電子式電力量計
【課題】端子台の手前の空間を有効利用できるようにする。
【解決手段】筺体1に収容された電力量計本体5と、該筺体1の一面の奥側の外縁に配置され、電力側および負荷側の電線Kが接続される端子台30とを備えた電子式電力量計において、機器40を収容する収容空間Sが複数の壁部35a〜35dによって形成されるカバー35を、該収容空間Sが筺体1の一面側に位置するように、端子台30の手前に取り付ける。
【解決手段】筺体1に収容された電力量計本体5と、該筺体1の一面の奥側の外縁に配置され、電力側および負荷側の電線Kが接続される端子台30とを備えた電子式電力量計において、機器40を収容する収容空間Sが複数の壁部35a〜35dによって形成されるカバー35を、該収容空間Sが筺体1の一面側に位置するように、端子台30の手前に取り付ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部と送受信できるように構成される電子式電力量計に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギー法等が改正されることにより、電力小売の自由化が行われ、需要家においては、単一の発電供給事業者における多様な電力供給の契約メニュー(料金メニュー等)の多様化や、複数の発電供給事業者間との計量(同時同量サービス)等に対応し得る多機能型の電子式電力量計が強く求められている。
【0003】
例えば、電力量計により計測される電力を、所定の信号に変換して、中央装置との間で送受信する通信機能が付加された電子式電力量計が普及されている。この種の電子式電力量計としては、例えば、負荷の電力量を計測するとともに、表示する計測表示部と、該計測表示部から計測したデータを光通信によって受光し、受光したデータを所定の信号に変換して外部の中央装置と送受信を行う通信部とが、電力量計本体に設けられたものが公知になっている(特許文献1参照)。
【0004】
該電子式電力量計によれば、外部の中央装置との送受信するための通信ケーブルが、端子台から電力量計本体内に挿通されて、通信部に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−201028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の前記電子式電力量計は、通信ケーブルを端子台に挿通して電力量計本体内の通信部に接続する必要があるため、その作業が煩雑である。また、通信ケーブルが切断された場合、電力量計本体と外部との通信が遮断されてしまうという問題がある。そこで、端子台の手前の空間に、例えば電力量計本体に電気的に接続された、通信機能を有する中継器を設けることが考えられるが、そのような記載はなく該空間を有効利用していない。
【0007】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、端子台の手前の空間を有効利用するようにした電子式電力量計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電子式電力量計は、筺体1に収容された電力量計本体5と、該筺体1の一面の奥側に設けられ、電力側および負荷側の電線Kが接続される端子台30とを備えた電子式電力量計において、機器40を収容する収容空間Sが複数の壁部35a〜35d,350bによって内部に形成されるカバー35を、該収容空間Sが筺体1の前記一面側に位置するように、端子台30の手前に取り付けることを特徴とする。
【0009】
この場合、端子台30の手前に、機器40を収容できる収容空間Sを有するカバー35を取り付けるようにしたので、端子台30の手前の空間を有効利用できる。
【0010】
また、本発明によれば、前記機器として、電力量計本体5との通信機能を有し、且つ、外部45との通信機能を有する通信機器40とするような構成を選択することもできる。
【0011】
この場合、端子台30の手前の空間に、電力量計本体5および外部45との通信が行える通信機器40を収容するようにしたので、従来のように、通信ケーブルを用いることなく、電力量計本体5および外部45との通信が簡単に行えるようになる。
【0012】
また、本発明によれば、前記電力量計本体5および前記通信機器40に、赤外線によって通信を行う赤外線通信部16,23を設け、前記収容空間Sに通信機器40を収容した前記カバー35を端子台30の手前に取り付けると、互いの赤外線通信部16,23が対向するように配置するような構成を選択することもできる。
【0013】
この場合、電力量計本体5および通信機器40において、互いの赤外線通信部16,23が対向するように、通信機器40を収容空間Sに収容するようにしたので、赤外線による通信が確実に行われるようになる。
【0014】
また、本発明によれば、前記通信機器40に、電力量計本体5および外部45との通信状態を表示する動作表示部43を備えるとともに、前記筺体1および前記カバー35の少なくともいずれか一方に、通信機器40の動作表示部43を外部から確認できる透光部4を形成するようにしてもよい。
【0015】
この場合、通信機器40が動作している状態を、筐体1の透光部4から確認できる。すなわち、電力量計本体5の表示値と同時に通信機器40の動作も確認できるようになる。
【0016】
また、本発明によれば、前記通信機器40に、端子台30に接続される電力側の電線Kと電気的に接続される電源供給アダプタ55を備えるような構成を選択することもできる。
【0017】
この場合、電源供給アダプタ55によって、端子台30に接続される電力側の電線Kから通信機器40に電源を供給するようにしたので、通信機器40に簡単かつ確実に電源を供給できるようになる。
【0018】
また、本発明によれば、前記収容空間Sを形成するカバー35の壁部35a〜35dの一部が、端子台30に配列された各端子30a,…の少なくとも前方を覆うような構成を採用することもできる。
【0019】
この場合、端子台30の各端子30a,…の少なくとも前方をカバー35の壁部35a〜35dの一部によって覆うようにしたので、各端子30aを、外部からの衝撃、塵埃、雨水から保護できるともに、絶縁保護することもできる。
【0020】
また、本発明によれば、前記筺体1と前記カバー35とは、カバー35の縁部350が筺体1の前記一面に設けられた縁部1bの内側に入り込むよう、筺体1の下縁部1bとカバー35の縁部350が嵌合するように構成するのが好ましい。
【0021】
この場合、カバー35の縁部350が筺体1の縁部1bの内面側に入り込むよう、カバー35の縁部350と筺体1の縁部1bとが嵌合するので、筐体1の内部、すなわち電力量計本体5への雨水の浸入を防止することができる。つまり、防水機能付き電子式電力量計を提供することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本発明に係る電子式電力量計によれば、機器を収容する収容空間が内部に形成されるカバーを、筺体の一面の奥側に設けられる端子台の手前に取り付けて、該収容空間が筐体の一面側に位置するようにしたので、端子台の手前の空間を有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】(a)は、本発明の一実施形態に係る電子式電力量計の斜視図、(b)は、電子式電力量計の正面図。
【図2】電子式電力量計の要部の側断面図。
【図3】端子台カバーと、端子台カバーの凹部に収容された中継器と、電源側の電線とリード線を電気的に接続する電源供給アダプタの斜視図。
【図4】(a)は、本発明の一実施形態に係る電子式電力量計の筺体の正面図、(b)は、筺体の平面図。
【図5】(a)は、筺体の側面図、(b)は、筺体の底面図。
【図6】筺体の切断側面図。
【図7】本発明の一実施形態に係る電子式電力量計のブロック図。
【図8】表示端末のブロック図。
【図9】(a)は、本発明の一実施形態に係る電子式電力量計の電源供給アダプタの正面図、(b)は、図9(a)の背面図。
【図10】(a)は図9(a)の平面図、(b)は図9(a)の側面図。
【図11】電源供給アダプタの概略断面図。
【図12】(a)は、電源供給アダプタのアダプタ本体の正面図、(b)は、背面図。
【図13】(a)は、図12(a)の平面図、(b)は、図12(a)の側面図。
