説明

電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置

【課題】ポジゴースト画像が低減された良好な出力画像を作成することができ、光感度も良好な電子写真感光体を提供する。
【解決手段】式(1)で示される繰り返し構造単位と式(2)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体、または、式(1)で示される繰り返し構造単位と式(3)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体を電子写真感光体の感光層に含有させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真感光体、ならびに、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真装置に用いられる電子写真感光体の感光層は、単層型感光層と積層型感光層が知られている。また、電子写真感光体は、その表面を帯電する際の電荷の極性により、正帯電用電子写真感光体と負帯電用電子写真感光体に大別される。これらの中でも、積層型感光層を有する負帯電用電子写真感光体が一般的である。
【0003】
積層型感光層を有する負帯電用電子写真感光体は、一般的に、支持体側から、アゾ顔料やフタロシアニン顔料などの電荷発生物質を含有する電荷発生層と、ヒドラゾン化合物、トリアリールアミン化合物、スチルベン化合物などの正孔輸送物質を含有する正孔輸送層をこの順に有する。
【0004】
しかしながら、支持体上に感光層(積層型感光層の場合は、特に電荷発生層)を直接設けると、感光層(電荷発生層)の剥がれが生じたり、支持体の表面の欠陥(傷などの形状的欠陥または不純物などの材質的欠陥)が画像にそのまま反映され、黒点状画像欠陥や白抜けといった問題が生じたりする場合が多い。
【0005】
これらの問題を解消するため、多くの電子写真感光体では、中間層と呼ばれる層(下引き層とも呼ばれる)が感光層と支持体との間に設けられている。
【0006】
しかしながら、中間層が原因と考えられる電子写真感光体の特性の悪化が見られる場合もある。そこで、従来、負帯電用電子写真感光体の中間層に電子輸送物質を含有させて中間層を電子輸送層化するなど、様々な手段を用いて中間層の特性を改良しようとする試みがなされている(特許文献1および2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−83726号公報
【特許文献2】特開2003−345044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、電子写真画像の品質に対する要求は高まる一方である。例えば、ポジゴーストに対する許容範囲が格段に厳しくなってきている。ポジゴーストとは、1枚の画像を形成する中で、光が照射された部分が電子写真感光体の次回転目にハーフトーン画像になる場合において、光が照射された部分のみの濃度が濃くなる現象である。
この点、上記の従来技術では、ポジゴーストの低減に関して、十分なレベルに達しているわけではなかった。
【0009】
本発明の目的は、ポジゴーストが低減された良好な画像を出力可能な電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、ポジゴーストの低減を高いレベルで達成することが可能な電子写真感光体を提供すべく、鋭意検討を行った。その結果、特定の構造を有する共重合体を電子写真感光体の感光層に含有させることで、ポジゴーストの低減を高いレベルで達成することが可能になることを見出した。
【0011】
すなわち、本発明は、支持体および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体において、
該感光層が、下記式(1)で示される繰り返し構造単位と下記式(2)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体、または、下記式(1)で示される繰り返し構造単位と下記式(3)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体を含有することを特徴とする電子写真感光体である。
【化1】

【化2】

【化3】

(式(1)、(2)および(3)中、
【0012】
〜Zは、それぞれ独立に、単結合、アルキレン基、アリーレン基、または、アルキル基で置換されたアリーレン基を示す。
【0013】
は、−W−B−W−で示される2価の基、または、下記式(E11)で示される2価の基を示す。
【化4】

(Xは、環式炭化水素から水素原子4個を除いた4価の基を示す。)
は、−W−B−W−で示される2価の基、または、下記式(E41)で示される2価の基を示す。
【化5】

(Xは、環式炭化水素から水素原子4個を除いた4価の基を示す。)
〜Wは、それぞれ独立に、単結合、ウレタン結合、尿素結合、または、イミド結合を示す。
【0014】
Aは、下記式(A−1)〜(A−8)のいずれかで示される2価の基である。
【化6】

