説明

電子ジャーナル管理装置及びそのプログラム

【課題】管理者の手間を掛けることなく同日の電子ジャーナルファイルを1つの記憶媒体にまとめて保存可能とする。
【解決手段】サーバは、蓄積部に蓄積され記憶媒体に書き込まれていない電子ジャーナルファイルに対し、日付毎に同日の電子ジャーナルファイルの総データ容量を算出する。そして、総データ容量と書込部でデータが書き込まれる記憶媒体の空き容量とを総データ容量の日付の古い順に比較する。比較の結果、記憶媒体の空き容量が総データ容量に対して不足するまで、書込部を制御して、日付の古い順に同日の電子ジャーナルファイルを記憶媒体に書き込ませる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、各店舗で作成される電子ジャーナルファイルを収集し管理する電子ジャーナル管理装置及びコンピュータを当該電子ジャーナル管理装置として機能させるための電子ジャーナル管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
各店舗と、各店舗を統括する本部とからなるチェーンストアでは、各店舗に設置されるPOS端末と、本部に設置されるサーバ用コンピュータとを、インターネット等のネットワークを介して接続している。そして、各店舗のPOS端末は、1日の売上を締める精算業務毎に、その日分の取引情報をまとめた電子ジャーナルファイルを作成し、前記ネットワークを通じて本部のサーバ用コンピュータに送信する。前記サーバ用コンピュータは、各店舗から収集した日別の電子ジャーナルファイルを、内蔵のハードディスクに蓄積して保存する。
【0003】
このような電子ジャーナルファイルのデータは、電子帳簿等保存法により7年間の保管が義務付けられている。しかしながら、ハードディスクには記憶容量に限度があり、その容量を超えてデータを保存することはできない。このため、本部の管理者は、ハードディスクの空き容量が少なくなると、そのハードディスクに保存された各電子ジャーナルファイルを光ディスク等の記憶媒体にコピーし、コピー済の電子ジャーナルファイルをハードディスクから削除して、ハードディスクの空き容量を確保していた。
【0004】
一方、記憶容量に限度があるのは光ディスク等の記憶媒体も同様である。そこで管理者は、記憶媒体の容量がフルになった場合には記憶媒体を交換する。ただし、各店舗から収集した同日の電子ジャーナルファイルは、1つの記憶媒体にまとめて保存されることが管理上好ましい。このため、同日の電子ジャーナルファイルを記憶媒体にコピーしている途中でその記憶媒体の容量がフルになった場合、各店舗から収集した同日の電子ジャーナルファイルが1つの記憶媒体にまとめて保存されるように、管理者は、コピー作業を初めからやり直さなければならなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4448270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、管理者の手間を掛けることなく同日の電子ジャーナルファイルを1つの記憶媒体にまとめて保存できる電子ジャーナル管理装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態において、電子ジャーナル装置は、蓄積部と、書込部と、算出手段と、比較手段と、制御手段とを備える。蓄積部は、各店舗からネットワークを通じて収集した日別の電子ジャーナルファイルを蓄積する。書込部は、電子ジャーナルファイルを保存するための記憶媒体にデータを書き込む。算出手段は、蓄積部に蓄積され記憶媒体に書き込まれていない電子ジャーナルファイルに対し、日付毎に同日の電子ジャーナルファイルの総データ容量を算出する。比較手段は、算出手段により日付毎に算出される総データ容量と書込部でデータが書き込まれる記憶媒体の空き容量とを総データ容量の日付の古い順に比較する。制御手段は、比較手段による比較の結果、記憶媒体の空き容量が総データ容量に対して不足するまで、書込部を制御して、日付の古い順に同日の電子ジャーナルファイルを記憶媒体に書き込ませる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態におけるシステム構成図。
【図2】同実施形態における電子ジャーナルファイルのデータ構造を示す模式図。
【図3】同実施形態におけるジャーナル管理サーバの要部構成を示すブロック図。
【図4】同実施形態において、ジャーナル管理サーバが有する記憶媒体管理テーブルの領域構成を示す模式図。
【図5】同実施形態において、ジャーナル管理サーバで作成されるジャーナル管理テーブルの領域構成を示す模式図。
