説明

電子カメラ、及び電子カメラシステム

【課題】 被写体が用意完了の状態にあるときに、シャッタチャンスを逃すことなく確実に撮影するための技術を提供する。
【解決手段】 本発明の電子カメラは、撮像部と、検出部と、タイミング判定部とを有する。撮像部は、被写体を撮像して画像データを生成する撮像動作を行う。検出部は、被写体の顔領域の位置を検出する検出処理を行う。タイミング判定部は、検出処理を繰り返し行わせ、前に検出された顔領域の位置との比較に基づいて、顔領域の位置の動き量が所定範囲内か否かを検出処理の都度判定する。タイミング判定部は、所定の期間または所定の比較回数において所定範囲内と判定した場合に、撮像部に撮像動作を指令する。従って、被写体が用意完了の状態にあるときに、シャッタチャンスを逃すことなく確実に撮影できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像から顔領域を検出する機能を備えた電子カメラ、及び電子カメラシステムに関する。また、本発明は、セルフ撮影を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
動物である被写体を撮影する場合、その動物が所望のポーズや表情をしたタイミングに合わせてレリーズ釦を押す必要がある。また、セルフ撮影では、撮影者がカメラを操作した後に、撮影者が撮影位置に移動する時間を考慮する必要があるので、例えばセルフタイマー機能が用いられる。しかし、動物のポーズが所定の状態となるタイミングでレリーズ釦を押すことや、セルフ撮影において撮影者が撮影位置で準備できたタイミングで自動撮影することは、容易とは限らない。
【0003】
そこで、特許文献1は、被写体が所望のポーズをしたタイミングでレリーズするために、画像に含まれる被写体像の顔の向きを検出し、それが所定の方向を向いた場合に自動撮影している。また、特許文献2は、セルフタイマー撮影での撮像画像が適切なものであったかどうかを、撮影者に確認させるようにしている。具体的には、セルフタイマー撮影モードにおける撮影後の撮像画像表示時間を、通常撮影モードの場合より長く設定している。これにより、被写体である撮影者が撮影後にカメラの設置位置に戻るまでに、撮像画像の表示が終了しないように試みている。
【特許文献1】特開2001−357404号公報
【特許文献2】特開2001−86374号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
被写体の顔が所定の方向を向いていることを検出しても、検出した瞬間において、被写体が用意完了の状態にあるとは限らない。従って、特許文献1の方法では、被写体が準備できていないときにレリーズされて、失敗写真となるおそれがある。
特許文献2によれば、セルフタイマー撮影での撮像画像が適切なものであったかどうかを、撮影者は容易に確認できるとしている。しかしこの方法は、撮影者が撮影位置で準備できたタイミングで自動撮影するものではなく、失敗写真となる撮影を防止できない。従って、特許文献2の方法は、本質的に問題を解決しているとは言えない。このため、セルフ撮影において、撮影者に操作負担をかけることなく、撮影者が撮影位置に到達したことを自動的に確認して撮影する技術が望まれていた。
【0005】
本発明の目的は、被写体が用意完了の状態にあるときに、シャッタチャンスを逃すことなく確実に撮影するための技術を提供することである。
本発明の別の目的は、セルフ撮影において、撮影者に操作負担をかけることなく、撮影者が撮影位置に到達したことを自動的に確認して撮影するための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の電子カメラは、撮像部と、検出部と、タイミング判定部とを備えたことを特徴とする。撮像部は、被写体を撮像して画像データを生成する撮像動作を行う。検出部は、被写体の顔領域の位置を検出する検出処理を行う。タイミング判定部は、検出処理を繰り返し行わせ、前に検出された顔領域の位置との比較に基づいて、顔領域の位置の動き量が所定範囲内か否かを検出処理の都度判定する。さらにタイミング判定部は、所定の期間または所定の比較回数において前記所定範囲内と判定した場合に、撮像部に撮像動作を指令する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の電子カメラにおいて、『検出部が顔領域の位置を検出した以後、タイミング判定部が前記指令を行う前に、検出された顔領域に撮影レンズのピントを合わせる焦点制御部を備えた』ことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の電子カメラにおいて、以下の点を特徴とする。第1に、タイミング判定部は、検出処理を繰り返し行わせる際に、撮像動作も繰り返し行わせる。第2に、検出部は、撮像部が生成した画像データを用いて、顔領域の位置を検出する。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子カメラにおいて、以下の点を特徴とする。第1に、撮影者の操作を受けたときに同期して、撮像部に静止画用の撮像動作を指令する操作部材を有する。第2に、検出部及びタイミング判定部の処理は、『操作部材への操作に依存しないタイミングで、静止画用の撮像動作が行われる撮影モード』に電子カメラが設定されている場合に行われる。
【0009】
請求項5の電子カメラは、撮像部と、カウント部と、撮影指令部とを備えたことを特徴とする。撮像部は、被写体を撮像して画像データを生成する撮像動作を行う。カウント部は、各々の被写体を検出することによって被写体の数を数えるカウント処理を行う。撮影指令部は、カウント処理を繰り返し行わせ、被写体の数が増加したか否かをカウント処理の都度判定し、増加したと判定した以後に、撮像部に撮像動作を指令する。
