説明

電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置

【課題】末端にシロキサン構造を有する樹脂を含有する電子写真感光体において、初期摩擦力(初期摩擦係数)の低減と、繰り返し使用による明部電位変動を抑制した電子写真感光体、ならびに該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供する。
【解決手段】電子写真感光体の表面層が、(α)末端にシロキサン構造を有さないポリカーボネート樹脂、(β)末端にシロキサン構造を有するポリカーボネート樹脂、および、(γ)安息香酸メチルを含有する電子写真感光体により初期摩擦係数の低減と、繰り返し使用による明部電位変動の抑制との両立することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真装置に搭載される電子写真感光体は、有機光導電性物質(電荷発生物質)を含有する電子写真感光体がよく用いられている。電子写真装置が繰り返し画像形成するのに伴い、電子写真感光体の表面には、帯電、露光、現像、転写およびクリーニングなどの電気的や機械的外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性が要求される。さらに、電子写真感光体の表面には、接触部材(クリーニングブレードなど)との摩擦力の低減(潤滑性、滑り性)も求められている。
【0003】
潤滑性という課題に対して、特許文献1には、ポリジメチルシロキサンなどのシリコーンオイルを電子写真感光体の表面層に添加する方法が提案されている。また、特許文献2には、末端にシロキサン構造を有するポリカーボネート樹脂を電子写真感光体の表面層に用いる方法が提案されている。また、特許文献3には、末端にシロキサン構造を有するポリエステル樹脂を表面層に用いる方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−13368号公報
【特許文献2】特許第3278016号公報
【特許文献3】特許第3781268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のように、電子写真感光体の表面層にシリコーンオイルを含有させると、表面層が白濁し、感度低下によって画像濃度が薄くなりやすい。
【0006】
また、特許文献2、3のように、末端にシロキサン構造を有するポリカーボネート樹脂やポリエステル樹脂を用いると、シロキサン構造を有さない樹脂を用いた場合に比べ、電子写真感光体の繰り返し使用による明部電位変動が大きい。
【0007】
本発明の目的は、末端にシロキサン構造を有する樹脂を含有する表面層を有する電子写真感光体において、初期摩擦力(初期摩擦係数)の低減と、繰り返し使用による明部電位変動を抑制した電子写真感光体を提供することにある。また、本発明の別の目的は、そのような電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ、及び電子写真装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、以下の本発明によって達成される。
【0009】
本発明は、支持体、および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体において、
該電子写真感光体の表面層が、
(α)末端にシロキサン構造を有さないポリカーボネート樹脂、および末端にシロキサン構造を有さないポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂、
(β)末端にシロキサン構造を有するポリカーボネート樹脂、末端にシロキサン構造を有するポリエステル樹脂、および末端にシロキサン構造を有するアクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂、および、
(γ)安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸ベンジル、3−エトキシプロピオン酸エチル、およびジエチレングリコールエチルメチルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種の化合物
を含有することを特徴とする電子写真感光体に関する。
【0010】
また、本発明は、前記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジに関する。
【0011】
また、本発明は、前記電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、末端にシロキサン構造を有する樹脂を含有する表面層を有する電子写真感光体において、初期摩擦係数の低減と、繰り返し使用による明部電位変動の抑制との両立に優れた電子写真感光体、ならびに該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の電子写真感光体は、上記の通り、支持体、および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体において、該電子写真感光体の表面層が、その構成要素として、上記(α)(構成要素(α))、上記(β)(構成要素(β))および上記(γ)(構成要素(γ))を含有することを特徴とする電子写真感光体である。以下、上記(α)を「樹脂α」とも表記し、上記(β)を「樹脂β」とも表記し、上記(γ)を「化合物γ」とも表記する。
【0015】
本発明者らは、表面層が本発明の化合物γを含有することにより、電子写真感光体の初期摩擦係数の低減と繰り返し使用による明部電位変動の抑制との両立に優れた効果を奏する理由を以下のように推測している。
【0016】
表面層にある樹脂βが、表面層の下層(例えば電荷発生層)から表面層(例えば電荷輸送層)への電荷受け渡しの障壁となり、結果的に、明部電位の上昇を引きおこしていると推定している。化合物γは、表面層の下層からの表面層への電荷受け渡しを促進する働きがあると考えられる。
【0017】
〈樹脂αについて〉
樹脂αは、末端にシロキサン構造を有さないポリカーボネート樹脂、及び末端にシロキサン構造を有さないポリエステル樹脂の少なくとも1種の樹脂を示す。
【0018】
本発明において、末端にシロキサン構造を有さないポリカーボネート樹脂は、下記式(A)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂Aであることが好ましい。前記末端にシロキサン構造を有さないポリエステル樹脂は、下記式(B)で示される繰り返し構造を有するポリエステル樹脂Bであることが好ましい。
【0019】
【化1】

【0020】
式(A)中、R21〜R24は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を示す。Xは、単結合、シクロヘキシリデン基、または下記式(C)で示される構造を有する2価の基を示す。
【0021】
【化2】

【0022】
式(B)中、R31〜R34は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を示す。Xは、単結合、シクロヘキシリデン基、または下記式(C)で示される構造を有する2価の基を示す。Yは、m−フェニレン基、p−フェニレン基、または2つのp−フェニレン基が酸素原子を介して結合した2価の基を示す。
【0023】
【化3】

【0024】
式(C)中、R41およびR42は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、フェニル基を示す。
【0025】
以下に、式(A)で示されるポリカーボネート樹脂Aの繰り返し構造単位の具体例を示す。
【0026】
【化4】

