説明

電子文書作成装置、電子文書作成方法、プログラム、及び、記録媒体

【課題】ファンドの設定および維持に必要な文書を好適に作成するための技術を提供すること。
【解決手段】本発明に係る電子文書作成装置1は、項目分けされた第1の電子文書から項目分けされた第2の電子文書を作成する電子文書作成装置1であって、上記第1の電子文書から特定の項目を抽出する抽出部302と、上記抽出手段が抽出した上記特定の項目を上記第2の電子文書の特定の箇所に挿入する挿入部303と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類の書類を作成する電子文書作成装置、及び、電子文書作成方法に関する。また、そのような電子文書作成装置を動作させるプログラム、及び、そのようなプログラムが記録されている記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の市場には、常時、約2700〜3000のファンドが存在している。毎年、約300〜400のファンドが新規設定ファンドとして新しく設定され、同時に、約300〜400のファンドが償還されている。なお、新規設定ファンドは、次年度以降には、継続開示ファンドとなる。
【0003】
新規設定ファンドを設定する際には、投資信託会社(投信会社)は、例えば、有価証券届出書、交付/請求目論見書など、様々な書類を作成する必要がある。また、継続開示ファンドについては、投信会社は、有価証券報告書、半期報告書などを随時作成する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−222385号公報(2002年8月9日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらファンドの設定および維持に必要な文書は、一般に、熟練した担当者の属人的な能力(知識、経験など)に依って作成されている。そのため、多数のファンドを担当する担当者には多大な負担がかかり、この負担を軽減するための技術が求められている。
【0006】
特許文献1には、コンピュータシステムを利用して各決算開示文書を作成するための作成システムが開示されている。特許文献1に記載の作成システムでは、各決算開示書類を作成するための数値データ群を共通データと固有データとに区分して利用可能にしている。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の作成システムは、各決算開示文書を作成するためのシステムである。それゆえ、ファンドの設定および維持に必要な文書を作成するための労力をより好適に軽減することができる技術があれば、より好ましい。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ファンドの設定および維持に必要な文書を好適に作成するための技術を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る電子文書作成装置は、上記課題を解決するために、項目分けされた第1の電子文書から項目分けされた第2の電子文書を作成する電子文書作成装置であって、上記第1の電子文書から特定の項目を抽出する抽出手段と、上記抽出手段が抽出した上記特定の項目を上記第2の電子文書の特定の箇所に挿入する挿入手段と、を備えていることを特徴としている。
【0010】
ファンドの設定および維持に必要な文書(例えば、有価証券届出書、有価証券報告書、半期報告書、請求目論見書など)には、部分的に内容が共通する場合がある。上記の構成によれば、上記第2の電子文書の特定の箇所と共通する特定の項目を、上記第1の電子文書から抽出して、上記特定の箇所に挿入することができる。すなわち、ファンドの設定および維持に必要な文書のうち、一つの文書(第1の電子文書)が完成したときに、他の文書(第2の電子文書)に対して、共通部分を挿入することができる。
【0011】
これによって、作成された上記特定の項目が、上記特定の箇所に挿入されるため、新たに上記他の文書(第2の電子文書)の特定の箇所を作成する手間を省くことができる。また、上記第1の電子文書の特定の項目と、上記第2の電子文書の特定の箇所との記載が同じであるか否かのチェックも不要となることから、チェックにかかる手間を省くことができる。したがって、ファンドの設定および維持に必要な複数種類の電子文書を作成する場合に、電子文書の作成効率を向上させることができる。
【0012】
本発明に係る電子文書作成装置において、上記特定の項目は、項目番号を含み、上記挿入手段は、上記第1の電子文書における上記特定の項目の位置に応じた項目番号を、上記第2の電子文書における上記特定の箇所の位置に応じた項目番号に置き換える、ことが好ましい。
【0013】
上記の構成によれば、上記特定の項目の特定の位置の項目を、上記特定の箇所の特定の位置に挿入した場合に、上記項目番号が上記特定の箇所の位置と整合しない項目番号のまま挿入されることを防ぐことができる。すなわち、上記特定の項目よりも小さい範囲の項目を、上記特定の箇所の特定の位置に挿入することができる。これにより、形式的に不備の無い文書を作成することができる。
【0014】
本発明に係る電子文書作成装置において、上記抽出手段は、上記第1の電子文書に含まれる項目のうち、何れの項目を上記特定の項目として抽出するかを、外部ファイルを参照して決定する、ことが好ましい。
【0015】
上記の構成によれば、上記第1の電子文書に含まれる項目のうち、何れの項目を上記特定の項目として抽出し、上記第2の電子文書に含まれる箇所のうち、何れの箇所に上記特定の項目を挿入するかの関係付けを、外部ファイルに分離しておくことができる。これによって、外部ファイルを変更するだけで、上記第1の電子文書から何れの項目を上記特定の項目として抽出し、上記第2の電子文書の何れの箇所に挿入するかを容易に変更することができる。
【0016】
本発明に係る電子文書作成装置において、上記特定の項目は、スタイル情報を含み、上記抽出手段は、上記特定の項目に対して設定されたスタイル情報のうち、特定のスタイル情報のみを抽出し、上記挿入手段は、上記特定の箇所に対して設定されたスタイル情報のうち、上記特定のスタイル情報のみを上記抽出手段が抽出したものに置き換える、ことが好ましい。
【0017】
上記の構成によれば、上記挿入手段は、上記特定の箇所に対して設定された上記特定のスタイル情報のみを、上記抽出手段が上記特定の項目から抽出した上記特定のスタイル情報に置き換えた上で、上記特定の項目を上記特定の箇所に挿入することができる。これによって、上記特定の項目に対して設定された上記特定のスタイル情報以外のスタイル情報については、第2の電子文書に対して予め用意しておいたスタイル情報などを用いることができる。
【0018】
ファンドの設定および維持に必要な電子文書(例えば、有価証券届出書、有価証券報告書、半期報告書、請求目論見書など)間において、スタイル情報の種類や解釈に差異がある場合がある。そのため、第1の電子文書の項目を、その全てのスタイル情報を伴って第2の電子文書に挿入した場合、第2の電子文書が、ユーザが望まないスタイルで表示される場合がある。
【0019】
上記の構成によれば、第1の電子文書から第2の電子文書への挿入処理において、特定のスタイル情報のみが反映されるため、ユーザが望まないスタイルで表示されることを防ぎ、第2の電子文書のデザイン性を高めることができる。
【0020】