(式(A−1)〜(A−8)中、
101〜R104は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、ハロゲン原子もしくはニトロ基もしくはシアノ基もしくはアルキル基もしくはハロゲン化アルキル基で置換されたアリール基、アルキル基、または、シアノ基、あるいは、結合部位を示す。R105およびR106は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、アルキル基もしくはハロゲン原子で置換されたアリール基、または、アルキル基、あるいは、結合部位を示す。ただし、R101〜R106のうちの2つは結合部位である。
201〜R208は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、ハロゲン原子もしくはニトロ基もしくはシアノ基もしくはアルキル基もしくはハロゲン化アルキル基で置換されたアリール基、アルキル基、または、シアノ基、あるいは、結合部位を示す。R209およびR210は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、アルキル基もしくはハロゲン原子で置換されたアリール基、または、アルキル基、あるいは、結合部位を示す。ただし、R201〜R210のうちの2つは結合部位である。
301〜R308は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、ハロゲン原子もしくはニトロ基もしくはシアノ基もしくはアルキル基もしくはハロゲン化アルキル基で置換されたアリール基、アルキル基、シアノ基、または、ニトロ基、あるいは、結合部位を示す。R309は、酸素原子、または、ジシアノメチレン基を示す。R310およびR311は、それぞれ独立に、炭素原子、または、窒素原子を示し、窒素原子の場合、R304とR305は存在しない。ただし、R301〜R308のうちの2つは結合部位である。
401〜R406は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、ハロゲン原子もしくはニトロ基もしくはシアノ基もしくはアルキル基もしくはハロゲン化アルキル基で置換されたアリール基、アルキル基、シアノ基、または、ニトロ基、あるいは、結合部位を示す。R407は、酸素原子、または、ジシアノメチレン基を示す。ただし、R401〜R406のうちの2つは結合部位である。
501〜R508は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、ハロゲン原子もしくはニトロ基もしくはシアノ基もしくはアルキル基もしくはハロゲン化アルキル基で置換されたアリール基、アルキル基、シアノ基、または、ニトロ基、あるいは、結合部位を示す。R509およびR510は、それぞれ独立に、酸素原子、または、ジシアノメチレン基を示す。R511およびR512は、それぞれ独立に、炭素原子、または、窒素原子を示し、窒素原子の場合、R501とR505は存在しない。ただし、R501〜R508のうちの2つは結合部位である。
601〜R608は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、ハロゲン原子もしくはニトロ基もしくはシアノ基もしくはアルキル基もしくはハロゲン化アルキル基で置換されたアリール基、アルキル基、シアノ基、ニトロ基、または、カルボン酸エステル基、あるいは、結合部位を示す。R610およびR611は、それぞれ独立に、炭素原子、または、窒素原子を示し、窒素原子の場合、R604とR605は存在しない。R609は、ジシアノメチレン基を示す。ただし、R601〜R608のうちの2つは結合部位である。
701〜R713は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、ハロゲン原子もしくはニトロ基もしくはシアノ基もしくはアルキル基もしくはハロゲン化アルキル基で置換されたアリール基、アルキル基、シアノ基、ニトロ基、または、カルボン酸エステル基、あるいは、結合部位を示す。R714およびR715は、それぞれ独立に、炭素原子、または、窒素原子を示し、窒素原子の場合、R704とR705は存在しない。ただし、R701〜R713のうちの2つは結合部位である。
801〜R808は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、ハロゲン原子もしくはニトロ基もしくはシアノ基もしくはアルキル基もしくはハロゲン化アルキル基で置換されたアリール基、アルキル基、シアノ基、または、ニトロ基、あるいは、結合部位を示す。ただし、R801〜R808のうちの2つは結合部位である。)
【0015】
およびBは、それぞれ独立に、アリーレン基、アルキレン基、アルカリーレン基、アルキル基もしくはハロゲン原子もしくはシアノ基もしくはニトロ基で置換されたアリーレン基、ハロゲン原子もしくはシアノ基もしくはニトロ基で置換されたアルキレン基、アルキル基もしくはハロゲン原子もしくはシアノ基もしくはニトロ基で置換されたアルカリーレン基、エーテルもしくはスルホニルで中断されているアリーレン基、エーテルで中断されているアルキレン基、を示す。
【0016】
およびBは、それぞれ独立に、カルボキシル基のみで置換されたアリーレン基、カルボキシル基とアルキル基のみで置換されたアリーレン基、または、カルボキシル基のみで置換されたアルキレン基を示す。)
【0017】
また、本発明は、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
【0018】
また、本発明は、上記電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ポジゴーストの低減を高いレベルで達成することが可能な電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
【0020】
上記共重合体(共重合樹脂)を含有する感光層を有する電子写真感光体がポジゴーストの低減効果に優れる理由の詳細は明らかではないが、本発明者らは、以下のように推測している。
【0021】
すなわち、本発明に用いられる共重合体は、電子輸送性を有する構造とそれ以外の構造とが交互に存在している構造の共重合体であり、また、カルボキシル基を含有する共重合体である。このような共重合体は、電子輸送性の構造が偏在しておらず、また、カルボキシル基同士の相互作用により、該共重合体で形成された層において該共重合体中の電子輸送性の構造が適正な配置を取りやすくなるため、優れたポジゴーストの低減効果が得られるのではないかと本発明者らは推測している。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す図である。
【図2】ゴースト画像(ゴースト評価用印字)を説明する図である。
【図3】1ドット桂馬パターン画像を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明についてより詳細に説明する。
【0024】
一般的に、電子写真感光体は、支持体および該支持体上に形成された感光層を有する。
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)であればよく、例えば、アルミニウム、ニッケル、銅、金、鉄などの金属または合金製の支持体や、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ガラスなどの絶縁性支持体上にアルミニウム、銀、金などの金属または酸化インジウム、酸化スズなどの導電性材料の薄膜を形成してなるものが挙げられる。
支持体の表面は、電気的特性の改善や、半導体レーザーなどコヒーレント光照射時に問題となる干渉縞の抑制のため、陽極酸化などの電気化学的な処理や、湿式ホーニング、ブラスト、切削などの処理が施されていてもよい。
【0025】
積層型の感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを有する。電荷輸送物質は、正孔輸送物質と電子輸送物質とがあり、正孔輸送物質を含有する電荷輸送層を正孔輸送層、電子輸送物質を含有する電荷輸送層を電子輸送層と称する。積層型の感光層には、複数の電荷輸送層を有させてもよい。
単層型の感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質とを同一の層に含有させた層である。
【0026】
本発明に用いられる上記共重合体は、支持体側から電子輸送層、電荷発生層および正孔輸送層を積層してなる積層型の感光層の電子輸送層に含有させることが好ましい。
【0027】
以下、負帯電用電子写真感光体の積層型の感光層を例に挙げて説明する。
電荷発生層は、電荷発生物質を含有し、また、必要に応じて結着樹脂、その他の成分を含有する。
【0028】
電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ顔料、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料などのアゾ顔料や、ペリレン酸無水物およびペリレン酸イミドなどのペリレン顔料や、アントラキノン誘導体、アントアントロン誘導体、ジベンズピレンキノン誘導体、ピラントロン誘導体、ビオラントロン誘導体およびイソビオラントロン該導体などのアントラキノンまたは多環キノン顔料や、インジゴ誘導体およびチオインジゴ誘導体などのインジゴイド顔料や、金属フタロシアニンおよび無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン顔料や、ビスベンズイミダゾール誘導体などのペリノン顔料などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料およびフタロシアニン顔料が好ましい。これらの中でも、オキシチタニウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンおよびヒドロキシガリウムフタロシアニンが好ましい。
【0029】
オキシチタニウムフタロシアニンとしては、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有する結晶形のオキシチタニウムフタロシアニン結晶や、ブラッグ角度(2θ±0.2°)の9.5°、9.7°、11.7°、15.0°、23.5°、24.1°および27.3°に強いピークを有する結晶形のオキシチタニウムフタロシアニン結晶が好ましい。
【0030】
クロロガリウムフタロシアニンとしては、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.4°、16.6°、25.5°および28.2°に強いピークを有する結晶形のクロロガリウムフタロシアニン結晶や、ブラッグ角度(2θ±0.2°)の6.8°、17.3°、23.6°および26.9°に強いピークを有する結晶形のクロロガリウムフタロシアニン結晶や、ブラッグ角度(2θ±0.2°)の8.7°、9.2°、17.6°、24.0°、27.4°および28.8°に強いピークを有する結晶形のクロロガリウムフタロシアニン結晶が好ましい。
【0031】
ヒドロキシガリウムフタロシアニンとしては、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.3°、24.9°および28.1°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶や、ブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が好ましい。
【0032】
本発明において、フタロシアニン結晶の結晶形のCuKα特性X線回折におけるブラッグ角は、以下の条件で測定した。
測定装置:(株)マック・サイエンス製全自動X線回折装置(商品名:MXP18)
X線管球:Cu、管電圧:50kV、管電流:300mA、
スキャン方法:2θ/θスキャン、スキャン速度:2°/min、サンプリング間隔:0.020°、
スタート角度(2θ):5°、ストップ角度(2θ):40°、
ダイバージェンススリット:0.5°、スキャッタリングスリット:0.5°、レシービングスリット:0.3°、
湾曲モノクロメーター使用
【0033】
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンなどのビニル化合物の重合体および共重合体や、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリエステル、ポリカーボネートおよびポリビニルアセタールが好ましく、これらの中でも、ポリビニルアセタールがより好ましい。
【0034】
正孔輸送物質としては、例えば、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物、トリフェニルアミン、または、これらの化合物から誘導される基を主鎖または側鎖に有するポリマーが挙げられる。
【0035】
正孔輸送層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸エステル、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリスチレンなどが挙げられる。
これらの中でも、特にポリカーボネートおよびポリアリレートが好ましく、また、これらの分子量としては、重量平均分子量(Mw)=10,000〜300,000の範囲が好ましい。
【0036】
正孔輸送層において、正孔輸送物質と結着樹脂との比率(正孔輸送物質/結着樹脂)は、10/5〜5/10が好ましく、10/8〜6/10がより好ましい。
【0037】
負帯電用電子写真感光体の場合、さらに、正孔輸送層上に表面保護層を形成してもよい。表面保護層は、導電性粒子または電荷輸送物質と結着樹脂とを含有する。また、表面保護層は、潤滑剤などの添加剤をさらに含有してもよい。また、表面保護層の結着樹脂自体が導電性および/または電荷輸送性を有していてもよい。その場合、表面保護層は、導電性粒子および/または電荷輸送物質を含有しなくてもよい。また、表面保護層の結着樹脂は、熱、光または放射線などにより硬化する硬化性樹脂でも、また非硬化性の熱可塑性樹脂でもよい。
【0038】
電荷発生層と支持体の間には、電子輸送層が形成される。電子輸送層は1層または複数の層からなる。電子輸送層が複数である場合、それらの中の少なくとも1層が上記共重合体を含有する。また、接着性の改善のための接着層または電気的特性の改善のための、金属酸化物やカーボンブラックなどの導電性粒子を樹脂中に分散してなる導電層など、上記共重合体を含有する電子輸送層とは別の層が、電荷発生層と支持体の間に形成されていてもよい。
【0039】
本発明に用いられる感光層用の共重合体は、下記式(1)で示される繰り返し構造単位と下記式(2)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体、または、下記式(1)で示される繰り返し構造単位と下記式(3)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体である。
【化7】

【化8】

【化9】

式(1)、(2)および(3)中、
〜Zは、それぞれ独立に、単結合、アルキレン基、アリーレン基、または、アルキル基で置換されたアリーレン基を示す。
【0040】
は、−W−B−W−で示される2価の基、または、下記式(E11)で示される2価の基を示す。
【化10】

(Xは、環式炭化水素から水素原子4個を除いた4価の基を示す。)
は、−W−B−W−で示される2価の基、または、下記式(E41)で示される2価の基を示す。
【化11】

(Xは、環式炭化水素から水素原子4個を除いた4価の基を示す。)
【0041】
〜Wは、それぞれ独立に、単結合、ウレタン結合、尿素結合、または、イミド結合を示す。
【0042】
Aは、下記式(A−1)〜(A−8)のいずれかで示される2価の基である。下記式(A−1)〜(A−8)のいずれかで示される2価の基は、電子輸送能を有している基である。
【化12】

