説明

電子情報検索装置、電子情報検索プログラム及び電子情報検索方法

【課題】 本発明では、受信メールの検索を行う際、複数のパーソナルコンピュータによって処理を分担し、検索速度を向上することを目的とする。
【解決手段】 本発明に係る電子情報検索装置は、ネットワークに接続され、他の情報処理装置と通信可能な装置において、電子情報を記憶する記憶部と、該電子情報と他の情報処理装置の記憶している電子情報との一致処理を行う電子情報一致処理部と、電子情報一致処理した電子情報の検索する電子情報分担を決定する電子情報分担決定部と、決定した分担電子情報を検索する電子情報検索部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ネットワーク接続され受信メールを検索する機能を持つ情報処理装置全般に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータやネットワーク環境が安価で入手できるようになったため、複数のパーソナルコンピュータをネットワーク接続して利用するユーザが増えてきている。
【0003】
また業務などによってメールを利用することも増えてきているため、毎日大量のメールを送受信するユーザも数多い。
【0004】
受信メールは業務上重要であることが多いためバックアップの意味も兼ねて所有する複数のパーソナルコンピュータに定期的若しくは不定期にメール情報一致処理を行うこともなされている。
【0005】
ここでメール情報一致処理とは、複数のパーソナルコンピュータに格納されているメールの情報を一致させることである。例えば、2台のパーソナルコンピュータがあり、一つのパーソナルコンピュータにはA,B,Eのメールが格納されており、一方のパーソナルコンピュータにはC,D,Fのメールが格納されている場合、パーソナルコンピュータ双方にA,B,C,D,E,Fのメールを格納することである。
【0006】
メールのメール情報一致処理を行なうシステムに関する先行技術文献としては、次の特許文献がある。
【特許文献1】特開2003−78568号公報 これは一つのメールアドレスに届くメールと他のメールアドレスに届くメールとを双方向に配信可能な電子メール配信システムではあるが、複数のパーソナルコンピュータによってメール検索処理を分担し、検索速度を向上するものではない。
【0007】
したがって受信メールを検索する際、複数のパーソナルコンピュータを所有していても、メールを受信したパーソナルコンピュータ1台で検索処理を実行しており、パーソナルコンピュータの性能が向上してきているとはいえ検索、特に内容の全件検索には相当の時間がかかっているのが現状である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ユーザが所有する複数の情報処理装置において、一つ若しくは複数のメールアカウントから受信したメールまたは送信したメールを、複数のパーソナルコンピュータ間が常時または間欠的にネットワークで接続されており、複数のパーソナルコンピュータで受信メールのメール情報一致処理が行われている状況において、受信メールの検索を行う際、複数のパーソナルコンピュータによって検索処理を分担し、検索速度を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る電子情報検索装置は、ネットワークに接続され、他の情報処理装置と通信可能な装置において、電子情報を記憶する記憶部と、該電子情報と他の情報処理装置の記憶している電子情報との一致処理を行う電子情報一致処理部と、電子情報一致処理した電子情報の検索する電子情報分担を決定する電子情報分担決定部と、決定した分担電子情報を検索する電子情報検索部とを有することを特徴とする。
【0010】
また本発明に係る電子情報検索装置は、該電子情報検索部は決定した分担情報を検索終了し、他の情報処理装置の検索が未終了の場合、他の情報処理装置の検索を補助することを特徴とする。
【0011】
また本発明に係る電子情報検索装置は、該電子情報は情報処理装置が送受信した非音声情報であることを特徴とする。
【0012】
また本発明に係る電子情報検索プログラムは、情報処理装置に記憶された電子情報をネットワークに接続された他の情報処理装置と検索を行なう電子情報検索プログラムにおいて、他の情報処理装置が有する電子情報と記憶された電子情報とを一致処理する電子情報一致処理ステップと、一致処理した電子情報の検索する電子情報分担を決定する電子情報分担決定ステップと、決定した電子情報の検索分担を検索する電子情報を検索する電子情報検索ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0013】