本発明に係る電子文書作成装置において、上記特定の項目は、テキストであり、上記抽出手段は、上記テキストに対して設定された下線の有無を示すスタイル情報を抽出し、かつ、上記テキストに対して設定された下線の線種を示すスタイル情報を抽出しない、ことが好ましい。
【0021】
上記の構成によれば、下線が付されたテキストを上記特定の箇所に挿入する際に、第1の電子文書において上記テキストに対して設定された下線の種類に関するスタイル情報を反映しないことにより、当該下線の種類を、第2の電子文書の上記特定の箇所に対して予め設定されている下線の種類に置き換えて、上記テキストを上記特定の箇所に挿入することができる。これにより、第2の電子文書における下線の種類を、ユーザが望むものにすることができ、第2の電子文書のデザイン性を高めることができる。
【0022】
本発明に係る電子文書作成装置において、上記特定の項目は、テーブルであり、上記抽出手段は、上記テーブルに対して設定された行数及び列数を示すスタイル情報を抽出し、かつ、上記テーブルに対して設定された枠線の線種を示すスタイル情報を抽出しない、ことが好ましい。
【0023】
上記の構成によれば、上記テーブルを上記特定の箇所に挿入する際に、第1の電子文書において上記特定の項目に対して設定されたテーブルの枠線の線種に関するスタイル情報を反映しないことにより、当該テーブルの枠線の線種を、第2の電子文書において上記特定の箇所に対して設定されたテーブルの枠線の線種に置き換えて、上記テーブルを上記特定の箇所に挿入することができる。これにより、第2の電子文書におけるテーブルの枠線の線種を、ユーザが望むものにすることができ、第2の電子文書のデザイン性を高めることができる。
【0024】
本発明に係る電子文書作成装置において、上記第1の電子文書は、有価証券届出書を表す電子文書であり、上記第2の電子文書は、有価証券報告書、半期報告書、及び、請求目論見書の少なくとも何れか1つを表す電子文書である、ことが好ましい。
【0025】
上記の構成によれば、有価証券報告書、半期報告書、及び、請求目論見書といった、ファンドの設定および維持に必要な電子文書の作成効率を向上させることができる。
【0026】
本発明に係る電子文書作成装置において、上記第1の電子文書は、有価証券届出書、又は、有価証券届出書から抽出した文字列と交付目論見書固有の文字列とからなる電子文書であり、上記第2の電子文書は、交付目論見書を表す電子文書である、ことが好ましい。
【0027】
上記の構成によれば、デザインに優れた交付目論見書を作成することができる上、その作成効率を向上させることができる。
【0028】
本発明に係る電子文書作成装置の電子文書作成方法は、項目分けされた第1の電子文書から項目分けされた第2の電子文書を作成する電子文書作成方法であって、上記第1の電子文書から特定の項目を抽出する抽出ステップと、上記抽出ステップにて抽出した上記特定の項目を上記第2の電子文書の特定の箇所に挿入する挿入ステップと、を含んでいることを特徴としている。
【0029】
上記の構成によれば、上述した電子文書作成装置と同様の効果を奏する。
【0030】
なお、コンピュータを本発明に係る電子文書作成装置として動作させるためのプログラムであって、上記コンピュータを上記電子文書作成装置の各手段として機能させることを特徴とするプログラム、及び、それらのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に含まれる。
【発明の効果】
【0031】
本発明に係る電子文書作成装置は、上記課題を解決するために、項目分けされた第1の電子文書から項目分けされた第2の電子文書を作成する電子文書作成装置であって、上記第1の電子文書から特定の項目を抽出する抽出手段と、上記抽出手段が抽出した上記特定の項目を上記第2の電子文書の特定の箇所に挿入する挿入手段と、を備えていることを特徴としている。
【0032】
これによって、作成された上記特定の項目が、上記特定の箇所に挿入されるため、新たに上記第2の電子文書の特定の箇所を作成する手間を省くことができる。また、上記第1の電子文書の特定の項目と、上記第2の電子文書の特定の箇所との記載が同じであるか否かのチェックも不要となることから、チェックにかかる手間を省くことができる。
【0033】
これにより、ファンドの設定および維持に必要な複数種類の電子文書を作成する場合に、電子文書の作成効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図2に示す電子文書作成装置が備える制御部及び記憶部の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る電子文書作成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示す電子文書作成装置における、項目分けされた電子文書のデータ構造の一例を示す図である。
【図4】図2に示す電子文書作成装置における、第2電子文書の作成の流れを示すシーケンス図である。
【図5】図2に示す電子文書作成装置が作成する有価証券報告書の項目のツリービューの一部を示す図である。
【図6】図2に示す電子文書作成装置が作成する有価証券届出書の項目のツリービューの一部を示す図である。
【図7】図2に示す電子文書作成装置の記憶部に格納される結合定義情報のデータ構造の一例を示す図であり、(a)は、結合定義情報のデータ構造の全体を示し、(b)は、1つの結合情報の詳細を示している。
【図8】図2に示す電子文書作成装置における、共通項目抽出挿入処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】図2に示す電子文書作成装置における、共通項目抽出挿入処理を模式的に示した図であり、(a)は入力データが反映された有価証券届出書の一例を示し、(b)は有価証券報告書のフォーマットを示し、(c)は共通項目抽出挿入処理を実行した有価証券報告書を示し、(d)は共通項目抽出挿入処理実行後に入力データを反映した有価証券報告書を示している。
【図10】本発明の他の実施形態に係る電子文書作成装置における、結合定義情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る電子文書作成装置における、共通項目抽出挿入処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】本発明の他の実施形態に係る電子文書作成装置における、共通項目抽出挿入処理を模式的に示した図であり、(a)は、入力データが反映された有価証券届出書の一例を示し、(b)は、共通項目抽出挿入処理が実行交付目論見書を示している。
【発明を実施するための形態】
【0035】
<実施形態1>
本発明の一実施形態に係る電子文書作成装置、及び、電子文書作成方法について、図1から図9を参照して以下に説明する。
【0036】
(電子文書作成装置の構成)
本実施形態に係る電子文書作成装置の構成について、図2を参照して説明する。図2は、本実施形態に係る電子文書作成装置1の構成を示すブロック図である。
【0037】
図2に示すように、本実施形態に係る電子文書作成装置1は、入力装置2及びサーバ3を備えている。また、入力装置2は、図2に示すように、入力部20、表示制御部21、表示部22、及び、通信部23を備えており、サーバ3は、制御部30、記憶部31、及び、通信部32を備えている。なお、各部材の詳細については後述する。