【0027】
ポリカーボネート樹脂Aは、上記の(A−1)〜(A−8)の構造単位のうち、1種の重合体でも、2種以上の共重合体であっても良い。これらの中でも、式(A−1)、(A−2)、(A−4)で示される繰り返し構造単位が好ましい。
【0028】
以下に、式(B)で示されるポリエステル樹脂Bの繰り返し構造単位の具体例を示す。
【0029】
【化5】

【0030】
【化6】

【0031】
ポリエステル樹脂Bは、上記の(B−1)〜(B−9)の構造単位のうち、1種の重合体でも、2種以上の共重合体であっても良い。これらの中でも、式(B−1)、(B−2)、(B−3)、(B−6)、(B−7)、(B−8)で示される繰り返し構造が好ましい。
【0032】
上記ポリカーボネート樹脂A、および上記ポリエステル樹脂Bは、例えば、従来からのホスゲン法で合成することができる。また、エステル交換法によって合成することも可能である。
【0033】
上記ポリカーボネート樹脂A、およびポリエステル樹脂Bは、その共重合形態は、ブロック共重合、ランダム共重合、交互共重合などのいずれの形態であってもよい。
【0034】
これらのポリカーボネート樹脂A、およびポリエステル樹脂Bは、公知の方法で合成することができる。例えば、特開2007−047655号公報、特開2007−072277号公報に記載の方法で合成することができる。
【0035】
ポリカーボネート樹脂A、およびポリエステル樹脂Bの重量平均分子量としては、20,000以上300,000以下が好ましく、より好ましくは、50,000以上200,000以下が好ましい。本発明において、樹脂の重量平均分子量とは、常法に従い、特開2007−79555号公報に記載の方法により測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量である。
【0036】
また、樹脂αとして、ポリカーボネート樹脂A、およびポリエステル樹脂Bは、上記の式(A)、または式(B)で示される構造単位に加えて、シロキサン構造を含む繰り返し構造単位を有する共重合体であってもよい。具体的には、下記式(H−1)、(H−2)で示される繰り返し構造単位が挙げられる。さらに、下記式(H−3)で示される繰り返し構造単位を有してもよい。
【0037】
【化7】

【0038】
以下に、樹脂αとして用いられる具体的な樹脂を示す。
【0039】
【表1】

【0040】
表1中、樹脂B(1)、および樹脂B(2)における上記式(B−1)および(B−6)で示される繰り返し構造単位について、テレフタル酸構造とイソフタル酸構造のモル比(テレフタル酸骨格:イソフタル酸骨格)は5/5である。
【0041】
〈樹脂βについて〉
樹脂βは、末端にシロキサン構造を有するポリカーボネート樹脂、末端にシロキサン構造を有するポリエステル樹脂、及び末端にシロキサン構造を有するアクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を有する。
【0042】
本発明において、末端にシロキサン構造を有するポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂を用いることで、樹脂αの樹脂βとの相溶性がよく、機械的耐久性が高く維持される。また、末端にシロキサン部位を有することで、高い潤滑性を有し、初期摩擦係数を低減することが可能となる。末端にジメチルポリシロキサン(シロキサン)部位を有することで、シロキサン部分の自由度が増加し、表面移行性が高く、感光体の表面に存在しやすいためであると思われる。
【0043】
本発明において、前記末端にシロキサン構造を有するポリカーボネート樹脂は、下記式(A’)で示される繰り返し構造単位と下記式(D)で示される末端構造を有するポリカーボネート樹脂Dであることが好ましい。また、前記末端にシロキサン構造を有するポリエステル樹脂は、下記式(B’)で示される繰り返し構造単位と下記式(D)で示される末端構造を有するポリエステル樹脂Eであることが好ましい
【0044】
【化8】

【0045】
式(A’)中、R25〜R28は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を示す。Xは、単結合、シクロヘキシリデン基、または下記式(C’)で示される構造を有する2価の基を示す。
【0046】
【化9】

【0047】
式(B’)中、R35〜R38は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を示す。Xは、単結合、シクロヘキシリデン基、または下記式(C’)で示される構造を有する2価の基を示す。Yは、m−フェニレン基、p−フェニレン基、または2つのp−フェニレン基が酸素原子を介して結合した2価の基を示す。
【0048】
【化10】

【0049】
式(C’)中、R43およびR44は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、またはフェニル基を示す。
【0050】
【化11】

【0051】
式(D)中、aおよびbは、括弧内の構造の繰り返し数を示し、ポリカーボネート樹脂D、またはポリエステル樹脂Eに対するaの平均値は20以上100以下であり、bの平均値は1以上10以下である。より好ましくは、aの平均値が30以上60以下であり、bの平均値が3以上10以下である。
【0052】
本発明において、ポリカーボネート樹脂D、およびポリエステル樹脂Eは、樹脂の片末端、または両末端に上記式(D)で示される末端構造を有する。上記式(D)で示される末端構造を樹脂の片末端に有する場合は、分子量調節剤(末端停止剤)を用いる。この分子量調節剤としては、フェノール、p−クミルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、安息香酸などが挙げられる。本発明においては、フェノール、p−tert−ブチルフェノールが好ましい。
【0053】
上記式(D)で示される末端構造を樹脂の片末端に有する場合において、もう一方の片末端の構造(他の末端構造)は、下記に示される構造である。
【0054】
【化12】

