説明

電子レンジ用の小型抽出装置

【課題】マイクロ波照射による加熱を利用する抽出操作を簡便に行い、安全に、低コストで、短時間で有効成分を抽出することができる電子レンジ用の小型抽出装置を提供する。
【解決手段】マイクロ波照射による加熱によって、動植物原料から有効成分を抽出、取得するための電子レンジ用の小型抽出装置1であり、マイクロ波透過性の材料からなる上部開口容器2と、前記上部開口容器内に載置される回収容器3と、前記回収容器上に載置され氷を収容する漏斗状容器(冷却容器)4と、を備え、少なくとも回収容器の周囲に動植物原料を充填可能にしてある。これにより、回収容器の周囲に動植物原料を充填し電子レンジ内でマイクロ波を照射した際には、動植物原料から有効成分が抽出されると共に、動植物原料が回収した有効成分をマイクロ波から遮蔽するので熱劣化を防ぐ効果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子レンジ用の小型抽出装置に関し、詳細には、マイクロ波照射による加熱を利用して動植物原料(以下、これを「バイオマス」と言うことがある。)から有効成分を簡易に抽出、取得するための電子レンジ用の小型抽出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
植物や動物原料から有効成分を簡便に取得するための抽出方法においては、原料を溶媒と混合したのち加熱すると、抽出効率を高めることができる。従来かかる場合における加熱方法としては、水浴あるいはマントルヒーター等による外部からの加熱方法が用いられていた。
【0003】
しかし、外部からの加熱においては、抽出容器を温める必要があり、また、原料を所望の温度に加熱するためには、加熱ロスを含めてそれ以上の温度設定に加熱する必要があった。また、原料が固体の場合には抽出効率を高めるために、原料を細かく粉砕する必要があり、あるいは長時間の抽出反応が必要であった。さらに、目的とする有効成分が熱に弱いものの場合には長時間の加熱、あるいは外部からの加熱により分解、劣化する問題もあった。このような問題点を考慮すると、動植物から有効成分を抽出する方法として外部加熱を用いる方法はあまり好ましい方法とは考えられない。
【0004】
特許文献1には、ろ過工程が不要で、マイクロ波照射による短時間の加熱を利用して有効成分を抽出できる抽出方法および装置が提案されている。特許文献1記載の抽出方法においては、マイクロ波加熱が利用されているが、ソックスレー抽出法が用いられ、電気またはガスによる外部加熱が併せて行われている。
【0005】
また、その他、外部加熱を利用しない装置として、常圧でのマイクロ波反応装置も幾つか製造あるいは市販されているが、特注品もしくは反応用のものであるため高価である。一方、一般家庭用のマイクロ波装置(電子レンジ)を抽出反応に使用するには、穴あけなど改造が必要である。
【特許文献1】特表2000−510765号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明者等は、マイクロ波照射により加熱することで、短時間で、省エネ、省コストにて有効成分を分離する方法や、該技術を一般家庭の電子レンジでも利用できるよう簡便、コンパクト化した小型抽出装置を提案した。この装置によれば、目的物を5〜10分程度の反応で得ることができるため、熱劣化のない目的物を得ることができるが、冷却材や回収した液体がマイクロ波で加熱されないように、装置をマイクロ波遮蔽材で構成する必要があった。
【0007】
ところが、マイクロ波遮蔽材として金属カバーや金属コーティング材を使用すると、マイクロ波遮蔽効果は優れているものの、破損、傷等が生じた場合にスパークが発生する恐れがあり、一般家庭で使用することを考慮すると傷や破損を防ぐために高コストのカバーを採用せざるを得ず、コスト増の要因となっていた。
【0008】
本発明は、植物原料等をマイクロ波遮蔽材として利用することに着目したものであり、マイクロ波照射による加熱を利用する抽出操作を簡便に行い、安全に、低コストで、短時間で有効成分を抽出することができる電子レンジ用の小型抽出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、マイクロ波遮蔽材として動植物原料を利用する装置構成とし、原料をマイクロ波で直接加熱して有効成分を抽出した溶媒蒸気を発生させる機能と、該蒸気を冷却、凝縮させて溶媒と有効成分を回収する機能と、を一体に組み込むことにより、電磁波遮蔽材を用いない装置でも、市販の電子レンジを改造することなくそのまま用いて、短時間に有効成分を抽出できる小型抽出装置を提供できることを見出し、本発明に到達した。
【0010】
そして、マイクロ波照射による加熱によって、動植物原料から有効成分を抽出、取得するための小型抽出装置とするためには、
