説明

電子ユニットの取付構造および電子機器

【課題】収容部の開口部に被せる蓋部材を小型化する。
【解決手段】HDDユニット200の収容部100への取り付け及び取り外し作業において、ブラケット250の他端側張出片部270が挿入孔106に挿入される。よって、ブラケット250の他端側張出片部270が挿入孔106に挿入される挿入分、開口部102の他端部102Aを一方側に移動できる。つまり、収容部100の他方側の端部に挿入孔106が設けられていない構成と比較し、収納部100の開口部102の開口面積を小さくすることができ、その結果、開口部102に被せる蓋部材を小型化することができる。また、蓋部材を小型化することで部品のレイアウトの設計自由度が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の開示する技術は、電子ユニットの取付構造および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ボトムに形成されたボスと板バネとの間の収納空間にHDDを係合爪形成側から斜めに挿入し、ボスのダンパと係合爪とを係合させた後、HDDを収納空間に押し込むことによって板バネに付勢力を発生させ、HDDを支持する構成が知られている。
【0003】
また、携帯型電子機器に着脱可能な部品を電子機器本体裏面に着脱可能とすると共に、その取り外し操作を装着部底面に対して垂直な操作と水平な操作との2つの操作の組み合わせによる2アクションで行う携帯型電子機器の部品着脱構造が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−75958号公報
【特許文献2】特開平8−16278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ハードディスク装置(HDD)等の電子ユニットを電子機器本体とコネクタで接続する構成では、電子ユニットを収容部内で移動させてコネクタを接続する。そして、電子ユニットに設けられた固定部材を介して、機器本体の収容部に設けられた固定部に固定する構成の場合、以下の課題が考えられる。
【0006】
すなわち、固定部材は電子ユニットと一体となって収容部に収容されると共に、収容部内を移動する。したがって、収容部の開口部の開口面積が大きくなり、その結果、開口部に被せる蓋部材が大型化する虞がある。
【0007】
本願の開示する技術は、上記課題に鑑みて成されたものであり、収容部の開口部に被せる蓋部材を小型化することができる電子ユニットの取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本願の開示する電子ユニットの取付構造は、機器本体に電子ユニットが収容される収容部が設けられている。収容部には電子ユニットが移動可能な移動代が設けられている。また、収容部の開口部には蓋部材が被せられる。電子ユニットにおける移動方向の一方側の端部にはユニット側コネクタが設けられている。また、収容部における移動方向の一方側の端部には、収容部内で電子ユニットを移動させることで、ユニット側コネクタが脱着する機器側コネクタが設けられている。電子ユニットには電子ユニットから移動方向の他方側に張り出す他端側張出部を有する固定部材が設けられている。また、収容部における移動方向の他方側の端部には、固定部材の他端側張出部が固定される固定部が設けられている。そして、収容部の移動方向の他方側の端部には、固定部材の他端側張出部が挿入可能な挿入口が設けられている。
【発明の効果】
【0009】
本願の開示する電子ユニットの取付構造によれば、収容部における移動方向の他方側の端部に挿入孔が設けられていない構成と比較し、開口部の開口面積を小さくすることができ、その結果、開口部に被せる蓋部材を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】表示ユニットが本体ユニットに対し開いた状態にある一実施形態に係るノートPCの正面及び右側壁を表す斜視図である。
【図2】表示ユニットが本体ユニットに対し開いた状態にあるノートPCの背面及び右側壁を表す斜視図である。
【図3】表示ユニットが本体ユニットに対し開いた状態にあるノートPCの下壁図である。
【図4】図3に示す下壁図において、HDDユニットが収容される収容部の開口部に被せられていた蓋部材を取り外した状態の図である。
【図5】ブラケットが固定されたHDDユニットを示す(A)は側面図であり、(B)は底面図である。
【図6】HDDユニットを収容する収容部を示す斜視図である。
【図7】(A)は図6に示す収容部にHDDユニットに固定されたブラケットの他端側張出片部が挿入孔に斜めに挿入された状態を示す斜視図であり、(B)は(A)のB−B断面の断面斜視図である。
