御が難しく、特許文献1に記載のCCDカメラで頭部の動きを捕らえて制御する方法は、首の動きを大きく使わなければならないので、首が不自由な人等は利用することができない。また、特許文献2に記載の感圧式スイッチを使用する方法は、利用者が頭を休めているのか、スイッチを操作する動作なのかの判別が困難である。以上にように従来の電動車椅子の駆動を制御する操作コントローラは、重度障害者等にとっては必ずしも操作性に優れたものとは言えず、操作性に優れたコントローラ及び入力装置の開発が待たれている。
【0006】
特許文献3、特許文献4記載に記載の技術は、利用者が車椅子に容易に乗り降りすることを可能とする技術に関するものであるが、この技術は、車椅子本体に対してジョイスティック型操作レバーを左右に開閉して収納するため、より広い空間スペースを必要とする。また車椅子の横に人がいる場合は、スライドさせたジョイスティック操作レバーが邪魔になる。
【0007】
また従来の座面と背もたれが一体となって回転するチルトタイプのリクライニング機構を備える電動車椅子は、チルト機構の表示と車椅子の移動方向の表示とが分離して設置されており、操作の際に視線移動が起こることで視認性が低下していた。また、車椅子の走行、及びリクライニング機構の操作、調整を一つの入力装置で行うことが可能な電動車椅子も開発されているが、固定式のタッチセンサ方式であり、重度障害者等にとっては操作が容易ではない。
【0008】
上記のように従来の電動車椅子は、車椅子の駆動を制御する操作コントローラの操作性及び視認性、利用者の車椅子への乗降性など改良すべき課題も多い。これら課題を解決するため、本発明者らは、手指の筋力が10gf以下であっても障害者自らが走行とチルト機構の操作、調整を一入力制御装置で行うことができるように、利用者との適合性の高い制御スイッチとコントローラとを有する電動車椅子を開発し、既に特許出願(特願2004−112603)を行っている。
【0009】
しかしながら電動車椅子を幅広い人に、またより快適に使ってもらうためには、さらなる操作性の向上、使いやすい電動車椅子を開発することが必要である。特に高齢者においては、寝たきりの状態を避けるために車椅子に乗せるが、することもなく置き放されていることが多く、精神的刺激を受けることが少なく、生活の質(QOL)は非常に低い。重度障害者や高齢者は勿論、その他の人々の生活の質(QOL)を向上させるために、携帯電話等の利用者の意思を伝達する意思伝達機能や家電機器をオン・オフするなどの環境制御機能を備えた電動車椅子であることが望ましいが、現在、電動車椅子の駆動制御と一体的に、意思伝達制御及び環境制御する電動車椅子はなく、これらの機能を備える電動車椅子の開発が待たれているところである。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、幅広い人が使用することが可能で、使いやすい電動車椅子を提供することにある。また安全で安心して使用することができる電動車椅子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、椅子、該椅子を支持する支持架台、該支持架台の下部の固着された車輪を含む車椅子本体と、
該車椅子本体を駆動可能な車椅子駆動装置と、
該椅子を傾斜可能なチルト駆動装置と、
入力部、表示部、記憶部、及び演算制御処理部、及び出力部を備える操作コントローラと、
該操作コントローラの該表示部に表示される表示データを選択するデータ選択装置と、
を含み、
該操作コントローラは、該データ選択装置を通じて車椅子駆動データ又はチルト駆動データが選択されると、選択されたデータに基づき該車椅子駆動装置又は該チルト駆動装置を制御することを特徴とする電動車椅子である。
【0012】
また本発明は、さらに前記椅子に設けられた水平方向に移動自在なアームレストと、
該アームレストを水平移動させるアームレスト駆動装置と、を備え、
前記操作コントローラは、前記データ選択装置を通じてアームレスト駆動データが選択されると、選択されたデータに基づき該アームレスト駆動装置を制御することを特徴とする請求項1に記載の電動車椅子である。
【0013】
また本発明は、さらに前記アームレストと一体的に動く、前記操作コントローラを支持する略S字型形状の操作コントローラ支持部材を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動車椅子である。
【0014】
また本発明は、さらに音声を録音及び再生、又は前記演算制御処理部により生成された合成音を出力する音声録音再生出力装置を備え、
前記操作コントローラは、前記記憶部に音声データを記憶し、前記データ選択装置を通じて意思伝達データが選択されると、選択されたデータに基づき該音声録音再生出力装置に該音声データを出力する意思伝達機能を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載の電動車椅子である。
【0015】
また本発明で、さらに前記操作コントローラは、無線操作可能な家電機器、携帯電話、パーソナルコンピュータ、情報端末機器を含む環境制御装置と無線通信可能な入出力インターフェイスを備え、
前記データ選択装置を通じて環境制御データが選択されると、選択されたデータに基づき該環境制御装置を制御する環境制御機能を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1に記載の電動車椅子である。
【0016】
また本発明で、前記データ選択装置は、メカニカルスイッチ、筋電センサ、タッチセンサ、タッチパネル、磁気スイッチ、光電センサ、圧力センサ、測距センサ、音声スイッチ、又は呼気スイッチであることを特徴する請求項1から5のいずれか1に記載の電動車椅子である。
【0017】
また本発明で、前記操作コントローラの表示部は、車椅子本体の移動方向、椅子のチルト方向及びアームレスト移動方向を一体的に示す第一表示部と、
車椅子の走行速度、チルト駆動制御、アームレスト駆動制御、環境制御を表示する第二表示部と、
操作項目を表示する第三表示部と、を含み
第一表示部、第二表示部はランプ点灯及び音を、第三表示部は文字反転表示及び音を発して各操作項目間をスキャン表示することを特徴する請求項1から6のいずれか1に記載の電動車椅子である。
【0018】
また本発明は、さらに前記車椅子本体に取付けられたバンパーへの接触を検知するバンパーセンサと、
対象物との距離を測定する測距センサと、を備え、
前記操作コントローラは、該測距センサの信号に基づき前記車椅子本体の移動速度を減速させ、該バンパーセンサの信号に基づき、前記車椅子本体の移動を停止するように前記車椅子駆動装置を制御することを特徴とする請求項1から7のいずれか1に記載の電動車椅子である。
【0019】
また本発明は、前記データ選択装置を2個以上備え、
前記操作コントローラは、いずれかのデータ選択装置によりデータが選択されると選択されたデータに基づき所定の制御を行うことを特徴とする請求項1から8のいずれか1に記載の電動車椅子である。
【0020】
また本発明で、前記操作コントローラは、車椅子駆動、チルト駆動、アームレスト駆動、意思伝達、又は環境制御のいずれか1の制御操作が実行されているときは、他の制御操作を実行不能とすることを特徴とする請求項1から9のいずれか1に記載の電動車椅子である。
