説明

電子検索システムおよび電子検索方法

【課題】 簡易な構成で、商品等を検索する場合の煩雑さを軽減し、かつターゲットとする消費者に対するアンケートを容易かつ効率的に実行することを可能とする。
【解決手段】 検索者が、電子データサーバ3により表示された商品データ情報の各商品に関する基本諸元項目のうちから必要と思われるものを選択し、その選択された基本諸元項目の詳細データに対して、数値、色、記号、音等を使って重要度を入力するだけで、その検索者が入力した重要度の集計結果に適合する商品、つまり検索者の目的とする候補が予備知識なく自動的に表示させるように構成したもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット等の双方向通信可能なネットワークを利用して、商品やサービス等を検索するための電子検索システムおよび電子検索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット等の双方向通信可能なネットワークを利用して必要事項を検索することが広く行われているが、消費者などの検索者が自分の目的に合致する商品やサービス等(以下、単に商品等という。)を検索したときには、その検索結果として挙げられる候補が多数存在することが多い。また、それらの多数の候補の中から自分の目的により近い商品等を選択するにあたっては、検索者自身が、メーカー名、商品名、サービス名などの基礎知識を予め取り入れておく必要があり、その基礎知識に基づいて、メーカーなどにより作成されたホームページ・サイトに表示された商品カタログ等の案内説明や図を多数閲覧し、それによって、それぞれの商品等の長所、短所、特徴を比較し検討する手順がとられている。
【0003】
しかしながら、多数のホームページを検索することには多大の時間と労力を要するとともに、各ホームページに表示された商品カタログ等の案内説明や図は、自社の商品やサービス等の長所を中心として表示されているものであることから、互いに比較することが困難になる場合が多く、同種の商品を比較する特徴についての記述がそもそも無い場合もある。
【0004】
例えば、自動車を購入しようと思った場合、まず検索者自身のライフスタイル、好み、商品等の性能、拡張性、その他を予め検討しておき、その上で、各自動車会社のホームページで車種ごとの性能や機能などの諸元項目を順次検討することとなるが、その場合に、候補となった車種やメーカー名等を予め知っていないと、該当するホームページにアクセスすることもできない。また、候補の車種が数種類になってから絞り込む際には、候補となった自動車の性能や機能などの諸元を比較するために何度も頁を往復したり、複数の画面を表示させなくてはならない。さらに、商品カタログを見ているうちに検索者の要求が変化してしまった場合には、欲しい機能などを取捨選択するたびに同様な手順を繰り返さなければならない。
【0005】
そのため、インターネットの一部のサイトでは、家電製品等の大手販売店などが取扱商品の一部を一覧に表示するようにようにしたものや、簡単なカタログだけを表示し、その商品の実売価格を提示して販売店のサイトにリンクしている場合もあるが、本質的には同様な問題点を有していることから、根本的な解決にはなっていない。
【0006】
さらに、ホームページ上で消費者のニーズを調査するアンケートを実施する場合において、通常は、不特定多数に対するアンケートとなってしまのであるが、実際には、ターゲットとなる消費者に限ってニーズを調査する方が正確である。そのため、ターゲットとなるべき消費者に対して事前登録してもらったり、アンケートを送付することも行われているが、消費者の情報を検討したり取捨選択するだけでも多大の手間を要することととなり、極めて効率が悪くなっているのが実情である。
【0007】
【特許文献1】特開2004−86834
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明は、複数の候補の中から目的とする商品等を検索する場合の煩雑さを軽減し、かつ検索途中で条件を変更しても円滑な検索操作を行うことができるとともに、ターゲットとする消費者に対するアンケートが容易かつ効率的に実行することができるようにした電子検索システムおよび電子検索方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明の請求項1にかかる電子検索システムおよび請求項3にかかる電子検索方法では、検索者側に配置された不特定多数の検索クライアントと事業者の電子データサーバとがネットワークを介して双方向通信可能に接続され、前記事業者の電子データサーバには、当該電子データサーバにおいて取り扱う商品に関する商品データ情報が複数の商品取扱者側の各データ提供クライアントから提供され格納されたものであって、前記電子データサーバが、前記各データ提供クライアントから受け付けられた前記商品データ情報の各商品に関する基本諸元項目の各々を、前記各検索者に対して前記検索クライアントを通して選択可能に表示し、前記各検索者により検索クライアントを通して選択された基本諸元項目の詳細データに対する重要度を前記各検索者に対して前記検索クライアントを通して入力可能に表示し、前記各検索者により前記検索クライアントを通して入力された前記各詳細諸元項目の詳細データに対する重要度の集計結果を、前記商品データ情報の各商品における基本諸元項目の詳細データと比較し、前記重要度の集計結果に適合する商品を単独または複数表示する構成を備えている。
