説明

電動駆動される単一房を備えた手動歯ブラシ

図1中の歯ブラシは、歯ブラシ本体12とブラシヘッドアセンブリ14とを含み、ブラシヘッドアセンブリ14は、毛房の手動領域16と前記毛房の手動領域の前端部にある単一/少数の毛房18とを含む。単一の毛房又は少数の毛房は、歯の方向において軸方向に駆動され、歯の歯間領域をクリーニングするのに適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、概して、歯ブラシに関し、より詳細には、手動部分と電動駆動される部分との双方をもつ毛領域を備えた歯ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
毛領域が静的にブラシヘッドに取り付けられた従来の手動歯ブラシは、典型的には、効果的な歯間クリーニング、即ち隣接する歯の間の歯間領域のクリーニングをもたらさない。これは、歯ブラシが隣接する歯に渡ってぴったりと適合する毛先形状をもつ場合でも同じことが言える。歯肉線での歯のクリーニングも、典型的にはあまりよくない。更に、ブラシで覆われた歯表面のより効果的なクリーニングを与えるために毛が隣接する歯に渡って適合するように構成されるときであっても、特別な毛先形状の利用するためにユーザが歯に対する歯ブラシの正しい位置を決定することが難しい場合が依然として多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それ故、歯の露出領域の洗浄を実現するための従来の部分を含むが、歯間及び歯肉線領域をクリーニングするため、及び、歯にブラシを適切に配置するのを支援するために特に適合されるとともに効果的である他の部分を含む毛領域を備えた歯ブラシをもつことが望ましいだろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従って、斯様な歯ブラシは、歯ブラシ本体と、手動毛房領域及び単一の追加毛房又は少数の毛房を含むブラシヘッドアセンブリと、ユーザの歯の方向において前記ブラシヘッドアセンブリに向かって前記ブラシヘッドアセンブリから離れるように前記単一の房又は少数の房を駆動させるためのシステムとを有する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】新たな歯ブラシの一実施形態の簡素化された断面図である。
【図2】図1の実施形態の動作を示す端面図である。
【図3】単一の房を駆動させるためにクランク軸を用いた他の実施形態の簡素化された断面図である。
【図4】偏心取付されたピンをもつヨークを用いた他の実施形態の簡素化された断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1によれば、歯ブラシは、概ね10で示されている。歯ブラシ10は、本体部分12とブラシヘッド部分14とを含む。ブラシヘッド部分は、従来の手動歯ブラシと同様の手動毛領域アセンブリ16を含む。手動毛領域16は、従来の態様で歯を洗浄するために用いられる。また、ブラシヘッド部分14は、駆動される房毛領域部分18を含む。房毛領域部分18は、示された実施形態においては単一の房であるが、一緒にグループ化された幾つかの房であってもよい。房18は、駆動システムにより電動駆動される。駆動システムは、本体部分12内に配置され、ブラシヘッド部分14を介して駆動シャフト18と接続するように延在する。
【0007】
駆動される房18に対して様々な駆動システムが用いられ得る。これらのうち幾つかの実施形態が以下で述べられる。述べられるものに加えて、他の駆動システムが、当業者の範囲内において確実に取り得る。示された実施形態において、駆動される房18(又は駆動される房の小グループ)は、手動毛領域の前端部の近くに配置されてもよく、手動毛領域の後端部の近くに配置されてもよく、又は、毛領域自体の範囲内に配置されてもよい。
【0008】
駆動される房18は、サイズ及び他の特性については概ね慣習的なものであり、房内に約30の毛をもつことを含む。一例としての毛房は、1〜1.5mmの直径であり得るが、これよりも大きくても小さくてもよい。房は、円形若しくは矩形の断面であってもよく、又は、他の形状であってもよい。房内の個々の毛は、典型的には、0.006インチの直径と約0.40インチの長さとをもち、ナイロンで作られるが、これは異なってもよい。房内の毛の先端は、歯領域の歯間及び歯肉線に良好に適合するように、点状又は他の構成で構成されてもよい。
【0009】
図1及び2は、駆動される房に対して偏心質量駆動の実施形態を示しており、この実施形態では、偏心要素23は、モータ31により回転軸30の周りを円形状に動作する。図1の駆動システムは、毛房が取り付けられた平坦なリーフスプリング32を含む。平坦なスプリング32は、矢印で示されたように、上/下方向よりも横方向に大いに硬くなるように構成される。これは、主として駆動される房18の縦方向の動作をもたらし、即ち、横方向の比較的小さな範囲の動作と縦又は上/下方向の大きな範囲の動作とをもたらす。リーフスプリングに対する回転モータシャフトの動作は、回転質量23、スプリング32及び毛房18により図2において示される。
