電子ペーパー用カラーフィルタ部材、電子ペーパー、およびそれらの製造方法
【課題】本発明は、電子ペーパーに用いた際に、良好なカラー表示特性を得ることができる電子ペーパー用カラーフィルタ部材を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明においては、少なくとも一方が透明である対向する2枚の基板間に表示媒体層が配置されており、上記表示媒体層が所定の情報を表示する電子ペーパーに用いられる電子ペーパー用カラーフィルタ部材であって、カラーフィルタ基材と、上記カラーフィルタ基材の一方の表面側に形成され、複数の着色層を備えるカラーフィルタ層と、上記カラーフィルタ基材の上記カラーフィルタ層が形成されていない表面側の最表面に配置された光学機能層または表面保護層とを有することを特徴とする電子ペーパー用カラーフィルタ部材を提供することにより、上記課題を解決する。
【解決手段】本発明においては、少なくとも一方が透明である対向する2枚の基板間に表示媒体層が配置されており、上記表示媒体層が所定の情報を表示する電子ペーパーに用いられる電子ペーパー用カラーフィルタ部材であって、カラーフィルタ基材と、上記カラーフィルタ基材の一方の表面側に形成され、複数の着色層を備えるカラーフィルタ層と、上記カラーフィルタ基材の上記カラーフィルタ層が形成されていない表面側の最表面に配置された光学機能層または表面保護層とを有することを特徴とする電子ペーパー用カラーフィルタ部材を提供することにより、上記課題を解決する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペーパーに用いた際に、良好なカラー表示特性を得ることが可能な電子ペーパー用カラーフィルタ部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子ペーパーと呼ばれる情報媒体の研究がなされている。この媒体は、対向する基板間にマイクロカプセル等の表示媒体を封入し、電気的に表示の切り替えを行うものであり、低消費電力、曲げ可能なフレキシブル性、薄く軽いなどの優れた特性に加えて、書き換え可能という際立った特長を有し、実用化段階に入りつつある。
【0003】
上述した電子ペーパーでカラー表示を行う手段として、表示媒体自身を着色する方法が提案されている。しかしながら、この方法では、表示媒体粒子を均一に分散させ、安定して駆動させることが難しく、実用化には至っていない。
【0004】
一方、別の手段として、液晶ディスプレイと同様にカラーフィルタを用いる方法が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。しかしながら、良好なカラー表示特性を得るための電子ペーパー全体の適切な層構成については言及されておらず、良好なカラー表示特性を得るための電子ペーパー用カラーフィルタ部材の設計についても明確ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−280044号公報
【特許文献2】特表2010−503895号公報
【特許文献3】特開2010−44337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、電子ペーパーに用いた際に、良好なカラー表示特性を得ることができる電子ペーパー用カラーフィルタ部材を提供することを主目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも一方が透明である対向する2枚の基板間に表示媒体層が配置されており、上記表示媒体層が所定の情報を表示する電子ペーパーに用いられる電子ペーパー用カラーフィルタ部材であって、カラーフィルタ基材と、上記カラーフィルタ基材の一方の表面側に形成され、複数の着色層を備えるカラーフィルタ層と、上記カラーフィルタ基材の上記カラーフィルタ層が形成されていない表面側の最表面に配置された光学機能層または表面保護層とを有することを特徴とする電子ペーパー用カラーフィルタ部材を提供する。
【0008】
本発明によれば、光学機能層を有する電子ペーパー用カラーフィルタ部材であるため、電子ペーパーに用いた場合に、電子ペーパーの視認性を向上させることができ、カラー表示特性に優れた電子ペーパーを得ることができる。また、本発明によれば、表面保護層を有する電子ペーパー用カラーフィルタ部材であるため、電子ペーパーに用いた場合に、電子ペーパー表面の傷および汚れを防止することができ、カラー表示特性に優れた電子ペーパーを得ることができる。
【0009】
上記発明においては、上記光学機能層が、防眩層または反射防止層のいずれかであり、上記表面保護層が、ハードコート層または防汚層のいずれかであることが好ましい。
【0010】
上記発明においては、タッチパネル層が、上記カラーフィルタ基材と、上記光学機能層または上記表面保護層との間に配置されていてもよい。タッチパネル層を有することで、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材を電子ペーパーに用いた場合に、画面に直接触れることにより情報の入力が可能な利便性の高い電子ペーパーを得ることができる。
【0011】
上記発明においては、透明電極層が、上記カラーフィルタ基材に対して、電子ペーパーの表示部が配置される側に配置されていてもよい。
【0012】
上記発明においては、表示媒体層が、上記透明電極層に対して、電子ペーパーの対向電極基板が配置される側に配置されていてもよい。
【0013】
また、本発明は、カラーフィルタ基材、および、上記カラーフィルタ基材の一方の表面側に形成され、複数の着色層を備えるカラーフィルタ層、および、上記カラーフィルタ基材の上記カラーフィルタ層が形成されていない表面側の最表面に配置された光学機能層または表面保護層を有する電子ペーパー用カラーフィルタ部材と、透明電極層と、表示媒体層と、対向基材および上記対向基材上に形成された対向電極層を有する対向電極基板とを有する電子ペーパーであって、上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材が、上記電子ペーパーの一方の表面に配置され、上記対向電極基板が、上記電子ペーパーの他方の表面に配置され、上記透明電極層が、上記カラーフィルタ基材に対して、上記対向電極基板側に配置され、上記表示媒体層が、上記透明電極層に対して、上記対向電極基板側に配置され、上記対向電極層が、上記対向基材に対して、上記表示媒体層側に配置されていることを特徴とする電子ペーパーを提供する。
【0014】
本発明によれば、光学機能層を有する電子ペーパー用カラーフィルタ部材を用いているため、電子ペーパーの視認性を向上させることができ、カラー表示特性に優れた電子ペーパーとすることができる。また、本発明によれば、表面保護層を有する電子ペーパー用カラーフィルタ部材を用いているため、電子ペーパー表面の傷および汚れを防止することができ、カラー表示特性に優れた電子ペーパーとすることができる。また、本発明に用いられる電子ペーパー用カラーフィルタ部材は、構成層の基材の数を削減することが可能であるため、電子ペーパーを薄くすることができるとともに、界面数の減少により光学特性を向上させることができる。
【0015】
また、本発明は、カラーフィルタ基材と、上記カラーフィルタ基材の一方の表面側に形成され、複数の着色層を備えるカラーフィルタ層と、上記カラーフィルタ基材の上記カラーフィルタ層が形成されていない表面側の最表面に配置された光学機能層または表面保護層とを有する電子ペーパー用カラーフィルタ部材をロール・ツー・ロール方式により形成する電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程を有することを特徴とする電子ペーパー用カラーフィルタ部材の製造方法を提供する。
【0016】
本発明によれば、各構成層の高い位置精度が要求されない電子ペーパー用カラーフィルタ部材をロール・ツー・ロール方式により形成することで、生産性の高い電子ペーパー用カラーフィルタ部材を得ることができる。
【0017】
また、本発明は、上述した電子ペーパー用カラーフィルタ部材をロール・ツー・ロール方式により形成する電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程と、上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材に、透明電極層および表示媒体層を備える表示部を、上記表示媒体層が上記透明電極層を介して上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材の上記カラーフィルタ層側に配置されるように形成し、表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材を形成する表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程と、上記表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材と、対向基材および上記対向基材上に形成された対向電極層を有する対向電極基板とを、上記対向電極層が、上記対向基材に対して、上記表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材の上記表示媒体層側に配置されるように、シート・ツー・シート方式により真空下でアライメント貼合する貼合工程とを有することを特徴とする電子ペーパーの製造方法を提供する。
【0018】
本発明によれば、各構成層の高い位置精度が要求されない電子ペーパー用カラーフィルタ部材をロール・ツー・ロール方式により形成し、精密な位置合わせを必要とする表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材と対向電極基板との貼り合わせを、シート・ツー・シート方式を用いた真空アライメント貼合により行うことで、高精度で生産性の高い電子ペーパーを得ることができる。また、上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材を用いることで、カラー表示特性に優れた電子ペーパーを得ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明においては、電子ペーパーに用いた際に、良好なカラー表示特性を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の他の例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の他の例を示す概略断面図である。
【図4】本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の他の例を示す概略断面図である。
【図5】本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の他の例を示す概略断面図である。
【図6】本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の他の例を示す概略断面図である。
【図7】本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の他の例を示す概略断面図である。
【図8】本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の他の例を示す概略断面図である。
【図9】本発明の電子ペーパーの一例を示す概略断面図である。
【図10】本発明の電子ペーパーの他の例を示す概略断面図である。
【図11】本発明に用いられる対向電極基板の一例を示す概略断面図である。
【図12】本発明の電子ペーパーの他の例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材、電子ペーパー、電子ペーパー用カラーフィルタ部材の製造方法および電子ペーパーの製造方法について詳細に説明する。
【0022】
A.電子ペーパー用カラーフィルタ部材
まず、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材について説明する。本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材は、少なくとも一方が透明である対向する2枚の基板間に表示媒体層が配置されており、上記表示媒体層が所定の情報を表示する電子ペーパーに用いられる電子ペーパー用カラーフィルタ部材であって、カラーフィルタ基材と、上記カラーフィルタ基材の一方の表面側に形成され、複数の着色層を備えるカラーフィルタ層と、上記カラーフィルタ基材の上記カラーフィルタ層が形成されていない表面側の最表面に配置された光学機能層または表面保護層とを有することを特徴とするものである。
【0023】
本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の一例を示す概略断面図である。図1に例示する電子ペーパー用カラーフィルタ部材10は、カラーフィルタ基材1と、カラーフィルタ基材1の一方の表面側に形成され、複数の着色層(2R、2G、2B)を備えるカラーフィルタ層2と、カラーフィルタ基材1のカラーフィルタ層2が形成されていない表面側の最表面に配置された光学機能層3とを有している。図1においては、光学機能層3、カラーフィルタ基材1、カラーフィルタ層2の順に積層されており、図1に示す電子ペーパー用カラーフィルタ部材10が電子ペーパーに用いられる場合、カラーフィルタ層2側に電子ペーパーの表示部が配置される。
【0024】
図2は、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の他の例を示す概略断面図である。図2に例示する電子ペーパー用カラーフィルタ部材10は、カラーフィルタ基材1と、カラーフィルタ基材1の一方の表面側に形成され、複数の着色層(2R、2G、2B)を備えるカラーフィルタ層2と、カラーフィルタ基材1のカラーフィルタ層2が形成されていない表面側の最表面に配置された表面保護層4とを有している。図2においては、表面保護層4、カラーフィルタ基材1、カラーフィルタ層2の順に積層されており、図2に示す電子ペーパー用カラーフィルタ部材10が電子ペーパーに用いられる場合、カラーフィルタ層2側に電子ペーパーの表示部が配置される。
【0025】
本発明によれば、光学機能層を有する電子ペーパー用カラーフィルタ部材であるため、電子ペーパーに用いた場合に、電子ペーパーの視認性を向上させることができ、カラー表示特性に優れた電子ペーパーを得ることができる。また、本発明によれば、表面保護層を有する電子ペーパー用カラーフィルタ部材であるため、電子ペーパーに用いた場合に、電子ペーパー表面の傷および汚れを防止することができ、カラー表示特性に優れた電子ペーパーを得ることができる。
【0026】
以下、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材における各構成について説明する。
【0027】
1.カラーフィルタ層
本発明に用いられるカラーフィルタ層は、カラーフィルタ基材の一方の表面側に形成され、複数の着色層を備えるものである。
なお、ここで「カラーフィルタ基材の一方の表面側に形成される」とは、カラーフィルタ基材の一方の表面上に直接形成される場合だけでなく、カラーフィルタ基材の一方の表面上に他の層を介して形成される場合を含む概念である。
【0028】
上記カラーフィルタ層に含有される複数の着色層としては、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材を用いて電子ペーパーを作製した際に、所望の色を発色できるものであれば特に限定されるものではなく、一般的なカラーフィルタに用いられている各色の着色層を用いることができる。中でも、本発明においては、通常、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色からなる複数の着色層が用いられる。
【0029】
本発明に用いられる複数の着色層は、通常、複数色が規則的に配置されるようにパターン状に形成されるが、本発明に採用されるパターンとしては特に限定されるものではなく、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の用途等に応じて適宜選択することができる。このようなパターンとしては、例えば、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、および、4画素配置型等を挙げることができる。また、このとき個々の着色層の面積は特に限定されるものではなく、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材を用いて製造する電子ペーパーの解像度等に応じて適宜調整される。
【0030】
上記着色層の材料については、一般的なカラーフィルタの着色層に用いられているものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
【0031】
本発明に用いられる着色層の膜厚としては、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材を電子ペーパーに用いた場合に、良好な画像表示を行うことができれば特に限定されるものではないが、具体的には、0.5μm〜3.0μmの範囲内で設定することができる。
【0032】
また、上記着色層の形成方法としては、所望の厚みの着色層を混色無く形成することができる方法であれば、特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、フォトリソグラフィー法やインクジェット法等、一般的に公知の方法を用いることができる。
【0033】
本発明に用いられるカラーフィルタ層は、少なくとも上述した着色層を有するものであるが、必要に応じて上記着色層以外の他の構成を有するものであってもよい。このような他の構成としては特に限定されるものではなく、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の用途等に応じて、任意の機能を備えるものを用いることができる。
このような他の構成としては、画素を区画するために各着色層間に形成される遮光部等を挙げることができる。上記遮光部については、一般的なカラーフィルタに用いられているものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
【0034】
2.カラーフィルタ基材
本発明に用いられるカラーフィルタ基材は、上記カラーフィルタ層等の本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材を構成する層を支持するものである。
【0035】
このようなカラーフィルタ基材としては、所望の透明性を有するものであれば特に限定されるものではなく、一般的なカラーフィルタに用いられている透明基材と同様のものを用いることができる。中でも、本発明に用いられるカラーフィルタ基材は、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。透過率が上記範囲であることにより、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材を電子ペーパーに用いた場合に、表示輝度が低下すること等を防止することができるからである。
ここで、カラーフィルタ基材の透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
【0036】
本発明に用いられるカラーフィルタ基材は、ガラス基板等の可撓性を有さない透明なリジッド基材であってもよく、あるいは、樹脂製フィルム基材等の可撓性を有する透明なフレキシブル基材であってもよい。中でも、本発明においては、透明なフレキシブル基材を用いることが好ましい。透明なフレキシブル基材を用いることにより、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材をロール・ツー・ロール方式によって製造することが可能となるからである。上記樹脂製フィルム基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、セルローストリアセテート(CTA)、環状ポリオレフィン(COP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリサルフォン(PSF)、ポリアミドイミド(PAI)等からなるフィルムを挙げることができる。
【0037】
本発明に用いられるカラーフィルタ基材の厚みとしては、特に限定されるものではなく、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の用途等に応じて適宜調整すればよい。具体的に、カラーフィルタ基材の厚みは、10μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。カラーフィルタ基材の厚みが薄すぎると、強度に問題があるおそれがあり、カラーフィルタ基材の厚みが厚すぎると、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材が用いられた電子ペーパーを薄型の情報表示パネルとすることが困難となるおそれがあるからである。
【0038】
3.光学機能層
本発明に用いられる光学機能層は、上記カラーフィルタ基材の上記カラーフィルタ層が形成されていない表面側の最表面に配置され、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材が電子ペーパーに用いられた際に、電子ペーパーの視認性を向上させることができるものである。なお、本発明においては、光学機能層が後述する表面保護層を兼ねた層であってもよい。
【0039】
光学機能層は、単独で上記カラーフィルタ基材の上記カラーフィルタ層が形成されていない側の最表面に配置されていてもよく、また、光学機能層基材上に光学機能層が形成された光学機能層積層体として、上記カラーフィルタ基材の上記カラーフィルタ層が形成されていない側の最表面に配置されていてもよい。
本発明に用いられる光学機能層基材としては、上述したカラーフィルタ基材と同様のものを用いることができる。上記光学機能層基材の厚みとしては、光学機能層を支持することができれば特に限定されるものではないが、10μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。
また、上記光学機能層積層体は、通常、粘着材からなる粘着層を光学機能層基材側に形成して、カラーフィルタ基材に貼り合わされる。粘着材としては、所望の強度で接着させることができ、かつ、透明性を有するものであればよく、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂等を挙げることができ、中でも、アクリル系樹脂が好ましい。また、上記粘着層の膜厚としては、上記光学機能層積層体が剥離しないように貼り合わせることができれば特に限定されるものではなく、具体的には、5μm〜50μmの範囲内で設定することができる。
【0040】
本発明に用いられる光学機能層としては、例えば、防眩層、反射防止層、低反射層、のぞき見防止層等を挙げることができ、中でも、防眩層および反射防止層であることが好ましい。以下、防眩層および反射防止層について説明する。
【0041】
(1)防眩層(アンチグレア層)
本発明に用いられる防眩層は、防眩性を有するものである。防眩層は、例えば、表面に凹凸を有する、または、内部散乱性を有することにより、防眩性を発現し、明所コントラストを向上させることができる。また、防眩層を有することで、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材を電子ペーパーに用いた際に、ぎらつき等の発生を抑制することが可能である。本発明においては、公知の防眩層を用いることができる。