式(A−1)〜(A−8)中、
101〜R104は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、ハロゲン原子もしくはニトロ基もしくはシアノ基もしくはアルキル基もしくはハロゲン化アルキル基で置換されたアリール基、アルキル基、または、シアノ基、あるいは、結合部位を示す。R105およびR106は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、アルキル基もしくはハロゲン原子で置換されたアリール基、または、アルキル基、あるいは、結合部位を示す。ただし、R101〜R106のうちの2つは結合部位である。
201〜R208は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、ハロゲン原子もしくはニトロ基もしくはシアノ基もしくはアルキル基もしくはハロゲン化アルキル基で置換されたアリール基、アルキル基、または、シアノ基、あるいは、結合部位を示す。R209およびR210は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、アルキル基もしくはハロゲン原子で置換されたアリール基、または、アルキル基、あるいは、結合部位を示す。ただし、R201〜R210のうちの2つは結合部位である。
301〜R308は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、ハロゲン原子もしくはニトロ基もしくはシアノ基もしくはアルキル基もしくはハロゲン化アルキル基で置換されたアリール基、アルキル基、シアノ基、または、ニトロ基、あるいは、結合部位を示す。R309は、酸素原子、または、ジシアノメチレン基を示す。R310およびR311は、それぞれ独立に、炭素原子、または、窒素原子を示し、窒素原子の場合、R304とR305は存在しない。ただし、R301〜R308のうちの2つは結合部位である。
401〜R406は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、ハロゲン原子もしくはニトロ基もしくはシアノ基もしくはアルキル基もしくはハロゲン化アルキル基で置換されたアリール基、アルキル基、シアノ基、または、ニトロ基、あるいは、結合部位を示す。R407は、酸素原子、または、ジシアノメチレン基を示す。ただし、R401〜R406のうちの2つは結合部位である。
501〜R508は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、ハロゲン原子もしくはニトロ基もしくはシアノ基もしくはアルキル基もしくはハロゲン化アルキル基で置換されたアリール基、アルキル基、シアノ基、または、ニトロ基、あるいは、結合部位を示す。R509およびR510は、それぞれ独立に、酸素原子、または、ジシアノメチレン基を示す。R511およびR512は、それぞれ独立に、炭素原子、または、窒素原子を示し、窒素原子の場合、R501とR505は存在しない。ただし、R501〜R508のうちの2つは結合部位である。
601〜R608は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、ハロゲン原子もしくはニトロ基もしくはシアノ基もしくはアルキル基もしくはハロゲン化アルキル基で置換されたアリール基、アルキル基、シアノ基、ニトロ基、または、カルボン酸エステル基、あるいは、結合部位を示す。R610およびR611は、それぞれ独立に、炭素原子、または、窒素原子を示し、窒素原子の場合、R604とR605は存在しない。R609は、ジシアノメチレン基を示す。ただし、R601〜R608のうちの2つは結合部位である。
701〜R713は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、ハロゲン原子もしくはニトロ基もしくはシアノ基もしくはアルキル基もしくはハロゲン化アルキル基で置換されたアリール基、アルキル基、シアノ基、ニトロ基、または、カルボン酸エステル基、あるいは、結合部位を示す。R714およびR715は、それぞれ独立に、炭素原子、または、窒素原子を示し、窒素原子の場合、R704とR705は存在しない。ただし、R701〜R713のうちの2つは結合部位である。
【0043】
801〜R808は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、ハロゲン原子もしくはニトロ基もしくはシアノ基もしくはアルキル基もしくはハロゲン化アルキル基で置換されたアリール基、アルキル基、シアノ基、または、ニトロ基、あるいは、結合部位を示す。ただし、R801〜R808のうちの2つは結合部位である。
【0044】
式(1)、(2)および(3)中、
およびBは、それぞれ独立に、アリーレン基、アルキレン基、アルカリーレン基(アリーレン部分とアルキレン部分の両方を含む二価の基)、アルキル基もしくはハロゲン原子もしくはシアノ基もしくはニトロ基で置換されたアリーレン基、ハロゲン原子もしくはシアノ基もしくはニトロ基で置換されたアルキレン基、アルキル基もしくはハロゲン原子もしくはシアノ基もしくはニトロ基で置換されたアルカリーレン基、エーテルもしくはスルホニルで中断されているアリーレン基、エーテルもしくはスルホニルで中断されているアルキレン基、を示す。
【0045】
およびBは、それぞれ独立に、カルボキシル基のみで置換されたアリーレン基、カルボキシル基とアルキル基のみで置換されたアリーレン基、または、カルボキシル基のみで置換されたアルキレン基を示す。なお、「カルボキシル基のみで置換されたアリーレン基」とは、アリーレン基のすべての水素原子がカルボキシル基で置換されているという意味では必ずしもなく、アリーレン基に導入されている置換基の種類がカルボキシル基のみであるという意味である。「カルボキシル基とアルキル基のみで置換されたアリーレン基」および「カルボキシル基のみで置換されたアルキレン基」も同様である。
【0046】
電子輸送層は、上記共重合体を、該電子輸送層の全質量に対して80〜100質量%含有することが好ましい。
【0047】
電子輸送層は、上記共重合体以外にも、成膜性や電気的特性を最適化するために、種々の樹脂、架橋剤、有機物粒子、無機物粒子、レベリング剤などを含有してもよい。ただし、それらの含有量は、電子輸送層の全質量に対して50質量%未満であることが好ましく、20質量%未満であることがより好ましい。
【0048】
また、上記共重合体における各繰り返し構造単位の比率は、任意の比率を選択可能であるが、上記式(1)で示される繰り返し構造単位は、共重合体中の全繰り返し構造単位に対して50〜99mol%であることが好ましく、70〜99mol%であることがより好ましい。また、上記共重合体が上記式(1)で示される繰り返し構造単位と上記式(2)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体である場合、上記式(2)で示される繰り返し構造単位は、共重合体中の全繰り返し構造単位に対して1〜30mol%であることが好ましい。また、上記式(1)で示される繰り返し構造単位と上記式(2)で示される繰り返し構造単位の合計は、共重合体中の全繰り返し構造単位に対して70〜100mol%であることが好ましい。また、上記共重合体が上記式(1)で示される繰り返し構造単位と上記式(3)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体である場合、上記式(3)で示される繰り返し構造単位は、共重合体中の全繰り返し構造単位に対して1〜30mol%であることが好ましい。また、上記式(1)で示される繰り返し構造単位と上記式(3)で示される繰り返し構造単位の合計は、共重合体中の全繰り返し構造単位に対して70〜100mol%であることが好ましい。
【0049】
以下に、本発明に用いられる共重合体の具体例を示すが、本発明は、これらに限定されるわけではない。
【0050】
下記の表1〜16C中、結合部位は破線で示す。また、単結合である場合は「単」と示す。また、式(1)〜(3)の左右の向きと表1〜16C中の各基(各構造)の左右の向きは同じである。ただし、化合物例125〜127、209〜211、308〜310、322〜357、407、408、414〜444、509、510、513〜549、607〜609、612〜646、707〜709、712〜745、807〜809、812〜844におけるW、Wの−NHCOO−基の向きに関しては、−NHCOO−基中のNがB、Bに結合する向きとなる。
【0051】
表1には、上記式(1)で示される繰り返し構造単位と上記式(2)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体の具体例(化合物例)を示す。
【0052】
表2Aおよび2Bには、上記式(1)で示される繰り返し構造単位と上記式(3)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体の具体例(化合物例)を示す。表2Cには、上記式(1)で示される繰り返し構造単位と上記式(2)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体の具体例(化合物例)を示す。
【0053】
表3には、上記式(1)で示される繰り返し構造単位と上記式(2)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体の具体例(化合物例)を示す。
【0054】
表4Aおよび4Bには、上記式(1)で示される繰り返し構造単位と上記式(3)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体の具体例(化合物例)を示す。表4Cには、上記式(1)で示される繰り返し構造単位と上記式(2)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体の具体例(化合物例)を示す。
【0055】
表5には、上記式(1)で示される繰り返し構造単位と上記式(2)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体の具体例(化合物例)を示す。
【0056】
表6A、6B、6Cおよび6Dには、上記式(1)で示される繰り返し構造単位と上記式(3)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体の具体例(化合物例)を示す。
【0057】
表7には、上記式(1)で示される繰り返し構造単位と上記式(2)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体の具体例(化合物例)を示す。
【0058】
表8A、8B、8Cおよび8Dには、上記式(1)で示される繰り返し構造単位と上記式(3)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体の具体例(化合物例)を示す。
【0059】
表9には、上記式(1)で示される繰り返し構造単位と上記式(2)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体の具体例(化合物例)を示す。
【0060】
表10A、10Bおよび10Cには、上記式(1)で示される繰り返し構造単位と上記式(3)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体の具体例(化合物例)を示す。
【0061】
表11には、上記式(1)で示される繰り返し構造単位と上記式(2)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体の具体例(化合物例)を示す。
【0062】
表12A、12Bおよび12Cには、上記式(1)で示される繰り返し構造単位と上記式(3)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体の具体例(化合物例)を示す。
【0063】
表13には、上記式(1)で示される繰り返し構造単位と上記式(2)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体の具体例(化合物例)を示す。
【0064】
表14A、14Bおよび14Cには、上記式(1)で示される繰り返し構造単位と上記式(3)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体の具体例(化合物例)を示す。
【0065】
表15には、上記式(1)で示される繰り返し構造単位と上記式(2)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体の具体例(化合物例)を示す。
【0066】
表16A、16Bおよび16Cには、上記式(1)で示される繰り返し構造単位と上記式(3)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体の具体例(化合物例)を示す。
【0067】
【表1−1】