また本発明に係る電子情報検索方法は、情報処理装置に記憶された電子情報をネットワークに接続された他の情報処理装置と検索を行なう電子情報検索方法において、他の情報処理装置が有する電子情報と記憶された電子情報とを一致処理する電子情報一致処理手順と、一致処理した電子情報の検索する電子情報分担を決定する電子情報分担決定手順と、決定した電子情報の検索分担を検索する電子情報を検索する電子情報検索手順とからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数のパーソナルコンピュータがネットワークに接続されている場合、メールの検索を複数のパーソナルコンピュータで分担することによって検索速度を向上することができ、検索時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
パーソナルコンピュータ2台で受信メールを検索する場合を例にして、本発明を説明する。メールの検索するパーソナルコンピュータは2台に限定されることはなく、2以上の複数のパーソナルコンピュータによってメール検索を行ってもよい。
【0016】
図1は本発明に係るパーソナルコンピュータ1,2のブロック図である。
【0017】
1はパーソナルコンピュータであり、11は中央処理装置、12はハードディスク、13はメモリ、14は通信部である。
【0018】
パーソナルコンピュータ1は通信部14を介して他のパーソナルコンピュータ2とネットワーク接続されている。
【0019】
ハードディスク12にはパーソナルコンピュータ1が受信したメールが記憶されている。記憶されている受信メール一覧121の中からある所望のメールを検索する場合、パーソナルコンピュータ1は、受信メール一覧121をパーソナルコンピュータ2に送信する。そしてパーソナルコンピュータ2からもパーソナルコンピュータ1へパーソナルコンピュータ2の受信メール一覧を送信する。それぞれのパーソナルコンピュータ1,2は、受信メールをメール情報一致処理し、それぞれのハードディスクに記憶する。ここで予めパーソナルコンピュータ1において受信したメール内に所望のメールが存在することがわかっている場合等には、パーソナルコンピュータ1からのみ受信メール一覧121をパーソナルコンピュータ2へ送信し、受信メール一覧121のそれぞれの検索分担を決定してメールの検索を行ってもよい。
【0020】
パーソナルコンピュータ1は受信メールの検索を行なうにあたり、まずパーソナルコンピュータ1,2が検索する受信メールの分担を中央処理装置11によって決定する。例えば、偶数日に受信したメールはパーソナルコンピュータ1で検索を実行し、奇数日に届いたメールはパーソナルコンピュータ2で検索を実行すると決定する。パーソナルコンピュータ1はパーソナルコンピュータ2に決定した分担の受信メールの検索をすることを通信部14を介して指示し、それぞれのパーソナルコンピュータ1,2において分担する受信メールを中央処理装置11,21を検索する。パーソナルコンピュータ1,2の検索結果をディスプレイ等に表示する。
【0021】
また特許請求の範囲に記載の記憶部はハードディスクに対応し、電子情報一致処理部、電子情報分担決定部、電子情報検索部は中央処理装置が対応し、それらの処理を行う。
【0022】
また特許請求の範囲に記載の一致処理とは、上記に記載のメール情報一致処理と同様の処理のことであり、メール情報に限らず、電子情報の一致処理を行うことである。
【0023】
図2は本発明に係るメール検索手段に関する概念図である。
【0024】
図2(a)は2台のパーソナルコンピュータを使用し、1台のメールサーバからそれぞれメールを受信する図である。2台のパーソナルコンピュータ1,2それぞれがメールサーバからそれぞれ異なったメールを受信する。
【0025】
図2(b)はパーソナルコンピュータ1,2が記録する受信メールをメール情報一致処理する概念図である。パーソナルコンピュータ1で受信したメールとパーソナルコンピュータ2で受信したメールをメール情報一致処理してそれぞれが有するメールをもう一方のパーソナルコンピュータに記憶する。受信メールのメール情報一致処理は受信メールを1通受信する毎には行ってもよいし、ある一定の時間ごとに定期的に行ってもよい。ある一定の時間ごとにメール情報一致処理を行う場合には、メール情報一致処理後次のメール情報一致処理が行なわれるまでにパーソナルコンピュータ1,2がメールを受信するとパーソナルコンピュータ1,2はメール情報一致処理済みのメールとメール情報一致処理後に新たに受信したメールを有する場合がある。
