説明

電子機器、およびデジタルカメラ

【課題】簡単な構成でマイクロホンへの雑音を遮断する。
【解決手段】金属製の三脚固定用ネジ43が螺合される樹脂製の三脚固定用ネジ穴44が設けられた突起45とマイクロホン46との間に、板金48を配置する。板金48は、第三取り付けネジ53によって、電気回路基板33と接地基板34とに共締めされ、接地基板34による基準電位点に接地される。板金48は、第一、第二取り付けネジ36、40によって、フロントケース30、リアケース31、および本体基部32に共締めされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周囲の音声を収録するためのマイクロホンを備えた電子機器、およびデジタルカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器、例えば、デジタルカメラには、動画の撮影時に周囲の音声を収録するためのマイクロホンが内蔵されている。動画の撮影時には、撮像レンズで取り込まれた被写体像がCCDなどの固体撮像素子で光電変換されると同時に、マイクロホンで周囲の音声が収録される。そして、これにより得られた画像データと音声データが関連付けられて、メモリカードなどの記録媒体に記録される。
【0003】
ところで、近年、電子機器のさらなる小型化への要求が高まっており、デッドスペースを極力なくして、限られたスペースに部品を効率的に実装する工夫が重ねられている。このため、必然的に部品同士の距離が縮まり、マイクロホンの周辺にも、雑音源となり得る部品が近距離で配置されるおそれがある。
【0004】
このような背景を踏まえて、従来、マイクロホンに入力された雑音を除去するための技術が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載の発明では、雑音源としてのメカニズム機構部から発生する周期的雑音成分をマイクロホンの出力音声信号から抽出し、抽出した雑音成分を出力音声信号から減算することで、雑音を除去している。
【特許文献1】特開平11−205891号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、ある程度の確率で雑音のレベルを類推することが可能な周期的雑音成分のみを対象としているため、雑音のレベルを類推することができない雑音成分は除去されない。また、雑音検出器や減算器などを設け、これらの制御シーケンスを組む必要があり、生産コストが掛かるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、簡単な構成で、マイクロホンへの雑音を遮断することができる電子機器、およびデジタルカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、マイクロホンと、電気回路と、前記マイクロホンと前記電気回路との間に設けられ、金属製の係合部材が取り付けられる樹脂製の係合部とを備えた電子機器において、前記マイクロホンと前記係合部との間に、接地された金属製の雑音遮断部材が配置されていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、マイクロホンと、前記マイクロホンに電源を供給する電源回路と、前記マイクロホンと前記電源回路との間に設けられ、金属製の三脚固定用ネジが取り付けられる樹脂製の三脚固定用ネジ穴とを備えたデジタルカメラにおいて、前記マイクロホンと前記三脚固定用ネジ穴との間に、接地された金属製の雑音遮断部材が配置されていることを特徴とする。
【0009】
前記雑音遮断部材は、前記電源回路が設けられた基板と接地導体とに締結固定されていることが好ましい。
【0010】
前記雑音遮断部材は、その側端部が前記マイクロホンと前記電源回路とを繋ぐ配線に接触しないように曲げられていることが好ましい。
【0011】
前記雑音遮断部材の側端部が、前記マイクロホンと前記電源回路とを繋ぐ配線に接触することを防ぐ接触防止部材を備えることが好ましい。この場合、前記接触防止部材は、前記三脚固定用ネジ穴が形成された部材に一体化して設けられたリブであることが好ましい。
【0012】
