説明

電子メトロノーム

【課題】 コストを削減し、かつ拍を入れるタイミング誤差を低減することが可能な電子メトロノームを提供することである。
【解決手段】 ROM40に拍を入れるための音情報が記録されている。そして、音源10からの音情報が入力バッファ20に記録され、さらに出力バッファ30A,30Bに交互に記録される。テンポ制御部50により出力バッファ30A,30Bへの割り込み回数がカウントされ、所定の割り込み回数に到達した場合にROM40に記録された拍の音情報が出力バッファ30に記録された音情報に足し合わされて外部に出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、この発明は、電子的に拍を指示する電子メトロノームに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機械的に拍を指示する機械式のメトロノームがあったが、近年、電子的に拍を支持する電子メトロノームが開発されている。この電子メトロノームでは、内部にパルス発生装置を設け、そのパルス発生装置から出力されたタイミングで拍の音を同期させることにより発音を行っている。また、この電子メトロノームでは、様々な機能を付加した種々の電子メトロノームが案出されている。
例えば、特許文献1には、電子メトロノーム本体を叩いた衝撃の振動を検出して、検出した信号の周期からメトロノームの発音速度を決定する電子メトロノームが開示されており、特許文献2には、スイッチ開閉のテンポ間隔に基づくテンポ設定やマニュアル操作によるテンポの選択を行える電子メトロノームについて開示されている。
【特許文献1】特開2001-141852号公報
【特許文献2】特公平3−23877号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の電子メトロノームにおいては、内部にパルス発生装置を新たに設ける必要があることから製造コストが増加する傾向にあった。さらに、種々の機能を設けた場合、さらなる製造コストの増加が懸念される。
【0004】
本発明の目的は、コストを削減し、かつ拍を入れるタイミング誤差を低減することが可能な電子メトロノームを提供することである。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0005】
本願発明者は、転送レートの高いデータの流れをリアルタイムで高速処理するために開発されたデバイスであるDSP(Digital Signal Processor)を用いて電子メトロノームを構築することを試みた。また、DSPにおいて通常内蔵されている内部タイマは別用途として用いられる場合が多いため、内部タイマを用いずに電子メトロノームを構築する点を見出し、本願発明に至った。
【0006】
(1)
本発明に係る電子メトロノームは、音源からの音に併せて拍を入れる電子メトロノームであって、音源からの音情報を処理することが可能な信号処理装置と、信号処理装置に対する制御を行う制御装置とを備え、信号処理装置は、音源からの音情報を記録する複数のバッファと、拍を入れるための音情報を記録した記録媒体と、制御装置からの指示により複数のバッファへの音情報の書き込み回数をカウントして所定回数に到達した場合に記録媒体に記録された拍の音情報を複数のバッファの音情報に加算して出力させる拍出力制御装置とを含むものである。
【0007】
本発明に係る電子メトロノームにおいては、記録媒体に拍を入れるための音情報が記録されている。そして、音源からの音情報が複数のバッファに一時的に記録される。拍出力制御装置により複数のバッファへの音情報の書き込み回数がカウントされ、所定回数に到達した場合に記録媒体に記録された拍の音情報が複数のバッファの音情報に加算されて出力される。
【0008】
この場合、拍出力制御装置により複数のバッファへの音情報の書き込み回数がカウントされ、所定回数に到達した場合に拍の音情報が出力される。すなわち、信号処理装置内部にパルス発生装置を新たに設ける必要がない。その結果、コスト低減を図ることができる。
【0009】
また、複数のバッファは、制御装置から指示される拍を入れるためのタイミング情報の間隔と比較して一回の書き込み時間が短いため、拍を入れるタイミング誤差を低減させることが可能となる。
【0010】
(2)
複数のバッファは、音源からの音情報を記録する入力バッファと、入力バッファからの情報を記録する複数の出力バッファとを含んでもよい。
【0011】
この場合、音源からの音情報が、入力バッファにより一時的に記録され、さらに複数の出力バッファに順に記録される。出力バッファが複数設けられるので、音情報の出力において連続して音情報を処理することができる。すなわち、音情報の処理効率を高めることができる。