【0038】
(制御部、記憶部の構成)
また、本実施形態に係る電子文書作成装置1のサーバ3が備える制御部30及び記憶部31の構成について、図1を参照して説明する。図1は。本実施形態に係る電子文書作成装置1が備える制御部30及び記憶部31の構成を示すブロック図である。
【0039】
記憶部31は、図1に示すように、雛形記憶領域311、第1電子文書記憶領域312、第2電子文書記憶領域313、定義情報記憶領域314、及び、工程管理領域315を有している。なお、各部材の詳細については後述する。
【0040】
制御部30は、図1に示すように、文書管理部301、抽出部302、挿入部303、及び、工程管理部304を備えている。なお、各部材の詳細については後述する。
【0041】
(電子文書作成装置の概要)
本実施形態に係る電子文書作成装置1は、項目分けされた第1電子文書(第1の電子文書)を構成する複数の項目から、項目分けされた第2電子文書(第2の電子文書)を構成する複数の項目のうちの何れかの項目と共通する共通項目を抽出し、抽出した第1電子文書の共通項目(特定の項目)を第2電子文書の共通項目(特定の箇所)に挿入する。
【0042】
また、電子文書作成装置1は、共通項目が挿入された第2電子文書を構成する項目のうち、第1電子文書を構成する何れの項目とも共通しない項目についてデータの入力を受け付け、第2電子文書を作成する。
【0043】
このように、電子文書作成装置1は、作成された第1電子文書の共通項目を、第2電子文書の共通項目に挿入する。これにより、ユーザは、第2電子文書を作成するに当たり、第1電子文書の何れの項目とも共通しない第2電子文書の項目についてのみ作成すればよく、第1電子文書と共通する第2電子文書の項目を作成する手間を省くことができる。また、電子文書作成装置1は、第1電子文書の共通項目と、第2電子文書の共通項目との記載が同じであるか否かのチェックが不要となることから、チェックにかかる手間を省くことができる。したがって、複数種類の電子文書を作成する場合に、電子文書の作成効率を向上させることができる。
【0044】
(項目分けされた電子文書のデータ構造の一例)
上述したように、本実施形態において処理対象とする第1及び第2電子文書は、項目分けされた電子文書である。本明細書において、電子文書が「項目分けされている」とは、当該電子文書が有する項目、及び、当該電子文書における各項目の内容が、容易に(自然言語解析技術を必要とせずに)取得可能な状態を指し、特に、当該電子文書が有する項目、及び、各項目と各項目の内容との関連付けを表すデータを、当該電子文書が含んでいるか、または、上記データが当該電子文書に関連付けられている状態を指す。
【0045】
本実施形態に係る電子文書作成装置1における、項目分けされた電子文書のデータ構造の一例を、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態に係る電子文書作成装置1における、項目分けされた電子文書のデータ構造の一例を示す図である。図3に示す電子文書は、項目分けデータ61と、内容データ62とを含んでいる。
【0046】
項目分けデータ61は、電子文書が有する項目、及び、各項目間の論理構造を表すデータである。項目分けデータ61は、例えば、XMLのような入れ子構造またはツリー構造のデータ形式を有しており、電子文書の有するツリー構造を表現している。
【0047】
図3に示す例では、大項目「1」600の下位ノードとして、中項目「(1)」602、中項目「(2)」608、及び、中項目「(3)」610が存在する。また、中項目「(1)602の下位ノードとしては、小項目「丸1」604、及び、小項目「丸2」606が存在する。また、中項目「(2)」608の下位ノードとしては、小項目「丸1」604、及び、小項目「丸2」606が存在する。これらの内、下位ノードを有さない項目(小項目「丸1」604、小項目「丸2」606、中項目「(2)」608、小項目「丸1」612、及び、小項目「丸2」614)には、内容データ62において対応部分が存在する。なお、本明細書において、各項目の番号を、その上位ノードの番号を含めて表現する場合がある。例えば、小項目「丸1」604は、項目「1(1)丸1」604と表現する場合がある。このような上位ノードの番号を含められた番号を用いることにより、各項目を電子文書内において一意に識別することができる。
【0048】
また、各項目には、各項目の見出しを表すデータ(見出し601、603、605、607、609、611、613、及び、615。例えば、見出し601は、項目「1」600に対応する)が含まれている。なお、見出しには、後述する図5及び図6に示すように、各項目の内容の主題または概略を表す文字列が含まれ得る。
【0049】
内容データ62は、各項目の内容を表すデータ(内容620、621、622、623、及び、624。例えば、内容620は、小項目「丸1」604の内容を表す)から構成される(以降、各項目内容データとも呼称する)。各項目内容データは、例えば、項目毎の内容を表すHTMLファイルによって構成されている。項目分けデータ61において、下位ノードを有さない項目には、各項目を一意に識別するIDが付されており、内容データ62における各項目内容データにも同一のIDが関連付けられている(例えば、各項目内容データのHTMLファイルのファイル名が、該当IDを含んでいる)。これにより、各項目と、その対応する内容とが関連付けられている。なお、各項目内容データにも、各項目の内容の主題または概略を表す文字列が含まれてもよい。
【0050】
なお、図3に示した構造はあくまでも説明のための一例であり、ツリー構造の階層数、項目(ノード)の数等は、特に限定されない。なお、ツリー構造が1階層である場合は、リスト構造と称してもよい。
【0051】
以上のように電子文書が構成されることにより、電子文書作成装置1の各装置(端末装置2及びサーバ3)は、電子文書が有する項目、項目間の論理構造、各項目の内容、及び各項目の見出しを容易に取得することができる。
【0052】
〔電子文書作成処理の一例〕
次に、本実施形態に係る電子文書作成処理の一例について、図4から図9を参照して説明する。なお、本実施形態では、電子文書作成装置1にて作成する電子文書は、投資信託の新規設定ファンド及び継続開示ファンドに関する書類(以降、投信書類とも呼称する)であって、第1電子文書が有価証券届出書であり、第2電子文書が有価証券報告書である場合を例に挙げて説明する。
【0053】
有価証券届出書は、新規設定ファンドを設立する場合、及び、新規設定ファンドを設立した時点から1年(最長16ヶ月)毎に、新規設定ファンドを設立する投信会社に提出が求められる書類である。また、有価証券報告書は、新規設定ファンドとして設定された後、決算期に合わせて決算内容を開示するために、ファンドを維持する投信会社に毎年提出が求められる書類である。
【0054】
(有価証券報告書の作成)
有価証券報告書の作成の流れについて、図4から図6を参照して説明する。図4は、本実施形態に係る電子文書作成装置1における、有価証券報告書の作成の流れを示すシーケンス図である。図5は、本実施形態に係る電子文書作成装置1が作成する有価証券報告書の項目の一部をツリービューの態様で示す図である。図6は、本実施形態に係る電子文書作成装置1が作成する有価証券届出書の項目の一部をツリービューの態様で示す図である。
【0055】