【図8】図6に示す収容部の装着部の他方側に寄ってHDDユニットが配置され雄型コネクタと雌型コネクタとが接続されていない状態を示す斜視図である。
【図9】図6に示す収容部の装着部にHDDユニットが装着され雄型コネクタと雌型コネクタとが接続された状態を示す斜視図である。
【図10】HDDユニットに固定されたブラケットの他端側張出片部が挿入孔に斜めに挿入された状態を模式的に示す図7(A)に対応する幅方向に沿った縦断面図である。
【図11】収容部の装着部に他方側に寄ってHDDユニットが配置され雄型コネクタと雌型コネクタとが接続されていない状態を模式的に示す図8に対応する幅方向に沿った縦断面図である。
【図12】図6に示す収容部の装着部にHDDユニットが装着され雄型コネクタと雌型コネクタとが接続された状態を示す図9に対応する幅方向に沿った縦斜視図である。
【図13】ユニットを収容する比較例のHDD収容部を示す図6に対応する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願の開示する電子機器の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図中、同一又は対応する機能を有する部材(構成要素)には同じ符号を付して適宜説明を省略する。
【0012】
本願の開示する一実施形態に係る電子機器は、所謂ノートPCであり、本体ユニットと表示ユニットとが開閉自在に連結された構造を有している。本体ユニットは、キーボード等が搭載され種々の情報処理を実行するものである。表示ユニットは、画像等の表示を実行するものである。
【0013】
まず、ノートPCの全体構成について説明する。
図1に示すように、電子機器の一例としてのノートPC10は、上記のように表示ユニット12と、機器本体の一例としての上面視が矩形状の本体ユニット14と、を有している。また、ノートPC10は、当該本体ユニット14の奥行方向D1の端部に、幅方向D2に沿って配置された回動軸16を有している。これら表示ユニット12と本体ユニット14とは、表示ユニット12が本体ユニット14に対し、回動軸16を中心に矢印D3方向に回動(開閉)自在となるように連結されている。
【0014】
表示ユニット12は、本体ユニット14で実行された情報処理結果を表示するためのものである。表示ユニット12の開状態の前壁には、本体ユニット14の指示に応じた画像を表示する表示パネルである表示画面18が広がっている。表示画面18の周囲は、表示ユニット12の筐体20を形成する前壁蓋部材20Aで覆われている。
【0015】
表示ユニット12の筐体20は、前壁蓋部材20Aと、表示画面18の背面側を覆う背面蓋部材20Bとを含んでいる。表示画面18と当該表示画面18用の制御回路等は、前壁蓋部材20Aと背面蓋部材20Bに挟まれて筐体20内に収容される。
【0016】
本体ユニット14は、ユーザの操作等に応じて情報処理を実行するためのものである。当該情報処理を実行するため、本体ユニット14の本体筐体24内には、後述するように、CPU(Central Processing Unit)等の各種電子部品が搭載された回路基板170や情報を記憶しておくハードディスクドライブユニット(以降「HDDユニット」と記す)200などの多数の部品を収容している。
【0017】
本体筐体24の上壁24Aにおける奥行方向D1の端部には、電源ボタン26や各種のファンクションボタン28が設けられている。また、本体筐体24の上壁24Aの中央には、このノートPC10に対し各種の情報や指示を入力するため複数のキーが並べられたキーボード30が配置されている。
【0018】
キーボード30の手前側には、トラックパッド32が設けられている。また、本体筐体24の右側壁24Bには、AC電力をDC電力に変換してノートPC10に供給するACアダプタ(図示せず)のコネクタが差し込まれる電源差込口34が形成されている。
【0019】
本体ユニット14の本体筐体24には、図2に示すように、本体筐体24の背面24Cから下壁24Dにかけて、バッテリ36を収容するバッテリ収容開口38が形成されている。
【0020】
図3に示すように、本実施形態のノートPC10は、本体筐体24の内部の各種電子部品に対して空気を利用した冷却を行う冷却ユニット(図示略)を使用している。そして、本体筐体24の背面24Cには、スリット状とされた冷却ユニット用の排気口40が設けられている。
【0021】
図3に示すように、本体筐体24の下壁24Dには、スリット状とされた冷却ユニット用の吸気口42が設けられている。この吸気口42から冷却用の空気が本体筐体24の内部に取り入れられる。そして、各種電子部品で発生した熱が冷却ユニット(図示略)によって冷却用の空気に吸収されることで、各種電子部品等が冷却される。熱を吸収することで暖まった空気は、本体筐体24の背面24Cにある排気口40(図2も参照)から本体筐体24の外部に排気される。