【図14】(a)は、本発明の一実施形態に係る電源供給アダプタの挿通ホルダの正面図、(b)は、図14(a)の背面図。
【図15】(a)は、図14(a)の平面図、(b)は、図14(a)の側面図。
【図16】(a)〜(c)は、電源供給アダプタに内挿される接触子の正面図、平面図、側面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る電子式電力量計の一実施形態について図1〜図16を参照しながら説明する。該電子式電力量計は、図1〜図3に示すように、略直方体形状の透明樹脂製の筐体1と、該筺体1に収容された電力量計本体5と、筺体1の底面の奥側の外縁に垂設された端子台30と、筺体1の底面および端子台30を覆う端子台カバー35と、端子台カバー35の複数の壁部35a〜35d,350bによって内部に形成される収容空間Sに収容された中継器40と、外部に設けられ、電力量計本体5の送受信部とデータを送受信する表示端末(図7参照)45とを備えている。
【0025】
筺体1は、図1〜図6に示すように、筺体1の縦寸法よりも長い略矩形状の背板1aに取り付けられ、背板1aの下部が外部に臨出している。そして、筺体1の左右の両側部および上部中央にボルトBが挿通されており、各ボルトB,…に対してドライバによる締結作業が行いやすいように、左右の両側部および上部中央に凹状の溝2,…が前側から後側に沿って形成されている。また、正面の上部に、計量値が表示される表示窓3が形成されるとともに、正面の下部に、後述する中継器40の動作表示部43を確認するための透光部4が形成されている。また、筺体1の下縁部1aと、後述する端子台カバー35の上縁部350とが嵌合するように構成されており、図2に示すように、カバー35の上縁部350を、筺体1の下縁部1bの内面側において、該下縁部1bよりも上方に位置させる。これによって、電力量計本体5内部への浸水を防止している。
【0026】
電力量計本体5は、図7に示すように、電圧および電流を計測する電圧・電流計測手段6と、該電圧値および電流値に基づく計量値、具体的には、現在計測されている現在計量値および所定の日時に確定される計量確定値を表示する表示部7と、該表示部7を制御して前記計量値を表示させるCPU(Central Processing Unit)(制御手段)8と、外部からの指令を前記CPU8に供給する指令供給手段9とを備えている。なお、図7に示す電子式電力量計においては、電圧・電流計測手段6で計測された電圧値と電流値を演算して得られる電力値に比例した計量パルスに変換してCPU8に供給するW/Fコンバータ10が設けられている。
【0027】
電圧・電流計測手段6には、被電力計量回路(三相3線式配電線路)における1S、1L、および3S,3Lからの入力電流を微少電流に変換し、W/Fコンバータ10に供給する一対の変流器6a,6aと、被電力計量回路(三相3線式配電線路)におけるP1、P2、P3からの(実効)電圧へのサージ電圧等の侵入を阻止するノイズフィルタ6bと、該ノイズフィルタ6bを通過した入力電圧をW/Fコンバータ10の演算動作に適した値に変換する降圧回路6cとが設けられている。該ノイズフィルタ6bには、入力電圧を降圧・整流してCPU8および各回路に供給する電源回路21が接続されている。
【0028】
W/Fコンバータ10には、演算用の基準クロック信号を供給する水晶発信回路10bと、演算用の基準電圧を供給する基準電圧回路10cが接続されており、前記CPU8には、演算および制御用の基準クロック信号を供給する水晶発信回路8b、リセット回路8c、および時間帯区分選択ジャンパー8dが接続されており、さらに、W/Fコンバータ10から供給された計量パルスを外部に出力する計量パルス出力回路22が接続されている。
【0029】
W/Fコンバータ10とCPU8とは、W/Fコンバータ10で変換された計量パルスをCPU8に供給する信号線8aと、CPU8によりW/Fコンバータ10を制御し、W/Fコンバータ10から計量パルスを読み出す信号を供給する信号線10aとで接続されている。
【0030】
表示部7は、計測情報を表示する液晶表示板11と、該液晶表示板11を駆動する液晶ドライバ12とを有しており、該液晶ドライバ12は、制御可能なようにCPU8に接続されている。
【0031】
また、表示部7は、CPU8により制御されることで、前記計量値、即ち、現在計量値および計量確定値を表示するように構成されている。詳しくは、前記現在計量値は、時間帯別電力量、時間帯区分、最大需要電力、現在需要電力、力測有効電力量、および力測無効電力量を含んでおり、計量確定値は、時間帯別電力量、時間帯区分、最大需要電力、累積最大需要電力、力測有効電力量、力測無効電力量、および力率を含んでいる。
【0032】
指令供給手段9は、外部から送信された赤外線パルスを受信して受信データに復調してCPU8に供給する赤外線受光器9aを有している。
【0033】
そして、CPU8には、電気的に書込みおよび書換えの可能なEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)(不揮発性メモリ)15が接続されている。該EEPROM15は、CPU8によって制御されることで、前記計量パルスに基づいてCPU8にて演算された前記計量値の保存および読み出しが可能な状態に制御されており、停電時および計量確定時に前記計量値を保存(サンプリング)している。
【0034】
また、中継器40は、外部から送信された赤外線パルスを受信するとともに、前記指令供給手段9の赤外線受光器9aに赤外線パルスを送信するフォトトランジスタからなる赤外線ピックアップ16を備えている。
【0035】
また、電圧・電流計測手段6にて計測された電圧値および電流値に基づく計量値を外部に送信する送信部20が設けられている。詳しくは、該送信部20は、CPU8に接続されており、送信するデータである現在計量値および計量確定値をCPU8を介してEEPROM15から変調パルスとして受け取る論理回路部20aと、該変調パルスを赤外線パルスに変換して前記赤外線ピックアップ16に送信する赤外線LED20bとを有している。この赤外線LED20bと赤外線ピックアップ16とによっていわゆるフォトカプラが形成されており、電力量計本体5と赤外線ピックアップ16とは、電流の変化によって信号を伝送する回路によって接続され、相互に通信可能な状態となっている。また、送信部20と赤外線受光器9aとで電力量計本体5の赤外線通信部23が構成されている。
【0036】
端子台30は、図2および図4(a)に示すように、左右方向に配列された複数の端子30aを有しており、該各端子30aは、図2および図6に示すように、電力側および負荷側の電線Kが接続される上下方向に形成された接続孔31と、該接続孔31に対して直交方向に形成された上下一対のねじ孔32と、該各ねじ孔32に螺着されたボルト33とを備えている。
【0037】
端子台カバー35は、図1(a)、(b)〜図3に示すように、端子台30の電線の接続孔31を臨出させるための開口部350が奥側に形成された下面被覆部35aと、左右の両側に配置された略直角三角形状の側面被覆部35bと、該各側面被覆部35bの斜辺に跨って形成された略矩形状の前面被覆部35cと、端子台30の前方に、該端子台30に平行して配置される矩形状の端子台用被覆部35dとを備えている。そして、図2に示すように、側面被覆部35bの短辺が端子台30の手前に配置され、長辺が筺体1の底面の両側辺に沿うように配置される。また、前面被覆部35cの長辺が筺体1の底面の前辺に沿うように配置される。そして、図3に示すように、端子台用被覆部35dの端子台30側の面には、該端子台30の縦寸法および横寸法が同一のゴム板36が固着されており、端子台30の各端子30aに対して絶縁されるように構成されている。また、各側面被覆部35bは、端子台30側とは反対側の面の両側部から前方に延出される一対の支持片350bと、前面被覆部35cとで、中継器40を収容するための略三角柱状の収容空間Sを形成している。また、各側面被覆部35bから側方に延出された、端子台30に端子台カバー35を取り付けるための取付部35eを備えている。そして、下面被覆部35aには、後述するリード線Rが挿通される複数の孔35fが形成されている。
【0038】