【0055】
以下に、式(D)で示される末端シロキサン構造の具体例を示す。
【0056】
【化13】

【0057】
ポリカーボネート樹脂Dにおいて、式(A’)で示される繰り返し構造単位の具体例としては、前記式(A−1)〜(A−8)で示される繰り返し構造単位が挙げられる。好ましくは、前記式(A−1)、(A−2)、(A−4)で示される繰り返し構造単位である。ポリエステル樹脂Eにおいて、式(B’)で示される繰り返し構造単位の具体例としては、前記式(B−1)〜(B−9)で示される繰り返し構造単位が挙げられる。好ましくは、前記式(B−1)、(B−2)、(B−3)、(B−6)、(B−7)、(B−8)で示される繰り返し構造単位である。中でも式(A−4)、(B−1)、(B−3)に示す繰り返し単位が特に好ましい。
【0058】
上記ポリカーボネート樹脂D、およびポリエステル樹脂Eは、前記式(A−1)〜(A−8)で示される繰り返し構造単位、または前記式(B−1)〜(B−9)で示される繰り返し構造単位のうち、単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。その共重合形態は、ブロック共重合、ランダム共重合、交互共重合などのいずれの形態であってもよい。また、ポリカーボネート樹脂D、およびポリエステル樹脂Eの主鎖中にシロキサン構造を有する繰り返し構造単位を有してもよい。例えば、下記式(H)で示される繰り返し構造単位を有する共重合体であってもよい。
【0059】
【化14】

【0060】
式(H)中、fおよびgは、括弧内の構造の繰り返し数を示し、ポリカーボネート樹脂D、およびポリエステル樹脂Eに対するfの平均値は20以上100以下、gの平均値は1以上10以下である。式(H)で示される繰り返し構造単位として、具体的な繰り返し構造単位としては、上記式(H−1)、(H−2)が挙げられる。
【0061】
本発明においてポリカーボネート樹脂Dおよびポリエステル樹脂Eのシロキサン部位とは、以下に示す式(D−S)で示される末端構造の点線の枠内のことをいう。さらに、ポリカーボネート樹脂Dおよびポリエステル樹脂Eが、式(H)で示される繰り返し構造単位を有する場合、以下に示す下記式(H−S)で示される繰り返し構造の点線の枠内の構造もシロキサン部位に含まれる。
【0062】
【化15】

【0063】
本発明において、ポリカーボネート樹脂D、およびポリエステル樹脂Eは、公知の方法で合成することができる。例えば、特開2007−199688号公報に記載の方法で合成することが出来る。本発明においても同様の合成方法を用い、ポリカーボネート樹脂D、およびポリエステル樹脂Eに応じた原材料を用いて、表2の合成例に示すポリカーボネート樹脂D、およびポリエステル樹脂Eを合成した。なお、ポリカーボネート樹脂D、およびポリエステル樹脂Eの精製は、サイズ排除クロマトグラフィーを用いて分画分離した後、各分画成分をH−NMR測定し、上記シロキサン部位の樹脂中の相対比により樹脂組成の確定を行った。合成したポリカーボネート樹脂D、およびポリエステル樹脂Eの重量平均分子量及びシロキサン部位の含有量を表2に示す。
【0064】
以下に、ポリカーボネート樹脂Dおよびポリエステル樹脂Eの具体例を示す。
【0065】
【表2】

【0066】
表2中、樹脂D(3)において、主鎖の各繰り返し構造単位の質量比は、(A−4):(H−2)=9:1である。
【0067】
本発明において、末端にシロキサン構造を有するアクリル樹脂は、下記式(F−1)で示される繰り返し構造単位と下記式(F−2)で示される繰り返し構造単位を有するアクリル樹脂Fである、または下記式(F−1)で示される繰り返し構造単位と下記式(F−3)で示される繰り返し構造単位を有するアクリル樹脂Fであることが好ましい。
【0068】
【化16】

【0069】
51は、水素、またはメチル基を表す。cは、括弧内の繰り返し数を示し、アクリル樹脂Fに対するcの平均値は、0以上5以下である。R52〜R54は、それぞれ独立に、下記式(F−1−2)で示される構造、メチル基、メトキシ基、またはフェニル基を示す。R52〜R54の少なくとも1つは、下記式(F−1−2)で示される構造を有する。
【0070】
【化17】

【0071】
式(F−1−2)中、dは、括弧内の繰り返し数を示し、アクリル樹脂Fに対するdの平均値は10以上50以下である。R55は、水酸基またはメチル基を示す。
【0072】
【化18】

【0073】
式(F−3)中、R56は水素、メチル基、フェニル基を表す。eは、0または1を示す。
【0074】
本発明において、アクリル樹脂Fのシロキサン部位とは、以下に示す式(F−S)、式(F−T)で示される構造の点線の枠内を指す。
【0075】
【化19】

