説明

電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置

【課題】耐刷性に優れ、高解像度で長期にわたって安定に動作し得る電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置を提供することを課題とする。
【解決手段】導電性支持体上に、下引き層と、電荷発生材料を含有する電荷発生層と、少なくとも電荷輸送材料およびフィラーを含有する電荷輸送層とが順次積層され、前記電荷輸送層の屈折率Nが、(1)次式:Na>Nb(式中、Naは前記電荷輸送層の表面近傍の屈折率を示し、Nbは前記電荷輸送層の前記電荷発生層との界面近傍の屈折率を示す)の関係を満足しかつ(2)前記電荷輸送層の表面近傍から前記電荷輸送層の前記電荷発生層との界面近傍に向かい段階的に低下することを特徴とする電子写真感光体により、上記の課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐刷性に優れ、高解像度で長期にわたって安定に動作し得る電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光導電性の電子写真感光体(「感光体」ともいう)を用いた電子写真プロセスは、光導電現象を利用した情報記録手段の一つである。
電子写真プロセスでは、まず暗所においてコロナ放電により感光体の表面を一様に帯電させた後、像露光を施して露光部の電荷を選択的に放電させることにより露光部に静電像を形成させ、次いで着色した荷電微粒子(トナー)を静電引力などで潜像に付着させて可視像として画像を形成する。
【0003】
この一連のプロセスにおいて、感光体は、次のような基本的な特性が要求される。
1)暗所において適当な電位に一様に帯電できること
2)暗所において高い電荷保持能を有し、電荷の放電が少ないこと
3)光感度に優れ、光照射により速やかに電荷を放電すること
また、感光体は、安定性や耐久性について次のような特性も要求される。
4)容易に感光体の表面を除電でき、残留電位が小さいこと
5)機械的強度があり、可撓性に優れていること
6)繰り返し使用する場合に電気的特性、特に帯電性や光感度、残留電位などが変動しないこと
7)熱・光・温度・湿度やオゾン劣化などに対する耐性を有していること
【0004】
これらの中でも、高い耐久性および耐刷性を有する感光体の開発が望まれ、その手段として、感光体の電荷輸送層または保護層にフィラーを添加することが検討されてきた。
しかしながら、フィラーを添加することにより、キャリアトラップ形成による繰り返し電気特性の悪化、白濁による入射光の損失、乱反射による画像ボケなどの弊害が生じる。
【0005】
この弊害を解決するために、例えば、特開平8−305051号公報(特許文献1)、特開平11−153877号公報(特許文献2)および特開2006−201744号公報(特許文献3)には、フィラーの含有量や分散状態を改善する技術が提案されている。
しかしながら、それらの技術による効果は十分ではなく、耐刷性、繰り返し安定性、高解像度を達成する電子写真感光体の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−305051号公報
【特許文献2】特開平11−153877号公報
【特許文献3】特開2006−201744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、耐刷性に優れ、高解像度で長期にわたって安定に動作し得る電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、電荷輸送層の表面近傍から電荷発生層との界面近傍に向かい屈折率Nが段階的に低下するように、電荷輸送層にフィラーを配合することにより、電荷輸送層の表面近傍では、耐刷性および耐傷性が改善され、電荷発生層の界面近傍では、解像度および繰り返し時の電気特性が改善され、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0009】
かくして、本発明によれば、導電性支持体上に、下引き層と、電荷発生材料を含有する電荷発生層と、少なくとも電荷輸送材料およびフィラーを含有する電荷輸送層とが順次積層され、
前記電荷輸送層の屈折率Nが、
(1)次式:
Na>Nb
(式中、Naは前記電荷輸送層の表面近傍の屈折率を示し、Nbは前記電荷輸送層の前記電荷発生層との界面近傍の屈折率を示す)の関係を満足しかつ
(2)前記電荷輸送層の表面近傍から前記電荷輸送層の前記電荷発生層との界面近傍に向かい段階的に低下する
ことを特徴とする電子写真感光体が提供される。
【0010】
また、本発明によれば、上記の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、露光によって形成された前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、現像によって形成された前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、転写された前記トナー像を前記記録材上に定着して画像を形成する定着手段と、前記電子写真感光体に残留するトナーを除去し回収するクリーニング手段とを少なくとも備えることを特徴とする画像形成装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、耐刷性に優れ、高解像度で長期にわたって安定に動作し得る、すなわち繰り返し使用時に感度変化の少ない電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置を提供することができる。
【0012】
本発明の感光体は、電荷輸送層の表面近傍の屈折率Naが1.90〜2.50であり、電荷輸送層の電荷発生層との界面近傍の屈折率Nbが1.10〜1.40であることにより、さらに優れた上記の効果を発揮する。
また、本発明の感光体は、電荷輸送層が導電性支持体に平行な少なくとも3層の多層構造を有し、かつ多層構造の中間層におけるフィラーの含有量が電荷発生層側の隣接する層よりも多くかつ電荷輸送層の表面側の隣接する層よりも少ないことにより、容易に電荷輸送層の屈折率Nを段階的に低下させることができ、さらに優れた上記の効果を発揮する。
【0013】
さらに、本発明の感光体は、フィラーがシリカ粒子であることにより、また電荷輸送材が後述する構造式(I)で示されるエナミン化合物であることにより、さらに優れた上記の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の感光体の要部の構成を示す模式断面図である。
【図2】本発明の画像形成装置の構成を示す模式側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の感光体は、導電性支持体上に、下引き層と、電荷発生材料を含有する電荷発生層と、少なくとも電荷輸送材料およびフィラーを含有する電荷輸送層とが順次積層され、
前記電荷輸送層の屈折率Nが、
(1)次式:
Na>Nb
(式中、Naは前記電荷輸送層の表面近傍の屈折率を示し、Nbは前記電荷輸送層の前記電荷発生層との界面近傍の屈折率を示す)の関係を満足しかつ