中継器40は、各支持片350bと、端子台用被覆部35dと、前面被覆部35cとで形成される矩形状の開口部よりもやや小さい縦寸法及び横寸法を有しており、筐体1の底面に対して面一で、収容空間Sにきっちりと収容される。また、中継器40は、電力量計本体5の赤外線通信部23からの赤外線パルスを送受信する赤外線通信部としての赤外線ピックアップ16と、赤外線パルスに対応するデータを無線に変換するデータ変換部と、アンテナ42を介して表示端末45と送受信する外部通信部と、赤外線ピックアップ16および外部通信部の各動作を表示する動作表示部43とを備えている。
【0039】
表示端末45は、電力量計本体5と離隔して設けられ、前記送信部20から送信された前記計量値を受信して電力の使用状況に関する情報に変換し、しかも、該情報を表示し得るように構成されている。該表示端末45のブロック図は、図8に示すように、電力の使用状況に関する情報を表示する表示部46と、上述した中継器40から微弱無線で送信された計量値を受信するとともに、中継器40に指令を微弱無線で送信する送受信部47と、電力量計本体5や表示端末45自体を操作するための指令や各種データを手動で入力する操作入力部48と、前記送受信部47で受信した計量値に関するデータ(以下、計測データという。)を記憶する情報記憶部(メモリ)49と、該情報記憶部49から計測データを取り出し、該計測データを電力の使用状況に関する情報に演算、変換して表示部46に表示させるととともに、前記送受信部47および操作入力部48を制御する情報制御部50と、前記表示部46、受信部47、情報制御部50、操作入力部48、および情報記憶部49に駆動電力を供給する電源部51とを備えている。
【0040】
また、表示端末45は、前記電力量計本体5から所定時間間隔にてEEPROM15内の前記計量値が送信されている。詳しくは、CPU8によりEEPROM15が制御され、停電時および計量確定時にEEPROM15に保存されていた現在計量値および計量確定値が所定時間間隔でCPU8を介して送信部20に変調パルスで送信されている。そして、送信部20の論理回路部20aで前記変調パルスが赤外線パルスに変換されて赤外線LED20bから前記赤外線ピックアップ16に送信されている。
【0041】
ここで、電力側の電線Kと中継器40を電気的に接続するための電源供給アダプタについて、図1(a)、(b)〜図3および図9(a)、(b)〜図16(a)〜(c)を参照して説明する。該電源供給アダプタ55は、電源側の電線Kとリード線Rとを電気的に接続するアダプタ本体60と、電力側の電線Kおよびリード線Rを挿通支持する挿通ホルダ70とを備えている。
【0042】
アダプタ本体60は、図12(a)、(b)および図13(a)、(b)に示すように、略直方体形状の基体61と、該基体61の両側に形成された挿通孔62,62と、基体61の一面において、挿通孔62,62に連通するように形成された、挿通孔62,62よりも開口面積が大きい四角形状の開口部63,63と、挿通孔62,62の上側と左右の両側を囲むように配置された後述する接触子80の位置決め部64,…と、該位置決め部64,…の周囲に形成された、後述する挿通ホルダ70の第1位置決め部76が挿入される第1挿入溝65と、バネ85の挿入凹部66と、後述する挿通ホルダ70の係止片75が係合する係合溝67と、基体61の他面において、挿通孔62,62の周縁部に沿って形成された環状の保持部68,68と、皿ネジの頭部が挿入される皿孔69とを備えている。
【0043】
挿通ホルダ70は、図14(a)、(b)および図15(a)、(b)に示すように、平面視略矩形状の基板71と、該基板71の一面に対して直交する方向に突設された、電力側の電線Kが挿通される一対の筒状の挿通部72,72と、各挿通部72,72の間に形成された一対の挿通孔73,73と、基板71の他面に対して直交する方向に、かつ、各挿通部72,72の間(基板71の中央部)に突設された雌ねじ74と、該雌ねじ74の上方および下方に、雌ねじ73に平行するように配置された一対の係止片75,75と、基板71の両側に配置された一対のL字形状の第1位置決め部76,76と、所定の間隔をおいて突設された第2位置決め部77,77とを備えている。そして、図15(a)、(b)に示すように、挿通部72,72の上側の周面が円弧状に切欠され、該切欠部78,78から電力側の電線Kの被覆部が外部に臨出するようになっている。
【0044】
接触子80は、電力側の電線Kの電気的接続と、該電力側の電線Kから中継器40に電源を供給するためのリード線Rとの電気的接続がなされている。具体的に言うと、図16(a)〜(c)に示すように、アダプタ本体60の各開口部63,63に配置され、電線Kの挿通孔62,62の直径と略同一になるように、両側部が直角に折り曲げられた接触子本体80aと、接触子本体80aの両側部から外側に向かうにしたがって大きく開口した一対の第1接触部81,81と、斜め上方に折り曲げられた、電線Kの挿通孔62,62の直径よりもやや小さい幅寸法の第2接触部82とを備えている。そして、各接触子80,80がアダプタ本体60の各位置決め部64,64に内挿された場合、図11に示すように、各接触子80,80の第2接触部82がバネ85に付勢され、対向する第1接触部81,81に、中継器40に電源を供給するためのリード線Rが半田付けされる。
【0045】
そして、電源側の電線Kの絶縁被覆を剥離して、芯線kを露出させる。この芯線kが挿通孔に挿通されるにしたがって、接触子80がバネ85の付勢に抗して押し上げられるとともに、芯線kに圧接するようになる。すなわち電源側の電線Kと接触子80とが電気的に接続されるようになる。また、接触子80に半田付けされたリード線Rも、電源側の電線Kと電気的に接続されるようになる。つまり、リード線Rを介して中継器40に電源が供給されるようになる。そして、芯線kが電源供給アダプタ55の挿通孔から挿通された状態で、電線Kの絶縁被覆を挿通部の切欠部78に巻回されたインシュロックバンド(図示せず)によって、電線Kを電源供給アダプタ55に固定する。この状態で、端子台30の各端子30aの接続孔31に挿入するとともに、各端子30aのボルトを締め付ける。
【0046】
つぎに本実施形態に係る電子式電力量計の動作について説明する。電力量計本体5のW/Fコンバータ10では、電圧・電流計測手段6で計測された電圧値と電流値を演算して得られた電力量に比例した計量パルスに変換され、該計量パルスが信号線8aを通ってCPU8に供給されている。該CPU8は、内部に格納されているプログラムに従い、前記計量パルスを計量パルス出力回路22に供給し、該計量パルス出力回路22を制御して外部に出力させる一方、前記表示部7の液晶ドライバ12を制御し、液晶表示板11を駆動させて前記計量パルスに基づく計測情報を表示させている。
【0047】
この状態で、前記表示端末45には、前記電力量計本体5から所定時間間隔にてEEPROM15内の前記計量値が送信されている。詳しくは、CPU8によりEEPROM15が制御され、停電時および計量確定時にEEPROM15に保存されていた現在計量値および計量確定値が所定時間間隔でCPU8を介して赤外線送信部20に変調パルスで送信されている。そして、赤外線送信部20の論理回路20aで前記変調パルスが赤外線パルスに変換されて赤外線LED20bから中継器40の赤外線ピックアップ16に送信されている。次いで、赤外線ピックアップ16に送られた赤外線パルスは、微弱無線に変換されて表示端末45に送信されている。
【0048】
そして、表示端末45の送受信部47で前記微弱無線が受信され、現在計量値および計量確定値に対応する計測データが情報記憶部49に記憶される。そして、該情報記憶部49に記憶された計測データは、所定時間間隔で情報制御部50に送られ、該情報制御部50において電力の使用状況に関する情報に演算、変換されて表示部46に表示される。具体的には、計測データが所定期間内の時間推移でグラフ化されたり、計測データに基づいて、前日と今日、前月と今月、前年と今年の使用電力量や電気料金との比が演算されたりして、省エネルギー法で求められている、電気エネルギーの使用状況の管理に有用な情報(例えば、最大電力の目標値との比較、使用電力量のCO2(二酸化炭素)排出量への換算)に加工され、表示部46に表示される。
【0049】