【0010】
このような構成を有する請求項1にかかる電子検索システムおよび請求項3にかかる電子検索方法によれば、検索者は、電子データサーバにより表示された商品データ情報の各商品に関する基本諸元項目のうちから必要と思われるものを選択し、その選択された基本諸元項目の詳細データに対して、数値、色、記号、音等を使って重要度を入力するだけで、その検索者が入力した重要度の集計結果に適合する商品、つまり検索者の目的とする候補が予備知識なく自動的に表示されるようになっている。
【0011】
また、請求項2にかかる電子検索システムでは、上記請求項1における各検索者の個人情報に関する特定事項を検索クライアントを通して入力可能な状態に表示する手段を備えていることから、検索者が必要として入力した項目に関して重要度を集計することによって、消費者ニーズが正確に分析され把握されるようになっている。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明にかかる電子検索システムおよび電子検索方法は、検索者が、電子データサーバにより表示された商品データ情報の各商品に関する基本諸元項目のうちから必要と思われるものを選択し、その選択された基本諸元項目の詳細データに対して重要度を入力するだけで、その検索者が入力した重要度の集計結果に適合する商品、つまり検索者の目的とする候補が予備知識なく自動的に表示させるように構成したものであるから、複数の候補の中から目的とする商品等を検索する場合の煩雑さを軽減し、かつ検索途中で条件を変更しても円滑な検索操作を行うことができるとともに、ターゲットとする消費者に対するアンケートが容易かつ効率的に実行することができ、検索システムの機能性を大幅に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を、ホームページを利用した自動車購買時の検索システムに適用した実施の形態について図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】
図1に示されている実施形態にかかる検索システムの全体においては、一般の検索者(ユーザー)側に配置された不特定多数の検索クライアント(端末パソコン)1,1,・・・が、ネットワークとしてのインターネット2を介して、事業者の電子データサーバ3の入出力表示手段3aと双方向通信可能に接続されている。さらに、その事業者の電子データサーバ3は、複数のメーカーや販売店等からなる商品取扱者側に配置されたデータ提供クライアント(端末パソコン)4,4,・・・に対して双方向通信可能に接続されており、それらの各データ提供クライアント4から、上記電子データサーバ3において取り扱う商品である、例えば「自動車」の詳細な性能、機能、特徴などに関する商品データが電子データサーバ3に提供され、当該電子データサーバ3内のデータ記憶手段3bに格納されている。
【0015】
ここで、上述した電子データサーバ3内に設けられた入出力表示手段3aとデータ記憶手段3bとは、制御手段(CPU)3cに接続されており、次のような制御動作が実行されるようになっている。
【0016】
すなわち、上記電子データサーバ3の制御手段(CPU)3cは、まず図2に示されているような各検索者の「個人情報」に関する「名前」、「性別」、「年齢」などの特定事項を、前記各検索クライアント1に対して入力可能な状態に表示する手段をプログラムまたはハード回路により備えている。このような入力画面を通して検索者に関する「個人情報」を入力してもらうことによって、当該検索者の嗜好、目的等の統計に用いる個人情報データが得られる。すなわち、その個人情報データは、一般的な不特定多数からの個人情報ではなく、「自動車」に関心を持っている人に関する個人情報となっているものであるから、「自動車」に関する情報収集対象者から得られる個人情報データとして最適なものとなる。
【0017】
また、上述した電子データサーバ3の制御手段(CPU)3cは、図3に示されているように、前記各データ提供クライアント4を通して受け付けられた「自動車」の商品データ情報、つまり各「自動車」に関する「車種」、「エンジン種類」、「車体色」、「変速機」などの「基本諸元項目」の各々を、前記各検索クライアント1に対して選択可能な状態で表示する手段をプログラムまたはハード回路により有している。このときの「基本諸元項目」は、「自動車」の各構成要素ごとに特徴、機能等を細分化された項目で提示したものであり、例えば検索者のクリック操作によって選択可能な状態に表示する。