前記雑音遮断部材は、前記三脚固定用ネジ穴が形成された部材と外装ケースとに締結固定されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の電子機器、およびデジタルカメラによれば、マイクロホンとマイクロホンの周辺に近距離で配置された雑音源との間に雑音遮断部材を配置するだけの簡単な構成で、マイクロホンへの雑音を遮断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1および図2において、デジタルカメラ2は、略矩形状のカメラ本体10を有する。カメラ本体10の前面には、撮像レンズ11を保持するレンズ鏡胴12や、ストロボ発光窓13、補助光発光窓14などが設けられている。上面には、電源ボタン15、レリーズボタン16、およびレリーズボタン16の周囲を取り囲む円環状のズーム操作レバー17が設けられている。また、図示はしていないが、カメラ本体10の底面には、開閉自在な蓋が設けられている。蓋を開くと、メモリカード96(図7参照)が着脱自在に装填されるメモリカードスロット、およびバッテリー(図示せず)が着脱自在に装填されるバッテリースロットが露呈される。
【0015】
カメラ本体10の背面には、液晶表示器(以下、LCDと略す。)18、および操作部19などが設けられている。LCD18は、メモリカード96から読み出した画像やスルー画像、各種設定画面を表示する。操作部19は、各種モードを切り替えるためのモードダイヤル20、LCD18に設定画面を表示させる際や、選択内容を決定する際に操作されるメニューボタン21、および設定画面内でカーソルを移動させるための十字ボタン22などから構成される。
【0016】
レリーズボタン16は、二段階押しのスイッチである。LCD18による被写体のフレーミングの後に、レリーズボタン16が軽く押圧(半押し)されると、露出条件の決定(AE)、自動焦点調整(AF)などの各種撮影準備処理が施される。この状態でレリーズボタン16がもう1度強く押圧(全押し)されると、決定された露出条件の下で一回の撮影が行われる。
【0017】
モードダイヤル20が回動操作されると、静止画撮影を行う静止画撮影モード、動画撮影を行う動画撮影モード、撮影した画像をLCD18に表示する再生モード、および各種設定を行う設定モードが選択的に切り替えられる。動画撮影モードでは、マイクロホン46(図3参照)によって周囲の音声が収録される。
【0018】
図3において、カメラ本体10は、樹脂製のフロントケース30およびリアケース31と、これらのケース30、31の間に内蔵される樹脂製の本体基部32、電気回路基板33、および金属製の接地基板34とから構成される。
【0019】
フロントケース30の前面には、外部の音声をマイクロホン46に伝えるための音声伝達穴35が設けられている。フロントケース30の裏面には、第一取り付けネジ36が挿通される第一挿通穴37が穿たれた第一取り付け舌片38が突設されている(図6も参照)。
【0020】
一方、リアケース31の側面には、外部電源入力ジャック55(後述)が露呈されるジャック用穴39が設けられている。リアケース31の裏面には、第二取り付けネジ40が挿通される第二挿通穴41が穿たれた第二取り付け舌片42が突設されている(図6も参照)。この他にも、フロントケース30およびリアケース31には、レンズ鏡胴12などの構成部品用の複数の開口や取り付け用の穴が形成されている。
【0021】
本体基部32の底面には、金属製の三脚固定用ネジ43が螺合される三脚固定用ネジ穴44が穿たれた円柱状の突起45が設けられている。突起45のフロントケース30側には、マイクロホン46が取り付けられるマイクロホン取り付け部47が設けられている。
【0022】
突起45とマイクロホン取り付け部47の側部には、雑音遮断部材としての板金48が取り付けられる板金取り付け部49が設けられている。板金取り付け部49は、板金48の第四取り付け舌片71の下段部74(図4参照)が嵌め込まれる嵌合片50と、第一取り付けネジ36が挿通される第三挿通穴51と、第二取り付けネジ40が挿通される第四挿通穴52とを有する(図5、図6も参照)。この他にも、本体基部32には、レリーズボタン16などの構成部品用の複数の取り付け部が設けられている。
【0023】
電気回路基板33の下側部には、第三取り付けネジ53が挿通される第五挿通穴54が穿たれている(図6も参照)。また、電気回路基板33の下側部には、外部電源入力ジャック55が取り付けられている。外部電源入力ジャック55には、外部電源(図示せず)からの電源供給コネクタ(図示せず)が接続される。