(2)前記電荷輸送層の表面近傍から前記電荷輸送層の前記電荷発生層との界面近傍に向かい段階的に低下する
ことを特徴とする。
【0016】
電荷輸送材料と結着樹脂のみで構成される電荷輸送層では、膜厚方向の屈折率Nの変化は非常に小さく、屈折率に変化をもたせることは困難である。
そこで、本発明者は、電荷輸送層にフィラーを配合し、その分散状態および成膜条件に関して適切な制御を行うことで屈折率を任意に変化させることを達成した。
【0017】
例えば、電荷輸送層のフィラーの含有量を変化させることにより、電荷輸送層の屈折率を変化させることができる。具体的には、フィラーの含有量を増量することにより屈折率を上昇させ、逆にフィラーの含有量を減量することにより屈折率を低下させることができる。より具体的には、電荷輸送層の項において詳述する。
【0018】
感光体の耐刷性を改善する目的で、感光体の最表面層となる電荷輸送層にフィラーを含有させることは従来からなされていた。
また、そのフィラーの含有は、電荷輸送層表面の機械的な傷が画像上に表れることを抑制する効果もある。つまり、この効果は、フィラーの含有により上昇した屈折率により、表面の傷によって回折/乱反射した入射光の回折を大きくする、すなわち傷が影響した入射光の干渉を抑制することによりもたらされるものと考えられる。このことは、同時に画像ぼけが生じることを示している。
【0019】
そこで、本発明では、電荷輸送層の屈折率Nをその表面近傍から電荷発生層との界面近傍に向かい段階的に低下するように変化させることで、表面の傷による画像ぼけの影響を無視できる程度に抑え、耐刷性の向上と高解像度の達成とを両立する。
また、電荷発生層の界面近傍の屈折率を低下させるために、フィラーの含有量を減少させることになるが、これによりフィラー由来のキャリアトラップを抑制でき、繰り返し電気特性が向上する。
【0020】
本発明の感光体について図面を用いて具体的に説明するが、本発明は以下に説明する形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の感光体の要部の構成を示す模式断面図である。
図1の感光体は、導電性支持体1の表面に、下引層2と、電荷発生材料を含有する電荷発生層3と電荷輸送材料およびフィラーを含有する電荷輸送層4とがこの順で積層された積層型感光層5がこの順で形成されている。
【0021】
[導電性支持体1]
導電性支持体は、感光体の電極としての役割を果たすとともに、他の各層の支持部材としても機能する。
【0022】
導電性支持体の構成材料は、当該分野で用いられる材料であれば特に限定されない。
具体的には、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、真鍮、亜鉛、ニッケル、ステンレス鋼、クロム、モリブデン、バナジウム、インジウム、チタン、金、白金などの金属および合金材料:ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエステル、ポリオキシメチレン、ポリスチレン、セルロース、ポリ乳酸などの高分子材料、硬質紙、ガラスなどからなる基体表面に金属箔をラミネートしたもの、金属材料または合金材料を蒸着したもの、導電性高分子、酸化スズ、酸化インジウム、カーボンブラックなどの導電性化合物の層を蒸着もしくは塗布したものなどが挙げられる。
【0023】
導電性支持体の形状としては、シート状、円筒状、円柱状、無端ベルト(シームレスベルト)状などが挙げられる。
導電性支持体の表面には、必要に応じて、画質に影響のない範囲内で、陽極酸化被膜処理、薬品、熱水などによる表面処理、着色処理、表面を粗面化するなどの乱反射処理が施されていてもよい。
【0024】
乱反射処理は、レーザーを露光光源として用いる電子写真プロセスにおいて、本発明による感光体を用いる場合に特に有効である。すなわち、レーザーを露光光源として用いる電子写真プロセスでは、レーザー光の波長が揃っているので、感光体の表面で反射されたレーザー光と感光体の内部で反射されたレーザー光とが干渉を起こし、この干渉による干渉縞が画像に現れて画像欠陥を生じることがある。そこで、導電性支持体の表面に乱反射処理を施すことにより、波長の揃ったレーザー光の干渉による画像欠陥を防止することができる。
【0025】
[下引き層(「中間層」ともいう)2]
下引き層は、導電性支持体から積層型感光層への電荷の注入を防止する機能を有する。すなわち、積層型感光層の帯電性の低下が抑制され、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷の減少が抑えられ、かぶりなどの画像欠陥の発生が防止される。特に、反転現像プロセスによる画像形成の際に、白地部分にトナーからなる微小な黒点が形成される黒ポチと呼ばれる画像かぶりが発生するのが防止される。
また、導電性支持体の表面を被覆する下引き層は、導電性支持体の表面の欠陥である凹凸の度合を軽減して表面を均一化し、積層型感光層の成膜性を高め、導電性支持体と積層型感光層との密着性(接着性)を向上させることができる。
【0026】
下引き層は、例えば、樹脂材料を適当な溶剤に溶解させて下引き層用塗布液を調製し、この塗布液を導電性支持体の表面に塗布し、乾燥により溶剤を除去することによって形成することができる。また、導電性支持体の構成材料がアルミニウムの場合には、その酸化により形成されるアルマイトを含む層(アルマイト層)を下引き層としてもよい。
【0027】
樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂およびポリアミド樹脂などの樹脂、ならびにこれらの樹脂を構成する繰返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂などの合成樹脂に加えて、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、セルロース、ニトロセルロースおよびエチルセルロースなどの天然高分子が挙げられ、これらの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの樹脂の中でも、ポリアミド樹脂を用いることが好ましく、特にアルコール可溶性ナイロン樹脂を用いることが好ましい。
【0028】
好ましいアルコール可溶性ナイロン樹脂としては、例えば、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、11−ナイロン、2−ナイロンおよび12−ナイロンなどの単独重合または共重合ナイロン、ならびにN−アルコキシメチル変性ナイロンおよびN−アルコキシエチル変性ナイロンのように、ナイロンを化学的に変性させた樹脂などが挙げられる。
【0029】
下引き層用塗布液の溶剤としては、水および各種有機溶剤のような単独溶剤ならびにこれらの混合溶剤が挙げられる。有機溶剤としては、メタノール、エタノールおよびブタノールなどのアルコール類、テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル類、ジクロロエタン、クロロホルムおよびトリクロロエタンなどのハロゲン系有機溶剤などが挙げられる。これらの溶剤の中でも、地球環境に対する配慮から、非ハロゲン系有機溶剤が好適に用いられる。