【0012】
(3)
拍出力制御装置は、制御装置からの拍を入れるためのタイミング情報に応じて複数のバッファへの書き込み時間から所定回数を決定してもよい。
【0013】
この場合、タイミング情報に応じて複数のバッファの書き込みの回数が決定されるので、複雑な処理を行うことなく、容易に拍のタイミング誤差を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る電子メトロノーム500の内部構成の一例を示すブロック図である。
【0015】
図1に示すように、電子メトロノーム500は、音源10、信号処理装置(Digital Signal Processor、以下、DSPと呼ぶ。)100および制御装置であるマイクロコンピュータ(以下、単にマイコンと呼ぶ。)60を含む。
【0016】
DSP100は、入力バッファ(buffer)20、出力バッファ(buffer)30、記録媒体としてのリードオンリメモリ(Read Only Memory、以下、ROMと呼ぶ。)40および拍出力装置としてのテンポ制御部50を含む。
【0017】
音源10は、メトロノーム音を重ねる対象となる音情報を有している。例えば音源10は、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive、以下、単にHDDと呼ぶ。)、光ディスク(Compact Disk、以下、単にCDと呼ぶ。)、データ記録媒体(Digital Versatile Disk、以下、単にDVDと呼ぶ。)、コンパクトフラッシュ(登録商標)(Compact Flash、以下単にCFと呼ぶ。)等からの入力情報、またはマイク等によりアナログ−デジタル変換(以下、単にAD変換と呼ぶ。)されたデジタル情報である。
【0018】
また、入力バッファ20および出力バッファ30は、音源10から与えられた音を一時的に保存または記録する記録装置または記録領域である。また、出力バッファ30は、内部に2個の出力バッファ30Aおよび出力バッファ30Bを有している。出力バッファ30Aおよび出力バッファ30Bの詳細については後述する。
【0019】
また、ROM40には電子メトロノーム500の外部に出力するための音情報が記録されている。すなわち、テンポを刻むための音情報が記録されている。
【0020】
次に、第1の実施の形態に係る電子メトロノーム500の動作について説明する。図2はマイコン60の動作の一例を示すフローチャートである。
【0021】
まず、マイコン60は、電子メトロノーム500のスイッチがオン(ON)されたか否かを判定する(ステップS1)。マイコン60は、スイッチがオンされたと判定するまで、後述する処理を開始せず待機しステップS1の処理を繰り返す。一方、スイッチ60がオンされたと判定した場合、マイコン60は、DSP100のテンポ制御部50に動作開始信号を送信する(ステップS2)。続いて、マイコン60は、テンポ制御部50に外部に出力させる拍のテンポ情報を送信する(ステップS3)。ここで、外部に出力させる拍のテンポ情報とは、1分間の間に何回拍を示すかという情報である。例えば、テンポ情報とは、JIS(Japanese Industrial Standards Committee;日本工業規格)で定義されている最大テンポ間隔である(1分あたりに出力される音が少ない)40拍/分という情報、または最小テンポ間隔(1分あたりに出力される音が多い)208拍/分という情報を示す。
【0022】
続いて、マイコン60は、音源10に対して音情報の読み出しの指示を行う(ステップS4)。例えば、マイコン60は、音源10のHDD、CDまたはDVD等の読取用の駆動モータへの指示を行う。
【0023】
それにより、音源10から入力バッファ20に対して音情報が与えられる。入力バッファ20は、音源10から与えられるデジタルの音情報を一時的に記録する。入力バッファ20は、内部に記録するデジタルの音情報を記録した後、出力バッファ30にデジタルの音情報を与える。
【0024】
例えば、入力バッファ20は、後述するテンポ制御部50の指示により出力バッファ30Aにデジタルの音情報を記録させ、出力バッファ30Aの記録領域がなくなった場合、出力バッファ30Bにデジタル情報の音情報を記録させる。また、出力バッファ30Bにデジタルの音情報を記録させている間に、出力バッファ30Aに記録されたデジタルの音情報を外部に出力させ、出力バッファ30A内部を空にする。そして、出力バッファ30Bの記録領域がなくなった場合、出力バッファ30Aにデジタルの音情報を記録させる。以下、テンポ制御部50の指示に応じて出力バッファ30Aおよび出力バッファ30B内にデジタルの音情報が記録される。
