説明

電動音波振動発生装置

【課題】小型で携帯性に優れ、歯ブラシの形状や大きさに囚われず市販歯ブラシに音波振動効果を与えられる電動音波振動発生装置を提案する。
【解決手段】電動音波振動発生装置1は、音波振動装置本体2に伸縮性のある歯ブラシ固定具3が装着されており、歯ブラシ固定具3の伸縮性を利用し、市販品の歯ブラシ5を、音波振動装置本体2に密着させる事で、市販品の歯ブラシ5の毛先にまで音波振動を伝達させる事ができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音波振動歯ブラシの振動装置に関わるものである。
【背景技術】
【0002】
近年、口腔内衛生への意識が高まり、家庭内での歯磨きだけでは無く、職場や旅行、出張先でも歯を磨く場合には、歯垢除去効果の優れた音波振動歯ブラシの使用が多くなってきている。
【0003】
音波振動歯ブラシにおいては、モーターの回転軸に固着された偏心分銅が回転する事で発生する振動を、歯ブラシの歯ブラシ毛に伝え、歯垢除去効果を向上させる音波振動歯ブラシが提案されている。
【0004】
また、音波振動歯ブラシの振動部本体へ歯ブラシを接続する方法に関しては、特許文献1および特許文献2に開示される接続構造が知られている。前者は、二股爪部を2箇所有した振動装置を歯ブラシに接続しており、後者は、振動装置を収納する本体ケース先端のブラシ取り付け軸筒に着脱可能な歯ブラシを接続するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】 特開2011−104240号公報
【特許文献2】 特開2011−130972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、これら特許文献1、2の音波振動歯ブラシはそれぞれの振動装置に対し、専用の歯ブラシが使われている為、消耗品である歯ブラシが寿命を向かえた場合は、改めて同じ専用の歯ブラシを購入する必要があった。
【0007】
また、専用の歯ブラシはブラシの形状、毛の硬さ、ヘッドの大きさ、取扱店舗の種類が乏しく選択肢に限りがあった。
【0008】
そのため、歯の洗浄性能を落とす事無く、多種多様な歯ブラシの使用を選択する事ができる小型で、携帯性に優れた音波振動発生装置が求められている。
本発明は、上記問題を解決する為に発明されたものであり、その目的は、小型で携帯性に優れ、本体はそのままで、多種多様な歯ブラシの接続と、交換ができる音波振動発生装置を提供する事にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明品は、偏心分銅付モーターを備えた本体と、本体に装着された、伸縮性のある固定具を備え、市販品の歯ブラシを、固定具の伸縮性を利用して本体と固定具とで挟み込んで密着させ、本体に装着する事を最も主要な特徴とする。
【0010】
また、本発明品は、前記に記載の発明品に、伸縮性のある固定補助具を加え、歯固定補助具の伸縮性を利用した締め付けで、市販品の歯ブラシを、本体に更に密着させる事で、振動を市販品の歯ブラシへより伝える事ができる。
【0011】
本発明品の固定具は、本体の天面に装着される部分と、本体の底面に装着される部分と、それらを繋ぐベルトからなり、一体で成形され、伸縮性がある為、形、大きさが多様な市販品の歯ブラシを、本体へ装着する事ができ、振動を市販品の歯ブラシへ伝える事ができる。
【0012】
本発明品の固定補助具は、本体と固定具を覆うように形成し、伸縮性がある為、形、大きさが多様な市販品の歯ブラシを、本体へよりしっかりと装着でき、振動が市販品の歯ブラシへより伝える事ができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の電動音波振動発生装置によれば、小型で携帯性に優れ、歯ブラシの形状や大きさの異なる市販品の歯ブラシに音波振動効果を与える事ができ、市販品の歯ブラシを音波振動歯ブラシとして使用する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】 本発明の電動音波振動発生装置の構成を示す斜視図。(歯ブラシ固定補助具がないもの)
【図2】 本発明の電動音波振動発生装置の構成を示す斜視図。(歯ブラシ固定補助具があるもの)
