説明

電子書籍プログラム及び電子書籍装置

【課題】複数の電子書籍に含まれる関連するコンテンツの閲覧性を向上させる。
【解決手段】複数のコンテンツがコンテンツの属性を示す属性データと対応づけられて構成されている電子書籍を複数記憶する電子書籍記憶部を参照し、複数の電子書籍の一覧である書籍一覧をディスプレイに表示し、電子書籍記憶部を参照し、複数の電子書籍に含まれるコンテンツの複数の属性の一覧である属性一覧をディスプレイに表示し、書籍一覧に応じてユーザから選択される1つの電子書籍に含まれるコンテンツを電子書籍記憶部から取得してディスプレイに表示し、属性一覧に応じてユーザから選択される1つの属性の属性データと対応づけられている、複数の電子書籍に含まれるコンテンツを電子書籍記憶部から取得してディスプレイに表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子書籍プログラム及び電子書籍装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯端末の普及に伴い、電子書籍サービスを提供するためのインフラが整備されてきている。このような電子書籍サービスでは、例えば、紙媒体で販売されている書籍と同等の内容のデータを含む電子書籍をユーザが携帯端末にダウンロードすることにより、電子書籍の内容を閲覧することが可能である。また、ある電子書籍が携帯端末にダウンロードされた後、実際にユーザが閲覧したページ数に応じて課金を行うというように、電子書籍の特徴を活用したサービスも考えられている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−337894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、電子書籍サービスが広まりつつあるが、電子書籍の閲覧は、紙媒体の書籍の場合と同じようにダウンロードした電子書籍単位である。そのため、例えば関連するコンテンツが複数の電子書籍に含まれている場合に、これらの関連するコンテンツを閲覧するためには、携帯端末で各電子書籍を別々に選択して閲覧する必要があり不便である。
【0005】
そこで、本発明は、複数の電子書籍に含まれる関連するコンテンツの閲覧性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る電子書籍プログラムは、ディスプレイに情報を表示可能なコンピュータに、複数のコンテンツがコンテンツの属性を示す属性データと対応づけられて構成されている電子書籍を複数記憶する電子書籍記憶部を参照し、複数の電子書籍の一覧である書籍一覧をディスプレイに表示する機能と、電子書籍記憶部を参照し、複数の電子書籍に含まれるコンテンツの複数の属性の一覧である属性一覧をディスプレイに表示する機能と、書籍一覧に応じてユーザから選択される1つの電子書籍に含まれるコンテンツを電子書籍記憶部から取得してディスプレイに表示する機能と、属性一覧に応じてユーザから選択される1つの属性の属性データと対応づけられている、複数の電子書籍に含まれるコンテンツを電子書籍記憶部から取得してディスプレイに表示する機能と、を実現させるためのものである。
【0007】
なお、本発明において、「部」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や装置が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」や装置の機能が1つの物理的手段や装置により実現されてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の電子書籍に含まれる関連するコンテンツの閲覧性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態である電子書籍システムの構成例を示す図である。
【図2】携帯端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】携帯端末において実現される各種機能の一例を示すブロック図である。
【図4】1冊分の電子書籍のデータ構造の一例を示す図である。
【図5】初期画面の一例を示す図である。
【図6】目次用配列の構造の一例を示す図である。
【図7】号別表示の際の画面の一例を示す図である。
【図8】号別表示の際の画面の一例を示す図である。