【0010】
請求項6の発明は、請求項5に記載の電子カメラにおいて、以下の点を特徴とする。第1に、撮影指令部が増加したと判定した以後に、被写体の顔領域の位置を検出する位置検出処理を行う位置検出部を備えている。第2に、撮影指令部は、増加したと判定した以後に、位置検出処理を繰り返し行わせ、前に検出された顔領域の位置との比較に基づいて、顔領域の位置の動き量が所定範囲内か否かを位置検出処理の都度判定し、所定の期間または所定の比較回数において所定範囲内と判定した場合に、前記指令を行う。
【0011】
請求項7の発明は、請求項6に記載の電子カメラにおいて、『位置検出部が顔領域の位置を検出した以後、撮影指令部が前記指令を行う前に、検出された顔領域に撮影レンズのピントを合わせる焦点制御部を備えた』ことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項6または請求項7に記載の電子カメラにおいて、以下の点を特徴とする。第1に、撮影指令部は、位置検出処理を繰り返し行わせる際に、撮像動作も繰り返し行わせる。第2に、位置検出部は、撮像部が生成した画像データを用いて、顔領域の位置を検出する。
【0012】
請求項9の発明は、請求項5〜請求項8のいずれか1項に記載の電子カメラにおいて、以下の点を特徴とする。第1に、撮影者の操作を受けたときに同期して、撮像部に静止画用の撮像動作を指令する操作部材を有する。第2に、カウント部及び撮影指令部の処理は、『操作部材への操作に依存しないタイミングで、静止画用の撮像動作が行われる撮影モード』に電子カメラが設定されている場合に行われる。
【0013】
請求項10の発明は、電子カメラが被写体を撮像するタイミングを制御可能な電子カメラシステムである。本請求項の電子カメラシステムは、検出部と、タイミング判定部とを備えたことを特徴とする。検出部は、被写体の顔領域の位置を検出する検出処理を行う。タイミング判定部は、検出処理を繰り返し行わせ、前に検出された顔領域の位置との比較に基づいて、顔領域の位置の動き量が所定範囲内か否かを検出処理の都度判定し、所定の期間または所定の比較回数において所定範囲内と判定した場合に、電子カメラに撮像を指令する。
【0014】
請求項11の発明は、電子カメラが被写体を撮像するタイミングを制御可能な電子カメラシステムである。本請求項の電子カメラシステムは、カウント部と、撮影指令部とを備えたことを特徴とする。カウント部は、各々の被写体を検出することによって被写体の数を数えるカウント処理を行う。撮影指令部は、カウント処理を繰り返し行わせ、被写体の数が増加したか否かをカウント処理の都度判定し、増加したと判定した以後に、電子カメラに撮像を指令する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一形態では、顔領域の位置を繰り返し検出して、その動き量が所定範囲内と判定した場合に、撮像部に撮像動作を指令する。従って、被写体が用意完了の状態にあるときに、シャッタチャンスを逃すことなく確実に撮影できる。
本発明の別の一形態では、被写体の数を繰り返しカウントして、被写体の数が増加したと判定した以後に、撮像部に撮像動作を指令する。従って、セルフ撮影において、撮影者に操作負担をかけることなく、撮影者が撮影位置に到達したことを自動的に確認して撮影できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
<本実施形態の構成>
図1は、本実施形態の電子カメラのブロック図である。図に示すように、電子カメラ8は、撮影レンズ12と、フォーカルプレーンシャッタ16と、撮像素子20と、アナログ信号処理部24と、A/D変換部28と、タイミングジェネレータ32と、焦点制御部36と、合図出力部38と、操作部40と、MPU(Micro Processor Unit)44と、システムバス48と、画像処理部52と、メモリ56と、カードインターフェース64と、交換可能なメモリカード(記録媒体)68と、USB(Universal Serial BUS)72と、USBインターフェース76と、モニタ向き検出部80と、モニタ制御部84と、液晶モニタ88とを有している。電子カメラ8のシステム制御は、MPU44により行われる。
【0017】
図2は、電子カメラ8の外観を示す斜視図である。図に示すように、電子カメラ8のカメラボディは、レンズ側ボディ92と、モニタ側ボディ94とで構成されている。レンズ側ボディ92及びモニタ側ボディ94の内部には、両者を接続する回転軸機構96が組み込まれている。両者は図中の一点鎖線を軸とした回転が可能である(フリーアングルモニタ)。このため、撮影に際しては、図に示すように液晶モニタ88を撮影者側に向けることと、液晶モニタ88を被写体側に(図とは反対側に)向けることとが可能である。
【0018】
また、操作部40は、電源釦、撮影モード選択釦、撮影条件入力用釦、レリーズ釦などを含む操作用釦群98を有している。本実施形態の電子カメラ12は、後述する顔認識第1モード、顔認識第2モード、セルフ撮影第1モード、セルフ撮影第2モードでのMPU44及び画像処理部52の機能を主な特徴とし、特に説明をしない部分の機能は従来の電子カメラと同様である。
【0019】
<本実施形態の動作説明>