以上説明したように、本実施形態の電子式電力量計によれば、計量値を受信して電力の使用状況に関する情報に変換するように構成されているので、需要家においては、現在の電力の使用状況や過去の使用実績の把握が容易となり、多様な契約メニューに対応することができるようになる。しかも、電力の使用状況に関する情報が、電力量計本体5と離隔して設けられた表示端末45に受信されて変換され、且つ、表示されるので、情報収集が容易に行えるとともに、収集された情報も正確なものとなる。
【0050】
また、本実施形態に係る電子式電力量計は、電力量計本体5のEEPROM(不揮発性メモリ)15に計量値が記憶され、不揮発性メモリ15内の計量値が所定時間間隔にて電力量計本体5と離隔した表示端末45に送信されるように構成されているので、電力量計本体5から自動的に、しかも、遠隔操作により計量値を表示端末45に収集することができるようになる。
【0051】
また、本実施形態に係る電子式電力量計は、表示端末45が、受信した計量値を記憶する情報記憶部49を有し、且つ記憶された計量値を電力の使用状況に関する情報に変換し得るように構成されているので、必要な時に必要に応じて電力の使用状況に関する情報を表示端末45に表示させることができるようになる。
【0052】
また、本実施形態に係る電子式電力量計は、電力量計本体5の赤外線送信部20から赤外線で送信した計量値を、端子台カバー35の内部に収容された中継器40で無線に変換するようにしているので、電力量計本体5が交換された場合、これに伴って安価な赤外線LED(赤外送信器)20bが交換されるものの、高価な無線通信手段、すなわち中継器40を交換する必要がなく、その分、コストを低減できる。
【0053】
また、本実施形態に係る電子式電力量計は、電力量計本体5を交換した場合、該電力量計本体5の赤外線送信部20から赤外線パルスを中継器40に送信するだけで、電力量計本体5からの計量値を表示端末45に送信することができるように構成されている。
【0054】
また、中継器40が無線通信手段であることから、中継器40と電力量計本体5との配線工事が不要になり、その分、コストを低減できる。
【0055】
また、前記実施形態の場合、中継器40の無線通信方式については限定していないが、例えば、一方向性の無線通信方式(所謂ラジオ無線通信方式)、携帯電話網やPHS通信などの双方向性の無線通信方式があり、これらの無線通信方式に対応した中継器を作製しておくことが好ましい。この場合、無線通信方式に対応した中継器40をセットするだけで、電力量計本体5から表示端末45に計量値を送信することができる。上述した無線通信方式は、需要家の立地条件や表示端末の受信性能に応じて異なるものである。
【0056】
また、表示端末45が不要な場合は、端子台カバー35に収容された中継器40を取り出して、電力量計本体5のみで、計量値を表示すればよい。
【0057】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されず、本発明が意図する範囲で、種々の形態の実施が可能である。
【0058】
前記実施形態の場合、筐体1の下面の奥側の外縁に端子台30を配置するようにしたが、例えば左右の両側面の奥側の外縁いずれかであってもよい。
【0059】
また、前記実施形態の場合、筐体1の下縁部1bに、中継器40の動作表示部43を確認できる透光部4を形成するようにしたが、端子台カバー35の上縁部350に形成するようにしてもよく、両方に形成するようにしてもよい。
【0060】
また、前記実施形態の場合、端子台30の外側の全体を覆うようにしたが、前方だけ覆うようにしてもよい。
【0061】
また、前記実施形態の場合、中継器40に電力を供給する手段として、電源側の電線Kに電気的に接続される電源供給アダプタ55を使用するようにしたが、誘導起電力によって電源を供給するようにしてもよい。
【0062】
また、前記実施形態の場合、表示端末45を、電力量計本体5から所定時間間隔にてEEPROM15内の計量値を送信するように構成したが、本発明の電子式電力量計はこれに限定されず、表示端末45を操作することでEEPROM15内の前記計量値の表示端末45への送信が行われるように構成してもよい。
【0063】
具体的には、表示端末45の操作入力部48に電力量計本体5から計量値に対応する赤外線パルスを発信させるための指令を入力すると、該指令は、送受信部47を経由して中継器40に微弱無線で送信され、中継器40から赤外線ピックアップ16に送られ、前記指令に対応した赤外線パルスが指令供給手段9で受信される。そして、該指令に基づいてCPU8が操作され、停電時および計量確定時にEEPROM15に保存されていた現在計量値および計量確定値が所定時間間隔でCPU8を介して赤外線送信部20に変調パルスで送信される。次に、赤外線送信部20の論理回路部20aで前記変調パルスが赤外線パルスに変換されて赤外線LED20bから前記赤外線ピックアップ16に送信され、赤外線ピックアップ16から中継器40に送られた赤外線パルスは、該中継器40で微弱無線に変換されて表示端末45に送信される。そして、上記実施形態と同様に、表示端末45の情報制御部50にて、電力の使用状況に関する情報に変換され、即ち、電気エネルギーの使用状況の管理に有用な情報に加工され、表示部46に表示されるようになる。
【0064】
また、上記実施形態の電子式電力量計では、表示端末45と中継器40とを無線で相互に通信させるようにしたが、導電線を用いて通信させることも可能である。
【符号の説明】
【0065】
1…筺体、1b…下縁部、4…透光部、5…電力量計本体、16,23…赤外線通信部、30…端子台、30a…端子、35…端子台カバー、35a〜35d…壁部、40…機器(中継器)、43…動作表示部、46…外部(表示端末)、55…電源供給アダプタ、350…上縁部、K…電線、S…収容空間、
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部と送受信できるように構成される電子式電力量計に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギー法等が改正されることにより、電力小売の自由化が行われ、需要家においては、単一の発電供給事業者における多様な電力供給の契約メニュー(料金メニュー等)の多様化や、複数の発電供給事業者間との計量(同時同量サービス)等に対応し得る多機能型の電子式電力量計が強く求められている。
【0003】
例えば、電力量計により計測される電力を、所定の信号に変換して、中央装置との間で送受信する通信機能が付加された電子式電力量計が普及されている。この種の電子式電力量計としては、例えば、負荷の電力量を計測するとともに、表示する計測表示部と、該計測表示部から計測したデータを光通信によって受光し、受光したデータを所定の信号に変換して外部の中央装置と送受信を行う通信部とが、電力量計本体に設けられたものが公知になっている(特許文献1参照)。
【0004】
該電子式電力量計によれば、外部の中央装置との送受信するための通信ケーブルが、端子台から電力量計本体内に挿通されて、通信部に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−201028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の前記電子式電力量計は、通信ケーブルを端子台に挿通して電力量計本体内の通信部に接続する必要があるため、その作業が煩雑である。また、通信ケーブルが切断された場合、電力量計本体と外部との通信が遮断されてしまうという問題がある。そこで、端子台の手前の空間に、例えば電力量計本体に電気的に接続された、通信機能を有する中継器を設けることが考えられるが、そのような記載はなく該空間を有効利用していない。
【0007】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、端子台の手前の空間を有効利用するようにした電子式電力量計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電子式電力量計は、筺体1に収容された電力量計本体5と、該筺体1の一面の奥側に設けられ、電力側および負荷側の電線Kが接続される端子台30とを備えた電子式電力量計において、機器40を収容する収容空間Sが複数の壁部35a〜35d,350bによって内部に形成されるカバー35を、該収容空間Sが筺体1の前記一面側に位置するように、端子台30の手前に取り付けることを特徴とする。