【0022】
本体筐体24の下壁(底面)24Dには、バッテリ収容開口38よりも本体筐体24の手前側に、内部にメモリ基板が差し込まれるコネクタが配置されたメモリ用開口48が形成されている。このメモリ用開口48には、当該メモリ用開口48を塞ぐ蓋体50が取り付けられている。さらに、メモリ用開口48の隣には、後述するHDDユニット200(図5を参照)が収容される収容部100の開口部102(図6も参照)が形成されている。開口部102は、平面視において略矩形状とされている。また、着脱自在の蓋部材90が開口部102に被せられている。
【0023】
また、本体筐体24の下壁24Dの4隅には、当該下壁24Dから下方に向かって延出した4つの脚部58A、58B、58C,58Dが設けられている。
【0024】
つぎに、HDDユニット200の取付構造について説明する。
本実施形態では、後述するようにHDDユニット200の収容部100内での移動方向における一方側(移動方向の一方側)を矢印Y1で示し、他方側(移動方向の他方側)を矢印Y2で示す。なお、HDDユニット200単体の場合の一方側及び他方側は、本体筐体24に取り付けられた状態での方向とする。また、本実施形態においては、図1に示すように、幅方向D2とHDDユニット200の移動方向(一方側(矢印Y1)、他方側(矢印Y2))とは一致しているが、必ずしも一致してなくてもよい。例えば、HDDユニット200の移動方向が奥行方向D1と一致してもよいし、他の方向であってもよい。
【0025】
また、原則として、上下方向を説明する場合は、図1及び図2のように、ノートPC10の4つの脚部58A〜58Dが設置面に設置され、ノートPC10を使用している状態における上下を示す。しかし、後述するHDDユニット200を収容部100に取り付ける及び取り外す作業の場合には、ノートPC10の上下を逆にして作業を行う。つまり本体筐体24の下壁(底面)24Dを上側にして作業を行う。よって、この場合は、実際の作業にあわせ上下を逆にして説明することがある。また、このため図6〜図12は、本体筐体24の下壁(底面)24Dが上側として図示されている。
【0026】
図5に示すHDDユニット200は、内部に設けられた磁性体を塗布した円盤を高速回転さて磁気ヘッドを移動することで、情報を記録し読み出す補助記憶装置とされ、図4に示すように本体筐体24の内部に装着して使用する内蔵体タイプのHDDとされている。また、図5や図7に示すように、HDDユニット200の形状は、平面視において略矩形状の箱型とされている。
【0027】
図5に示すように、HDDユニット200の一方側の側面部204には、雄型コネクタ212が設けられている。このHDDユニット200の雄型コネクタ212は、本体ユニット14に設けられた雌型コネクタ112(図6参照)に接続され、これによりHDDユニット200と本体ユニット14とが電気的に接続される。HDDユニット200の雄型コネクタ212は、ユニット側コネクタの一例である。本体ユニット14に設けられた雌型コネクタ112は、機器側コネクタの一例である。雌型コネクタ112は、前述した回路基板170に搭載されており、回路基板170に搭載されたコントローラと電気的に接続されている。また、そのコントローラは、バスを介して前述のCPUに電気的に接続されている。これによって、回路基板170上のCPUは、データ読み書き可能にHDDユニット200にアクセスできる。
【0028】
HDDユニット200の底面202には、固定部材の一例としての板金製のブラケット250が固定されている。ブラケット250は、中央部に貫通孔240が形成されていると共に、略放射状に延出する四つの固定片部252,254,256,258が形成されている。また、固定片部252と固定片部254との間には凹部242が形成され、固定片部256と固定片部258との間には凹部244が形成されている。そして、これら四つの固定片部252,254,256,258が、HDDユニット200の底面202にビスで締結されることよって、HDDユニット200にブラケット250が固定されている。
【0029】
また、ブラケット250には、HDDユニット200に固定された状態で、一方の側面部204から一方側に張り出す一端側張出片部260と、他方の側面部206から他方側に張り出す他端側張出片部270と、が形成されている。また、ブラケット250の一端側張出片部260の先端部にはU字状の切込部262が形成され、他端側張出片部270の先端部にはビス孔272が形成されている。
【0030】