【0018】
なお、それら「自動車」の「基本諸元項目」の各々について、当該各項目についての解り易い説明を行っているページにリンク付けさせておくことも好ましい。
【0019】
さらに、上記電子データサーバ3の制御手段(CPU)3cは、図4、図5および図6に示されているように、前記各検索クライアント1を通して検索者により選択された「基本諸元項目」の「詳細データ」に対する「重要度」を前記各検索クライアント1に対して入力可能な状態で表示する手段をプログラムまたはハード回路により有している。例えば、上述した「基本諸元項目」のうちから「車種」がクリック操作等により選択されると、図4に示されているように、その選択された「基本諸元項目」である「車種」についての「セダン」、「スポーツセダン」、「ワゴン」、「スポーツカー」等の「詳細データ」が表示され、それらの各「詳細データ」に対応して「重要度」が例えば±10段階の区別で入力可能に表示される。
【0020】
一方、上述した基本諸元項目のうちから「エンジン種類」がクリック操作等により選択されると、例えば図5に示されているように、そのときに選択された「基本諸元項目」である「エンジン種類」についての「電気」、「ハイブリッド」、「ガソリン」、「ロータリー」などの「詳細データ」が表示され、それらの各「詳細データ」に対応して「重要度」が例えば±10段階の区別で入力可能に表示される。
【0021】
さらに、上述した基本諸元項目のうちから「車体色」がクリック操作等により選択された場合には、例えば図6に示されているように、その選択された「基本諸元項目」である「車体色」についての「ピュアホワイト」、「ブラックマイカ」、「クラッシックレッド」、「シルバーメタリック」などの「詳細データ」が表示され、それらの各「詳細データ」に対応して「重要度」が例えば±10段階の区別で入力可能に表示される。この「車体色」には「色見本」が追記されると選択する場合に便利である。
【0022】
加えて、上述した電子データサーバ3の制御手段(CPU)3cは、前記各検索クライアント1を通して検索者により入力された各「基本諸元項目」の「詳細データ」に対する「重要度」の集計を、例えばデータベースの集計機能により実行するプログラムまたはハード回路を備えている。上述した図4,図5および図6のように入力された場合には、図7に示されているような集計結果が表示されることとなる。この段階で、各検索者に対して確認・訂正を要求しておく。
【0023】
このようにして得られた集計結果は、前記電子データサーバ3内で、各データ提供クライアント4を通して受け付けた「自動車」の商品データ情報の各商品における「基本諸元項目」の「詳細データ」と比較される。それらの「詳細データ」の各々には、例えば適合してヒットするものには「1点」、適合せずにヒットしないものには「0点」のようにして、予め適合の有無を区別する点数が付与されており、上述した「重要度」の集計結果に対応して獲得された点数が演算される。そして、その演算結果が、例えば図7に示されているような「得点」として表示され、そして、その「得点」の高い順、つまり検索者の要求に合致した順に検索された「車種」が表示される。
【0024】
また、それら表示された「車種」には、「価格」の他、検索者が自分の住所を入力した場合にはその近くの「ディーラー情報」の表示がなされる。
【0025】
さらに、上述した電子データサーバ3の制御手段(CPU)3cは、検索者の入力した「個人情報」と、「自動車」の商品データ情報との関係を演算・分析して表示する機能をプログラムまたはハード回路により有している。例えば、図9に示されている場合は、各項目の「重要度」から分析した「車体色」の好みを年代および性別ごとに分析した結果である。
【0026】
また、上述した各項目の中に、現在は実在しないが将来的に提供可能な項目があれば、実在しない旨の注意書きを入れて重要度を入力してもらい、それをアンケートの代替手段とすることも可能である。
【0027】
このように本実施形態によれば、検索者は、電子データサーバ3により表示された商品データ情報の各商品に関する基本諸元項目のうちから必要と思われるものを選択し、その選択された基本諸元項目の詳細データに対して、数値を使って重要度を入力するだけで、その検索者が入力した重要度の集計結果に適合する商品、つまり検索者の目的とする候補が予備知識なく自動的に表示されるようになっている。
【0028】
また本実施形態では、検索クライアントの個人情報に関する特定事項を入力可能な状態に表示する手段を備えていることから、検索者が必要として入力した項目に関して重要度を集計することによって、消費者ニーズが正確に分析されるようになっている。