【0076】
以下に、表3にアクリル樹脂Fの繰り返し構造単位の具体例を示す。
【0077】
【表3】

【0078】
上記表3で示したアクリル樹脂Fのうち、化合物例(F−B)、(F−E)で表わされる樹脂が好ましい。
【0079】
これらのアクリル樹脂は、公知の方法、例えば、特開昭58−167606号公報や特開昭62−75462号公報に記載の方法で合成することが出来る。
【0080】
本発明の電子写真感光体の表面層に含有される樹脂βの含有量は、樹脂αの全質量に対して、0.1質量%以上50質量%以下であると、初期摩擦係数の低減と、繰り返し使用時の明部電位変動の抑制の観点から好ましい。より好ましくは、1質量%以上50質量%以下である。
【0081】
〈化合物γについて〉
本発明の表面層には、化合物γとして、安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸ベンジル、3−エトキシプロピオン酸エチル、およびジエチレングリコールエチルメチルエーテルの少なくとも1種を含有する。
【0082】
これらの化合物を含有することにより、繰り返し使用による明部電位変動の抑制の効果が得られる。好ましくは、表面層の全質量に対して、0.001質量%以上1質量%以下であり、初期摩擦係数の低減と、繰り返し使用時の明部電位変動の抑制との両立に優れ、耐摩耗性が良好となる。また、長期放置時における当接部材による変形の観点から、0.001質量%以上0.5質量%以下であることが好ましい。
【0083】
本発明においては、表面層用塗布液に化合物γを含有させ、この表面層用塗布液を支持体上に塗布し、これを加熱乾燥させて塗膜を形成することにより化合物γを有する表面層が形成される。
【0084】
本発明において、化合物γは、表面層を形成する際の加熱乾燥工程により揮発しやすいため、表面層用塗布液に添加する化合物γの含有量は、表面層に含有する化合物γの含有量よりも多くすることが好ましい。したがって、表面層用塗布液に添加する化合物γの含有量は、表面層用塗布液の全重量に対して、5質量%以上50質量%以下が好ましい。より好ましくは、5質量%以上15質量%以下である。
【0085】
表面層中の、化合物γの含有量は、以下に示す測定方法により求めることができる。HP7694 Headspace samper(アジレント・テクノロジー(株)製)と、HP6890 series GS System(アジレント・テクノロジー(株)製)を用いて測定した。製造した電子写真感光体の表面層を5mm×40mm片(試料片)に切り出し、バイアル瓶にいれ、ヘッドスペースサンプラー(HP7694 Headspace samper)の設定をOven 150℃、Loop 170℃、Transfer Line 190℃に設定し、発生したガスをガスクロマトグラフィー(HP6890 series GS System)で測定した。該表面層の質量は、測定後、バイアル瓶から取り出した試料片の質量と、表面層を剥がした該試料片の質量の差分から求めた。表面層を剥がした試料片とは、メチルエチルケトンに5分間浸漬し、表面層を剥がした後、100℃で5分間で乾燥したものとした。本発明においても、上述の方法を用いて表面層中の化合物γの含有量を測定した。
【0086】
次に、本発明の電子写真感光体の構成について説明する。
【0087】
本発明の電子写真感光体は、支持体、支持体上に形成された感光層を有する。また、感光層は、電荷輸送物質と電荷発生物質を同一の層に含有する単層型感光層と、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型(機能分離型)感光層とが挙げられる。本発明においては、積層型感光層が好ましい。また、電荷発生層を積層構造としてもよく、電荷輸送層を積層構成としてもよい。また、電子写真感光体の耐久性を向上させることを目的として、感光層上に保護層を形成してもよい。
【0088】
本発明の電子写真感光体の表面層は、電荷輸送層が最表面である場合は、電荷輸送層が表面層であり、電荷輸送層上に保護層が設けられている場合は、保護層が表面層である。
【0089】
〔導電性支持体〕
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)である。例えば、アルミニウム、ステンレス、銅、ニッケル、亜鉛などの金属または合金が挙げられる。アルミニウムやアルミニウム合金性の支持体の場合は、ED管、EI管や、これらを切削、電解複合研磨(電解作用を有する電極と電解質溶液による電解および研磨作用を有する砥石による研磨)、湿式または乾式ホーニング処理したものを用いることもできる。また、金属支持体、樹脂支持体上にアルミニウム、アルミニウム合金、または酸化インジウム−酸化スズ合金等の導電性材料の薄膜を形成したものも挙げられる。
【0090】
また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子のような導電性粒子を樹脂などに含浸した支持体や、導電性結着樹脂を有するプラスチックを用いることもできる。
【0091】
導電性支持体の表面は、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止などを目的として、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理などを施してもよい。
【0092】
本発明の電子写真感光体において、支持体上に、導電性粒子と樹脂を有する導電層を設けてもよい。導電層は、導電性粒子を結着樹脂に分散させた導電層用塗布液を用いて形成される層である。
【0093】
導電性粒子としては、カーボンブラック、アセチレンブラックや、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉や、導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。
【0094】
導電層に用いられる結着樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
【0095】
導電層用塗布液の溶剤としては、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。導電層の膜厚は、0.2μm以上40μm以下であることが好ましく、1μm以上35μm以下であることがより好ましく、さらには5μm以上30μm以下であることがより好ましい。
【0096】
導電性支持体または導電層と、感光層との間に中間層を設けてもよい。中間層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、導電性支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護のために形成される。
【0097】
中間層は、結着樹脂を含有する中間層用塗布液を導電性支持体上、または、導電層上に塗布し、これを乾燥または硬化させることによって形成することができる。
【0098】
中間層の結着樹脂としては、ポリアクリル酸類、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。中間層に用いられる結着樹脂は熱可塑性樹脂が好ましく、具体的には、熱可塑性のポリアミド樹脂が好ましい。ポリアミド樹脂としては、溶液状態で塗布できるような低結晶性または非結晶性の共重合ナイロンが好ましい。
【0099】
中間層用塗布液の溶剤としては、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、及び芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。中間層の膜厚は、0.05μm以上40μm以下であることが好ましく、0.1μm以上30μm以下であることがより好ましい。また、中間層には、半導電性粒子あるいは電子輸送物質、あるいは電子受容性物質を含有させてもよい。
【0100】
〔感光層〕
導電性支持体、導電層または中間層上には、感光層(電荷発生層、電荷輸送層)が形成される。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷発生物質としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料などが挙げられる。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。これらの中でも、特にオキシチタニウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンなどが高感度であるため好ましい。
【0101】
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、尿素樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ブチラール樹脂が特に好ましい。これらの樹脂は、単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
【0102】
電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤とともに分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜としてもよい。
【0103】
分散方法としては、たとえば、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルを用いた方法が挙げられる。
【0104】
電荷発生物質と結着樹脂との割合は、樹脂1質量部に対して、電荷発生物質が0.1質量部以上10質量部以下の範囲が好ましく、1質量部以上3質量部以下がより好ましい。
【0105】
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤または芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。
【0106】
電荷発生層の膜厚は、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。
【0107】
また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。また、電荷発生層において電荷(キャリア)の流れが滞らないようにするために、電荷発生層には、電子輸送物質、電子受容性物質を含有させてもよい。
【0108】
積層型感光層を有する電子写真感光体において、電荷発生層上には、電荷輸送層が設けられる。
【0109】
本発明で用いられる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物が挙げられる。好ましくは、下記構造式(CTM−1)〜(CTM−7)で示される化合物である。
【0110】
【化20】