【0030】
また、下引き層は、金属酸化物粒子を含んでいてもよい。
金属酸化物粒子は、下引き層の体積抵抗値を容易に調節でき、積層型感光層への電荷の注入をさらに抑制できると共に、各種環境下において感光体の電気特性を維持することができる。
金属酸化物粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化スズなどが挙げられる。その平均粒子径は、0.02〜0.5μmの範囲であるのが好ましい。
【0031】
下引き層用塗布液における樹脂材料と金属酸化物粒子との合計配合量をA、溶剤の配合量をBとするとき、両者の重量比率(A/B)は、1/99〜40/60であるのが好ましく、2/98〜30/70であるのが特に好ましい。
また、樹脂材料の配合量をC、金属酸化物粒子の配合量をFとするとき、両者の重量比率(C/D)は、1/99〜90/10であるのが好ましく、5/95〜70/30であるのが特に好ましい。
【0032】
下引き層に金属酸化物粒子などの粒子を含有させる場合には、例えば、樹脂材料を適当な溶剤中に溶解または分散させて得られる溶液中に、金属酸化物粒子を分散させて下引き層用塗布液を調製すればよい。
金属酸化物粒子を樹脂溶液中に分散させるために、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミル、超音波分散機およびペイントシェーカーなどの公知の装置を用いてもよい。分散条件は、用いる容器や分散メディアの摩耗などにより不純物の混入が起こらないように適宜選択すればよい。
【0033】
下引き層用塗布液の塗布方法は、塗布液の物性および生産性などを考慮に入れて最適な方法を適宜選択すればよく、例えば、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、ブレード法、リング法および浸漬塗布法などが挙げられる。
これらの塗布方法の中でも、浸漬塗布法は、塗布液を満たした塗工槽に導電性支持体を浸漬した後、一定速度または逐次変化する速度で引上げることによって導電性支持体の表面に層を形成する方法である。この方法は比較的簡単で、生産性および原価の点で優れているので、感光体の製造に多用されている。浸漬塗布法に用いる装置には、塗布液の分散性を安定させるために、超音波発生装置に代表される塗布液分散装置が設けられていてもよい。
【0034】
自然乾燥により塗膜中の溶剤を除去してもよいが、加熱により強制的に塗膜中の溶剤を除去してもよい。
このような乾燥工程における温度は、使用した溶剤を除去し得る温度であれば特に限定されないが、50〜140℃程度が適当であり、80〜130℃程度が特に好ましい。
乾燥温度が50℃未満では、乾燥時間が長くなることがあり、また溶剤が充分に蒸発せず電荷発生層中に残ることがある。また、乾燥温度が約140℃を超えると、感光体の繰り返し使用時の電気的特性が悪化して、得られる画像が劣化することがある。
このような温度条件は、下引き層のみならず後述する感光層などの層形成や他の処理においても共通する。
【0035】
下引き層の膜厚は特に限定されないが、0.01〜20μmであるのが好ましく、0.05〜10μmであるのが特に好ましい。
下引き層の膜厚が0.01μm未満では、下引き層として実質的に機能しなくなり、導電性支持体の欠陥を被覆して均一な表面が得られないおそれがある。一方、下引き層の膜厚が20μmを超えると、均一な下引き層を形成し難く、また感光体の感度が低下するおそれがある。
【0036】
[電荷発生層3]
下引き層上に形成される電荷発生層は、照射された光を吸収することにより電荷を発生する電荷発生能を有する電荷発生材料を主成分とし、任意に結着樹脂および公知の添加剤を含有する。
【0037】
電荷発生材料(「電荷発生物質」ともいう)としては、当該分野で用いられる有機系、無機系の顔料および光導電性材料が挙げられ、感度や耐久性の点で有機系のものが好ましい。
有機系の顔料および光導電性材料としては、例えば、クロロダイアンブルーなどのビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料、ジブロモアンサンスロンなどの多環キノン系顔料、ペリレン系顔料、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、スクエアリウム顔料、アズレニウム塩系化合物などが挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0038】
また、感光体の要求される波長範囲に合わせて電荷発生材料を選択すればよい。
レーザー光やLEDなどの光源を用いた反転現像プロセスにより画像形成を行う感光体では、620〜800nmの長波長の範囲の感度が要求され、従来から、高感度で耐久性に優れるフタロシアニン系顔料およびトリスアゾ系顔料、特に優れた特性を有するフタロシアニン顔料が検討されている。
【0039】
フタロシアニン系顔料としては、無金属フタロシアニン、金属フタロシアニンおよびそれらの混合物や混晶化合物が挙げられる。
その結晶型としては、α型、β型、τ型、Y型、アモルファスなどが挙げられる。
金属フタロシアニン顔料において用いられる金属としては、酸化状態がゼロであるものおよびその塩化物、臭化物などのハロゲン化金属、ならびにその酸化物などが挙げられる。好ましい金属としては、Cu、Ni、Mg、Pb、V、Pd、Co、Nb、Al、Sn、Zn、Ca、In、Ga、Fe、Ge、Ti、Crなどが挙げられる。
これらのフタロシアニン系顔料の製造方法としては種々の手法が提案されているが、特に限定されず、また顔料化された後に各種精製や結晶型を変換させるために種々の有機溶剤で分散処理を実施してもよい。
【0040】
電荷発生層は、電荷発生材料を真空蒸着するような乾式法および下引き層と同様の湿式法により形成することができる。
湿式法では、電荷発生層は、例えば、結着樹脂を有機溶剤に溶解させた溶液に電荷発生材料を混合分散させて電荷発生層用塗布液を調製し、この塗布液を下引き層の表面に塗布し、乾燥により溶剤を除去することによって形成することができる。
電荷発生層用塗布液の調製において、電荷発生材料を分散させるために、下引き層用塗布液の調製と同様に公知の分散装置を用いてもよい。
その他の工程およびその条件は、下引き層の形成に準ずる。
【0041】
電荷発生材料としてフタロシアニン系顔料を用いる場合には、一次粒子および/またはその凝集粒子径が3μm以下になるまで分散させることが好ましい。
一次粒子および/またはその凝集粒子径が3μmを超えると、得られる感光体において、反転現像の際に、白地に黒ポチが非常に発生し易くなる。したがって、条件を最適化しフタロシアニン系顔料の一次粒子および/またはその凝集粒子径を3μm以下、より好ましくはメジアン径で0.5μm以下、モード径で3μm以下にまで分散させ、これよりも大きい粒子を含有しないことが好ましい。
【0042】