【図3】 本発明の音波振動装置本体の構成を示す斜視図。
【図4】 本発明の歯ブラシ固定具の構成を示す斜視図
【図5】 本発明の歯ブラシ固定補助具の構成を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の電動音波振動発生装置の実施例を図1に従って説明する。
電動音波振動発生装置1は、図1に示すように、音波振動装置本体2と、音波振動装置本体2に装着された、伸縮性のある歯ブラシ固定具3からなる。市販品の歯ブラシ5は、歯ブラシ固定具3の連結ベルト33に形成された貫通口36から差し込み、音波振動装置本体2の歯ブラシ密着面2bと、歯ブラシ固定具3の連結ベルト33との間にあるすき間Sを通り、貫通口37まで差し込む事で、電動音波振動発生装置1に装着される。また、歯ブラシ固定具3の伸縮性を利用し、市販品の歯ブラシ5は、音波振動装置本体2の歯ブラシ密着面2bに、歯ブラシ固定具3の連結ベルト33とで挟み込む事により密着され、電動音波振動発生装置に装着される。
【0016】
本発明の電動音波振動発生装置の別実施例を図2に従って説明する。
電動音波振動発生装置1は、図2に示すように、前記図1の電動音波振動発生装置に、音波振動装置本体2と歯ブラシ固定具3を覆い、伸縮性のある筒状の歯ブラシ固定補助具4からなる。市販品の歯ブラシ5は、歯ブラシ固定具3の連結ベルト33に形成された貫通口36から差し込み、音波振動装置本体2の歯ブラシ密着面2bと、歯ブラシ固定具3の連結ベルト33との間にあるすき間Sを通り、貫通口37まで差し込む事で、電動音波振動発生装置1に装着される。また、歯ブラシ固定具3と、歯ブラシ固定補助具4の伸縮性を利用し、市販品の歯ブラシ5は、音波振動装置本体2の歯ブラシ密着面2bに、歯ブラシ固定具3の連結ベルト33とで挟み込みと、歯ブラシ固定補助具4の締め付けにより密着され、電動音波振動発生装置に装着される。
【0017】
本発明の電動音波振動発生装置の音波振動装置本体2の形状、構成を図3に従って説明する。
音波振動装置本体2は、図3に示すように、音波振動装本体2天面2aにスイッチボタン6を備えている。そして、音波振動装本体2天面側表面に環状溝21、底面側表面に環状溝22を形成している。また、内部には、偏心分銅付モーター、電源スイッチ、電池を収納しており、偏心分銅付モーターは、歯ブラシ密着面2bに振動が伝わる位置に配置している。
【0018】
本発明の電動音波振動発生装置の歯ブラシ固定具3の形状、構成を図4に従って説明する。
歯ブラシ固定具3は、図4に示すように、天面側ラップ部31と、底面側ラップ部32と、天面側ラップ部31と底面側ラップ部32を繋ぐ連結ベルト33からなり、これら、天面側ラップ部31、底面側ラップ部32、連結ベルト33は一体で成形している。天面側ラップ部31には、音波振動装置本体2の天面側を挿入する為の貫通口34、底面側ラップ部32には、音波振動装置本体2の底面側を挿入する為の貫通口35を形成し、連結ベルト33の天面側には、貫通口36を形成し、底面側には、貫通口37を形成している。貫通口36、貫通口37には、市販品の歯ブラシ5が挿入される。天面側ラップ部31と、底面側ラップ部32の裏面形状は、音波振動装置本体2の天面側環状溝21付近表面形状と、底面側環状溝22付近表面形状と、同一形状にて形成している為、音波振動装置本体2からずれる事なく装着できるようにしている。また、歯ブラシ固定具3は伸縮性のある樹脂で形成している。
【0019】
本発明の電動音波振動発生装置の歯ブラシ固定補助具4の形状、構成を図5に従って説明する。
歯ブラシ固定補助具4は、図5に示すように、中央に貫通口41を形成した筒状の形状からなり、歯ブラシ固定具3と同様、伸縮性のある樹脂で形成している。
【0020】
本発明の電動音波振動発生装置の歯ブラシ固定具3を、音波振動装置本体2へ装着する方法と、市販品の歯ブラシ5装着する方法を説明する。