マイクロ波透過性の材料からなる上部開口容器と、
凝縮された溶媒と抽出された有効成分を回収する回収部と、
該回収部の上に回収部と連通するように構成されると共に、氷を収容可能な漏斗形状を有する冷却部と、を備えた装置構成とし、
上部開口容器は、回収部と冷却部を収容可能で、かつ、回収部と冷却部を配置した後に該回収部の周囲に動植物原料を収容可能な空間が形成される大きさとし、
加熱によって発生した蒸気は冷却部を介して回収部で回収されるように構成すればよいとの知見を得た。
【0011】
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)マイクロ波照射による加熱によって、動植物原料から有効成分を抽出、取得するための小型抽出装置であって、
マイクロ波透過性の材料からなる上部開口容器と、
前記上部開口容器内に載置される回収容器と、
前記回収容器上に載置され氷を収容する漏斗状容器と、を備え、
少なくとも回収容器の周囲に動植物原料を充填可能にしたことを特徴とする電子レンジ用の小型抽出装置。
(2)前記回収容器は、凝縮された溶媒を上部開口容器内に戻すための枝管を有している、前記(1)に記載の電子レンジ用の小型抽出装置。
(3)前記上部開口容器は、前記回収容器と漏斗状容器を載置した後に少なくとも該回収容器の周囲に動植物原料を充填可能な空間が形成される大きさであり、
加熱によって発生した蒸気は漏斗状容器を介して回収容器で回収するように構成した前記(1)または(2)に記載の電子レンジ用の小型抽出装置。
(4)前記漏斗状容器は、蒸気通過性の氷保持部材を備えている、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の電子レンジ用の小型抽出装置。
(5)前記上部開口容器の底面に、スペーサーを介して配置した目皿上に、前記回収容器を載置する、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の電子レンジ用の小型抽出装置。
(6)前記上部開口容器の上部開口を覆う蓋を備えている、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の電子レンジ用の小型抽出装置。
(7)前記回収容器がマイクロ波透過性の材料で形成されている、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の電子レンジ用の小型抽出装置。
(8)前記漏斗状容器がマイクロ波透過性の材料で形成されている、前記(1)〜(7)のいずれかに記載の電子レンジ用の小型抽出装置。
(9)前記マイクロ波透過性の材料が、ガラスまたはポリプロピレン系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテル系、ポリフェニレン系、ポリサルホン系、フッ素系、シリコン系あるいはポリベンゾイミダゾール系の樹脂である、前記(1)〜(8)のいずれかに記載の電子レンジ用の小型抽出装置。
(10)充填した動植物原料が回収した有効成分をマイクロ波から遮蔽するようにした、前記(1)〜(9)のいずれかに記載の電子レンジ用の小型抽出装置。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る電子レンジ用小型抽出装置によれば、マイクロ波遮蔽材として金属カバーや金属コーティングを用いないため、破損や傷等が原因でスパークが発生するおそれがなく安全である。傷や破損を防ぐために高コストのカバーを適用する必要がないため廉価な装置となる。遮蔽材として動植物原料を使用することにより充分な抽出ができ、しかも冷却材として氷を使用するので安全かつ簡易である。また、回収部と冷却部が一つの容器内にコンパクトに収容された空間に原料を充填すれば良いので、装置の製造、取付け、取外し、部材の洗浄が簡単である。よって、充分な抽出性、安全性を備えた低コストの抽出装置を提供することができる。
【0013】
また、回収部(回収容器)が、凝縮された溶媒を上部開口容器に戻すための枝管を有することにより、溶媒を再利用できるため、省エネ、省溶媒量の抽出装置となる。
【0014】
また、冷却用の氷を保持する氷保持部材を備えることにより、氷により凝縮された溶媒と有効成分を確実に回収部に導くことができ、冷却部の外壁からバイオマス充填部分に伝い落ちてしまうことを防止することができる。
【0015】
また、動植物原料は一定量の水分を保有しているため、保有水のみを溶媒として抽出操作を行うことも可能であるが、水分含量が低い原料を用いる場合は溶媒を追添加する必要がある。その場合、上部開口容器内に目皿を入れ、その上に回収容器を載置する構成にすることにより、追加溶媒の上昇蒸気を利用することで抽出効率を高めることができる。
【0016】