【0029】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であるというのは言うまでもない。
【0030】
例えば、上述した実施形態では、重要度の入力を数値で行っているが、色、記号、音等の他の重要度を表示する手段により入力することも可能である。
【0031】
また、上述した実施形態は、自動車購買用の検索システムに本発明を適用したものであるが、本発明はそれに限定されるものではなく、商品やサービス等の多種多様なものに関する検索システムに対しても同様に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
以上述べた本発明は、各種商品を始めとして、サービス等の多種多様な検索対象に対して広く採用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態における検索システムの全体概要図である。
【図2】一般検索者の個人情報を入力した一例を示した表示画面である。
【図3】自動車の購買の場合における自動車の基本諸元項目の一例としての「車種」を表した表示画面である。
【図4】自動車の購買の場合における自動車の基本諸元項目である「車種」に関する詳細データの一例を表した表示画面である。
【図5】自動車の購買の場合における自動車の基本諸元項目である「エンジン種類」に関する詳細データの一例を表した表示画面である。
【図6】自動車の購買の場合における自動車の基本諸元項目である「車体色」に関する詳細データの一例を表した表示画面である。
【図7】自動車の購買の場合における自動車の基本諸元項目の重要度の集計結果の一例を表した表示画面である。
【図8】自動車の購買の場合における重要度の集計結果に適合する順に車名を表示した場合の一例を表した表示画面である。
【図9】自動車の購買の場合における重要度の集計結果を分析した結果の一例を表した表示画面である。
【符号の説明】
【0034】
1 検索クライアント(端末パソコン)
2 インターネット(ネットワーク)
3 電子データサーバ
4 データ提供クライアント(端末パソコン)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索者側に配置された不特定多数の検索クライアントと事業者の電子データサーバとがネットワークを介して双方向通信可能に接続され、前記事業者の電子データサーバには、当該電子データサーバにおいて取り扱う商品に関する商品データ情報が複数の商品取扱者側の各データ提供クライアントから提供され格納されたものであって、
前記電子データサーバには、
前記各データ提供クライアントから受け付けられた前記商品データ情報の各商品に関する基本諸元項目の各々を、前記各検索者に対して前記検索クライアントを通して選択可能に表示する手段と、
前記各検索者により検索クライアントを通して選択された基本諸元項目の詳細データに対する重要度を前記各検索者に対して前記検索クライアントを通して入力可能に表示する手段と、
前記各検索者により前記検索クライアントを通して入力された前記各詳細諸元項目の詳細データに対する重要度の集計結果を、前記商品データ情報の各商品における基本諸元項目の詳細データと比較し、前記重要度の集計結果に適合する商品を単独または複数表示する手段と、
を備えていることを特徴とする電子検索システム。
【請求項2】
前記各検索者の個人情報に関する特定事項を前記検索クライアントを通して入力可能な状態に表示する手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の電子検索システム。
【請求項3】
検索者側に配置された不特定多数の検索クライアントと事業者の電子データサーバとがネットワークを介して双方向通信可能に接続され、前記事業者の電子データサーバには、当該電子データサーバにおいて取り扱う商品に関する商品データ情報が複数の商品取扱者側の各データ提供クライアントから提供され格納され、
前記電子データサーバは、
前記各データ提供クライアントから受け付けられた前記商品データ情報の各商品に関する基本諸元項目の各々を、前記各検索者に対して前記検索クライアントを通して選択可能に表示し、
前記各検索者により前記検索クライアントを通して選択された基本諸元項目の詳細データに対する重要度を前記各検索者に対して前記検索クライアントを通して入力可能に表示し、
前記各検索者により前記検索クライアントを通して入力された前記各詳細諸元項目の詳細データに対する重要度の集計結果を、前記商品データ情報の各商品における基本諸元項目の詳細データと比較して、前記重要度の集計結果に適合する商品を単独または複数表示する、
ことを特徴とする電子検索方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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