【0010】
示された実施形態において、房18のストロークは、約4mmの長さである。しかしながら、房の先端19は、ストロークの終端で、ユーザが歯に対する駆動される房18の軸動作(タッピング)を感じ得るように、手動毛の先端21を十分に超えて延在しなければならない。基本的には歯に向かって歯から離れるこの軸動作は、歯間クリーニングに対して効果的であり、歯肉線クリーニングにも有用である。更に、歯に対するブラシヘッドの位置に対して歯ブラシを配向することが効果的であり得る。房18は、ユーザにより容易に感じられ得る、房18が歯間エリアに当たるように歯ブラシが配置されるときに、手動毛領域が2つの隣接歯の外面を洗浄するための適切な位置にあるように、手動毛領域に対して配置され得る。手動歯ブラシ毛領域は、2つの隣接歯の周りに適合するように構成された毛の先端を更にもち得る。
【0011】
図3は、モータ40が歯間クリーニングを実現するためにその端部に単一の駆動房又は複数の房44が取り付けられたクランクシャフト42を駆動させる駆動システムの他の実施形態を示している。クランクシャフト42は、房に対する軸動作をもたらす。
【0012】
図4は、モータ49及びモータシャフト52上の偏心ピン50を含み、このピンが、ヨーク54を、矢印で示されるように垂直方向に駆動させる他の実施形態を示している。ヨーク54は、動作が単一の房58の軸運動をもたらすようにピボット56に取り付けられる。
【0013】
図1〜4の実施形態は、単一の房の単純な軸動作をもたらすための種々の構成を示すことを意図している。他の、類似の駆動システムが、単一の房の所望の軸動作をもたらすために用いられ得ることが理解されるべきである。
【0014】
本発明の好ましい実施形態及び代替実施形態は例示の目的で開示されたが、種々の変更、修正及び置換が、特許請求の範囲により規定される本発明の精神から逸脱することなく、前記実施形態に組み込まれ得ることが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯ブラシ本体と、
手動毛房領域及び単一の追加毛房又は少数の毛房を含むブラシヘッドアセンブリと、
ユーザの歯の方向において前記ブラシヘッドアセンブリに向かって前記ブラシヘッドアセンブリから離れるように前記単一の追加毛房又は前記少数の毛房を駆動させるためのシステムとを有する、歯ブラシ。
【請求項2】
駆動される前記単一の追加毛房又は前記少数の毛房は、前記手動毛房領域の前端部又は後端部に配置される、請求項1に記載の歯ブラシ。
【請求項3】
駆動される前記単一の追加毛房又は前記少数の毛房は、1〜4mmのストロークを介して駆動され、
前記駆動される単一の追加毛房又は少数の毛房の先端は、前記ストロークの終端で前記手動毛房領域を超えて延在する、請求項1に記載の歯ブラシ。
【請求項4】
前記駆動させるためのシステムは、取り付けられた偏心部を備えた回転シャフトをもつモータを含み、前記偏心部は、前記単一の追加毛房又は前記少数の毛房に取り付けられたリーフスプリングに接続され、
前記リーフスプリングは、縦方向よりも横方向に非常に堅く、これにより、前記駆動される単一の追加毛房又は少数の毛房の略直線的な軸方向動作をもたらす、請求項1に記載の歯ブラシ。
【請求項5】
前記駆動させるためのシステムは、回転駆動シャフトを備えたモータと、前記駆動シャフトに接続されこの駆動シャフトから延在するクランクシャフトとを含み、
駆動される前記単一の追加毛房又は前記少数の毛房は、モータの回転が、歯の方向において前記ブラシヘッドアセンブリに向かって前記ブラシヘッドアセンブリから離れるように前記駆動される単一の追加毛房又は少数の毛房の軸方向動作をもたらすように、前記クランクシャフトに取り付けられる、請求項1に記載の歯ブラシ。
【請求項6】
前記駆動させるためのシステムは、回転駆動シャフトをもつモータと、前記駆動シャフト上に取り付けられた偏心ピンとを含み、前記駆動させるためのシステムは、前記偏心ピンにより駆動されるヨークアセンブリと、前記ヨークが取り付けられたピボットとを更に含み、駆動される前記単一の追加毛房又は前記少数の毛房は、前記モータ駆動シャフトの回転が前記駆動される単一の追加毛房又は少数の毛房の軸方向動作をもたらすように、前記ヨークの先端部に取り付けられる、請求項1に記載の歯ブラシ。
【請求項7】
前記手動毛房領域の先端は、2つの隣接歯の形状に概ね適合するように構成される、請求項1に記載の歯ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−513799(P2012−513799A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542943(P2011−542943)
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【国際出願番号】PCT/IB2009/055608
【国際公開番号】WO2010/076703
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】