【0111】
電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる電荷輸送層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。
【0112】
本発明において、電荷輸送層が表面層である場合は、結着樹脂としては、前記樹脂αと、前記樹脂βを含有するが、他の樹脂をさらに混合して用いてもよい。混合して用いてもよい他の樹脂は、上述のとおりである。
【0113】
電荷輸送層の膜厚は、好ましくは5〜50μm、より好ましくは10〜30μmである。電荷輸送物質と結着樹脂との質量比は、5:1〜1:5、好ましくは3:1〜1:3である。
【0114】
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤または芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。好ましくは、キシレン、トルエン、およびテトラヒドロフランである。
【0115】
本発明の電子写真感光体の各層には、各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤のような劣化防止剤や、有機微粒子、無機微粒子などの微粒子が挙げられる。
【0116】
劣化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系耐光安定剤、硫黄原子含有酸化防止剤、リン原子含有酸化防止剤が挙げられる。
【0117】
有機微粒子としては、フッ素原子含有樹脂粒子、ポリスチレン微粒子、ポリエチレン樹脂粒子のような高分子樹脂粒子が挙げられる。無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナのような金属酸化物が挙げられる。
【0118】
上記各層の塗布液を塗布する際には、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を用いることができる。なかでも浸漬塗布方法が好ましい。
【0119】
上記各層の塗布液を乾燥させて塗膜を形成する乾燥温度としては、60℃以上150℃以下で乾燥させることが好ましい。このうち、電荷輸送層用塗布液(表面層用塗布液)の乾燥温度としては、特には110℃以上140℃以下が好ましい。また、乾燥時間としては、10〜60分間が好ましく、20〜60分間がより好ましい。
【0120】
〔電子写真装置〕
図1に、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
【0121】
図1において、1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度をもって回転駆動される。回転駆動される電子写真感光体1の表面は、回転過程において、帯電手段(一次帯電手段:帯電ローラーなど)3により、負の所定電位に均一に帯電される。次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調された露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
【0122】
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5の現像剤に含まれるトナーで反転現像により現像されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段(転写ローラーなど)6からの転写バイアスによって、転写材(紙など)Pに順次転写されていく。なお、転写材Pは、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に給送される。また、転写手段6には、バイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性のバイアス電圧が印加される。
【0123】
トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ搬入されてトナー像の定着処理を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へ搬送される。
【0124】
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7によって転写残りの現像剤(転写残トナー)の除去を受けて清浄面化される。次いで、前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図1に示すように、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0125】
本発明において、上記の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6、およびクリーニング手段7などの構成要素の中から複数のものを選択し、これらを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に支持して構成してもよい。そして、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図1では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5、およびクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
【実施例】
【0126】
以下に、具体的な実施例、比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。下記実施例1〜147、比較例1〜60の結果は表13〜16に示す。
【0127】
〔実施例1〕
直径24mm、長さ261.6mmのアルミニウムシリンダーを支持体(導電性支持体)とした。
次に、SnOコート処理硫酸バリウム(導電性粒子)10部、酸化チタン(抵抗調節用顔料)2部、フェノール樹脂(結着樹脂)6部、シリコーンオイル(レベリング剤)0.001部およびメタノール4部およびメトキシプロパノール16部の混合溶剤を用いて導電層用塗布液を調製した。
【0128】
この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを30分間140℃で硬化(熱硬化)させることによって、膜厚が15μmの導電層を形成した。
【0129】
次に、N−メトキシメチル化ナイロン3部および共重合ナイロン3部をメタノール65部およびn−ブタノール30部の混合溶剤に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
【0130】
この中間層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを10分間80℃で乾燥させることによって、膜厚が0.7μmの中間層を形成した。
【0131】