【0068】
【表1−2】

【0069】
【表1−3】

【0070】
【表1−4】

【0071】
【表1−5】

【0072】
【表2A】

【0073】
【表2B−1】

【0074】
【表2B−2】

【0075】
【表2C−1】

【0076】
【表2C−2】

【0077】
【表2C−3】

【0078】
【表2C−4】

【0079】
【表2C−5】

【0080】
【表2C−6】

【0081】
【表2C−7】

【0082】
【表2C−8】

【0083】
【表2C−9】

【0084】
【表3−1】

【0085】
【表3−2】

【0086】
【表4A】

【0087】
【表4B】

【0088】
【表4C−1】

【0089】
【表4C−2】

【0090】
【表4C−3】

【0091】
【表4C−4】

【0092】
【表4C−5】

【0093】
【表4C−6】

【0094】
【表4C−7】

【0095】
【表4C−8】

【0096】
【表4C−9】

【0097】
【表5】

【0098】
【表6A】

【0099】
【表6B−1】

【0100】
【表6B−2】

【0101】
【表6C−1】

【0102】
【表6C−2】

【0103】
【表6D−1】

【0104】
【表6D−2】

【0105】
【表6D−3】

【0106】
【表6D−4】

【0107】
【表6D−5】

【0108】
【表6D−6】

【0109】
【表6D−7】

【0110】
【表7】

【0111】
【表8A】

【0112】
【表8B】

【0113】
【表8C】

【0114】
【表8D−1】

【0115】
【表8D−2】

【0116】
【表8D−3】

【0117】
【表8D−4】

【0118】
【表8D−5】

【0119】
【表8D−6】

【0120】
【表8D−7】

【0121】
【表8D−8】

【0122】
【表8D−9】

【0123】
【表9】

【0124】
【表10A】

【0125】
【表10B】

【0126】
【表10C−1】

【0127】
【表10C−2】

【0128】
【表10C−3】

【0129】
【表10C−4】

【0130】
【表10C−5】

【0131】
【表10C−6】

【0132】
【表10C−7】

【0133】
【表10C−8】

【0134】
【表10C−9】

【0135】
【表10C−10】

【0136】
【表10C−11】

【0137】
【表11】

【0138】
【表12A】

【0139】
【表12B】

【0140】
【表12C−1】

【0141】
【表12C−2】

【0142】
【表12C−3】

【0143】
【表12C−4】

【0144】
【表12C−5】

【0145】
【表12C−6】

【0146】
【表12C−7】

【0147】
【表13】

【0148】
【表14A】

【0149】
【表14B】

【0150】
【表14C−1】

【0151】
【表14C−2】

【0152】
【表14C−3】

【0153】
【表14C−4】

【0154】
【表14C−5】

【0155】
【表14C−6】

【0156】
【表14C−7】

【0157】
【表15】

【0158】
【表16A】

【0159】
【表16B】

【0160】
【表16C−1】

【0161】
【表16C−2】

【0162】
【表16C−3】

【0163】
【表16C−4】

【0164】
【表16C−5】

【0165】
【表16C−6】

【0166】
【表16C−7】

【0167】
【表16C−8】

【0168】
【表16C−9】

【0169】
【表16C−10】

【0170】
【表16C−11】

【0171】
本発明に用いられる共重合体の分子量は特に限定されないが、重量平均分子量(Mw)=5,000〜15,000の範囲が好ましい。また、本発明に用いられる共重合体の合成方法も特に限定されないが、上記式(1)〜(3)中のW〜Wの各結合を形成するためには、例えば、以下のような反応過程を経ればよい。
【0172】
〜Wの結合がウレタン結合である場合には、例えば、水酸基を有する化合物とイソシアネート基を有する化合物とを反応させることで形成することができる(「ポリウレタンの基礎と応用」シーエムシー出版p3(1986))。ただし、本発明は、この反応に限られるものではない。
【0173】
〜Wの結合が尿素結合の場合には、アミノ基を有する化合物とイソシアネート基を有する化合物とを反応させることで形成することができる(「高分子の合成と反応(2)」共立出版p326(1991))。ただし、本発明は、この反応に限られるものではない。
【0174】
〜Wの結合がイミド結合の場合には、酸二無水物基を有する化合物とアミノ基を有する化合物とを反応させることで形成することができる(「高分子大辞典」丸善p1101(1994))。ただし、本発明は、この反応に限られるものではない。
【0175】
また、W〜Wの結合が単結合の場合には、例えば、臭素化物とボロン酸誘導体とを原料に、塩基性条件下、パラジウム触媒(例えば、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウムなど)を用いたカップリング反応により形成することができる(Angew. Chem. Int. Ed. 2005, 44, 4442)。ただし、単結合は、その他種々の反応で生じることが知られており、本発明は、この反応に限られるものではない。
【0176】
本発明に用いられる共重合体は、上記重合性官能基を有する化合物同士の重合によって合成することができる。このようにして共重合体を合成する場合には、まず、アミノ基、水酸基、イソシアネート基、ハロゲン基、ボロン酸基、酸無水物基などの重合性官能基を有し、かつ上記式(A−1)〜(A−8)のいずれかに対応する骨格を有する化合物を入手する必要がある。そして、そのような化合物を用いて上記W〜Wで示される結合を形成する重合反応を行う必要がある。
【0177】
(A−1)の構造を主骨格とする誘導体(重合性官能基を有し、かつ上記式(A−1)に対応する骨格を有する化合物のこと。以下同様。)は、例えば、米国特許第4442193号公報、米国特許第4992349号公報、米国特許第5468583号公報、Chemistry of materials, Vol.19, No.11, 2703-2705 (2007)に記載の合成方法を用いて合成することが可能である。例えば、東京化成工業(株)やシグマアルドリッチジャパン(株)やジョンソン・マッセイ・ジャパン・インコーポレイテッド社から試薬として購入可能なナフタレンテトラカルボン酸二無水物とモノアミン誘導体との反応で合成することができる。
【0178】
重合性官能基を有させるためには、例えば、上記合成方法で合成した上記式(A−1)に対応する骨格を合成した後、重合性官能基を導入する方法のほか、上記重合性官能基もしくは上記重合性官能基の前駆体と成りうる官能基を有する、または、上記重合性官能基を有する他の化合物と結合しうる官能基を有するナフタレンテトラカルボン酸二無水物誘導体またはモノアミン誘導体を用いる方法がある。
【0179】
また、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物誘導体とジアミン誘導体とを反応させることで直接的に重合体を作成する方法もある。この場合には、上記式(1)〜(3)中のZ〜ZおよびW〜Wは単結合となる。
【0180】
(A−2)の構造を主骨格とする誘導体は、例えば、Journal of the American chemical society, Vol.129, No.49, 15259-78 (2007)に記載の合成方法を用いて合成することが可能であり、例えば、東京化成工業(株)やシグマアルドリッチジャパン(株)やジョンソン・マッセイ・ジャパン・インコーポレイテッド社から試薬として購入可能なペリレンテトラカルボン酸二無水物誘導体とモノアミン誘導体との反応で合成することができる。
【0181】
重合性官能基を有させるためには、例えば、上記合成方法で合成した上記式(A−2)に対応する骨格を合成した後、重合性官能基を導入する方法のほか、上記重合性官能基もしくは上記重合性官能基の前駆体と成りうる官能基を有する、または、上記重合性官能基を有する他の化合物と結合しうる官能基を有するペリレンテトラカルボン酸二無水物誘導体またはモノアミン誘導体を用いる方法がある。
【0182】
また、ペリレンテトラカルボン酸二無水物誘導体とジアミン誘導体とを反応させることで直接的に重合体を作成する方法もある。この場合には、上記式(1)〜(3)中のZ〜ZおよびW〜Wは単結合となる。
【0183】
(A−3)の構造を主骨格とする誘導体は、例えば、東京化成工業(株)、シグマアルドリッチジャパン(株)またはジョンソン・マッセイ・ジャパン・インコーポレイテッド社から試薬として購入可能なものもある。そして、購入可能なフェナントレン誘導体またはフェナントロリン誘導体を元に、Bull. Chem. Soc. Jpn., Vol.65, 116-1011 (1992)、Chem. Educator No.6, 227-234 (2001)、有機合成化学協会誌, vol.15, 29-32 (1957)、有機合成化学協会誌, vol.15, 32-34 (1957)に記載の合成方法で合成することも可能である。マロノニトリルとの反応によりジシアノメチレン基を導入することもできる。
【0184】
重合性官能基を有させるためには、例えば、上記合成方法で合成した上記式(A−3)に対応する骨格を合成した後、重合性官能基を導入する方法のほか、上記重合性官能基もしくは上記重合性官能基の前駆体と成りうる官能基を有する構造を導入する方法(例えば、フェナントレン誘導体やフェナントロリン誘導体のハロゲン化物を元に、パラジウム触媒を使用したクロスカップリング反応を用いる方法)がある。
【0185】
(A−4)の構造を主骨格とする誘導体は、例えば、東京化成工業(株)、シグマアルドリッチジャパン(株)またはジョンソン・マッセイ・ジャパン・インコーポレイテッド社から試薬として購入可能なものもある。そして、購入可能なアセナフテンキノン誘導体を元にTetrahedron Letters, 43(16), 2991-2994 (2002)、Tetrahedron Letters, 44(10), 2087-2091 (2003)に記載の合成方法で合成することも可能である。マロノニトリルとの反応によりジシアノメチレン基を導入することもできる。
【0186】
重合性官能基を有させるためには、例えば、上記合成方法で合成した上記式(A−4)に対応する骨格を合成した後、重合性官能基を導入する方法のほか、上記重合性官能基もしくは上記重合性官能基の前駆体と成りうる官能基を有する構造を導入する方法(例えば、アセナフテンキノン誘導体のハロゲン化物を元に、パラジウム触媒を使用したクロスカップリング反応を用いる方法)がある。
【0187】
(A−5)の構造を主骨格とする誘導体は、例えば、東京化成工業(株)、シグマアルドリッチジャパン(株)またはジョンソン・マッセイ・ジャパン・インコーポレイテッド社から試薬として購入可能なものもある。そして、購入可能な化合物を用い、Synthesis, Vol.5, p.388-389 (1988)に記載の合成方法を用いて合成することもできる。マロノニトリルとの反応によりジシアノメチレン基を導入することもできる。
【0188】
重合性官能基を有させるためには、例えば、上記合成方法で合成した上記式(A−5)に対応する骨格を合成した後、重合性官能基を導入する方法のほか、上記重合性官能基もしくは上記重合性官能基の前駆体と成りうる官能基を有する構造を導入する方法(例えば、アントラキノン誘導体のハロゲン化物を元に、パラジウム触媒を使用したクロスカップリング反応を用いる方法)がある。