【0042】
防眩層の形成材料としては、表面に凹凸を有する、または、内部散乱性を有する層とすることが可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、透光性微粒子およびバインダー成分を含有するものを挙げることができる。
【0043】
透光性微粒子は、有機系、無機系のものを用いることができる。防眩層の透明性を確保する点から、有機系、特にアクリル系微粒子であることが好ましい。
アクリル系微粒子としては、特に限定されず、例えば、イソシアネート化合物、エステル系化合物、アクリル系のモノマー成分同士、またはこれらと共重合可能なモノマーとのコポリマー等を挙げることができる。
上記アクリル系のモノマー成分とこれらと共重合可能なモノマーとのコポリマーとしては、例えば、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体等を挙げることができる。
【0044】
無機系微粒子としては、不定形シリカ、無機シリカビーズ等を挙げることができる。
【0045】
透光性微粒子は、1次粒子であってもよく、2次粒子であってもよい。
【0046】
透光性微粒子は、目的に応じ、1種類だけでなく、成分が異なるものを2種類以上混合して用いることができる。好ましくは、1〜3種類用いるのが好ましい。
【0047】
透光性微粒子は、微粒子全体の80%以上(好ましくは90%以上)が、各平均粒径±300nmの範囲内にあることが好ましい。これによって、防眩層の凹凸形状の均一性を良好なものとすることができる。
【0048】
防眩層中の透光性微粒子の含有量は、防眩層の固形分全質量に対して、5質量%〜40質量%の範囲内であることが好ましく、5質量%〜20質量%の範囲内であることがより好ましい。上記含有量が上記範囲未満であると、十分な防眩性が付与できず、上記含有量が上記範囲を超えると、膜強度が落ちる場合があるからである。
【0049】
防眩層に用いられるバインダー成分は、防眩層に製膜性を付与するものである。バインダー成分としては、硬化型有機樹脂が好ましく、塗膜とした時に光が透過する透光性のものが好ましい。その具体例としては、紫外線もしくは電子線で代表される電離放射線により硬化する樹脂である電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂と溶剤乾燥型樹脂(熱可塑性樹脂など、塗工時に固形分を調整するための溶剤を乾燥させるだけで、被膜となるような樹脂)との混合物、または熱硬化型樹脂の三種類が挙げられ、好ましくは電離放射線硬化型樹脂が挙げられる。
【0050】
電離放射線硬化型樹脂の例としては、(メタ)アクリレート基等のラジカル重合性官能基を有する化合物、例えば、(メタ)アクリレート系の、単量体(モノマー)、または高分子骨格にモノマーを導入したポリマーが挙げられる。より具体的には、(メタ)アクリレート系単量体としては、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、高分子骨格にモノマーを導入したポリマーとしては、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール、フルオレン樹脂等を高分子骨格とし、この高分子骨格に(メタ)アクリレート基を導入したポリマーが挙げられる。
(メタ)アクリレート系化合物以外の例としては、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能または多官能単量体、またはビスフェノール型エポキシ化合物、ノボラック型エポキシ化合物、芳香族ビニルエーテル、脂肪族ビニルエーテル等のオリゴマーまたはプレポリマー等のカチオン重合性官能基を有する化合物が挙げられる。
【0051】
電離放射線硬化型樹脂に混合して使用される溶剤乾燥型樹脂としては、主として熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂は一般的に例示されるものが利用される。溶剤乾燥型樹脂の添加により、塗布面の塗膜欠陥を有効に防止することができる。好ましい熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、有機酸ビニルエステル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、オレフィン系樹脂(脂環式オレフィン系樹脂を含む)、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリスルホン系樹脂(例えば、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン)、ポリフェニレンエーテル系樹脂(例えば、2,6−キシレノールの重合体)、セルロース誘導体(例えば、セルロースエステル類、セルロースカーバメート類、セルロースエーテル類)、シリコーン樹脂(例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン)、ゴムまたはエラストマー(例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン等のジエン系ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム)等が好ましい。
【0052】
熱硬化型樹脂の具体例としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。熱硬化型樹脂を用いる場合、必要に応じて、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等をさらに添加して使用することができる。
【0053】
防眩層は、必要に応じて、防眩性微粒子、レベリング剤、重合開始剤、硬化剤、架橋剤、紫外線遮断剤、紫外線吸収剤等を含有していてもよい。
【0054】
防眩層は、防眩性を向上させる等の目的で、防眩性微粒子を含有していてもよい。防眩性微粒子の平均粒径は特に限定されないが、一般的には5nm〜100nmの範囲内であることが好ましい。また、防眩性微粒子の形状は、真球状、楕円状等のいずれであってもよく、好ましくは真球状のものが挙げられる。
【0055】
防眩性微粒子は、防眩性を発揮しないものであり、無機系、有機系のものが使用することができ、好ましくは透明性のものがよい。中でも、防眩層を高屈折率にする点から、無機材料が好ましく、このような粒子としては、酸化チタン、ジルコニア、酸化亜鉛、アルミナ等が挙げられる。
【0056】
防眩層は、フッ素系またはシリコーン系等のレベリング剤を含有することが好ましい。塗工安定性、滑り性、防汚染性、および耐擦傷性を付与することができるからである。
【0057】
防眩層は、例えば、防眩層形成用塗工液を塗布、乾燥、必要に応じて硬化することにより形成することができる。
【0058】
防眩層の平均膜厚は、1μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。
【0059】
(2)反射防止層(アンチリフレクション層)
本発明に用いられる反射防止層は、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材が電子ペーパーに用いられた際に、電子ペーパー表面での外来光の鏡面反射による背景の映り込み、画像の白化および画像のコントラスト低下を防止する機能を有するものである。本発明においては、公知の反射防止層を用いることができる。
【0060】
反射防止層としては、例えば、屈折率の高い材料と低い材料を交互に積層し、最表面が低屈折率層となる様に多層化したもの等を挙げることができる。
【0061】
反射防止効果を向上させるためには、反射防止層の最表面側に配置される低屈折率層の屈折率は、1.49以下であることが好ましい。これらの特徴を有する材料としては、例えばLiF(屈折率n=1.4)、MgF2(屈折率n=1.4)、3NaF・AlF3(屈折率n=1.4)、AlF3(屈折率n=1.4)、Na3AlF6(屈折率n=1.33)、SiO2(屈折率n=1.45)等の無機材料を微粒子化し、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂等に含有させた無機系低反射材料、フッ素系・シリコーン系の有機化合物、熱可塑性樹脂、熱硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂等の有機低反射材料を挙げることができる。
【0062】
低屈折率層は、上記で述べた材料を例えば溶剤に希釈し、スピンコーティング、ロールコーティングや印刷等によるウェットコーティング法や、真空蒸着、スパッタリング、プラズマCVD、イオンプレーティング等による気相法で、後述の高屈折率層上に設けて乾燥後、熱や放射線(紫外線の場合は光重合開始剤を使用する)等により硬化させることによって得ることができる。
低屈折率層の厚みとしては、0.05μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、0.1μm〜3μmの範囲内であることがより好ましい。
【0063】
高屈折率層の形成は、屈折率を高くするために高屈折率のバインダー樹脂を使用するか、高い屈折率を有する超微粒子をバインダー樹脂に添加することによって行うか、あるいはこれらを併用することによって行う。高屈折率層の屈折率は1.55〜2.70の範囲にあることが好ましい。
【0064】
高屈折率層に用いる樹脂については、透明なものであれば任意の樹脂が使用可能であり、熱硬化型樹脂、熱可塑性樹脂、電離放射線(紫外線を含む)硬化型樹脂などを用いることができる。熱硬化型樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等を用いることができ、これらの樹脂に、必要に応じて架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等を加えることができる。
【0065】
高い屈折率を有する超微粒子としては、例えば、紫外線遮蔽の効果をも得ることができる、ZnO(屈折率n=1.9)、TiO2(屈折率n=2.3〜2.7)、CeO2(屈折率n=1.95)の微粒子、また、帯電防止効果が付与されて埃の付着を防止することもできる、アンチモンがドープされたSnO2(屈折率n=1.95)又はITO(屈折率n=1.95)の微粒子が挙げられる。その他の微粒子としては、Al2O3(屈折率n=1.63)、La2O3(屈折率n=1.95)、ZrO2(屈折率n=2.05)、Y2O3(屈折率n=1.87)等を挙げることができる。これらの微粒子は単独又は混合して使用され、有機溶剤又は水に分散したコロイド状になったものが分散性の点において良好であり、その粒径としては、1nm〜100nmの範囲内であり、塗膜の透明性の観点から、5nm〜20nmの範囲内であることが好ましい。
【0066】
高屈折率層を設けるには、上記で述べた材料を例えば溶剤に希釈し、スピンコーティング、ロールコーティング、印刷等の方法で低屈折率層が設けられた支持基材の低屈折率層上に設けて乾燥後、熱や放射線(紫外線の場合は光重合開始剤を使用する)等により硬化させればよい。
高屈折率層の厚みとしては、0.05μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、1μm〜4μmの範囲内であることがより好ましい。
【0067】
4.表面保護層
本発明に用いられる表面保護層は、上記カラーフィルタ基材の上記カラーフィルタ層が形成されていない表面側の最表面に配置され、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材が電子ペーパーに用いられた際に、電子ペーパー表面の傷および汚れを防止することができるものである。なお、本発明においては、表面保護層が上述した光学機能層を兼ねた層であってもよい。
【0068】
本発明に用いられる表面保護層は、単独で上記カラーフィルタ基材の上記カラーフィルタ層が形成されていない側の最表面に配置されていてもよく、また、表面保護層基材上に表面保護層が形成された表面保護層積層体として、上記カラーフィルタ基材の上記カラーフィルタ層が形成されていない側の最表面に配置されていてもよい。
本発明に用いられる表面保護層基材としては、上述したカラーフィルタ基材と同様のものを用いることができる。上記表面保護層基材の厚みとしては、表面保護層を支持することができれば特に限定されるものではなく、具体的には、10μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。
また、上記表面保護層積層体は、通常、粘着材からなる粘着層を表面保護層基材側に形成して、カラーフィルタ基材に貼り合わされる。粘着材としては、上述した粘着材と同様のものを用いることができる。上記粘着層の膜厚としては、上記表面保護層積層体が剥離しないように貼り合わせることができれば特に限定されるものではなく、上述した他の粘着層と同様である。
【0069】
本発明に用いられる表面保護層としては、例えば、ハードコート層、防汚層、帯電防止層、抗菌層等を挙げることができ、中でも、ハードコート層および防汚層が好ましい。以下、ハードコート層および防汚層について説明する。
【0070】
(1)ハードコート層
本発明に用いられるハードコート層は、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材に耐擦傷性を付与する機能を有する層である。本発明においては、公知のハードコート層を用いることができる。
なお、「ハードコート層」とは、一般にJIS 5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験で「H」以上の硬度を示すものをいう。中でも、ハードコート層表面の硬度が「3H」以上であることが好ましい。
【0071】
このようなハードコート層の形成材料としては、例えば、電離放射線硬化型樹脂を用いることができる。電離放射線硬化型樹脂としては、好ましくはアクリレート系の官能基を有するものを挙げることができる。具体的には、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエーテル樹脂、多価アルコール、フルオレン樹脂等を挙げることができる。また、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート等のジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート誘導体やジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート;等の多官能化合物のモノマー類、またはエポキシアクリレートやウレタンアクリレート等のオリゴマー等を挙げることもできる。
【0072】
ハードコート層は、耐擦傷性を高める等の目的で、有機系微粒子または無機系微粒子を含有していてもよい。これらの中でも、硬度が高いことから、シリカ等の無機系微粒子が好ましい。また、上記の電離放射線硬化型樹脂と架橋結合を形成できる反応性官能基を有する無機系微粒子が、さらに膜強度を高められるため、より好ましい。
【0073】
ハードコート層の膜厚としては、0.1μm〜30μmの範囲内であることが好ましく、5μm〜15μmの範囲内であることがより好ましい。
【0074】
ハードコート層の形成方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ハードコート層用塗工液を用いた塗布法や、ハードコート層を転写させる転写法が挙げられる。
【0075】
(2)防汚層
本発明に用いられる防汚層は、ごみや汚れが付着するのを防止し、あるいはごみが付着しても除去しやすくするために設けられる層である。本発明においては、公知の防汚層を用いることができる。
【0076】
防汚層は、防汚剤をごく薄く塗布し、乾燥させることで形成することができる。防汚剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤等の界面活性剤、フッ素系樹脂を含む塗料、シリコーンオイル等の剥離剤、もしくはワックス等が挙げられる。
【0077】
本発明においては、防汚層は、ハードコート層と別に設けられるものであってもよいが、ハードコート層に上記防汚剤を添加することにより、防汚層としてもよい。中でも、コストを削減できることから、ハードコート層に防汚剤を添加して、防汚層とすることが好ましい。
【0078】
防汚層の膜厚としては、1nm〜30nmの範囲内であることが好ましい。防汚層の膜厚が上記範囲を超えると、光学的な影響が生じるおそれがあるからである。
【0079】
5.電子ペーパー用カラーフィルタ部材の層構成
本発明においては、カラーフィルタ層が電子ペーパーの表示部が配置される側となり、光学機能層もしくは表面保護層が電子ペーパーの最表面となる側となる。したがって、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材を電子ペーパーに用いた場合、カラーフィルタ層と電子ペーパーの表示部とが近くなるため、表示特性に優れた電子ペーパーとすることができる。
【0080】
本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の層構成としては、光学機能層を有する態様と、表面保護層を有する態様との2つの態様に分けることができる。
光学機能層を有する態様の具体的な層構成としては、図1に例示するように、光学機能層3、カラーフィルタ基材1、カラーフィルタ層2の順であってもよく、図3に例示するように、光学機能層3、光学機能層基材3′、粘着層5、カラーフィルタ基材1、カラーフィルタ層2の順であってもよい。なお、図3は、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の他の例を示す概略断面図であり、図3において説明していない符号については、図1と同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
表面保護層を有する態様の具体的な層構成としては、図2に例示するように、表面保護層4、カラーフィルタ基材1、カラーフィルタ層2の順であってもよく、図4に例示するように、表面保護層4、表面保護層基材4′、粘着層5、カラーフィルタ基材1、カラーフィルタ層2の順であってもよい。なお、図4は、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の他の例を示す概略断面図であり、図4において説明していない符号については、図1と同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
さらに、各層構成において、電子ペーパーの表示部が配置される側、すなわち、カラーフィルタ層のカラーフィルタ基材が配置されていない側に粘着層を付与した層構成とすることもできる。
【0081】
6.その他の構成
本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材は、上記カラーフィルタ基材と、上記カラーフィルタ層と、上記光学機能層または上記表面保護層とを少なくとも有していれば特に限定されるものではなく、必要な構成を適宜追加することが可能である。以下、このような構成について具体的に説明する。
【0082】
(1)タッチパネル層
本発明においては、タッチパネル層が、上記カラーフィルタ基材と、上記光学機能層もしくは上記表面保護層との間に配置されていてもよい。タッチパネル層を有することで、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材を電子ペーパーに用いた場合に、画面に直接触れることにより情報の入力が可能な利便性の高い電子ペーパーを得ることができる。
【0083】
本発明に用いられるタッチパネル層は、通常、粘着材からなる粘着層を用いて貼り合わされる。上記粘着層は、タッチパネル層の片面に形成されていてもよく、両面に形成されていてもよい。粘着材としては、上述した粘着材と同様のものを用いることができる。上記粘着層の膜厚としては、タッチパネル層が剥離しないように貼り合わせることができれば特に限定されるものではなく、上述した他の粘着層と同様である。
【0084】
本発明に用いられるタッチパネル層としては、抵抗膜方式、静電容量方式、光学方式、電磁誘導方式、超音波方式等の各種の方式を使用することができる。
抵抗膜方式のタッチパネルは、基板上に形成した電極面がギャップを保ち、相対した構造となっている。指またはペンなどの押圧を受けると基板が変形し、電極が接触する。電圧を印加し、接触部の電位勾配を読み取ることにより入力点を検出する。抵抗膜方式のタッチパネル層の構成については、例えば、特開2003−307723号公報等で説明されたものと同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
静電容量方式のタッチパネルは、指などの導電体がパネルに触れることにより電気容量変化することを利用して入力点を検出する方式である。複数の方式があるが、このうち投影型では、誘電体を挟んでマトリックス状にパターニングされた電極の構造となっており、各電極の電気容量に起因した電圧変化から入力点を検出する。静電容量方式のタッチパネル層の構成については、例えば、特表2003−511799号公報等で説明されたものと同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
【0085】
本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材がタッチパネル層を有する場合の上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材の層構成としては、光学機能層を有する態様においては、図5に示すように、光学機能層3、光学機能層基材3’、粘着層5、タッチパネル層6、粘着層5、カラーフィルタ基材1、カラーフィルタ層2の順となり、表面保護層を有する態様においては、図6に示すように、表面保護層4、表面保護層基材4’、粘着層5、タッチパネル層6、粘着層5、カラーフィルタ基材1、カラーフィルタ層2の順となる。なお、図5および図6において、上側が電子ペーパーの最表面となる側であり、下側が電子ペーパーの表示部が配置される側である。さらに、各層構成において、電子ペーパーの表示部が配置される側、すなわち、カラーフィルタ層のカラーフィルタ基材が配置されていない側に粘着層を付与した層構成とすることもできる。なお、図5および6は、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の他の例を示す概略断面図であり、図5および6において説明していない符号については、図1と同様であるので、ここでの記載は省略する。
【0086】
(2)透明電極層
本発明においては、透明電極層が、上記カラーフィルタ基材に対して、電子ペーパーの表示部が配置される側に配置されていてもよい。
【0087】
本発明に用いられる透明電極層の材料としては、透明電極を形成することができる導電性材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化アルミニウム亜鉛(AZO)等の導電性酸化物、Au、Ni等の金属、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリアルキルチオフェン誘導体、ポリシラン誘導体のような導電性高分子等を用いることができ、中でも、ITOが好適に用いられる。
【0088】
本発明に用いられる透明電極層の厚みとしては、透明電極層として機能することができれば特に限定されるものではないが、15nm〜200nmの範囲内であることが好ましい。透明電極層の厚みが上記範囲に満たない場合は、透明電極層を均一な厚みで形成することが困難であるからであり、透明電極層の厚みが上記範囲を超える場合は、透明電極層の成膜に用いられる時間や材料が多くなるため、製造コストが高くなるからである。