また、回収容器をマイクロ波透過性の材料で形成することにより、ガラスなどの透明な材を用いることができるので、外部から内部液面を確認できるようになり有効成分と溶媒を分離する際に操作しやすいというメリットがある。逆に、回収容器をマイクロ波遮蔽性の材料で形成した場合、たとえば金属皮膜などは不透明なので、反応後の油水分離が操作しにくいというデメリットがある。一方、冷却部をマイクロ波透過性の材料で形成することにより、マイクロ波による容器材の加熱が無いため、内部の氷の冷熱は蒸気の凝縮のみに使うことができるというメリットがある。逆に、冷却部をマイクロ波遮蔽性の材料で形成した場合、マイクロ波を反射して遮蔽する場合は反応上問題ないが、前述段落0007のように傷がついた場合などの安全性の問題や、値段が高くなってしまうというデメリットがある。さらに、マイクロ波を吸収して遮蔽する場合は、材料そのものが加熱され、その熱で氷が溶けてしまうため、蒸気を十分に凝縮することができなくなるデメリットもある。
【0017】
また、マイクロ波透過性の材料としては、ガラスあるいはポリプロピレン系、ポリアミド系等の樹脂材料など、一般的な材料を用いればよいので、装置の製造も容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。ここで、本発明において「動植物原料」とは、一定量集積した動植物を起源とする有機性資源を言い、「有効成分」とは、動植物原料に含まれている精油、香味成分、香料成分、薬効成分などの有用な成分をいう。
【0019】
図1〜3は、本発明の小型抽出装置の好ましい形態を示す図で、図1は回収部(回収容器)と冷却部(漏斗状容器とその上に載置する氷保持部材)を示す側面図であり、図2,図3は小型抽出装置の概略上面図と概略側面図である。図1〜3において、1は小型抽出装置、2は回収部と冷却部と動植物原料を収容する上部開口容器、3は凝縮された溶媒と抽出された有効成分を回収する回収容器、4は回収容器と連通している漏斗状容器(冷却容器)であり、5は氷保持部材(51は蒸気通過孔である)、6は上部開口を覆う蓋、7はスペーサー、8は目皿、9は少なくとも回収容器の周囲に充填する動植物原料である。
【0020】
この抽出装置1は、上部開口容器2の中に別体の回収容器3を載置し、それに連通させて別体の冷却用漏斗状容器4を載置する。図1に示す例では、回収容器3の上部32をスリガラスにし、それと漏斗状容器4の下端とをスリガラスで結合させることで回収した有効成分が漏れない構成になっている。冷却容器は、冷却材である氷によって凝縮した溶媒と有効成分が回収容器に回収され易いように漏斗形状に形成されている。図1では、氷が脱落しないように氷を覆い、かつ、氷によって溶媒蒸気が効率よく冷却されるように、マイクロ波透過性シート(テフロン(登録商標)シートなど)で作製された氷保持部材5が円筒状に組まれて配置されている。氷保持部材5には、蒸気を導入するために多数の孔51が形成されている。氷保持部材は多数の孔を設けたシート材、あるいはメッシュシートなどであってもよい。
【0021】
図4は、氷保持部材の形態例を示したものであり、(a)はメッシュシートを円筒状に形成した例、(b)は小さ目の孔を多数設けたシート材を円筒状に組んだ例、(c)と(d)は大き目の孔を設けたシート材を円筒状に組んだ例、(e)は円筒状に形成したシート材の下端に孔を設けた例である。冷却材への蒸気入口が氷保持部材下部にあり、かつ、孔径が大きい方が抽出量は増加する傾向にあるが、孔は蒸気を通過させる機能を有していればよいので、孔の大きさや形状は抽出対象物の種類に応じて決定する。また、氷保持部材の形態もこれらの例に限定されない。
【0022】
回収容器3は、凝縮された溶媒を容器に戻すための枝管31を有しているので、回収した溶媒を枝管を介して上部開口容器2内に戻すことができる。図1に示す態様では、この枝管31は、凝縮された溶媒量が枝管端の高さに到達すると、サイホンの原理により、回収溶媒(水)が容器2の中に戻される仕組みになっている。なお、枝管31は、回収容器の溶媒量が一定量に保持されるようになっていればよいので、取付け位置や取付け方法は特に限定されないが、図示したように枝管を回収部底面近傍に取付けることが好ましい。
【0023】
図2は、上部開口容器2の中に載置された回収容器3、漏斗状容器4および氷保持部材5の位置関係を示したものである。図2では、容器2のほぼ真中に回収部3が載置されているが、このように配置することは、回収部の周りに充填する動植物原料に均等にマイクロ波が照射されることで抽出効率が高くなり、また、動植物原料のコゲや回収成分の分解を防止できる点で好ましい。
【0024】