図3、図4、図5、図6、図7は、電子カメラ8の動作を示すフローチャートである。図3は、動作の全体的流れを示す。図4は、図3のステップS3において、顔認識第1モードに設定された場合の動作を示す。図5は、ステップS3において、顔認識第2モードに設定された場合の動作を示す。図6は、ステップS3において、セルフ撮影第1モードに設定された場合の動作を示す。図7は、ステップS3において、セルフ撮影第2モードに設定された場合の動作を示す。以下、図に示すステップ番号に従って、電子カメラ8の動作を説明する。
【0020】
[ステップS1]電子カメラ8の電源釦がオンされると、電源オン処理が行われる。この後、撮影者は、操作部40の釦群を操作して、撮影モードなどを設定する。
[ステップS2]撮像素子20は、露光されて電荷の蓄積及び排出を繰り返し、動画用の画像信号を所定のフレームレートで連続的に出力する。アナログ信号処理部24及びA/D変換部28は、この画像信号に、クランプ処理、感度補正処理、A/D変換などを施し、動画用の画像データを生成する。動画用の画像データは、通常、間引き読み出しにより、全有効画素の内の一部の画素の画素値で構成される。また、この画像データは、画像処理部52によりカラープロセス処理等が施された後、液晶モニタ88に動画表示される。
【0021】
[ステップS3]MPU44は、どのモードに設定されているかを判定する。顔認識第1モードに設定されている場合、図4のステップS11に進み、顔認識第2モードに設定されている場合、図5のステップS31に進み、セルフ撮影第1モードに設定されている場合、図6のステップS51に進み、セルフ撮影第2モードに設定されている場合、図7のステップS71に進む。そして、それらのいずれかのモードでの撮影が行われ、静止画の画像データが生成された後、ステップS4に進む。なお、電子カメラ8は、公知の他の撮影モードも有するが、それは本発明とは直接関係がないので、説明を省略する。
【0022】
[ステップS4]各モードで生成された静止画用の画像データは、圧縮されてから、カードインターフェース64を介してメモリカード68に記録される。以下、各モードでの動作を説明する。まず、顔認識第1モード(図4)を説明する。
[ステップS11]MPU44は、レリーズ釦が半押しされたか否かを判定する。半押しされた場合、ステップS12に進み、そうでない場合、半押しされるまで電子カメラ8は待機する。
【0023】
[ステップS12]撮像素子20による動画用の画像信号の出力、及び動画表示は、ステップS2から継続されており、これは、ステップS21まで継続して行われる。画像処理部52は、A/D変換部28から出力される最新の画像データに、公知の顔認識処理を施して、画像における顔の領域を判定する。
顔認識処理は、例えば、画像内において、唇、目、眉毛等の顔の特徴点を探すことで行えばよい。唇は、例えば、周囲よりもやや赤い領域を検出することで判定できる。目は、例えば、瞳に相当する黒く丸い部分と、その両側の白い部分とを検出することで判定できる。両眉毛の位置は、例えば、両目の上方において周囲よりもやや黒い2つの領域を検出することで判定できる。そして、これら顔の特徴点を内側に含むと共にほぼ肌色と見なせる領域を検出し、これにより画像における顔の領域を判定する。なお、顔の特徴点が検出されない場合、画像処理部52は、『顔領域無し』という判定結果をMPU44に伝達する。
【0024】
[ステップS13]MPU44は、ステップS12において、画像データ内に顔領域が検出されたか否かを判定する。検出された場合、ステップS14に進む。検出されなかった場合、ステップS12に戻り、顔領域が検出されるまで、同様の処理が繰り返される。なお、ステップS12、S13での繰り返しループにおいて顔認識処理が施される画像データの数は、撮像素子20のフレームレート分ではなく、それより少なくてもよい。例えば、1秒当たり3或いは4フレームの割合でもよい。
【0025】
[ステップS14]MPU44は、ステップS12で検出された顔領域の位置、サイズ、個数を、メモリ56に記憶させる。ここで、顔領域の位置及びサイズを定めるため、撮像素子20においては全画素が水平方向及び垂直方向に格子状に配列されているとして、これを座標に見立てて考える。ここで記憶させる顔領域のサイズは、例えば、画像データにおいて顔領域を内側に含む最小の長方形の、水平及び垂直方向の画素数にすればよい。また、顔領域の位置は、例えば、この長方形の右上頂点に対応する画素の座標にすればよい。
【0026】
そして、MPU44は、顔領域を内側に含む最小の長方形の枠を、液晶モニタ88に表示されている被写体像に重畳表示させる。図8は、液晶モニタ88における顔領域の枠の表示例を示す。図8(a)に示すように複数の顔領域が検出されていれば、それぞれの枠が液晶モニタ88に重畳表示される(後述する他のステップでも同様)。なお、顔領域の位置としては、顔領域の輪郭に対応する全画素の位置を記憶してもよい。液晶モニタ88に表示する顔領域の枠は、長方形ではなく、顔領域の輪郭をなぞったものにしてもよい。
【0027】
[ステップS15]画像処理部52は、ステップS12と同様に、A/D変換部28から出力される最新の画像データに顔認識処理を施す。
[ステップS16]MPU44は、ステップS15において、画像データ内に顔領域が検出されたか否かを判定し、検出されなかった場合、ステップS17に進む。
検出された場合、MPU44は、ステップS15で検出された顔領域の位置、サイズ、個数を、既に記憶されているものとは区別して、メモリ56に記憶させる。また、MPU44は、それまでに表示されていた枠の代わりに、ステップS15で検出された顔領域に対する枠を、前述と同様に液晶モニタ88に表示させる。
【0028】