【図6】同実施形態において、ジャーナル管理サーバのCPUが実行するタイマ割込処理の手順を示す流れ図。
【図7】図6におけるステップST6のジャーナル保存処理の具体的な手順を示す流れ図。
【図8】図7のステップST20において、“NO”と判断された後の手順を示す流れ図。
【図9】同実施形態において、ジャーナル管理サーバのCPUが実行する媒体監視処理の手順を示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、管理者の手間を掛けることなく同日の電子ジャーナルファイルを1つの記憶媒体にまとめて保存できる電子ジャーナル管理装置の一実施形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
図1は、本実施形態のシステム構成図である。電子ジャーナル管理装置として機能するジャーナル管理サーバ1に対し、複数のPOS端末2が、インターネット等のネットワーク3を介して接続されている。
【0011】
各POS端末2は、それぞれ異なる店舗に構築されるPOSシステムに組み込まれている。各POS端末2は、1日の売上を締める精算業務毎に、その日分の取引情報をまとめた電子ジャーナルファイル4を作成する。そして、この電子ジャーナルファイル4を、ネットワーク3を通じてジャーナル管理サーバ1に送信する。
【0012】
電子ジャーナルファイル4は、図2に示すように、取引情報であるジャーナルデータ41に、その取引が行われた年月日の日付情報42と、当該ファイル4を作成したPOS端末2の設置店舗を識別するための店舗コード43と、そのPOS端末固有のIDである端末番号44とを付加して構成される。
【0013】
ジャーナル管理サーバ1は、例えば各店舗を統括する本部に設置されたサーバ用コンピュータである。ジャーナル管理サーバ1は、各POS端末2からネットワーク3を介して収集した日別の電子ジャーナルファイル4を蓄積するための蓄積部として、HDD(Hard Disk Drive)装置5を内蔵する。また、ジャーナル管理サーバ1は、電子ジャーナルファイル4を保存するための記憶媒体6にデータを書き込む書込部として、外部記憶装置7を備える。記憶媒体6としては、例えばDVD−RAM、DVD−R,DVD−RW等の光ディスクメディアが好ましい。記憶媒体6が光ディスクメディアの場合、外部記憶装置7は、例えばDVDマルチレコーダである。外部記憶装置7は、ジャーナル管理サーバ1に内蔵されていてもよいし、外付けされていてもよい。
【0014】
図3は、ジャーナル管理サーバ1の要部構成を示すブロック図である。ジャーナル管理サーバ1は、制御部本体としてCPU(Central Processing Unit)11を搭載する。そして、このCPU11に、アドレスバス,データバス等のバスライン12を介して、主記憶部としてのROM(Read Only Memory)13及びRAM(Random Access Memory)14と、日時を計時するための時計部15と、前記ネットワーク3に接続される通信インターフェース16と、前記HDD装置5に対するデータの書き込み及び読み出しを制御するHDDコントローラ17と、データの入出力を制御するI/O(Input/Output)コントローラ18とを接続している。I/Oコントローラ18には、前記外部記憶装置7の他、キーボード21、マウス22、ディスプレイ23等の入出力デバイスが接続されている。
【0015】
かかる構成のジャーナル管理サーバ1は、図4に示す領域構成の記憶媒体管理テーブル8を備える。この記憶媒体管理テーブル8には、外部記憶装置7がアクセスした全ての記憶媒体6の情報が蓄積される。すなわち記憶媒体管理テーブル8は、各記憶媒体6に対して予め設定される媒体固有のIDに対応して、その記憶媒体6の残容量、記録開始日、記録終了日、記録開始フラグF1及び書込み禁止フラグF2を記憶するための領域を有する。記録開始フラグF1は、初期値が“0”であり、対応する記憶媒体6に最初にデータが書き込まれたとき“1”にセットされる。書込み禁止フラグF2は、初期値が“0”であり、対応する記憶媒体6への書き込みが禁止されると“1”にセットされる。記憶媒体管理テーブル8は、HDD装置5に保存されている。
【0016】
また、ジャーナル管理サーバ1は、図5に示す領域構成のジャーナル管理テーブル9を日々作成する。ジャーナル管理テーブル9には、同日に各店舗のPOS端末2から収集した電子ジャーナルファイル4の管理データが蓄積される。すなわちジャーナル管理テーブル9は、電子ジャーナルファイル4に付加された店舗コード及び端末番号と当該電子ジャーナルファイル4のデータ容量とを含む管理データを一連の番号順に記憶するための領域と、当該ファイル4の日付情報と、書込完了フラグF3とを記憶するための領域を有する。書込完了フラグF3は、初期値が“0”であり、当該テーブル9で管理される同日の電子ジャーナルファイル4が全て記憶媒体6に書き込まれると“1”にセットされる。日別の各ジャーナル管理テーブル9は、HDD装置5に保存されている。