なお、上述したように、本実施形態において処理対象とする有価証券届出書及び有価証券報告書は、何れも項目分けされた電子文書であり、項目間の論理構造を定めた項目分けデータ、及び、項目分けデータと関連付けられた内容データからなる。
【0056】
また、本実施形態において、有価証券報告書及び有価証券届出書は、図5及び図6に示すような項目(例えば、「(1)ファンドの目的及び基本的性格」及び「(2)ファンドの沿革」など)によって項目分けされている。また、有価証券報告書及び有価証券届出書の各項目は、図5及び図6に示すように、ツリー構造を構成している。
【0057】
図4に示すように、入力部20は、有価証券報告書の作成開始指示の入力を受け付けると、受け付けた有価証券報告書の作成開始指示を、通信部23を介して文書管理部301に通知する。
【0058】
文書管理部301は、有価証券報告書の作成開始指示が通知されると、有価証券報告書の雛形となる電子文書のフォーマット(項目分けデータ、及び、項目分けデータと関連付けられた内容データからなる)を雛形記憶領域311から読み出す。文書管理部301は、読み出した有価証券報告書のフォーマットを第2電子文書記憶領域313に格納すると共に、当該有価証券報告書のフォーマットに対して共通項目抽出挿入処理を実行するように共通項目抽出挿入処理の実行指示を抽出部302に通知する。
【0059】
抽出部302及び挿入部303は、文書管理部301から実行指示を取得すると、有価証券報告書のフォーマットの共通項目に対して、有価証券届出書の共通項目を挿入する共通項目抽出挿入処理を実行する。挿入部303は、共通項目抽出挿入処理が終了すると、共通項目抽出挿入処理の終了通知を文書管理部301に通知する。なお、共通項目抽出挿入処理については図面を替えて後述する。
【0060】
文書管理部301は、挿入部303から終了通知を取得すると、第2電子文書記憶領域313から、共通項目が挿入された有価証券報告書のフォーマットを読み出す。文書管理部301は、読み出した有価証券報告書のフォーマットデータを、通信部32を介して表示制御部21に供給する。表示制御部21は、供給された有価証券報告書のフォーマットを表示部22に表示する。
【0061】
入力部20は、表示部22に表示される有価証券報告書の各項目に対して行われる文章データ及び数値データなどの入力データの入力を受け付ける。入力部20は、受け付けた入力データを表示制御部21に供給する。表示制御部21は、供給された入力データを、対応する各項目内容データに反映し、反映した各項目内容データを含む有価証券報告書を表示部22に表示する。なお、本工程において入力されたデータは、以降においても、「入力データ」と称する場合がある。
【0062】
なお、表示部22に表示される有価証券報告書の項目のうち、有価証券届出書と記載が共通する共通項目は、共通項目抽出挿入処理により、最初から共通項目が挿入された状態で表示されている。したがって、入力部20は、有価証券報告書の項目のうち、有価証券届出書の項目と共通でない項目についてのみ、データの入力を受け付ければよい。すなわち、ユーザは、有価証券報告書を作成する場合、有価証券届出書の項目と異なる項目についてデータを入力するだけで、有価証券報告書を生成することができる。
【0063】
表示制御部21は、入力データを各項目内容データに反映すると、反映した各項目内容データを含む有価証券報告書を、通信部23を介して文書管理部301に供給する。
【0064】
文書管理部301は、供給された有価証券報告書を構成する内容データ及び項目分けデータを第2電子文書記憶領域313に格納する。
【0065】
また、有価証券報告書の作成に係わる部署の各項目内容データに対する承認期限が近くなると、工程管理部304は、承認期限の期限警告を通信部32を介して表示制御部21に通知する。表示制御部21は、取得した承認期限の期限警告を、表示部22に表示し、承認を行うユーザに通知する。なお、承認期限及び承認の有無などは、工程記憶領域に格納されている工程管理テーブルにおいて管理すればよい。なお、工程管理テーブルは、項目内容データ毎に承認の必要な部署、承認が必要な期日、及び、承認の有無などを管理することができるものであれば、特に限定されるものではない。
【0066】
入力部20は、表示部22に表示された承認期限の期限警告に応じて行われた承認の入力を受け付ける。入力部20は、受け付けた承認指示を、通信部23を介して文書管理部301に供給する。
【0067】
文書管理部301は、各項目に対する入力データの承認指示を取得すると、第2電子文書記憶領域313から、承認指示の対象となる項目に対応する各項目内容データを読み出し、各項目内容データに含まれる入力データを、変更できない確定データとして反映し、反映した各項目内容データを第2電子文書記憶領域313に格納する。
【0068】
(結合定義情報)
次に、共通項目抽出挿入処理を実行する際に参照される結合定義情報(外部ファイル)及び結合定義情報の構造について、図7を参照して説明する。図7は、本実施形態に係る結合定義情報のデータ構造の一例を示す図である。図7(a)は、結合定義情報のデータ構造の全体を示す図であり、(b)は、1つの結合情報の詳細を示す図である。
【0069】
結合定義情報は、有価証券届出書の各項目内容データのうち何れのデータと、有価証券報告書の各項目内容データのうち何れのデータとが共通しているかを予め定義している。これによって、有価証券届出書の項目と、交付目論見書の項目とにおいて、共通している項目を関連付けることができる。
【0070】
図7(a)に示すように、結合定義情報には、総数N(Nは自然数)の結合情報が定義されている。なお、Nは、有価証券届出書の項目と、有価証券報告書の項目とにおける、共通項目の数である。以降、有価証券届出書の内容データを構成する各項目内容データのうち、共通項目の内容を表すデータを抽出元ファイルとも呼称し、有価証券報告書の内容データを構成する各項目内容データのうち、共通項目の内容を表すデータを挿入先ファイルとも呼称する。
【0071】
また、結合定義情報には、図7(b)に示すように、総数Nの結合情報のそれぞれに、抽出元ファイル情報、挿入先ファイル情報、小項目番号変更有無情報及び変更後の小項目番号情報が定義されている。各結合情報に定義されている抽出元ファイル情報は、例えば、抽出元ファイルのIDを示し、挿入先ファイル情報は、例えば、挿入先ファイルのIDを示している。
【0072】
また、小項目番号変更有無情報は、抽出元ファイルから抽出した入力データを挿入先ファイルに挿入する際に、入力データに含まれる小項目の項目番号である小項目番号(項目番号)を変更する必要があるか否かを示している。変更後の小項目番号情報には、小項目番号変更の必要が「有」に定義されている場合にのみ、抽出元ファイルから抽出した入力データに含まれる変更すべき小項目番号と、挿入先ファイルに対応させるために変更した後の小項目番号が定義されており、小項目番号変更の必要が「無」に定義されている場合には定義されない。
【0073】
本実施形態においては、図6に示す有価証券届出書の項目の一部のうち、「第二部〔ファンド情報〕」の項目の下位ノードとして設定されている全ての項目に対応する項目内容データを、図5に示す有価証券報告書の「第一部〔ファンド情報〕」の項目の下位ノードとして設定されている、対応する全ての項目に挿入することによって、有価証券報告書を作成すればよい。もちろん、全ての項目ではなく、有価証券届出書の下位ノードを有さない項目のうち一部の項目に対応する項目内容データを、有価証券報告書の下位ノードを有さない項目の一部の対応する項目に挿入することによって、有価証券報告書を作成してもよい。