【0024】
電気回路基板33には、外部電源入力ジャック55を介して受給した電力をマイクロホン46に供給する電源回路56、および電源回路56が接続された接点57が設けられている。接点57には、マイクロホン46から延ばされたハーネス58が接続される(図5参照)。ハーネス58は、電源供給用の配線や音声信号を取り出すための配線を纏めたものである。なお、図示はしていないが、接点57には、電源回路56の他に、音声信号処理部100(図7参照)などが接続されている。
【0025】
接地基板34の下側部には、第三取り付けネジ53が挿通される第六挿通穴59が穿たれた第三取り付け舌片60が設けられている。第三取り付け舌片60は、略L字状に屈曲され、接地基板34の前面からフロントケース30側に突出している。
【0026】
図4において、板金48は、板金本体70と、板金本体70に一体形成された第四、第五取り付け舌片71、72とからなる。板金本体70は、突起45の形状に沿うように半円弧状に曲げられ、その側端部73が電気回路基板33側に向けられている。
【0027】
第四取り付け舌片71は、略S字状に折り曲げられており、嵌合片50に嵌め込まれる下段部74と、下段部74よりも一段高く形成された上段部75とを有する。下、上段部74、75には、それぞれ、第一、第二取り付けネジ36、40が螺合される第一、第二ネジ穴76、77が形成されている。
【0028】
一方、第五取り付け舌片72は、電気回路基板33の前面に相対するように、板金本体70から直角に折り曲げられている。第五取り付け舌片72には、第三取り付けネジ53が螺合される第三ネジ穴78が穿たれている。
【0029】
マイクロホン46、および板金48をそれぞれの取り付け部47、49に取り付けた状態を示す図5において、板金本体70は、マイクロホン46側の突起45の表面を覆うように、突起45とマイクロホン46との間に配置される。ハーネス58は、板金本体70の外側を懸け回されて接点57に接続されているが、板金本体70が曲げられて側端部73が電気回路基板33側に向けられていることから、ハーネス58が側端部73に接触しないようになっている。
【0030】
フロントケース30、リアケース31、本体基部32、電気回路基板33、および接地基板34を合体させてカメラ本体10とした状態を示す図6において、フロントケース30、および本体基部32は、それぞれ、第一挿通穴37、および第三挿通穴51に第一取り付けネジ36を挿通し、第一取り付けネジ36を第一ネジ穴76に螺合することによって、板金48に共締めされている。同様に、リアケース31、および本体基部32は、それぞれ、第二挿通穴41、および第四挿通穴52に第二取り付けネジ40を挿通し、第二取り付けネジ40を第二ネジ穴77に螺合することによって、板金48に共締めされている。
【0031】
さらに、電気回路基板33、および接地基板34は、それぞれ、第五挿通穴54、および第六挿通穴59に第三取り付けネジ53を挿通し、第三取り付けネジ53を第三ネジ穴78に螺合することによって、板金48に共締めされている。つまり、電気回路基板33、および板金48は、接地基板34による基準電位点に接地される。なお、第三取り付け舌片60が接地基板34の前面からフロントケース30側に突出していることから、電気回路基板33と接地基板34とは、面接触ではなく、間隔を空けた状態で保持される。また、言う迄もないが、フロントケース30、リアケース31、本体基部32、電気回路基板33、および接地基板34は、上記した箇所以外の複数の箇所で互いに固定されている。
【0032】
カメラ本体10を組み立てる際には、まず、嵌合片50に下段部74を嵌合して、板金取り付け部49に板金48を仮止めする。次いで、第五挿通穴54、および第六挿通穴59に第三取り付けネジ53を挿通し、第三取り付けネジ53を第三ネジ穴78に螺合して、電気回路基板33、接地基板34、および板金48を共締めする。
【0033】
次に、マイクロホン取り付け部47にマイクロホン46を取り付け、板金本体70の外側を懸け回してハーネス58を接点57に接続する。そして、フロントケース30、およびリアケース31で本体基部32、電気回路基板33、および接地基板34を覆った後、第一挿通穴37、および第三挿通穴51に第一取り付けネジ36を挿通し、第一取り付けネジ36を第一ネジ穴76に螺合するとともに、第二挿通穴41、および第四挿通穴52に第二取り付けネジ40を挿通し、第二取り付けネジ40を第二ネジ穴77に螺合し、フロントケース30、リアケース31、本体基部32、および板金48を共締めする。