【0089】
本発明に用いられる透明電極層の形成方法としては、所望の厚みで透明電極層を形成することができる方法であれば特に限定されるものではない。このような透明電極層の形成方法としては、一般的な電極の成膜方法を用いることができ、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法や、CVD法、導電ペーストを塗布する方法等が挙げられる。また、上記透明電極層は、下地となる層または基材の表面上に全面に形成されていてもよく、下地となる層または基材の表面上にパターン状に形成されていてもよい。
【0090】
本発明に用いられる透明電極層は、単独で上記カラーフィルタ基材に対して、電子ペーパーの表示部が配置される側に配置されていてもよく、また、透明電極層基材上に透明電極層が形成された透明電極層積層体として、上記カラーフィルタ基材に対して、電子ペーパーの表示部が配置される側に配置されていてもよい。
本発明に用いられる透明電極層基材としては、上述したカラーフィルタ基材と同様のものを用いることができる。上記透明電極層基材の厚みとしては、透明電極層を支持することができれば特に限定されるものではないが、10μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。
また、上記透明電極層積層体は、通常、粘着材からなる粘着層を形成して貼り合わされる。上記粘着層は、上記透明電極層積層体の透明電極層側に形成されていてもよく、上記透明電極層積層体の透明電極層基材側に形成されていてもよい。粘着材としては、上述した粘着材と同様のものを用いることができる。上記粘着層の膜厚としては、透明電極層積層体が剥離しないように貼り合わせることができれば特に限定されるものではなく、上述した他の粘着層と同様である。
【0091】
透明電極層の配置位置としては、カラーフィルタ基材に対して、電子ペーパーの表示部が配置される側に配置されていれば特に限定されるものではないが、中でも、電子ペーパーの表示部が配置される側の最表面に配置されていることが好ましい。透明電極層と表示部とを近づけることにより、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材が用いられた電子ペーパーの表示特性を良好にすることができるからである。なお、上述した透明電極層積層体が、電子ペーパーの表示部が配置される側の最表面に配置されている場合は、透明電極層が最表面であってもよく、透明電極層基材が最表面であってもよい。また、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材において、透明電極層が電子ペーパーの表示部が配置される側の最表面に配置されており、カラーフィルタ層が透明電極層上に配置され、かつカラーフィルタ基材のみを基材として有する層構成の場合は、透明電極層とカラーフィルタ層とが逆に配置されていてもよい。
【0092】
(3)表示媒体層
本発明においては、表示媒体層が、上記透明電極層に対して、電子ペーパーの対向電極基板が配置される側に配置されていてもよい。
【0093】
本発明に用いられる表示媒体層は、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材が用いられる電子ペーパーの表示方式に応じて適宜選択されるものである。
電子ペーパーの表示方式としては、公知のものを適用することができ、例えば、電気泳動方式、ツイストボール方式、粉体移動方式(電子粉流体方式、帯電トナー型方式)、液晶表示方式、サーマル方式(発色方式、光散乱方式)、エレクトロクロミック方式、エレクトロウェッティング方式、磁気泳動方式などが挙げられる。本発明においては、中でも、電気泳動方式が好適に用いられる。この方式は、実用段階に入っているとともに、粒子移動型であるため、視野角依存性が少なく、かつ応答性に優れた電子ペーパーを得ることができるからである。
【0094】
電気泳動方式は、溶媒中に分散された帯電粒子が、電界によって電極間を移動する電気泳動現象を利用したものである。電気泳動方式には、例えば、マイクロカプセル方式、マイクロカップ方式等がある。
マイクロカプセル方式では、帯電した白色粒子および黒色粒子と、これらの粒子を分散する透明分散媒とを透明樹脂からなるマイクロカプセル中に封入し、電界を印加することにより、上記白色粒子および上記黒色粒子を上下させることで白黒表示または階調を表現する。
マイクロカップ方式では、カップ状の窪み(マイクロカップ)で仕切られたセルに、染料で着色した分散媒と、帯電した白色粒子とを配置し、電界を印加することにより、上記白色粒子を上下させることで白色または上記分散媒の色を表示させる。
【0095】
本発明に用いられる表示媒体層の構成、材料および形成方法については、各表示方式の一般的な電子ペーパーに用いられるものと同様とすることができる。
【0096】
以下、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材がマイクロカプセル方式の電子ペーパーに用いられる場合の表示媒体層を例に挙げて説明する。このような表示媒体層としては、例えば、白色粒子と黒色粒子と透明分散媒とからなる分散液を内包したマイクロカプセルをバインダー樹脂により固定したものを挙げることができる。
【0097】
透明分散媒としては、例えば、アルコール系溶媒、各種エステル類、ケトン類、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、カルボン酸塩又はその他の種々の油類等の単独、またはこれらの混合物に界面活性剤等を配合したものを用いることができる。
【0098】
白色粒子としては、例えば、二酸化チタン、亜鉛華、三酸化アンチモン等の白色顔料を用いることができ、黒色粒子としては、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック、チタンブラック等の黒色顔料を用いることができる。
さらに必要に応じて、これらの顔料に、電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂、ゴム、油、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等を添加してもよい。
【0099】
マイクロカプセルの壁膜を形成する材料としては、例えば、アラビアゴム・ゼラチンの複合膜、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、尿素樹脂などの化合物を用いることができる。
【0100】
バインダー樹脂としては、マイクロカプセルの壁膜に対する親和性が良好で、上記透明電極層に対する密着性に優れ、かつ絶縁性を有するものを用いることができ、例えば、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、シリコーン樹脂等を挙げることができる。
【0101】
このような表示媒体層は、例えば、マイクロカプセルをバインダー樹脂に分散してインキ化したものを上記透明電極層上に塗布することにより形成することができる。
【0102】
本発明に用いられる表示媒体層は、単独で上記透明電極層に対して、電子ペーパーの対向電極基板が配置される側に配置されていてもよく、また、表示媒体層基材上に表示媒体層が形成された表示媒体層積層体として、上記透明電極層に対して、電子ペーパーの対向電極基板が配置される側に配置されていてもよい。
本発明に用いられる表示媒体層基材としては、上述したカラーフィルタ基材と同様のものを用いることができる。上記表示媒体層基材の厚みとしては、表示媒体層を支持することができれば特に限定されるものではないが、10μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。
また、上記表示媒体層積層体は、通常、粘着材からなる粘着層を表示部基材側に形成して貼り合わされる。粘着材としては、上述した粘着材と同様のものを用いることができる。上記粘着層の膜厚としては、表示媒体層積層体が剥離しないように貼り合わせることができれば特に限定されるものではなく、上述した他の粘着層と同様である。
【0103】
表示媒体層の配置位置としては、透明電極層に対して、電子ペーパーの対向電極基板が配置される側に配置されていれば特に限定されるものではないが、中でも、電子ペーパーの対向電極基板に対向配置される側の最表面に配置されていることが好ましい。表示媒体層と対向電極基板とを近づけることにより、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材が用いられた電子ペーパーの表示特性を良好にすることができるからである。なお、上述した表示媒体層積層体が、電子ペーパーの対向電極基板に対向配置される側の最表面に配置されている場合は、表示媒体層が最表面であってもよく、表示媒体層基材が最表面であってもよい。
【0104】
7.電子ペーパー用カラーフィルタ部材
本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材は、上述したように、種々の層構成を採ることが可能である。中でも、本発明においては、好ましい層構成として、以下のようなものを挙げることができる。なお、左側が電子ペーパーの最表面となる側であり、右側が電子ペーパーの表示部および/または対向電極基板が配置される側である。
・光学機能層3、カラーフィルタ基材1、カラーフィルタ層2、粘着層5(図7参照)
・光学機能層3、カラーフィルタ基材1、カラーフィルタ層2、粘着層5、透明電極層基材7’、透明電極層7、表示媒体層8(図8参照)
これらの層構成とすることにより、基材数が削減されることで、視認性が向上し、薄い電子ペーパー用カラーフィルタ部材となる。なお、図7および図8は、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の他の例を示す概略断面図であり、図7および図8において説明していない符号については、図1と同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
【0105】
B.電子ペーパー
次に、本発明の電子ペーパーについて説明する。本発明の電子ペーパーは、カラーフィルタ基材、および、上記カラーフィルタ基材の一方の表面側に形成され、複数の着色層を備えるカラーフィルタ層、および、上記カラーフィルタ基材の上記カラーフィルタ層が形成されていない表面側の最表面に配置された光学機能層または表面保護層を有する電子ペーパー用カラーフィルタ部材と、透明電極層と、表示媒体層と、対向基材および上記対向基材上に形成された対向電極層を有する対向電極基板とを有する電子ペーパーであって、上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材が、上記電子ペーパーの一方の表面に配置され、上記対向電極基板が、上記電子ペーパーの他方の表面に配置され、上記透明電極層が、上記カラーフィルタ基材に対して、上記対向電極基板側に配置され、上記表示媒体層が、上記透明電極層に対して、上記対向電極基板側に配置され、上記対向電極層が、上記対向基材に対して、上記表示媒体層側に配置されていることを特徴とするものである。
【0106】
本発明の電子ペーパーについて、図面を参照しながら説明する。図9は、本発明の電子ペーパーの一例を示す概略断面図である。図9に例示する電子ペーパー20は、電子ペーパー用カラーフィルタ部材10と、透明電極層7と、表示媒体層8と、粘着層5と、対向電極基板13とを有している。また、図9に例示する電子ペーパー用カラーフィルタ部材10は、カラーフィルタ基材1、および、カラーフィルタ基材1の一方の表面側に形成され、複数の着色層(2R、2G、2B)を備えるカラーフィルタ層2、および、カラーフィルタ基材1のカラーフィルタ層2が形成されていない表面側の最表面に配置された光学機能層3を有しており、対向電極基板13は、対向基材11および対向基材11上に形成された対向電極層12を有している。電子ペーパー用カラーフィルタ部材10は、電子ペーパー20の一方の表面に配置されており、対向電極基板13は、電子ペーパー20の他方の表面に配置されている。透明電極層7は、カラーフィルタ基材1に対して、対向電極基板13側に配置されており、表示媒体層8は、透明電極層7に対して、対向電極基板13側に配置されており、対向電極層12は、対向基材11に対して、表示媒体層8側に配置されている。
【0107】
図10は、本発明の電子ペーパーの他の例を示す概略断面図である。図10に例示する電子ペーパー20は、電子ペーパー用カラーフィルタ部材10と、透明電極層7と、表示媒体層8と、粘着層5と、対向電極基板13とを有している。また、図10に例示する電子ペーパー用カラーフィルタ部材10は、カラーフィルタ基材1、および、カラーフィルタ基材1の一方の表面側に形成され、複数の着色層(2R、2G、2B)を備えるカラーフィルタ層2、および、カラーフィルタ基材1のカラーフィルタ層2が形成されていない表面側の最表面に配置された表面保護層4を有しており、対向電極基板13は、対向基材11および対向基材11上に形成された対向電極層12を有している。電子ペーパー用カラーフィルタ部材10は、電子ペーパー20の一方の表面に配置されており、対向電極基板13は、電子ペーパー20の他方の表面に配置されている。透明電極層7は、カラーフィルタ基材1に対して、対向電極基板13側に配置されており、表示媒体層8は、透明電極層7に対して、対向電極基板13側に配置されており、対向電極層12は、対向基材11に対して、表示媒体層8側に配置されている。
【0108】
本発明によれば、光学機能層を有する電子ペーパー用カラーフィルタ部材を用いているため、電子ペーパーの視認性を向上させることができ、カラー表示特性に優れた電子ペーパーとすることができる。また、本発明によれば、表面保護層を有する電子ペーパー用カラーフィルタ部材を用いているため、電子ペーパー表面の傷および汚れを防止することができ、カラー表示特性に優れた電子ペーパーとすることができる。また、本発明に用いられる電子ペーパー用カラーフィルタ部材は、構成層の基材の数を削減することが可能であるため、電子ペーパーを薄くすることができるとともに、界面数の減少により光学特性を向上させることができる。
【0109】
本発明においては、電子ペーパー用カラーフィルタ部材と透明電極層とが一体化していてもよく、電子ペーパー用カラーフィルタ部材と透明電極層と表示媒体層とが一体化していてもよい。
なお、電子ペーパー用カラーフィルタ部材、透明電極層および表示媒体層については、上記「A.電子ペーパー用カラーフィルタ部材」の項に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。以下、本発明の電子ペーパーにおけるその他の構成について説明する。
【0110】
1.対向電極基板
本発明に用いられる対向電極基板は、対向基材および上記対向基材上に形成された対向電極層を有するものである。
【0111】
(1)対向電極層
本発明に用いられる対向電極層としては、透明電極層のストライプパターンに直交するように形成された画素電極層であってもよく、複数のTFT素子ならびに上記TFT素子に接続された画素電極を有するTFT電極層であってもよい。前者を用いることにより、パッシブマトリクス型の電子ペーパーとすることができ、後者を用いることにより、アクティブマトリクス型の電子ペーパーとすることができる。中でも、本発明においては、上記TFT電極層を用いることが好ましい。コントラストが高く、応答速度の速いアクティブマトリクス型の電子ペーパーとすることができるからである。
【0112】
このようなTFT電極層について、図を参照しながら具体的に説明する。図11は、本発明に用いられる対向電極基板の一例を示す概略断面図である。図11に例示する対向電極基板13は、対向基材11および対向基材11上に形成され、複数のTFT素子14ならびにTFT素子14に接続された画素電極15を有するTFT電極層12’を備えている。このようなTFT電極層12’において、TFT素子14は、ゲート電極14aと、ゲート電極14a上に形成されたゲート絶縁膜14bと、ゲート絶縁膜14b上に形成された半導体層14cと、半導体層14c上に一定に間隔を空けて対向するように形成されたソース電極14dおよびドレイン電極14eとを有するものであり、画素電極15はドレイン電極14eと接続するように形成されているものである。
また、図11に例示するように、本発明に用いられるTFT電極層12’は、TFT素子14を覆うように保護膜16が形成され、保護膜16上に画素電極15が形成されたものであってもよい。
【0113】
TFT素子としては、特に限定されるものではなく、本発明の電子ペーパーの種類に応じて適宜選択され、例えば、a−Si TFT構造を有するものであってよく、p−Si TFT構造を有するものであってもよい。a−Si TFT構造を有するTFT素子の場合、正スタガ型(トップゲート構造)および逆スタガ型(ボトムゲート構造)のいずれであってもよい。また、逆スタガ型の場合、チャネルエッチ型およびチャネルプロテクト型のいずれであってもよい。一方、p−Si TFT構造を有するTFT素子の場合、プレーナ型およびスタガ型のいずれであってもよい。
【0114】
TFT素子を構成する半導体層としては、対向基材上に形成することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、シリコン、酸化物半導体、有機半導体が用いられる。
【0115】
シリコンとしては、ポリシリコン、アモルファスシリコンを用いることができる。
酸化物半導体としては、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO)、酸化マグネシウム亜鉛(MgxZn1−xO)、酸化カドミウム亜鉛(CdxZn1−xO)、酸化カドミウム(CdO)、酸化インジウム(In2O3)、酸化ガリウム(Ga2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化タングステン(WO)、InGaZnO系、InGaSnO系、InGaZnMgO系、InAlZnO系、InFeZnO系、InGaO系、ZnGaO系、InZnO系を用いることができる。
有機半導体としては、例えば、π電子共役系の芳香族化合物、鎖式化合物、有機顔料、有機ケイ素化合物等を挙げることができる。より具体的には、ペンタセン、テトラセン、チオフェンオリゴマ誘導体、フェニレン誘導体、フタロシアニン化合物、ポリアセチレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、シアニン色素等が挙げられる。
【0116】
半導体層の形成方法および厚みとしては、一般的なものと同様とすることができる。
【0117】
TFT素子を構成するゲート電極、ソース電極およびドレイン電極としては、所望の導電性を備えるものであれば特に限定されるものではなく、一般的にTFT素子に用いられる導電性材料を用いることができる。このような材料の例としては、Ta、Ti、Al、Zr、Cr、Nb、Hf、Mo、Au、Ag、Pt、Mo−Ta合金、W−Mo合金、ITO、IZO等の無機材料、および、PEDOT/PSS等の導電性を有する有機材料を挙げることができる。
ゲート電極、ソース電極およびドレイン電極の形成方法および厚みとしては、一般的なものと同様とすることができる。
【0118】
TFT素子を構成するゲート絶縁膜としては、一般的なTFT素子におけるゲート絶縁膜と同様のものを用いることができ、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の絶縁性無機材料、および、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、カルド系樹脂、ビニル系樹脂、イミド系樹脂、ノボラック系樹脂等の絶縁性有機材料等の絶縁性有機材料を用いることができる。
ゲート絶縁膜の形成方法および厚みとしては、一般的なものと同様とすることができる。
【0119】
TFT素子上には保護膜が形成されていてもよい。保護膜は、TFT素子を保護するために設けられるものである。例えば、半導体層が空気中に含有される水分等に曝露されることを防止することができる。保護膜が形成されていることにより、TFT性能の経時劣化を低減することができるのである。このような保護膜としては、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素が用いられる。
保護膜の形成方法および厚みとしては、一般的なものと同様とすることができる。
【0120】
画素電極は、一般的に電子ペーパー等に用いられているものであれば特に限定されるものではなく、例えば、酸化インジウム、酸化錫、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム錫(IZO)等が好ましく用いられる。
画素電極の形成方法および厚みとしては、一般的なものと同様とすることができる。
【0121】
(2)対向基材
本発明に用いられる対向基材は、上記対向電極層を支持するものである。このような対向基材としては、一般的に電子ペーパー等の基板として用いられているものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ガラス板、プラスチック板などが好ましく挙げられる。
【0122】
2.電子ペーパー
本発明の電子ペーパーは、通常、上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材上に、上記透明電極層および上記表示媒体層がこの順に積層され、粘着材からなる粘着層を用いて、上記表示媒体層と、上記対向電極基板の上記対向電極層とが貼り合わされてなるものである。上記粘着層は、上記表示媒体層に形成されていてもよく、上記対向電極層に形成されていてもよい。粘着材としては、上記「A.電子ペーパー用カラーフィルタ部材」の項に記載した粘着材と同様のものを用いることができる。上記粘着層の膜厚としては、上記表示媒体層および上記対向電極層が剥離しないように貼り合わせることができれば特に限定されるものではなく、上述した他の粘着層と同様である。
【0123】
本発明の電子ペーパーの具体的な層構成としては、電子ペーパー用カラーフィルタ部材、透明電極層、表示媒体層、粘着層、対向電極層、対向基材の順であればよい。透明電極層および表示媒体層は基材を有していてもよく、基材を有する場合は、粘着層を用いて積層する。
なお、電子ペーパー用カラーフィルタ部材の層構成については、上記「A.電子ペーパー用カラーフィルタ部材」の項に記載したいずれかの層構成を用いることができるので、ここでの記載は省略する。
【0124】
本発明の電子ペーパーは、上述したように、種々の層構成を採ることが可能である。中でも、本発明においては、好ましい層構成として、以下のようなものを挙げることができる。
・光学機能層3、カラーフィルタ基材1、カラーフィルタ層2、粘着層5、透明電極層基材7’、透明電極層7、表示媒体層8、粘着層5、対向電極層12、対向基材11(図12参照)
この層構成とすることにより、視認性が高く、薄い電子ペーパーを実現する。なお、図12は、本発明の電子ペーパーの他の例を示す概略断面図であり、図12において説明していない符号については、図9と同様であるので、ここでの記載は省略する。
【0125】
本発明の電子ペーパーの用途としては、デジタル機器のディスプレイ、電子ブック、デジタル・サイネージ(電子看板)等に用いられる。
【0126】
C.電子ペーパー用カラーフィルタ部材の製造方法