歯ブラシ固定具3を、音波振動装置本体2に装着するには、天面側ラップ部31に形成している貫通口34へ音波振動装置本体2の天面側を挿入する。挿入された音波振動装置本体2天面側表面には、環状溝21が形成されており、その環状溝21へ貫通口34の内周壁38が嵌着される。次に、底面側ラップ部32を引っ張りながら、底面側ラップ部32に形成している貫通口35へ音波振動装置本体2の底面側を挿入する。挿入された音波振動装置本体2底面側表面には、環状溝22が形成されており、その環状溝22へ貫通口35の内周壁39が嵌着される。嵌着された歯ブラシ固定具3の天面側ラップ部31と、底面側ラップ部32は、裏面形状が、音波振動装置本体2の天面側環状溝21付近表面形状と、底面側環状溝22付近表面形状と、同一形状にて形成している為、音波振動装置本体2からずれる事なく、装着される。
市販品の歯ブラシ5は、歯ブラシ固定具3の連結ベルト33に形成された貫通口36から差し込み、音波振動装置本体2の歯ブラシ密着面2bと、歯ブラシ固定具3の連結ベルト33との間にあるすき間Sを通り、貫通口37まで差し込む事で、電動音波振動発生装置1に装着される。この時、音波振動装置本体2の歯ブラシ密着面2bと、歯ブラシ固定具3の連結ベルト33とで挟み込む事により市販品の歯ブラシ5は電動音波振動発生装置1に装着される。
【0021】
本発明の電動音波振動発生装置の歯ブラシ固定補助具4を、音波振動装置本体2へ装着する方法を説明する。
歯ブラシ固定補助具4を、音波振動装置本体2に装着するには、先に歯ブラシ固定具3を、音波振動装置本体2に装着しておく。音波振動装置本体2に歯ブラシ固定具3を装着した状態のものを、ブラシ固定補助具4の貫通口41へ挿入し、音波振動装置本体2と、歯ブラシ固定具3の連結ベルト33を覆うようにして、ブラシ固定補助具4を装着する。歯ブラシ固定補助具4の効果で、音波振動装置本体2の歯ブラシ密着面2bと市販品の歯ブラシ5との密着性を向上させ、市販品の歯ブラシ5へ振動を伝えやすくする。
【符号の説明】
【0022】
1…電動音波振動発生装置、2…音波振動装置本体、21、22…環状溝、2a…天面、2b…歯ブラシ密着面、3…歯ブラシ固定具、31…天面側ラップ部、32…底面側ラップ部、33…連結ベルト、34、35、36、37…貫通口、38、39…内周壁、4…歯ブラシ固定補助具、41…貫通口、5…市販品の歯ブラシ、6…スイッチボタン、S…すき間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏心分銅付モーターを備えた音波振動装置本体と、音波振動装置本体に装着された、伸縮性のある歯ブラシ固定具を備え、市販品の歯ブラシを、音波振動装置本体に、歯ブラシ固定具の伸縮性を利用して挟み込んで密着させ、装着する事を特徴とする電動音波振動発生装置。
【請求項2】
前記、記載の音波振動装置本体と、歯ブラシ固定具を覆うようにして装着された、伸縮性のある歯ブラシ固定補助具を加える事で、市販品の歯ブラシを、歯ブラシ固定補助具の伸縮性を利用した締め付けにより、音波振動装置本体に、更に密着させる事で、振動をより伝えやすくした事を特徴とする請求項1に記載の電動音波振動発生装置。
【請求項3】
歯ブラシ固定具は、天面側ラップ部と、底面側ラップ部と、天面側ラップ部と底面側ラップ部を繋ぐ連結ベルトからなり、これら天面側ラップ部、底面側ラップ部、連結ベルトは一体で成形され、天面側ラップ部と、底面側ラップ部には、音波振動装置本体の天面側と、底面側を挿入する為の貫通口をそれぞれに形成し、連結ベルトには、歯ブラシを挿入する為の貫通口を形成し、天面側ラップ部と、底面側ラップ部の裏面形状は、音波振動装置本体の天面側、底面側の表面形状と同一形状に形成し、伸縮性のある樹脂で形成している事を特徴とする請求項1又は、請求項2に記載の電動音波振動発生装置。
【請求項4】
歯ブラシ固定補助具は、筒状の形状からなり、伸縮性のある樹脂で形成し、音波振動装置本体と歯ブラシ固定具の連結ベルトを覆う事で、振動が歯ブラシにより伝わりやすくする事を特徴とする請求項1又は、請求項2に記載の電動音波振動発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−106927(P2013−106927A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−270656(P2011−270656)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(506058967)株式会社 ジェイビーエス (8)
【Fターム(参考)】