説明

電子写真装置

【目的】 電子写真装置で、クリーニングシートが通紙されないことによる搬送ミスや、クリーニングシート同士がくっついたりすることをなくす。
【構成】 給紙カセット17の下部にクリーニングシート27を所定枚数だけ収納する保存部28を設ける。クリーニングシート27間にはハクリ紙30を入れてくっつきにくくする。紙粉がローラに付着して搬送ミスを起こしやすくなる時期に、蓋29を開けて保存部28中からクリーニングシート27を1枚取り出し、給紙カセット17上にセットし、白紙印字をさせて給紙経路内の各ローラをクリーニングする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真装置に関し、特に用紙送りローラの紙粉及びトナー付着をクリーニングするクリーニングシートの収納構造を改良したものに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に複写機等の電子写真装置においては、多数枚の用紙を通紙して行くと、用紙をさばくことによって生じる紙粉やトナーが紙送りローラ対等の各ローラ表面に付着してゆき、各ローラ表面の摩擦係数を低下させ、搬送力を低下させてしまうことが多い。
【0003】そのため、ある程度の枚数を通紙したら、粘着剤を塗布したクリーニングシートを通紙して、ローラの表面から紙粉を取り除くための技術が開発されている。そのような技術には、例えば特開昭63−185159号に開示された、給紙部に着脱できる枠体にクリーニングピースを入れるものや、特開平2−196270号に開示された、クリーニング用紙と消耗品を収納容器内に一緒に梱包するものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このクリーニングシートは装置寿命までに数十枚通紙しなければならないが、装置購入時に同梱してあっても購入した使用者がなくしてしまったり、クリーニングシート同士がくっついたりすることが多く、従ってクリーニングシートが通紙されずに搬送ミス等が発生しやすいという問題があった。また、使用者がクリーニングシートを通紙する前に、画像設定等の面倒な設定作業を行わなければならず、非常に面倒なものとなっていた。
【0005】本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなしたもので、クリーニングシートが通紙されないことによる搬送ミスや、クリーニングシート同士がくっついたりすることがなく、従って簡単にローラーのクリーニングを行なえる電子写真装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電子写真装置は上記目的を達成するために、給紙カセットから画像転写用の用紙を供給する電子写真装置において、所定の枚数の用紙を通紙した後に通紙して装置内の各ローラをクリーニングするクリーニングシートを所要枚数を保存する保存部を、上記給紙カセットに一体に設ける構成としたものである。
【0007】また本発明に係る電子写真装置は、上記保存部が収納するクリーニングシート間にハクリ紙を挟んで保存する構成とすることができる。
【0008】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照して説明する。まず図1により本発明に係る電子写真装置の一実施例であるレーザープリンタの内部機構の全体構成の概略を説明する。
【0009】図中10は装置本体で、上構造体10aと下構造体10bとからなり、上構造体10aは下構造体10bに軸11によって開閉自在に取付けてある。また装置本体10内には、ほぼ中央に感光体12を配してある。
【0010】感像体12の周りには、矢印で示すその回転軸方向に順に、光書き込み手段を除いた他の電子写真プロセス手段、即ち帯電手段13、現像手段14、転写手段15、クリーニング手段16を配置する。そして、これらの上側に給紙カセット17を配置し、下側に光書き込み手段18を配置する。
【0011】給紙カセット17から給紙ローラ19によって給紙された用紙は、レジストローラ対20によってタイミングをとられて感光体12の上側に搬送される。感光体12は、矢印で示すように反時計方向に回転駆動され、その際、帯電手段13によつて表面を一様に帯電され、光書き込み手段18はこの感光体12上にレーザ光を照射して静電潜像を形成する。この潜像は、現像手段14を通るときトナーによって可視像化され、感光体12の上側に搬送されてきた用紙の下面にこの可視像が転写手段15により転写される。
【0012】画像を転写された用紙は、搬送ガイド23に案内されて定着手段21の定着ローラ21aと加圧ローラ217bとの間に搬送され、可視像を定着される。定着手段21を出た用紙は、さらに排紙ローラ22によって排紙部23へ搬送され、排紙ガイド25に案内されて排紙トレイ26にスタックされる。
【0013】図2は給紙カセット17を部分的に示す斜視図である。給紙カセット17の下部にはクリーニングシート27を所定の枚数だけ収納、保存する保存部28が設けてある。保存部28は開閉可能に給紙カセット17に取り付けた蓋29を有しており、クリーニングシート27はこの蓋29を開けて出し入れするようになっている。図3は保存部28内へのクリーニングシート27の収納、保持態様を示す斜視図である。即ち、クリーニングシート27には粘着剤が塗布してあるので、クリーニングシート27同士でくっつきやすく、このため図示のように、クリーニングシート27間にハクリ紙30を入れてくっつきにくくするとともに、操作者が取り出しやすくしある。
【0014】次に本実施例の動作を説明する。本実施例装置では図示は省略するが、通紙枚数をカウントしており、紙粉がローラに付着して搬送ミスを起こしやすくなる直前の枚数、例えば5000枚になったら、操作パネル31の表示部32に、例えば図4に示すように「Cleaning sheet feed」等と表示する。操作者はその表示を見て、給紙カセット17下部の蓋29を開けて保存部28中から収納されているクリーニングシート27を1枚取り出して給紙カセット17上にセットし、白紙印字をさせて給紙経路内の各ローラをクリーニングする。なお上述のような表示をした場合、セットされたクリーニングシートを自動的に通紙して白紙印字するように装置の制御部にプログラムしておけばさらに便利である。
【0015】
【発明の効果】請求項1に係る電子写真装置は以上説明してきたように、装置内の各ローラをクリーニングするクリーニングシートの保存部を給紙カセットに一体に設けるようにしたので、購入者、操作者がクリーニングシートを無くすこともなく、確実にクリーニングシートを通してもらえるようになり、クリーニングシートを通紙しないでローラー表面の摩擦力を低下させることによる搬送ミス等が少なくなるという効果がある。
【0016】請求項2にに係る電子写真装置は、保存部に収納するクリーニングシート間にハクリ紙挟んで保存するようにしたので、上記共通の効果に加え、保存部内でクリーニングシート同士がくっついたりすることがなくなり、クリーニング操作が非常に確実に行なえるようになるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子写真装置の一実施例であるレーザープリンタの内部機構の全体構成を示す概略断面図である。
【図2】図1の装置の給紙カセットを部分的に示す斜視図である。
【図3】図2の給紙カセットの保存部内におけるクリーニングシートの収納、保持態様を示す斜視図である。
【図4】図1の装置の操作パネルの表示態様の一例を示す部分斜視図である。
【符号の説明】
10 装置本体
10a 上構造体
10b 下構造体
12 感光体
17 給紙カセット
27 クリーニングシート
28 保存部
29 保存部の蓋
30 ハクリ紙
31 操作パネル
32 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 給紙カセットから画像転写用の用紙を供給する電子写真装置において、所定の枚数の用紙を通紙した後に通紙し装置内の各ローラをクリーニングするクリーニングシートを所要枚数を保存する保存部を、上記給紙カセットに一体に設けたことを特徴とする電子写真装置。
【請求項2】 上記保存部は、収納するクリーニングシート間にハクリ紙を挟んで保存するものである請求項1の電子写真装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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