【0026】
図2(c)はパーソナルコンピュータ1,2において受信メールを検索する概念図である。例えばパーソナルコンピュータ1において受信メールの検索指示がなされた場合、パーソナルコンピュータ1はパーソナルコンピュータ2に対して検索する受信メールの分担を指示してそれぞれのパーソナルコンピュータ1,2において分担の受信メール範囲を検索する。それぞれのパーソナルコンピュータ2において分担された受信メールの検索が終了した場合には検索結果をパーソナルコンピュータ1に検索結果を通知する。パーソナルコンピュータ1,2の検索結果はパーソナルコンピュータ1のディスプレイ等を用いて表示する。
【0027】
図3は受信メールの検索を実行するパーソナルコンピュータの処理フローチャートである。
【0028】
ここで「検索を実行するパーソナルコンピュータ」はネットワークに接続された他のパーソナルコンピュータに受信メールの検索を分担して検索の指示を行うと共に自分自身の受信メールの検索分担を検索するパーソナルコンピュータを示す。
【0029】
また「検索を分担するパーソナルコンピュータ」は検索を実行するパーソナルコンピュータより受信メールの検索の分担を指示され、受信メールの分担を検索して検索結果を「検索を実行するパーソナルコンピュータ」に通知するパーソナルコンピュータを示す。
【0030】
ユーザより検索条件等を指定してメールの検索指示が行われると、メールの検索を開始する(ステップ301)。
【0031】
他にメール検索可能なパーソナルコンピュータがネットワーク接続されているのかを確認するため、検索を分担するパーソナルコンピュータに対してネットワーク接続確認パケットを送出する(ステップ302)。
【0032】
検索を分担するパーソナルコンピュータから接続確認応答があったかを判断し、接続確認応答があった場合、検索を分担するパーソナルコンピュータに対して検索を分担するパーソナルコンピュータの受信メール一覧の取得要求をする(ステップ303、305)。この際に、検索を分担するパーソナルコンピュータに対して検索を実行するパーソナルコンピュータの受信メール一覧も送信する。接続確認応答がない場合、再び接続確認応答があるかを判断し、一定時間、接続確認応答がなく、タイムアウトになった場合はメール検索を分担せず、単独でメール検索処理を行なう(ステップ304、315)。ここで行う検索処理は、検索を実行するパーソナルコンピュータがメール一覧全てを検索することである。接続確認応答を待つ一定時間はユーザが設定変更することが可能であってもよく、特別に一定の待機時間はなくてもよい。
【0033】
メール一覧を受信したかを判断し、メール一覧を受信した場合、検索を分担するパーソナルコンピュータから得られたメール一覧と検索を実行するパーソナルコンピュータのメール一覧をメール情報一致処理して、それぞれのパーソナルコンピュータが検索する分担を決定する(ステップ306、308、309)。ここで例えば検索する分担を決定するにあたり、受信日が偶数日のメールは検索を実行するパーソナルコンピュータ、奇数日のメールは検索を分担するパーソナルコンピュータと検索する分担を決定する。
【0034】
検索を分担するパーソナルコンピュータからメール一覧を受信しない場合は、再びメール一覧を受信したか否か判断する。一定時間メール一覧の受信がなく、タイムアウトになった場合は、単独でメール検索処理を行なう(ステップ307,315)。メール一覧を受信したかを待つ一定時間もユーザが設定変更することが可能であってもよく、特別に一定の待機時間はなくてもよい。
【0035】
検索を実行するパーソナルコンピュータは、検索を分担するパーソナルコンピュータに対し、検索分担と共に、検索条件等を指定して検索対象とするメールを指定し検索開始の指示を行う(ステップ310)。
【0036】
検索を分担するパーソナルコンピュータからメール検索結果を受信したか判断し、メール検索結果を受信した場合は、検索結果をハードディスクに保存する(ステップ311,313)。
【0037】