【0021】
また本発明で、さらに前記着座部は、着座を検知可能な着座検知センサを備え、
前記操作コントローラは、該着座検知センサが着座を検知しなければ作動しないことを特徴とする請求項1から10のいずれか1に記載の電動車椅子である。
【0022】
また本発明で、前記操作コントローラは、前記データ選択装置が選択するデータに基づき制御を行うとき、前記データ選択装置によりデータが選択されたことを確認する確認ステップと、再度同一データが選択されたときそのデータに基づき制御を行う実行ステップと、を備えることを特徴とする請求項1から11のいずれか1に記載の電動車椅子である。
【0023】
また本発明で、前記操作コントローラは、選択された意思データに基づき前記音声データを前記音声録音再生出力装置に出力するとき、選択された前記意思データに応じて前記音声録音再生出力装置から出力する音量及び/又は回数を変化させるように制御することを特徴とする請求項4から12のいずれか1に記載の電動車椅子である。
【0024】
また本発明で、前記操作コントローラは、前記記憶部に音階データを記憶し、
前記第一表示部、前記第二表示部、及び前記第三表示部毎に、各操作項目間をスキャンするときのスキャン音及び/又は前記データ選択装置が表示データを選択するときの音を、前記記憶部に記憶した音階データから選択可能としたことを特徴とする請求項7から13のいずれか1に記載の電動車椅子である。
【0025】
また本発明で、前記第三表示部の表示項目は、取捨選択表示可能なことを特徴とする請求項7から14のいずれか1に記載の電動車椅子である。
【0026】
また本発明で、前記操作コントローラの前記表示部の表示項目間をスキャンするスキャンランプは、照度を可変可能なことを特徴とする請求項7から15のいずれか1に記載の電動車椅子である。
【0027】
また本発明は、椅子、該椅子を支持する支持架台、支持架台の下部の固着された車輪を含む車椅子本体と、
該車椅子本体を駆動可能な車椅子駆動装置と、
該車椅子駆動装置を駆動制御する駆動制御装置と、
入力部、表示部、記憶部、演算制御処理部、及び出力部を備える環境意思伝達コントローラと、
該環境意思伝達コントローラの該表示部に表示される表示データを選択するデータ選択装置と、
を含み、
該環境意思伝達コントローラは、該データ選択装置を通じて環境制御データ又は意思伝達データが選択されると、選択されたデータに基づき環境制御又は意思伝達を行うことを特徴とする電動車椅子である。
【0028】
また本発明で、前記環境意思伝達コントローラ及び前記データ選択装置は、携帯情報端末装置であることを特徴とする請求項17に記載の電動車椅子である。
【発明の効果】
【0029】
本発明の電動車椅子は、車椅子本体を駆動可能な車椅子駆動装置と、椅子を傾斜可能なチルト駆動装置と、入力部、表示部、記憶部、演算制御処理部、及び出力部を備える操作コントローラと、操作コントローラの表示部に表示される表示データを選択するデータ選択装置と、を含み、操作コントローラは、データ選択装置を通じて車椅子駆動データ又はチルト駆動データが選択されると、選択されたデータに基づき車椅子駆動装置又はチルト駆動装置を制御するので、電動車椅子の利用者は、データ選択装置でデータを選択するだけで、車椅子の移動、又は椅子を傾斜させることが可能となり使いやすい。
【0030】
また本発明の電動車椅子は、椅子に設けられた水平方向に移動自在なアームレストと、アームレストを水平移動させるアームレスト駆動装置と、を備え、アームレストの駆動は、操作コントローラがデータ選択装置を通じて選択されたアームレスト駆動データに基づいて行うので、電動車椅子の利用者は、データ選択装置でデータを選択するだけで、アームレストを水平移動させることが可能となり使いやすい。また車椅子の移動、チルトの傾斜、及びアームレストの移動を同一の操作コントローラ及びデータ選択装置で行うので、操作を覚えやすく、使いやすい。
【0031】
また本発明の電動車椅子は、椅子に設けられた水平方向に移動自在なアームレストを備えるので、食事等のために電動車椅子を机に近づけるとき、机の高さがアームレストと同じか低い場合であっても、アームレストを水平移動させることで、電動車椅子を十分に机に近づけることが可能となり便利である。アームレストを昇降させる方法であっても、電動車椅子を机に十分近づけることはできるが、アームレストの位置が下がると、重度者では腕がアームレストから外れる可能性もあるが、本発明ではアームレストを水平移動させるのでそのようなことはない。
【0032】
また本発明の電動車椅子は、操作コントローラを支持する操作コントローラ支持部材を備えるが、この操作コントロール支持部材は、アームレストと一体となって移動する。操作コントローラ支持部材が略S字型形状であるので、食事等のために電動車椅子を机に近づけるときに、アームレストの移動距離を大きくとらなくても操作コントローラが机にぶつかることはない。
【0033】
また本発明の電動車椅子は、音声を録音及び再生、又は演算制御処理部により生成された合成音を出力する音声録音再生出力装置を備え、操作コントローラは、データ選択装置を通じて意思伝達データが選択されると、選択されたデータに基づき音声録音再生出力装置に音声データを出力する意思伝達機能を備えるので、車椅子利用者は、意思伝達が可能となり便利である。さらに本発明の電動車椅子は、車椅子の移動などと意思伝達とを同一の操作コントローラ、データ選択装置を通じて行うので、各操作を行うために習得すべき項目が少なく、簡単に使いこなすことができる。また安価の電動椅子を製造することができる。
【0034】
また本発明によれば、操作コントローラは、無線操作可能な家電機器、携帯電話、パーソナルコンピュータ、情報端末機器を含む環境制御装置と無線通信可能な入出力インターフェイスを備え、データ選択装置を通じて環境制御データが選択されると、選択されたデータに基づき環境制御装置を制御する環境制御機能を備えるので、便利である。さらに本発明の電動車椅子は、車椅子の移動、意思伝達などを同一の操作コントローラ、データ選択装置を通じて行うので、各操作を行うために習得すべき項目が少なく、簡単に使いこなすことができる。
【0035】
また本発明によれば、データ選択装置は、メカニカルスイッチ、筋電センサ、タッチセンサ、タッチパネル、磁気スイッチ、光電センサ、圧力センサ、測距センサ、音声スイッチ、又は呼気スイッチであるので、電動車椅子の利用者は自己の能力に応じて使いやすいデータ選択装置を選択することができる。
【0036】
また、本発明によれば、操作コントローラの表示部は、車椅子本体の移動方向、椅子のチルト方向及びアームレスト移動方向を一体的に示す第一表示部と、車椅子の走行速度、チルト制御、アームレスト制御、環境制御を表示する第二表示部と、操作項目を表示する第三表示部と、を含み、第一表示部、第二表示部はランプ点灯及び音を、第三表示部は文字反転表示及び音を発して各操作項目間をスキャン表示するので、利用者は、表示が見やすいとともに、スキャンするので、選択操作を容易に行うことができる。
【0037】