本発明では、容器2として上部開口容器を使用するため、抽出前後の材料の出し入れが容易であり、洗浄も簡単である。上部開口容器2は、電子レンジ使用時に溶媒蒸気が容器外に留出しないように、上部開口を蓋で覆う必要がある。蓋6は容器2と同素材のものであってもよいし、異なる素材のものであってもよく、例えば、市販のラップ(シリコンラップ、塩化ビニリデンラップなど)を用いることもできる。また、別体として蓋体を用意したものを用いることもできる。蓋6には冷却部と対応させた蒸気穴61を単数または複数設け、過剰蒸気によって蓋が破裂するのを防止することが好ましい。なお、氷保持部材5を設置した場合には、氷保持部材上端が蓋6と密着するように配置するのがよい。
【0025】
図3は、本発明の小型抽出容器全体を側面から見た図である。回収容器3の周りの空間に充填された動植物原料をマイクロ波で加熱すると、発生した溶媒蒸気は、図中の矢印で示したように、氷保持部材5に設けた孔を通って冷却用の氷に接触して冷却され、凝縮されて液体となり、漏斗状容器4に沿って流下し、回収容器3に溜められる。
【0026】
回収容器3においては、有効成分と抽出溶媒との間に比重の差があると、液化した溶媒と有効成分を比重差で分離させ、各別に回収することができる。但し、有効成分によっては溶媒に溶解した溶液として回収してもよい。図3では、比重の大きい抽出溶媒である水が下層、比重の小さい有効成分である精油が上層に、二層分離している状態を表している。
【0027】
回収された抽出溶媒は、枝管31を通って容器2の中に容易にリサイクルさせることができるので、材料が少量の場合であっても過加熱の状態になることを防止し、適度な濃度の溶媒蒸気に保つことができる。
【0028】
本発明の小型抽出装置において、回収容器3を上部開口容器2の底面に直接載置してもよいが、図3に示すように、一定の高さを有するスペーサー7を介して目皿8を置き、目皿の上に回収容器3を載置することもできる。このように構成することにより、目皿8の下に出来た空間に抽出用の溶媒(水)を予め仕込むことができ、また、底面にたまった溶媒の加熱による回収容器内の有効成分の熱劣化や再蒸発を防ぐことができ、さらに、動植物原料が熱水蒸留されて劣化するのを防ぐことができる効果もある。
【0029】
小型抽出装置の上部開口容器2は、動植物原料にマイクロ波を照射するためにマイクロ波透過性の材料で形成されていることが必要である。該材料としては、耐熱ガラス等のガラスまたはマイクロ波透過性の耐熱樹脂材が好ましく、マイクロ波を照射されると容器を透過したマイクロ波によって、収容されている動植物原料が加熱される。そのため、溶媒のみを加熱して加熱蒸気を動植物原料に供給した場合に比べて、原料中の有効成分の抽出が促進され、短時間でかつ多量の有効成分を抽出することが可能となる。
【0030】
上記のマイクロ波透過性耐熱樹脂材としては、例えば、ポリプロピレン系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテル系、ポリフェニレン系、ポリサルホン系、フッ素系、シリコン系、ポリベンゾイミダゾール系の樹脂が好ましいが、これ以外でも、シリカもしくはアルミナを被覆したポリエチレンテレフタレートを用いることもできる。さらに、セラミックス系材料等を用いることもできる。
【0031】
有効成分を抽出するための溶媒としては、安全性が高く入手容易である点より、水を好ましく挙げることができる。
【0032】
本発明に係る電子レンジ用小型抽出装置を用いて抽出操作を行う場合は、以下の方法が推奨される。先ず、図3に示したように、マイクロ波透過性の材料からなる上部開口容器2のほぼ真中に、回収容器3を載置し、回収容器周辺に動植物原料を充填する。次いで、該回収容器の上に連通するように漏斗状容器を載置してその上に氷保持部材を置き、その中に氷を充填する。この後、抽出量を増やすために冷却容器の周辺にも動植物原料を追加充填してもよい。最後に、容器2に蓋6を設置した後、小型抽出装置を電子レンジに入れ、マイクロ波を照射する。動植物原料に含まれる水分量を勘案し、水分量が足りない場合は、容器2の底部に設けられた目皿8の下の領域に溶媒を入れる。また、抽出操作において、氷保持部材の大きさは、抽出対象物の種類に応じて適宜決定すればよいが、一般的に氷保持部材の容量を大きくして氷の量を増やすほど抽出量は増加する。
【0033】
本発明の小型抽出装置においては、回収容器3の直径を、抽出する有効成分の種類や含有量、使用する原料の種類に応じて適宜なサイズに設計することで、回収量や回収時間を調整することができる。また、回収容器3の直径に合わせて漏斗状容器4の容量を設定することで、抽出操作の安定化をはかることができる。回収容器3の周囲には原料細片を充填するので、回収容器をマイクロ波から遮蔽することができ、回収容器を電磁波遮蔽材で被覆する必要がなく、また容器内の動植物原料から発生した蒸気の通路を確保することができるので、溶媒流通用のパイプ等を配設する必要がない。なお、回収容器表面に金属メッキ処理等を施して電磁波遮蔽性を付与しておくこともでき、このような構成にすることにより長時間に亘る抽出操作において抽出物の分解等をより一層防止する効果がある。