【0017】
しかして、ジャーナル管理サーバ1のCPU11は、時計部15にて計時される時刻が例えば1分を経過する毎に発生するタイマ割込信号に応答して、図6の流れ図に示す手順のタイマ割込処理を開始する。
【0018】
すなわちCPU11は、時計部15から現時刻を取得する(ST1)。そしてCPU11は、この現時刻が予め設定された閉店処理時刻に達したか否かを判断する(ST2)。閉店処理時刻は、各店舗の1営業日の終業時刻よりも後の任意の時刻である。各店舗では、この閉店処理時刻よりも前にその日の売上を締める精算業務が実行される。
現時刻が閉店処理時刻に達していない場合(ST2のNO)、タイマ割込処理が終了する。
【0019】
現時刻が閉店処理時刻に達すると(ST2のYES)、CPU11は、閉店処理を実行する(ST3)。この閉店処理では、例えば各店舗の精算業務で締められた1日分の売上データが集計される。
【0020】
閉店処理が終了すると、CPU11は、日数カウンタdを“1”だけカウントアップする(ST4)。そして、日数カウンタdが予め設定された日数Dに達したか否かを判断する(ST5)。日数Dは、後述するジャーナル保存処理を実行する間隔であり、例えばジャーナル保存処理を1週間毎に実行する仕様であれば、日数Dは“7”となる。
日数カウンタdが日数Dに達していない場合(ST5のNO)、タイマ割込処理が終了する。
【0021】
日数カウンタdが日数Dに達すると(ST5のYES)、CPU11は、ジャーナル保存処理を実行する(ST6)。その後、CPU11は、日数カウンタdを“0”にリセットする(ST7)。以上で、タイマ割込処理が終了する。
このようなタイマ割込処理の手順は、プログラム記憶部であるROM13に記憶された電子ジャーナル管理プログラムに従ったものである。
【0022】
図7及び図8は、前記ステップST6のジャーナル保存処理の手順を具体的に示す流れ図である。すなわちジャーナル保存処理に入ると、CPU11は、先ず、各ジャーナル管理テーブル9をチェックする(ST11)。そして、記憶媒体6への書き込みが完了していない電子ジャーナルファイル4を管理するジャーナル管理テーブル9の有無を判断する(ST12)。
【0023】
1つのジャーナル管理テーブル9で管理される同日の電子ジャーナルファイル4が全て記憶媒体6に書き込まれると(コピーされると)、このジャーナル管理テーブル9の書込完了フラグF3が“1”にセットされる。換言すれば、書込完了フラグF3が“1”にセットされていないジャーナル管理テーブル9で管理される同日の電子ジャーナルファイル4は、記憶媒体6への書き込みが完了していない。
【0024】
書込完了フラグF3が“1”にセットされていないジャーナル管理テーブル9を検出すると(ST12のYES)、CPU11は、この書込完了フラグF3が“1”にセットされていないジャーナル管理テーブル9の中で最も古い日付を、日付メモリAの初期値とする(ST13)。
【0025】
一方、ジャーナル管理テーブル9の書込完了フラグF3が全て“1”にセットされていた場合には(ST12のNO)、CPU11は、現在の日付から日数Dを減じた日付、つまり現在の日付から日数Dだけ遡った日付を、日付メモリAの初期値とする(ST14)。
【0026】
日付メモリAの初期値が決まると、CPU11は、この日付メモリAの日付が日付領域にセットされたジャーナル管理テーブル(以下、日付Aのジャーナル管理テーブルと称する)9をRAM14上に作成する(ST15)。このとき、日付Aのジャーナル管理テーブル9の書込完了フラグF3は“0”にリセットされている。
【0027】
次に、CPU11は、HDD装置5に蓄積されている各電子ジャーナルファイル4を検索する(ST16)。そして、日付情報42が日付メモリAの日付と一致する電子ジャーナルファイル(以下、日付Aの電子ジャーナルファイルと称する)4の有無を判定する(ST17)。
【0028】
日付Aの電子ジャーナルファイル4が検出されると(ST17のYES)、CPU11は、この日付Aの電子ジャーナルファイル4から店舗コード43と端末番号44とを取得する。また、この日付Aの電子ジャーナルファイル4のデータ容量を取得する。そして、日付Aのジャーナル管理テーブル9の空いている管理データ領域に、今回取得した店舗コード43、端末番号44及びデータ容量を、一連の番号を付して記録する(ST18)。
【0029】