また、本電動車椅子は、さらに車椅子本体に取付けられたバンパーへの接触を検知するバンパーセンサと、対象物との距離を測定する測距センサと、を備え、操作コントローラは、測距センサの信号に基づき車椅子本体の移動速度を減速させ、バンパーセンサの信号に基づき、車椅子本体の移動を停止するように車椅子駆動装置を制御するので、利用者は容易にまた安全に電動車椅子を使用することができる。車椅子の移動制御を測距センサとバンパーセンサとを組み合わせたことにより、操作性が向上する。測距センサにより車椅子を停止させるように制御すると、エレベータ等の狭い空間では、身動きができなくなる可能性もあるが、本発明の電動車椅子は、測距センサを車椅子の減速に使用し、バンパーセンサを車椅子の停止に使用するので、狭い場所でも安全に移動することができる。
【0038】
また本発明の電動車椅子は、データ選択装置を2個以上備え、操作コントローラは、いずれかのデータ選択装置によりデータが選択されると選択されたデータに基づき所定の制御を行うので、電動車椅子利用者と本電動車椅子の操作を教える者が各々データ選択装置を持つことで、効率的な学習を行うことが可能となり、車椅子利用者は、より早く操作を習得することができる。
【0039】
また本発明によれば、操作コントローラは、車椅子駆動、チルト駆動、アームレスト駆動、意思伝達、又は環境制御のいずれか1の制御操作が実行されているときは、他の制御操作を実行不能とするので、例えばチルト駆動のときに、車椅子が移動することはない。二種類の操作、動作が同時平行的に行われることはないので安全であり、利用者も安心して使用することができる。
【0040】
また、本発明によれば、さらに着座部には、着座を検知可能な着座検知センサが備えられ、着座が検知されなければ操作コントローラは作動しないので、利用者が椅子に座る前に誤って車椅子が移動し始めるようなことはなく安全であり、利用者も安心して使用することができる。
【0041】
また本発明によれば、操作コントローラは、データ選択装置が選択するデータを実行するとき、データ選択装置によりデータが選択されたことを確認する確認ステップと、再度同一データが選択されたときそのデータを実行する実行ステップと、を備えるので、仮に誤った操作が選択されても直ちにその操作が実行されることはなく安全である。
【0042】
また、操作コントローラは、選択された意思データに基づき音声データを音声録音再生出力装置に出力するとき、選択された意思データに応じて音声録音再生出力手段から出力する音量、回数を変化させるように制御するので、緊急や応援を頼むような意思を伝達しようとするときは、音量を大きく、また繰り返し音声を出力することが可能となり、利用者は安心して電動車椅子を使うことができる。
【0043】
また本発明によれば、操作コントローラは、記憶部に音階データを記憶し、第一表示部、第二表示部、及び第三表示部毎に、各操作項目間をスキャンするときのスキャン音、及び/又はデータ選択装置が表示データを選択するときの音を選択可能としたので、利用者は、任意の音階を選択することで、快適に車椅子を使うことができる。
【0044】
また本発明によれば、操作コントローラの第三表示部の表示項目は、取捨選択表示可能なので、使用環境や使用頻度に合わせて表示項目を選択し表示させることで、車椅子が使いやすくなる。電動車椅子の多機能化に伴い操作項目が増加すると、メニュー階層が深くなり、表示される表示データの選択操作が複雑となり、利用者が使いこなすことできなくなるが、本発明の電動車椅子ではこのような心配はない。
【0045】
また本発明によれば、操作コントローラの表示部のスキャンランプは、照度を照度センサで周囲照度に合わせて自動可変としたので、利用者は、環境に応じた照度で識別しやすく、快適に車椅子を使うことができる。
【0046】
また本発明の電動車椅子は、車椅子駆動装置を駆動制御する駆動制御装置と、意思伝達又は環境制御を行う環境意思伝達コントローラ、及びデータ選択装置と、を有し、車椅子の駆動制御と環境制御、意思伝達とを別々の制御装置で行うので、従来の車椅子駆動装置を駆動制御する駆動制御装置を有する電動車椅子に意思伝達又は環境制御を行う環境意思伝達コントローラ、及びデータ選択装置を装着することで容易に本発明を適用することが可能となる。また、利用者の電動車椅子を選択する選択肢が広がる。
【0047】
また、本発明によれば、環境意思伝達コントローラ及びデータ選択装置は、携帯情報端末装置であるので、携帯情報端末装置を利用して環境制御、意思伝達を行うことができる。また携帯情報端末装置を使用することで、簡単に機能を充実させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
図1は、本発明の実施の一形態としての電動車椅子1の斜視図である。図2は、電動車椅子1のアームレスト駆動装置50の概略的構成を示す斜視図である。また図3は、電動車椅子1の制御装置100の概略的構成を示すブロック図である。電動車椅子1は、車椅子本体10、車椅子本体10を駆動する車椅子駆動装置30、椅子15を傾斜させるチルト駆動装置40、アームレストを水平移動させるアームレスト駆動装置50、各駆動装置を制御する制御装置100を主に構成されている。
【0049】
車椅子本体10は、着座部11と背もたれ部12と左右一対の肘掛部(アームレスト部)13、利用者が足を載せ、足を休ませるためのフットレスト14を有する椅子15と、椅子15を支持固定する支持架台16と、支持架台16の下部に配設された車輪17を含み構成される。椅子15は、支持架台16で支持され、支持架台16の下部には、一対の前輪18(18a、18bは図示省略)、一対の後輪19(19a、19b)が配設されている。着座部11には、利用者が着座したことを検知する着座検知センサ20が装着されており、この着座検知センサ20が着座を検知しなければ電動車椅子1を作動させることはできない。これにより、誤操作などにより電動車椅子1が動き出すことなどを防止するができる。
【0050】
また、椅子15は、傾斜角度を可変可能なチルト機能を有し、椅子15の下部に配設されたチルト駆動装置40により傾斜角度が可変される。またアームレスト13は、アームレストの長手方向に水平移動可能であり、アームレスト駆動装置50によりアームレスト長手方向に水平移動させることができる。またアームレスト13の前方には、操作コントローラ101を支持する操作コントローラアーム70が配設され、操作コントローラアーム70には、電動車椅子1を制御する操作コントローラ101、操作コントローラ101の表示データを選択入力するデータ選択装置102が取付けられている。またフットレスト14の前方には、電動車椅子1が障害物に衝突したとき利用者の足を保護するためのバンパー21が設けられている。
【0051】
車椅子本体10を駆動する車椅子駆動装置30は、後輪19(19a、19b)を駆動する電動モータ31(31aは図示省略、31b)、駆動モータ31に制御信号を送る着座部11の下部に配設された車椅子駆動制御装置32を含み構成される。前輪18(18a、18bは図示省略)は、支持架台16の下部に回動自在に取付けられており、後輪19(19a、19b)の駆動に追従して駆動する。これにより車椅子を自由に操舵することが可能となる。一方後輪19(19a、19b)は、電動モータ31(31a、31b)と連結する。この電動モータ31(31aは図示省略、31b)は、着座部11の下方に配設されたバッテリ33を駆動電源とする。利用者が車椅子本体10の走行を選択、入力すると、操作コントローラ101が車椅子駆動制御装置32に制御信号を出力し、車椅子駆動制御装置32を介して電動モータ31が駆動され、車椅子は、直進、後退、左折、右折することができる。