【0009】
この場合、端子台30の手前に、機器40を収容できる収容空間Sを有するカバー35を取り付けるようにしたので、端子台30の手前の空間を有効利用できる。
【0010】
また、本発明によれば、前記機器として、電力量計本体5との通信機能を有し、且つ、外部45との通信機能を有する通信機器40とするような構成を選択することもできる。
【0011】
この場合、端子台30の手前の空間に、電力量計本体5および外部45との通信が行える通信機器40を収容するようにしたので、従来のように、通信ケーブルを用いることなく、電力量計本体5および外部45との通信が簡単に行えるようになる。
【0012】
また、本発明によれば、前記電力量計本体5および前記通信機器40に、赤外線によって通信を行う赤外線通信部16,23を設け、前記収容空間Sに通信機器40を収容した前記カバー35を端子台30の手前に取り付けると、互いの赤外線通信部16,23が対向するように配置するような構成を選択することもできる。
【0013】
この場合、電力量計本体5および通信機器40において、互いの赤外線通信部16,23が対向するように、通信機器40を収容空間Sに収容するようにしたので、赤外線による通信が確実に行われるようになる。
【0014】
また、本発明によれば、前記通信機器40に、電力量計本体5および外部45との通信状態を表示する動作表示部43を備えるとともに、前記筺体1および前記カバー35の少なくともいずれか一方に、通信機器40の動作表示部43を外部から確認できる透光部4を形成するようにしてもよい。
【0015】
この場合、通信機器40が動作している状態を、筐体1の透光部4から確認できる。すなわち、電力量計本体5の表示値と同時に通信機器40の動作も確認できるようになる。
【0016】
また、本発明によれば、前記通信機器40に、端子台30に接続される電力側の電線Kと電気的に接続される電源供給アダプタ55を備えるような構成を選択することもできる。
【0017】
この場合、電源供給アダプタ55によって、端子台30に接続される電力側の電線Kから通信機器40に電源を供給するようにしたので、通信機器40に簡単かつ確実に電源を供給できるようになる。
【0018】
また、本発明によれば、前記収容空間Sを形成するカバー35の壁部35a〜35dの一部が、端子台30に配列された各端子30a,…の少なくとも前方を覆うような構成を採用することもできる。
【0019】
この場合、端子台30の各端子30a,…の少なくとも前方をカバー35の壁部35a〜35dの一部によって覆うようにしたので、各端子30aを、外部からの衝撃、塵埃、雨水から保護できるともに、絶縁保護することもできる。
【0020】
また、本発明によれば、前記筺体1と前記カバー35とは、カバー35の縁部350が筺体1の前記一面に設けられた縁部1bの内側に入り込むよう、筺体1の下縁部1bとカバー35の縁部350が嵌合するように構成するのが好ましい。
【0021】
この場合、カバー35の縁部350が筺体1の縁部1bの内面側に入り込むよう、カバー35の縁部350と筺体1の縁部1bとが嵌合するので、筐体1の内部、すなわち電力量計本体5への雨水の浸入を防止することができる。つまり、防水機能付き電子式電力量計を提供することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本発明に係る電子式電力量計によれば、機器を収容する収容空間が内部に形成されるカバーを、筺体の一面の奥側に設けられる端子台の手前に取り付けて、該収容空間が筐体の一面側に位置するようにしたので、端子台の手前の空間を有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】(a)は、本発明の一実施形態に係る電子式電力量計の斜視図、(b)は、電子式電力量計の正面図。
【図2】電子式電力量計の要部の側断面図。
【図3】端子台カバーと、端子台カバーの凹部に収容された中継器と、電源側の電線とリード線を電気的に接続する電源供給アダプタの斜視図。
【図4】(a)は、本発明の一実施形態に係る電子式電力量計の筺体の正面図、(b)は、筺体の平面図。
【図5】(a)は、筺体の側面図、(b)は、筺体の底面図。
【図6】筺体の切断側面図。
【図7】本発明の一実施形態に係る電子式電力量計のブロック図。
【図8】表示端末のブロック図。
【図9】(a)は、本発明の一実施形態に係る電子式電力量計の電源供給アダプタの正面図、(b)は、図9(a)の背面図。
【図10】(a)は図9(a)の平面図、(b)は図9(a)の側面図。
【図11】電源供給アダプタの概略断面図。
【図12】(a)は、電源供給アダプタのアダプタ本体の正面図、(b)は、背面図。
【図13】(a)は、図12(a)の平面図、(b)は、図12(a)の側面図。
【図14】(a)は、本発明の一実施形態に係る電源供給アダプタの挿通ホルダの正面図、(b)は、図14(a)の背面図。
【図15】(a)は、図14(a)の平面図、(b)は、図14(a)の側面図。
【図16】(a)〜(c)は、電源供給アダプタに内挿される接触子の正面図、平面図、側面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る電子式電力量計の一実施形態について図1〜図16を参照しながら説明する。該電子式電力量計は、図1〜図3に示すように、略直方体形状の透明樹脂製の筐体1と、該筺体1に収容された電力量計本体5と、筺体1の底面の奥側の外縁に垂設された端子台30と、筺体1の底面および端子台30を覆う端子台カバー35と、端子台カバー35の複数の壁部35a〜35d,350bによって内部に形成される収容空間Sに収容された中継器40と、外部に設けられ、電力量計本体5の送受信部とデータを送受信する表示端末(図7参照)45とを備えている。
【0025】
筺体1は、図1〜図6に示すように、筺体1の縦寸法よりも長い略矩形状の背板1aに取り付けられ、背板1aの下部が外部に臨出している。そして、筺体1の左右の両側部および上部中央にボルトBが挿通されており、各ボルトB,…に対してドライバによる締結作業が行いやすいように、左右の両側部および上部中央に凹状の溝2,…が前側から後側に沿って形成されている。また、正面の上部に、計量値が表示される表示窓3が形成されるとともに、正面の下部に、後述する中継器40の動作表示部43を確認するための透光部4が形成されている。また、筺体1の下縁部1aと、後述する端子台カバー35の上縁部350とが嵌合するように構成されており、図2に示すように、カバー35の上縁部350を、筺体1の下縁部1bの内面側において、該下縁部1bよりも上方に位置させる。これによって、電力量計本体5内部への浸水を防止している。
【0026】
電力量計本体5は、図7に示すように、電圧および電流を計測する電圧・電流計測手段6と、該電圧値および電流値に基づく計量値、具体的には、現在計測されている現在計量値および所定の日時に確定される計量確定値を表示する表示部7と、該表示部7を制御して前記計量値を表示させるCPU(Central Processing Unit)(制御手段)8と、外部からの指令を前記CPU8に供給する指令供給手段9とを備えている。なお、図7に示す電子式電力量計においては、電圧・電流計測手段6で計測された電圧値と電流値を演算して得られる電力値に比例した計量パルスに変換してCPU8に供給するW/Fコンバータ10が設けられている。
【0027】
電圧・電流計測手段6には、被電力計量回路(三相3線式配電線路)における1S、1L、および3S,3Lからの入力電流を微少電流に変換し、W/Fコンバータ10に供給する一対の変流器6a,6aと、被電力計量回路(三相3線式配電線路)におけるP1、P2、P3からの(実効)電圧へのサージ電圧等の侵入を阻止するノイズフィルタ6bと、該ノイズフィルタ6bを通過した入力電圧をW/Fコンバータ10の演算動作に適した値に変換する降圧回路6cとが設けられている。該ノイズフィルタ6bには、入力電圧を降圧・整流してCPU8および各回路に供給する電源回路21が接続されている。
【0028】