【図9】章が選択された場合に表示される記事一覧の画面の一例を示す図である。
【図10】携帯端末における電子書籍表示処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態である電子書籍システムの構成例を示す図である。図1に示すように、電子書籍システムは、携帯端末10及び電子書籍サーバ12を含んで構成されている。携帯端末10は、例えばタブレット型コンピュータや、スマートフォンなどの情報処理装置であり、ネットワーク14を介して電子書籍サーバ12と通信することが可能である。電子書籍サーバ12は、携帯端末10に対して電子書籍サービスを提供するものであり、1台または複数台の情報処理装置を用いて構成される。なお、図1では、説明を簡略化するために携帯端末10を1台しか図示していないが、電子書籍サーバ12は複数台の携帯端末10に対して電子書籍サービスを提供することができる。
【0011】
図1に示すように、電子書籍サーバ12は、電子書籍配信部20、電子書籍データベース(DB)22、及びユーザアカウントデータベース(DB)24を含んで構成されている。電子書籍配信部20は、携帯端末10からの要求に応じて、電子書籍DB22に格納されている電子書籍を携帯端末10に配信することができる。本実施形態では、あるテーマの内容を複数号に分冊した分冊百科の電子書籍を例として説明する。また、電子書籍配信部20は、携帯端末10のユーザのアカウント情報をユーザアカウントDB24から取得し、携帯端末10に電子書籍を配信する際の決済処理を行うことができる。
【0012】
図2は、携帯端末10のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示すように、携帯端末10は、CPU30、メモリ32、入力インタフェース(I/F)34、ディスプレイ36、通信インタフェース(I/F)38、及び電源40を含んで構成されている。
【0013】
CPU30は、携帯端末10全体を制御するものであり、メモリ32に格納されているプログラムを実行することにより、後述するような各種機能を実現することができる。
【0014】
メモリ32は、プログラムやデータなどを記憶するためのものであり、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリにより構成される。なお、メモリ32は、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリに加えて、作業用のデータを一時的に記憶するためのRAM(Random Access Memory)などの揮発性メモリを含んでいてもよい。また、携帯端末10は、プログラムやデータの記憶領域として、メモリ32以外にハードディスクドライブなどの記憶装置を備えていてもよい。また、携帯端末10は、例えばUSB(Universal Serial Bus)を介して接続される外部の記憶装置を利用可能に構成されていてもよい。
【0015】
入力I/F34は、ユーザ操作を受け付けて、ユーザ操作に応じた制御情報を出力するものであり、例えば、タッチパネルや各種操作ボタン、マイク、カメラなどを含んで構成される。
【0016】
ディスプレイ36は、各種情報をユーザに視認可能に表示するためのものであり、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどである。なお、携帯端末10は、ディスプレイ36に情報を表示するための専用のプロセッサを備えていてもよい。また、携帯端末10は、外部の表示装置に対して画像表示用のデータを出力可能に構成されていてもよい。
【0017】
通信I/F38は、無線LAN(Local Area Network)や携帯電話の通信網などを介して電子書籍サーバ12などの他の情報処理装置とデータの送受信を行うためのものであり、例えば、アンテナや変復調モジュールなどを含んで構成される。なお、携帯端末10は、ケーブルを用いた有線接続によって他の情報処理装置とデータの送受信を行うことが可能に構成されていてもよい。
【0018】
電源40は、携帯端末10が動作する際の電力を供給するものであり、例えば、充電式電池や電源回路などを含んで構成される。
【0019】