【0052】
またフットレスト14の下部には、車椅子の駆動を制御するための測距センサ26、バンパー21には、バンパーセンサ25が取付けられている。測距センサ26は、障害物等との距離を測り、このデータを操作コントローラ101に送る。操作コントローラ101は、車椅子本体10と障害物等との距離が予め定める距離よりも近いと判断すると、電動車椅子1の移動速度を減速するように車椅子駆動制御装置32に制御信号を送る。また操作コントローラ101は、バンパーセンサ25から障害物と接触した信号を受けると、電動車椅子1を停止させるように車椅子駆動制御装置32に制御信号を送り、ブザー107を介して警報音を発する。同時にデータ表示部130にアラーム表示を行う。
【0053】
上記のように本発明の電動車椅子1では、電動車椅子1の減速、停止を測距センサ26とバンパーセンサ25とを組み合わせて行わせるため、操作性が向上する。従来の電動車椅子では、測距センサにより車椅子を停止させるように制御していたので、エレベータ等の狭い空間では、身動きができない場合もあった。しかしながら本発明の電動車椅子1は、測距センサ26を電動車椅子1の減速に使用し、バンパーセンサ25を電動車椅子1の停止に使用するので、狭い場所でも安全に移動することができる。
【0054】
チルト駆動装置40は、椅子15を傾斜させる装置であり、図示を省略したリンク機構とリンク機構を動かすピストンを伸縮可能な電動アクチエータ41、電動アクチエータ41に信号を送るチルト駆動制御装置42を含む。椅子15は、リンク機構を介して支持架台16に支持され、電動アクチエータ41がピストンを押し出すと、椅子15は、フットレスト14が持ち上げられる方向に倒れる。また、ピストンを戻すと、椅子15は、着座部11がほぼ水平な状態となる。
【0055】
アームレスト駆動装置50は、アームレスト13を支持するアームレスト支持体51を、支持架台16に固定されたピストン52を伸縮可能な電動アクチエータ53と連結し、電動アクチエータ53を稼動させることでアームレスト13を水平移動(X方向)させる。アームレスト13の駆動は、利用者がデータ選択装置102を介してアームレストの移動を選択すると、操作コントローラ101からアームレスト駆動制御装置54を介して電動アクチエータ53へ制御信号が送られ、アームレスト13がアームレストの長手方向に水平移動する。
【0056】
アームレスト支持体51の一端には、操作コントローラ101を支持する操作コントローラアーム70が取付け部材71を介して、回動自在に取付けられている。操作コントローラアーム70は、略S字型の形状を有し、一端には操作コントローラ101が取付けられている。操作コントローラ101は、操作コントローラ取付け部材103を介して回動自在に操作コントローラアーム70に取付けられている。よって操作コントローラ101は、図2に示すように、X方向は電動アクチエータ53により、また手動でα、β、γ、δ、ε、Y方向に動かすことができる。よって、車椅子の利用者は、使用しやすい位置、角度に操作コントローラ101をセットし使用することができるので、操作を楽に行うことができる。また、操作コントローラアーム70は、アームレスト13と一体となって移動し、操作コントローラアーム70が略S字型形状であるので、食事を行うときのように電動車椅子1を机に近づけるとき、アームレスト13の移動距離を大きくとらなくても操作コントローラ101が机にぶつかることはない。
【0057】
上記のように、本発明の電動車椅子1では、スイッチ操作(データ選択装置)によりアームレスト13を水平後退移動できようにしたので、食事等のために電動車椅子1を机の中に入るとき、アームレスト13や操作コントローラ101が机にぶつからず便利である。また、アームレスト13を水平移動させることができるので、利用者が電動車椅子1に移乗するときの介助者の負担を軽減することができる。従来の車椅子には、アームレストを昇降させるものがあるが、電動車椅子を机に十分近づけることはできるが、アームレストの位置が下がると、利用者の腕がアームレストから外れる場合がある。重度者の場合には、前腕部分を自分でアームレストに載せ降ろし出来ないので使い勝手が悪い。これに対して本発明の電動車椅子1では、アームレスト13を水平移動させるので重度者であってもアームレスト13から腕が外れ落ちることはない。また、アームレスト13と操作コントローラアーム70とは、アームレスト13を水平移動させても一体的に移動するので、操作コントローラ101の設置角度が変化せず良好な視認性が維持される。
【0058】
制御装置100は、車椅子本体10の駆動、椅子15の傾斜を制御するチルト制御、家電機器、携帯電話、パーソナルコンピュータなどをオン、オフする環境制御、意思伝達を行う操作コントローラ101と、操作コントローラ101と接続し、操作コントローラ101の表示部130に表示されるデータを選択入力するデータ選択装置102を主に構成される。操作コントローラ101は、マイクロコンピュータ110(マイコン)を備え、データ選択装置102からの信号等を入力する入力部111、データを演算、処理するCPUなどからなるデータ演算処理部112、データを記憶する記憶部120、表示部130、制御信号を出力する出力部111を含み構成される。データの入出力、データ演算処理は、マイコン110を介して行われる。
【0059】
また本発明の電動車椅子1は、着座を検知する着座検知センサ20、障害物と車椅子本体10との距離を検知する測距センサ26、障害物との接触を検知するバンパーセンサ25、周囲照度検出用の照度センサ103、赤外線リモコン受出光器104を有し、これらは操作コントローラ101と接続する。また本発明の電動車椅子1は、音声を出力するスピーカ106、警報音を発するブザー107などの出力装置を有し、操作コントローラ101は、出力部111を介して、スピーカ106、ブザー107に信号を出力する。さらに操作コントローラ101は、携帯電話108、テレビなどの環境制御機器と無線通信可能な機能を備える。
【0060】
操作コントローラ101は、矩形形状の筐体を有し、筐体の前面には、表示パネル(表示部)130が設けられており、ここに車椅子本体10の駆動、チルト駆動、アームレスト駆動の各駆動情報、利用者の意思を伝達するための意思伝達情報、及び家電機器の制御を行う環境制御情報が表示される。図4は、本発明の電動車椅子1の操作コントローラ101の表示パネル130を示す図である。
【0061】
表示パネル130は、中央に車椅子本体10の前後左右の移動方向を示す十字型のアイコンと131、十字型アイコン131と対応する形で設けられた各方向に駆動することを表示するLEDランプ132(132a、132b、132c、132d)と、十字型アイコン131の中央に配設されたキャンセル用の中央ランプ133と、を備える第一表示部135を有する。第一表示部135の十字型アイコン131のそばには、チルトの移動方向を表すアイコン136(136a、136b)、及びアームの移動方向を表すアイコン137(137a、137b)が描かれ、第二表示部140との組み合わせで、車椅子本体10の走行方向のほか、椅子15のチルト作動及びアームレスト13の伸縮を表示する。