図6に示すように、本体ユニット14の本体筐体24には、ブラケット250が固定された状態のHDD200が収容される収容部100が設けられている。収容部100には、HDDユニット200(図6等を参照)が装着される凹状の装着部110が設けられている。また、収容部100における装着部110の一方側の端部と他方側の端部とに、それぞれ階段状の棚部120、130が設けられている。他方側の棚部130には、溝状に凹んだ凹部132が形成されている。また、装着部110の一方側の端部には、前述したHDDユニット200の雄型コネクタ212が接続する雌型コネクタ112が設けられている。
【0031】
そして、図4、図9、図12等に示すように、詳細は後述するが、HDDユニット200は、ブラケット250が固定された状態で、開口部102から挿入され、収容部100の装着部110に装着される。また、図12に示すように、HDDユニット200の雄型コネクタ212と収容部100の雌型コネクタ112とが接続される。
【0032】
そして、図9に示すように、ブラケット250の一端側張出片部260が棚部120に支持されると共にビス止めされ固定される。同様にブラケット250の他端側張出片部270が棚部130の凹部132に支持されると共にビス止めされ固定される。そして、このようにブラケット250が収容部100の棚部120,130に固定されることで、HDDユニット200が収容部100に固定される。
【0033】
また、図12に示すように、装着部110における他方側の側壁114と、HDDユニット200の他方側の側面部206と、の間には、HDDユニット200が移動可能な移動スペース116が設けられている。なお、移動代の一例としての移動スペース116の隙間L1は、雄型コネクタ212と雌型コネクタ112との接続代L2よりも広くなるように設定されている(L1>L2)。
【0034】
図6及び図12に示すように、収容部100の他方側の棚部130の凹部132の他端部分と開口部102との間には、ブラケット250の他端側張出片部270が挿入可能な大きさのスリット状の挿入孔106が形成されている。
【0035】
また、図7(B)及び図12に示すように、本体筐体24の内部における挿入孔106の他方側には、板ばね機能を有する板状の弾性リブ150が形成されている。板状の弾性リブ150は、本体筐体24のアッパーカバー14Uに形成され、片持ち構造となっている。なお、本実施形態では、弾性リブ150を板厚方向に見た形状は、根元側よりも先端側が幅狭となる台形状を成している。
【0036】
なお、図12に示すように、ブラケット250の他端側張出片部270の先端部270Aと弾性リブ150との間隔L3は、移動スペース116の隙間L1よりも、狭くなるように設定されている(L3<L1)。
【0037】
つぎに、HDDユニット200の収容部100への取り付け及び取り外し作業について、図7〜図12を用いて説明する。なお、前述したように、HDDユニット200の取り付け及び取り外し作業では、ノートPC10を上下逆、つまり本体筐体24の下壁(底面)24Dを上にして作業を行う。よって、下壁(底面)24D側を上側方向として、図示して説明する。また、取り付け及び取り外し作業は、HDDユニット200にブラケット250が固定された状態で行われる。言い換えると、HDDユニット200とブラケット250とが一体となって、取り付け及び取り外し作業が行われる。また、いずれも開口部102に被せられた蓋部材90(図3参照)は、作業の前に予め取り外され、作業が終了すると取り付けられる。
【0038】
まず、HDDユニット200の収容部100への取り付け作業について説明する。
【0039】
図7と図10とに示すように、HDDユニット200を他方側の側面部206を斜め下側とし、矢印F1(図10参照)に示すように、HDDユニット200を側面部206側から収容部100(開口部102)に挿入する。そして、ブラケット250の他端側張出片部270を収容部100の挿入孔106に斜め上方から挿入する。このとき、他端側張出片部270の先端部270Aが弾性リブ150に当たり、弾性リブ150が撓み弾性変形する。
【0040】
矢印K1(図10参照)に示すように、ブラケット250の他端側張出片部270が収容部100の挿入孔106に挿入された状態のまま、HDDユニット200の一方側の側面部204を下側に回転させる。そして、図8と図11とに示すように、ブラケット250の一端側張出片部260を棚部120に載せる。また、これによりブラケット250の他端側張出片部270は挿入孔106に挿入された状態で棚部130の凹部132の上に置かれた状態となる。
【0041】
図8及び図9と図11及び図12とに示すように、HDDユニット200を一方側(矢印Y1)にスライド(移動)させ、図9と図12と示すように、HDDユニット200の雄型コネクタ212を収容部100の雌型コネクタ112に接続する。なお、HDDユニット200のスライド(移動)に伴い、ブラケット250の他端側張出片部270が棚部130の凹部132の上を一方側にスライド(移動)し、挿入孔106から抜け出る。