なお、ステップS12〜S18は繰り返しループになっている。従って、最も後で顔認識処理が施された画像データにおける顔領域の枠のみが、液晶モニタ88に継続的に表示される(この点は、後述する他のモードでも同様)。また、メモリ56は、ステップS14及びS16において、検出された顔領域の位置、サイズ、個数を、検出に用いられた画像データの撮影時刻順に区別して記憶する。その後、ステップS18に進む。
【0029】
[ステップS17]MPU44は、メモリ56に記憶されている顔領域の位置、サイズ、個数を全て消去する。そして、ステップS12に戻る。
[ステップS18]ステップS14及びS16の処理が何回行われたかに拘らず、ステップS18においてメモリ56には、複数の画像データから検出された顔領域の位置、サイズ、個数がそれぞれ記憶されている。MPU44は、これら画像データの内、最も新しく撮影されたものから検出された顔領域の位置、サイズ、個数を、2番目に新しく撮影されたものから検出された顔領域の位置、サイズ、個数と比較する。比較の結果、両者が同じとみなせる場合、ステップS19に進み、そうでない場合、ステップS17に戻る。
【0030】
より詳細には、比較において、顔領域の個数が一致し、且つ、枠の頂点の座標、水平方向のサイズ、垂直方向のサイズがほぼ一致する場合に、ステップS19に進む。枠の頂点の座標、水平方向のサイズ、垂直方向のサイズが完全に一致していれば、『被写体は意図的に同じ姿勢を維持しており、用意完了の状態にある』と、はっきりと認識できる。しかし、これら3つは多少異なっていても、被写体が用意完了の状態にあると認識できる。ここでの多少異なってもよい範囲が、上記『ほぼ一致する』、及び請求項で言及している『動き量が所定範囲内であること』に対応する。なお、顔領域の個数は被写体の人数を示すので、ステップS19に進むには、顔領域の個数については完全に一致している必要がある。
【0031】
[ステップS19]MPU44は、『メモリ56に記憶された顔領域の位置、サイズ、個数が何コマの画像データ分であるか』をカウントする。MPU44は、カウントした値が所定数(例えば6コマ、或いは、8コマ)に達しているか否かを判定する。達している場合、ステップS20に進み、そうでない場合、ステップS15に戻る。
なお、顔認識処理は、前記したフレームレート以下の割合で一定間隔で行われ、ステップS15〜S19は繰り返しループになっている。従って、所定数に達していると判定された場合は、被写体の顔領域の位置、サイズ、個数が所定期間変わらないことを意味する。また、ステップS14、S16において、顔領域の位置、サイズ、個数と共に撮影時刻もメモリ56に記憶させておき、前記所定数を判定条件とする代わりに、数秒間(例えば、1秒や2秒)を判定条件としてもよい。ここでの所定数や所定期間は、予め撮影者に入力させて設定するようにしてもよい。以上の点は、後述するステップS61、S82についても同様である。
【0032】
[ステップS20]MPU44は、顔領域の枠内にピントを合わせるように、焦点制御部36に指令する。焦点制御部36は、MPU44の指令に従って撮影レンズ12を調節し、ピントを合わせる。
なお、複数の顔領域が認識されている場合、例えば、電子カメラ8に最も近い位置にいる被写体の顔領域にピントを合わせればよい。最も近い位置にいる被写体は、例えば、画像データにおける顔領域のサイズ(即ち、枠)が最大のものとすればよいが、三角測距法などにより、最も近い被写体を判定してもよい。或いは、画像データにおいて最も中央に近い被写体の顔領域にピントを合わせてもよい。或いは、予め撮影者が設定した位置の被写体にピントを合わせてもよい。
【0033】
[ステップS21]MPU44は、被写体の顔領域が所定期間動かなかったことを確認した合図(例えば音や光)を、合図出力部38に出力させる。また、MPU44は、ステップS2から継続されていた動画用の撮像動作を停止させる。
[ステップS22]MPU44は、レリーズ釦が全押しされたか否かを判定する。全押しされた場合、ステップS23に進み、そうでない場合、全押しされるまで電子カメラ8は待機する。
【0034】
[ステップS23]レリーズ釦の全押しに同期して、MPU44は、各部を制御して撮像素子20の露光を開始させ、全有効画素の画素値を含む静止画用の画像データがA/D変換部28から出力される。この撮影動作の詳細は公知なので説明を省略する。画像処理部52は、この静止画用の画像データに、ホワイトバランス調整、ガンマ補正、色補間、色変換、色補正、輪郭強調等の処理を施す。この後、前記ステップS4に進む。以上が顔認識第1モードでの動作説明であり、次に、顔認識第2モード(図5)を説明する。
【0035】
[ステップS31]撮影者は、レリーズ釦を全押しする。なお、全押しされない場合、全押しされるまで電子カメラ8は待機する。
[ステップS32]レリーズ釦の全押しに同期して、画像処理部52は、A/D変換部28から出力される最新の動画用の画像データに、顔認識処理を施す。ここでの顔認識処理は、ステップS12と同様である。また、以降のステップS33〜S40の処理は、ステップ番号の違いを除いて、前述のステップS13〜S20とそれぞれ同様であるので、重複する説明を省略する。
【0036】
[ステップS41]MPU44は、『ステップS40で顔領域が所定期間動かなかったことを確認した』ときに同期して、その確認の合図を合図出力部38に出力させる。これに同期して、ステップS23と同様の撮影動作により静止画用の画像データが生成された後、ステップS4に進む。以上が顔認識第2モードでの動作説明である。顔認識第1モードと顔認識第2モードとの違いは、顔領域が所定期間動かなかったことが確認された後、撮影が自動的に行われるか、撮影者の指示に同期して撮影されるかである。次に、セルフ撮影第1モード(図6)を説明する。
【0037】