一方、フタロシアニン系顔料を微粒子にするためには、その化学的構造から比較的強い分散条件と長時間の分散時間を必要とする。したがって、強い分散条件や長時間の分散処理では、コスト的に効率が悪くなるだけでなく、分散メディアの摩耗などによる不純物の混入が避けられず、分散時の有機溶剤や熱、分散による衝撃などによりフタロシアニン系顔料の結晶型が変化して、感光体の感度が大きく低下することがある。そのため、メジアン径で0.01μm以下、モード径で0.1μm以下にまで分散させ、小さくすることは好ましくない。
【0043】
また、分散された電荷発生層用塗布液中に3μmを超えるフタロシアニン系顔料の粒子が含まれている場合には、ろ過処理を施して、粗大粒子や凝集物を除去してもよい。ろ過処理に用いられるフィルターの材質は分散の際に用いられる有機溶剤に膨潤や溶解しないものであれば特に限定されず、例えば孔径が均一なテフロン(登録商標)製メンブランフィルターが挙げられる。
【0044】
結着樹脂は、電荷発生層の機械的強度や耐久性、層間の結着性などを向上させることができ、当該分野で用いられる結着性を有する樹脂を使用できる。具体的には、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂およびブチラール樹脂などの単独重合体樹脂、2つ以上の繰り返し単位を含む共重合体樹脂、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂などの絶縁性樹脂などが挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0045】
溶剤としては、塩化メチレン、二塩化エタンなどのハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどの非プロトン性極性溶剤などが挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて(混合溶剤として)用いることができる。
【0046】
フタロシアニン顔料を含む電荷発生材料の含有量をE、結着樹脂の配合量をFとするとき、両者の配合比(E/F)は、10/90〜99/1であるのが好ましく、40/60
〜70/30であるのが特に好ましい。
電荷発生材料の配合量が少ないと感光体の感度が低下することがあり、電荷発生材料の配合量が多いと感光体の耐久性が低下するばかりでなく、分散性が低下し粗大粒子が増大することから画像欠陥、特に黒ポチが多くなることがある。
【0047】
電荷発生層は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、化学増感剤、光学増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、分散安定剤、増感剤、レベリング剤(表面改質剤)、可塑剤などから選ばれる1種または2種以上の公知の添加剤を適量含有していてもよい。これらの添加剤は、後述する電荷輸送層に含有していてもよく、電荷発生層および電荷輸送層の両方に含有していてもよい。
【0048】
化学増感剤および光学増感剤は、感光体の感度を向上させ、繰返し使用による残留電位の上昇および疲労などを抑え、電気的耐久性を向上させる。
化学増感剤としては、例えば無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、4−クロルナフタル酸無水物などの酸無水物;テトラシアノエチレン、テレフタルマロンジニトリルなどのシアノ化合物、4−ニトロベンズアルデヒドなどのアルデヒド類;アントラキノン、1−ニトロアントラキノンなどのアントラキノン類;2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノンなどの多環もしくは複素環ニトロ化合物;ジフェノキノン化合物などの電子吸引性材料およびこれらの電子吸引性材料を高分子化したものなどが挙げられる。
【0049】
光学増感剤としては、例えばキサンテン系色素、キノリン系顔料、銅フタロシアニンなどの有機光導電性化合物、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ナイトブルーおよびビクトリアブルーなどに代表されるトリフェニルメタン系染料;エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3R、アクリジンオレンジおよびフラペオシンなどに代表されるアクリジン染料;メチレンブルーおよびメチレングリーンなどに代表されるチアジン染料;カプリブルーおよびメルドラブルーなどに代表されるオキサジン染料;シアニン染料;スチリル染料;ピリリウム塩染料およびチオピリリウム塩染料などが挙げられる。
【0050】
酸化防止剤は、長期にわたって感度安定性を維持させることができる。
酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール:BHT)のようなヒンダードフェノールなどのフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミンなどのアミン系酸化防止剤、ビタミンE、ハイドロキノン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカンおよびそれらの誘導体、有機硫黄系化合物、有機燐系化合物などが挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0051】
酸化防止剤の添加量は、電荷発生材料100重量部に対して、0.1〜50重量部であるのが好ましく、0.5〜15重量部であるのが特に好ましい。
酸化防止剤の添加量が0.1重量部未満では、塗工液の保存安定性の向上および感光体の耐久性の向上に充分な効果が得られないことがある。また、酸化防止剤の添加量が50重量部を超えると、感度特性に悪影響を及ぼすことがある。
【0052】
レベリング剤および可塑剤は、成膜性、可撓性および表面平滑性を向上させることができる。
レベリング剤としては、例えばシリコーンオイル、フッ素樹脂などが挙げられる。
可塑剤としては、例えばビフェニル、塩化ビフェニル、ベンゾフェノン、o-ターフェニル、二塩基酸エステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、フタル酸エステル、各種フルオロ炭化水素、塩素化パラフィン、エポキシ型可塑剤などが挙げられる。
【0053】
電荷発生層の膜厚は特に限定されないが、0.05〜5μmであるのが好ましく、0.08〜1μmであるのが特に好ましい。
電荷発生層の膜厚が0.05μm未満では、光吸収の効率が低下し、感光体の感度が低下することがある。また、非常に小さくなるまで顔料を分散させる必要が生じ、フタロシアニン系顔料を用いる場合にはその結晶型が変化することがある。一方、電荷発生層の膜厚が5μmを超えると、電荷発生層内部での電荷移動が表面電荷を消去する過程の律速段階となり、感度が低下することがある。また、一定の感度を示すが、コスト的に好ましくないばかりか、均一に塗布することが困難になる。
【0054】
[電荷輸送層4]
電荷輸送層は、電荷発生材料で発生した電荷を受入れ、輸送する能力を有する電荷輸送材料、フィラーおよびそれらを結着させる結着樹脂を主成分として含有し、任意に公知の添加剤を含有する。
【0055】
電荷輸送材料(「電荷輸送物質」ともいう)としては、当該技術分野で用いられるホール輸送材料および電子輸送材料を用いることができる。