【0034】
原料細片9は、動植物原料をそのままもしくは乾燥し、適当な大きさに切断または粉砕したものであればよく、一旦、抽出に用いられた原料の廃物を用いることもできる。例えば、動植物原料をミキサーなどで粉砕したものを用いれば、溶媒との接触面積を大きくすることができ、抽出効率を高めることができる。好ましい動植物原料は、植物の実、葉、茎、幹、根等のバイオマスである。
【0035】
上部開口容器2に直接動植物原料を充填する際は、容器の底部に原料細片よりも小さめの孔を有する目皿8を設け、その上に原料細片を入れ、目皿8の下に溶媒を入れるのがよい。
【0036】
上記の小型抽出装置を用いて抽出操作を実施する場合は、本発明の小型抽出装置を電子レンジの中に載置し、周波数が0.5〜10GHz、出力が100W〜3.0kWのマイクロ波を照射する。それにより、上部開口容器2内に収容された動植物原料または動植物原料と溶媒がマイクロ波により加熱されることで有効成分が抽出され、溶媒の沸点を超えると蒸気が発生する。上部開口容器2内において発生した蒸気は、目皿の孔81を通って、充填された動植物原料細片の間を抜け、漏斗状容器4に備えられた氷保持部材の孔51を通って、氷保持部材5の中に入り、氷と接触して冷却、凝縮される。凝縮溶媒と抽出物は、回収容器3に回収される。抽出操作終了後は、蓋6を取り外して回収容器3を取り出し、溶媒と抽出物とに分離することにより、簡単に抽出物を取得することができる。
【0037】
図3に示す小型抽出装置は、容器、回収容器および冷却部となる漏斗状容器、氷保持部材が、簡単に取り外し可能に組み立てられているので、原料の供給、および抽出操作が終了した後の装置の洗浄が容易である。
【0038】
以上説明したように、本発明の小型抽出装置においては、容器2、回収容器3および冷却部4,5の大きさを、動植物原料の種類、該原料中の有効成分の種類や含有量に応じて調製することにより、安全かつ効率よく抽出操作を実施することが可能になる。本発明の小型抽出装置は、直径を10〜20cm程度、高さを10〜20cm程度の大きさにすることで、一般家庭で用いられている電子レンジ用として適用することができる。
【実施例】
【0039】
次に、本発明を実施例により図面を参照しつつ詳細に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。尚、実験は図3の装置またはこれに準ずる装置を用いて実施した。
【0040】
<実施例1>
内径184mmφ高さ180mmの円筒ガラス容器2に、純水300gと沸石を加え、スペーサー7の上にテフロン(登録商標)製の目皿8を設置した。その上に、バイオマスが下にこぼれ落ちないようにメッシュサイズ0.75mmφのテフロン(登録商標)パンチングシートを設置した。この上に、純水20mlを呼び水として加えた内径30mmφ高さ65mmの油回収容器3を設置した後、この外周を覆うようにバイオマス9としてトドマツ粉砕物約380gを加えた。トドマツ粉砕物は、分析ミル(グッドカッター 氏家製作所製 型式:UG165-10-240)にて8mmアンダーに破砕して得た。なお、油回収容器3には底部側面より内径8mmφの枝管31を設け、水位が枝管端の高さ以上になった際には下層の水が油回収容器から円筒フラスコに排出されるようにした。
【0041】
バイオマス9で油回収容器3の外周を覆った後、油回収容器3の上に、内径100mmφの氷保持部材5を載置した冷却容器4を設置した。油回収容器と冷却容器とは透明すりにて接続した。冷却容器には氷(キューブアイス)を約160〜170g加えた。氷は蒸気流路用に穴を開けたテフロン(登録商標)シート5にて冷却容器4から落ちないようにし、かつ蒸気が冷却材(氷)に流れる流路を確保した。円筒フラスコ上部に蒸気逃がし穴61のついた蓋6としてシリコンラップを、氷保持部材5の上端と密着するようにして設置した。
【0042】
上記抽出装置をマイクロ波発生装置として市販の電子レンジ(ナショナルNE-EH22)内に設置し、周波数2.45GHzのマイクロ波を抽出装置に8〜13分照射し、水蒸気蒸留を行い、反応後の油回収容器内の液量を計測した。出力は750W一定とした。結果を表1にまとめて示す。
【0043】
【表1】

【0044】
反応後の油回収容器内の液量は、いずれの結果でも、反応開始時とほぼ同量の約20gであり、これにより、油回収容器内の液体がマイクロ波照射により蒸発しない、つまりは本発明の特徴である「バイオマスによる遮蔽効果」が得られたことが確認できた。一方、油回収量は時間により変化し、本実施例における最適反応時間は9〜10分であることがわかった。10分以降は冷却材としての氷の残量がなくなるため、油の回収量は増えない。さらに冷却材容量を増やすことで収量を増加させることができる。