検索を分担するパーソナルコンピュータからメール検索結果を受信しない場合、再びメール検索結果を受信したか判断する。一定時間メール検索結果の受信がなく、タイムアウトになった場合、単独でメール検索処理を行なう(ステップ312,315)。ここで行う検索処理は、検索を実行するパーソナルコンピュータがメール一覧全てを検索することである。メール検索結果を受信したかを待つ一定時間もユーザが設定変更することが可能であってもよく、特別に一定の待機時間はなくてもよい。タイムアウトにならず、検索を実行するパーソナルコンピュータの検索分担の検索が完了している場合、検索を分担するパーソナルコンピュータの検索する分担の検索未終了メール一覧を新たに再分担するか判断する(ステップ314)。再分担する場合は図5に詳細なフローを示すステップ316を行う。再分担をしない場合は再び検索を実行するパーソナルコンピュータから検索結果を受信したかを判断する(ステップ314,311)。
【0038】
検索を実行するパーソナルコンピュータと検索を分担するパーソナルコンピュータとのメール検索が終了した場合、メール検索結果をディスプレイ等を用いて表示してユーザに通知する。メール検索結果の表示するタイミングはメール検索途中に定期的または不定期に表示してもよく、メール検索が終了するまでメール検索結果の表示を待たなくてもよい。
【0039】
図4は検索を分担するパーソナルコンピュータの処理フローチャートである。
【0040】
検索を分担するパーソナルコンピュータは検索を実行するパーソナルコンピュータから指示があったか否かを判断する(ステップ401)。
【0041】
ネットワーク接続がされているかという接続確認要求である場合、接続確認応答を検索を実行するパーソナルコンピュータに返す(ステップ402,403)。
【0042】
接続確認応答でない場合、メール一覧取得要求か判断し、メール一覧取得要求である場合はメール一覧を検索を実行するパーソナルコンピュータに返す(ステップ404,405)。
【0043】
メール一覧取得要求でない場合、メール検索指示か判断し、メール検索指示である場合、メール検索を実行し検索結果を検索を実行するパーソナルコンピュータに返す(ステップ406,407)。メール検索指示でない場合は終了する。
【0044】
図5は検索を分担するパーソナルコンピュータの検索する分担の検索未終了メール一覧を新たに再分担する場合の詳細なフローである。
【0045】
検索を分担するパーソナルコンピュータの検索する分担の検索未終了メール一覧を受信する(ステップ501)。
【0046】
検索未終了メール一覧から検索を分担するパーソナルコンピュータの新たな検索する分担を決定する(ステップ502)。
【0047】
検索を分担するパーソナルコンピュータに対し新たな検索分担と共に検索の指示をする(ステップ503)。
【0048】
検索を実行するパーソナルコンピュータの新たな検索分担を検索する(ステップ504)。
【0049】
検索を分担するパーソナルコンピュータから検索結果を受信したかを判断する(ステップ505)。
【0050】
検索結果を受信した場合、受信した検索を実行パーソナルコンピュータに一旦保存する(ステップ506)。一定時間メール検索結果を受信しない場合、タイムアウトかを判断する(ステップ507)。
【0051】
一定時間メール検索結果の受信がなく、タイムアウトの場合、単独で検索を実行するパーソナルコンピュータでのみ検索処理を行う(ステップ508)。ここで行う検索処理は、検索を実行するパーソナルコンピュータが検索未終了メール一覧全てを検索することである。タイムアウトにならない場合は、再び検索結果を受信したかを判断する(ステップ505、508)。メール検索結果を受信したかを待つ一定時間もユーザが設定変更することが可能であってもよく、特別に一定の待機時間はなくてもよい。
【0052】
メール検索処理が高いパーソナルコンピュータがより多くのメール検索を行うことによって、よりメール検索処理を効率的に行うことができる。
【0053】
また図3のステップ309において検索を分担するパーソナルコンピュータの検索する分担を決定する際に、それぞれのパーソナルコンピュータのメール検索処理能力、例えば中央処理装置の処理能力を比較してそれに応じて、それぞれの検索分担を決定してもよい。
【0054】
検索するメール一覧の再分担の判断は一回でなくてもよく、再分担した結果、再び検索を実行するパーソナルコンピュータのメール検索が検索を分担するパーソナルコンピュータの検索より早く終了すれば、検索未終了メール一覧の再分担を行ってもよい。さらに検索を分担するパーソナルコンピュータが検索を実行するパーソナルコンピュータより早く検索が終了した場合においても、検索を実行するパーソナルコンピュータの検索未終了のメール一覧を再分担してもよい。
次に、以上述べた本発明の電子情報検索装置の実施形態の変形例、その他の技術的な拡張事項等を以下に列挙する。
【0055】
上記実施形態では、メール検索を行なう情報処理装置としてパーソナルコンピュータを例にしているが、これに限定されるものではなく、他の情報処理装置であってもよい。