【0189】
(A−6)の構造を主骨格とする誘導体は、例えば、東京化成工業(株)、シグマアルドリッチジャパン(株)またはジョンソン・マッセイ・ジャパン・インコーポレイテッド社から試薬として購入可能なフルオレノン誘導体とマロノニトリルを用い、米国特許第4562132号公報に記載の合成方法を用いて合成することができる。
【0190】
重合性官能基を有させるためには、例えば、上記合成方法で合成した上記式(A−6)に対応する骨格を合成した後、重合性官能基を導入する方法のほか、上記重合性官能基もしくは上記重合性官能基の前駆体と成りうる官能基を有する構造を導入する方法がある。
【0191】
(A−7)の構造を主骨格とする誘導体は、例えば、東京化成工業(株)、シグマアルドリッチジャパン(株)またはジョンソン・マッセイ・ジャパン・インコーポレイテッド社から購入可能なフルオレノン誘導体およびアニリン誘導体を用い、特開平5−279582号公報、特開平7−70038号公報に記載の合成方法を用いて合成することもできる。
【0192】
重合性官能基を有させるためには、例えば、上記合成方法で合成した上記式(A−7)に対応する骨格を合成した後、重合性官能基を導入する方法のほか、上記重合性官能基もしくは上記重合性官能基の前駆体と成りうる官能基を有する構造を導入する方法、および前記アニリン誘導体として上記重合性官能基もしくは上記重合性官能基の前駆体と成りうる官能基を有する、または、上記重合性官能基を有する他の化合物と結合しうる官能基を有するアニリン誘導体を用いる方法がある。
【0193】
(A−8)の構造を主骨格とする誘導体は、特開平1−206349号公報、PPCI/Japan Hard Copy '98 予稿集 p.207 (1998)に記載の合成方法を用いて合成することが可能であり、例えば、東京化成工業(株)またはシグマアルドリッチジャパン(株)から試薬として購入可能なフェノール誘導体を原料として合成することができる。
【0194】
重合性官能基を有させるためには、例えば、上記合成方法で合成した上記式(A−8)に対応する骨格を合成した後、重合性官能基を導入する方法のほか、上記重合性官能基もしくは上記重合性官能基の前駆体と成りうる官能基を有する構造を導入する方法がある。
【0195】
〜Bに係る構造を主骨格とする誘導体(上記B〜Bの2価の基のZとの結合部位に上記重合性官能基を導入したもの。以下、B〜BをまとめてBともいう。)は、例えば、東京化成工業(株)またはシグマアルドリッチジャパン(株)から試薬として購入可能である。また、市販の化合物に重合性官能基を導入することでも合成可能である。購入可能な市販品としては、例えば、イソシアネート含有化合物の市販品としては、三井武田ケミカル(株)製「タケネート」および「コスモネート」、旭化成(株)製「デュラネート」、日本ポリウレタン工業(株)製「ニッポラン」が挙げられる。アミノ基含有化合物の市販品としては、(株)日本触媒製「ポリメント」、(株)スリーボンド製「2100シリーズ」が挙げられる。また、水酸基含有化合物の市販品としては、三井化学ポリウレタン(株)製「タケラック」、DIC(株)製「ポリライト」が挙げられる。
【0196】
また、Bの中でもBおよびBはカルボキシル基を有している必要があるため、それらの構造を共重合体中に含有させるためには、重合性官能基を有するBおよびBの構造を主骨格とする誘導体中にさらにカルボキシル基を含有する構造の化合物を重合させるか、カルボン酸エステル基など、重合させてからカルボキシル基に誘導可能な官能基を含有する構造の化合物を重合させる方法がある。
【0197】
本発明に用いられる共重合体等の確認は、以下の方法によって行った。
【0198】
・共重合体を合成するための原料の確認
質量分析による確認を行った。質量分析計(MALDI−TOF MS:ブルカー・ダルトニクス(株)製 ultraflex)を用い、加速電圧:20kV、モード:Reflector、分子量標準品:フラーレンC60の条件で、分子量を測定した。得られたピークトップ値で確認した。
【0199】
・共重合体の確認
構造の確認はNMRによって行った。1,1,2,2−テトラクロロエタン(d2)もしくは、ジメチルスルホキシド(d6)中、120℃にてH−NMR、13C−NMR分析(FT−NMR:日本電子(株)製JNM−EX400型)により構造を確認した。また、カルボキシル基の定量はFT−IRを用い、KBr−tab法を用いKBr紛に対して安息香酸添加量を変化させたサンプルでカルボキシル基の吸収に基づいた検量線を作成して共重合体中のカルボキシル基量を定量した。
【0200】
電荷発生層、正孔輸送層、電子輸送層などの電子写真感光体を構成する各層を形成する方法としては、各層を構成する材料を各種溶媒に溶解もしくは分散させた塗布液を塗布することによって層を形成する方法が好ましい、塗布方法としては、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法およびスピンコーティング法などが挙げられるが、効率性および生産性の観点から、浸漬塗布法が好ましい。
【0201】
本発明のプロセスカートリッジは、本発明の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジである。
【0202】
本発明の電子写真装置は、本発明の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置である。
【0203】
図1に本発明の電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。
【0204】
図1において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、回転軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体1は、回転過程において、帯電手段3(例えば、接触系一次帯電器または非接触系一次帯電器)によりその表面(周面)に正または負の所定電位の均一帯電を受ける。次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)からの露光光4(例えば、レーザー光)を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に静電潜像が順次形成されていく。
【0205】
形成された静電潜像は、次いで現像手段5(接触型、非接触型のいずれでもよい)のトナーにより現像される。得られたトナー像は、不図示の給紙部から電子写真感光体1と転写手段6(例えば、転写帯電器)との間に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給紙された転写材7(例えば、紙)に、転写手段6により順次転写されていく。
【0206】
像転写を受けた転写材7は、電子写真感光体の表面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより複写物(コピー)として電子写真装置外へプリントアウトされる。
【0207】
像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄化され、さらに前露光手段(不図示)からの前露光光により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。
【0208】
帯電手段3は、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器でもよく、ローラ形状、ブレード形状、ブラシ形状などの帯電部材が使用される接触型帯電器を用いてもよい。
【0209】
本発明においては、上述の電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段9などの構成要素のうち少なくとも1つの手段とをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。
【0210】
例えば、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9の少なくとも1つの手段を電子写真感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレール11および12などの案内手段を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ10とすることができる。
【0211】
また、露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいは、センサーで原稿を読み取り、信号化し、この信号にしたがって行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動または液晶シャッターアレイの駆動などにより照射される光である。
【0212】
本発明の電子写真感光体は、複写機、レーザープリンター、LEDプリンターおよび液晶シャッター式プリンターなどの電子写真装置一般に適応しうるが、さらに、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版およびファクシミリなどの装置にも幅広く適用しうるものである。
【実施例】
【0213】
以下、実施例にしたがって、本発明をより一層詳細に説明する。ただし、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0214】
まず、本発明の電子写真感光体の感光層に含有させる共重合体の合成例を示す。ただし、本発明に用いられる共重合体の合成は、下記化合物および合成方法に限られるものではない。
なお、合成後の共重合体の分子量測定はGPCで行った(東ソー(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー「HLC−8120」で測定し、ポリスチレン換算で計算。)
【0215】
(合成例1:化合物例101の共重合体)
ジメチルアセトアミド200質量部に、窒素雰囲気下で、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物5.4質量部、1,4−フェニレンジアミン2.1質量部、3,5−ジアミノ安息香酸0.15質量部を加え、室温で1時間撹拌した。原料が溶解した後、8時間還流を行い、析出物を濾別し、アセトンで洗浄を行い、目的物たる共重合体(化合物例101)を6.2質量部得た。得られたものは粒子状であった。
【0216】
(合成例2:化合物例102の共重合体)
ジメチルアセトアミド200質量部に、窒素雰囲気下で、Chemistry of materials, Vol.19, No.11, 2703-2705 (2007)に記載の合成方法によって合成したジブロモナフタレンテトラカルボン酸二無水物質量部8.2質量部、1,4−フェニレンジアミン2.1質量部および3,5−ジアミノ安息香酸0.15質量部を加え、室温で1時間撹拌した。原料が溶解した後、8時間還流を行い、析出物を濾別し、アセトンで洗浄を行い、目的物たる共重合体(化合物例102)を7.5質量部得た。得られたものは粒子状であった。
【0217】
(合成例3:化合物例125の共重合体)
ジメチルアセトアミド200質量部に、窒素雰囲気下で、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物5.4質量部および4ヒドロキシアニリン4.4質量部を加え、室温で1時間撹拌した。原料が溶解した後、8時間還流を行い、析出物を濾別し、酢酸エチルで再結晶を行い、下記構造式で示される化合物を5.0質量部得た。
【化13】