【0074】
(共通項目抽出挿入処理)
次に、共通項目抽出挿入処理について、図8及び図9を参照して説明する。図8は、本実施形態に係る電子文書作成装置1が備える抽出部302及び挿入部303における、共通項目抽出挿入処理の流れを示すフローチャートである。図9は、共通項目抽出挿入処理を模式的に示した図である。図9(a)は、入力データが反映された有価証券届出書の一例を示し、(b)は、有価証券報告書のフォーマットを示し、(c)は、共通項目抽出挿入処理を実行した有価証券報告書を示し、(d)は、共通項目抽出挿入処理実行後に入力データを反映した有価証券報告書を示している。
【0075】
ここでは、結合定義情報において、図9(a)に示す有価証券届出書の一部のうち、項目Aの小項目a及び小項目aaに対応する各項目内容データ、及び、項目Cの小項目ccに対応する各項目内容データが抽出元ファイルとして定義されており、(b)に示す有価証券報告書の一部のうち、項目A’の小項目a及び小項目aaに対応する各項目内容データ、及び、項目C’の小項目ccに対応する各項目内容データが挿入先ファイルとして定義されている場合を例に挙げて説明する。
【0076】
抽出部302は、図8に示すように、文書管理部301から共通項目抽出挿入処理の実行指示を取得すると、第1電子文書記憶領域312から、入力データが反映されている有価証券届出書の内容データを読み出すと共に、定義情報記憶領域314から結合定義情報を読み出す(ステップS1)。
【0077】
抽出部302は、読み出した結合定義情報に含まれる、図7(a)に示す総数Nの結合情報に基づいて、図7(b)に示す抽出元ファイル情報を取得する。抽出部302は、取得した総数Nの抽出元ファイル情報に基づいて、有価証券届出書の内容データを構成する各項目内容データから抽出元ファイルを特定し、特定した総数Nの抽出元ファイルに含まれる入力データを抽出する(ステップS2)。例えば、図9(a)に示す項目Aの小項目a、小項目aa、及び、項目Cの小項目ccが抽出される。
【0078】
抽出元ファイルから抽出された総数Nの入力データを取得すると、挿入部303は、第2電子文書記憶領域313から有価証券報告書を構成する内容データを読み出すと共に、定義情報記憶領域314から結合定義情報を読み出す。
【0079】
次に、挿入部303は、結合情報に定義された小項目番号変更有無情報を参照することによって、取得した入力データに含まれる小項目の項目番号を、挿入先ファイルに対応する小項目の項目番号に置き換えるか否かを判定する(ステップS3)。
【0080】
小項目番号変更の要否が「有」である場合(ステップS3においてYES)、挿入部303は、抽出元ファイルから抽出された入力データに含まれる小項目の項目番号を、変更後の小項目番号情報において定義されている小項目の項目番号に置き換える(ステップS4)。例えば、図9(a)に示すように、項目Cの小項目ccの小項目番号が、「丸2」から「丸1」に置き換えられる。
【0081】
小項目番号変更の要否が「無」である場合(ステップS3においてNO)、及び、抽出された入力データに含まれる小項目の項目番号を、変更後の小項目番号情報において定義されている小項目の項目番号に置き換えると、挿入部303は、有価証券報告書を構成する各項目内容データのうち、挿入先ファイル情報に基づいて特定した挿入先ファイルに、入力データを挿入する(ステップS5)。例えば、図9(c)に示すように、有価証券報告書の項目A’の小項目a及び小項目aaに、有価証券届出書の項目Aの小項目a及び小項目aaが挿入される。また、小項目番号が置き換えられた、有価証券届出書の項目Cの小項目ccが、有価証券報告書の項目C’の小項目ccに挿入される。
【0082】
次に、挿入部303は、抽出元ファイルから抽出された総数Nの入力データが全て挿入先ファイルに挿入されたか否かを判定する(ステップS6)。
【0083】
挿入先ファイルに挿入されていない入力データが存在すると判定した場合(ステップS6においてNO)、再びステップS3からS5を実行する。すなわち、ステップS6において、挿入先ファイルに挿入されていない入力データが存在しないと判定されるまで、ステップS3からS5を繰り返す。
【0084】
全ての入力データが挿入先ファイルに挿入されたと判定した場合(ステップS6においてYES)、共通項目抽出挿入処理を終了する。
【0085】
挿入部303は、共通項目抽出挿入処理を終了すると、入力データが挿入された各項目内容データ、すなわち、挿入先ファイルを第2電子文書記憶領域313に格納し、共通項目抽出挿入処理の終了通知を文書管理部301に通知する。
【0086】
なお、共通項目抽出挿入処理が終了した後の有価証券報告書の作成処理において、有価証券届出書の項目と共通でない項目(図9(d)において、項目B’)についてのデータの入力を受け付けることによって、図9(d)に示すように、有価証券報告書の一部が完成する。
【0087】
結合定義情報を参照することによって、抽出部302は、有価証券届出書の内容データを構成する各項目内容データのうち、何れのデータが第1共通内容データであるかを容易に判定でき、挿入部303は、有価証券報告書の内容データを構成する各項目内容データのうち、何れのデータが第2共通内容データであるかを容易に判定することができる。
【0088】
このため、挿入部303は、抽出部302において抽出元ファイルから抽出された入力データを、容易に挿入先ファイルに挿入することができる。また、結合定義情報を参照することによって、挿入部303は、抽出部302において抽出された入力データに含まれる小項目番号を変更するか否かを容易に判定することができ、変更する必要がある場合にも、小項目番号を容易に変更することができる。
【0089】
また、結合定義情報を、他のファイルなどと分離しておくことにより、結合定義情報を変更するだけで、有価証券届出書から何れの項目を共通項目として抽出し、有価証券報告書の何れの項目に挿入するかを容易に変更することができる。
【0090】
〔電子文書の変形例〕
本実施形態では、電子文書作成装置1にて作成する電子文書は、第1電子文書が有価証券届出書であり、第2電子文書が有価証券報告書である場合を例に挙げて説明したが、もちろん、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第2電子文書が半期報告書及び請求目論見書であってもよい。また、第1電子文書が約款であり、第2電子文書が有価証券届出書であってもよい。
【0091】
また、複数の電子文書の組み合わせ(例えば、第1電子文書が有価証券届出書であり、第2電子文書が半期報告書である場合など)の結合定義情報を定義情報記憶領域314に格納しておくことにより、参照する結合定義情報を変えるだけで、複数の電子文書の組み合わせに対して共通項目抽出挿入処理を実行することができる。
【0092】
もちろん、電子文書作成装置1にて作成する電子文書は投信書類に限定されるものではなく、共通の項目を有する2つ以上の電子文書を作成する場合に広く適用することができる。
【0093】
〔共通項目抽出挿入処理の変形例〕
本実施形態では、図8に示す共通項目抽出挿入処理のステップS2において、総数Nの抽出元ファイルから入力データを抽出する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。