図3は、携帯端末10において実現される各種機能の一例を示すブロック図である。携帯端末10は、電子書籍取得部50、電子書籍記憶部52、及び電子書籍表示部54を含んで構成される。また、電子書籍表示部54は、初期画面表示部60、号一覧表示部62、章一覧表示部64、号別表示部66、章別表示部68、表示切替部70、及び検索部72を含んで構成される。これらの各部は、例えば、メモリ32上の記憶領域を用いたり、メモリ32に格納されているプログラムをCPU30が実行したりすることにより実現することができる。
【0020】
電子書籍取得部50は、ネットワーク14経由で電子書籍サーバ12にアクセスすることにより、電子書籍DB22から電子書籍をダウンロードして電子書籍記憶部52に格納することができる。ここで、電子書籍とは、携帯端末10において書籍の内容を電子的に閲覧することが可能なように構成されたデータである。
【0021】
図4には、1冊分の電子書籍のデータ構造の一例が示されている。図4(a)及び図4(b)に示すように、電子書籍は、目次データ及びページデータを含んで構成されている。目次データは、1冊の電子書籍における各ページを識別するページ識別子を含み、ページデータは、ページ識別子及びページ内容を含んでいる。なお、目次データは、どの書籍(号)のデータであるかを識別可能に電子書籍記憶部52に格納されている。例えば、目次データは、書籍(号)を識別可能なフォルダに格納されたり、書籍(号)を識別可能なファイル名が付与されていてもよい。
【0022】
図4(c)に示すように、ページ識別子は、章、章内での記事の位置、記事内での配置位置を示す情報を含んで構成されており、ページごとにページ識別子が異なるようなコード体系となっている。「章」は、ページ内容(コンテンツ)によって示される記事の系統を示すものであり、ページ内容の属性を示す属性データとなっている。「章内での記事の位置」は、ページ内容によって示される記事が章内における何番目の記事であるかを識別するための情報である。なお、分冊百科においては、複数号にわたって同一の章の記事が存在する場合がある。そのため、「章内での記事の位置」は、1号分の電子書籍における章内での記事の位置だけでなく、複数号の電子書籍にまたがった章内での記事の位置を識別するために用いられる。「記事内での配置位置」は、複数ページにより構成される記事の場合に、各ページが記事内の何ページ目であるかを識別するための情報である。
【0023】
図4(d)に示すように、ページ内容は、テキストや画像、動画、音声などの各コンテンツの情報であり、各コンテンツのファイル名やページ内での表示位置などの情報を含んでいる。
【0024】
なお、図4に示した電子書籍のデータ構造は一例にすぎず、電子書籍に含まれるコンテンツがコンテンツの属性を示す属性データと対応づけられていれば任意の構造を採用することが可能である。また、本実施形態では、コンテンツの属性の一例として章を用いているが、属性はこれに限られず任意の属性を用いることが可能である。例えば、テキスト、画像、動画、音声というような、データの種類をコンテンツの属性として用いることも可能である。また、本実施形態では、携帯端末10の電子書籍記憶部52に電子書籍がダウンロードされることとしたが、電子書籍のデータの一部または全部が携帯端末10にダウンロードされないこととしてもよい。例えば、電子書籍サーバ12は、各ユーザが購入した電子書籍を識別する情報をユーザアカウントDB24に記憶しておき、ユーザが携帯端末10で電子書籍を閲覧する際に、必要なデータを携帯端末10に配信することとしてもよい。また例えば、ユーザが購入した電子書籍が電子書籍サーバ12とは別のサーバ上に保存される構成であってもよい。
【0025】
図3に戻り、初期画面表示部60は、電子書籍閲覧用のプログラムが起動されると、電子書籍を閲覧する際の初期画面をディスプレイ36に表示する。図5には、初期画面表示部60により表示される初期画面の一例が示されている。この初期画面100は、分冊百科の電子書籍を閲覧するためのものであり、号を選択するための表示領域102と、章を選択するための表示領域104とを含んでいる。また、初期画面表示部60は、検索などの他の処理を起動するためのメニューを表示領域110に表示することも可能である。例えば、メニューには、初期画面へ戻るための「ホーム」ボタンや、電子書籍記憶部52に格納されている電子書籍をキーワードなどにより検索するための「検索」ボタン、前の状態に戻すための「戻る」ボタンなどが設けられている。
【0026】