次に、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の製造方法について説明する。本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の製造方法は、カラーフィルタ基材と、上記カラーフィルタ基材の一方の表面側に形成され、複数の着色層を備えるカラーフィルタ層と、上記カラーフィルタ基材の上記カラーフィルタ層が形成されていない表面側の最表面に配置された光学機能層または表面保護層とを有する電子ペーパー用カラーフィルタ部材をロール・ツー・ロール方式により形成する電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程を有することを特徴とするものである。
【0127】
本発明によれば、各構成層の高い位置精度が要求されない電子ペーパー用カラーフィルタ部材をロール・ツー・ロール方式により形成することで、生産性の高い電子ペーパー用カラーフィルタ部材を得ることができる。
【0128】
以下、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の製造方法における電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程について説明する。
【0129】
本発明における電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程は、カラーフィルタ基材と、上記カラーフィルタ基材の一方の表面側に形成され、複数の着色層を備えるカラーフィルタ層と、上記カラーフィルタ基材の上記カラーフィルタ層が形成されていない表面側の最表面に配置された光学機能層または表面保護層とを有する電子ペーパー用カラーフィルタ部材をロール・ツー・ロール方式により形成する工程である。なお、上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材については、上記「A.電子ペーパー用カラーフィルタ部材」の項に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0130】
なお、本発明における「電子ペーパー用カラーフィルタ部材をロール・ツー・ロール方式により形成する工程」とは、本発明における電子ペーパー用カラーフィルタ部材を構成する各層を貼り合わせる際に、少なくとも1回のロール・ツー・ロール方式により貼り合わせる工程があればよいものである。本工程においては、ロール・ツー・ロール方式により貼り合わされる部材の組み合わせに応じて、カラーフィルタ基材上にカラーフィルタ層が形成されたカラーフィルタ層積層体と、光学機能層基材上に光学機能層が形成された光学機能層積層体もしくは表面保護層基材上に表面保護層が形成された表面保護層積層体とを貼り合わせる態様(第1態様)と、タッチパネル層と、上記光学機能層積層体もしくは上記表面保護層積層体とを貼り合わせる態様(第2態様)との2つの態様に分けることができる。以下、各態様について説明する。
【0131】
1.第1態様
本発明における電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程の第1態様は、カラーフィルタ基材上にカラーフィルタ層が形成されたカラーフィルタ層積層体と、光学機能層基材上に光学機能層が形成された光学機能層積層体もしくは表面保護層基材上に表面保護層が形成された表面保護層積層体とをロール・ツー・ロール方式により貼り合わせる工程である。
【0132】
本態様においては、まず、長尺状の上記カラーフィルタ層積層体と、長尺状の上記光学機能層積層体もしくは長尺状の上記表面保護層積層体とを形成する。次に、これらの積層体をロール・ツー・ロール方式により貼り合わせる。なお、上記カラーフィルタ層積層体の代わりに、カラーフィルタ基材をロール・ツー・ロール方式により貼り合わせてから、カラーフィルタ層を形成してもよい。
なお、本態様により形成される電子ペーパー用カラーフィルタ部材の層構成については、上記「A.電子ペーパー用カラーフィルタ部材」の項に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0133】
2.第2態様
本発明における電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程の第2態様は、タッチパネル層と、光学機能層基材上に光学機能層が形成された光学機能層積層体もしくは表面保護層基材上に表面保護層が形成された表面保護層積層体とをロール・ツー・ロール方式により貼り合わせる工程である。
【0134】
本態様においては、まず、長尺状の上記光学機能層積層体もしくは長尺状の上記表面保護層積層体を形成する。次に、タッチパネル層と、いずれかの積層体とをロール・ツー・ロール方式により貼り合わせる。また、本態様においては、タッチパネル層と長尺状の上記光学機能層積層体もしくは長尺状の上記表面保護層積層体とをロール・ツー・ロール方式により貼り合わせてなるタッチパネル層を含む部材と、カラーフィルタ基材上にカラーフィルタ層が形成されたカラーフィルタ層積層体とをシート・ツー・シート方式により貼り合わせる。具体的には、上記タッチパネル層を含む部材と上記カラーフィルタ層積層体とを、シート・ツー・シート方式により真空下でアライメント貼合してもよく、または、シート・ツー・シート方式によりアライメント有りラミネートしてもよい。
なお、本態様により形成される電子ペーパー用カラーフィルタ部材の層構成については、上記「A.電子ペーパー用カラーフィルタ部材」の項に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0135】
本発明により製造される電子ペーパー用カラーフィルタ部材がタッチパネル層を有する場合、タッチパネル層はカラーフィルタ層とのアライメントを必要とするが、本態様においては、タッチパネル層を含む部材と、カラーフィルタ層を含む部材との貼り合わせをアライメント調整が可能なシート・ツー・シート方式により行うことで、アライメントが調整されるため、タッチパネル機能を備え、かつ電子ペーパーに用いた際にカラー表示特性が良好な電子ペーパー用カラーフィルタ部材を得ることができる。
【0136】
シート・ツー・シート方式により真空下でアライメント貼合する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、真空チャンバー内で、枚葉状のカラーフィルタ層を含む部材と枚葉状のタッチパネル層またはタッチパネル層を含む部材との位置合わせを、両部材に予め形成されたアライメントマークを用いて行い、粘着層を介して両部材をプレスすることにより貼り合わせる方法等を挙げることができる。真空度としては、貼合面での異物および気泡の混入を防ぐことができれば特に限定されるものではなく、例えば、50Pa〜10000Paの範囲内で設定することができる。
【0137】
シート・ツー・シート方式によりアライメント有りラミネートする方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、枚葉状のカラーフィルタ層を含む部材と枚葉状のタッチパネル層またはタッチパネル層を含む部材との位置合わせを、両部材に予め形成されたアライメントマークを用いて行い、粘着層を介して両部材をプレスすることによりラミネートする方法等を挙げることができる。
【0138】
D.電子ペーパーの製造方法
次に、本発明の電子ペーパーの製造方法について説明する。本発明の電子ペーパーの製造方法は、上述した電子ペーパー用カラーフィルタ部材をロール・ツー・ロール方式により形成する電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程と、上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材に、透明電極層および表示媒体層を備える表示部を、上記表示媒体層が上記透明電極層を介して上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材の上記カラーフィルタ層側に配置されるように形成し、表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材を形成する表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程と、上記表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材と、対向基材および上記対向基材上に形成された対向電極層を有する対向電極基板とを、上記対向電極層が、上記対向基材に対して、上記表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材の上記表示媒体層側に配置されるように、シート・ツー・シート方式により真空下でアライメント貼合する貼合工程とを有することを特徴とするものである。
【0139】
本発明によれば、各構成層の高い位置精度が要求されない電子ペーパー用カラーフィルタ部材をロール・ツー・ロール方式により形成し、精密な位置合わせを必要とする表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材と対向電極基板との貼り合わせを、シート・ツー・シート方式を用いた真空アライメント貼合により行うことで、高精度で生産性の高い電子ペーパーを得ることができる。また、上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材を用いることで、カラー表示特性に優れた電子ペーパーを得ることができる。
【0140】
なお、電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程については、上記「C.電子ペーパー用カラーフィルタ部材の製造方法」に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。以下、本発明の電子ペーパーの製造方法におけるその他の工程について説明する。
【0141】
1.表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程
本発明における表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程は、上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材に、透明電極層および表示媒体層を備える表示部を、上記表示媒体層が上記透明電極層を介して上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材の上記カラーフィルタ層側に配置されるように形成し、表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材を形成する工程である。
【0142】
本工程に用いられる表示部は、透明電極層および表示媒体層を備えるものである。なお、透明電極層および表示媒体層については、上記「A.電子ペーパー用カラーフィルタ部材」の項で記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0143】
本工程に用いられる表示部は、透明電極層および表示媒体層の他に、表示部基材を備えていてもよい。上記表示部が表示部基材を有する場合、表示部基材上に透明電極層および表示媒体層が形成された表示部積層体として、本工程に用いることができる。
本工程に用いられる表示部基材としては、上記「A.電子ペーパー用カラーフィルタ部材」の項に記載したカラーフィルタ基材と同様のものを用いることができる。上記表示部基材の厚みとしては、透明電極層および表示媒体層を支持することができれば特に限定されるものではないが、10μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。
また、上記表示部積層体は、通常、粘着材からなる粘着層を表示部基材側に形成して貼り合わされる。粘着材としては、上記「A.電子ペーパー用カラーフィルタ部材」の項に記載した粘着材と同様のものを用いることができる。上記粘着層の膜厚としては、表示部積層体が剥離しないように貼り合わせることができれば特に限定されるものではなく、上述した他の粘着層と同様である。
【0144】
本工程に用いられる表示部は、上記表示部基材に加えて、透明電極層基材を有していてもよい。上記表示部が透明電極層基材を有する場合、透明電極層基材上に透明電極層が形成された透明電極層積層体と、表示部基材上に表示媒体層が形成された表示媒体層積層体とからなる表示部積層体として、本工程に用いることができる。なお、透明電極層基材および透明電極層積層体については、上記「A.電子ペーパー用カラーフィルタ部材」の項に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0145】
本発明においては、表示部の構成に応じて、表示部基材を有さない態様と、表示部基材を有する態様との2つの態様に本工程を分けることができる。
表示部基材を有さない態様においては、上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材上に、透明電極層および表示媒体層をこの順に形成する。
【0146】
表示部基材を有する態様は、さらに、表示部積層体の層構成に応じて、表示部基材のみを有する態様と、表示部基材および透明電極層基材を有する態様との2つの態様に分けることができる。
表示部基材のみを有する態様においては、まず、表示部基材上に透明電極層および表示媒体層が形成された表示部積層体を形成する。次に、粘着層を用いて、上記表示部積層体と上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材とを貼り合わせる。
表示部基材および透明電極層基材を有する態様においては、まず、透明電極層基材上に透明電極層が形成された透明電極層積層体と、表示部基材上に表示媒体層が形成された表示媒体層積層体とを形成する。次に、粘着層を用いて、上記透明電極層積層体および上記表示媒体層積層体を貼り合わせて、表示部積層体を形成する。さらに、粘着層を用いて、上記表示部積層体と上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材とを貼り合わせる。
なお、電子ペーパー用カラーフィルタ部材がタッチパネル層を有さない場合は、表示部積層体および電子ペーパー用カラーフィルタ部材を貼り合わせる際に、ロール・ツー・ロール方式を用いることも可能である。
【0147】
本工程により形成される表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材の層構成としては、表示部基材を有さない態様と、表示部基材を有する態様との2つの態様を挙げることができる。
表示部基材を有さない態様の表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材の層構成としては、電子ペーパー用カラーフィルタ部材、透明電極層、表示媒体層の順となる。
【0148】
表示部基材を有する態様は、上述したように、表示部積層体の層構成に応じて、表示部基材のみを有する態様と、表示部基材および透明電極層基材を有する態様との2つの態様に分けることができる。
表示部基材のみを有する態様の表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材の層構成としては、電子ペーパー用カラーフィルタ部材、表示部基材、透明電極層、表示媒体層の順であってもよく、電子ペーパー用カラーフィルタ部材、透明電極層、表示部基材、表示媒体層の順であってもよい。
表示部基材および透明電極層基材を有する態様の表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材の層構成としては、電子ペーパー用カラーフィルタ部材、透明電極層基材、透明電極層、粘着層、表示部基材、表示媒体層の順であってもよく、電子ペーパー用カラーフィルタ部材、透明電極層基材、透明電極層、粘着層、表示媒体層、表示部基材の順であってもよく、電子ペーパー用カラーフィルタ部材、透明電極層、透明電極層基材、粘着層、表示部基材、表示媒体層の順であってもよく、電子ペーパー用カラーフィルタ部材、透明電極層、透明電極層基材、粘着層、表示媒体層、表示部基材の順であってもよい。
【0149】
なお、電子ペーパー用カラーフィルタ部材の層構成については、上記「A.電子ペーパー用カラーフィルタ部材」の項に記載したいずれかの層構成を用いることができるので、ここでの記載は省略する。
【0150】
2.貼合工程
本発明における貼合工程は、上記表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材と、対向基材および上記対向基材上に形成された対向電極層を有する対向電極基板とを、上記対向電極層が、上記対向基材に対して、上記表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材の上記表示媒体層側に配置されるように、シート・ツー・シート方式により真空下でアライメント貼合する工程である。なお、対向基材および上記対向基材上に形成された対向電極層を有する対向電極基板については、上記「B.電子ペーパー」の項に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0151】
本工程においては、通常、粘着材からなる粘着層を用いて、上記表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材と上記対向電極基板とを貼り合わせる。上記粘着層は、上記表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材に形成されていてもよく、上記対向電極基板に形成されていてもよい。なお、粘着層については、上記「B.電子ペーパー」の項に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0152】
シート・ツー・シート方式により真空下でアライメント貼合する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、真空チャンバー内で、枚葉状の上記表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材と枚葉状の上記対向電極基板との位置合わせを、両部材に予め形成されたアライメントマークを用いて行い、粘着層を介して両部材をプレスすることにより貼り合わせる方法等を挙げることができる。真空度については、上記「C.電子ペーパー用カラーフィルタ部材の製造方法」の項に記載したものと同様である。
【0153】
3.任意の工程
本発明の電子ペーパーの製造方法は、必須の工程である上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程、上記表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程および上記貼合工程の他に、必要に応じて任意の工程を有していてもよい。このような工程としては、例えば、上記貼合工程の前に、上記表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程により形成された表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材をシート状に切り出す工程、洗浄工程、UV照射などの表面改質工程、脱湿工程、検査工程等を挙げることができる。
【0154】
4.電子ペーパー
本発明の電子ペーパーの製造方法により製造される電子ペーパーの層構成および用途については、上記「B.電子ペーパー」の項に記載したものと同様であるので、ここでの記載は省略する。
【0155】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【符号の説明】
【0156】
1 … カラーフィルタ基材
2 … カラーフィルタ層
3 … 光学機能層
4 … 表面保護層
5 … 粘着層
6 … タッチパネル層
7 … 透明電極層
8 … 表示媒体層
10 … 電子ペーパー用カラーフィルタ部材
11 … 対向基材
12 … 対向電極層
13 … 対向電極基板
20 … 電子ペーパー
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペーパーに用いた際に、良好なカラー表示特性を得ることが可能な電子ペーパー用カラーフィルタ部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子ペーパーと呼ばれる情報媒体の研究がなされている。この媒体は、対向する基板間にマイクロカプセル等の表示媒体を封入し、電気的に表示の切り替えを行うものであり、低消費電力、曲げ可能なフレキシブル性、薄く軽いなどの優れた特性に加えて、書き換え可能という際立った特長を有し、実用化段階に入りつつある。
【0003】
上述した電子ペーパーでカラー表示を行う手段として、表示媒体自身を着色する方法が提案されている。しかしながら、この方法では、表示媒体粒子を均一に分散させ、安定して駆動させることが難しく、実用化には至っていない。
【0004】
一方、別の手段として、液晶ディスプレイと同様にカラーフィルタを用いる方法が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。しかしながら、良好なカラー表示特性を得るための電子ペーパー全体の適切な層構成については言及されておらず、良好なカラー表示特性を得るための電子ペーパー用カラーフィルタ部材の設計についても明確ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−280044号公報
【特許文献2】特表2010−503895号公報
【特許文献3】特開2010−44337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、電子ペーパーに用いた際に、良好なカラー表示特性を得ることができる電子ペーパー用カラーフィルタ部材を提供することを主目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも一方が透明である対向する2枚の基板間に表示媒体層が配置されており、上記表示媒体層が所定の情報を表示する電子ペーパーに用いられる電子ペーパー用カラーフィルタ部材であって、カラーフィルタ基材と、上記カラーフィルタ基材の一方の表面側に形成され、複数の着色層を備えるカラーフィルタ層と、上記カラーフィルタ基材の上記カラーフィルタ層が形成されていない表面側の最表面に配置された光学機能層または表面保護層とを有することを特徴とする電子ペーパー用カラーフィルタ部材を提供する。
【0008】
本発明によれば、光学機能層を有する電子ペーパー用カラーフィルタ部材であるため、電子ペーパーに用いた場合に、電子ペーパーの視認性を向上させることができ、カラー表示特性に優れた電子ペーパーを得ることができる。また、本発明によれば、表面保護層を有する電子ペーパー用カラーフィルタ部材であるため、電子ペーパーに用いた場合に、電子ペーパー表面の傷および汚れを防止することができ、カラー表示特性に優れた電子ペーパーを得ることができる。
【0009】
上記発明においては、上記光学機能層が、防眩層または反射防止層のいずれかであり、上記表面保護層が、ハードコート層または防汚層のいずれかであることが好ましい。
【0010】
上記発明においては、タッチパネル層が、上記カラーフィルタ基材と、上記光学機能層または上記表面保護層との間に配置されていてもよい。タッチパネル層を有することで、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材を電子ペーパーに用いた場合に、画面に直接触れることにより情報の入力が可能な利便性の高い電子ペーパーを得ることができる。
【0011】
上記発明においては、透明電極層が、上記カラーフィルタ基材に対して、電子ペーパーの表示部が配置される側に配置されていてもよい。
【0012】
上記発明においては、表示媒体層が、上記透明電極層に対して、電子ペーパーの対向電極基板が配置される側に配置されていてもよい。