【0056】
ホール輸送性材料として、例えば、カルバゾール誘導体、ピレン誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、多環芳香族化合物、インドール誘導体、ピラゾリン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、トリアリールメタン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、エナミン誘導体およびベンジジン誘導体、ならびにこれらの化合物から誘導される基を主鎖または側鎖に有するポリマー、例えばポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂、トリフェニルメタンポリマー、ポリ−9−ビニルアントラセンなど、およびポリシランなどが挙げられる。
【0057】
電子輸送材料としては、例えば、ベンゾキノン誘導体、テトラシアノエチレン誘導体、テトラシアノキノジメタン誘導体、フルオレノン誘導体、キサントン誘導体、フェナントラキノン誘導体、無水フタル酸誘導体、ジフェノキノン誘導体などの有機化合物が挙げられる。
これらの電荷輸送材料は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、後述する実施例1〜3で用いられている構造式(I)で示されるエナミン化合物および実施例4で用いられている構造式(II)で示されるエナミン化合物であるのが好ましく、前者であるのが特に好ましい。
【0058】
結着樹脂は、電荷発生層に含まれるものと同様の結着樹脂の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの樹脂の中でも、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレートおよびポリフェニレンオキサイドは、体積抵抗値が1013Ω以上であって電気絶縁性に優れ、かつ成膜性、電位特性などにも優れるので好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。
【0059】
フィラーとしては、当該技術分野で用いられる有機系および無機系の粒子を用いることができ、材料としての硬度が高く、結着樹脂に分散し易いものが好ましい。
有機系粒子の構成材料としては、例えば、フッ素系樹脂が挙げられる。
無機系粒子の構成材料としては、例えば、酸化珪素(シリカ)、酸化チタン(チタニア)、酸化亜鉛(ジルコニア)、酸化カルシウム(カルシア)および酸化アルミニウム(アルミナ)などの酸化物ならびに窒化珪素および窒化アルミニウムなどの窒化物などが挙げられる。
本発明においては、フィラーとして、上記の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、分散安定性および耐刷性に優れる点でシリカ粒子であるのが特に好ましい。
【0060】
また、フィラーは、本発明の効果を阻害しない範囲で、分散性を向上させるために、ジメチルジクロロシランなどのシランカップリング剤、ハロゲン、窒素、硫黄のような原子がケイ素と結合したシリル化剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などの一般的なカップリング剤などの有機化合物で表面処理されていてもよい。
【0061】
フィラーの平均粒径は、特に限定されないが、10〜200nmであるのが好ましく、20〜70nmであるのが特に好ましい。
フィラーの平均粒子径が 10nm未満では、凝集により分散状態が不均一になることがある。一方、フィラーの平均粒子径が200nmを超えると、光の散乱が大きくなり画像損失を生じることがある。
【0062】
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料、フィラー、結着樹脂および必要に応じて公知の添加剤を適当な溶剤に溶解および分散させて電荷輸送層用塗布液を調製し、この塗布液を電荷発生層の表面に塗布し、次いで乾燥して有機溶剤を除去することによって形成することができる。
電荷輸送層用塗布液の調製において、電荷輸送材料およびフィラーなどを分散させるために、下引き層用塗布液の調製と同様に公知の分散装置を用いてもよい。
その他の工程およびその条件は、下引き層の形成に準ずる。
【0063】
本発明においては、電荷輸送層の表面近傍の屈折率Naと電荷輸送層の前記電荷発生層との界面近傍の屈折率Nbとが、式:Na>Nbの関係を満足し、かつ電荷輸送層の屈折率Nが電荷輸送層の表面近傍から電荷輸送層の電荷発生層との界面近傍に向かい段階的に低下するように電荷輸送層を形成する。
電荷輸送層の表面近傍の屈折率Naが1.90〜2.50であり、かつ電荷輸送層の電荷発生層との界面近傍の屈折率Nbは1.10〜1.40であるのが好ましい。より好ましいNaは1.90〜2.25であり、より好ましいNbは1.25〜1.40である。
すなわち、電荷輸送層の屈折率Nは、1.10〜2.50の範囲であるのが好ましい。より好まし範囲は1.25〜2.25である。
屈折率の下限となるNbが1.10未満の屈折率を有する電荷輸送層を作成することは技術的に困難である。
一方、屈折率の上限となるNaが2.50を超えると、耐刷性が向上する反面、繰り返し電気特性の低下や画像ぼけが生じることがある。
【0064】
このためには、例えば、電荷輸送層を導電性支持体に平行な少なくとも3層の多層構造とし、電荷輸送層のフィラーの含有量を電荷輸送層の表面近傍の層から電荷輸送層の電荷発生層との界面近傍の層に段階的に減少させる、すなわち多層構造の中間層におけるフィラーの含有量を電荷発生層側の隣接する層よりも多くかつ電荷輸送層の表面側の隣接する層よりも少なくするのが好ましい。
【0065】
具体的には、電荷輸送層用塗布液の調製において、予めフィラーの含有量の異なる、フィラー、結着樹脂および溶剤を含む3種以上の電荷輸送層1次分散液を調製しておき、これらにそれぞれ電荷輸送材料、追加の結着樹脂および溶剤、必要に応じて公知の添加剤を加えて、3種以上の電荷輸送層用塗布液を調製し、これらをフィラーの含有量の少ない塗布液から順に電荷発生層の表面に塗布(重ね塗り)すればよい。
各電荷輸送層用塗布液中の電荷輸送材料、フィラーおよび結着樹脂の含有量が後述する範囲になるように適宜調製すればよい。
【0066】
重ね塗りに際しては、各塗布液が混合しないように、1層塗布する毎に公知の方法で前乾燥するのが好ましい。例えば、実施例のように、円筒状の導電性支持体を用いる場合には、導電性支持体を一定時間回転させて自然乾燥させ、全ての塗布が完了した後に熱風乾燥させてもよい。
塗布方法は、特に限定されず、下引き層と同様の湿式法が挙げられるが、重ね塗りでは塗布と乾燥を繰り返す必要があることから、実施例のように、スプレー銃を用いたスプレー法であるのが好ましい。
【0067】
電荷輸送材料の配合量をG、結着樹脂の配合量をHとするとき、両者の配合比(G/H)は、10/30〜10/10であるのが好ましく、10/24〜10/16であるのが特に好ましい。
電荷輸送材料の配合量が少ないと、電荷輸送層におけるキャリア移動度が低下し、感光体の感度が低下するおそれがあり、電荷輸送材料の配合量が多いと、感光層の耐刷性が低下して繰返し使用による膜減り量が増加し、感光体の帯電性が低下するおそれがある。