【0025】
続いて、マイコン60は、電子メトロノーム500のスイッチがオフにされたか否かを判定する(ステップS5)。マイコン60は、スイッチがオフされたと判定するまで待機しステップS5の処理を繰り返す。一方、スイッチ60がオフされたと判定した場合、マイコン60は、テンポ制御部50に動作終了信号を送信し(ステップS6)、処理を終了する。
【0026】
次いで、図3はDSP100のテンポ制御部50の動作の一例を示すフローチャートである。
【0027】
まず、DSP100のテンポ制御部50は、マイコン60からの動作開始信号を受信したか否かを判定する(ステップS51)。テンポ制御部50は、動作開始信号が受信されたと判定するまで、後述する処理を開始せず待機しステップS51の処理を繰り返す。一方、動作開始信号を受信したと判定した場合、テンポ制御部50は、マイコン60から送信された出力させる拍のテンポ情報を受信する(ステップS52)。続いて、テンポ制御部50は、拍のテンポ情報から割り込み回数Xを算出する。この割り込み回数Xの算出方法については後述する。
【0028】
続いて、テンポ制御部50は、内部に有するカウンタの値を“0”に設定する(ステップS54)。そして、テンポ制御部50は、出力バッファ30にバッファ出力開始信号を与え(ステップS55)、所定時間経過後、出力バッファ30にバッファ出力終了信号を与える(ステップS56)。
【0029】
この場合、テンポ制御部50は、出力バッファ30Aにバッファ出力開始信号を与えた場合、出力バッファ30Bにバッファ出力終了信号を与える。そして、所定の時間経過後、割り込み処理を行い、出力バッファ30Bにバッファ出力開始信号を与え、同時に出力バッファ30Aにバッファ出力終了信号を与える。
【0030】
このように、テンポ制御部50の割り込み処理は、一定の時間ごとに行われる。すなわち、出力バッファ30の記録容量によって割り込み間隔が決定される。
【0031】
本実施の形態に係る出力バッファ30Aおよび出力バッファ30Bにおいては、それぞれ32サンプルを有すると仮定すると、CD等の音楽(44.1kHz)のデジタルの音情報が音源10から与えられた場合、32/44100=0.7256msecの間隔で割り込み処理が行われる。
【0032】
次いで、テンポ制御部50は、割り込み処理が行われるたびに、カウンタの値に“1”を加算する(ステップS57)。テンポ制御部50は、カウンタの値が割り込み回数Xと一致したか否かを判定する(ステップS58)。テンポ制御部50がカウンタの値と割り込み回数Xとの値が一致していないと判定した場合、ステップS55からステップS58までの処理を繰り返し行う。一方、カウンタの値と割り込み回数Xとの値が一致したと判定した場合、テンポ制御部50は、ROM40に記録された出力させる拍の音情報を読み出させ、出力バッファ30に一時的に記録された音情報に足し合わせる(ステップS59)。
【0033】
最後に、テンポ制御部50は、マイコン60からの動作終了信号を受信したか否かを判定する(ステップS60)。テンポ制御部50がマイコン60から動作終了信号を受信していないと判定した場合、ステップS54からステップS59までの処理を繰り返し行う。一方、マイコン60から動作終了信号を受信したと判定した場合、テンポ制御部50は、処理を終了する。
【0034】
次いで、割り込み回数Xの算出方法について説明する。拍を出力させるテンポ情報が最大テンポ間隔(40拍/分)の場合、出力させる拍の間隔は、60000msec内に40回の拍を出力させることから、60000/40=1500msecごとに1回の拍を出力させることとなる。さらに、1500msecを出力バッファ30の割り込み間隔0.7256で除算することにより、1500/0.7256=2067.2457≒2067となり、割り込み回数Xが2067回と算出される。なお、割り込み回数Xは四捨五入により整数化するものとする。
【0035】
また、この場合の拍を出力させるタイミング誤差は、0.2457×0.7256/1500×100=0.012となり、約0.012%である。一般の電子メトロノームでは、タイミング誤差が2%以内の製品が多く、タイミング誤差が0.012%であることは、実用性において充分なスペックを有する。
【0036】
また、拍を出力させるテンポ情報が、最小テンポ間隔(208拍/分)の場合、出力させる拍の間隔は、60000msec内に208回の拍を出力させることから、60000/208=288.46154msecごとに1回の拍を出力させることとなる。さらに、288.46154msecを出力バッファ30の割り込み間隔0.7256で除算することにより、288.46154/0.7256=397.549≒398となり、割り込み回数Xが398回と算出される。なお、割り込み回数Xは四捨五入により整数化するものとする。