表示領域102には、複数の号の中から閲覧する号を選択するための号一覧(書籍一覧)が表示されている。この号一覧は、初期画面表示部60が号一覧表示部62(書籍一覧表示部)を呼び出すことにより生成される。号一覧表示部62は、例えば、発売済の号のタイトルや概要がわかるサムネイル画像を電子書籍サーバ12から取得して号一覧に表示することができる。また、号一覧表示部62は、各号をユーザが購入済であるかどうかを識別可能に号一覧を表示することができる。一例として、号一覧表示部62は、未購入の号については薄い色のサムネイル画像を表示することとしてもよい。
【0027】
なお、未購入の号については選択不可能でもよいし選択可能であってもよい。未購入の号を選択可能とする場合、号一覧表示部62は、選択された号の詳細情報を表示したり、選択された号の購入処理へと遷移する画面を表示することとしてもよい。また、号一覧表示部62は、例えば、電子書籍記憶部52を参照することにより購入済の号を判定することとしてもよいし、電子書籍サーバ12に問い合わせることにより購入済の号を判定することとしてもよい。なお、電子書籍記憶部52を参照することにより購入済の号を判定する場合は、例えば、電子書籍記憶部52に格納されている電子書籍の目次データの有無により購入済の号の判定を行うこととしてもよい。
【0028】
表示領域104には、複数の章の中から閲覧する章を選択するための章一覧(属性一覧)が表示されている。この章一覧は、初期画面表示部60が章一覧表示部64(属性一覧表示部)を呼び出すことにより生成される。章一覧表示部64は、例えば、分冊百科に含まれる各章のタイトルや概要がわかるサムネイル画像を章一覧に表示することができる。各章のサムネイル画像は、電子書籍閲覧用のプログラムにあらかじめ含まれていることとしてもよいし、電子書籍サーバ12から取得されることとしてもよい。章一覧表示部64は、例えば図5に示すように、複数の章のサムネイル画像を左右にスクロール可能に表示するなど、章選択をサポートするための任意のユーザインタフェースを採用することができる。
【0029】
図3に戻り、号別表示部66(書籍別表示部)は、号一覧で選択された号の電子書籍に含まれるコンテンツを電子書籍記憶部52から取得してディスプレイ36に表示する。具体的には、号別表示部66は、選択された号の目次データを電子書籍記憶部52から取得して、ページ構成を示す配列である目次用配列に格納する。なお、目次用配列は電子書籍を表示する際に生成される一時データであり、メモリ32に記憶しておくことが可能である。図6には、目次用配列の構造の一例が示されている。図6に示すように、目次用配列には、表示対象として選択されたページのページ識別子がページの表示順に格納される。号別表示部66は、目次用配列に格納されているページ識別子をキーとして電子書籍記憶部52からページデータを取得することにより、ページごとにコンテンツを表示することが可能である。
【0030】
図7及び図8には、号別表示部66により表示される画面の一例が示されている。図7は、号一覧で選択された号の目次を含むページの画面の一例である。目次のページデータには、号内の各記事へジャンプするための情報(ページ識別子)が含まれている。号別表示部66は、目次内で選択された記事のページデータをページ識別子をキーとして電子書籍記憶部52から取得することにより、選択された記事をディスプレイ36に表示することができる。例えば、図7に示す目次において「基本情報」という記事が選択されると、号別表示部66は、目次のページデータから、「基本情報」という記事のページ識別子を取得し、当該ページ識別子のページデータを電子書籍記憶部52から取得することにより、例えば図8に示すように、選択された記事を表示することができる。なお、号別表示部66は、目次からのジャンプ以外に、ページ送りの操作に応じて表示対象のページを変更することが可能である。ページ送りの操作としては、例えば、タッチパネル上でページをめくる操作(フリック)など任意の手法を採用することができる。また、号別表示部66は、例えば図8の画面の表示領域120に示すように、号別表示を行っていることを示す情報を表示することができる。後述するが、章別表示が行われている際には、この表示領域120には章別表示を行っていることを示す情報を表示することが可能である。
【0031】