【0045】
<実施例2>
バイオマスとしてネーブル果皮の粉砕物約760gを用いたほかは、実施例1と同様の試験を行った。ネーブル果皮粉砕物はブレンダー(Vita−Mix社製 型式:VM0113)にて8mmアンダーに破砕して得た。ネーブル果皮粉砕物をセットした抽出装置をマイクロ波発生装置として市販の電子レンジ(ナショナルNE-EH22)内に設置し、周波数2.45GHzのマイクロ波を抽出装置に10〜18分照射し、水蒸気蒸留を行い、反応後の油回収容器内の液量を計測した。出力は750W一定として。結果を表2にまとめて示す。
【0046】
【表2】

【0047】
反応後の油回収容器内の液量は、いずれの結果でも、反応開始時とほぼ同量の約20gであり、これにより、油回収容器内の液体がマイクロ波照射により蒸発しない、つまりは本発明の特徴である「バイオマスによる遮蔽効果」が得られたことがネーブル果皮の試験からも確認できた。一方、油回収量は時間により変化し、本実施例における最適反応時間は12分であることがわかった。
【0048】
<実施例3>
円筒フラスコ内に純水300gと沸石を加えない他は、実施例2と同様の試験を行った。結果を表3に示す。
【0049】
【表3】

【0050】
<実施例4>
油回収容器の上に設置する冷却容器に載置する氷保持部材5の内径を150mmφとし、冷却容器内に加える氷(キューブアイス)を約450〜480gとした他は、実施例3と同様の試験を行った。その結果を表4にまとめて示す。
【0051】
【表4】

【0052】
実施例3,4の結果より、水蒸気蒸留のための水分をバイオマス中の水分のみとした場合、油回収量を実施例2の方法より多くすることができることがわかった。これは反応系中の水蒸気量は減るものの単位蒸気量あたりの精油分を共沸させるという仕事率が上がり、無駄な蒸気による氷の融解が減少し、かつ初留までの時間が短縮されることで実蒸留時間が増加したことなどによるものと推察された。また、長時間反応させてもバイオマスにこげなどは発生しなかった。これにより、バイオマス中の水分がマイクロ波により蒸気となって抜けても、冷却容器により水に戻り、呼び水をはった油回収容器を経由して再び円筒フラスコ下部へ戻るため、空焚き状態になることなく安全に反応させることができることが確認できた。油回収量は時間により変化し、本実施例4における最適反応時間は約15分であることがわかった。
【0053】
<実施例5>
実施例1において、バイオマスとしてレモン果皮約350gを用い、円筒フラスコ内に純水300gと沸石を加えずに試験した。また、氷保持部材5として、テフロン(登録商標)メッシュを外径80mmφ×高さ50mmの円筒状に加工したもの(図4(a)参照)を用い、氷(キューブアイス)を160〜170g用いた。それ以外は、実施例1と同様の試験を行った。
【0054】
<実施例6>
実施例1において、バイオマスとしてレモン果皮約350gを用い、円筒フラスコ内に純水300gと沸石を加えずに試験した。また、氷保持部材5として、テフロン(登録商標)シートを外径80mmφ×高さ50mmの円筒状に加工し、下部に内径4mmφの孔を24個設けたもの(図4(b)参照)を用い、氷(キューブアイス)を160〜170g用いた。それ以外は、実施例1と同様の試験を行った。
【0055】
<実施例7>
実施例1において、バイオマスとしてレモン果皮約350gを用い、円筒フラスコ内に純水300gと沸石を加えずに試験した。また、氷保持部材5として、テフロン(登録商標)シートを外径80mmφ×高さ50mmの円筒状に加工し、下部に幅10mm×高さ20mmの孔を8個設けたもの(図4(c)参照)を用い、氷(キューブアイス)を160〜170g用いた。それ以外は、実施例1と同様の試験を行った。
【0056】
<実施例8>
実施例1において、バイオマスとしてレモン果皮約350gを用い、円筒フラスコ内に純水300gと沸石を加えずに試験した。また、氷保持部材5として、テフロン(登録商標)メッシュを外径100mmφ×高さ50mmの円筒状に加工したものを用い、氷(キューブアイス)を250〜270g用いた。それ以外は、実施例1と同様の試験を行った。
【0057】
<実施例9>
実施例1において、バイオマスとしてレモン果皮約350gを用い、円筒フラスコ内に純水300gと沸石を加えずに試験した。また、氷保持部材5として、テフロン(登録商標)シートを外径100mmφ×高さ50mmの円筒状に加工し、下部に幅10mm×高さ20mmの孔を10個設けたもの(図4(d)参照)を用い、氷(キューブアイス)を250〜270g用いた。それ以外は、実施例1と同様の試験を行った。
【0058】
<実施例10>