W/Fコンバータ10には、演算用の基準クロック信号を供給する水晶発信回路10bと、演算用の基準電圧を供給する基準電圧回路10cが接続されており、前記CPU8には、演算および制御用の基準クロック信号を供給する水晶発信回路8b、リセット回路8c、および時間帯区分選択ジャンパー8dが接続されており、さらに、W/Fコンバータ10から供給された計量パルスを外部に出力する計量パルス出力回路22が接続されている。
【0029】
W/Fコンバータ10とCPU8とは、W/Fコンバータ10で変換された計量パルスをCPU8に供給する信号線8aと、CPU8によりW/Fコンバータ10を制御し、W/Fコンバータ10から計量パルスを読み出す信号を供給する信号線10aとで接続されている。
【0030】
表示部7は、計測情報を表示する液晶表示板11と、該液晶表示板11を駆動する液晶ドライバ12とを有しており、該液晶ドライバ12は、制御可能なようにCPU8に接続されている。
【0031】
また、表示部7は、CPU8により制御されることで、前記計量値、即ち、現在計量値および計量確定値を表示するように構成されている。詳しくは、前記現在計量値は、時間帯別電力量、時間帯区分、最大需要電力、現在需要電力、力測有効電力量、および力測無効電力量を含んでおり、計量確定値は、時間帯別電力量、時間帯区分、最大需要電力、累積最大需要電力、力測有効電力量、力測無効電力量、および力率を含んでいる。
【0032】
指令供給手段9は、外部から送信された赤外線パルスを受信して受信データに復調してCPU8に供給する赤外線受光器9aを有している。
【0033】
そして、CPU8には、電気的に書込みおよび書換えの可能なEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)(不揮発性メモリ)15が接続されている。該EEPROM15は、CPU8によって制御されることで、前記計量パルスに基づいてCPU8にて演算された前記計量値の保存および読み出しが可能な状態に制御されており、停電時および計量確定時に前記計量値を保存(サンプリング)している。
【0034】
また、中継器40は、外部から送信された赤外線パルスを受信するとともに、前記指令供給手段9の赤外線受光器9aに赤外線パルスを送信するフォトトランジスタからなる赤外線ピックアップ16を備えている。
【0035】
また、電圧・電流計測手段6にて計測された電圧値および電流値に基づく計量値を外部に送信する送信部20が設けられている。詳しくは、該送信部20は、CPU8に接続されており、送信するデータである現在計量値および計量確定値をCPU8を介してEEPROM15から変調パルスとして受け取る論理回路部20aと、該変調パルスを赤外線パルスに変換して前記赤外線ピックアップ16に送信する赤外線LED20bとを有している。この赤外線LED20bと赤外線ピックアップ16とによっていわゆるフォトカプラが形成されており、電力量計本体5と赤外線ピックアップ16とは、電流の変化によって信号を伝送する回路によって接続され、相互に通信可能な状態となっている。また、送信部20と赤外線受光器9aとで電力量計本体5の赤外線通信部23が構成されている。
【0036】
端子台30は、図2および図4(a)に示すように、左右方向に配列された複数の端子30aを有しており、該各端子30aは、図2および図6に示すように、電力側および負荷側の電線Kが接続される上下方向に形成された接続孔31と、該接続孔31に対して直交方向に形成された上下一対のねじ孔32と、該各ねじ孔32に螺着されたボルト33とを備えている。
【0037】
端子台カバー35は、図1(a)、(b)〜図3に示すように、端子台30の電線の接続孔31を臨出させるための開口部350が奥側に形成された下面被覆部35aと、左右の両側に配置された略直角三角形状の側面被覆部35bと、該各側面被覆部35bの斜辺に跨って形成された略矩形状の前面被覆部35cと、端子台30の前方に、該端子台30に平行して配置される矩形状の端子台用被覆部35dとを備えている。そして、図2に示すように、側面被覆部35bの短辺が端子台30の手前に配置され、長辺が筺体1の底面の両側辺に沿うように配置される。また、前面被覆部35cの長辺が筺体1の底面の前辺に沿うように配置される。そして、図3に示すように、端子台用被覆部35dの端子台30側の面には、該端子台30の縦寸法および横寸法が同一のゴム板36が固着されており、端子台30の各端子30aに対して絶縁されるように構成されている。また、各側面被覆部35bは、端子台30側とは反対側の面の両側部から前方に延出される一対の支持片350bと、前面被覆部35cとで、中継器40を収容するための略三角柱状の収容空間Sを形成している。また、各側面被覆部35bから側方に延出された、端子台30に端子台カバー35を取り付けるための取付部35eを備えている。そして、下面被覆部35aには、後述するリード線Rが挿通される複数の孔35fが形成されている。
【0038】
中継器40は、各支持片350bと、端子台用被覆部35dと、前面被覆部35cとで形成される矩形状の開口部よりもやや小さい縦寸法及び横寸法を有しており、筐体1の底面に対して面一で、収容空間Sにきっちりと収容される。また、中継器40は、電力量計本体5の赤外線通信部23からの赤外線パルスを送受信する赤外線通信部としての赤外線ピックアップ16と、赤外線パルスに対応するデータを無線に変換するデータ変換部と、アンテナ42を介して表示端末45と送受信する外部通信部と、赤外線ピックアップ16および外部通信部の各動作を表示する動作表示部43とを備えている。
【0039】
表示端末45は、電力量計本体5と離隔して設けられ、前記送信部20から送信された前記計量値を受信して電力の使用状況に関する情報に変換し、しかも、該情報を表示し得るように構成されている。該表示端末45のブロック図は、図8に示すように、電力の使用状況に関する情報を表示する表示部46と、上述した中継器40から微弱無線で送信された計量値を受信するとともに、中継器40に指令を微弱無線で送信する送受信部47と、電力量計本体5や表示端末45自体を操作するための指令や各種データを手動で入力する操作入力部48と、前記送受信部47で受信した計量値に関するデータ(以下、計測データという。)を記憶する情報記憶部(メモリ)49と、該情報記憶部49から計測データを取り出し、該計測データを電力の使用状況に関する情報に演算、変換して表示部46に表示させるととともに、前記送受信部47および操作入力部48を制御する情報制御部50と、前記表示部46、受信部47、情報制御部50、操作入力部48、および情報記憶部49に駆動電力を供給する電源部51とを備えている。
【0040】
また、表示端末45は、前記電力量計本体5から所定時間間隔にてEEPROM15内の前記計量値が送信されている。詳しくは、CPU8によりEEPROM15が制御され、停電時および計量確定時にEEPROM15に保存されていた現在計量値および計量確定値が所定時間間隔でCPU8を介して送信部20に変調パルスで送信されている。そして、送信部20の論理回路部20aで前記変調パルスが赤外線パルスに変換されて赤外線LED20bから前記赤外線ピックアップ16に送信されている。
【0041】
ここで、電力側の電線Kと中継器40を電気的に接続するための電源供給アダプタについて、図1(a)、(b)〜図3および図9(a)、(b)〜図16(a)〜(c)を参照して説明する。該電源供給アダプタ55は、電源側の電線Kとリード線Rとを電気的に接続するアダプタ本体60と、電力側の電線Kおよびリード線Rを挿通支持する挿通ホルダ70とを備えている。
【0042】
アダプタ本体60は、図12(a)、(b)および図13(a)、(b)に示すように、略直方体形状の基体61と、該基体61の両側に形成された挿通孔62,62と、基体61の一面において、挿通孔62,62に連通するように形成された、挿通孔62,62よりも開口面積が大きい四角形状の開口部63,63と、挿通孔62,62の上側と左右の両側を囲むように配置された後述する接触子80の位置決め部64,…と、該位置決め部64,…の周囲に形成された、後述する挿通ホルダ70の第1位置決め部76が挿入される第1挿入溝65と、バネ85の挿入凹部66と、後述する挿通ホルダ70の係止片75が係合する係合溝67と、基体61の他面において、挿通孔62,62の周縁部に沿って形成された環状の保持部68,68と、皿ネジの頭部が挿入される皿孔69とを備えている。
【0043】