上記構造式で示される化合物4.3質量部に、1,4−フェニレンジイソシアネート1.6質量部および3,5−ジヒドロキシ安息香酸0.08質量部を加え、トルエン中、8時間還流を行い、析出物を濾別し、アセトンで洗浄を行い、目的物たる共重合体(化合物例125)を3.6質量部得た。得られたものは粒子状であった。
【0218】
(合成例4:化合物例304の共重合体)
有機合成化学協会誌,vol.15,29−32(1957)および有機合成化学協会誌,vol.15,32−34(1957)に記載の合成方法で合成したジアミノフェナントレンキノン20質量部に、ジシアノメチレンマロノニトリル8重量部を加え、テトラヒドロフラン中12時間還流を行った。放冷後析出した紫色の結晶を濾別し、酢酸エチルで再結晶を行い、下記構造式で示される化合物を4.8質量部得た。
【化14】

ジメチルアセトアミド200質量部に、窒素雰囲気下で、上記構造式で示される化合物4.5質量部、3,5−ジアミノ安息香酸0.15質量部およびピロメリット酸無水物4.4質量部を加え、室温で1時間撹拌した。原料が溶解した後、8時間還流を行い、析出物を濾別し、アセトンで洗浄を行い、目的物たる共重合体(化合物例304)を5.2質量部得た。得られたものは粒子状であった。
【0219】
(合成例5:化合物例310の共重合体)
トルエン100質量部およびエタノール50質量部の混合溶媒へ、3−ヒドロキシフェニルボロン酸2.8質量部および窒素雰囲気下でChem. Educator No.6, 227-234 (2001)に記載の合成方法で合成した3,6−ジブロモ−9,10−フェナントレンジオン7.4質量部を加え、20%炭酸ナトリウム水溶液100質量部を滴下した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を0.55質量部添加した後、2時間還流させた。反応後有機相をクロロホルムで抽出し、水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥を行った。溶媒を減圧下で除去した後、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製を行い、下記構造式で示される化合物を5.2質量部得た。
【化15】