【0013】
また、本発明は、カラーフィルタ基材、および、上記カラーフィルタ基材の一方の表面側に形成され、複数の着色層を備えるカラーフィルタ層、および、上記カラーフィルタ基材の上記カラーフィルタ層が形成されていない表面側の最表面に配置された光学機能層または表面保護層を有する電子ペーパー用カラーフィルタ部材と、透明電極層と、表示媒体層と、対向基材および上記対向基材上に形成された対向電極層を有する対向電極基板とを有する電子ペーパーであって、上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材が、上記電子ペーパーの一方の表面に配置され、上記対向電極基板が、上記電子ペーパーの他方の表面に配置され、上記透明電極層が、上記カラーフィルタ基材に対して、上記対向電極基板側に配置され、上記表示媒体層が、上記透明電極層に対して、上記対向電極基板側に配置され、上記対向電極層が、上記対向基材に対して、上記表示媒体層側に配置されていることを特徴とする電子ペーパーを提供する。
【0014】
本発明によれば、光学機能層を有する電子ペーパー用カラーフィルタ部材を用いているため、電子ペーパーの視認性を向上させることができ、カラー表示特性に優れた電子ペーパーとすることができる。また、本発明によれば、表面保護層を有する電子ペーパー用カラーフィルタ部材を用いているため、電子ペーパー表面の傷および汚れを防止することができ、カラー表示特性に優れた電子ペーパーとすることができる。また、本発明に用いられる電子ペーパー用カラーフィルタ部材は、構成層の基材の数を削減することが可能であるため、電子ペーパーを薄くすることができるとともに、界面数の減少により光学特性を向上させることができる。
【0015】
また、本発明は、カラーフィルタ基材と、上記カラーフィルタ基材の一方の表面側に形成され、複数の着色層を備えるカラーフィルタ層と、上記カラーフィルタ基材の上記カラーフィルタ層が形成されていない表面側の最表面に配置された光学機能層または表面保護層とを有する電子ペーパー用カラーフィルタ部材をロール・ツー・ロール方式により形成する電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程を有することを特徴とする電子ペーパー用カラーフィルタ部材の製造方法を提供する。
【0016】
本発明によれば、各構成層の高い位置精度が要求されない電子ペーパー用カラーフィルタ部材をロール・ツー・ロール方式により形成することで、生産性の高い電子ペーパー用カラーフィルタ部材を得ることができる。
【0017】
また、本発明は、上述した電子ペーパー用カラーフィルタ部材をロール・ツー・ロール方式により形成する電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程と、上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材に、透明電極層および表示媒体層を備える表示部を、上記表示媒体層が上記透明電極層を介して上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材の上記カラーフィルタ層側に配置されるように形成し、表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材を形成する表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程と、上記表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材と、対向基材および上記対向基材上に形成された対向電極層を有する対向電極基板とを、上記対向電極層が、上記対向基材に対して、上記表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材の上記表示媒体層側に配置されるように、シート・ツー・シート方式により真空下でアライメント貼合する貼合工程とを有することを特徴とする電子ペーパーの製造方法を提供する。
【0018】
本発明によれば、各構成層の高い位置精度が要求されない電子ペーパー用カラーフィルタ部材をロール・ツー・ロール方式により形成し、精密な位置合わせを必要とする表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材と対向電極基板との貼り合わせを、シート・ツー・シート方式を用いた真空アライメント貼合により行うことで、高精度で生産性の高い電子ペーパーを得ることができる。また、上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材を用いることで、カラー表示特性に優れた電子ペーパーを得ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明においては、電子ペーパーに用いた際に、良好なカラー表示特性を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の他の例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の他の例を示す概略断面図である。
【図4】本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の他の例を示す概略断面図である。
【図5】本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の他の例を示す概略断面図である。
【図6】本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の他の例を示す概略断面図である。
【図7】本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の他の例を示す概略断面図である。
【図8】本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の他の例を示す概略断面図である。
【図9】本発明の電子ペーパーの一例を示す概略断面図である。
【図10】本発明の電子ペーパーの他の例を示す概略断面図である。
【図11】本発明に用いられる対向電極基板の一例を示す概略断面図である。
【図12】本発明の電子ペーパーの他の例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材、電子ペーパー、電子ペーパー用カラーフィルタ部材の製造方法および電子ペーパーの製造方法について詳細に説明する。
【0022】
A.電子ペーパー用カラーフィルタ部材
まず、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材について説明する。本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材は、少なくとも一方が透明である対向する2枚の基板間に表示媒体層が配置されており、上記表示媒体層が所定の情報を表示する電子ペーパーに用いられる電子ペーパー用カラーフィルタ部材であって、カラーフィルタ基材と、上記カラーフィルタ基材の一方の表面側に形成され、複数の着色層を備えるカラーフィルタ層と、上記カラーフィルタ基材の上記カラーフィルタ層が形成されていない表面側の最表面に配置された光学機能層または表面保護層とを有することを特徴とするものである。
【0023】
本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の一例を示す概略断面図である。図1に例示する電子ペーパー用カラーフィルタ部材10は、カラーフィルタ基材1と、カラーフィルタ基材1の一方の表面側に形成され、複数の着色層(2R、2G、2B)を備えるカラーフィルタ層2と、カラーフィルタ基材1のカラーフィルタ層2が形成されていない表面側の最表面に配置された光学機能層3とを有している。図1においては、光学機能層3、カラーフィルタ基材1、カラーフィルタ層2の順に積層されており、図1に示す電子ペーパー用カラーフィルタ部材10が電子ペーパーに用いられる場合、カラーフィルタ層2側に電子ペーパーの表示部が配置される。
【0024】
図2は、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の他の例を示す概略断面図である。図2に例示する電子ペーパー用カラーフィルタ部材10は、カラーフィルタ基材1と、カラーフィルタ基材1の一方の表面側に形成され、複数の着色層(2R、2G、2B)を備えるカラーフィルタ層2と、カラーフィルタ基材1のカラーフィルタ層2が形成されていない表面側の最表面に配置された表面保護層4とを有している。図2においては、表面保護層4、カラーフィルタ基材1、カラーフィルタ層2の順に積層されており、図2に示す電子ペーパー用カラーフィルタ部材10が電子ペーパーに用いられる場合、カラーフィルタ層2側に電子ペーパーの表示部が配置される。
【0025】
本発明によれば、光学機能層を有する電子ペーパー用カラーフィルタ部材であるため、電子ペーパーに用いた場合に、電子ペーパーの視認性を向上させることができ、カラー表示特性に優れた電子ペーパーを得ることができる。また、本発明によれば、表面保護層を有する電子ペーパー用カラーフィルタ部材であるため、電子ペーパーに用いた場合に、電子ペーパー表面の傷および汚れを防止することができ、カラー表示特性に優れた電子ペーパーを得ることができる。
【0026】
以下、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材における各構成について説明する。
【0027】
1.カラーフィルタ層
本発明に用いられるカラーフィルタ層は、カラーフィルタ基材の一方の表面側に形成され、複数の着色層を備えるものである。
なお、ここで「カラーフィルタ基材の一方の表面側に形成される」とは、カラーフィルタ基材の一方の表面上に直接形成される場合だけでなく、カラーフィルタ基材の一方の表面上に他の層を介して形成される場合を含む概念である。
【0028】
上記カラーフィルタ層に含有される複数の着色層としては、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材を用いて電子ペーパーを作製した際に、所望の色を発色できるものであれば特に限定されるものではなく、一般的なカラーフィルタに用いられている各色の着色層を用いることができる。中でも、本発明においては、通常、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色からなる複数の着色層が用いられる。
【0029】
本発明に用いられる複数の着色層は、通常、複数色が規則的に配置されるようにパターン状に形成されるが、本発明に採用されるパターンとしては特に限定されるものではなく、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の用途等に応じて適宜選択することができる。このようなパターンとしては、例えば、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、および、4画素配置型等を挙げることができる。また、このとき個々の着色層の面積は特に限定されるものではなく、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材を用いて製造する電子ペーパーの解像度等に応じて適宜調整される。
【0030】
上記着色層の材料については、一般的なカラーフィルタの着色層に用いられているものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
【0031】
本発明に用いられる着色層の膜厚としては、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材を電子ペーパーに用いた場合に、良好な画像表示を行うことができれば特に限定されるものではないが、具体的には、0.5μm〜3.0μmの範囲内で設定することができる。
【0032】
また、上記着色層の形成方法としては、所望の厚みの着色層を混色無く形成することができる方法であれば、特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、フォトリソグラフィー法やインクジェット法等、一般的に公知の方法を用いることができる。
【0033】
本発明に用いられるカラーフィルタ層は、少なくとも上述した着色層を有するものであるが、必要に応じて上記着色層以外の他の構成を有するものであってもよい。このような他の構成としては特に限定されるものではなく、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の用途等に応じて、任意の機能を備えるものを用いることができる。
このような他の構成としては、画素を区画するために各着色層間に形成される遮光部等を挙げることができる。上記遮光部については、一般的なカラーフィルタに用いられているものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
【0034】
2.カラーフィルタ基材
本発明に用いられるカラーフィルタ基材は、上記カラーフィルタ層等の本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材を構成する層を支持するものである。
【0035】
このようなカラーフィルタ基材としては、所望の透明性を有するものであれば特に限定されるものではなく、一般的なカラーフィルタに用いられている透明基材と同様のものを用いることができる。中でも、本発明に用いられるカラーフィルタ基材は、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。透過率が上記範囲であることにより、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材を電子ペーパーに用いた場合に、表示輝度が低下すること等を防止することができるからである。
ここで、カラーフィルタ基材の透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
【0036】
本発明に用いられるカラーフィルタ基材は、ガラス基板等の可撓性を有さない透明なリジッド基材であってもよく、あるいは、樹脂製フィルム基材等の可撓性を有する透明なフレキシブル基材であってもよい。中でも、本発明においては、透明なフレキシブル基材を用いることが好ましい。透明なフレキシブル基材を用いることにより、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材をロール・ツー・ロール方式によって製造することが可能となるからである。上記樹脂製フィルム基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、セルローストリアセテート(CTA)、環状ポリオレフィン(COP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリサルフォン(PSF)、ポリアミドイミド(PAI)等からなるフィルムを挙げることができる。
【0037】
本発明に用いられるカラーフィルタ基材の厚みとしては、特に限定されるものではなく、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の用途等に応じて適宜調整すればよい。具体的に、カラーフィルタ基材の厚みは、10μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。カラーフィルタ基材の厚みが薄すぎると、強度に問題があるおそれがあり、カラーフィルタ基材の厚みが厚すぎると、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材が用いられた電子ペーパーを薄型の情報表示パネルとすることが困難となるおそれがあるからである。
【0038】
3.光学機能層
本発明に用いられる光学機能層は、上記カラーフィルタ基材の上記カラーフィルタ層が形成されていない表面側の最表面に配置され、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材が電子ペーパーに用いられた際に、電子ペーパーの視認性を向上させることができるものである。なお、本発明においては、光学機能層が後述する表面保護層を兼ねた層であってもよい。
【0039】
光学機能層は、単独で上記カラーフィルタ基材の上記カラーフィルタ層が形成されていない側の最表面に配置されていてもよく、また、光学機能層基材上に光学機能層が形成された光学機能層積層体として、上記カラーフィルタ基材の上記カラーフィルタ層が形成されていない側の最表面に配置されていてもよい。
本発明に用いられる光学機能層基材としては、上述したカラーフィルタ基材と同様のものを用いることができる。上記光学機能層基材の厚みとしては、光学機能層を支持することができれば特に限定されるものではないが、10μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。
また、上記光学機能層積層体は、通常、粘着材からなる粘着層を光学機能層基材側に形成して、カラーフィルタ基材に貼り合わされる。粘着材としては、所望の強度で接着させることができ、かつ、透明性を有するものであればよく、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂等を挙げることができ、中でも、アクリル系樹脂が好ましい。また、上記粘着層の膜厚としては、上記光学機能層積層体が剥離しないように貼り合わせることができれば特に限定されるものではなく、具体的には、5μm〜50μmの範囲内で設定することができる。
【0040】
本発明に用いられる光学機能層としては、例えば、防眩層、反射防止層、低反射層、のぞき見防止層等を挙げることができ、中でも、防眩層および反射防止層であることが好ましい。以下、防眩層および反射防止層について説明する。
【0041】
(1)防眩層(アンチグレア層)
本発明に用いられる防眩層は、防眩性を有するものである。防眩層は、例えば、表面に凹凸を有する、または、内部散乱性を有することにより、防眩性を発現し、明所コントラストを向上させることができる。また、防眩層を有することで、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材を電子ペーパーに用いた際に、ぎらつき等の発生を抑制することが可能である。本発明においては、公知の防眩層を用いることができる。
【0042】
防眩層の形成材料としては、表面に凹凸を有する、または、内部散乱性を有する層とすることが可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、透光性微粒子およびバインダー成分を含有するものを挙げることができる。
【0043】
透光性微粒子は、有機系、無機系のものを用いることができる。防眩層の透明性を確保する点から、有機系、特にアクリル系微粒子であることが好ましい。
アクリル系微粒子としては、特に限定されず、例えば、イソシアネート化合物、エステル系化合物、アクリル系のモノマー成分同士、またはこれらと共重合可能なモノマーとのコポリマー等を挙げることができる。
上記アクリル系のモノマー成分とこれらと共重合可能なモノマーとのコポリマーとしては、例えば、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体等を挙げることができる。
【0044】
無機系微粒子としては、不定形シリカ、無機シリカビーズ等を挙げることができる。
【0045】
透光性微粒子は、1次粒子であってもよく、2次粒子であってもよい。
【0046】
透光性微粒子は、目的に応じ、1種類だけでなく、成分が異なるものを2種類以上混合して用いることができる。好ましくは、1〜3種類用いるのが好ましい。
【0047】
透光性微粒子は、微粒子全体の80%以上(好ましくは90%以上)が、各平均粒径±300nmの範囲内にあることが好ましい。これによって、防眩層の凹凸形状の均一性を良好なものとすることができる。
【0048】
防眩層中の透光性微粒子の含有量は、防眩層の固形分全質量に対して、5質量%〜40質量%の範囲内であることが好ましく、5質量%〜20質量%の範囲内であることがより好ましい。上記含有量が上記範囲未満であると、十分な防眩性が付与できず、上記含有量が上記範囲を超えると、膜強度が落ちる場合があるからである。
【0049】
防眩層に用いられるバインダー成分は、防眩層に製膜性を付与するものである。バインダー成分としては、硬化型有機樹脂が好ましく、塗膜とした時に光が透過する透光性のものが好ましい。その具体例としては、紫外線もしくは電子線で代表される電離放射線により硬化する樹脂である電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂と溶剤乾燥型樹脂(熱可塑性樹脂など、塗工時に固形分を調整するための溶剤を乾燥させるだけで、被膜となるような樹脂)との混合物、または熱硬化型樹脂の三種類が挙げられ、好ましくは電離放射線硬化型樹脂が挙げられる。
【0050】
電離放射線硬化型樹脂の例としては、(メタ)アクリレート基等のラジカル重合性官能基を有する化合物、例えば、(メタ)アクリレート系の、単量体(モノマー)、または高分子骨格にモノマーを導入したポリマーが挙げられる。より具体的には、(メタ)アクリレート系単量体としては、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、高分子骨格にモノマーを導入したポリマーとしては、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール、フルオレン樹脂等を高分子骨格とし、この高分子骨格に(メタ)アクリレート基を導入したポリマーが挙げられる。
(メタ)アクリレート系化合物以外の例としては、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能または多官能単量体、またはビスフェノール型エポキシ化合物、ノボラック型エポキシ化合物、芳香族ビニルエーテル、脂肪族ビニルエーテル等のオリゴマーまたはプレポリマー等のカチオン重合性官能基を有する化合物が挙げられる。
【0051】
電離放射線硬化型樹脂に混合して使用される溶剤乾燥型樹脂としては、主として熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂は一般的に例示されるものが利用される。溶剤乾燥型樹脂の添加により、塗布面の塗膜欠陥を有効に防止することができる。好ましい熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、有機酸ビニルエステル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、オレフィン系樹脂(脂環式オレフィン系樹脂を含む)、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリスルホン系樹脂(例えば、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン)、ポリフェニレンエーテル系樹脂(例えば、2,6−キシレノールの重合体)、セルロース誘導体(例えば、セルロースエステル類、セルロースカーバメート類、セルロースエーテル類)、シリコーン樹脂(例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン)、ゴムまたはエラストマー(例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン等のジエン系ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム)等が好ましい。
【0052】