[ステップS51]撮影者は、レリーズ釦を全押しする。なお、全押しされない場合、全押しされるまで電子カメラ8は待機する。
[ステップS52]電子カメラ8は、予め定められた期間(例えば2秒、或いは3秒)待機する。このセルフ撮影第1モードは、電子カメラ8が例えば三脚上に固定されており、撮影者自身も被写体である場合を想定している。即ち、待機する期間は、電子カメラ8の設置場所から撮影位置に撮影者が移動する時間を考慮したものである。また、待機する期間は、予め撮影者に入力または選択させて設定してもよい。
【0038】
[ステップS53]モニタ向き検出部80は、液晶モニタ88が被写体側を向いているか、そうでないかを判定し、その判定結果をMPU44に伝達する。被写体側を向いていない場合、ステップS54に進み、被写体側を向いている場合、ステップS54を飛ばしてステップS55に進む。
[ステップS54]MPU44は、消費電力の節約のため、液晶モニタ88の表示をオフさせる。なお、ステップS2からの動画用の画像データの生成は継続して行われる。 [ステップS55]画像処理部52は、A/D変換部28から出力される最新の動画用の画像データに、前述と同様の顔認識処理を施す。
【0039】
[ステップS56]MPU44は、ステップS55で検出された顔領域の位置、サイズ、個数を、メモリ56に記憶させる。液晶モニタ88が被写体側を向いている場合、即ち、ステップS54を介さずにこのステップに到達している場合、液晶モニタ88には、顔領域を示す枠が被写体像に重畳表示される。従って、被写体である撮影者は、液晶モニタ8を見ることで、撮影の構図を目視で確認できる。
【0040】
なお、液晶モニタ88が被写体側を向いていない場合、即ち、ステップS54を介してこのステップに到達している場合、液晶モニタ88は以降もオフされたままとなる。また、ステップS54において液晶モニタ88の表示をオフさせずに、ステップS56において顔領域の枠を表示しない等により消費電力の節約を図ってもよい。
[ステップS57]画像処理部52は、A/D変換部28から出力される最新の画像データを取り込み、これに顔認識処理を施す。
【0041】
[ステップS58]MPU44は、ステップS57で検出された顔領域の位置、サイズ、個数を、メモリ56に記憶させる。なお、ステップS55〜S60は繰り返しループになっているので、液晶モニタ88が被写体側を向いている場合、最も後で顔認識処理が施された画像データにおける顔領域の枠のみが、液晶モニタ88に継続的に表示される。
[ステップS59]MPU44は、メモリ56に記憶された顔領域の位置、サイズ、個数について、最も新しいものと2番目に新しいものとをステップS18と同様に比較する。比較の結果、両者が同じとみなせる場合、ステップS61に進み、そうでない場合、ステップS60に進む。
【0042】
[ステップS60]MPU44は、メモリ56に記憶されている顔領域の位置、サイズ、個数を全て消去する。そして、ステップS55に戻る。
[ステップS61]MPU44は、『メモリ56に記憶された顔領域の位置、サイズ、個数が何コマの画像データ分か』をカウントし、カウントした値が所定数に達していない場合、ステップS57に戻り、達している場合、ステップS62に進む。なお、以降のステップS62、S63の処理は、顔認識第2モードのステップS40、S41とそれぞれ同様である。
【0043】
以上がセルフ撮影第1モードでの動作説明である。顔認識第2モードと、セルフ撮影第1モードとの主な違いは、以下の2つである。第1に、セルフ撮影第1モードは、撮影者自身が被写体であることを想定しているので、レリーズ釦の全押し後に、予め定められた期間待機する。第2に、セルフ撮影第1モードでは、液晶モニタ88の向きに応じて表示をオフさせる。次に、セルフ撮影第2モード(図7)を説明する。
【0044】
[ステップS71]撮影者は、レリーズ釦を全押しする。なお、全押しされない場合、全押しされるまで電子カメラ8は待機する。
[ステップS72]画像処理部52は、A/D変換部28から出力される最新の動画用の画像データに、前述と同様の顔認識処理を施して顔領域を検出する。MPU44は、これにより検出された顔領域の数を、被写体数としてメモリ56に記憶させる。なお、この時点では、レリーズ釦が全押しされた直後なので、撮影者は撮影位置には移動していない。従って、ここでの顔領域の数は、撮影予定の被写体数よりも、1つ(撮影者に相当)或いは2つ以上少ないと考えられる。
【0045】
また、被写体数は、前述の顔認識処理ではなく、公知のパターン認識により検出してもよい。この後のステップS73、S74の処理は、ステップ番号の違いを除いて、前述のステップS53、S54とそれぞれ同様である。
[ステップS75]画像処理部52は、A/D変換部28から出力される最新の動画用の画像データに、顔認識処理を施して顔領域を検出する。MPU44は、これにより検出された顔領域の数を、ステップS72で検出したものとは区別して、被写体数としてメモリ56に記憶させる。
【0046】
また、液晶モニタ88が被写体側を向いている場合、即ち、ステップS74の処理が行われない場合、液晶モニタ88には、顔領域の枠が被写体像に重畳表示される。なお、ステップS75、S76は繰り返しループになっているので、最も後で顔認識処理が施された画像データにおける顔領域の枠のみが表示される。また、液晶モニタ88が被写体側を向いていない場合、液晶モニタ88は以降もオフされたままとなる。
【0047】