図3に戻り、章別表示部68(属性別表示部)は、章一覧で選択された章のページデータを電子書籍記憶部52から取得し、取得されたページデータに含まれるコンテンツをディスプレイ36に表示する。具体的には、章別表示部68は、電子書籍記憶部52に記憶されているページデータの中から、選択された章を示す情報がページ識別子に含まれるページデータを検索する。なお、同一の章が複数の号に存在する場合には、これら複数の号内における、選択された章のページデータが検索される。そして、章別表示部68は、検索されたページデータのページ識別子を目次用配列に格納する。このとき、章別表示部68は、「章内での記事の位置」及び「記事内での配置位置」に従ったページ順序となるように、ページ識別子を目次用配列に格納することができる。そして、章別表示部68は、目次用配列に格納されているページ識別子をキーとして電子書籍記憶部52からページデータを取得することにより、ページごとにコンテンツを表示することが可能である。また、章別表示部68は、例えば図8の画面の表示領域120に、章別表示を行っていることを示す情報を表示することができる。
【0032】
図9には、章が選択された場合に表示される記事一覧の画面の一例が示されている。例えば、「車両編成」の章が選択された場合、章別表示部68は、複数の号に含まれる「車両編成」の章の記事の一覧を表示することができる。この記事の一覧を表示するためのサムネイル画像やテキストなどのデータは、電子書籍閲覧用のプログラムにあらかじめ含まれていることとしてもよいし、ページデータに含まれていてもよい。また、記事の一覧が表示される際に、必要なデータが電子書籍サーバ12から取得されることとしてもよい。章別表示部68は、記事の一覧において選択された記事のページデータを電子書籍記憶部52から取得し、図8と同様にコンテンツを表示することができる。なお、章別表示部68は、記事の一覧を表示せずに、選択された章のページデータを電子書籍記憶部52から取得してコンテンツを表示することとしてもよい。また、章別表示部68は、章一覧から選択された章の章別表示だけではなく、号別表示中に章別表示への切り替えを指示するユーザ操作が行われた際にも、コンテンツの章別表示を行うことが可能である。この点については後述する。
【0033】
図3に戻り、表示切替部70は、号別表示部66による号別表示中に、章別表示への切り替えを指示するユーザ操作が行われると、該ユーザ操作によって指定されるジャンプ先の章の章別表示に切り替えるための処理を実行する。ここで、章別表示への切り替えを指示するユーザ操作としては、例えば、図8に示す号別表示の画面において、ある章や記事へジャンプするための操作や、表示領域110に表示されたメニューにおける「前」または「次」のページ操作などである。なお、章別表示への切り替えを指示するユーザ操作はこれに限られず、章を特定可能な任意のユーザ操作を採用することが可能である。
【0034】
例えば、図8の画面において、「車両編成」という章、あるいは章内のある記事にジャンプするためのユーザ操作が行われると、表示切替部70は、選択された章あるいは選択された記事が所属する章(ジャンプ先の章)のページデータを抽出し、章別表示への切り替えを章別表示部68に指示する。また、例えば、図8の画面の表示領域110において、次のページへ進むための「次」ボタンが押下されると、表示切替部70は、表示中ページが所属する章(ジャンプ先の章)のページデータを抽出し、章別表示への切り替えを章別表示部68に指示する。
【0035】
表示切替部70から章別表示への切り替えが指示されると、章別表示部68は、初期画面から章が選択された場合と同様に、表示切替部70からの指示によって指定される章の章別表示を実行する。
【0036】
図3に戻り、検索部72は、電子書籍記憶部52に記憶されているページデータを検索する機能を提供する。例えば、検索部72は、表示領域110で「検索」ボタンが押下されると、検索する際のキーワードを入力するための画面を表示する。そして、検索部72は、この画面において入力されるキーワードを含むページデータを検索し、検索結果を表示することができる。検索結果の中からあるページが選択されると、章別表示部68は、選択されたページのコンテンツを表示することができる。
【0037】
図10は、携帯端末10における電子書籍表示処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、携帯端末10において電子書籍閲覧用のプログラムが起動されることにより開始される。
【0038】