【0062】
また操作パネル130の左端には、車椅子本体10の移動速度表示141、チルト駆動可能な状態を表すチルト表示142、アームレスト駆動可能な状態を示すアーム表示143、及び環境制御をコントロール可能な状態を示す環境制御等144の文字、アイコンを有し、LEDランプ145点灯により各間をスキャン表示する第二表示部140が設けられている。ここで環境制御とは、無線操作可能な電灯、テレビ、エアコン、録音再生装置等の家電機器、携帯電話、パーソナルコンピュータ、携帯端末などをオン、オフ、制御することを言う。
【0063】
また表示パネル130の右部には、車椅子の走行、チルトの駆動、アームレルトの駆動、環境制御及び意思伝達を選択するための表示データを表示する第三表示部150が設けられている。第三表示部150に示される表示データは、スキャン時に、選択可能なタイミングにて文字反転等、強調表示される。電動車椅子1の利用者は、データ選択装置102を用いて、この第三表示部150に表示される表示データを選択、入力することで、電動車椅子1に所望の操作を行わせることができる。さらに第三表示部150には、バッテリーモニタ、異常個所、設定値等が表示される。さらに表示パネル130の前面右下部には、介助者等の第三者が操作可能な設定ボタン160を有する設定部161が設けられている。
【0064】
本実施形態においては、第三表示部150に表示される表示データを、カテゴリー毎に取捨選択することを可能とした。電動車椅子の多機能化に伴い操作メニューが増加すると、メニュー階層が深くなり、第三表示部150に表示される表示データの選択操作が複雑となり、利用者が操作コントローラ101を使いこなすことできなくなる。しかしながら本発明の実施形態では、電動車椅子1の利用者は、使用するメニューのみ選択し第三表示部150に表示させることができ、選択されなかったメニューは表示されないので、利用者が使いやすくなる。
【0065】
LEDランプ132、145には、フルカラーLEDを使用することが好ましい。LEDの点灯色とその内容の一例を示す。青は、スキャン開始又はスキャン中を示す。緑は、実行機能を選択した状態であることを示す。赤は選択機能を実行中であることを示す。黄色は、現在の選択メニュー(階層)から上のメニューへ戻ることを示す。ピンクは、階層を移動実行したことを示す。このように状態に応じてLEDランプ132、145の点灯色を変化させることで、利用者は状態把握が容易となり、操作コントローラを使いやすくなる。
【0066】
車椅子の走行を表示する第一表示部135の十字型アイコン131は、見やすいように前後左右の矢印で表示し、後退は、前進、左折及び右折とは性格が異なるため、矢印の色を他の矢印の色と異なる色とすることが好ましい。またチルト駆動136とアームレスト駆動137の前後移動については、コントラストを保ちながら色分けで関連を表すことが好ましい。またアームレスト13の前後移動を表示するアイコン137は、利用者の装置についてのシステム像や操作概念を考慮したアイコンとすることが好ましい。
【0067】
操作コントローラ101の表示パネル130について、進行性筋ジストロフィ者などは障害のために眼球移動のみで表示パネル130を見て操作することとなるため、文字、アイコンの視認が難しい。また初めての利用者は操作に不安感を抱き、実際以上に操作を難しく感じ、誤操作を起こしやすい。それゆえ上記のように、LEDランプの点灯色も含め、認知過程で負担を感じさせず直感的に素早く理解できるアイコンデザイン、色彩とすることで電動車椅子1が使いやすくなり、利用者も安心して使用することができるようになる。
【0068】
上記のように構成される操作コントローラ101において、第三表示部150の表示データがデータ選択装置102により選択、入力されると、選択、入力された信号は、マイコン110の入力部111に入力される。データ選択装置102は、操作者が、第三表示部150に表示される操作データを選択し、これを実行させるために使用するものであり、メカニカルスイッチが例示される。データ選択装置102は、表示部に表示される操作データを選択可能な機能を備えるものであればメカニカルスイッチに限定されない。例えば、筋力の動きを検知し信号を出力する筋電センサ、タッチセンサ、タッチパネル、磁気スイッチ、光電センサ、圧力スイッチ、脳波を検知して信号を出力する脳波スイッチ、音声を検知して信号を出力する音声センサ、眼球の動きを検知して信号を出力するセンサ、呼気センサ等が例示される。よって操作者はこの中から使いやすいデータ選択装置を選択して使用することができる。
【0069】
また、データ選択装置102は基本的には1個装着すればよいが、2個のデータ選択装置102を設け、操作コントローラ101は、いずれか一方の信号に基づいて制御するようにしてもよい。操作の場面を想定すれば、データ選択装置102は1個でよいが、操作訓練の場面では、1個のデータ選択装置102では不十分な場合もある。電動車椅子1の操作方法を利用者に教えるには、一般に文章、言葉で行われていたため、被験者が操作方法を理解することができない場合があった。1個のデータ選択装置102を用いて操作を教えるには、操作を教える度毎に利用者にデータ選択装置102を渡す必要があり面倒である。これに対して、2個のデータ選択装置102を設ければ、利用者と教授者が平行して電動車意椅子1を操作することが可能となり、より早く操作を習得することができる。
【0070】
さらにデータ選択装置102の出力をモニタに波形として出力し、感度やレスポンスを調整するパラメータを可変可能とすることで、従来時間のかかっていた、操作選択スイッチの適合性の評価、設定を容易に行うことができる。
【0071】
マイコン110は、演算に必要なプログラムをROMに記憶しており、データ選択装置102により、第三表示部150に表示されるデータが選択されると、I/O入出力部111を介して入力信号を受け取り、データ選択装置102が選択した操作を決定する。データ演算処理部112は、選択されたデータに基づき、記憶部120に記憶されたデータ及びプログラム等を用いて演算、処理を行う。演算、処理が終了すると、I/O入出力部111を介してスピーカ106などの出力装置に信号を出力する。I/O入力部111は、マイコン110に内蔵されたディジタル入力部およびアナログ入力部(アナログ・ディジタルコンバーター)を備え、データ選択装置102や各種センサ20、26、103、104から入力される信号形態に応じて設定ボタン161により手動にて切り替え可能である。
【0072】
車椅子の駆動データが選択されると、選択されたデータに基づきデータ演算処理部112は、車椅子の走行、停止などを制御するための演算、処理を行い、I/O入出力部111を介して制御信号を電動車椅子制御装置32へ出力する。同様にチルト駆動データが選択されると、チルト駆動制御装置42へ、アームレスト駆動データが選択されるとアームレスト駆動制御装置54に制御信号を送る。また環境制御データが選択されると、赤外線リモコン104などを介して電灯、携帯電話108、テレビ、録音再生装置、エアコン等に制御信号を出力しこれを制御する。