熱硬化型樹脂の具体例としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。熱硬化型樹脂を用いる場合、必要に応じて、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等をさらに添加して使用することができる。
【0053】
防眩層は、必要に応じて、防眩性微粒子、レベリング剤、重合開始剤、硬化剤、架橋剤、紫外線遮断剤、紫外線吸収剤等を含有していてもよい。
【0054】
防眩層は、防眩性を向上させる等の目的で、防眩性微粒子を含有していてもよい。防眩性微粒子の平均粒径は特に限定されないが、一般的には5nm〜100nmの範囲内であることが好ましい。また、防眩性微粒子の形状は、真球状、楕円状等のいずれであってもよく、好ましくは真球状のものが挙げられる。
【0055】
防眩性微粒子は、防眩性を発揮しないものであり、無機系、有機系のものが使用することができ、好ましくは透明性のものがよい。中でも、防眩層を高屈折率にする点から、無機材料が好ましく、このような粒子としては、酸化チタン、ジルコニア、酸化亜鉛、アルミナ等が挙げられる。
【0056】
防眩層は、フッ素系またはシリコーン系等のレベリング剤を含有することが好ましい。塗工安定性、滑り性、防汚染性、および耐擦傷性を付与することができるからである。
【0057】
防眩層は、例えば、防眩層形成用塗工液を塗布、乾燥、必要に応じて硬化することにより形成することができる。
【0058】
防眩層の平均膜厚は、1μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。
【0059】
(2)反射防止層(アンチリフレクション層)
本発明に用いられる反射防止層は、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材が電子ペーパーに用いられた際に、電子ペーパー表面での外来光の鏡面反射による背景の映り込み、画像の白化および画像のコントラスト低下を防止する機能を有するものである。本発明においては、公知の反射防止層を用いることができる。
【0060】
反射防止層としては、例えば、屈折率の高い材料と低い材料を交互に積層し、最表面が低屈折率層となる様に多層化したもの等を挙げることができる。
【0061】
反射防止効果を向上させるためには、反射防止層の最表面側に配置される低屈折率層の屈折率は、1.49以下であることが好ましい。これらの特徴を有する材料としては、例えばLiF(屈折率n=1.4)、MgF2(屈折率n=1.4)、3NaF・AlF3(屈折率n=1.4)、AlF3(屈折率n=1.4)、Na3AlF6(屈折率n=1.33)、SiO2(屈折率n=1.45)等の無機材料を微粒子化し、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂等に含有させた無機系低反射材料、フッ素系・シリコーン系の有機化合物、熱可塑性樹脂、熱硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂等の有機低反射材料を挙げることができる。
【0062】
低屈折率層は、上記で述べた材料を例えば溶剤に希釈し、スピンコーティング、ロールコーティングや印刷等によるウェットコーティング法や、真空蒸着、スパッタリング、プラズマCVD、イオンプレーティング等による気相法で、後述の高屈折率層上に設けて乾燥後、熱や放射線(紫外線の場合は光重合開始剤を使用する)等により硬化させることによって得ることができる。
低屈折率層の厚みとしては、0.05μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、0.1μm〜3μmの範囲内であることがより好ましい。
【0063】
高屈折率層の形成は、屈折率を高くするために高屈折率のバインダー樹脂を使用するか、高い屈折率を有する超微粒子をバインダー樹脂に添加することによって行うか、あるいはこれらを併用することによって行う。高屈折率層の屈折率は1.55〜2.70の範囲にあることが好ましい。
【0064】
高屈折率層に用いる樹脂については、透明なものであれば任意の樹脂が使用可能であり、熱硬化型樹脂、熱可塑性樹脂、電離放射線(紫外線を含む)硬化型樹脂などを用いることができる。熱硬化型樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等を用いることができ、これらの樹脂に、必要に応じて架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等を加えることができる。
【0065】
高い屈折率を有する超微粒子としては、例えば、紫外線遮蔽の効果をも得ることができる、ZnO(屈折率n=1.9)、TiO2(屈折率n=2.3〜2.7)、CeO2(屈折率n=1.95)の微粒子、また、帯電防止効果が付与されて埃の付着を防止することもできる、アンチモンがドープされたSnO2(屈折率n=1.95)又はITO(屈折率n=1.95)の微粒子が挙げられる。その他の微粒子としては、Al2O3(屈折率n=1.63)、La2O3(屈折率n=1.95)、ZrO2(屈折率n=2.05)、Y2O3(屈折率n=1.87)等を挙げることができる。これらの微粒子は単独又は混合して使用され、有機溶剤又は水に分散したコロイド状になったものが分散性の点において良好であり、その粒径としては、1nm〜100nmの範囲内であり、塗膜の透明性の観点から、5nm〜20nmの範囲内であることが好ましい。
【0066】
高屈折率層を設けるには、上記で述べた材料を例えば溶剤に希釈し、スピンコーティング、ロールコーティング、印刷等の方法で低屈折率層が設けられた支持基材の低屈折率層上に設けて乾燥後、熱や放射線(紫外線の場合は光重合開始剤を使用する)等により硬化させればよい。
高屈折率層の厚みとしては、0.05μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、1μm〜4μmの範囲内であることがより好ましい。
【0067】
4.表面保護層
本発明に用いられる表面保護層は、上記カラーフィルタ基材の上記カラーフィルタ層が形成されていない表面側の最表面に配置され、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材が電子ペーパーに用いられた際に、電子ペーパー表面の傷および汚れを防止することができるものである。なお、本発明においては、表面保護層が上述した光学機能層を兼ねた層であってもよい。
【0068】
本発明に用いられる表面保護層は、単独で上記カラーフィルタ基材の上記カラーフィルタ層が形成されていない側の最表面に配置されていてもよく、また、表面保護層基材上に表面保護層が形成された表面保護層積層体として、上記カラーフィルタ基材の上記カラーフィルタ層が形成されていない側の最表面に配置されていてもよい。
本発明に用いられる表面保護層基材としては、上述したカラーフィルタ基材と同様のものを用いることができる。上記表面保護層基材の厚みとしては、表面保護層を支持することができれば特に限定されるものではなく、具体的には、10μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。
また、上記表面保護層積層体は、通常、粘着材からなる粘着層を表面保護層基材側に形成して、カラーフィルタ基材に貼り合わされる。粘着材としては、上述した粘着材と同様のものを用いることができる。上記粘着層の膜厚としては、上記表面保護層積層体が剥離しないように貼り合わせることができれば特に限定されるものではなく、上述した他の粘着層と同様である。
【0069】
本発明に用いられる表面保護層としては、例えば、ハードコート層、防汚層、帯電防止層、抗菌層等を挙げることができ、中でも、ハードコート層および防汚層が好ましい。以下、ハードコート層および防汚層について説明する。
【0070】
(1)ハードコート層
本発明に用いられるハードコート層は、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材に耐擦傷性を付与する機能を有する層である。本発明においては、公知のハードコート層を用いることができる。
なお、「ハードコート層」とは、一般にJIS 5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験で「H」以上の硬度を示すものをいう。中でも、ハードコート層表面の硬度が「3H」以上であることが好ましい。
【0071】
このようなハードコート層の形成材料としては、例えば、電離放射線硬化型樹脂を用いることができる。電離放射線硬化型樹脂としては、好ましくはアクリレート系の官能基を有するものを挙げることができる。具体的には、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエーテル樹脂、多価アルコール、フルオレン樹脂等を挙げることができる。また、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート等のジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート誘導体やジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート;等の多官能化合物のモノマー類、またはエポキシアクリレートやウレタンアクリレート等のオリゴマー等を挙げることもできる。
【0072】
ハードコート層は、耐擦傷性を高める等の目的で、有機系微粒子または無機系微粒子を含有していてもよい。これらの中でも、硬度が高いことから、シリカ等の無機系微粒子が好ましい。また、上記の電離放射線硬化型樹脂と架橋結合を形成できる反応性官能基を有する無機系微粒子が、さらに膜強度を高められるため、より好ましい。
【0073】
ハードコート層の膜厚としては、0.1μm〜30μmの範囲内であることが好ましく、5μm〜15μmの範囲内であることがより好ましい。
【0074】
ハードコート層の形成方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ハードコート層用塗工液を用いた塗布法や、ハードコート層を転写させる転写法が挙げられる。
【0075】
(2)防汚層
本発明に用いられる防汚層は、ごみや汚れが付着するのを防止し、あるいはごみが付着しても除去しやすくするために設けられる層である。本発明においては、公知の防汚層を用いることができる。
【0076】
防汚層は、防汚剤をごく薄く塗布し、乾燥させることで形成することができる。防汚剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤等の界面活性剤、フッ素系樹脂を含む塗料、シリコーンオイル等の剥離剤、もしくはワックス等が挙げられる。
【0077】
本発明においては、防汚層は、ハードコート層と別に設けられるものであってもよいが、ハードコート層に上記防汚剤を添加することにより、防汚層としてもよい。中でも、コストを削減できることから、ハードコート層に防汚剤を添加して、防汚層とすることが好ましい。
【0078】
防汚層の膜厚としては、1nm〜30nmの範囲内であることが好ましい。防汚層の膜厚が上記範囲を超えると、光学的な影響が生じるおそれがあるからである。
【0079】
5.電子ペーパー用カラーフィルタ部材の層構成
本発明においては、カラーフィルタ層が電子ペーパーの表示部が配置される側となり、光学機能層もしくは表面保護層が電子ペーパーの最表面となる側となる。したがって、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材を電子ペーパーに用いた場合、カラーフィルタ層と電子ペーパーの表示部とが近くなるため、表示特性に優れた電子ペーパーとすることができる。
【0080】
本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の層構成としては、光学機能層を有する態様と、表面保護層を有する態様との2つの態様に分けることができる。
光学機能層を有する態様の具体的な層構成としては、図1に例示するように、光学機能層3、カラーフィルタ基材1、カラーフィルタ層2の順であってもよく、図3に例示するように、光学機能層3、光学機能層基材3′、粘着層5、カラーフィルタ基材1、カラーフィルタ層2の順であってもよい。なお、図3は、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の他の例を示す概略断面図であり、図3において説明していない符号については、図1と同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
表面保護層を有する態様の具体的な層構成としては、図2に例示するように、表面保護層4、カラーフィルタ基材1、カラーフィルタ層2の順であってもよく、図4に例示するように、表面保護層4、表面保護層基材4′、粘着層5、カラーフィルタ基材1、カラーフィルタ層2の順であってもよい。なお、図4は、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の他の例を示す概略断面図であり、図4において説明していない符号については、図1と同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
さらに、各層構成において、電子ペーパーの表示部が配置される側、すなわち、カラーフィルタ層のカラーフィルタ基材が配置されていない側に粘着層を付与した層構成とすることもできる。
【0081】
6.その他の構成
本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材は、上記カラーフィルタ基材と、上記カラーフィルタ層と、上記光学機能層または上記表面保護層とを少なくとも有していれば特に限定されるものではなく、必要な構成を適宜追加することが可能である。以下、このような構成について具体的に説明する。
【0082】
(1)タッチパネル層
本発明においては、タッチパネル層が、上記カラーフィルタ基材と、上記光学機能層もしくは上記表面保護層との間に配置されていてもよい。タッチパネル層を有することで、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材を電子ペーパーに用いた場合に、画面に直接触れることにより情報の入力が可能な利便性の高い電子ペーパーを得ることができる。
【0083】
本発明に用いられるタッチパネル層は、通常、粘着材からなる粘着層を用いて貼り合わされる。上記粘着層は、タッチパネル層の片面に形成されていてもよく、両面に形成されていてもよい。粘着材としては、上述した粘着材と同様のものを用いることができる。上記粘着層の膜厚としては、タッチパネル層が剥離しないように貼り合わせることができれば特に限定されるものではなく、上述した他の粘着層と同様である。
【0084】
本発明に用いられるタッチパネル層としては、抵抗膜方式、静電容量方式、光学方式、電磁誘導方式、超音波方式等の各種の方式を使用することができる。
抵抗膜方式のタッチパネルは、基板上に形成した電極面がギャップを保ち、相対した構造となっている。指またはペンなどの押圧を受けると基板が変形し、電極が接触する。電圧を印加し、接触部の電位勾配を読み取ることにより入力点を検出する。抵抗膜方式のタッチパネル層の構成については、例えば、特開2003−307723号公報等で説明されたものと同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
静電容量方式のタッチパネルは、指などの導電体がパネルに触れることにより電気容量変化することを利用して入力点を検出する方式である。複数の方式があるが、このうち投影型では、誘電体を挟んでマトリックス状にパターニングされた電極の構造となっており、各電極の電気容量に起因した電圧変化から入力点を検出する。静電容量方式のタッチパネル層の構成については、例えば、特表2003−511799号公報等で説明されたものと同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
【0085】
本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材がタッチパネル層を有する場合の上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材の層構成としては、光学機能層を有する態様においては、図5に示すように、光学機能層3、光学機能層基材3’、粘着層5、タッチパネル層6、粘着層5、カラーフィルタ基材1、カラーフィルタ層2の順となり、表面保護層を有する態様においては、図6に示すように、表面保護層4、表面保護層基材4’、粘着層5、タッチパネル層6、粘着層5、カラーフィルタ基材1、カラーフィルタ層2の順となる。なお、図5および図6において、上側が電子ペーパーの最表面となる側であり、下側が電子ペーパーの表示部が配置される側である。さらに、各層構成において、電子ペーパーの表示部が配置される側、すなわち、カラーフィルタ層のカラーフィルタ基材が配置されていない側に粘着層を付与した層構成とすることもできる。なお、図5および6は、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の他の例を示す概略断面図であり、図5および6において説明していない符号については、図1と同様であるので、ここでの記載は省略する。
【0086】
(2)透明電極層
本発明においては、透明電極層が、上記カラーフィルタ基材に対して、電子ペーパーの表示部が配置される側に配置されていてもよい。
【0087】
本発明に用いられる透明電極層の材料としては、透明電極を形成することができる導電性材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化アルミニウム亜鉛(AZO)等の導電性酸化物、Au、Ni等の金属、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリアルキルチオフェン誘導体、ポリシラン誘導体のような導電性高分子等を用いることができ、中でも、ITOが好適に用いられる。
【0088】
本発明に用いられる透明電極層の厚みとしては、透明電極層として機能することができれば特に限定されるものではないが、15nm〜200nmの範囲内であることが好ましい。透明電極層の厚みが上記範囲に満たない場合は、透明電極層を均一な厚みで形成することが困難であるからであり、透明電極層の厚みが上記範囲を超える場合は、透明電極層の成膜に用いられる時間や材料が多くなるため、製造コストが高くなるからである。
【0089】
本発明に用いられる透明電極層の形成方法としては、所望の厚みで透明電極層を形成することができる方法であれば特に限定されるものではない。このような透明電極層の形成方法としては、一般的な電極の成膜方法を用いることができ、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法や、CVD法、導電ペーストを塗布する方法等が挙げられる。また、上記透明電極層は、下地となる層または基材の表面上に全面に形成されていてもよく、下地となる層または基材の表面上にパターン状に形成されていてもよい。
【0090】
本発明に用いられる透明電極層は、単独で上記カラーフィルタ基材に対して、電子ペーパーの表示部が配置される側に配置されていてもよく、また、透明電極層基材上に透明電極層が形成された透明電極層積層体として、上記カラーフィルタ基材に対して、電子ペーパーの表示部が配置される側に配置されていてもよい。
本発明に用いられる透明電極層基材としては、上述したカラーフィルタ基材と同様のものを用いることができる。上記透明電極層基材の厚みとしては、透明電極層を支持することができれば特に限定されるものではないが、10μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。
また、上記透明電極層積層体は、通常、粘着材からなる粘着層を形成して貼り合わされる。上記粘着層は、上記透明電極層積層体の透明電極層側に形成されていてもよく、上記透明電極層積層体の透明電極層基材側に形成されていてもよい。粘着材としては、上述した粘着材と同様のものを用いることができる。上記粘着層の膜厚としては、透明電極層積層体が剥離しないように貼り合わせることができれば特に限定されるものではなく、上述した他の粘着層と同様である。
【0091】
透明電極層の配置位置としては、カラーフィルタ基材に対して、電子ペーパーの表示部が配置される側に配置されていれば特に限定されるものではないが、中でも、電子ペーパーの表示部が配置される側の最表面に配置されていることが好ましい。透明電極層と表示部とを近づけることにより、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材が用いられた電子ペーパーの表示特性を良好にすることができるからである。なお、上述した透明電極層積層体が、電子ペーパーの表示部が配置される側の最表面に配置されている場合は、透明電極層が最表面であってもよく、透明電極層基材が最表面であってもよい。また、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材において、透明電極層が電子ペーパーの表示部が配置される側の最表面に配置されており、カラーフィルタ層が透明電極層上に配置され、かつカラーフィルタ基材のみを基材として有する層構成の場合は、透明電極層とカラーフィルタ層とが逆に配置されていてもよい。
【0092】
(3)表示媒体層
本発明においては、表示媒体層が、上記透明電極層に対して、電子ペーパーの対向電極基板が配置される側に配置されていてもよい。
【0093】
本発明に用いられる表示媒体層は、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材が用いられる電子ペーパーの表示方式に応じて適宜選択されるものである。
電子ペーパーの表示方式としては、公知のものを適用することができ、例えば、電気泳動方式、ツイストボール方式、粉体移動方式(電子粉流体方式、帯電トナー型方式)、液晶表示方式、サーマル方式(発色方式、光散乱方式)、エレクトロクロミック方式、エレクトロウェッティング方式、磁気泳動方式などが挙げられる。本発明においては、中でも、電気泳動方式が好適に用いられる。この方式は、実用段階に入っているとともに、粒子移動型であるため、視野角依存性が少なく、かつ応答性に優れた電子ペーパーを得ることができるからである。
【0094】
電気泳動方式は、溶媒中に分散された帯電粒子が、電界によって電極間を移動する電気泳動現象を利用したものである。電気泳動方式には、例えば、マイクロカプセル方式、マイクロカップ方式等がある。
マイクロカプセル方式では、帯電した白色粒子および黒色粒子と、これらの粒子を分散する透明分散媒とを透明樹脂からなるマイクロカプセル中に封入し、電界を印加することにより、上記白色粒子および上記黒色粒子を上下させることで白黒表示または階調を表現する。
マイクロカップ方式では、カップ状の窪み(マイクロカップ)で仕切られたセルに、染料で着色した分散媒と、帯電した白色粒子とを配置し、電界を印加することにより、上記白色粒子を上下させることで白色または上記分散媒の色を表示させる。
【0095】
本発明に用いられる表示媒体層の構成、材料および形成方法については、各表示方式の一般的な電子ペーパーに用いられるものと同様とすることができる。
【0096】
以下、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材がマイクロカプセル方式の電子ペーパーに用いられる場合の表示媒体層を例に挙げて説明する。このような表示媒体層としては、例えば、白色粒子と黒色粒子と透明分散媒とからなる分散液を内包したマイクロカプセルをバインダー樹脂により固定したものを挙げることができる。
【0097】