【0042】
ブラケット250の一端側張出片部260の切込部262にビス92を通して棚部120に固定すると共に、他端側張出片部270のビス孔272にビス94を通して棚部130に固定する。なお、図10〜図12に示すように、ビス92は、予め仮止めしておいてもよい。
【0043】
このようにして、HDDユニット200が収容部100に取り付けられると共に、HDDユニット200の雄型コネクタ212が収容部100の雌型コネクタ112に接続され、HDDユニット200と本体ユニット14とが電気的に接続される。
【0044】
つぎに、HDDユニット200の収容部100からの取り外し作業について説明する。なお、取り付け作業と逆の手順であるので、適宜説明を省略する。
【0045】
図9及び図12に示すように、ビス92,94を緩めて取り外し、ブラケット250の収容部100への固定を解除し、HDDユニット200を他方側(矢印Y2)にスライド(移動)させる。なお、ビス92は緩めるだけで取り外さなくてもよい。
【0046】
図8及び図11に示すように、収容部100の雌型コネクタ112からHDDユニット200の雄型コネクタ212が引き抜かれて接続が解除される。HDDユニット200のスライド(移動)に伴い、ブラケット250の一端側張出片部260は、棚部120の上を他方側にスライドする。また、ブラケット250の他端側張出片部270が棚部130の凹部132の上を他方側にスライド(移動)し、挿入孔106に挿入される。このとき、他端側張出片部270の先端部270Aが弾性リブ150に当たり、弾性リブ150が撓み弾性変形する。
【0047】
図7及び図10に示すように、矢印K2(図10参照)に示すように、HDDユニット200の一方側の側面部204を上側に回転させる。そして、矢印F2(図10参照)に示すように、HDDユニット200を引き抜き、HDDユニット200を取り外す。
【0048】
つぎに、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0049】
HDDユニット200の収容部100への取り付け及び取り外し作業において、ブラケット250の他端側張出片部270が挿入孔106に挿入される(図6、図10、図11等を参照)。これにより、ブラケット250の他端側張出片部106が収容部100の他方側(外側)まで移動可能となる。よって、ブラケット250の他端側張出片部270が挿入孔106に挿入される挿入分、開口部102の他端部102Aを一方側に移動できる。つまり、収容部100の他側の端部に挿入孔106が設けられていない構成と比較し、収納部100の開口部102の開口面積を小さくすることができ、その結果、開口部102に被せる蓋部材90を小型化することができる。
【0050】
また、蓋部材90を小型化することで、本体筐体24の下壁(底面)24Dにおける部品の配置スペースが増加し、この結果、下壁(底面)24Dにおける部品のレイアウトの設計自由度が向上する。なお、本実施形態では、蓋部材90を小型化することで確保された配置スペースに、脚部58Dが設けられている(図8を参照)。
【0051】
また、HDDユニット200の取り付け及び取り外し作業の際に、ブラケット250の他端側張出片部270の先端部270Aが弾性リブ150に当たり、弾性リブ150が撓み弾性変形する。これにより、ブラケット250を介してのHDDユニット200への衝撃が緩衝される。
【0052】
特にHDDユニット200を取り外す際において、HDDユニット200の雄型コネクタ212が収容部100の雌型コネクタ112から引き抜かれた瞬間に、HDDユニット200が急に他方側に勢いを増してスライドする。そして、勢いを増した状態で他端側張出片部270が弾性リブ150に突き当たることがある。しかし、前述したように、弾性リブ150は弾性変形するので、勢いを増した状態で他端側張出片部270が弾性リブ150に突き当たったとしても、HDDユニット200への衝撃が緩衝される。
【0053】
また、本実施形態では、ブラケット250は、中央部に貫通孔240が形成されると共に、凹部242、244が形成されている。よって、例えば、貫通孔240及び凹部242、244が無く、この部分が板金である場合と比較し、ブラケット250自体の衝撃緩衝性能が向上する。
【0054】
また、本実施形態では、弾性リブ150を板厚方向に見た形状は、根元側よりも先端側が幅狭となる台形状を成している。よって、例えば矩形状の弾性リブよりも弾性変形しやすいので、弾性リブ150の衝撃緩衝性能が向上する。
【0055】
このように、本実施形態では、ブラケット250の衝撃緩衝性能及び弾性リブ150の衝撃緩衝性能が向上しているので、HDDユニット200への衝撃がさらに緩衝される。
【0056】