【0073】
また意思伝達データが選択されると、記憶部120に記憶された音声データが選択され、スピーカ106などを通じて、音声が出力される。記憶部120への音声データの録音は次の要領で行うことができる。パソコンからUSBケーブルを介して録音開始信号と録音アドレスをマイコン110に伝送すると、マイコン110は、録音回路のアドレスを選択後、録音を開始する。マイコン110は録音がスタートしたことをパソコンに伝えると、パソコンから予め設定された音声ファイルなどが再生される。この音声信号はオーディオ出力を通じてデータ記憶部120に入力される。またデータ演算処理部112により合成音を生成し、これを音声データとしてもよい。
【0074】
上記のように本発明の電動車椅子1は、車椅子の走行などと環境制御及び意思伝達とを同一の操作コントローラ101、データ選択装置102を通じて行うことができるので、各操作を行うために習得すべき項目が少なく、簡単に使いこなすことができる。また、選択された意思データに基づき音声データをスピーカ106に出力するとき、選択された意思データに応じてスピーカ106から出力する音量、回数を変化させるように制御するも可能である。これにより、緊急や応援を頼むような意思を伝達しようとするときは、音量を大きく、また繰り返し音声を出力することが可能となり、電動車椅子が使いやすくなる。
【0075】
照度センサ103は、操作コントローラ101の筐体200の一部に取付けられ、周囲の照度を検知して、LEDランプ132、145等のランプ輝度を自動調整する。これによって屋内、屋外を問わず、最適なランプ輝度が提供されるので、操作者は表示部を認識しやすくなる。さらに使用者によって感じる輝度レベルが異なるため、多段階で輝度レベルを可変可能とすることで、より表示部の視認性が向上する。
【0076】
また、本発明の操作コントローラ101は、記憶部120に音階データを記憶し、第一表示部135、第二表示部140、及び第三表示部150毎に、各間をスキャンするときのスキャン音、及び/又はデータ選択装置102が表示データを選択するときの音を選択可能とする。これにより車椅子利用者は任意の音階を選択することが可能となり、快適に車椅子を使うことができる。
【0077】
設定ボタン160は、各種設定値の変更を行うことができるので、スキャン設定を変更することもできる。スキャン設定では、表示部130の表示項目間をスキャンするスキャン回数、スキャン速度、スタート時間などを変更することができる。スキャン回数は、スキャンを行う回数でデータ選択装置102の入力により開始し、所定回数のスキャンを行った後停止する。スキャン速度は、各表示項目間を移動する速度で、スタート時間は、スキャン開始の待ち時間である。このようにスキャン速度を変更することが可能なので、利用者は、任意の値に調節して使用することができる。この他設定ボタン160を介して、インターフェイスの設定等を行うことができる。
【0078】
また操作コントローラ101の機能をパソコン上でシミュレートし、被験者の訓練や操作性を改善するための各種パラメータの設定を行うことができる。設定されたパラメータは、USBケーブルを介して実機コントローラへダウンロードすることでより使いやすくなる。
【0079】
次に本実施形態に示す電動車椅子1の基本的使用方法を(1)電動車椅子の移動停止方法(2)チルト駆動方法及びアームレスト駆動方法(3)環境制御方法(4)意思伝達方法に分けて説明する。なおデータ選択装置102には、押圧するとオン、非押圧状態でオフのタイプの操作選択スイッチを用いるものとする。図5(a)は、電動車椅子1の起動直後の表示パネル130の第三表示部150の表示画面を示す図であり、図5(b)は、車椅子の走行が選択された後の第三表示部150の表示画面を示す図である。また、図6はチルト駆動が選択された後の第三表示部150の表示画面を示す図である。また、図7(a)は、環境制御が選択された後の第三表示部150の表示画面を示す図であり、図7(b)は、空調が選択された後の第三表示部150の表示画面を示す図である。
【0080】
(1)電動車椅子の移動停止方法
利用者が椅子15に着座し、操作コントローラ101の電源スイッチをオンとすると、操作コントローラ101の第三表示部150に図5(a)に示すようなデータ表示される。利用者が、再度操作選択スイッチ102をオンとすると、第三表示部150の表示データのスキャンが開始される。同時に第三表示部150の表示データのスキャンに対応して、第二表示部140の表示データもLEDランプ点灯と音とでスキャンする。車椅子本体15を走行させる場合は、第三表示部150の走行を操作選択スイッチ102で選択する。走行が選択されると、第三表示部150の表示データが図5(b)に示すように走行に関するデータに変更され、先と同様、表示データ間のスキャンが開始され、同時に第一表示部135のアイコン131をLED点灯132と音とでスキャンし、走行方向が選択可能となる。
【0081】
第一表示部135、第三表示部150とも走行方向は矢印で示されるので、利用者は進行方向を容易に選択することができる。操作者が進行方向を選択すると第一表示部135のLEDランプが緑色に点燈し、再度操作選択スイッチ102を押すと、第一表示部135のLEDランプが赤色に点燈し、車椅子が進行する。車椅子は操作選択スイッチ102を押下している間中進行し、操作選択スイッチ102の押下を解除すると停止する。よって利用者は危険を感じれば操作選択スイッチ102の押下をやめればよいので、簡単に安全に運転することができる。また走行操作を確認と実行との二ステップで構成することで、仮に誤った操作を選択した場合は、再度同一の表示データを選択しなければその操作が実行されないので安全である。
【0082】
車椅子10を右折、左折、後退させる場合も同様の操作を行えばよい。速度を変更させる場合は、第三表示部150の表示データがスキャンされているときに、速度データを選択し、さらに低、中、高の中から任意の速度を選択すればよい。なお、車椅子10を走行中に障害物が接近すると測距センサ26がこれを検知し速度を減速させ、バンパーセンサ25が障害物との接触を検知すると車椅子10が停止するので、安全であり、利用者は安心して使用することができる。
【0083】
(2)チルト駆動方法及びアームレスト駆動方法
利用者が椅子15に着座し、操作コントローラの電源スイッチをオンとすると、操作コントローラ101の第三表示部150に図5(a)に示すようなデータ表示される。利用者が操作選択スイッチ102をオンとすると、第三表示部150の表示データのスキャンが開始される。同時に第三表示部150の表示データのスキャンに対応して、第二表示部140の表示データもLED点灯と音とでスキャンする。椅子15を傾斜させる場合は、第三表示部150のチルトを操作選択スイッチ102で選択する。チルトが選択されると、第三表示部150の表示データがチルトに関するデータに変更され(図6)、先と同様、表示データ間のスキャンが開始され、同時に第一表示部135のアイコン131をLED点灯132と音とでスキャンし、傾斜する方向が選択可能となる。