【0056】
上記実施形態では、受信メールをハードディスクに記憶しているが、例えば、フラッシュメモリと言った他の記憶装置でもよい。
【0057】
上記実施形態では、検索対象が受信メールであるが、これに限定されるものではなく、送信メールでもよいし、他の電子情報であってもよい。
【0058】
上記実施形態では、接続確認パケットと、接続確認応答パケットによるネットワーク接続確認を行なっているが、これはメール一覧の取得要求とその応答で代替し省略することもできる。また、予め検索の分担条件を特定できる場合にはメール一覧の取得要求とその応答をも省略することも可能である。
【0059】
上記実施形態では、検索を実行するパーソナルコンピュータが検索を実行しながら、メール情報一致処理の行なわれていない受信メールを検索を分担するパーソナルコンピュータとメール情報一致処理を行なって、互いに検索する受信メールの分担を行い検索を実行しているが、これに限定されるものではなく、メール情報一致処理が実施されていない部分のメールについては、必ず両者が検索を実施するように分担を決めることもできるし、この際メール情報一致処理を行ってから検索するようにしてもよい。
【0060】
上記実施形態では、受信メール検索の分担を決定するにあたって他のパーソナルコンピュータ上に存在する受信メール全ての一覧を取得しているが、これに限定されるものではなく、最後にメール情報一致処理した日時が判っていれば、それ以前のメールに関しては、例えば偶数日・奇数日など予め検索の分担条件を決めておき、そのメール一覧を取得しても構わない。さらに省略して検索条件(例えばメール本文に「特許」という文字列があるメールを探せ)と検索対象(例えば何月何日のメールの中から探せ)、といった指示を行うことにより、メール一覧の取得要求とその応答を省略することも可能である。
【0061】
上記実施形態では、検索分担の例として奇数日・偶数日に分けて分担する例を挙げたが、パーソナルコンピュータの性能やネットワーク性能によりほぼ同時に検索が完了するとは限らない。ほぼ同時に検索が完了しなければ、遅い側の検索完了を待たされるため効率的ではないので、例えば1日分ずつ各パーソナルコンピュータが検索を担当することとし、検索が完了したパーソナルコンピュータに対してもう1日前の検索を担当するようにすることにより、性能の良い方がより多くの検索を実行するようにしてより短時間で終了するように検索分担をしてもよい。
【0062】
上記実施形態では、「検索を実行するパーソナルコンピュータ」と「検索を分担するパーソナルコンピュータ」は、互いの処理機能を有していないが、どのパーソナルコンピュータが「検索を実行するパーソナルコンピュータ」になっても良いように両方の機能をパーソナルコンピュータが有していてもよい。
【0063】
次に、以上述べた電子情報検索装置の実施形態から抽出される技術的思想を請求項の記載形式に準じて付記として列挙する。本発明に係る技術的思想は上位概念から下位概念まで、様々なレベルやバリエーションにより把握できるものであり、以下の付記に本発明が限定されるものではない。
【0064】
(付記1) ネットワークに接続され、他の情報処理装置と通信可能な装置において、
電子情報を記憶する記憶部と、
該電子情報と他の情報処理装置の記憶している電子情報との一致処理を行う電子情報一致処理部と、
電子情報一致処理した電子情報の検索する電子情報分担を決定する電子情報分担決定部と、
決定した分担電子情報を検索する電子情報検索部と、
を有することを特徴とする電子情報検索装置。
【0065】
(付記2) 該電子情報検索部は決定した分担情報を検索終了し、他の情報処理装置の検索が未終了の場合、他の情報処理装置の検索を補助することを特徴とする付記1に記載の電子情報検索装置。
【0066】
(付記3) 該電子情報分担決定部は検索する電子情報の検索処理能力に応じて検索する電子情報分担を決定することを特徴とする付記1又は2に記載の電子情報検索装置。
【0067】
(付記4) 該電子情報一致処理部は電子情報一致処理した履歴を記憶して、再び電子情報一致処理するために電子情報一致処理が行なわれていない電子情報のみ他の情報処理装置から受信して電子情報一致処理することを特徴とする付記1乃至3に記載の情報処理装置。
【0068】
(付記5) 該電子情報は情報処理装置が送受信した非音声情報であることを特徴とする付記1乃至4に記載の電子情報検索装置。
【0069】
(付記6) 情報処理装置に記憶された電子情報をネットワークに接続された他の情報処理装置と検索を行なう電子情報検索プログラムにおいて、