[ステップS76]MPU44は、『ステップS75で記憶された被写体数が、ステップS72で記憶された被写体数より多いか否か』を判定する。多い場合は、撮影者が撮影位置に到達したことを意味し、ステップS77に進む。そうでない場合、MPU44は、ステップS75で画像処理部52が施した顔認識処理の結果を消去し、ステップS75で記憶された被写体数をメモリ56から消去する。この後、ステップS75に戻る。なお、ステップS72で記憶された被写体数は消去しない。
【0048】
[ステップS77]MPU44は、ステップS75で検出された顔領域の位置、サイズ、個数を、メモリ56に記憶させる。また、液晶モニタ88が被写体側を向いている場合、それまで表示されていた顔の枠(図8(a)参照)に加えて、新たに加わった顔の枠(図8(b)参照、通常は撮影者の顔と考えられる)も表示される。この後のステップS78〜S80の処理は、ステップ番号の違いを除いて、前述のステップS57〜S59とそれぞれ同様である。
【0049】
[ステップS81]MPU44は、メモリ56に記憶されている顔領域の位置、サイズ、個数を全て消去する。そして、画像処理部52は、A/D変換部28から出力される最新の動画用の画像データに、顔認識処理を施して顔領域を検出する。MPU44は、検出された顔領域の位置、サイズ、数をメモリ56に記憶させる。また、液晶モニタ88が被写体側を向いている場合、MPU44は、新たに検出された顔領域の枠を液晶モニタ88に表示させる。この後、ステップS78に戻る。
【0050】
以降のステップS82〜S84の処理は、ステップ番号の違いを除いて、前述のステップS61〜S63とそれぞれ同様である。なお、ステップS83において、どの被写体の顔領域にピントを合わせるかは、ステップS20で挙げたもの以外として、最後に加わった被写体の顔領域にしてもよい。セルフ撮影第1モードとの主な違いは、セルフ撮影第2モードでは、被写体数が増えたことを確認してから、撮影することである。以上が本実施形態の電子カメラ8の動作説明である。
【0051】
<本実施形態の効果>
顔認識第1及び第2モードでは、連続的に生成される動画用の画像データに顔認識処理を施して、顔領域の位置、サイズ、個数が所定期間変わらないか否かを判定する。そして、変わらないと判定した瞬間に、自動的に撮影するか、或いは、合図を出力してレリーズ釦の全押しを撮影者に促す。ここで、顔領域の位置、サイズ、個数が所定期間変わらないことは、被写体が用意完了の状態にあることをほぼ意味する。従って、被写体が用意完了の状態にあるときに、シャッタチャンスを逃すことなく確実に撮影できる。
【0052】
セルフ撮影第1モードでは、レリーズ釦が全押しされた後、撮影者が撮影位置に移動するまでを考慮した期間、電子カメラ8は待機する。その後、上述と同様にして、顔領域の位置、サイズ、個数が所定期間変わらないと判定した瞬間に、自動的に撮影する。従って、上述と同様の効果が得られる。
セルフ撮影第2モードでは、顔認識処理により被写体数を検出し、被写体数が増えたことを検出してから自動的に撮影する。被写体数が増えたことは、撮影者が撮影位置に移動したことを意味する。従って、セルフ撮影において、撮影者に操作負担をかけることなく、撮影者が撮影位置に到達したことを自動的に確認して撮影できる。また、この場合にも、被写体が所定期間動かなかったことを確認してから撮影するので、上述と同様の効果が得られる。
【0053】
また、上記4つのモードにおいて、MPU44は、顔領域の位置、サイズ、個数が所定期間変わらないと判定した直後に、検出した顔領域にピントが合わせるように各部を制御する。このため、撮像画像は、写真の構図の上で適切な位置にピントが合ったものとなるので、失敗写真となるおそれはない。また、撮影者は、ピント合わせに際しては、上記4つのどのモードに設定されているか等を全く気にする必要がない。この結果、電子カメラの使い易さを大きく向上できる。
【0054】
さらに、セルフ撮影第1及び第2モードでは、液晶モニタ88が被写体側を向いていない場合、レリーズ釦が全押しされた後に液晶モニタ88の表示をオフする。これらのモードにおいて液晶モニタ88が被写体側を向いておらず、レリーズ釦が全押しされた後は、撮影者及び被写体は、液晶モニタ88の表示を見ることはない。従って、バッテリーが不必要に消耗することを防止できる。
【0055】
<本実施形態の補足事項>
[1]なお、本実施形態では、検出した顔領域の位置、サイズ、個数が所定期間変わらないことを確認した後に、撮影レンズ12の焦点制御を行う例を述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。焦点制御を行うタイミングは、顔領域を検出した後であればよい。例えば、顔認識第2モードでは、ステップS32、S33、S34、S35、S36のいずれかの直後に行ってもよい。そのようにすれば、本実施形態のように撮影の直前にピントを合わせる場合よりも、レリーズタイムラグを短くできる。
【0056】
[2]撮影前における動画表示用に撮像素子20等が生成した画像データから、被写体の顔領域を検出し、さらに被写体数をカウントする例を述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。撮像素子20とは別に、撮影レンズ12の像空間内の被写体像を検出するセンサを設け、このセンサの出力結果に基づいて、本実施形態と同様に被写体の顔領域を検出し、被写体数をカウントしてもよい。
【0057】
[3]撮像素子20による動画用の画像信号の出力、及び動画表示を停止して、静止画用の撮像動作を行う例を述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。静止画用の撮像動作を行わず、動画用の画像信号の出力、及び動画表示を継続して行ってもよい。その場合、動画用に連続的に生成される複数のフレーム(画像データ)から、被写体の顔領域の動き量が所定範囲内と判定したとき(ステップS19、S39、S61、S82)に撮像されたものを選択して、それを記録すればよい。