まず、初期画面表示部60は、図5に例示したような初期画面を表示する(S1001)。このとき、初期画面表示部60は、号一覧表示部62及び章一覧表示部64を起動する。号一覧表示部62は、例えば、電子書籍サーバ12にアクセスすることにより、発売済の号のサムネイル画像を取得することができる。また、号一覧表示部62は、例えば、電子書籍記憶部52を参照することにより各号の購入未済を確認し、購入状態に応じたサムネイル画像を用いて号一覧を表示することができる。章一覧表示部64は、各章のサムネイル画像を用いて章一覧を表示することができる。そして、初期画面表示部60は、号一覧の中から閲覧対象の号が選択されると(S1002:号別)、選択された号の電子書籍を表示するために号別表示部66を起動する。一方、初期画面表示部60は、章一覧の中から閲覧対象の章が選択されると(S1002:章別)、選択された章の電子書籍を表示するために章別表示部68を起動する。
【0039】
号別表示部66は、初期画面表示部60から起動されると、初期画面の号一覧において選択された号の目次データを目次用配列に入れる(S1003)。そして、号別表示部66は、図7や図8に示したように、目次用配列に格納されているページ識別子にしたがって、号別に電子書籍に含まれるページ内容を表示する(S1004)。
【0040】
号別表示が行われている状態において、表示切替部70は、章または記事へジャンプするためのユーザ操作を受け付けると(S1005:Y)、ジャンプ先の章のページデータを抽出し(S1006)、ジャンプ先として選択された章または記事の章別表示を行うように章別表示部68に指示する(S1007)。これにより、章別表示部68における章別表示処理(S1009)に遷移する。
【0041】
初期画面の章一覧において閲覧対象の章が選択されて章別表示部68が起動された場合(S1002:章別)、章別表示部68は、電子書籍記憶部52を参照し、選択された章に所属するページデータを抽出する(S1008)。そして、章別表示部68は、抽出されたページデータのページ識別子を目次用配列に格納し(S1009)、目次用配列に格納されているページ識別子にしたがって、章別に電子書籍に含まれるページ内容を表示する(S1010)。なお、号別表示において章内のある記事へのジャンプが選択された場合、表示切替部70はこの記事の最初のページのページ識別子を章別表示部68に受け渡す。そして、章別表示部68は、表示切替部70から受け渡された記事の最初のページから章別表示を開始することができる。
【0042】
章別表示が行われている状態において、表示切替部70は、「戻る」ボタンの押下などによって号別表示にジャンプするためのユーザ操作を受け付けると(S1011:Y)、表示中ページが所属する号の目次データを目次用配列に入れる(S1012)。そして、表示切替部70は、号別表示を行うように号別表示部66に指示する(S1013)。この指示に応じて、号別表示部66は、初期画面から号が選択された場合と同様に、目次用配列に格納されているページ識別子にしたがって、号別に電子書籍に含まれるページ内容を表示する(S1004)。
【0043】
以上、本実施形態の電子書籍システムについて説明した。本実施形態では、号別に販売される電子書籍の各ページのページデータが、各ページが所属する章を識別する情報と対応づけられて電子書籍記憶部52に格納されている。そのため、携帯端末10においては、例えば、分冊百科のようにある章の記事が複数の号にわたって掲載される電子書籍を閲覧する場合において、購入した単位である号別での閲覧はもとより、号をまたがった章別での閲覧が可能である。すなわち、本実施形態によれば、複数の電子書籍に含まれる関連するコンテンツの閲覧性を向上させることが可能となる。
【0044】
また、本実施形態では、閲覧対象の号を選択するための号一覧と、閲覧対象の章を選択するための章一覧とが初期画面において同時に表示される。そのため、ユーザの要求に応じて号別表示による閲覧もしくは章別表示による閲覧を開始することができる。
【0045】
また、本実施形態では、号別表示が行われている状態において、章または章内の記事へのジャンプを指示するユーザ操作が行われると、該ユーザ操作によって指定される章の章別表示に切り替えることが可能である。これにより、例えば、ユーザが閲覧中の号において興味を持った章があった場合には、その章の記事を号をまたがって閲覧することが可能となる。さらに、本実施形態では、号別表示から章別表示に切り替わった後に、号別表示へと戻すことも可能である。これにより、号別表示及び章別表示におけるユーザの操作性を高めることができる。