挿通ホルダ70は、図14(a)、(b)および図15(a)、(b)に示すように、平面視略矩形状の基板71と、該基板71の一面に対して直交する方向に突設された、電力側の電線Kが挿通される一対の筒状の挿通部72,72と、各挿通部72,72の間に形成された一対の挿通孔73,73と、基板71の他面に対して直交する方向に、かつ、各挿通部72,72の間(基板71の中央部)に突設された雌ねじ74と、該雌ねじ74の上方および下方に、雌ねじ73に平行するように配置された一対の係止片75,75と、基板71の両側に配置された一対のL字形状の第1位置決め部76,76と、所定の間隔をおいて突設された第2位置決め部77,77とを備えている。そして、図15(a)、(b)に示すように、挿通部72,72の上側の周面が円弧状に切欠され、該切欠部78,78から電力側の電線Kの被覆部が外部に臨出するようになっている。
【0044】
接触子80は、電力側の電線Kの電気的接続と、該電力側の電線Kから中継器40に電源を供給するためのリード線Rとの電気的接続がなされている。具体的に言うと、図16(a)〜(c)に示すように、アダプタ本体60の各開口部63,63に配置され、電線Kの挿通孔62,62の直径と略同一になるように、両側部が直角に折り曲げられた接触子本体80aと、接触子本体80aの両側部から外側に向かうにしたがって大きく開口した一対の第1接触部81,81と、斜め上方に折り曲げられた、電線Kの挿通孔62,62の直径よりもやや小さい幅寸法の第2接触部82とを備えている。そして、各接触子80,80がアダプタ本体60の各位置決め部64,64に内挿された場合、図11に示すように、各接触子80,80の第2接触部82がバネ85に付勢され、対向する第1接触部81,81に、中継器40に電源を供給するためのリード線Rが半田付けされる。
【0045】
そして、電源側の電線Kの絶縁被覆を剥離して、芯線kを露出させる。この芯線kが挿通孔に挿通されるにしたがって、接触子80がバネ85の付勢に抗して押し上げられるとともに、芯線kに圧接するようになる。すなわち電源側の電線Kと接触子80とが電気的に接続されるようになる。また、接触子80に半田付けされたリード線Rも、電源側の電線Kと電気的に接続されるようになる。つまり、リード線Rを介して中継器40に電源が供給されるようになる。そして、芯線kが電源供給アダプタ55の挿通孔から挿通された状態で、電線Kの絶縁被覆を挿通部の切欠部78に巻回されたインシュロックバンド(図示せず)によって、電線Kを電源供給アダプタ55に固定する。この状態で、端子台30の各端子30aの接続孔31に挿入するとともに、各端子30aのボルトを締め付ける。
【0046】
つぎに本実施形態に係る電子式電力量計の動作について説明する。電力量計本体5のW/Fコンバータ10では、電圧・電流計測手段6で計測された電圧値と電流値を演算して得られた電力量に比例した計量パルスに変換され、該計量パルスが信号線8aを通ってCPU8に供給されている。該CPU8は、内部に格納されているプログラムに従い、前記計量パルスを計量パルス出力回路22に供給し、該計量パルス出力回路22を制御して外部に出力させる一方、前記表示部7の液晶ドライバ12を制御し、液晶表示板11を駆動させて前記計量パルスに基づく計測情報を表示させている。
【0047】
この状態で、前記表示端末45には、前記電力量計本体5から所定時間間隔にてEEPROM15内の前記計量値が送信されている。詳しくは、CPU8によりEEPROM15が制御され、停電時および計量確定時にEEPROM15に保存されていた現在計量値および計量確定値が所定時間間隔でCPU8を介して赤外線送信部20に変調パルスで送信されている。そして、赤外線送信部20の論理回路20aで前記変調パルスが赤外線パルスに変換されて赤外線LED20bから中継器40の赤外線ピックアップ16に送信されている。次いで、赤外線ピックアップ16に送られた赤外線パルスは、微弱無線に変換されて表示端末45に送信されている。
【0048】
そして、表示端末45の送受信部47で前記微弱無線が受信され、現在計量値および計量確定値に対応する計測データが情報記憶部49に記憶される。そして、該情報記憶部49に記憶された計測データは、所定時間間隔で情報制御部50に送られ、該情報制御部50において電力の使用状況に関する情報に演算、変換されて表示部46に表示される。具体的には、計測データが所定期間内の時間推移でグラフ化されたり、計測データに基づいて、前日と今日、前月と今月、前年と今年の使用電力量や電気料金との比が演算されたりして、省エネルギー法で求められている、電気エネルギーの使用状況の管理に有用な情報(例えば、最大電力の目標値との比較、使用電力量のCO2(二酸化炭素)排出量への換算)に加工され、表示部46に表示される。
【0049】
以上説明したように、本実施形態の電子式電力量計によれば、計量値を受信して電力の使用状況に関する情報に変換するように構成されているので、需要家においては、現在の電力の使用状況や過去の使用実績の把握が容易となり、多様な契約メニューに対応することができるようになる。しかも、電力の使用状況に関する情報が、電力量計本体5と離隔して設けられた表示端末45に受信されて変換され、且つ、表示されるので、情報収集が容易に行えるとともに、収集された情報も正確なものとなる。
【0050】
また、本実施形態に係る電子式電力量計は、電力量計本体5のEEPROM(不揮発性メモリ)15に計量値が記憶され、不揮発性メモリ15内の計量値が所定時間間隔にて電力量計本体5と離隔した表示端末45に送信されるように構成されているので、電力量計本体5から自動的に、しかも、遠隔操作により計量値を表示端末45に収集することができるようになる。
【0051】
また、本実施形態に係る電子式電力量計は、表示端末45が、受信した計量値を記憶する情報記憶部49を有し、且つ記憶された計量値を電力の使用状況に関する情報に変換し得るように構成されているので、必要な時に必要に応じて電力の使用状況に関する情報を表示端末45に表示させることができるようになる。
【0052】
また、本実施形態に係る電子式電力量計は、電力量計本体5の赤外線送信部20から赤外線で送信した計量値を、端子台カバー35の内部に収容された中継器40で無線に変換するようにしているので、電力量計本体5が交換された場合、これに伴って安価な赤外線LED(赤外送信器)20bが交換されるものの、高価な無線通信手段、すなわち中継器40を交換する必要がなく、その分、コストを低減できる。
【0053】
また、本実施形態に係る電子式電力量計は、電力量計本体5を交換した場合、該電力量計本体5の赤外線送信部20から赤外線パルスを中継器40に送信するだけで、電力量計本体5からの計量値を表示端末45に送信することができるように構成されている。
【0054】
また、中継器40が無線通信手段であることから、中継器40と電力量計本体5との配線工事が不要になり、その分、コストを低減できる。
【0055】
また、前記実施形態の場合、中継器40の無線通信方式については限定していないが、例えば、一方向性の無線通信方式(所謂ラジオ無線通信方式)、携帯電話網やPHS通信などの双方向性の無線通信方式があり、これらの無線通信方式に対応した中継器を作製しておくことが好ましい。この場合、無線通信方式に対応した中継器40をセットするだけで、電力量計本体5から表示端末45に計量値を送信することができる。上述した無線通信方式は、需要家の立地条件や表示端末の受信性能に応じて異なるものである。
【0056】
また、表示端末45が不要な場合は、端子台カバー35に収容された中継器40を取り出して、電力量計本体5のみで、計量値を表示すればよい。
【0057】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されず、本発明が意図する範囲で、種々の形態の実施が可能である。
【0058】
前記実施形態の場合、筐体1の下面の奥側の外縁に端子台30を配置するようにしたが、例えば左右の両側面の奥側の外縁いずれかであってもよい。
【0059】
また、前記実施形態の場合、筐体1の下縁部1bに、中継器40の動作表示部43を確認できる透光部4を形成するようにしたが、端子台カバー35の上縁部350に形成するようにしてもよく、両方に形成するようにしてもよい。
【0060】
また、前記実施形態の場合、端子台30の外側の全体を覆うようにしたが、前方だけ覆うようにしてもよい。