【0058】
また、例えば上記[2]で述べたように撮像素子20とは別に被写体の顔領域を検出するセンサを設ける形態では、以下のようにしてもよい。始めは、撮像素子20による動画用の撮像動作を行わずに、センサによる被写体の顔領域の検出を行う。そして、センサの出力結果から、被写体の動き量が所定範囲内と判定したときに同期して、撮像素子20による動画用の撮像動作を開始する。
【0059】
[4]被写体が人物であると仮定して、その顔領域を検出する例を述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。被写体は他の動物であってもよい。
[5]顔内の複数の特徴点を検出することで顔認識を行い、被写体と判定する例を述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。顔以外の被写体部位から、複数の特徴点を検出して、被写体と判定してもよい。
【0060】
[6]以下、請求項と本実施形態との対応関係を説明する。なお、以下に示す対応関係は、参考のために示した一解釈であり、本発明を限定するものではない。
請求項記載の撮像部は、撮影レンズ12、フォーカルプレーンシャッタ16、撮像素子20、アナログ信号処理部24、A/D変換部28、タイミングジェネレータ32、焦点制御部36と、これらに画像データを生成させるMPU44の制御機能とに対応する。また、これら各部による画像データの生成は、請求項記載の撮像動作に対応する。
【0061】
請求項記載の検出部、及び位置検出部は、画像データに顔認識処理を施して、顔領域の位置、サイズ、個数を検出する画像処理部52の機能に対応する。ここでの顔領域の位置の検出は、請求項記載の検出処理、及び位置検出処理に対応する。
請求項記載のタイミング判定部は、『顔領域の位置、サイズ、個数が所定期間変わらなかったと判定後に、自動的に撮影するか或いは確認の合図を出力させるMPU44の機能』に対応する。
【0062】
請求項記載の焦点制御部は、顔領域の位置が検出された以後に、顔領域にピントが合うように焦点制御部36指令するMPU44の機能と、焦点制御部36とに対応する。
請求項記載のカウント部は、画像データに顔認識処理を施して、顔領域の個数を検出する画像処理部52の機能に対応する。ここでの顔領域の個数の検出は、請求項記載のカウント処理に対応する。
【0063】
請求項記載の撮影指令部は、『被写体数を検出する画像処理部52及びMPU44の機能、被写体数が増えたことを検出してから撮影させるMPU44の機能』に対応する。
請求項記載の操作部材は、操作部40のレリーズ釦に対応する。
請求項記載の『操作部材への操作に依存しないタイミングで、静止画用の前記撮像動作が行われる撮影モード』は、顔認識第2モード、セルフ撮影第1モード、セルフ撮影第2モードに対応する。なお、顔認識第1モードは、『操作部材への操作に依存する(同期した)タイミングで、静止画用の撮像動作が行われる撮影モード』である。
【0064】
[7]電子カメラ8内で、図4〜7のフローチャートに示した制御を実行する例を述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。本発明は、無線、有線を含めた様々なネットワークを利用して電子カメラと接続される外部機器を用意し、外部機器の演算装置を使って図4〜7のフローチャートに示した制御を実行する電子カメラシステムにも適用できる。
【0065】
その場合、外部機器の演算装置には、上記補足事項[6]で検出部、タイミング判定部、カウント部、撮影指令部とした部分を組み込めばよい。撮像部とした部分は、電子カメラ側にあればよく、外部機器の演算装置にはなくてもよい。そして、外部機器の演算装置は、電子カメラ側から画像データを取得して、これに基づいて被写体を検出し、電子カメラ側に撮像を指令すればよい。或いは、上記補足事項[2]で述べたように、電子カメラの撮影レンズの像空間内の被写体像を検出するセンサを外部機器に設け、外部機器の演算装置は、このセンサの出力結果に基づいて被写体を検出し、電子カメラ側に撮像を指令してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
以上詳述したように本発明は、電子カメラ、及び電子カメラシステムの分野において大いに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本実施形態の電子カメラのブロック図である。
【図2】本実施形態の電子カメラの外観図である。
【図3】本実施形態の電子カメラの動作の全体を示すフローチャートである。
【図4】図3のステップS3において、顔認識第1モードに設定された場合の動作を示すフローチャートである。
【図5】図3のステップS3において、顔認識第2モードに設定された場合の動作を示すフローチャートである。
【図6】図3のステップS3において、セルフ撮影第1モードに設定された場合の動作を示すフローチャートである。
【図7】図3のステップS3において、セルフ撮影第2モードに設定された場合の動作を示すフローチャートである。
【図8】液晶モニタにおける顔領域の枠の表示例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0068】
8 電子カメラ
12 撮影レンズ
16 フォーカルプレーンシャッタ
20 撮像素子
24 アナログ信号処理部
28 A/D変換部
32 タイミングジェネレータ