【0068】
また、上記のようにフィラーの配合量は、積層する層毎に段階的に変化させる必要があるが、その上限値と下限値の範囲としては、フィラーの配合量をI、結着樹脂の配合量をHとするとき、両者の重量比率(I/I)は、2/98〜20/80であるのが好ましく、10/90〜15/85であるのが特に好ましい。
フィラーの配合量が少ないと耐刷性向上に対して効果的でなく、フィラーの配合量が多いと耐刷性が向上する反面、繰り返し電気特性の低下や画像ぼけが生じることがある。
【0069】
電荷輸送層の膜厚は、特に限定されないが、5〜50μmであるのが好ましく、10〜40μmであるのが特に好ましい。
電荷輸送層の膜厚が5μm未満では、感光体表面の帯電保持能が低下することがある。一方、電荷輸送層の膜厚が50μmを超えると、感光体の解像度が低下することがある。
【0070】
本発明の感光体は、電子写真複写機やレーザー、発光ダイオード(LED)などを光源とする各種プリンターおよび電子写真製版システムなどに使用することができる。
【0071】
[画像形成装置]
本発明の画像形成装置は、本発明の感光体と、感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、露光によって形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、現像によって形成されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、転写されたトナー像を記録材上に定着して画像を形成する定着手段と、感光体に残留するトナーを除去し回収するクリーニング手段とを少なくとも備えることを特徴とする。
【0072】
本発明の画像形成装置について図面を用いて具体的に説明するが、本発明は以下に説明する形態に限定されるものではない。
図2は、本発明の画像形成装置の構成を示す模式側面図である。
図2の画像形成装置20は、本発明の感光体21(例えば、図1の感光体)と、帯電手段(帯電器)24と、露光手段28と、現像手段(現像器)25と、転写手段(転写器)26と、クリーニング手段(クリーナ)27と、定着手段(定着器)31と、除電手段(図示せず、クリーニング手段27に併設される)を含んで構成される。図番30は記録材としての転写紙を示す。
【0073】
感光体21は、図示しない画像形成装置20本体に回転自在に支持され、図示しない駆動手段によって回転軸線22回りに矢符23方向に回転駆動される。駆動手段は、例えば電動機と減速歯車とを含んで構成され、その駆動力を感光体21の芯体を構成する導電性支持体に伝えることによって、感光体21を所定の周速度で回転駆動させる。帯電器24、露光手段28、現像器25、転写器26およびクリーナ27は、この順序で、感光体21の外周面に沿って、矢符23で示される感光体21の回転方向上流側から下流側に向って設けられる。
【0074】
帯電器24は、感光体21の外周面を所定の電位に帯電させる帯電手段である。具体的には、例えば帯電器24は、接触式の帯電ローラ24aや帯電ブラシあるいはコロトロンやスコロトロンなどのチャージャーワイヤによって実現される。図番24bはバイアス電源を示す。
【0075】
露光手段28は、例えば半導体レーザーなどを光源として備え、光源から出力されるレーザービームなどの光28aを、感光体21の帯電器24と現像器25との間に照射することによって、帯電された感光体21の外周面に対して画像情報に応じた露光を施す。光28aは、主走査方向である感光体21の回転軸線22の延びる方向に繰返し走査され、これに伴って感光体21の表面に静電潜像が順次形成される。
【0076】
現像器25は、露光によって感光体21の表面に形成される静電潜像を、現像剤によって現像する現像手段であり、感光体21を臨んで設けられ、感光体21の外周面にトナーを供給する現像ローラ25aと、現像ローラ25aを感光体21の回転軸線22と平行な回転軸線まわりに回転可能に支持すると共にその内部空間にトナーを含む現像剤を収容するケーシング25bとを備える。
【0077】
転写器26は、現像によって感光体21の外周面に形成される可視像であるトナー像を、図示しない搬送手段によって矢符29方向から感光体21と転写器26との間に供給される記録材(記録媒体)である転写紙30上に転写させる転写手段である。転写器26は、例えば、帯電手段を備え、転写紙30にトナーと逆極性の電荷を与えることによってトナー像を転写紙30上に転写させる非接触式の転写手段である。
【0078】
クリーナ27は、転写器26による転写動作後に感光体21の外周面に残留するトナーを除去し回収する清掃手段であり、感光体21の外周面に残留するトナーを剥離させるクリーニングブレード27aと、クリーニングブレード27aによって剥離されたトナーを収容する回収用ケーシング27bとを備える。また、このクリーナ27は、図示しない除電ランプと共に設けられる。
【0079】
また、画像形成装置20には、感光体21と転写器26との間を通過した転写紙30が搬送される下流側に、転写された画像を定着させる定着手段である定着器31が設けられる。定着器31は、図示しない加熱手段を有する加熱ローラ31aと、加熱ローラ31aに対向して設けられ、加熱ローラ31aに押圧されて当接部を形成する加圧ローラ31bとを備える。
【0080】
この画像形成装置20による画像形成動作は、次のようにして行われる。まず、感光体21が駆動手段によって矢符23方向に回転駆動されると、露光手段28による光28aの結像点よりも感光体21の回転方向上流側に設けられる帯電器24によって、感光体21の表面が正または負の所定電位に均一に帯電される。
【0081】
次いで、露光手段28から、感光体21の表面に対して画像情報に応じた光28aが照射される。感光体21は、この露光によって、光28aが照射された部分の表面電荷が除去され、光28aが照射された部分の表面電位と光28aが照射されなかった部分の表面電位とに差異が生じ、静電潜像が形成される。
【0082】
次いで、露光手段28による光28aの結像点よりも感光体21の回転方向下流側に設けられる現像器25から、静電潜像の形成された感光体21の表面にトナーが供給されて静電潜像が現像され、トナー像が形成される。
【0083】
感光体21に対する露光と同期して、感光体21と転写器26との間に、転写紙30が供給される。転写器26によって、供給された転写紙30にトナーと逆極性の電荷が与えられ、感光体21の表面に形成されたトナー像が、転写紙30上に転写される。
【0084】
次いで、トナー像の転写された転写紙30は、搬送手段によって定着器31に搬送され、定着器31の加熱ローラ31aと加圧ローラ31bとの当接部を通過する際に加熱および加圧され、トナー像が転写紙30に定着されて堅牢な画像となる。このようにして画像が形成された転写紙30は、搬送手段によって画像形成装置20の外部へ排紙される。
【0085】
一方、転写器26によるトナー像の転写後も感光体21の表面上に残留するトナーは、クリーナ27によって感光体21の表面から剥離されて回収される。このようにしてトナーが除去された感光体21の表面の電荷は、除電ランプからの光によって除去され、感光体21の表面上の静電潜像が消失する。その後、感光体21はさらに回転駆動され、再度帯電から始まる一連の動作が繰り返されて連続的に画像が形成される。