実施例1において、バイオマスとしてレモン果皮約700gを用い、円筒フラスコ内に純水300gと沸石を加えずに試験した。また、氷保持部材5として、テフロン(登録商標)シートを外径145mmφ×高さ50mmの円筒状に加工し、下端に幅20mm×高さ15mmの孔を11個設けたもの(図4(e)参照)を用い、氷(キューブアイス)を460〜490g用いた。それ以外は、実施例1と同様の試験を行った。
【0059】
実施例5〜10における精油抽出試験結果を表5にまとめて示す。
【0060】
【表5】

【0061】
表5より、冷却材への蒸気入口が氷保持部材の下部にあり、かつ孔径が大きい方が油回収量が多く、冷却材(氷)量が多い方が油回収量が多いことがわかった。
【0062】
<実施例11>
内径184mm×高さ180mmのガラス製円筒容器2に、純水300gと沸石を加え、テフロン(登録商標)製の目皿8を設置した。その上に、バイオマスが下にこぼれ落ちないようにメッシュサイズ0.75mmφのテフロン(登録商標)パンチングシートを設置した。この上に、純水20mlを呼び水として加えた油回収容器3を設置した後、この外周を覆うようにバイオマス9としてトドマツ粉砕物を加えた。トドマツ粉砕物は、グッドカッター(氏家製作所製 型式:UG165−10−240)にて約8mmアンダーに破砕して得た。なお、油回収容器3には底部側面より内径8mmφの枝管31を設け、水位が枝管上端の高さ以上になった際には下層の水が油回収容器から円筒フラスコに排出されるようにした。
【0063】
バイオマスで油回収容器の外周を覆った後、油回収容器の上に内径100mmφの氷保持部材5を載置した冷却容器4を設置した。冷却容器には氷(キューブアイス)を約160g加えた。氷は円筒状に加工したテフロン(登録商標)パンチングシートにて冷却容器から落ちないようにし、かつ蒸気が冷却材(氷)に流れる流路を確保した。この冷却容器の外周を覆うようにさらにバイオマス(トドマツ粉砕物)を加えた。バイオマスは合計で約700gとなった。その後、円筒フラスコ上部に、蒸気逃がし穴のついた蓋として、シリコンラップを氷保持部材5の上端と密着するようにして設置した。
【0064】
上記抽出装置をマイクロ波発生装置として市販の電子レンジ(ナショナルNE-EH22)内に設置し、周波数2.45GHzのマイクロ波を抽出装置に9分〜14分照射し、水蒸気蒸留を行い、反応後の油回収容器内の液量を計測した。出力は750W一定とした。結果を表6に示す。
【0065】
【表6】

【0066】
反応後の油回収容器内の液量は、反応開始時とほぼ同量の約20gであり、うち油を約1g得ることができた。これにより、油回収容器内の液体がマイクロ波照射により蒸発しない、つまりは本発明の特徴である「バイオマスによる遮蔽効果」が得られ、精油が簡便に抽出できることが確認できた。さらに、氷残量がなくなるまで試験を行うことで油回収量を最大にすることができることがわかった。
【0067】
<実施例12>
バイオマスとしてネーブル果皮の粉砕物1384gを用いたほかは、実施例11と同様の試験を行った。ネーブル果皮粉砕物はブレンダー(Vita−Mix社製 型式:VM0113)にて8mmアンダーに破砕して得た。ネーブル果皮粉砕物をセットした抽出装置を市販の電子レンジ内に設置し、周波数2.45GHzのマイクロ波を15分照射し、水蒸気蒸留を行い、反応後の油回収容器内の液量を計測した。結果を表7に示す。
【0068】
【表7】

【0069】
反応後の油回収容器内の液量は、反応開始時とほぼ同量の約20gであり、うち油を約0.9g得ることができた。これにより、油回収容器内の液体がマイクロ波照射により蒸発しない、つまりは本発明の特徴である「バイオマスによる遮蔽効果」が得られたことがネーブル果皮の試験からも確認できた。
【0070】
<実施例13>
バイオマスとしてレモンの果皮粉砕物約1260gを用いたほかは、実施例11と同様の試験を行った。ネーブル果皮粉砕物をセットした抽出装置を市販の電子レンジ内に設置し、周波数2.45GHzのマイクロ波を15〜20分照射し、水蒸気蒸留を行い、反応後の油回収容器内の液量を計測した。結果を表8に示す。
【0071】
【表8】

【0072】
反応後の油回収容器内の液量は、反応開始時とほぼ同量の約20gであり、うち油を約2.2〜4.0g得ることができた。これにより、油回収容器内の液体がマイクロ波照射により蒸発しない、つまりは本発明の特徴である「バイオマスによる遮蔽効果」が得られたことがレモン果皮の試験からも確認できた。さらに、氷残量がなくなるまで試験行うことで油回収量を最大にすることができることがわかった。
【0073】
<実施例14>
バイオマスとしてレモン果皮粉砕物約350gを使用し、円筒フラスコの内径を132mmφとしたほかは、実施例4と同様の試験を行った。その結果を表9に示す。
【0074】
【表9】

【0075】
<実施例15>