【0034】
デジタルカメラ2の電気的構成を示す図7において、撮像レンズ11には、レンズモータ80が接続されている。また、絞り81には、アイリスモータ82が接続されている。これらのモータ80、82はステッピングモータであり、CPU83に接続されたモータドライバ84、85から送信される駆動パルスにより動作制御される。
【0035】
レンズモータ80は、ズーム操作レバー17の操作に連動して、撮像レンズ11のズームレンズをワイド側、あるいはテレ側にステップ移動させる。また、各焦点距離において、フォーカスレンズを移動させて合焦位置に停止させる。アイリスモータ82は、絞り81を動作させ、絞り径を調整する。
【0036】
撮像レンズ11および絞り81の背後には、被写体像を撮像するCCD86が配置されている。CCD86には、CPU83によって制御されるCCDドライバ87が接続されている。CCDドライバ87は、CCD86の電荷蓄積時間と電荷掃き出しタイミングを制御するためのタイミング信号(クロックパルス)をCCD86に出力する。
【0037】
CCD86から出力された撮像信号は、アナログ信号処理部88に入力される。アナログ信号処理部88は、撮像信号に対して相関二重サンプリングを施し、CCD86の各セルの蓄積電荷量に正確に対応したR、G、Bの画像信号を出力する。そして、この画像信号を所定の増幅率で増幅し、A/D変換器(A/D)89に出力する。
【0038】
A/D89は、画像信号をA/D変換してデジタルの画像データを出力する。A/D89から出力された画像データは、データバス90を介してSDRAM91に入力され、SDRAM91に一旦格納される。なお、アナログ信号処理部88、およびA/D89は、タイミングジェネレータ(図示せず)から入力されるタイミング信号に応じて同期駆動し、一定のフレームレート(例えば、30フレーム/秒)で画像データを出力する。
【0039】
デジタル信号処理部92は、SDRAM91から画像データを読み出して、画像データに対して、階調変換、ホワイトバランス補正、γ補正などの各種画像処理を施す。デジタル信号処理部92で画像処理が施された画像データは、再度SDRAM91に格納される。
【0040】
YC変換処理部93は、SDRAM91から画像データを読み出し、画像データに対して、RGBの信号を輝度信号Yと色差信号Cr、Cbとに変換するYC変換を施す。圧縮伸張処理部94は、YC変換処理部93でYC変換が施された画像データに対して、所定の圧縮形式(例えば、JPEG形式)で画像圧縮を施す。圧縮伸張処理部94で圧縮された画像データは、SDRAM91に再度格納される。
【0041】
画像圧縮された画像データは、SDRAM91からメモリ制御部95に読み出され、メモリ制御部95の制御の下に、メモリカード96に記録される。また、メモリカード96に記録された画像データは、メモリ制御部95を経てSDRAM91に一旦格納され、圧縮伸張処理部94に読み出されて圧縮される前の画像データに伸張される。
【0042】
LCDドライバ97には、YC変換処理部93で簡易YC変換された二フレーム分の画像データが格納されるVRAM(図示せず)が接続されている。VRAMは、画像データの書き込みと読み出しとを並行して行う。LCDドライバ97は、VRAMから読み出した画像データをアナログのコンポジット信号に変換し、これをLCD18にスルー画像として表示する。また、LCDドライバ97は、圧縮伸張処理部94で伸張された画像データを、LCD18に再生画像として表示する。
【0043】
CPU83は、制御バス98を介して各部に制御信号を送信するとともに、各部からの応答信号を受信して、各部の動作を統括的に制御する。CPU83には、レリーズボタン16、操作部19などの他に、各種制御用のプログラムや設定情報などが記録されたEEPROM99、音声信号処理部100、および測光・測距部101が接続されている。
【0044】
CPU83は、レリーズボタン16からの操作入力信号を受けて、レリーズボタン16の半押し、全押しに伴う処理を各部に実行させる。また、CPU83は、操作部19から入力される操作入力信号に応じて各部を動作させ、各種情報をEEPROM99から内蔵RAMに読み出して、処理を実行する。