また、画像形成装置21は、機種によって上記のクリーニング手段27と除電手段を装備していないものであってもよい。
【実施例】
【0086】
以下に実施例および比較例に基づいて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
【0087】
(実施例1)
下記の成分:
金属酸化物微粒子:シリカコート酸化チタン微粒子 1重量部
(昭和電工株式会社製、製品名:マックスライト(登録商標)TS−043)
結着樹脂:ポリアミド樹脂 9重量部
(東レ株式会社製、製品名:アミラン(登録商標)CM8000)
溶剤:エタノール 50重量部
溶剤:テトラヒドロフラン 50重量部
を容量20,000mlの撹拌タンクに投入した。次いで、容量16,500mlの横型ビーズミルに分散メディアとして直径0.5mmの窒化ケイ素製ビーズを容量80%まで投入した分散機に、ダイヤフラムポンプを介して、撹拌タンクの成分を流速3,000ml/分程度で送液し、15時間循環分散しさせて下引き層用塗布液3,000gを調製した。
得られた塗布液を容量2,500mlの塗工槽に満たし、導電性支持体1としての直径30mm、全長340mmのアルミニウム製円筒状支持体を浸漬し、引き上げた後、自然乾燥させて膜厚0.15μmの下引き層2を導電性支持体1上に形成した。
【0088】
次いで、下記成分:
電荷発生材料:τ型無金属フタロシアニン 2重量部
(東洋インキ株式会社製、製品名:Liophoton TPA−891)
結着樹脂:ポリビニルブチラール樹脂 2重量部
(積水化学工業株式会社製、製品名:エスレックBM−S)
溶剤:メチルエチルケトン 100重量部
を混合し、さらに分散メディアとしてZrO2ビーズ(φ3mm)を 30容量%充填した容量4,000mlのボールミルで12時間分散処理して、電荷発生層用塗布液2,000gを調製した。
得られた塗布液を、下引き層形成の場合と同様の浸漬塗布法で先に設けた下引き層2上に塗布し、120℃で10分間熱風乾燥させて膜厚0.8μmの電荷発生層3を形成した。
【0089】
次いで、下記成分:
フィラー:ジメチルジクロロシラン表面処理シリカ粒子(平均粒径17nm)1重量部
(キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク製、製品名:TS−610)
結着樹脂:ポリカーボネート樹脂 1重量部
(三菱エンジニアリングプラスチック株式会社製、製品名:Z200)
溶剤:シクロヘキサノン 80重量部
を混合し、さらに分散メディアとしてZrO2ビーズ(φ3mm)を50容量%充填した容量5,000mlのボールミルで5時間分散処理して、電荷輸送層1次分散液(A)500mlを調製した。
また、フィラーとしてのシリカ粒子の配合量をそれぞれ7重量部および14重量部としたこと以外は上記と同様にして、2種類の電荷輸送層1次分散液(B)および(C)を調製した。
【0090】
次いで、下記成分:
電荷輸送材料:下記構造式(I)で示されるエナミン化合物 18重量部
結着樹脂:ポリカーボネート樹脂 20重量部
(三菱エンジニアリングプラスチック株式会社製、製品名:Z200)
レベリング剤:メチルフェニルシリコーンオイル 0.02重量部
(信越化学工業株式会社製、製品名:KF50)
溶剤:テトラヒドロフラン 120重量部
を、それぞれ電荷輸送層用1次分散液(A)、(B)および(C)と混合し、さらに分散メディアとしてZrO2ビーズ(φ3mm)を 50容量%充填した容量1,000mlのボールミルで15時間分散処理して、3種の電荷輸送層用塗布液(A)、(B)および(C)をそれぞれ900g調製した。
【0091】
【化1】

【0092】
スプレー銃に、得られた3種の電荷輸送層用塗布液をそれぞれ充填し、フィラー濃度の低い塗布液から順に、すなわち電荷輸送層用塗布液(A)、(B)および(C)の順に先に設けた電荷発生層3上に塗布した。なお、1種の塗布液を塗布した後、塗膜が乾燥する前に、導電性支持体1のアルミニウム製円筒状支持体を回転数60rpmで10分間回転させて、前乾燥させた。3種の塗布液を塗布した後、120℃で60分間熱風乾燥させて、3層からなる膜厚30μmの電荷輸送層4を形成し、図1に示される構成の感光体を得た。
【0093】
上記と同様にして、屈折率測定用の感光体サンプルを作製した。
得られた感光体サンプルを、ミクロトーム(Reichert−Nissei製、型式:ULTRACUT N)を用いて膜面方向にカッティングして測定用サンプルを準備し、エリプソメーター(J.A.Woollam製、型式:M−2000U)を用いて、電荷輸送層の膜厚方向の屈折率を算出した。
電荷輸送層の表面近傍の屈折率Naが2.12、電荷輸送層の電荷発生層との界面近傍の屈折率Nbが1.23で、電荷輸送層の屈折率が電荷発生層側から膜厚方向に1.23から2.12に段階的に変化していることがわかった。
【0094】
(実施例2)
電荷輸送層用塗布液(A)、(B)および(C)のシリカ粒子の配合量をそれぞれ0.5重量部、5重量部および10重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を得た。
実施例1と同様にして電荷輸送層の屈折率を測定したところ、電荷発生層側から膜厚方向に1.15から1.94に段階的に変化していることがわかった。
【0095】
(実施例3)
電荷輸送層用塗布液(A)、(B)および(C)のシリカ粒子の配合量をそれぞれ1重量部、14重量部および21重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を得た。
実施例1と同様にして電荷輸送層の屈折率を測定したところ、電荷発生層側から膜厚方向に1.25から2.43に段階的に変化していることがわかった。
【0096】
(実施例4)
電荷輸送材料として構造式(I)で示されるエナミン化合物18重量部の代わりに、下記構造式(II)で示されるエナミン化合物10重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を得た。
なお、構造式(II)で示されるエナミン化合物を、特許第4101668号公報に記載の方法により製造した。
実施例1と同様にして電荷輸送層の屈折率を測定したところ、電荷発生層側から膜厚方向に1.30から2.24に段階的に変化していることがわかった。
【0097】
【化2】

【0098】
(比較例1)
フィラーを含有する電荷輸送層用1次分散液を用いず、1種の電荷輸送層用塗布液を調製し、得られた電荷輸送層用塗布液を下引き層および電荷発生層形成の場合と同様の浸漬塗布法で電荷輸送層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして感光体を得た。
実施例1と同様にして電荷輸送層の屈折率を測定したところ、1.28であった。
【0099】
(比較例2)