次に、電荷発生物質としてCuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)10部を用いた。これをシクロヘキサノン250部にポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1.積水化学工業(株)製)5部を溶解させた液に加えた。その後、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下1時間分散し、酢酸エチル250部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
【0132】
この電荷発生層用塗布液を中間層上に浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.26μmの電荷発生層を形成した。
【0133】
次に、上記式(CTM−1)で示される化合物(電荷輸送物質)5.6部、上記式(CTM−2)で示される化合物(電荷輸送物質)2.4部、ポリカーボネート樹脂A(1)(樹脂A(1))10部、および、ポリカーボネート樹脂(D1)(樹脂(D1))0.36部、安息香酸メチル2.5部、ジメトキシメタン20部、および、o−キシレン30部を混合し、溶解液を調製し、これを電荷輸送層用塗布液とした。
【0134】
この電荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に浸漬塗布し、これを125℃で30分間乾燥させることによって、膜厚が15μmの電荷輸送層を形成した。形成された電荷輸送層を、ガスクロマトグラフィーを用いて上述の測定方法で安息香酸メチルの含有量を測定したところ、0.028質量%であった。
このようにして、電荷輸送層が表面層である電子写真感光体を製造した。
【0135】
次に、評価について説明する。
評価は、繰り返し使用時の明部電位の変動(電位変動)ならびに初期摩擦係数について行った。
【0136】
電位変動の評価装置としては、ヒューレットパッカード社製HP Color LaserJet Enterprise CP4525n(プロセススピード 240mm/sec、直径24mmの円筒状の電子写真感光体が装着可能)に、電子写真感光体に外部電源を用い、DCバイアスが印加できるように改造して用いた。プロセスカートリッジに作製した電子写真感光体を装着して、プロセスカートリッジのステーションに装着し、評価は、温度15℃、湿度10%RH環境下で行った。
【0137】
<電位変動評価>
電子写真感光体の表面電位(暗部電位および明部電位)の測定は、カートリッジを改造し、電子写真感光体の端部から131mm位置(中央部)に電位測定用プローブが位置するように固定された冶具と現像器を交換して、現像器位置で行った。電子写真感光体の非露光部の暗部電位が−500Vとなるように印加バイアスを設定し、レーザー光(0.37μJ/cm)を照射して暗部電位から光減衰させた明部電位を測定した。また、A4サイズの普通紙を用い、連続して画像出力を30,000枚行い、その後の明部電位(繰り返し使用後の明部電位)を測定した。実施例1において、初期明部電位は−120V、繰り返し使用後の明部電位は−270Vであり、繰り返し使用時の明部電位の変動量は、150Vであった。さらに、化合物γを含有していない電子写真感光体を対照用の電子写真感光体とし、対照用の電子写真感光体の明部電位の変動量から実施例の明部電位の変動量を引いた値を明部電位変動の低減量として算出した。実施例1では、対照用の電子写真感光体を下記比較例1の電子写真感光体とした。
【0138】
<摩擦係数測定>
実施例、比較例で製造した電子写真感光体の摩擦係数測定を次に示す方法で行った。常温常湿環境下(23℃/50%RH)において新東科学(株)製のHEIDON−14を用いて摩擦係数測定を行った。ブレード(ウレタンゴムブレード)を一定の荷重をかけた状態で電子写真感光体に接触設置した。電子写真感光体を50mm/minのスキャンスピードで平行移動させときの電子写真感光体とゴムブレードとの間に働く摩擦力を測定する。摩擦力は、ウレタンゴムブレード側に取り付けた歪みゲージの歪み量として計測し、引っ張り荷重(感光体に加わる力)に換算した。動摩擦係数はウレタンゴムブレードが動いている時の〔感光体に加わる力(摩擦力)(gf)〕/〔ブレードに加えた荷重(gf)〕から求められる。使用したウレタンゴムブレードは北辰工業社製ウレタンブレード(ゴム硬度67°)を5mm×30mm×2mmにカットし、荷重50gでwidth方向、角度27°にて摩擦係数を測定した。実施例1において、摩擦係数は、0.15であった。さらに、化合物γを含有していない電子写真感光体を対照用の電子写真感光体とし、対照用の電子写真感光体の明部電位の変動量から実施例の明部電位の変動量を引いた値を明部電位変動の低減量として算出した。実施例1では、対照用の電子写真感光体を下記比較例1の電子写真感光体とした。
【0139】
〔実施例2〜6〕
実施例1において、化合物γの種類と含有量を表4に示すように変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表13に示す。対照用の電子写真感光体は、実施例1と同様に比較例1の電子写真感光体を用いた。
【0140】
〔実施例7〕
実施例1において、電荷輸送層を形成する際の乾燥温度、時間を145℃、60分間に変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表13に示す。対照用の電子写真感光体は、実施例1と同様に比較例1の電子写真感光体を用いた。
【0141】
〔実施例8、9〕
実施例1において、電荷輸送層の膜厚を実施例8では30μm、実施例9では10μmに変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表13に示す。対照用の電子写真感光体は、実施例1と同様に比較例1の電子写真感光体を用いた。
【0142】
〔実施例10、11〕
実施例1において、電荷輸送層を形成する際の乾燥温度、時間および電荷輸送層の膜厚を実施例10では130℃、60分間、10μm、実施例9では120℃、20分間、10μmに変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表13に示す。対照用の電子写真感光体は、実施例1と同様に比較例1の電子写真感光体を用いた。
【0143】
〔実施例12〜38〕
実施例1において、樹脂α、樹脂β、化合物γ、電荷輸送物質、および溶剤の種類と含有量を表4、5に示すように変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表13に示す。実施例28、32の電荷輸送層の膜厚は、それぞれ、13μm、20μmであった。実施例14〜23、25、28、35、38の対照用の電子写真感光体は、比較例1の電子写真感光体を用いた。実施例12、26の対照用の電子写真感光体は、比較例6の電子写真感光体を用いた。実施例13、27の対照用の電子写真感光体は、比較例7の電子写真感光体を用いた。実施例29の対照用の電子写真感光体は、比較例9の電子写真感光体を用いた。実施例30〜34の対照用の電子写真感光体は、比較例10の電子写真感光体を用いた。実施例36の対照用の電子写真感光体は、比較例13の電子写真感光体を用いた。実施例24、37の対照用の電子写真感光体は、比較例14の電子写真感光体を用いた。
【0144】
【表4】