なお、ブラケット250の他端側片部270の先端部270Aと弾性リブ150との間隔L3は、移動スペース116の隙間L1よりも、狭くなるように設定されている(L3<L1)。よって、ブラケット250の他端側片部270の先端部270Aが弾性リブ150に当たるよりも先に、HDDユニット200の他方側の側面部206が装着部110の他方側の側壁114に当たることが回避される。
【0057】
また、本実施形態では、ブラケット250の一端側張出片部260及び他端側張出片部270を棚部120、130に載せた状態でスライドさせて、HDDユニット200の雄型コネクタ212を収容部100の雌型コネクタ112に接続させる。よって、例えば、HDDユニット200を手で持って高さを調整しながらコネクタを接続させる場合よりも、接続作業が容易である。
【0058】
ここで、図13に示す比較例について説明する。
【0059】
図13に示す比較例では、HDDユニット200の底面202には、一端側張出片部960と他端側張出片部970とが形成されている板金製のブラケット950が固定されている。そして、ブラケット950の一端側張出片部960が棚部920にビス止めされると共に他端側張出片部970が棚部930ビス止めされる。
【0060】
比較例では、収容部900の他方側の端部の棚部930には、本実施形態の装着部110(図12等を参照)と同じように、一端側張出片部960が移動する移動代L4が設けられている。よって、比較例の収容部900の開口部902の他端部902Aは、本実施系形態の収容部100の開口部102の他端部102A(図8参照)よりも、他方側に位置することになる。したがって、その分開口部902の開口面積が大きくなり、その結果、蓋部材(図示略)が大型化する。
【0061】
よって、図8と図13とを比較すると判るように、本実施形態では蓋部材90を小型化することで確保された配置スペースに設けた脚部58Dを、比較例では設けることができなくなっている。このため、例えば、本体筐体24の下壁(底面)924Dの端部に、脚部の代わりとなる凸部928を形成する等の必要が生じる。よって、例えば、他の脚部58A、58B,58Cとのバランスが崩れる。
【0062】
これに対して、本実施形態では、前述したように、蓋部材90を小型化することで確保された配置スペースに、他の脚部58A、58B,58Cと同様の脚部58Dを、所望する位置にバランスがよく設けることができる。
【0063】
また、比較例では、HDDユニット200の取り付け及び取り外しの際に、ブラケット950の他端側張出片部970の先端部970Aが、収容部900における棚部930の奥の縦壁912に当たる。よって、ブラケット950を介してHDDユニット200に衝撃が加わる。
【0064】
これに対して、本実施形態では、前述したように、他端側張出片部270の先端部270Aが、弾性リブ150に当たっても、弾性リブ150が撓み弾性変形する。よって、ブラケット250を介してのHDDユニット200への衝撃が緩衝される。
【0065】
また、変形例のブラケット950は、本実施形態のように貫通孔240と凹部242、244とが形成されていない(図8と図13とを比較参照)。よって、本実施形態のブラケット250よりも変形例のブラケット950の方が、衝撃緩衝性能が低いので、この観点からも本実施形態の方がHDDユニット200への衝撃がより緩衝される。
【0066】
以上、本願の開示する技術の一実施形態について説明したが、本願の開示する技術は、上記実施形態に限定されるものでない。
【0067】
例えば、上記実施形態では、HDDユニット200が装着部110に装着され雌型コネクタ112と雄型コネクタ212とが接続されている状態では、ブラケット250の他端側張出片部270は挿入孔106から完全に抜け出ていた(図9、図12参照)。しかし、これに限定されない。HDDユニット200が装着部110に装着され雌型コネクタ112と雄型コネクタ212とが接続された状態であっても、ブラケット250の他端側張出片部270の先端部分が挿入孔106に挿入されていてもよい。
【0068】
また、例えば、上記実施形態では、他端側張出片部270と挿入孔106とは、それぞれ一ずつ設けられていたが、これに限定されない。他端側張出片部と対応する挿入孔とが、それぞれ複数設けられていてもよい。
【0069】
また、例えば、収容部100の一方側の端部にも、ブラケット250の一端側張出片部260が挿入可能な挿入孔(挿入口)を設け、さらに収容部の開口部の開口面積を小さくして、蓋部材をさらに小型化してもよい。
【0070】