フィラーとしてのシリカ粒子の配合量を8重量部とした1種の電荷輸送層用1次分散液を調製し、これを混合した1種の電荷輸送層塗布液を調製し、得られた電荷輸送層用塗布液を下引き層および電荷発生層形成の場合と同様の浸漬塗布法で電荷輸送層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして感光体を得た。
実施例1と同様にして電荷輸送層の屈折率を測定したところ、1.75であった。
【0100】
(比較例3)
フィラーとしてのシリカ粒子の配合量を20重量部とした1種の電荷輸送層用1次分散液を調製し、これを混合した1種の電荷輸送層塗布液を調製し、得られた電荷輸送層用塗布液を下引き層および電荷発生層形成の場合と同様の浸漬塗布法で電荷輸送層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして感光体を得た。
実施例1と同様にして電荷輸送層の屈折率を測定したところ、2.32であった。
【0101】
得られた実施例1〜4および比較例1〜3の感光体について、(a)加速疲労試験および(b)実機耐刷試験を実施した。
【0102】
(a)加速疲労試験
加速疲労試験用に改造し、かつ画像形成工程における感光体の表面電位を測定できるように表面電位計(トレック・ジャパン株式会社製、型式:MODEL344)を設けたデジタル複写機(シャープ株式会社製、型式:MX−M450N)に感光体を搭載し、高温/高湿下(H/H、35℃/85%)の環境下で、露光量0.6μJ/cm2での照射時の感光体上の表面電位VL(V)を測定し(初期帯電電圧−600V、露光現像時間70msec)、帯電−露光−除電を3万回繰り返した後の露光時のVL(V)と1回目(初期)の露光時のVL(V)との差をΔVL(V)として繰り返し電気特性を比較した。
【0103】
(b)実機耐刷試験
デジタル複写機(シャープ株式会社製、型式:MX−M450N)に感光体を搭載し、各特性の耐久性を評価するため、300K枚の実写エージング終了時における感度特性、画像特性および耐刷性を評価した。
感度特性(電気特性)を、露光量0.6μJ/cm2での照射時の表面電位を基準に評価した。
【0104】
画像特性を、1200dpiで印字した際のドット(DOT)の再現性の顕微鏡観察により評価した。
(評価基準)
G(GOOD):DOTが再現できている
NG(NOT GOOD):若干のDOTぼけが見られるが、実使用上問題なし
B(BAD):DOTぼけが大きく、画像上目視で確認できる
【0105】
キズレベルを、300K枚の実写エージング終了後における感光体ドラム面上の表面粗さを基準に評価した。表面粗粗さ測定機(東京精密製、Surfcom 1400D)を用い、Rz(10点平均粗さ)、及びPc(ピークカウント)を指標とした。
(評価基準)
キズレベル1: Rz:0.6以下かつPc:10以下
2: Rz:0.8以下かつPc:20以下
3: Rz:1.0以下かつPc:20以下
4: Rz:1.5以下かつPc:30以下
5: Rz:1.5以上あるいは Pc:30以上
耐刷性(耐久性)を、感光体の100K回転後の膜減り量(μm/100K回転)を基準に評価した。
得られた結果を電荷輸送層の屈折率と共に表1に示す。
【0106】
【表1】

【0107】
表1の結果から、電荷輸送層の表面近傍から電荷発生層との界面近傍に向かい段階的に低下する屈折率Nを有する電荷輸送層が積層された本発明の感光体(実施例1〜4)は、耐刷性に優れ、高解像度で長期にわたって安定に動作し得ることがわかる。
一方、電荷輸送層の表面近傍から電荷発生層との界面近傍に向かい段階的に低下する屈折率Nを有さない電荷輸送層が積層された従来の感光体(比較例1〜3)は、本発明の感光体と比較して、耐刷性、解像度および長期にわたる安定動作性に劣ることがわかる。具体的には、電荷輸送層の屈折率が低い、すなわちフィラーの含有量が少ない場合には、フィラー本来の耐刷性を向上させる効果が発揮されず、感光体表面にキズがつき易いことがわかる(比較例1参照)。一方、電荷輸送層の屈折率が高い、すなわちフィラーの含有量が多い場合には、感光体表面にキズがつき難くなるものの、電気特性(感度特性)が低下することがわかる(比較例2および3参照)。
【符号の説明】
【0108】
1 導電性支持体
2 下引き層
3 電荷発生層
4 電荷輸送層
5 積層型感光層
【0109】
20 画像形成装置
21 電子写真感光体
22 回転軸線(感光体回転軸)
23、29 矢符
24 帯電手段(帯電器)
24a 帯電ローラ
24b バイアス電源
25 現像手段(現像器)
25a 現像ローラ
25b ケーシング
26 転写手段(転写器)
27 クリーニング手段(クリーナ)
27a クリーニングブレード
27b 回収用ケーシング
28 露光手段
28a 光
30 記録材(転写紙)
31 定着手段(定着器)
31a 加熱ローラ
31b 加圧ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性支持体上に、下引き層と、電荷発生材料を含有する電荷発生層と、少なくとも電荷輸送材料およびフィラーを含有する電荷輸送層とが順次積層され、
前記電荷輸送層の屈折率Nが、
(1)次式:
Na>Nb
(式中、Naは前記電荷輸送層の表面近傍の屈折率を示し、Nbは前記電荷輸送層の前記電荷発生層との界面近傍の屈折率を示す)の関係を満足しかつ
(2)前記電荷輸送層の表面近傍から前記電荷輸送層の前記電荷発生層との界面近傍に向かい段階的に低下する
ことを特徴とする電子写真感光体。
【請求項2】
前記電荷輸送層の表面近傍の屈折率Naが1.90〜2.50であり、かつ前記電荷輸送層の前記電荷発生層との界面近傍の屈折率Nbが1.10〜1.40である請求項1に記載の電子写真感光体。
【請求項3】
前記電荷輸送層が、前記導電性支持体に平行な少なくとも3層の多層構造を有し、かつ該多層構造の中間層におけるフィラーの含有量が、前記電荷発生層側の隣接する層よりも多くかつ前記電荷輸送層の表面側の隣接する層よりも少ない請求項1または2に記載の電子写真感光体。
【請求項4】
前記フィラーが、シリカ粒子である請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
【請求項5】
前記電荷輸送材料が、下記構造式(I):
【化1】

で示されるエナミン化合物である請求項1〜4のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、露光によって形成された前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、現像によって形成された前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、転写された前記トナー像を前記記録材上に定着して画像を形成する定着手段と、前記電子写真感光体に残留するトナーを除去し回収するクリーニング手段とを少なくとも備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−109298(P2013−109298A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256547(P2011−256547)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】