【0145】
【表5】

【0146】
〔比較例1、2〕
実施例1において、化合物γを用いず、溶剤の種類を表6に示すように変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表13に示す。比較例2の対照用の電子写真感光体は、比較例1の電子写真感光体を用いた。
【0147】
〔比較例3〜5〕
実施例1において、化合物γの比較化合物(モノグライム、ジイソブチルケトン、酢酸n−ペンチル)に変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表13に示す。対照用の電子写真感光体は、実施例1と同様に比較例1の電子写真感光体を用いた。
【0148】
〔比較例6〜15〕
実施例1において、樹脂α、樹脂β、化合物γ(比較化合物)、電荷輸送物質、および溶剤の種類と含有量を表6に示すように変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表13に示す。比較例8、15の対照用の電子写真感光体は、実施例1と同様に比較例1の電子写真感光体を用いた。比較例11の対照用の電子写真感光体は、比較例10の電子写真感光体を用いた。
【0149】
【表6】

【0150】
〔実施例39〜75〕
実施例1において、構成要素樹脂α、樹脂β、化合物γ、電荷輸送物質、および溶剤の種類と含有量を表7、8に示すように変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表14に示す。なお、実施例28、32の電荷輸送層の膜厚は、それぞれ、13μm、20μmであった。実施例39〜45、48〜54は、比較例16の電子写真感光体を対照用の電子写真感光体とした。実施例46、55の対照用の電子写真感光体は、比較例22の電子写真感光体を用いた。実施例47、56、64、68の対照用の電子写真感光体は、比較例23の電子写真感光体を用いた。実施例57〜63、65〜67、69〜70の対照用の電子写真感光体は、比較例24の電子写真感光体を用いた。実施例71〜75は、比較例25の電子写真感光体を対照用の電子写真感光体とした。
【0151】
〔実施例76〕
実施例1において、添加剤として下記式(AD−1)で示される化合物0.8部、下記式(AD−2)で示される化合物0.2部を含有し、構成要素樹脂α、樹脂α、化合物γ、電荷輸送物質の種類や含有量を表8に示すようにそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表14に示す。対照用の電子写真感光体は、比較例31の電子写真感光体を用いた。
【0152】
【化23】

【0153】
【表7】

【0154】
【表8】

【0155】
〔比較例16〜30〕
実施例1において、構成要素樹脂α、樹脂β、化合物γ(比較化合物)、電荷輸送物質、および溶剤の種類と含有量を表9に示すように変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表14に示す。比較例17〜21、29〜30の対照用の電子写真感光体は、比較例16の電子写真感光体を用いた。比較例26〜28の対照用の電子写真感光体は、比較例25の電子写真感光体を用いた。
【0156】
〔比較例31〕
実施例76において、化合物γを含有しなかった以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表14に示す。
【0157】
〔比較例32、33〕
実施例1において、表9に示すように、樹脂βをジメチルシリコーンオイル(信越化学社製、KF−96−100cs)に変更し、樹脂α、樹脂β、化合物γを表9に示すように変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表14に示す。比較例32の対照用の電子写真感光体は、比較例33の電子写真感光体を用いた。
【0158】
【表9】

【0159】
〔実施例77〜100〕
実施例1において、樹脂α、樹脂β、化合物γ、電荷輸送物質、溶剤の種類や含有量を表10に示すようにそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表15に示す。なお、実施例78、95、96、100の電荷輸送層の膜厚は、25μmであった。実施例77〜83、86〜91は、比較例34の電子写真感光体を対照用の電子写真感光体とした。実施例84、92の対照用の電子写真感光体は、比較例38の電子写真感光体を用いた。実施例85の対照用の電子写真感光体は、比較例39の電子写真感光体を用いた。実施例94〜98の対照用の電子写真感光体は、比較例40の電子写真感光体を用いた。実施例99〜100は、比較例42の電子写真感光体を対照用の電子写真感光体とした。
【0160】
〔実施例101〜147〕
実施例1において、樹脂α、樹脂β、化合物γ、電荷輸送物質、溶剤の種類や含有量を表10、11に示すようにそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表16に示す。なお、実施例119、121、123〜125の電荷輸送層の膜厚は、25μmであった。実施例101〜107、110〜111、114〜117は、比較例43の電子写真感光体を対照用の電子写真感光体とした。実施例108、112の対照用の電子写真感光体は、比較例49の電子写真感光体を用いた。実施例109、113、132、136の対照用の電子写真感光体は、比較例50の電子写真感光体を用いた。実施例118〜119の対照用の電子写真感光体は、比較例51の電子写真感光体を用いた。実施例120〜121は、比較例52の電子写真感光体を対照用の電子写真感光体とした。実施例122〜123は、比較例53の電子写真感光体を対照用の電子写真感光体とした。実施例124〜131、133〜135、137〜138は、比較例54の電子写真感光体を対照用の電子写真感光体とした。実施例139〜147は、比較例60の電子写真感光体を対照用の電子写真感光体とした。
【0161】
〔実施例200〜207〕
実施例1において、樹脂α、樹脂β、化合物γ、電荷輸送物質、および溶剤の種類と含有量を表5、8、10、12に示すように変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表14〜17に示す。実施例200は、比較例1の電子写真感光体を対照用の電子写真感光体とした。実施例201、203の対照用の電子写真感光体は、比較例10の電子写真感光体を用いた。実施例202の対照用の電子写真感光体は、比較例16の電子写真感光体を用いた。実施例204、205の対照用の電子写真感光体は、比較例34の電子写真感光体を用いた。実施例206の対照用の電子写真感光体は、比較例43の電子写真感光体を用いた。実施例207の対照用の電子写真感光体は、比較例54の電子写真感光体を用いた。
【0162】
【表10】

【0163】
【表11】

【0164】
〔比較例34〕
実施例72において、化合物γを用いなかった以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表15に示す。
【0165】
〔比較例35〜37〕
実施例72において、化合物γの比較化合物(モノグラクム、ジイソブチルケトン、酢酸n−ペンチル)に変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表15に示す。比較例35〜37の対照用の電子写真感光体は、比較例34の電子写真感光体を用いた。
【0166】
〔比較例38〜42〕
実施例1において、樹脂α、樹脂β、化合物γ(比較化合物)、電荷輸送物質、および溶剤の種類と含有量を表12に示すように変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表15に示す。比較例41の対照用の電子写真感光体は、比較例40の電子写真感光体を用いた。
【0167】
〔比較例43〜60〕
実施例1において、樹脂α、樹脂β、化合物γ(比較化合物)、電荷輸送物質、および溶剤の種類と含有量を表12に示すように変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、評価した。結果を表16に示す。比較例44〜48の対照用の電子写真感光体は、比較例43の電子写真感光体を用いた。比較例55〜59の対照用の電子写真感光体は、比較例54の電子写真感光体を用いた。
【0168】
【表12】