CPU11は、HDD装置5から日付Aの電子ジャーナルファイル4を検出する毎に(ST17のYES)、ステップST18の処理を実行する。
【0030】
日付Aの電子ジャーナルファイル4を全て検出し終えると(ST17のNO)、CPU11は、日付Aのジャーナル管理テーブル9に記録されたデータ容量を合算して、日付Aの電子ジャーナルファイル4の総データ容量Mを算出する(ST19:算出手段)。そしてCPU11は、この総データ容量Mと、現時点で外部記憶装置7に装着されている記憶媒体6の空き容量とを比較する(ST20:比較手段)。
【0031】
記憶媒体6の空き容量は、記憶媒体管理テーブル8において、書込み禁止フラグF2が“1”にセットされていない最新レコードの残容量である。なお、書込み禁止フラグF2が“1”にセットされていないレコードが記憶媒体管理テーブル8に1つも存在しない場合、CPU11は、空き容量が“0”と認識する。
【0032】
総データ容量Mが空き容量以下の場合(ST20のYES)、CPU11は、記憶媒体管理テーブル8において、書込み禁止フラグF2が“1”にセットされていない最新レコードの記録開始フラグF1をチェックする(ST21)。
【0033】
ここで、記録開始フラグF1が“0”にリセットされていた場合には(ST21のNO)、CPU11は、日付メモリAの日付を当該最新レコードの記録開始日エリアにセットする(ST22)。また、当該最新レコードの記録開始フラグF1を“1”にセットする(ST23)。記録開始フラグF1が既に“1”にセットされていた場合には、上記ステップST22,ST23の処理を実行しない。
【0034】
しかる後、CPU11は、日付Aのジャーナル管理テーブル9に記録された店舗コードと端末番号とから特定される日付Aの電子ジャーナルファイル4を全てHDD装置5から読み出す。そして、外部記憶装置7を動作させて、この読み出した電子ジャーナルファイル4を記憶媒体6に書き込み、保存する(ST24:制御手段)。
【0035】
日付Aの電子ジャーナルファイル4の記憶媒体6への保存が完了すると、CPU11は、日付Aのジャーナル管理テーブル9の書込完了フラグF3を“1”にセットして、HDD装置5に保存する(ST25)。またCPU11は、書込み禁止フラグF2が“1”にセットされていない最新レコードの残容量から前記総データ容量Mを減算して、残容量を更新する(ST26)。
【0036】
しかる後、CPU11は、日付メモリAの日付を1日後に更新する(ST27)。そして、更新後の日付Aが現日付と一致するか否かを判断する(ST28)。更新後の日付Aが現日付と一致しない場合(ST28のNO)、CPU11は、ステップST15の処理に戻る。すなわち、日付Aのジャーナル管理テーブル9をRAM14上に作成する。以後、前記ステップST16以降の処理を再度実行する。
【0037】
ステップST28の処理において、更新後の日付Aが現日付と一致すると(ST28のYES)、ジャーナル保存処理が終了する。
【0038】
一方、ステップST20の処理において、総データ容量Mに対して空き容量の方が小さい場合(ST20のNO)、CPU11は、記憶媒体管理テーブル8において、書込み禁止フラグF2が“1”にセットされていない最新レコードの記録開始日エリアに、日付メモリAの日付より1日前の日付をセットする(ST31)。また、この最新レコードの書込み禁止フラグF2を“1”にセットする(ST32:書込禁止手段)。
【0039】
しかる後、CPU11は,メールソフトを起動して、記憶媒体の交換を要求する文面の電子メールを作成する(ST33)。そしてCPU11は、この電子メールを、予め設定された管理者のメールアドレス宛にネットワーク3を経由して送信する(ST34:報知手段)。以上で、ジャーナル保存処理が終了する。
【0040】
また、CPU11は、前記タイマ割込処理とは非同期に、図9の流れ図に示す手順の媒体監視処理を周期的に実行する。
媒体監視処理が開始されると、CPU11は、外部記憶装置7に記憶媒体6が装着されているか否かを判断する(ST41)。記憶媒体6が装着されていない場合(ST41のNO)、媒体監視処理は正常終了する。
【0041】
外部記憶装置7に記憶媒体6が装着されていると(ST41のYES)、CPU11は,その記憶媒体6から媒体IDを取得する(ST42)。そして、記憶媒体管理テーブル8を検索して、取得した媒体IDが当該テーブル8に未登録の新規IDか否かを判断する(ST43)。
【0042】
ここで、取得した媒体IDが新規IDでない場合(ST43のNO)、CPU11は、取得した媒体IDが記憶媒体管理テーブル8における最新レコードの媒体IDと一致するか否かを判断する(ST44)。取得した媒体IDが最新レコードの媒体IDと一致する場合(ST44のYES)、外部記憶装置7に装着されている記憶媒体6は交換されていない。この場合、媒体監視処理は正常終了する。