油回収容器の枝官およびすり合わせ部分を除く部分を金属メッキした(図5参照)ほかは、実施例14と同様の試験を行った。その結果を表10に示す。
【0076】
【表10】

【0077】
実施例14では過剰のマイクロ波照射によって回収した油が減少してしまう傾向にあったが、実施例15では油回収容器に金属メッキを施した結果、回収容器に得られた油は少なくとも数分程度の過剰のマイクロ波照射によっても減少しないことがわかった。
【0078】
また、実施例14,15において、試験時間9分(最適反応時間)と20分(過剰反応時間)で得られた油を、それぞれ、ガスクロマトグラフィーにて分析したところ、図6に示す結果を得た。図6において、aは実施例14で試験時間9分、bは同じく試験時間20分、a´は実施例15で試験時間9分、b´は同じく試験時間20分で得られた油のガスクロマトグラムである。これらの結果より、油回収容器の金属メッキあり、なしによらず、マイクロ波照射時間が増大しても油回収成分に熱劣化の無いことを確認した。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明の小型抽出装置を用いると、電子レンジを用いて、植物原料または動物原料から、マイクロ波照射により、エネルギーの無駄なく、短時間で、簡便にそれらに含有される有効成分を抽出し、取得することができる。したがって、本発明の小型抽出装置は、一般家庭用、喫茶店や売店等での業務用、研究室での実験用等として、幅広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明に係る小型抽出装置の油回収容器と冷却容器の側面図である。
【図2】本発明に係る小型抽出装置の概略上面図である。
【図3】本発明に係る小型抽出装置の概略側面図である。
【図4】氷保持部材の形態例を示す外観斜視図である。
【図5】金属メッキを施した油回収容器を説明する図である。
【図6】実施例14,15で得た油の成分分析チャートである。
【符号の説明】
【0081】
1 小型抽出装置
2 上部開口容器
3 回収容器
31 枝管
33 金属メッキ部分
4 漏斗状容器(冷却容器)
5 氷保持部材
51 孔
6 蓋
61 蒸気穴
7 スペーサー
8 目皿
81 孔
9 動植物原料(バイオマス)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波照射による加熱によって、動植物原料から有効成分を抽出、取得するための小型抽出装置であって、
マイクロ波透過性の材料からなる上部開口容器と、
前記上部開口容器内に載置される回収容器と、
前記回収容器上に載置され氷を収容する漏斗状容器と、を備え、
少なくとも回収容器の周囲に動植物原料を充填可能にしたことを特徴とする電子レンジ用の小型抽出装置。
【請求項2】
前記回収容器は、凝縮された溶媒を上部開口容器内に戻すための枝管を有している、請求項1に記載の電子レンジ用の小型抽出装置。
【請求項3】
前記上部開口容器は、前記回収容器と漏斗状容器を載置した後に少なくとも該回収容器の周囲に動植物原料を充填可能な空間が形成される大きさであり、
加熱によって発生した蒸気は漏斗状容器を介して回収容器で回収するように構成した請求項1または2に記載の電子レンジ用の小型抽出装置。
【請求項4】
前記漏斗状容器は、蒸気通過性の氷保持部材を備えている、請求項1〜3のいずれかに記載の電子レンジ用の小型抽出装置。
【請求項5】
前記上部開口容器の底面に、スペーサーを介して配置した目皿上に、前記回収容器を載置する、請求項1〜4のいずれかに記載の電子レンジ用の小型抽出装置。
【請求項6】
前記上部開口容器の上部開口を覆う蓋を備えている、請求項1〜5のいずれかに記載の電子レンジ用の小型抽出装置。
【請求項7】
前記回収容器がマイクロ波透過性の材料で形成されている、請求項1〜6のいずれかに記載の電子レンジ用の小型抽出装置。
【請求項8】
前記漏斗状容器がマイクロ波透過性の材料で形成されている、請求項1〜7のいずれかに記載の電子レンジ用の小型抽出装置。
【請求項9】
前記マイクロ波透過性の材料が、ガラスまたはポリプロピレン系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテル系、ポリフェニレン系、ポリサルホン系、フッ素系、シリコン系あるいはポリベンゾイミダゾール系の樹脂である、請求項1〜8のいずれかに記載の電子レンジ用の小型抽出装置。
【請求項10】
充填した動植物原料が回収した有効成分をマイクロ波から遮蔽するようにした、請求項1〜9のいずれかに記載の電子レンジ用の小型抽出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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