上記構造式で示される化合物3.7質量部に、1,4−フェニレンジイソシアネート1.6質量部および3,5−ジヒドロキシ安息香酸0.08質量部を加え、トルエン100質量部中12時間還流を行い、目的物たる共重合体(化合物例310)を2.2質量部得た。得られたものは粒子状であった。
【0220】
次に、電子写真感光体の作製および評価について示す。
【0221】
(実施例1)
長さ260.5mmおよび直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)を支持体(導電性支持体)とした。
次に、導電性粒子としての酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子(粉体抵抗率120Ω・cm、SnOの被覆率(質量比率)は40%)50質量部、結着樹脂としてのフェノール樹脂(プライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、樹脂固形分60%)40質量部、溶剤(分散媒)としてのメトキシプロパノール40質量部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで3時間分散処理して、導電層用塗布液(分散液)を調製した。
この導電層用塗布液における酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子の平均粒径は0.33μmであった((株)堀場製作所製の粒度分布計CAPA700(商品名)を用いてテトラヒドロフランを分散媒とし、回転数5000rpmにて遠心沈降法で測定)。
この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを30分間145℃で乾燥・熱硬化させることによって、膜厚が16μmの導電層を形成した。
【0222】
次に、化合物例101の共重合体(この共重合体中のカルボキシル基を含有する部分の比率および共重合体の分子量を表17に示す)の粒子40質量部に、分散媒としての蒸留水300質量部、メタノール500質量部およびトリエチルアミン8質量部を加え、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散処理し、電子輸送層用塗布液(分散液)を調製した。
また、この塗布液調製前後での共重合体の粒径測定は(株)堀場製作所製の粒度分布計CAPA700(商品名)を用いてメタノールを分散媒とし、回転数7000rpmにて遠心沈降法で行った。結果を表17に示す。
この電子輸送層用塗布液を上記導電層上に浸漬塗布し、これを10分間120℃で加熱し、分散媒を蒸発させると共に、共重合体の粒子を融解若しくは凝集させる(乾燥させる)ことによって、膜厚が1.0μmの電子輸送層を形成した。
【0223】
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)10質量部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5質量部およびシクロヘキサノン260質量部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で1.5時間分散処理した。次に、これに酢酸エチル240質量部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を、上記電子輸送層上に浸漬塗布し、これを10分間95℃で乾燥させることによって、膜厚が0.18μmの電荷発生層を形成した。
【0224】
次に、下記構造式で示されるアミン化合物(正孔輸送物質)7質量部、
【化16】

および、下記構造式で示される繰り返し構造単位を有し、重量平均分子量(Mw)=100,000(東ソー(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー「HLC−8120」で測定し、ポリスチレン換算で計算。)のポリアリレート10質量部を、ジメトキシメタン30質量部およびクロロベンゼン70質量部の混合溶媒に溶解させることによって、正孔輸送層用塗布液を調製した。
【化17】

この正孔輸送層用塗布液を、上記電荷発生層上に浸漬塗布し、これを40分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が18μmの正孔輸送層を形成した。
このようにして、正孔輸送層が表面層である電子写真感光体を作製した。
【0225】
導電層、電子輸送層および正孔輸送層の膜厚は、上記支持体と同一寸法のアルミニウムシリンダーにアルミニウムシートを巻きつけ、その上に同様の条件で導電層、電子輸送層および正孔輸送層に相当する膜を形成したサンプルを用い、その中央部分6点における各膜の膜厚を、ダイヤルゲージ(2109FH(株)ミツトヨ製)で測定して得た値の平均を算出して決定した。
【0226】
電荷発生層の膜厚は、電荷発生層に相当する膜を上記と同様に形成したサンプルの中央部を100mm×50mmの領域だけ切り取り、アセトンでその領域の膜を拭き取る前後の重量から算出した(密度:1.3g/cmで算出)。
【0227】
作製した電子写真感光体を、23℃、50%RHの環境下にて、キヤノン(株)製レーザービームプリンターのLBP−2510に装着して、表面電位の評価および出力後の画像の評価を行った。詳しくは以下のとおりである。
【0228】
(表面電位評価)
上記レーザービームプリンターのLBP−2510のシアン色用のプロセスカートリッジを改造し、現像位置に電位プローブ(model6000B−8:トレック・ジャパン(株)製)を装着し、電子写真感光体(感光ドラム)中央部の電位を表面電位計(model344:トレック・ジャパン(株)製)を使用して表面電位評価を行い、暗部電位が−500V、明部電位が−100Vになるよう、光量を設定した。なお、その他の実施例で明部電位を評価する際の光量は、この実施例1で明部電位が−100Vになる光量を用いている。
【0229】
(画像評価)
上記レーザービームプリンターのLBP−2510のシアン色用のプロセスカートリッジに、作製した電子写真感光体を装着して、そのプロセスカートリッジをシアンのプロセスカートリッジのステーションに装着し、画像を出力した。その際には、暗部電位が−500V、明部電位が−100Vになるよう、光量を設定した。
まず、A4サイズの普通紙で、3000枚のフルカラー画像(各色印字率1%の文字画像)の出力を行った。
その後、ベタ白画像(1枚)、ゴースト画像(5枚)、ベタ黒画像(1枚)、ゴースト画像(5枚)の順に連続して画像出力を行った。
ゴースト画像は図2に示すように、画像の先頭部にベタで四角の画像を出した後、図3に示す1ドット桂馬パターンのハーフトーン画像を作成したものである。
ゴースト画像の評価は、1ドット桂馬パターンの画像濃度とゴースト部の画像濃度との濃度差を測定することで行った。分光濃度計(商品名:X−Rite504/508、X−Rite(株)製)で、1枚のゴースト画像中で濃度差を10点測定した。この操作をゴースト画像10枚すべてで行い、合計100点の平均を算出した。結果を表17に示す。ゴースト部の濃度の方が高い画像が、ポジゴースト画像である。この濃度差(マクベス濃度差)は、値が小さいほど、ポジゴースト画像が低減されたことを意味する。
【0230】
(実施例2〜11)
電子輸送層に用いた共重合体を表17中に示す共重合体に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表17に示す。
【0231】
(実施例12)
電子輸送層に用いた共重合体を表17中に示す共重合体に変更し、電子輸送層用塗布液の調製の際にポリアミド樹脂(トレジンEF30T:ナガセケムテックス(株)製)を10質量部追加した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表17に示す。
【0232】
(実施例13〜18)
電子輸送層に用いた共重合体を表17中に示す共重合体に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表17に示す。
【0233】
(実施例19)
電子輸送層に用いた共重合体を表17中に示す共重合体に変更し、電子輸送層用塗布液の調製の際にポリアミド樹脂(トレジンEF30T:ナガセケムテックス(株)製)を10質量部追加した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表17に示す。
【0234】
(実施例20〜27)
電子輸送層に用いた共重合体を表17中に示す共重合体に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表17に示す。
【0235】
(実施例28〜30)
電子輸送層に用いた共重合体を表17中に示す共重合体に変更し、電子輸送層用塗布液の調製の際に、実施例28、29および30においてポリアミド樹脂(トレジンEF30T:ナガセケムテックス(株)製)をそれぞれ10質量部、13.3質量部および40質量部追加した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表17に示す。
【0236】
(実施例31〜37)
電子輸送層に用いた共重合体を表17中に示す共重合体に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表17に示す。
【0237】
(実施例38)
電子輸送層に用いた共重合体を表17中に示す共重合体に変更し、電子輸送層用塗布液の調製の際にフェノール樹脂(プライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業(株)製)を10質量部追加した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表17に示す。
【0238】
(実施例39〜51)
電子輸送層に用いた共重合体を表17中に示す共重合体に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表17に示す。
【0239】
(実施例52〜54)
電子輸送層に用いた共重合体を表17中に示す共重合体に変更し、電子輸送層用塗布液の調製の際に、実施例52、53および54においてポリアミド樹脂(トレジンEF30T:ナガセケムテックス(株)製)をそれぞれ10質量部、13.3質量部および40質量部追加した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表17に示す。
【0240】
(実施例55〜229)
電子輸送層に用いた共重合体を表17中に示す共重合体に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表17に示す。
【0241】
(比較例1)
電子輸送層の替わりにポリアミド樹脂(トレジンEF30T:ナガセケムテックス(株)製)40質量部、n−ブタノール300質量部、メタノール500質量部からなる塗布液を調製し、これを塗布した後、これを10分間120℃で乾燥させ、厚さ0.8μmの中間層を形成した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表18に示す。
【0242】
(比較例2)
本発明に用いられる共重合体の替わりに、下記構造式(I−1)で示されるブロック共重合体(特開2001−83726号公報)を用いて電子輸送層を形成した以外は本発明の実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表18に示す。
【化18】

【0243】
(比較例3)
本発明に用いられる共重合体の替わりに、下記構造式で示される化合物(特開2003−345044号公報)を用いて電子輸送層を形成した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表18に示す。
【化19】