【0169】
【表13】

【0170】
【表14】

【0171】
【表15】

【0172】
【表16】

【0173】
【表17】

【0174】
なお、表14〜17中の実施例、比較例の「動摩擦係数」は、対照用の電子写真感光体の動摩擦係数の相対値を示す、括弧内の数字は動摩擦係数の実測値を示す。「明部電位変動の低減量」は、対照用の電子写真感光体の明部電位変動量との差分を示す。なお、比較例で明部電位変動の低減量が、マイナスとなっているものは、対照用の電子写真感光体の明部電位変動量と比較して増加していることを意味する。
【0175】
実施例と比較例の対比から、電子写真感光体の表面層に末端にシロキサン構造を有する樹脂にさらに化合物γを含有させると、初期の摩擦係数を低減させつつ、繰り返し使用による電位変動を抑制する効果があることが示されている。一方、比較例32と比較例33の対比から、ジメチルシリコーンオイルを用いた場合は、化合物γを含有させたことによる繰り返し使用による電位変動抑制効果が得られないことが示されている。また、ジメチルシリコーンオイルでは、表面層の膜の均一性が著しく低下しており、電子写真感光体として改善が必要であるものであった。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体、および該支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体において、
該電子写真感光体の表面層が、
(α)末端にシロキサン構造を有さないポリカーボネート樹脂、および末端にシロキサン構造を有さないポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂、
(β)末端にシロキサン構造を有するポリカーボネート樹脂、末端にシロキサン構造を有するポリエステル樹脂、および末端にシロキサン構造を有するアクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂、および、
(γ)安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸ベンジル、3−エトキシプロピオン酸エチル、およびジエチレングリコールエチルメチルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種の化合物
を含有することを特徴とする電子写真感光体。
【請求項2】
前記(γ)の含有量が、前記表面層の全質量に対して、0.001質量%以上1質量%以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
【請求項3】
前記(γ)の含有量が、前記表面層の全質量に対して、0.001質量%以上0.5質量%以下である請求項1または2に記載の電子写真感光体。
【請求項4】
前記末端にシロキサン構造を有さないポリカーボネート樹脂が下記式(A)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂Aである請求項1から3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
【化1】


(式(A)中、R21〜R24は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を示す。Xは、単結合、シクロヘキシリデン基、または下記式(C)で示される構造を有する2価の基を示す。)
【化2】


(式(C)中、R41およびR42は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、またはフェニル基を示す。)
【請求項5】
前記末端にシロキサン構造を有さないポリエステル樹脂が下記式(B)で示される繰り返し構造単位を有するポリエステル樹脂Bである請求項1から3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
【化3】


(式(B)中、R31〜R34は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を示す。Xは、単結合、シクロヘキシリデン基、または下記式(C)で示される構造を有する2価の基を示す。Yは、m−フェニレン基、p−フェニレン基、または2つのp−フェニレン基が酸素原子を介して結合した2価の基を示す。)
【化4】


(式(C)中、R41およびR42は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、またはフェニル基を示す。)
【請求項6】
前記末端にシロキサン構造を有するポリカーボネート樹脂が下記式(A’)で示される繰り返し構造単位と下記式(D)で示される末端構造を有するポリカーボネート樹脂Dである請求項1から5のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
【化5】


(式(A’)中、R25〜R28は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を示す。Xは、単結合、シクロヘキシリデン基、または下記式(C’)で示される構造を有する2価の基を示す。)
【化6】


(式(C’)中、R43およびR44は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、またはフェニル基を示す。)
【化7】


(式(D)中、aおよびbは、括弧内の構造の繰り返し数を示し、ポリカーボネート樹脂Dに対するaの平均値は20以上100以下、bの平均値は1以上10以下である。)
【請求項7】
前記末端にシロキサン構造を有するポリエステル樹脂が下記式(B’)で示される繰り返し構造単位と下記式(D)で示される末端構造を有するポリエステル樹脂Eである請求項1から5のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
【化8】


(式(B’)中、R35〜R38は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を示す。Xは、単結合、シクロヘキシリデン基、または下記式(C’)で示される構造を有する2価の基を示す。Yは、m−フェニレン基、p−フェニレン基、または2つのp−フェニレン基が酸素原子を介して結合した2価の基を示す。)
【化9】


(式(C’)中、R43およびR44は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、またはフェニル基を示す。)
【化10】


(式(D)中、aおよびbは、括弧内の構造の繰り返し数を示し、ポリエステル樹脂Eに対するaの平均値は20以上100以下、bの平均値は1以上10以下である。)
【請求項8】
前記末端にシロキサン構造を有するアクリル樹脂が下記式(F−1)で示される繰り返し構造単位と下記式(F−2)で示される繰り返し構造単位を有するアクリル樹脂Fである、または下記式(F−1)で示される繰り返し構造単位と下記式(F−3)で示される繰り返し構造単位を有するアクリル樹脂Fである請求項1から5のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
【化11】


(式(F−1)中、R51は、水素、またはメチル基を示す。cは、括弧内の繰り返し数を示し、アクリル樹脂Fに対するcの平均値は、0以上5以下である。R52〜R54は、それぞれ独立に、下記式(F−1−2)、メチル基、メトキシ基、またはフェニル基を示す。)
【化12】


(式(F−1−2)中、dは、括弧内の繰り返し数を示し、アクリル樹脂Fに対するdの平均値は10以上50以下である。R55は、水酸基またはメチル基を示す。)
【化13】


(式(F−3)中、R56は水素、メチル基またはフェニル基を示す。eは、0または1である。
【請求項9】
前記表面層における前記(β)の含有量が、前記(α)の全質量に対して、1質量%以上50質量%以下である請求項1から8のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項11】
請求項1から9のいずれか一項に記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。


【図1】
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【公開番号】特開2013−50700(P2013−50700A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−123499(P2012−123499)
【出願日】平成24年5月30日(2012.5.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】