【0094】
例えば、総数nの抽出元ファイルから入力データを抽出する構成を採用してもよい。なお、nはN≧nを満たす自然数であり、有価証券届出書の作成において、ユーザからの承認指示を受け付けた項目の数である。すなわち、共通項目抽出挿入処理は、有価証券届出書の作成において入力された入力データが、承認指示によって確定データとして反映された項目についてのみ実行することができる。
【0095】
〔表示制御部の変形例〕
なお、表示制御部21は、すでに入力データが反映されている有価証券届出書の各項目内容データのうち、承認指示を受け付けていない各項目内容データを変更することも可能である。表示制御部21は、第1電子文書記憶領域312から読み出した、入力データが反映されている各項目内容データを含む有価証券届出書を、通信部23を介して文書管理部301から取得し、各項目内容データに反映されている入力データを変更する。表示制御部21は、変更した入力データが反映されたフォーマットを、通信部23を介して文書管理部301に供給し、文書管理部301は、供給されたフォーマットを構成する内容データ及び項目分けデータを第1電子文書記憶領域312に格納する。
【0096】
〔工程管理部の変形例〕
なお、工程管理部304は、承認期限間近になる前に承認が行われていた場合には、承認期限の期限警告を通知しなくてもよい。また、工程管理部304は、有価証券届出書の項目に対応する入力データの入力期限が近くなった場合に、入力期限の期限警告を通知してもよく、有価証券届出書の完成期限が近くなった場合に、完成期限の期限警告を通知してもよい。
【0097】
〔結合定義情報の変形例〕
また、以上では、図7に示すような結合定義情報を利用する構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、結合定義情報に含まれる情報が、制御部30が実行するプログラムに予め定義されている構成であってもよい。例えば、共通項目抽出挿入処理において、抽出元及び挿入先を見出し名の一致により特定する場合、制御部30が実行するプログラムに、見出し名の一致により抽出元及び挿入先を特定するロジックが定義されていてもよい。同様に、小項目番号変更有無情報及び変更後の小項目番号情報についても、プログラムに予め定義されていてもよい。これらの場合、結合定義情報は、当該ロジックを表現するプログラムデータ、または当該ロジックを実現するためにプログラムに供されるデータであり得る。
【0098】
<実施形態2>
本発明の他の実施形態に係る電子文書作成装置、及び、電子文書作成方法について、図10から図12を参照して以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1に係る構成要素と同様の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。本実施形態では、主に、実施形態1との相違点について説明するものとする。
【0099】
〔電子文書作成処理の一例〕
本実施形態に係る電子文書作成処理の一例について、図10及び図11を参照して説明する。
【0100】
なお、本実施形態では、電子文書作成装置1にて作成する電子文書は、第1電子文書が有価証券届出書であり、第2電子文書が交付目論見書である場合を例に挙げて説明する。交付目論見書は、投信会社が投資家に必ず交付しなければならない、ファンドを説明する書類である。有価証券届出書は、通常、HTMLで作成される。これに対し、交付目論見書は、HTMLよりも高い表現力を有するDTP用データで作成される。そのため、一般には、交付目論見書は専門の知識を有する担当者によってそのスタイル情報等が設定される。
【0101】
なお、交付目論見書の作成の流れは、図4に示す有価証券報告書の作成の流れと同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0102】
(結合定義情報)
まず、本実施形態において共通項目抽出挿入処理を実行する際に参照される結合定義情報及び結合定義情報の構造について、図10を参照して説明する。図10は、本実施形態に係る結合定義情報のデータ構造の一例を示す図である。図10(a)は、結合定義情報のデータ構造の全体を示す図であり、(b)は、1つの結合情報の詳細を示す図である。
【0103】
結合定義情報は、有価証券届出書の各項目内容データのうち何れのデータと、交付目論見書の各項目内容データのうち何れのデータとが共通しているかを予め定義している。これによって、有価証券届出書の項目と、交付目論見書の項目とにおいて、共通している項目を関連付けることができる。
【0104】
図10(a)に示すように、結合定義情報には、総数M(Mは自然数)の結合情報が定義されている。なお、Mは、有価証券届出書の項目と、交付目論見書の項目とにおける、共通項目の数である。以降、有価証券届出書の内容データを構成する各項目内容データのうち、共通項目の内容を表すデータを抽出元データとも呼称し、交付目論見書の内容データを構成する各項目内容データのうち、共通項目の内容を表すデータを挿入先ファイルとも呼称する。
【0105】
また、結合定義情報には、図10(b)に示すように、総数Mの結合情報のそれぞれに、抽出元ファイル情報、挿入先ファイル情報、及び、スタイル変換情報が定義されている。各結合情報に定義されている抽出元ファイル情報は、抽出元ファイルのIDを示し、挿入先ファイル情報は、挿入先ファイルのIDを示している。
【0106】
また、スタイル変換情報は、抽出元ファイルから抽出した入力データを挿入先ファイルに挿入する際に、入力データから抽出するスタイル情報を規定する情報である。例えば、「下線の有無」、「下線の線種」、「p×qのマトリクス」、「枠線の線種」といったスタイル情報から、「下線の有無」、「p×qのマトリクス」は抽出し、「下線の線種」、「枠線の線種」は抽出しないことなどが、スタイル変換情報によって規定されている。後述するように、入力データが、スタイル変換情報によって規定された特定のスタイル情報を有している場合、当該特定のスタイル情報は挿入先ファイルに挿入する際にも反映される(挿入先ファイルに特定のスタイル情報が付される)。一方、入力データが、スタイル変換情報によって規定された特定のスタイル情報以外のスタイル情報を有していても、当該特定のスタイル情報以外のスタイル情報は挿入先ファイルに挿入する際に反映されず、挿入先ファイルにおいて予め設定されているスタイル情報が使用される。
【0107】
(共通項目抽出挿入処理)
次に、交付目論見書の作成における共通項目抽出挿入処理について、図11及び図12を参照して説明する。図11は、本実施形態に係る電子文書作成装置1が備える抽出部302及び挿入部303における、共通項目抽出挿入処理の流れを示すフローチャートである。図12は、共通項目抽出挿入処理を模式的に示した図である。図12(a)は、入力データが反映された有価証券届出書の一例を示し、(b)は、共通項目抽出挿入処理が実行交付目論見書を示している。
【0108】
ここでは、結合定義情報において、図12(a)に示す有価証券届出書の一部のうち、項目Dの小項目dに対応する各項目内容データ、及び、項目Eに対応する各項目内容データが抽出元ファイルとして定義されており、(b)に示す有価証券報告書の一部のうち、項目D’の小項目dに対応する各項目内容データ、及び、項目E’に対応する各項目内容データが挿入先ファイルとして定義されている場合を例に挙げて説明する。