他の情報処理装置が有する電子情報と記憶された電子情報とを一致処理する電子情報一致処理ステップと、
一致処理した電子情報の検索する電子情報分担を決定する電子情報分担決定ステップと、
決定した電子情報の検索分担を検索する電子情報を検索する電子情報検索ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする電子情報検索プログラム。
(付記7) 情報処理装置に記憶された電子情報をネットワークに接続された他の情報処理装置と検索を行なう電子情報検索プログラムにおいて、
他の情報処理装置が有する電子情報と記憶された電子情報とを一致処理する電子情報一致処理ステップと、
一致処理した電子情報の検索する電子情報分担を決定する電子情報分担決定ステップと、
決定した電子情報の検索分担を検索する電子情報を検索する電子情報検索ステップと、
をコンピュータに実行させる電子情報検索プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0070】
(付記8) 情報処理装置に記憶された電子情報をネットワークに接続された他の情報処理装置と検索を行なう電子情報検索方法において、
他の情報処理装置が有する電子情報と記憶された電子情報とを一致処理する電子情報一致処理手順と、
一致処理した電子情報の検索する電子情報分担を決定する電子情報分担決定手順と、
決定した電子情報の検索分担を検索する電子情報を検索する電子情報検索手順と、
からなることを特徴とする電子情報検索方法。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明に係るパーソナルコンピュータのブロック図
【図2】本発明に係るメール検索手段に係る概念図
【図3】本発明に係る検索を実行するパーソナルコンピュータの処理フローチャート
【図4】本発明に係る検索を分担するパーソナルコンピュータの処理フローチャート
【図5】本発明に係る検索未終了メール一覧を新たに再分担するフローチャート
【符号の説明】
【0072】
1…パーソナルコンピュータ
2…パーソナルコンピュータ
11…中央処理装置
12…ハードディスク
13…メモリ
14…通信部
21…中央処理装置
22…ハードディスク
23…メモリ
24…通信部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続され、他の情報処理装置と通信可能な装置において、
電子情報を記憶する記憶部と、
該電子情報と他の情報処理装置の記憶している電子情報との一致処理を行う電子情報一致処理部と、
電子情報一致処理した電子情報の検索する電子情報分担を決定する電子情報分担決定部と、
決定した分担電子情報を検索する電子情報検索部と、
を有することを特徴とする電子情報検索装置。
【請求項2】
該電子情報検索部は決定した分担情報を検索終了し、他の情報処理装置の検索が未終了の場合、他の情報処理装置の検索を補助することを特徴とする請求項1に記載の電子情報検索装置。
【請求項3】
該電子情報は情報処理装置が送受信した非音声情報であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子情報検索装置。
【請求項4】
情報処理装置に記憶された電子情報をネットワークに接続された他の情報処理装置と検索を行なう電子情報検索プログラムにおいて、
他の情報処理装置が有する電子情報と記憶された電子情報とを一致処理する電子情報一致処理ステップと、
一致処理した電子情報の検索する電子情報分担を決定する電子情報分担決定ステップと、
決定した電子情報の検索分担を検索する電子情報を検索する電子情報検索ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする電子情報検索プログラム。
【請求項5】
情報処理装置に記憶された電子情報をネットワークに接続された他の情報処理装置と検索を行なう電子情報検索方法において、
他の情報処理装置が有する電子情報と記憶された電子情報とを一致処理する電子情報一致処理手順と、
一致処理した電子情報の検索する電子情報分担を決定する電子情報分担決定手順と、
決定した電子情報の検索分担を検索する電子情報を検索する電子情報検索手順と、
からなることを特徴とする電子情報検索方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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