36 焦点制御部
38 合図出力部
40 操作部
44 MPU
48 システムバス
52 画像処理部
56 メモリ
64 カードインターフェース
68 メモリカード
72 USB
76 USBインターフェース
80 モニタ向き検出部
84 モニタ制御部
88 液晶モニタ
92 レンズ側ボディ
94 モニタ側ボディ
96 回転軸機構
98 操作用釦群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像して画像データを生成する撮像動作を行う撮像部と、
前記被写体の顔領域の位置を検出する検出処理を行う検出部と、
前記検出処理を繰り返し行わせ、前に検出された前記顔領域の位置との比較に基づいて、前記顔領域の位置の動き量が所定範囲内か否かを前記検出処理の都度判定し、所定の期間または所定の比較回数において前記所定範囲内と判定した場合に、前記撮像部に前記撮像動作を指令するタイミング判定部と
を備えたことを特徴とする電子カメラ。
【請求項2】
請求項1に記載の電子カメラにおいて、
前記検出部が前記顔領域の位置を検出した以後、前記タイミング判定部が前記指令を行う前に、検出された前記顔領域に撮影レンズのピントを合わせる焦点制御部を備えた
ことを特徴とする電子カメラ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電子カメラにおいて、
前記タイミング判定部は、前記検出処理を繰り返し行わせる際に、前記撮像動作も繰り返し行わせ、
前記検出部は、前記撮像部が生成した前記画像データを用いて、前記顔領域の位置を検出する
ことを特徴とする電子カメラ。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子カメラにおいて、
撮影者の操作を受けたときに同期して、前記撮像部に静止画用の前記撮像動作を指令する操作部材を有し、
前記検出部及び前記タイミング判定部の処理は、『前記操作部材への操作に依存しないタイミングで、静止画用の前記撮像動作が行われる撮影モード』に電子カメラが設定されている場合に行われる
ことを特徴とする電子カメラ。
【請求項5】
被写体を撮像して画像データを生成する撮像動作を行う撮像部と、
各々の前記被写体を検出することによって前記被写体の数を数えるカウント処理を行うカウント部と、
前記カウント処理を繰り返し行わせ、前記被写体の数が増加したか否かを前記カウント処理の都度判定し、増加したと判定した以後に、前記撮像部に前記撮像動作を指令する撮影指令部と
を備えたことを特徴とする電子カメラ。
【請求項6】
請求項5に記載の電子カメラにおいて、
前記撮影指令部が増加したと判定した以後に、前記被写体の顔領域の位置を検出する位置検出処理を行う位置検出部を備え、
前記撮影指令部は、増加したと判定した以後に、前記位置検出処理を繰り返し行わせ、前に検出された前記顔領域の位置との比較に基づいて、前記顔領域の位置の動き量が所定範囲内か否かを前記位置検出処理の都度判定し、所定の期間または所定の比較回数において前記所定範囲内と判定した場合に、前記指令を行う
ことを特徴とする電子カメラ。
【請求項7】
請求項6に記載の電子カメラにおいて、
前記位置検出部が前記顔領域の位置を検出した以後、前記撮影指令部が前記指令を行う前に、検出された前記顔領域に撮影レンズのピントを合わせる焦点制御部を備えた
ことを特徴とする電子カメラ。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の電子カメラにおいて、
前記撮影指令部は、前記位置検出処理を繰り返し行わせる際に、前記撮像動作も繰り返し行わせ、
前記位置検出部は、前記撮像部が生成した前記画像データを用いて、前記顔領域の位置を検出する
ことを特徴とする電子カメラ。
【請求項9】
請求項5〜請求項8のいずれか1項に記載の電子カメラにおいて、
撮影者の操作を受けたときに同期して、前記撮像部に静止画用の前記撮像動作を指令する操作部材を有し、
前記カウント部及び前記撮影指令部の処理は、『前記操作部材への操作に依存しないタイミングで、静止画用の前記撮像動作が行われる撮影モード』に電子カメラが設定されている場合に行われる
ことを特徴とする電子カメラ。
【請求項10】
電子カメラが被写体を撮像するタイミングを制御可能な電子カメラシステムであって、
前記被写体の顔領域の位置を検出する検出処理を行う検出部と、
前記検出処理を繰り返し行わせ、前に検出された前記顔領域の位置との比較に基づいて、前記顔領域の位置の動き量が所定範囲内か否かを前記検出処理の都度判定し、所定の期間または所定の比較回数において前記所定範囲内と判定した場合に、前記電子カメラに前記撮像を指令するタイミング判定部と
を備えたことを特徴とする電子カメラシステム。
【請求項11】
電子カメラが被写体を撮像するタイミングを制御可能な電子カメラシステムであって、
各々の前記被写体を検出することによって前記被写体の数を数えるカウント処理を行うカウント部と、
前記カウント処理を繰り返し行わせ、前記被写体の数が増加したか否かを前記カウント処理の都度判定し、増加したと判定した以後に、前記電子カメラに前記撮像を指令する撮影指令部と
を備えたことを特徴とする電子カメラシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−5662(P2006−5662A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−179983(P2004−179983)
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】