【0046】
なお、本実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0047】
例えば、本実施形態では説明しなかったが、表示切替部70は、章別表示中に別の章が選択された際には、この別の章についての章別表示に遷移するように章別表示部68を制御してもよい。これは、本実施形態における号別表示から章別表示への遷移と同様に行うことが可能である。
【符号の説明】
【0048】
10 携帯端末
12 電子書籍サーバ
14 ネットワーク
20 電子書籍配信部
22 電子書籍データベース
24 ユーザアカウントデータベース
30 CPU
32 メモリ
34 入力インタフェース
36 ディスプレイ
38 通信インタフェース
40 電源
50 電子書籍取得部
52 電子書籍記憶部
54 電子書籍表示部
60 初期画面表示部
62 号一覧表示部
64 章一覧表示部
66 号別表示部
68 章別表示部
70 表示切替部
72 検索部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイに情報を表示可能なコンピュータに、
複数のコンテンツがコンテンツの属性を示す属性データと対応づけられて構成されている電子書籍を複数記憶する電子書籍記憶部を参照し、複数の電子書籍の一覧である書籍一覧をディスプレイに表示する機能と、
前記電子書籍記憶部を参照し、複数の電子書籍に含まれるコンテンツの複数の属性の一覧である属性一覧を前記ディスプレイに表示する機能と、
前記書籍一覧に応じてユーザから選択される1つの電子書籍に含まれるコンテンツを前記電子書籍記憶部から取得して前記ディスプレイに表示する機能と、
前記属性一覧に応じてユーザから選択される1つの属性の属性データと対応づけられている、複数の電子書籍に含まれるコンテンツを前記電子書籍記憶部から取得して前記ディスプレイに表示する機能と、
を実現させるための電子書籍プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載の電子書籍プログラムであって、
前記書籍一覧及び前記属性一覧を同時に前記ディスプレイに表示可能である、
電子書籍プログラム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電子書籍プログラムであって、
前記コンピュータに、
ユーザから選択された前記1つの電子書籍に含まれるコンテンツが前記ディスプレイに表示されている状態において、属性ごとの閲覧への切り替えを指示するユーザ操作に応じて、該ユーザ操作によって指定される属性の属性データと対応づけられている、複数の電子書籍に含まれるコンテンツを前記電子書籍記憶部から取得して前記ディスプレイに表示する機能を、
さらに実現させるための電子書籍プログラム。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の電子書籍プログラムであって、
前記属性は電子書籍における章である、
電子書籍プログラム。
【請求項5】
複数のコンテンツがコンテンツの属性を示す属性データと対応づけられて構成されている電子書籍を複数記憶する電子書籍記憶部を参照し、複数の電子書籍の一覧である書籍一覧をディスプレイに表示する書籍一覧表示部と、
前記電子書籍記憶部を参照し、複数の電子書籍に含まれるコンテンツの複数の属性の一覧である属性一覧を前記ディスプレイに表示する属性一覧表示部と、
前記書籍一覧に応じてユーザから選択される1つの電子書籍に含まれるコンテンツを前記電子書籍記憶部から取得して前記ディスプレイに表示する書籍別表示部と、
前記属性一覧に応じてユーザから選択される1つの属性の属性データと対応づけられている、複数の電子書籍に含まれるコンテンツを前記電子書籍記憶部から取得して前記ディスプレイに表示する属性別表示部と、
を備える電子書籍装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図10】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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