【0244】
【表17−1】

【0245】
【表17−2】

【0246】
【表17−3】

【0247】
【表17−4】

【0248】
【表18】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体において、
該感光層が、下記式(1)で示される繰り返し構造単位と下記式(2)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体、または、下記式(1)で示される繰り返し構造単位と下記式(3)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体を含有することを特徴とする電子写真感光体。
【化1】

【化2】

【化3】

(式(1)、(2)および(3)中、
〜Zは、それぞれ独立に、単結合、アルキレン基、アリーレン基、または、アルキル基で置換されたアリーレン基を示す。
は、−W−B−W−で示される2価の基、または、下記式(E11)で示される2価の基を示す。
【化4】

(Xは、環式炭化水素から水素原子4個を除いた4価の基を示す。)
は、−W−B−W−で示される2価の基、または、下記式(E41)で示される2価の基を示す。
【化5】

(Xは、環式炭化水素から水素原子4個を除いた4価の基を示す。)
〜Wは、それぞれ独立に、単結合、ウレタン結合、尿素結合、または、イミド結合を示す。
Aは、下記式(A−1)〜(A−8)のいずれかで示される2価の基である。
【化6】

(式(A−1)〜(A−8)中、
101〜R104は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、ハロゲン原子もしくはニトロ基もしくはシアノ基もしくはアルキル基もしくはハロゲン化アルキル基で置換されたアリール基、アルキル基、または、シアノ基、あるいは、結合部位を示す。R105およびR106は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、アルキル基もしくはハロゲン原子で置換されたアリール基、または、アルキル基、あるいは、結合部位を示す。ただし、R101〜R106のうちの2つは結合部位である。
201〜R208は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、ハロゲン原子もしくはニトロ基もしくはシアノ基もしくはアルキル基もしくはハロゲン化アルキル基で置換されたアリール基、アルキル基、または、シアノ基、あるいは、結合部位を示す。R209およびR210は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、アルキル基もしくはハロゲン原子で置換されたアリール基、または、アルキル基、あるいは、結合部位を示す。ただし、R201〜R210のうちの2つは結合部位である。
301〜R308は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、ハロゲン原子もしくはニトロ基もしくはシアノ基もしくはアルキル基もしくはハロゲン化アルキル基で置換されたアリール基、アルキル基、シアノ基、または、ニトロ基、あるいは、結合部位を示す。R309は、酸素原子、または、ジシアノメチレン基を示す。R310およびR311は、それぞれ独立に、炭素原子、または、窒素原子を示し、窒素原子の場合、R304とR305は存在しない。ただし、R301〜R308のうちの2つは結合部位である。
401〜R406は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、ハロゲン原子もしくはニトロ基もしくはシアノ基もしくはアルキル基もしくはハロゲン化アルキル基で置換されたアリール基、アルキル基、シアノ基、または、ニトロ基、あるいは、結合部位を示す。R407は、酸素原子、または、ジシアノメチレン基を示す。ただし、R401〜R406のうちの2つは結合部位である。
501〜R508は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、ハロゲン原子もしくはニトロ基もしくはシアノ基もしくはアルキル基もしくはハロゲン化アルキル基で置換されたアリール基、アルキル基、シアノ基、または、ニトロ基、あるいは、結合部位を示す。R509およびR510は、それぞれ独立に、酸素原子、または、ジシアノメチレン基を示す。R511およびR512は、それぞれ独立に、炭素原子、または、窒素原子を示し、窒素原子の場合、R501とR505は存在しない。ただし、R501〜R508のうちの2つは結合部位である。
601〜R608は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、ハロゲン原子もしくはニトロ基もしくはシアノ基もしくはアルキル基もしくはハロゲン化アルキル基で置換されたアリール基、アルキル基、シアノ基、ニトロ基、または、カルボン酸エステル基、あるいは、結合部位を示す。R610およびR611は、それぞれ独立に、炭素原子、または、窒素原子を示し、窒素原子の場合、R604とR605は存在しない。R609は、ジシアノメチレン基を示す。ただし、R601〜R608のうちの2つは結合部位である。
701〜R713は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、ハロゲン原子もしくはニトロ基もしくはシアノ基もしくはアルキル基もしくはハロゲン化アルキル基で置換されたアリール基、アルキル基、シアノ基、ニトロ基、または、カルボン酸エステル基、あるいは、結合部位を示す。R714およびR715は、それぞれ独立に、炭素原子、または、窒素原子を示し、窒素原子の場合、R704とR705は存在しない。ただし、R701〜R713のうちの2つは結合部位である。
801〜R808は、それぞれ独立に、水素原子、アリール基、ハロゲン原子もしくはニトロ基もしくはシアノ基もしくはアルキル基もしくはハロゲン化アルキル基で置換されたアリール基、アルキル基、シアノ基、または、ニトロ基、あるいは、結合部位を示す。ただし、R801〜R808のうちの2つは結合部位である。)
およびBは、それぞれ独立に、アリーレン基、アルキレン基、アルカリーレン基、アルキル基もしくはハロゲン原子もしくはシアノ基もしくはニトロ基で置換されたアリーレン基、ハロゲン原子もしくはシアノ基もしくはニトロ基で置換されたアルキレン基、アルキル基もしくはハロゲン原子もしくはシアノ基もしくはニトロ基で置換されたアルカリーレン基、エーテルもしくはスルホニルで中断されているアリーレン基、エーテルで中断されているアルキレン基、を示す。
およびBは、それぞれ独立に、カルボキシル基のみで置換されたアリーレン基、カルボキシル基とアルキル基のみで置換されたアリーレン基、または、カルボキシル基のみで置換されたアルキレン基を示す。)
【請求項2】
前記感光層が、前記支持体側から電子輸送層、電荷発生層および正孔輸送層を積層してなる感光層であり、該電子輸送層が、前記式(1)で示される繰り返し構造単位と前記式(2)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体、または、前記式(1)で示される繰り返し構造単位と前記式(3)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体を含有する請求項1に記載の電子写真感光体。
【請求項3】
前記感光層が、前記支持体側から電子輸送層、電荷発生層および正孔輸送層を積層してなる感光層であり、該電子輸送層が、前記式(1)で示される繰り返し構造単位と前記式(2)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体、または、前記式(1)で示される繰り返し構造単位と前記式(3)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体を、該電子輸送層の全質量に対して80〜100質量%含有する請求項1または2に記載の電子写真感光体。
【請求項4】
前記感光層が、前記式(1)で示される繰り返し構造単位と前記式(2)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体を含有し、該共重合体における前記式(1)で示される繰り返し構造単位の割合が、該共重合体中の全繰り返し構造単位に対して50〜99mol%である請求項1、2および3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
【請求項5】
前記感光層が、前記式(1)で示される繰り返し構造単位と前記式(2)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体を含有し、該共重合体における前記式(1)で示される繰り返し構造単位の割合が、該共重合体中の全繰り返し構造単位に対して70〜99mol%である請求項1、2および3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
【請求項6】
前記感光層が、前記式(1)で示される繰り返し構造単位と前記式(2)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体を含有し、該共重合体における前記式(2)で示される繰り返し構造単位の割合が、該共重合体中の全繰り返し構造単位に対して1〜30mol%である請求項1、2、3、4および5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
【請求項7】
前記感光層が、前記式(1)で示される繰り返し構造単位と前記式(3)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体を含有し、該共重合体における前記式(1)で示される繰り返し構造単位の割合が、該共重合体中の全繰り返し構造単位に対して50〜99mol%である請求項1、2および3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
【請求項8】
前記感光層が、前記式(1)で示される繰り返し構造単位と前記式(3)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体を含有し、該共重合体における前記式(1)で示される繰り返し構造単位の割合が、該共重合体中の全繰り返し構造単位に対して70〜99mol%である請求項1、2および3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
【請求項9】
前記感光層が、前記式(1)で示される繰り返し構造単位と前記式(3)で示される繰り返し構造単位とを有する共重合体を含有し、該共重合体における前記式(3)で示される繰り返し構造単位の割合が、該共重合体中の全繰り返し構造単位に対して1〜30mol%である請求項1、2、3、7および8のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2010−198014(P2010−198014A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−17706(P2010−17706)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】