【0037】
また、この場合の拍の出力させるタイミング誤差は、(1−0.549)×0.7256/288.46154×100となり、約0.11%である。一般の電子メトロノームでは、タイミング誤差が2%以内の製品が多く、タイミング誤差が0.11%であることは、実用性において充分なスペックを有する。
【0038】
続いて、図4および図5は、ROM40に記録された音情報を出力バッファ30に記録された音情報に足し合わせた状態を説明するための図である。
【0039】
図4は、ROM40に記録された音情報を示し、図5はROM40に記録されえた音情報が、出力バッファ30に記録された音情報に足し合わせた場合を示す図である。
【0040】
図4には、3回の音情報が図示されているが、本来ROM40には1回の音情報が記録されている。テンポ制御部50からの指示に応じてROM40は、ROM40内に記録された音情報を出力バッファ30に記録された音情報に足し合わせる。この足し合わせの処理は、ROM40に記録された音情報の値と出力バッファ30に記録された音情報の値との加算処理である。
【0041】
出力バッファ30に記録された音情報が、sin波形からなる音情報である場合、その音情報に対して図4に示すROM40に記録された音情報が加算された場合、図5に示す音情報となる。
【0042】
なお、ROM40に記録された音情報が出力バッファ30の記録容量より大きい場合であっても、連続した複数のバッファ30Aおよび30Bの出力にまたがって音情報を足し合わせることにより、拍を所定のタイミングで出力させることができる。
【0043】
以上の構成により、テンポ制御装置50により出力バッファ30A,30Bへの音情報の割り込み回数Xがカウントされ、所定の割り込み回数Xに到達した場合にROM40に記録された拍の音情報が出力される。すなわち、内部にパルス発生装置を新たに設ける必要がない。その結果、コスト低減を図ることができる。また、出力バッファ30A,30Bは、テンポ情報と比較して一回の書き込み時間が短いため、拍を入れるタイミング誤差を低減させることが可能となる。
さらに、通常、DSP100に備えられる内部タイマにより拍を入れるタイミングを計測することも可能であるが、内部タイマを他の処理に用いる場合が多く、内部タイマを用いない場合であっても拍を入れるタイミング誤差の少ない電子メトロノーム500を提供することができる。
【0044】
また、音源10からの音情報が、入力バッファ20により一時的に記録され、さらに出力バッファ30A,30Bに順に記録される。その結果、音情報の処理効率を高めることができる。
【0045】
さらに、テンポ情報に応じて出力バッファ30A,30Bの割り込み回数Xの値が決定されるので、複雑な処理が必要とならず、容易に拍のタイミング誤差を低減することができる。
【0046】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る電子メトロノーム500aの内部構成について説明する。図6は、第2の実施の形態に係る電子メトロノーム500aの内部構成の一例を示すブロック図である。
【0047】
図6に示す電子メトロノーム500aが、図1の電子メトロノーム500のDSP100の構成と異なるのは、電子メトロノーム500のDSP100の構成に、さらに入力音加工バッファ25を設けた点である。
【0048】
この入力音加工バッファ25は、入力バッファ20から与えられる音情報に対して、加工処理、例えばイコライザ・リバーブなどの音響効果処理を行う。音響処理効果が施された音情報は、出力バッファ30に与えられる。
【0049】
以上の構成により、テンポ制御装置50により出力バッファ30の出力バッファ30A,30Bへの音情報の割り込み回数Xがカウントされ、所定の割り込み回数Xに到達した場合にROM40に記録された拍の音情報が出力される。すなわち、内部にパルス発生装置を新たに設ける必要がない。その結果、コスト低減を図ることができる。
【0050】
また、音源10からの音情報が、入力バッファ20により一時的に記録され、入力音加工バッファ25により音響効果が向上され、さらに出力バッファ30A,30Bに順に記録される。その結果、音情報の音響効果および処理効率を高めることができる。
【0051】