【0084】
第一表示部135は、椅子15の傾斜方向をアイコン131で示すので、利用者はチルトを容易に選択することができる。操作者がチルトを選択すると第一表示部135のLEDが緑色に点燈し、再度操作選択スイッチ102を押すと、第一表示部135のLEDが赤色に点燈し、椅子15が傾斜する。椅子15は、操作選択スイッチ102を押下している間中傾斜し、操作選択スイッチ102の押下を解除すると停止する。よって利用者は任意の角度に椅子15を傾斜させ使用することができる。また走行操作と同様、チルト操作を確認と実行との二ステップで構成することで、仮に誤った操作を選択した場合は、再度同一の表示データを選択しなければその操作が実行されないので安全である。アームレスト13を水平方向に移動させる操作は、チルト駆動操作と基本的に同一である。
【0085】
(3)環境制御方法
利用者が椅子15に着座し、操作コントローラ101の電源スイッチをオンとすると、操作コントローラ101の第三表示部150に図5(a)に示すようなデータ表示される。利用者が操作選択スイッチ102をオンとすると、第三表示部150の表示データのスキャンが開始される。同時に第三表示部150の表示データのスキャンに対応して、第二表示部140の表示データもLED点灯と音とでスキャンする。環境制御を行う場合は、第三表示部150の環境制御を操作選択スイッチ102で選択する。環境制御が選択されると、第三表示部150の表示データが環境制御に関するデータに変更され(図7(a))、スキャンが開始される。
【0086】
操作者は第三表示部150に表示された家電機器等を選択すると、第三表示部150は、選択された家電機器等に関するデータに変更され、前と同様スキャンが開始されるので、任意の操作を選択することができる。これにより車椅子に座ったままで、空調装置を入り切りすることができる。図7(a)、(b)は、第三表示部150の環境制御に関する表示データの一例である。本発明では、車椅子の駆動制御、チルトの駆動制御、アームレストの駆動制御と環境制御とを同一の制御装置で行うので、利用者は、操作を覚えやすく使いやすい。
【0087】
(4)意思伝達方法
利用者が椅子15に着座し、操作コントローラ101の電源スイッチをオンとすると、操作コントローラ101の第三表示部150に図5(a)に示すようなデータ表示される。利用者が操作選択スイッチ102をオンとすると、第三表示部150の表示データのスキャンが開始される。同時に第三表示部150の表示データのスキャンに対応して、第二表示部140の表示データもLED点灯と音とでスキャンする。意思伝達を行う場合は、第三表示部150の意思伝達を操作選択スイッチ102で選択する。意思伝達が選択されると、第三表示部150の表示データが意思伝達に関するデータに変更され、スキャンが開始される。
【0088】
操作者は第三表示部150に表示された意思伝達データを選択すると、スピーカ106を通じて音声が出力される。このとき、操作コントローラ101は、選択された意思伝達データが「助けてください」のように緊急性を有すると判断すると、音量を大きくするように制御する。また繰り返し出力するように制御することもできる。一方、「おはよう」などの挨拶などが選択されると、比較的小さい音量で一回発生させるように制御することもできる。本発明では、車椅子の駆動制御、チルトの駆動制御、アームレストの駆動制御と環境制御とを同一の制御装置で行うので、利用者は、操作を覚えやすく使いやすい。
【0089】
上記に示した本発明の第一の実施形態では、車椅子10の駆動操作と環境制御、意思伝達とを同一の制御装置100に行わせたが、車椅子10の駆動操作と環境制御、意思伝達とを別々の制御装置に担当させることも可能である。例えばデータ表示部の車椅子の移動方向、チルト、アーム駆動方向表示や、環境制御、意思伝達については、携帯情報端末(PDA)装置を使用することで、機能を充実させやすくなる。また、無線LANを通じて外部機器の制御も可能となる。
【0090】
さらに本発明の実施形態では、操作コントローラ101とデータ選択装置102とで、車椅子10の走行を制御したけれども、車椅子10の走行に関するデータを従来の車椅子の同様、ジョイスティック型操作レバーを用いて制御装置に入力させてもよい。車椅子10の走行に関するデータを、ジョイスティック型操作レバーを用いて入力させれば、本発明の第一実施形態に示した制御装置100を装着することで、従来の電動車椅子に本発明の機能を持たせることができる。障害の少ない人は重度障害者と異なり、ジョイスティック型操作レバーを操作することは困難ではないので、このような構成を採用することで電動車椅子の選択肢が広がる。
【0091】
また、本発明の実施形態では、車椅子の駆動制御、チルトの駆動制御、アームレストの駆動制御をマイクロコンピュータ110に行わせているけれども、ロジック回路を設け、ここでこれら制御を行わせてもよい。車椅子の駆動制御、チルトの駆動制御、アームレストの駆動制御を、ロジック回路を介して行うことで信頼性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の実施の一形態としての電動車椅子1の斜視図である。
【図2】本発明の実施の一形態としての電動車椅子1のアームレスト駆動装置50の概略的構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の一形態としての電動車椅子1の制御装置100の概略的構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の一形態としての電動車椅子1の操作コントローラ101の表示パネル130を示す図である。
【図5】図5(a)は、本発明の実施の一形態としての電動車椅子1の起動直後の表示パネル130の第三表示部150の表示画面を示す図であり、図5(b)は、車椅子の走行が選択された後の第三表示部150の表示画面を示す図である。
【図6】本発明の実施の一形態としての電動車椅子1のチルト駆動が選択された後の表示パネル130の第三表示部150の表示画面を示す図である。
【図7】図7(a)は、本発明の実施の一形態としての電動車椅子1の環境制御が選択された後の表示パネル130の第三表示部150の表示画面を示す図であり、図7(b)は、空調が選択された後の第三表示部150の表示画面を示す図である。
【符号の説明】
【0093】
1 電動車椅子
10 車椅子本体
11 着座部
12 背もたれ部
13 アームレスト
14 フットレスト部
15 椅子
16 支持架台
17 車輪
20 着座検知センサ
21 バンパー
25 バンパーセンサ
26 測距センサ
30 車椅子駆動装置
40 チルト駆動装置
50 アームレスト駆動装置
100 制御装置
101 操作コントローラ
102 データ選択装置
106 スピーカ
107 ブザー
108 携帯電話
111 入出力部
112 データ演算部
120 記憶部
130 表示部
131 十字アイコン
132 LEDランプ
135 第一表示部
140 第二表示部
145 LEDランプ
150 第三表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