【0061】
また、前記実施形態の場合、中継器40に電力を供給する手段として、電源側の電線Kに電気的に接続される電源供給アダプタ55を使用するようにしたが、誘導起電力によって電源を供給するようにしてもよい。
【0062】
また、前記実施形態の場合、表示端末45を、電力量計本体5から所定時間間隔にてEEPROM15内の計量値を送信するように構成したが、本発明の電子式電力量計はこれに限定されず、表示端末45を操作することでEEPROM15内の前記計量値の表示端末45への送信が行われるように構成してもよい。
【0063】
具体的には、表示端末45の操作入力部48に電力量計本体5から計量値に対応する赤外線パルスを発信させるための指令を入力すると、該指令は、送受信部47を経由して中継器40に微弱無線で送信され、中継器40から赤外線ピックアップ16に送られ、前記指令に対応した赤外線パルスが指令供給手段9で受信される。そして、該指令に基づいてCPU8が操作され、停電時および計量確定時にEEPROM15に保存されていた現在計量値および計量確定値が所定時間間隔でCPU8を介して赤外線送信部20に変調パルスで送信される。次に、赤外線送信部20の論理回路部20aで前記変調パルスが赤外線パルスに変換されて赤外線LED20bから前記赤外線ピックアップ16に送信され、赤外線ピックアップ16から中継器40に送られた赤外線パルスは、該中継器40で微弱無線に変換されて表示端末45に送信される。そして、上記実施形態と同様に、表示端末45の情報制御部50にて、電力の使用状況に関する情報に変換され、即ち、電気エネルギーの使用状況の管理に有用な情報に加工され、表示部46に表示されるようになる。
【0064】
また、上記実施形態の電子式電力量計では、表示端末45と中継器40とを無線で相互に通信させるようにしたが、導電線を用いて通信させることも可能である。
【符号の説明】
【0065】
1…筺体、1b…下縁部、4…透光部、5…電力量計本体、16,23…赤外線通信部、30…端子台、30a…端子、35…端子台カバー、35a〜35d…壁部、40…機器(中継器)、43…動作表示部、46…外部(表示端末)、55…電源供給アダプタ、350…上縁部、K…電線、S…収容空間、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筺体(1)に収容された電力量計本体(5)と、該筺体(1)の一面の奥側に設けられ、電力側および負荷側の電線(K)が接続される端子台(30)とを備えた電子式電力量計において、機器(40)を収容する収容空間(S)が複数の壁部(35a〜35d,350b)によって内部に形成されるカバー(35)を、該収容空間(S)が筺体(1)の前記一面側に位置するように、端子台(30)の手前に取り付けることを特徴とする電子式電力量計。
【請求項2】
前記機器(40)は、電力量計本体(5)との通信機能を有し、且つ、外部(45)との通信機能を有する通信機器であることを特徴とする請求項1に記載の電子式電力量計。
【請求項3】
前記電力量計本体(5)および前記通信機器(40)は、赤外線によって通信を行う赤外線通信部(16,23)を有しており、該赤外線通信部(16,23)は、前記収容空間(S)に通信機器(40)を収容した前記カバー(35)を端子台(30)の手前に取り付けると、互いの赤外線通信部(16,23)が対向するように配置されることを特徴とする請求項2に記載の電子式電力量計。
【請求項4】
前記通信機器(40)は、電力量計本体(5)および外部(45)との通信状態を表示する動作表示部(43)を備え、しかも、前記筺体(1)および前記カバー(35)の少なくともいずれか一方に、通信機器(40)の動作表示部(43)を外部から確認できる透光部(4)が形成されることを特徴とする請求項2又は3に記載の電子式電力量計。
【請求項5】
前記通信機器(40)は、端子台(30)に接続される電力側の電線(K)と電気的に接続される電源供給アダプタ(55)を備えることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の電子式電力量計。
【請求項6】
前記カバー(35)は、前記収容空間(S)を形成する壁部(35a〜35d)の一部が、端子台(30)に配列された各端子(30a,…)の少なくとも前方を覆うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子式電力量計。
【請求項7】
前記筺体(1)と前記カバー(35)とは、カバー(35)の縁部(350)が筺体(1)の前記一面に設けられた縁部(1b)の内側に入り込むよう、筺体(1)の下縁部(1b)とカバー(35)の縁部(350)が嵌合するように構成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子式電力量計。
【請求項1】
筺体(1)に収容された電力量計本体(5)と、該筺体(1)の一面の奥側に設けられ、電力側および負荷側の電線(K)が接続される端子台(30)とを備えた電子式電力量計において、機器(40)を収容する収容空間(S)が複数の壁部(35a〜35d,350b)によって内部に形成されるカバー(35)を、該収容空間(S)が筺体(1)の前記一面側に位置するように、端子台(30)の手前に取り付けることを特徴とする電子式電力量計。
【請求項2】
前記機器(40)は、電力量計本体(5)との通信機能を有し、且つ、外部(45)との通信機能を有する通信機器であることを特徴とする請求項1に記載の電子式電力量計。
【請求項3】
前記電力量計本体(5)および前記通信機器(40)は、赤外線によって通信を行う赤外線通信部(16,23)を有しており、該赤外線通信部(16,23)は、前記収容空間(S)に通信機器(40)を収容した前記カバー(35)を端子台(30)の手前に取り付けると、互いの赤外線通信部(16,23)が対向するように配置されることを特徴とする請求項2に記載の電子式電力量計。
【請求項4】
前記通信機器(40)は、電力量計本体(5)および外部(45)との通信状態を表示する動作表示部(43)を備え、しかも、前記筺体(1)および前記カバー(35)の少なくともいずれか一方に、通信機器(40)の動作表示部(43)を外部から確認できる透光部(4)が形成されることを特徴とする請求項2又は3に記載の電子式電力量計。
【請求項5】
前記通信機器(40)は、端子台(30)に接続される電力側の電線(K)と電気的に接続される電源供給アダプタ(55)を備えることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の電子式電力量計。
【請求項6】
前記カバー(35)は、前記収容空間(S)を形成する壁部(35a〜35d)の一部が、端子台(30)に配列された各端子(30a,…)の少なくとも前方を覆うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子式電力量計。
【請求項7】
前記筺体(1)と前記カバー(35)とは、カバー(35)の縁部(350)が筺体(1)の前記一面に設けられた縁部(1b)の内側に入り込むよう、筺体(1)の下縁部(1b)とカバー(35)の縁部(350)が嵌合するように構成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子式電力量計。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図14】
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【図16】
【公開番号】特開2011−242174(P2011−242174A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−112527(P2010−112527)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(599151776)中国計器工業株式会社 (49)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(599151776)中国計器工業株式会社 (49)
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