なお、上記第1および第2の実施の形態においては、出力バッファ30が2個の出力バッファ30Aおよび出力バッファ30Bを含む場合について説明したが、これに限定されず、他の任意の個数の出力バッファを有する構成としてもよい。また、出力バッファ30のサイズを変更したり、サンプリングレートを変更させたりする場合には、誤差が変動するが、上記実施の形態のように割り込み間隔が、テンポ情報の時間の最大間隔または最小間隔よりも小さいことが好ましい。
【0052】
さらに、上記第1および第2の実施の形態においては、音源10を設ける場合について説明したが、これに限定されず、マイコン60においてフラグを設け、そのフラグのオンオフを用いてDSP100のテンポ制御部50に指示する構成を用いてもよい。
【0053】
第1および第2の実施の形態に係る電子メトロノーム500,500aにおいては、音源10が音源に相当し、DSP100,100aが信号処理装置に相当し、マイコン60が制御装置に相当し、入力バッファ20、出力バッファ30、0A,30Bが複数のバッファに相当し、入力バッファ20が入力バッファに相当し、出力バッファ30、30A、30Bが出力バッファに相当し、ROM40が記録媒体に相当し、テンポ情報が制御装置からの指示またはタイミング情報に相当し、割り込み回数Xが書き込み回数に相当し、テンポ制御装置50が拍出力制御装置に相当する。
【0054】
なお、第1および第2の実施の形態において、拍を入れるための音情報を記録した記録媒体としてROMを用いる場合について説明したが、これに限定されず、RAM等の他の任意の記録媒体を用いてもよい。また、信号処理装置として入力バッファおよび出力バッファを内蔵したDSPを用いる場合について説明したが、これに限定されず、入力バッファ、出力バッファがDSPを別個に構成されているもよく、また、DSPの代わりにCPU(中央演算処理装置)等の装置を用いてもよい。さらに、出力バッファ30A,30Bの構築については、1つのバッファの記録領域を2つに分ける手法を用いてもよい。また、出力バッファを複数構築する場合には、1または複数のバッファの記憶領域を任意に分割する手法を用いてもよい。
【0055】
本発明は、上記の好ましい第1および第2の実施の形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】第1の実施の形態に係る電子メトロノームの内部構成の一例を示すブロック図
【図2】マイコンの動作の一例を示すフローチャート
【図3】DSPのテンポ制御部の動作の一例を示すフローチャート
【図4】ROMに記録された音情報を出力バッファに記録された音情報に足し合わせる状態を説明するための図
【図5】ROMに記録された音情報を出力バッファに記録された音情報に足し合わせる状態を説明するための図
【図6】第2の実施の形態に係る電子メトロノームの内部構成の一例を示すブロック図
【符号の説明】
【0057】
100,100a DSP
500,500a 電子メトロノーム
10 音源
20 入力バッファ
25 入力音加工バッファ
30,30A,30B 出力バッファ
40 ROM
50 テンポ制御部
60 マイクロコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音源からの音に併せて拍を入れる電子メトロノームであって、
前記音源からの音情報を処理することが可能な信号処理装置と、
前記信号処理装置に対する制御を行う制御装置とを備え、
前記信号処理装置は、
前記音源からの音情報を記録する複数のバッファと、
前記拍を入れるための音情報を記録した記録媒体と、
前記制御装置からの指示により前記複数のバッファへの音情報の書き込み回数をカウントして所定回数に到達した場合に前記記録媒体に記録された拍の音情報を前記複数のバッファの音情報に加算して出力させる拍出力制御装置とを含むことを特徴とする電子メトロノーム。
【請求項2】
前記複数のバッファは、
前記音源からの音情報を記録する入力バッファと、前記入力バッファからの音情報を記録する複数の出力バッファとを含むことを特徴とする請求項1記載の電子メトロノーム。
【請求項3】
前記拍出力制御装置は、
前記制御装置からの拍を入れるためのタイミング情報に応じて前記複数のバッファへの書き込み時間から前記所定回数を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の電子メトロノーム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−177696(P2006−177696A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−368982(P2004−368982)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)