椅子、該椅子を支持する支持架台、該支持架台の下部の固着された車輪を含む車椅子本体と、
該車椅子本体を駆動可能な車椅子駆動装置と、
該椅子を傾斜可能なチルト駆動装置と、
入力部、表示部、記憶部、及び演算制御処理部、及び出力部を備える操作コントローラと、
該操作コントローラの該表示部に表示される表示データを選択するデータ選択装置と、
を含み、
該操作コントローラは、該データ選択装置を通じて車椅子駆動データ又はチルト駆動データが選択されると、選択されたデータに基づき該車椅子駆動装置又は該チルト駆動装置を制御することを特徴とする電動車椅子。
【請求項2】
さらに前記椅子に設けられた水平方向に移動自在なアームレストと、
該アームレストを水平移動させるアームレスト駆動装置と、を備え、
前記操作コントローラは、前記データ選択装置を通じてアームレスト駆動データが選択されると、選択されたデータに基づき該アームレスト駆動装置を制御することを特徴とする請求項1に記載の電動車椅子。
【請求項3】
さらに前記アームレストと一体的に動く、前記操作コントローラを支持する略S字型形状の操作コントローラ支持部材を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動車椅子。
【請求項4】
さらに音声を録音及び再生、又は前記演算制御処理部により生成された合成音を出力する音声録音再生出力装置を備え、
前記操作コントローラは、前記記憶部に音声データを記憶し、前記データ選択装置を通じて意思伝達データが選択されると、選択されたデータに基づき該音声録音再生出力装置に該音声データを出力する意思伝達機能を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載の電動車椅子。
【請求項5】
さらに前記操作コントローラは、無線操作可能な家電機器、携帯電話、パーソナルコンピュータ、情報端末機器を含む環境制御装置と無線通信可能な入出力インターフェイスを備え、
前記データ選択装置を通じて環境制御データが選択されると、選択されたデータに基づき該環境制御装置を制御する環境制御機能を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1に記載の電動車椅子。
【請求項6】
前記データ選択装置は、メカニカルスイッチ、筋電センサ、タッチセンサ、タッチパネル、磁気スイッチ、光電センサ、圧力センサ、測距センサ、音声スイッチ、又は呼気スイッチであることを特徴する請求項1から5のいずれか1に記載の電動車椅子。
【請求項7】
前記操作コントローラの表示部は、車椅子本体の移動方向、椅子のチルト方向及びアームレスト移動方向を一体的に示す第一表示部と、
車椅子の走行速度、チルト駆動制御、アームレスト駆動制御、環境制御を表示する第二表示部と、
操作項目を表示する第三表示部と、を含み
第一表示部、第二表示部はランプ点灯及び音を、第三表示部は文字反転表示及び音を発して各操作項目間をスキャン表示することを特徴する請求項1から6のいずれか1に記載の電動車椅子。
【請求項8】
さらに前記車椅子本体に取付けられたバンパーへの接触を検知するバンパーセンサと、
対象物との距離を測定する測距センサと、を備え、
前記操作コントローラは、該測距センサの信号に基づき前記車椅子本体の移動速度を減速させ、該バンパーセンサの信号に基づき、前記車椅子本体の移動を停止するように前記車椅子駆動装置を制御することを特徴とする請求項1から7のいずれか1に記載の電動車椅子。
【請求項9】
前記データ選択装置を2個以上備え、
前記操作コントローラは、いずれかのデータ選択装置によりデータが選択されると選択されたデータに基づき所定の制御を行うことを特徴とする請求項1から8のいずれか1に記載の電動車椅子。
【請求項10】
前記操作コントローラは、車椅子駆動、チルト駆動、アームレスト駆動、意思伝達、又は環境制御のいずれか1の制御操作が実行されているときは、他の制御操作を実行不能とすることを特徴とする請求項1から9のいずれか1に記載の電動車椅子。
【請求項11】
さらに前記着座部は、着座を検知可能な着座検知センサを備え、
前記操作コントローラは、該着座検知センサが着座を検知しなければ作動しないことを特徴とする請求項1から10のいずれか1に記載の電動車椅子。
【請求項12】
前記操作コントローラは、前記データ選択装置が選択するデータに基づき制御を行うとき、前記データ選択装置によりデータが選択されたことを確認する確認ステップと、再度同一データが選択されたときそのデータに基づき制御を行う実行ステップと、を備えることを特徴とする請求項1から11のいずれか1に記載の電動車椅子。
【請求項13】
前記操作コントローラは、選択された意思データに基づき前記音声データを前記音声録音再生出力装置に出力するとき、選択された前記意思データに応じて前記音声録音再生出力装置から出力する音量及び/又は回数を変化させるように制御することを特徴とする請求項4から12のいずれか1に記載の電動車椅子。
【請求項14】
前記操作コントローラは、前記記憶部に音階データを記憶し、
前記第一表示部、前記第二表示部、及び前記第三表示部毎に、各操作項目間をスキャンするときのスキャン音及び/又は前記データ選択装置が表示データを選択するときの音を、前記記憶部に記憶した音階データから選択可能としたことを特徴とする請求項7から13のいずれか1に記載の電動車椅子。
【請求項15】
前記第三表示部の表示項目は、取捨選択表示可能なことを特徴とする請求項7から14のいずれか1に記載の電動車椅子。
【請求項16】
前記操作コントローラの前記表示部の表示項目間をスキャンするスキャンランプは、照度を可変可能なことを特徴とする請求項7から15のいずれか1に記載の電動車椅子。
【請求項17】
椅子、該椅子を支持する支持架台、支持架台の下部の固着された車輪を含む車椅子本体と、
該車椅子本体を駆動可能な車椅子駆動装置と、
該車椅子駆動装置を駆動制御する駆動制御装置と、
入力部、表示部、記憶部、演算制御処理部、及び出力部を備える環境意思伝達コントローラと、
該環境意思伝達コントローラの該表示部に表示される表示データを選択するデータ選択装置と、
を含み、
該環境意思伝達コントローラは、該データ選択装置を通じて環境制御データ又は意思伝達データが選択されると、選択されたデータに基づき環境制御又は意思伝達を行うことを特徴とする電動車椅子。
【請求項18】
前記環境意思伝達コントローラ及び前記データ選択装置は、携帯情報端末装置であることを特徴とする請求項17に記載の電動車椅子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−97946(P2007−97946A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−293814(P2005−293814)
【出願日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 日本作業療法学会誌 作業療法・24巻特別号
【出願人】(591079487)広島県 (101)
【出願人】(503272645)有限会社アルニック (2)
【出願人】(505376536)有限会社山陽ウィール・チェアー (1)