【0109】
抽出部302は、図11に示すように、文書管理部301から共通項目抽出挿入処理の実行指示を取得すると、第1電子文書記憶領域312から、入力データが反映されている有価証券届出書の内容データを読み出すと共に、定義情報記憶領域314から結合定義情報を読み出す(ステップS11)。
【0110】
抽出部302は、読み出した結合定義情報に含まれる、図10(a)に示す総数Mの結合情報に基づいて、図10(b)に示す抽出元ファイル情報を取得する。抽出部302は、取得した総数Mの抽出元ファイル情報に基づいて、有価証券届出書の内容データを構成する各項目内容データから抽出元ファイルを特定し、特定した総数Mの抽出元ファイルに含まれる入力データを抽出する(ステップS12)。例えば、図12(a)に示す項目Dの小項目d、及び、項目Eが抽出される。
【0111】
次に、抽出部302は、取得した入力データのスタイル情報から、結合定義情報のスタイル変換情報に規定される特定のスタイル情報のみを抽出する(ステップS13)。例えば、図12(a)に示す例では、項目Dの小項目dには、「直線の下線」というスタイル情報が付されており、項目Eには「枠線が実線で構成される3行3列のマトリクス」というスタイル情報が付されている。抽出部302は、これらのスタイル情報から、特定のスタイル情報である「下線を有する」および「3行3列のマトリクスを有する」という情報を抽出する。抽出部302は、抽出した総数Mの入力データ及び特定のスタイル情報を、挿入部303に供給する。
【0112】
抽出元ファイルから抽出された総数Mの入力データ及び特定のスタイル情報を取得すると、挿入部303は、第2電子文書記憶領域313から交付目論見書の内容データを読み出すと共に、定義情報記憶領域314から結合定義情報を読み出す。
【0113】
挿入部303は、交付目論見書の挿入先ファイル情報に基づいて特定した挿入先ファイルに設定されている特定のスタイル情報を、それぞれに対応する抽出元ファイルから抽出された特定のスタイル情報に置き換える(ステップS14)。抽出元ファイルから抽出されなかったスタイル情報については、予め第2の電子文書において設定されているスタイル情報が適用される。
【0114】
例えば、図12(b)に示すように、項目D’の小項目dの文章データに付されている下線の有無を示す特定のスタイル情報は、「下線を有する」という情報に置き換えられる。線種を示すスタイル情報は、項目D’の小項目dに予め設定されている「波線」が反映される。また、項目E’の文章データに付されているマトリクスの有無を示す特定のスタイル情報は「3行3列のマトリクスを有する」という情報に置き換えられる。線種を示すスタイル情報は、項目E’dに予め設定されている線種(「外枠は太線、及び、他の枠線は細線」)が反映される。
【0115】
挿入部303は、交付目論見書の挿入先ファイルに、特定のスタイル情報が置き換えられた入力データを挿入する(ステップS15)。これにより、図12(b)に示す項目D’の小項目dには、図12(a)に示す項目Dの小項目dの文章データが、付されている「直線の下線」が「波線の下線」に置き換えられた状態で挿入される。また、項目E’には、項目Eにおいて「枠線が実線で構成される3行3列のマトリクス」の表が、「枠線のうち、外枠が太線であり、他の枠線が細線で構成される3行3列のマトリクス」の表に置き換えられた状態で挿入される。
【0116】
次に、抽出元ファイルから抽出された総数Mの入力データが全て挿入先ファイルに挿入されたか否かを判定する(ステップS16)。
【0117】
挿入先ファイルに挿入されていない入力データが存在すると判定した場合(ステップS16においてNO)、再びステップS13からステップS15までの動作を繰り返し、全ての入力データが挿入先ファイルに挿入されたと判定した場合(ステップS16においてYES)、共通項目抽出挿入処理を終了する。
【0118】
挿入部303は、共通項目抽出挿入処理を終了すると、入力データが挿入された挿入先ファイルを第2電子文書記憶領域313に格納し、共通項目抽出挿入処理の終了通知を文書管理部301に通知する。
【0119】
これによって、有価証券届出書の共通項目の入力データに含まれているスタイル情報を、より交付目論見書に適したものに置き換えることができる。
【0120】
上述のように、有価証券届出書の共通項目がテキストである場合に、テキストに対して設定された下線の有無を示すスタイル情報を抽出し、かつ、テキストに対して設定された下線の線種を示すスタイル情報を抽出しないことにより、電子文書作成装置1は、有価証券届出書の共通項目に対して設定された下線の種類を、交付目論見書の共通項目に対して設定されている下線の種類に置き換えた上で、有価証券届出書の共通項目のテキストを交付目論見書の共通項目に挿入することができる。
【0121】
また、有価証券届出書の共通項目テーブルである場合に、テーブルに対して設定された行数及び列数を示すスタイル情報を抽出し、かつ、テーブルに対して設定された枠線の線種を示すスタイル情報を抽出しないことによって、電子文書作成装置1は、有価証券届出書の共通項目に対して設定されたテーブルの枠線の線種を、交付目論見書の共通項目に対して予め設定されたテーブルの枠線の線種に置き換えた上で、有価証券届出書の共通項目のテーブルを交付目論見書の共通項目に挿入することができる。
【0122】
これによって、文章を作成することに特化している、視覚的な表現力の低いソフトウェアを使用することで、例えば、DTP(Desk Top Publising)ソフトウェアのような視覚的な表現力の高いソフトウェアを使用して作成したような、電子文書を作成することができる。
【0123】
本実施形態では、第1電子文書が有価証券届出書である場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1電子文書は、第2電子文書を作成するために利用可能な電子文書であればよい。例えば、交付目論見書が、有価証券届出書に含まれる文字列以外の文字列、すなわち、交付目論見書に固有の文字列を含む場合、有価証券届出書から抽出した文字列と交付目論見書固有の文字列からなる電子文書を第1の電子文書として用いるとよい。
【0124】
〔結合定義情報の変形例〕
また、以上では、図10に示すような結合定義情報を利用する構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、結合定義情報に含まれる情報が、制御部30が実行するプログラムに予め定義されている構成であってもよい。例えば、共通項目抽出挿入処理において、抽出元及び挿入先を見出し名の一致により特定する場合、制御部30が実行するプログラムに、見出し名の一致により抽出元及び挿入先を特定するロジックが定義されていてもよい。同様に、スタイル変換情報についても、プログラムに予め定義されていてもよい。これらの場合、結合定義情報は、当該ロジックを表現するプログラムデータ、または当該ロジックを実現するためにプログラムに供されるデータであり得る。
【0125】
〔スタイル情報の変形例〕
なお、本実施形態では、図12(a)に示す項目Eのテーブルから「3行3列のマトリクス」であるという特定のスタイル情報を抽出する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、テーブルの枠線で仕切られたp行q列(p及びqは自然数)の領域に含まれる各入力データのみを抽出する構成を採用してもよい。