上記実施形態では、緩衝部材は片持ち構造の弾性リブ150であったが、これに限定されない。緩衝部材は、例えば、ゴム等の弾性部材を材料とする壁であってもよい。さらに、緩衝部材がない構造であってもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、電子ユニットは、HDDユニット200であったがこれに限定されない。電子ユニットは、例えば、SSD(Solid state drive)等の他の補助記憶媒体であってもよい。或いは、バッテリー(二次電源)や電池パック等であってもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、電子機器は、所謂ノートPC10であったが、これに限定されない。例えば、ディスプレイまたはキーボードが一体になった所謂一体型パソコンや所謂タブレット型パソコンであってもよい。さらに、パソコン以外の電子機器に適用されていてもよい。
【0073】
また、本実施形態では開口部102は本体筐体24の下壁(底面)24Dに設けられていたが、これに限定されない。例えば、一体型パソコンやタブレット型パソコンの場合は、画面の背面に開口部が設けられていてもよい。また、PC以外の電子機器の場合は、適宜、開口部が設けられていればよい。
【0074】
さらに、本願の開示する技術は、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0075】
10 ノートPC(電子機器)
14 本体ユニット(機器本体)
90 蓋部材
100 収容部
102 開口部
106 挿入孔(挿入口)
112 雌型コネクタ(機器側コネクタ)
116 移動スペース(移動代)
130 棚部(固定部)
150 弾性リブ(緩衝部材)
170 回路基板
200 HDDユニット(電子ユニット)
212 雄型コネクタ(ユニット側コネクタ)
250 ブラケット(固定部材)
270 他端側張出片部(他端側張出部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器本体に設けられ、電子ユニットが収容されると共に前記電子ユニットが移動可能な移動代が設けられた収容部と、
前記収容部の開口部に被せられる蓋部材と、
前記電子ユニットにおける移動方向の一方側の端部に設けられたユニット側コネクタと、
前記収容部における前記移動方向の一方側の端部に設けられ、前記収容部内で前記電子ユニットを移動させることで、前記ユニット側コネクタが脱着する機器側コネクタと、
前記電子ユニットに設けられ、前記電子ユニットから前記移動方向の他方側に張り出す他端側張出部を有する固定部材と、
前記収容部における前記移動方向の他方側の端部に設けられ、前記固定部材の前記他端側張出部が固定される固定部と、
前記収容部における前記移動方向の他方側の端部に設けられ、前記固定部材の前記他端側張出部が挿入可能な挿入口と、
を備える電子ユニットの取付構造。
【請求項2】
前記機器本体における前記収容部よりも前記移動方向の他方側に、前記挿入口に挿入した前記他端側張出部が当たる緩衝部材が設けられている、
請求項1に記載の電子ユニットの取付構造。
【請求項3】
前記移動方向における前記他端側張出部と前記緩衝部材との間の距離は、前記移動代よりも小さく設定されている、
請求項2に記載の電子ユニットの取付構造。
【請求項4】
移動方向の一方側の端部にユニット側コネクタを有する電子ユニットと、
前記電子ユニットに設けられ、前記電子ユニットから前記移動方向の他方側に張り出す他端側張出部を有する固定部材と、
開口部を有すると共に前記電子ユニットが移動可能な移動代が設けられた収容部を有する筐体と、
前記収容部における前記移動方向の一方側の端部に設けられ、前記収容部内で前記電子ユニットを移動させることで、前記ユニット側コネクタが脱着する機器側コネクタと、
前記機器側コネクタが搭載され、前記筐体に収容される回路基板と、
前記収容部の開口部に着脱可能な蓋部材と、を備え、
前記収容部は、
前記移動方向の他方側の端部に設けられ、前記固定部材の前記他端側張出部が固定される固定部と、
前記移動方向の他方側の端部に設けられ、前記固定部材の前記他端側張出部が挿入可能な挿入口と、
を備える電子機器。
【請求項5】
前記収容部よりも前記移動方向の他方側に設けられ、前記挿入口に挿入した前記他端側張出部が当たる緩衝部材を備える、
請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記他端側張出部と前記緩衝部材との間の距離は、前記移動代よりも小さく設定されている、
請求項5に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−77363(P2013−77363A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218064(P2011−218064)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)