透明分散媒としては、例えば、アルコール系溶媒、各種エステル類、ケトン類、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、カルボン酸塩又はその他の種々の油類等の単独、またはこれらの混合物に界面活性剤等を配合したものを用いることができる。
【0098】
白色粒子としては、例えば、二酸化チタン、亜鉛華、三酸化アンチモン等の白色顔料を用いることができ、黒色粒子としては、例えば、アニリンブラック、カーボンブラック、チタンブラック等の黒色顔料を用いることができる。
さらに必要に応じて、これらの顔料に、電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂、ゴム、油、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等を添加してもよい。
【0099】
マイクロカプセルの壁膜を形成する材料としては、例えば、アラビアゴム・ゼラチンの複合膜、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、尿素樹脂などの化合物を用いることができる。
【0100】
バインダー樹脂としては、マイクロカプセルの壁膜に対する親和性が良好で、上記透明電極層に対する密着性に優れ、かつ絶縁性を有するものを用いることができ、例えば、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、シリコーン樹脂等を挙げることができる。
【0101】
このような表示媒体層は、例えば、マイクロカプセルをバインダー樹脂に分散してインキ化したものを上記透明電極層上に塗布することにより形成することができる。
【0102】
本発明に用いられる表示媒体層は、単独で上記透明電極層に対して、電子ペーパーの対向電極基板が配置される側に配置されていてもよく、また、表示媒体層基材上に表示媒体層が形成された表示媒体層積層体として、上記透明電極層に対して、電子ペーパーの対向電極基板が配置される側に配置されていてもよい。
本発明に用いられる表示媒体層基材としては、上述したカラーフィルタ基材と同様のものを用いることができる。上記表示媒体層基材の厚みとしては、表示媒体層を支持することができれば特に限定されるものではないが、10μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。
また、上記表示媒体層積層体は、通常、粘着材からなる粘着層を表示部基材側に形成して貼り合わされる。粘着材としては、上述した粘着材と同様のものを用いることができる。上記粘着層の膜厚としては、表示媒体層積層体が剥離しないように貼り合わせることができれば特に限定されるものではなく、上述した他の粘着層と同様である。
【0103】
表示媒体層の配置位置としては、透明電極層に対して、電子ペーパーの対向電極基板が配置される側に配置されていれば特に限定されるものではないが、中でも、電子ペーパーの対向電極基板に対向配置される側の最表面に配置されていることが好ましい。表示媒体層と対向電極基板とを近づけることにより、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材が用いられた電子ペーパーの表示特性を良好にすることができるからである。なお、上述した表示媒体層積層体が、電子ペーパーの対向電極基板に対向配置される側の最表面に配置されている場合は、表示媒体層が最表面であってもよく、表示媒体層基材が最表面であってもよい。
【0104】
7.電子ペーパー用カラーフィルタ部材
本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材は、上述したように、種々の層構成を採ることが可能である。中でも、本発明においては、好ましい層構成として、以下のようなものを挙げることができる。なお、左側が電子ペーパーの最表面となる側であり、右側が電子ペーパーの表示部および/または対向電極基板が配置される側である。
・光学機能層3、カラーフィルタ基材1、カラーフィルタ層2、粘着層5(図7参照)
・光学機能層3、カラーフィルタ基材1、カラーフィルタ層2、粘着層5、透明電極層基材7’、透明電極層7、表示媒体層8(図8参照)
これらの層構成とすることにより、基材数が削減されることで、視認性が向上し、薄い電子ペーパー用カラーフィルタ部材となる。なお、図7および図8は、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の他の例を示す概略断面図であり、図7および図8において説明していない符号については、図1と同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
【0105】
B.電子ペーパー
次に、本発明の電子ペーパーについて説明する。本発明の電子ペーパーは、カラーフィルタ基材、および、上記カラーフィルタ基材の一方の表面側に形成され、複数の着色層を備えるカラーフィルタ層、および、上記カラーフィルタ基材の上記カラーフィルタ層が形成されていない表面側の最表面に配置された光学機能層または表面保護層を有する電子ペーパー用カラーフィルタ部材と、透明電極層と、表示媒体層と、対向基材および上記対向基材上に形成された対向電極層を有する対向電極基板とを有する電子ペーパーであって、上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材が、上記電子ペーパーの一方の表面に配置され、上記対向電極基板が、上記電子ペーパーの他方の表面に配置され、上記透明電極層が、上記カラーフィルタ基材に対して、上記対向電極基板側に配置され、上記表示媒体層が、上記透明電極層に対して、上記対向電極基板側に配置され、上記対向電極層が、上記対向基材に対して、上記表示媒体層側に配置されていることを特徴とするものである。
【0106】
本発明の電子ペーパーについて、図面を参照しながら説明する。図9は、本発明の電子ペーパーの一例を示す概略断面図である。図9に例示する電子ペーパー20は、電子ペーパー用カラーフィルタ部材10と、透明電極層7と、表示媒体層8と、粘着層5と、対向電極基板13とを有している。また、図9に例示する電子ペーパー用カラーフィルタ部材10は、カラーフィルタ基材1、および、カラーフィルタ基材1の一方の表面側に形成され、複数の着色層(2R、2G、2B)を備えるカラーフィルタ層2、および、カラーフィルタ基材1のカラーフィルタ層2が形成されていない表面側の最表面に配置された光学機能層3を有しており、対向電極基板13は、対向基材11および対向基材11上に形成された対向電極層12を有している。電子ペーパー用カラーフィルタ部材10は、電子ペーパー20の一方の表面に配置されており、対向電極基板13は、電子ペーパー20の他方の表面に配置されている。透明電極層7は、カラーフィルタ基材1に対して、対向電極基板13側に配置されており、表示媒体層8は、透明電極層7に対して、対向電極基板13側に配置されており、対向電極層12は、対向基材11に対して、表示媒体層8側に配置されている。
【0107】
図10は、本発明の電子ペーパーの他の例を示す概略断面図である。図10に例示する電子ペーパー20は、電子ペーパー用カラーフィルタ部材10と、透明電極層7と、表示媒体層8と、粘着層5と、対向電極基板13とを有している。また、図10に例示する電子ペーパー用カラーフィルタ部材10は、カラーフィルタ基材1、および、カラーフィルタ基材1の一方の表面側に形成され、複数の着色層(2R、2G、2B)を備えるカラーフィルタ層2、および、カラーフィルタ基材1のカラーフィルタ層2が形成されていない表面側の最表面に配置された表面保護層4を有しており、対向電極基板13は、対向基材11および対向基材11上に形成された対向電極層12を有している。電子ペーパー用カラーフィルタ部材10は、電子ペーパー20の一方の表面に配置されており、対向電極基板13は、電子ペーパー20の他方の表面に配置されている。透明電極層7は、カラーフィルタ基材1に対して、対向電極基板13側に配置されており、表示媒体層8は、透明電極層7に対して、対向電極基板13側に配置されており、対向電極層12は、対向基材11に対して、表示媒体層8側に配置されている。
【0108】
本発明によれば、光学機能層を有する電子ペーパー用カラーフィルタ部材を用いているため、電子ペーパーの視認性を向上させることができ、カラー表示特性に優れた電子ペーパーとすることができる。また、本発明によれば、表面保護層を有する電子ペーパー用カラーフィルタ部材を用いているため、電子ペーパー表面の傷および汚れを防止することができ、カラー表示特性に優れた電子ペーパーとすることができる。また、本発明に用いられる電子ペーパー用カラーフィルタ部材は、構成層の基材の数を削減することが可能であるため、電子ペーパーを薄くすることができるとともに、界面数の減少により光学特性を向上させることができる。
【0109】
本発明においては、電子ペーパー用カラーフィルタ部材と透明電極層とが一体化していてもよく、電子ペーパー用カラーフィルタ部材と透明電極層と表示媒体層とが一体化していてもよい。
なお、電子ペーパー用カラーフィルタ部材、透明電極層および表示媒体層については、上記「A.電子ペーパー用カラーフィルタ部材」の項に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。以下、本発明の電子ペーパーにおけるその他の構成について説明する。
【0110】
1.対向電極基板
本発明に用いられる対向電極基板は、対向基材および上記対向基材上に形成された対向電極層を有するものである。
【0111】
(1)対向電極層
本発明に用いられる対向電極層としては、透明電極層のストライプパターンに直交するように形成された画素電極層であってもよく、複数のTFT素子ならびに上記TFT素子に接続された画素電極を有するTFT電極層であってもよい。前者を用いることにより、パッシブマトリクス型の電子ペーパーとすることができ、後者を用いることにより、アクティブマトリクス型の電子ペーパーとすることができる。中でも、本発明においては、上記TFT電極層を用いることが好ましい。コントラストが高く、応答速度の速いアクティブマトリクス型の電子ペーパーとすることができるからである。
【0112】
このようなTFT電極層について、図を参照しながら具体的に説明する。図11は、本発明に用いられる対向電極基板の一例を示す概略断面図である。図11に例示する対向電極基板13は、対向基材11および対向基材11上に形成され、複数のTFT素子14ならびにTFT素子14に接続された画素電極15を有するTFT電極層12’を備えている。このようなTFT電極層12’において、TFT素子14は、ゲート電極14aと、ゲート電極14a上に形成されたゲート絶縁膜14bと、ゲート絶縁膜14b上に形成された半導体層14cと、半導体層14c上に一定に間隔を空けて対向するように形成されたソース電極14dおよびドレイン電極14eとを有するものであり、画素電極15はドレイン電極14eと接続するように形成されているものである。
また、図11に例示するように、本発明に用いられるTFT電極層12’は、TFT素子14を覆うように保護膜16が形成され、保護膜16上に画素電極15が形成されたものであってもよい。
【0113】
TFT素子としては、特に限定されるものではなく、本発明の電子ペーパーの種類に応じて適宜選択され、例えば、a−Si TFT構造を有するものであってよく、p−Si TFT構造を有するものであってもよい。a−Si TFT構造を有するTFT素子の場合、正スタガ型(トップゲート構造)および逆スタガ型(ボトムゲート構造)のいずれであってもよい。また、逆スタガ型の場合、チャネルエッチ型およびチャネルプロテクト型のいずれであってもよい。一方、p−Si TFT構造を有するTFT素子の場合、プレーナ型およびスタガ型のいずれであってもよい。
【0114】
TFT素子を構成する半導体層としては、対向基材上に形成することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、シリコン、酸化物半導体、有機半導体が用いられる。
【0115】
シリコンとしては、ポリシリコン、アモルファスシリコンを用いることができる。
酸化物半導体としては、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO)、酸化マグネシウム亜鉛(MgxZn1−xO)、酸化カドミウム亜鉛(CdxZn1−xO)、酸化カドミウム(CdO)、酸化インジウム(In2O3)、酸化ガリウム(Ga2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化タングステン(WO)、InGaZnO系、InGaSnO系、InGaZnMgO系、InAlZnO系、InFeZnO系、InGaO系、ZnGaO系、InZnO系を用いることができる。
有機半導体としては、例えば、π電子共役系の芳香族化合物、鎖式化合物、有機顔料、有機ケイ素化合物等を挙げることができる。より具体的には、ペンタセン、テトラセン、チオフェンオリゴマ誘導体、フェニレン誘導体、フタロシアニン化合物、ポリアセチレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、シアニン色素等が挙げられる。
【0116】
半導体層の形成方法および厚みとしては、一般的なものと同様とすることができる。
【0117】
TFT素子を構成するゲート電極、ソース電極およびドレイン電極としては、所望の導電性を備えるものであれば特に限定されるものではなく、一般的にTFT素子に用いられる導電性材料を用いることができる。このような材料の例としては、Ta、Ti、Al、Zr、Cr、Nb、Hf、Mo、Au、Ag、Pt、Mo−Ta合金、W−Mo合金、ITO、IZO等の無機材料、および、PEDOT/PSS等の導電性を有する有機材料を挙げることができる。
ゲート電極、ソース電極およびドレイン電極の形成方法および厚みとしては、一般的なものと同様とすることができる。
【0118】
TFT素子を構成するゲート絶縁膜としては、一般的なTFT素子におけるゲート絶縁膜と同様のものを用いることができ、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の絶縁性無機材料、および、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、カルド系樹脂、ビニル系樹脂、イミド系樹脂、ノボラック系樹脂等の絶縁性有機材料等の絶縁性有機材料を用いることができる。
ゲート絶縁膜の形成方法および厚みとしては、一般的なものと同様とすることができる。
【0119】
TFT素子上には保護膜が形成されていてもよい。保護膜は、TFT素子を保護するために設けられるものである。例えば、半導体層が空気中に含有される水分等に曝露されることを防止することができる。保護膜が形成されていることにより、TFT性能の経時劣化を低減することができるのである。このような保護膜としては、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素が用いられる。
保護膜の形成方法および厚みとしては、一般的なものと同様とすることができる。
【0120】
画素電極は、一般的に電子ペーパー等に用いられているものであれば特に限定されるものではなく、例えば、酸化インジウム、酸化錫、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム錫(IZO)等が好ましく用いられる。
画素電極の形成方法および厚みとしては、一般的なものと同様とすることができる。
【0121】
(2)対向基材
本発明に用いられる対向基材は、上記対向電極層を支持するものである。このような対向基材としては、一般的に電子ペーパー等の基板として用いられているものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ガラス板、プラスチック板などが好ましく挙げられる。
【0122】
2.電子ペーパー
本発明の電子ペーパーは、通常、上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材上に、上記透明電極層および上記表示媒体層がこの順に積層され、粘着材からなる粘着層を用いて、上記表示媒体層と、上記対向電極基板の上記対向電極層とが貼り合わされてなるものである。上記粘着層は、上記表示媒体層に形成されていてもよく、上記対向電極層に形成されていてもよい。粘着材としては、上記「A.電子ペーパー用カラーフィルタ部材」の項に記載した粘着材と同様のものを用いることができる。上記粘着層の膜厚としては、上記表示媒体層および上記対向電極層が剥離しないように貼り合わせることができれば特に限定されるものではなく、上述した他の粘着層と同様である。
【0123】
本発明の電子ペーパーの具体的な層構成としては、電子ペーパー用カラーフィルタ部材、透明電極層、表示媒体層、粘着層、対向電極層、対向基材の順であればよい。透明電極層および表示媒体層は基材を有していてもよく、基材を有する場合は、粘着層を用いて積層する。
なお、電子ペーパー用カラーフィルタ部材の層構成については、上記「A.電子ペーパー用カラーフィルタ部材」の項に記載したいずれかの層構成を用いることができるので、ここでの記載は省略する。
【0124】
本発明の電子ペーパーは、上述したように、種々の層構成を採ることが可能である。中でも、本発明においては、好ましい層構成として、以下のようなものを挙げることができる。
・光学機能層3、カラーフィルタ基材1、カラーフィルタ層2、粘着層5、透明電極層基材7’、透明電極層7、表示媒体層8、粘着層5、対向電極層12、対向基材11(図12参照)
この層構成とすることにより、視認性が高く、薄い電子ペーパーを実現する。なお、図12は、本発明の電子ペーパーの他の例を示す概略断面図であり、図12において説明していない符号については、図9と同様であるので、ここでの記載は省略する。
【0125】
本発明の電子ペーパーの用途としては、デジタル機器のディスプレイ、電子ブック、デジタル・サイネージ(電子看板)等に用いられる。
【0126】
C.電子ペーパー用カラーフィルタ部材の製造方法
次に、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の製造方法について説明する。本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の製造方法は、カラーフィルタ基材と、上記カラーフィルタ基材の一方の表面側に形成され、複数の着色層を備えるカラーフィルタ層と、上記カラーフィルタ基材の上記カラーフィルタ層が形成されていない表面側の最表面に配置された光学機能層または表面保護層とを有する電子ペーパー用カラーフィルタ部材をロール・ツー・ロール方式により形成する電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程を有することを特徴とするものである。
【0127】
本発明によれば、各構成層の高い位置精度が要求されない電子ペーパー用カラーフィルタ部材をロール・ツー・ロール方式により形成することで、生産性の高い電子ペーパー用カラーフィルタ部材を得ることができる。
【0128】
以下、本発明の電子ペーパー用カラーフィルタ部材の製造方法における電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程について説明する。
【0129】
本発明における電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程は、カラーフィルタ基材と、上記カラーフィルタ基材の一方の表面側に形成され、複数の着色層を備えるカラーフィルタ層と、上記カラーフィルタ基材の上記カラーフィルタ層が形成されていない表面側の最表面に配置された光学機能層または表面保護層とを有する電子ペーパー用カラーフィルタ部材をロール・ツー・ロール方式により形成する工程である。なお、上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材については、上記「A.電子ペーパー用カラーフィルタ部材」の項に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0130】
なお、本発明における「電子ペーパー用カラーフィルタ部材をロール・ツー・ロール方式により形成する工程」とは、本発明における電子ペーパー用カラーフィルタ部材を構成する各層を貼り合わせる際に、少なくとも1回のロール・ツー・ロール方式により貼り合わせる工程があればよいものである。本工程においては、ロール・ツー・ロール方式により貼り合わされる部材の組み合わせに応じて、カラーフィルタ基材上にカラーフィルタ層が形成されたカラーフィルタ層積層体と、光学機能層基材上に光学機能層が形成された光学機能層積層体もしくは表面保護層基材上に表面保護層が形成された表面保護層積層体とを貼り合わせる態様(第1態様)と、タッチパネル層と、上記光学機能層積層体もしくは上記表面保護層積層体とを貼り合わせる態様(第2態様)との2つの態様に分けることができる。以下、各態様について説明する。
【0131】
1.第1態様
本発明における電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程の第1態様は、カラーフィルタ基材上にカラーフィルタ層が形成されたカラーフィルタ層積層体と、光学機能層基材上に光学機能層が形成された光学機能層積層体もしくは表面保護層基材上に表面保護層が形成された表面保護層積層体とをロール・ツー・ロール方式により貼り合わせる工程である。
【0132】
本態様においては、まず、長尺状の上記カラーフィルタ層積層体と、長尺状の上記光学機能層積層体もしくは長尺状の上記表面保護層積層体とを形成する。次に、これらの積層体をロール・ツー・ロール方式により貼り合わせる。なお、上記カラーフィルタ層積層体の代わりに、カラーフィルタ基材をロール・ツー・ロール方式により貼り合わせてから、カラーフィルタ層を形成してもよい。
なお、本態様により形成される電子ペーパー用カラーフィルタ部材の層構成については、上記「A.電子ペーパー用カラーフィルタ部材」の項に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0133】
2.第2態様
本発明における電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程の第2態様は、タッチパネル層と、光学機能層基材上に光学機能層が形成された光学機能層積層体もしくは表面保護層基材上に表面保護層が形成された表面保護層積層体とをロール・ツー・ロール方式により貼り合わせる工程である。
【0134】
本態様においては、まず、長尺状の上記光学機能層積層体もしくは長尺状の上記表面保護層積層体を形成する。次に、タッチパネル層と、いずれかの積層体とをロール・ツー・ロール方式により貼り合わせる。また、本態様においては、タッチパネル層と長尺状の上記光学機能層積層体もしくは長尺状の上記表面保護層積層体とをロール・ツー・ロール方式により貼り合わせてなるタッチパネル層を含む部材と、カラーフィルタ基材上にカラーフィルタ層が形成されたカラーフィルタ層積層体とをシート・ツー・シート方式により貼り合わせる。具体的には、上記タッチパネル層を含む部材と上記カラーフィルタ層積層体とを、シート・ツー・シート方式により真空下でアライメント貼合してもよく、または、シート・ツー・シート方式によりアライメント有りラミネートしてもよい。
なお、本態様により形成される電子ペーパー用カラーフィルタ部材の層構成については、上記「A.電子ペーパー用カラーフィルタ部材」の項に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0135】
本発明により製造される電子ペーパー用カラーフィルタ部材がタッチパネル層を有する場合、タッチパネル層はカラーフィルタ層とのアライメントを必要とするが、本態様においては、タッチパネル層を含む部材と、カラーフィルタ層を含む部材との貼り合わせをアライメント調整が可能なシート・ツー・シート方式により行うことで、アライメントが調整されるため、タッチパネル機能を備え、かつ電子ペーパーに用いた際にカラー表示特性が良好な電子ペーパー用カラーフィルタ部材を得ることができる。