【0043】
これに対し、取得した媒体IDが最新レコードの媒体IDと一致しない場合、つまり古いレコードの媒体IDと一致する場合には(ST44のNO)、外部記憶装置7に装着された記憶媒体6は過去に使用したものである。この場合、媒体監視処理はエラー終了する(ST45)。
【0044】
媒体監視処理がエラー終了すると、前述したタイマ割込処理は実行されない。このエラー状態は、新規の媒体IDを有する記憶媒体6または最新レコードの媒体IDを有する記憶媒体6が外部記憶装置7に装着されると、その後の媒体監視処理によって解除される。
【0045】
ステップST43の処理において、取得した媒体IDが新規IDである場合(ST43のYES)、CPU11は、外部記憶装置7によるデータ書き込み対象の記憶媒体6が新規IDを有するものに交換されたことを検知する(交換検知手段)。そしてCPU11は、この新規の媒体IDを有する記憶媒体6から記憶容量(空き容量)を取得する。そして、この媒体IDと記憶容量とを含む新規のレコードを記憶媒体管理テーブル8に追加する(ST46)。なお、この新規のレコードの記録開始日,記録終了日,記録開始フラグF1及び書込み禁止フラグF2は、いずれも初期値の“0”である。
【0046】
しかる後、CPU11は、各ジャーナル管理テーブル9をチェックする(ST47)。そして、記憶媒体6への書き込みが完了していない電子ジャーナルファイル4を管理するジャーナル管理テーブル9の有無を判断する(ST48)。その結果、ジャーナル管理テーブル9の書込完了フラグF3が全て“1”にセットされていた場合には(ST48のNO)、媒体監視処理が終了する。
【0047】
これに対し、書込完了フラグF3が“1”にセットされていないジャーナル管理テーブル9を検出した場合には(ST48のYES)、CPU11は,前記ステップST13の処理からジャーナル保存処理を開始する。
このような媒体監視処理の手順も、前記電子ジャーナル管理プログラムに従ったものである。
【0048】
以上、説明したように、電子ジャーナル管理プログラムに従って動作するCPU11を搭載したジャーナル管理サーバ1においては、日数Dが経過する毎に自動的に前記ジャーナル保存処理が実行される。そして、このジャーナル保存処理において、HDD装置5に蓄積された各電子ジャーナルファイル4の中から、日付の古い順に同日の電子ジャーナルファイル4がまとめて抽出され、外部記憶装置7によって記憶媒体6に書き込まれて保存される。
【0049】
このとき、記憶媒体6に書き込まれる前に、同日の電子ジャーナルファイル4の総データ容量Mと記憶媒体6の空き容量とが比較される。そして、総データ容量Mが空き容量以下であれば、同日の電子ジャーナルファイル4がまとめて記憶媒体6に書き込まれる。
【0050】
これに対し、総データ容量Mに対して空き容量が不足している場合には、記憶媒体6への書き込みが実行されない。そして、記憶媒体管理テーブル8の当該記憶媒体6に対応したレコードの書込み禁止フラグF2が“1”にセットされる。したがって、以後、当該記憶媒体6への電子ジャーナルファイル4の書き込みが禁止される。このため、たとえ別の日付の電子ジャーナルファイル4の総データ容量Mが空き容量以下であったとしても、この電子ジャーナルファイル4のデータが当該記憶媒体6に追加記録されることはない。
【0051】
また、ジャーナル管理サーバ1においては、記憶媒体の交換を要求する文面の電子メールが作成される。そして、この電子メールが予め設定された管理者のメールアドレス宛に送信される。したがって、このメールを受け取った管理者は、記憶媒体6の交換が必要であることを迅速に把握することができる。
【0052】
管理者が記憶媒体6を新規のものに交換すると、ジャーナル管理サーバ1においては、ジャーナル保存処理のステップST13以降の処理が実行される。これにより、HDD装置5に蓄積された電子ジャーナルファイル4のうち記憶媒体6にコピーされていない電子ジャーナルファイル4が、日付の古い順に新規の記憶媒体6に自動的に書き込まれて保存される。
【0053】
このように本実施形態のジャーナル管理サーバ1によれば、管理者の手間を掛けることなく同日の電子ジャーナルファイル4を1つの記憶媒体6にまとめて保存することができる。
【0054】
なお、前記実施形態では、ジャーナル保存処理のステップST20の処理において、記憶媒体6の空き容量が総データ容量Mに対して不足しているとき、媒体交換要求メールを送信することで、記憶媒体6の交換を報知したが、報知の方法は電子メールに限定されるものではない。例えば、ディスプレイ23に交換を要求するメッセージを表示させてもよい。