【0126】
この場合には、有価証券届出書及び交付目論見書の共通項目に、予め同じ行数列数のテーブルが用意されており、有価証券届出書の共通項目の各領域に含まれる入力データのみを交付目論見書の共通項目に予め用意されているテーブルに挿入すればよい。
【0127】
例えば、図11に示すステップS13において、抽出した入力データから、テーブルの枠線で仕切られた各領域の入力データを抽出し、ステップS15において、交付目論見書の共通項目に予め設けられているテーブルの枠線で仕切られた対応する各領域に抽出した入力データを挿入してもよい。
【0128】
なお、本実施形態においては、有価証券届出書及び交付目論見書が項目分けされた電子文書であり、項目分けデータ及び内容データによって実現される構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、1つの電子文書において、項目分けされた領域を複数有している構成を採用してもよい。
【0129】
例えば、交付目論見書が項目分けされた複数の領域を有している場合、結合定義情報において、有価証券届出書の内容データを構成する各項目内容データと、交付目論見書を構成する各項目の領域とを、抽出元ファイル情報及び挿入先ファイル情報として定義すればよい。
【0130】
(プログラム、記憶媒体)
電子文書作成装置1の各ブロックは、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
【0131】
後者の場合、電子文書作成装置1は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラム及び各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである電子文書作成装置1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、電子文書作成装置1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0132】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
【0133】
また、上記プログラムコードは、通信ネットワークを介して電子文書作成装置1に供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE80211無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。
【0134】
なお、ここで開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0135】
本発明は、例えば、共通の項目を有する2つ以上の電子文書を作成する電子文書作成装置に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0136】
1 電子文書作成装置
2 入力装置
3 サーバ
20 入力部
21 表示制御部
22 表示部
23 通信部
30 制御部
31 記憶部
32 通信部
301 文書管理部
302 抽出部(抽出手段)
303 挿入部(挿入手段)
304 工程管理部
311 雛形記憶領域
312 第1電子文書記憶領域
313 第2電子文書記憶領域
314 定義情報記憶領域
315 工程管理領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
項目分けされた第1の電子文書から項目分けされた第2の電子文書を作成する電子文書作成装置であって、
上記第1の電子文書から特定の項目を抽出する抽出手段と、上記抽出手段が抽出した上記特定の項目を上記第2の電子文書の特定の箇所に挿入する挿入手段と、を備えていることを特徴とする電子文書作成装置。
【請求項2】
上記特定の項目は、項目番号を含み、上記挿入手段は、上記第1の電子文書における上記特定の項目の位置に応じた項目番号を、上記第2の電子文書における上記特定の箇所の位置に応じた項目番号に置き換える、ことを特徴とする請求項1に記載の電子文書作成装置。
【請求項3】
上記抽出手段は、上記第1の電子文書に含まれる項目のうち、何れの項目を上記特定の項目として抽出するかを、外部ファイルを参照して決定する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の電子文書作成装置。
【請求項4】
上記特定の項目は、スタイル情報を含み、上記抽出手段は、上記特定の項目に対して設定されたスタイル情報のうち、特定のスタイル情報のみを抽出し、上記挿入手段は、上記特定の箇所に対して設定されたスタイル情報のうち、上記特定のスタイル情報のみを上記抽出手段が抽出したものに置き換える、ことを特徴とする請求項1から3までの何れか1項に記載の電子文書作成装置。
【請求項5】
上記特定の項目は、テキストであり、上記抽出手段は、上記テキストに対して設定された下線の有無を示すスタイル情報を抽出し、かつ、上記テキストに対して設定された下線の線種を示すスタイル情報を抽出しない、ことを特徴とする請求項4に記載の電子文書作成装置。
【請求項6】
上記特定の項目は、テーブルであり、上記抽出手段は、上記テーブルに対して設定された行数及び列数を示すスタイル情報を抽出し、かつ、上記テーブルに対して設定された枠線の線種を示すスタイル情報を抽出しない、ことを特徴とする請求項4に記載の電子文書作成装置。
【請求項7】
上記第1の電子文書は、有価証券届出書を表す電子文書であり、上記第2の電子文書は、有価証券報告書、半期報告書、及び、請求目論見書の少なくとも何れか1つを表す電子文書である、ことを特徴とする請求項1から6までの何れか1項に記載の電子文書作成装置。
【請求項8】
上記第1の電子文書は、有価証券届出書、又は、有価証券届出書から抽出した文字列と交付目論見書固有の文字列とからなる電子文書であり、上記第2の電子文書は、交付目論見書を表す電子文書である、ことを特徴とする請求項1から6までの何れか1項に記載の電子文書作成装置。
【請求項9】
項目分けされた第1の電子文書から項目分けされた第2の電子文書を作成する電子文書作成方法であって、
上記第1の電子文書から特定の項目を抽出する抽出ステップと、上記抽出ステップにて抽出した上記特定の項目を上記第2の電子文書の特定の箇所に挿入する挿入ステップと、を含んでいることを特徴とする電子文書作成方法。
【請求項10】
コンピュータを請求項1から8までの何れか1項に記載の電子文書作成装置として動作させるためのプログラムであって、上記コンピュータを上記電子文書作成装置の各手段として機能させるプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムが記録されているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−118618(P2012−118618A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265530(P2010−265530)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(597095599)株式会社プロネクサス (8)
【Fターム(参考)】