【0136】
シート・ツー・シート方式により真空下でアライメント貼合する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、真空チャンバー内で、枚葉状のカラーフィルタ層を含む部材と枚葉状のタッチパネル層またはタッチパネル層を含む部材との位置合わせを、両部材に予め形成されたアライメントマークを用いて行い、粘着層を介して両部材をプレスすることにより貼り合わせる方法等を挙げることができる。真空度としては、貼合面での異物および気泡の混入を防ぐことができれば特に限定されるものではなく、例えば、50Pa〜10000Paの範囲内で設定することができる。
【0137】
シート・ツー・シート方式によりアライメント有りラミネートする方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、枚葉状のカラーフィルタ層を含む部材と枚葉状のタッチパネル層またはタッチパネル層を含む部材との位置合わせを、両部材に予め形成されたアライメントマークを用いて行い、粘着層を介して両部材をプレスすることによりラミネートする方法等を挙げることができる。
【0138】
D.電子ペーパーの製造方法
次に、本発明の電子ペーパーの製造方法について説明する。本発明の電子ペーパーの製造方法は、上述した電子ペーパー用カラーフィルタ部材をロール・ツー・ロール方式により形成する電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程と、上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材に、透明電極層および表示媒体層を備える表示部を、上記表示媒体層が上記透明電極層を介して上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材の上記カラーフィルタ層側に配置されるように形成し、表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材を形成する表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程と、上記表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材と、対向基材および上記対向基材上に形成された対向電極層を有する対向電極基板とを、上記対向電極層が、上記対向基材に対して、上記表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材の上記表示媒体層側に配置されるように、シート・ツー・シート方式により真空下でアライメント貼合する貼合工程とを有することを特徴とするものである。
【0139】
本発明によれば、各構成層の高い位置精度が要求されない電子ペーパー用カラーフィルタ部材をロール・ツー・ロール方式により形成し、精密な位置合わせを必要とする表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材と対向電極基板との貼り合わせを、シート・ツー・シート方式を用いた真空アライメント貼合により行うことで、高精度で生産性の高い電子ペーパーを得ることができる。また、上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材を用いることで、カラー表示特性に優れた電子ペーパーを得ることができる。
【0140】
なお、電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程については、上記「C.電子ペーパー用カラーフィルタ部材の製造方法」に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。以下、本発明の電子ペーパーの製造方法におけるその他の工程について説明する。
【0141】
1.表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程
本発明における表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程は、上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材に、透明電極層および表示媒体層を備える表示部を、上記表示媒体層が上記透明電極層を介して上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材の上記カラーフィルタ層側に配置されるように形成し、表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材を形成する工程である。
【0142】
本工程に用いられる表示部は、透明電極層および表示媒体層を備えるものである。なお、透明電極層および表示媒体層については、上記「A.電子ペーパー用カラーフィルタ部材」の項で記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0143】
本工程に用いられる表示部は、透明電極層および表示媒体層の他に、表示部基材を備えていてもよい。上記表示部が表示部基材を有する場合、表示部基材上に透明電極層および表示媒体層が形成された表示部積層体として、本工程に用いることができる。
本工程に用いられる表示部基材としては、上記「A.電子ペーパー用カラーフィルタ部材」の項に記載したカラーフィルタ基材と同様のものを用いることができる。上記表示部基材の厚みとしては、透明電極層および表示媒体層を支持することができれば特に限定されるものではないが、10μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。
また、上記表示部積層体は、通常、粘着材からなる粘着層を表示部基材側に形成して貼り合わされる。粘着材としては、上記「A.電子ペーパー用カラーフィルタ部材」の項に記載した粘着材と同様のものを用いることができる。上記粘着層の膜厚としては、表示部積層体が剥離しないように貼り合わせることができれば特に限定されるものではなく、上述した他の粘着層と同様である。
【0144】
本工程に用いられる表示部は、上記表示部基材に加えて、透明電極層基材を有していてもよい。上記表示部が透明電極層基材を有する場合、透明電極層基材上に透明電極層が形成された透明電極層積層体と、表示部基材上に表示媒体層が形成された表示媒体層積層体とからなる表示部積層体として、本工程に用いることができる。なお、透明電極層基材および透明電極層積層体については、上記「A.電子ペーパー用カラーフィルタ部材」の項に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0145】
本発明においては、表示部の構成に応じて、表示部基材を有さない態様と、表示部基材を有する態様との2つの態様に本工程を分けることができる。
表示部基材を有さない態様においては、上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材上に、透明電極層および表示媒体層をこの順に形成する。
【0146】
表示部基材を有する態様は、さらに、表示部積層体の層構成に応じて、表示部基材のみを有する態様と、表示部基材および透明電極層基材を有する態様との2つの態様に分けることができる。
表示部基材のみを有する態様においては、まず、表示部基材上に透明電極層および表示媒体層が形成された表示部積層体を形成する。次に、粘着層を用いて、上記表示部積層体と上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材とを貼り合わせる。
表示部基材および透明電極層基材を有する態様においては、まず、透明電極層基材上に透明電極層が形成された透明電極層積層体と、表示部基材上に表示媒体層が形成された表示媒体層積層体とを形成する。次に、粘着層を用いて、上記透明電極層積層体および上記表示媒体層積層体を貼り合わせて、表示部積層体を形成する。さらに、粘着層を用いて、上記表示部積層体と上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材とを貼り合わせる。
なお、電子ペーパー用カラーフィルタ部材がタッチパネル層を有さない場合は、表示部積層体および電子ペーパー用カラーフィルタ部材を貼り合わせる際に、ロール・ツー・ロール方式を用いることも可能である。
【0147】
本工程により形成される表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材の層構成としては、表示部基材を有さない態様と、表示部基材を有する態様との2つの態様を挙げることができる。
表示部基材を有さない態様の表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材の層構成としては、電子ペーパー用カラーフィルタ部材、透明電極層、表示媒体層の順となる。
【0148】
表示部基材を有する態様は、上述したように、表示部積層体の層構成に応じて、表示部基材のみを有する態様と、表示部基材および透明電極層基材を有する態様との2つの態様に分けることができる。
表示部基材のみを有する態様の表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材の層構成としては、電子ペーパー用カラーフィルタ部材、表示部基材、透明電極層、表示媒体層の順であってもよく、電子ペーパー用カラーフィルタ部材、透明電極層、表示部基材、表示媒体層の順であってもよい。
表示部基材および透明電極層基材を有する態様の表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材の層構成としては、電子ペーパー用カラーフィルタ部材、透明電極層基材、透明電極層、粘着層、表示部基材、表示媒体層の順であってもよく、電子ペーパー用カラーフィルタ部材、透明電極層基材、透明電極層、粘着層、表示媒体層、表示部基材の順であってもよく、電子ペーパー用カラーフィルタ部材、透明電極層、透明電極層基材、粘着層、表示部基材、表示媒体層の順であってもよく、電子ペーパー用カラーフィルタ部材、透明電極層、透明電極層基材、粘着層、表示媒体層、表示部基材の順であってもよい。
【0149】
なお、電子ペーパー用カラーフィルタ部材の層構成については、上記「A.電子ペーパー用カラーフィルタ部材」の項に記載したいずれかの層構成を用いることができるので、ここでの記載は省略する。
【0150】
2.貼合工程
本発明における貼合工程は、上記表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材と、対向基材および上記対向基材上に形成された対向電極層を有する対向電極基板とを、上記対向電極層が、上記対向基材に対して、上記表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材の上記表示媒体層側に配置されるように、シート・ツー・シート方式により真空下でアライメント貼合する工程である。なお、対向基材および上記対向基材上に形成された対向電極層を有する対向電極基板については、上記「B.電子ペーパー」の項に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0151】
本工程においては、通常、粘着材からなる粘着層を用いて、上記表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材と上記対向電極基板とを貼り合わせる。上記粘着層は、上記表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材に形成されていてもよく、上記対向電極基板に形成されていてもよい。なお、粘着層については、上記「B.電子ペーパー」の項に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0152】
シート・ツー・シート方式により真空下でアライメント貼合する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、真空チャンバー内で、枚葉状の上記表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材と枚葉状の上記対向電極基板との位置合わせを、両部材に予め形成されたアライメントマークを用いて行い、粘着層を介して両部材をプレスすることにより貼り合わせる方法等を挙げることができる。真空度については、上記「C.電子ペーパー用カラーフィルタ部材の製造方法」の項に記載したものと同様である。
【0153】
3.任意の工程
本発明の電子ペーパーの製造方法は、必須の工程である上記電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程、上記表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程および上記貼合工程の他に、必要に応じて任意の工程を有していてもよい。このような工程としては、例えば、上記貼合工程の前に、上記表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程により形成された表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材をシート状に切り出す工程、洗浄工程、UV照射などの表面改質工程、脱湿工程、検査工程等を挙げることができる。
【0154】
4.電子ペーパー
本発明の電子ペーパーの製造方法により製造される電子ペーパーの層構成および用途については、上記「B.電子ペーパー」の項に記載したものと同様であるので、ここでの記載は省略する。
【0155】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【符号の説明】
【0156】
1 … カラーフィルタ基材
2 … カラーフィルタ層
3 … 光学機能層
4 … 表面保護層
5 … 粘着層
6 … タッチパネル層
7 … 透明電極層
8 … 表示媒体層
10 … 電子ペーパー用カラーフィルタ部材
11 … 対向基材
12 … 対向電極層
13 … 対向電極基板
20 … 電子ペーパー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方が透明である対向する2枚の基板間に表示媒体層が配置されており、前記表示媒体層が所定の情報を表示する電子ペーパーに用いられる電子ペーパー用カラーフィルタ部材であって、
カラーフィルタ基材と、
前記カラーフィルタ基材の一方の表面側に形成され、複数の着色層を備えるカラーフィルタ層と、
前記カラーフィルタ基材の前記カラーフィルタ層が形成されていない表面側の最表面に配置された光学機能層または表面保護層と
を有することを特徴とする電子ペーパー用カラーフィルタ部材。
【請求項2】
前記光学機能層が、防眩層または反射防止層のいずれかであり、前記表面保護層が、ハードコート層または防汚層のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の電子ペーパー用カラーフィルタ部材。
【請求項3】
タッチパネル層が、前記カラーフィルタ基材と、前記光学機能層または前記表面保護層との間に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子ペーパー用カラーフィルタ部材。
【請求項4】
透明電極層が、前記カラーフィルタ基材に対して、電子ペーパーの表示部が配置される側に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の電子ペーパー用カラーフィルタ部材。
【請求項5】
表示媒体層が、前記透明電極層に対して、電子ペーパーの対向電極基板が配置される側に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の電子ペーパー用カラーフィルタ部材。
【請求項6】
カラーフィルタ基材、および、前記カラーフィルタ基材の一方の表面側に形成され、複数の着色層を備えるカラーフィルタ層、および、前記カラーフィルタ基材の前記カラーフィルタ層が形成されていない表面側の最表面に配置された光学機能層または表面保護層を有する電子ペーパー用カラーフィルタ部材と、透明電極層と、表示媒体層と、対向基材および前記対向基材上に形成された対向電極層を有する対向電極基板とを有する電子ペーパーであって、
前記電子ペーパー用カラーフィルタ部材が、前記電子ペーパーの一方の表面に配置され、
前記対向電極基板が、前記電子ペーパーの他方の表面に配置され、
前記透明電極層が、前記カラーフィルタ基材に対して、前記対向電極基板側に配置され、
前記表示媒体層が、前記透明電極層に対して、前記対向電極基板側に配置され、
前記対向電極層が、前記対向基材に対して、前記表示媒体層側に配置されていることを特徴とする電子ペーパー。
【請求項7】
カラーフィルタ基材と、前記カラーフィルタ基材の一方の表面側に形成され、複数の着色層を備えるカラーフィルタ層と、前記カラーフィルタ基材の前記カラーフィルタ層が形成されていない表面側の最表面に配置された光学機能層または表面保護層とを有する電子ペーパー用カラーフィルタ部材をロール・ツー・ロール方式により形成する電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程を有することを特徴とする電子ペーパー用カラーフィルタ部材の製造方法。
【請求項8】
請求項1または請求項2に記載の電子ペーパー用カラーフィルタ部材をロール・ツー・ロール方式により形成する電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程と、
前記電子ペーパー用カラーフィルタ部材に、透明電極層および表示媒体層を備える表示部を、前記表示媒体層が前記透明電極層を介して前記電子ペーパー用カラーフィルタ部材の前記カラーフィルタ層側に配置されるように形成し、表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材を形成する表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程と、
前記表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材と、対向基材および前記対向基材上に形成された対向電極層を有する対向電極基板とを、前記対向電極層が、前記対向基材に対して、前記表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材の前記表示媒体層側に配置されるように、シート・ツー・シート方式により真空下でアライメント貼合する貼合工程と
を有することを特徴とする電子ペーパーの製造方法。
【請求項1】
少なくとも一方が透明である対向する2枚の基板間に表示媒体層が配置されており、前記表示媒体層が所定の情報を表示する電子ペーパーに用いられる電子ペーパー用カラーフィルタ部材であって、
カラーフィルタ基材と、
前記カラーフィルタ基材の一方の表面側に形成され、複数の着色層を備えるカラーフィルタ層と、
前記カラーフィルタ基材の前記カラーフィルタ層が形成されていない表面側の最表面に配置された光学機能層または表面保護層と
を有することを特徴とする電子ペーパー用カラーフィルタ部材。
【請求項2】
前記光学機能層が、防眩層または反射防止層のいずれかであり、前記表面保護層が、ハードコート層または防汚層のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の電子ペーパー用カラーフィルタ部材。
【請求項3】
タッチパネル層が、前記カラーフィルタ基材と、前記光学機能層または前記表面保護層との間に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子ペーパー用カラーフィルタ部材。
【請求項4】
透明電極層が、前記カラーフィルタ基材に対して、電子ペーパーの表示部が配置される側に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の電子ペーパー用カラーフィルタ部材。
【請求項5】
表示媒体層が、前記透明電極層に対して、電子ペーパーの対向電極基板が配置される側に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の電子ペーパー用カラーフィルタ部材。
【請求項6】
カラーフィルタ基材、および、前記カラーフィルタ基材の一方の表面側に形成され、複数の着色層を備えるカラーフィルタ層、および、前記カラーフィルタ基材の前記カラーフィルタ層が形成されていない表面側の最表面に配置された光学機能層または表面保護層を有する電子ペーパー用カラーフィルタ部材と、透明電極層と、表示媒体層と、対向基材および前記対向基材上に形成された対向電極層を有する対向電極基板とを有する電子ペーパーであって、
前記電子ペーパー用カラーフィルタ部材が、前記電子ペーパーの一方の表面に配置され、
前記対向電極基板が、前記電子ペーパーの他方の表面に配置され、
前記透明電極層が、前記カラーフィルタ基材に対して、前記対向電極基板側に配置され、
前記表示媒体層が、前記透明電極層に対して、前記対向電極基板側に配置され、
前記対向電極層が、前記対向基材に対して、前記表示媒体層側に配置されていることを特徴とする電子ペーパー。
【請求項7】
カラーフィルタ基材と、前記カラーフィルタ基材の一方の表面側に形成され、複数の着色層を備えるカラーフィルタ層と、前記カラーフィルタ基材の前記カラーフィルタ層が形成されていない表面側の最表面に配置された光学機能層または表面保護層とを有する電子ペーパー用カラーフィルタ部材をロール・ツー・ロール方式により形成する電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程を有することを特徴とする電子ペーパー用カラーフィルタ部材の製造方法。
【請求項8】
請求項1または請求項2に記載の電子ペーパー用カラーフィルタ部材をロール・ツー・ロール方式により形成する電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程と、
前記電子ペーパー用カラーフィルタ部材に、透明電極層および表示媒体層を備える表示部を、前記表示媒体層が前記透明電極層を介して前記電子ペーパー用カラーフィルタ部材の前記カラーフィルタ層側に配置されるように形成し、表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材を形成する表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材形成工程と、
前記表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材と、対向基材および前記対向基材上に形成された対向電極層を有する対向電極基板とを、前記対向電極層が、前記対向基材に対して、前記表示部付電子ペーパー用カラーフィルタ部材の前記表示媒体層側に配置されるように、シート・ツー・シート方式により真空下でアライメント貼合する貼合工程と
を有することを特徴とする電子ペーパーの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−22046(P2012−22046A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−157954(P2010−157954)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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