【0055】
また、前記実施形態は、サーバ内部のプログラム記憶部であるROM13に発明の機能を実現させる電子ジャーナル管理プログラムが予め記録されているものとした。しかしこれに限らず、同様のプログラムがネットワーク3からサーバ1にダウンロードされてもよい。あるいは、記録媒体に記録された同様のプログラムが、サーバ1にインストールされてもよい。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつサーバ1が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0056】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
1…ジャーナル管理サーバ、2…POS端末、3…ネットワーク、4…電子ジャーナルファイル、5…HDD装置、6…記憶媒体、7…外部記憶装置、8…記憶媒体管理テーブル、9…ジャーナル管理テーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各店舗で作成される1日分の取引情報をまとめた電子ジャーナルファイルを、ネットワークを通じて収集し管理する電子ジャーナル管理装置において、
各店舗から収集した日別の前記電子ジャーナルファイルを蓄積する蓄積部と、
前記電子ジャーナルファイルを保存するための記憶媒体にデータを書き込む書込部と、
前記蓄積部に蓄積され前記記憶媒体に書き込まれていない前記電子ジャーナルファイルに対し、日付毎に同日の前記電子ジャーナルファイルの総データ容量を算出する算出手段と、
この算出手段により日付毎に算出される前記総データ容量と前記書込部でデータが書き込まれる前記記憶媒体の空き容量とを前記総データ容量の日付の古い順に比較する比較手段と、
この比較手段による比較の結果、前記記憶媒体の空き容量が前記総データ容量に対して不足するまで、前記書込部を制御して、日付の古い順に同日の前記電子ジャーナルファイルを前記記憶媒体に書き込ませる制御手段と、
を具備したことを特徴とする電子ジャーナル管理装置。
【請求項2】
前記比較手段による比較の結果、前記記憶媒体の空き容量が前記総データ容量に対して不足すると、前記記憶媒体への書き込みを禁止する書込禁止手段、
をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の電子ジャーナル管理装置。
【請求項3】
前記比較手段による比較の結果、前記記憶媒体の空き容量が前記総データ容量に対して不足すると、前記記憶媒体の交換を報知する報知手段、
をさらに具備したことを特徴とする請求項1または2記載の電子ジャーナル管理装置。
【請求項4】
前記報知手段は、前記記憶媒体の交換を要求する電子メールを送信することを特徴とする請求項3記載の電子ジャーナル管理装置。
【請求項5】
前記書込部によるデータ書き込み対象の前記記憶媒体が交換されたことを検知する交換検知手段、をさらに具備し、
この交換検知手段により前記記憶媒体の交換が検知されると、前記算出手段、前記比較手段及び前記制御手段を動作させることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1記載の電子ジャーナル管理装置。
【請求項6】
各店舗で作成される1日分の取引情報をまとめた電子ジャーナルファイルを、ネットワークを通じて収集し管理するコンピュータに、
各店舗から収集した日別の前記電子ジャーナルファイルを蓄積する蓄積部に蓄積され前記電子ジャーナルファイルを保存するための記憶媒体に書き込まれていない前記電子ジャーナルファイルに対し、日付毎に同日の前記電子ジャーナルファイルの総データ容量を算出する算出機能と、
日付毎に算出される前記総データ容量と前記書込部でデータが書き込まれる前記記憶媒体の空き容量とを前記総データ容量の日付の古い順に比較する比較機能と、
比較の結果、前記記憶媒体の空き容量が前記総データ容量に対して不足するまで、前記記憶媒体にデータを書き込むための書込部を制御して、日付の古い順に同日の前記電子ジャーナルファイルを前記記憶媒体に書き込ませる制御機能と、
を実現させるための電子ジャーナル管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−45148(P2013−45148A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180487(P2011−180487)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】