【0045】
音声信号処理部100は、増幅器(AMP)、A/D変換器(A/D)、およびノイズリデューサなどからなる。音声信号処理部100は、マイクロホン46から入力された音声をAMPで増幅し、A/Dでデジタルの音声データに変換する。そして、ノイズリデューサで電気的に雑音を除去し、CPU83に出力する。CPU83は、音声信号処理部100から出力された音声データをメモリ制御部95に出力し、メモリ制御部95は、音声データを画像データと関連付けてメモリカード96に記録させる。
【0046】
測光・測距部101は、被写体の輝度、および被写体までの距離を検出し、この検出結果から露出量、ホワイトバランス補正量、および焦点距離を決定する。測光・測距部101は、スルー画像の表示中は所定のサイクルで作動している。スルー画像の表示中は、測光・測距部101で決定された露出量に応じて、モータドライバ85によりアイリスモータ82が動作され、絞り81の絞り径が制御される。絞り径のみで適正な露出量にすることができない場合は、CCDドライバ87によりCCD86の電荷蓄積時間が制御される。
【0047】
測光・測距部101は、レリーズボタン16が半押しされたときに輝度および距離の検出を開始し、検出結果をCPU83に逐次送信する。CPU83は、測光・測距部101からの検出結果に基づいて、撮像レンズ11、絞り81、およびCCD86の動作を制御する。
【0048】
次に、上記構成を有するデジタルカメラ2の動作について説明する。デジタルカメラ2で静止画撮影を行う際には、電源ボタン15を操作してデジタルカメラ2の電源を投入する。そして、モードダイヤル20を操作して静止画撮影モードを選択する。
【0049】
静止画撮影モードでは、撮像レンズ11、絞り81を介して入射した被写体像がCCD86の撮像面に結像され、これによりCCD86から撮像信号が出力される。CCD86から出力された撮像信号は、アナログ信号処理部88で相関二重サンプリングされて増幅され、A/D89でデジタルの画像データに変換される。
【0050】
A/D89から出力された画像データは、データバス90を介してSDRAM91に入力され、SDRAM91に一旦格納される。SDRAM91に格納された画像データは、YC変換処理部93で簡易YC変換が施された後、VRAMに格納される。VRAMに格納された画像データは、逐次LCDドライバ97に読み出されて、LCDドライバ97でコンポジット信号に変換され、LCD18にスルー画像として表示される。
【0051】
スルー画像の表示中にレリーズボタン16が半押しされると、測光・測距部101で被写体の輝度および被写体までの距離が検出され、露出量、ホワイトバランス補正量、および焦点距離が決定される。そして、この結果に基づいて、CPU83により撮像レンズ11、絞り81、およびCCD86の動作が制御され、撮影準備処理が施される。
【0052】
レリーズボタン16の全押しにより撮影が実行されると、決定された露出量に基づいて静止画撮影が行われ、これにより得られた画像データがSDRAM91に格納される。SDRAM91に格納された画像データは、デジタル信号処理部92に読み出されて各種画像処理が施された後、SDRAM91に再び格納される。そして、今度はYC変換処理部93に読み出されて本格的なYC変換が施された後、圧縮伸張処理部94で圧縮処理され、SDRAM91に再び格納される。SDRAM91に格納された圧縮処理後の画像データは、メモリ制御部95に読み出され、メモリ制御部95の制御の下にメモリカード96に記録される。
【0053】
モードダイヤル20が操作されて動画撮影モードが選択され、レリーズボタン16が全押しされて動画の撮影が開始されると、一定のフレームレートでCCD86から撮像信号が出力される。そして、アナログ信号処理部88、デジタル信号処理部92、YC変換処理部93、および圧縮伸張処理部94で静止画撮影モードと同様の処理が施され、これにより生成された画像データが逐次メモリカード96に記録される。また、これと同時に、マイクロホン46により周囲の音声が収録される。マイクロホン46に入力された音声は、音声信号処理部100でデジタルの音声データに変換され、CPU83に出力される。CPU83に出力された音声データは、メモリ制御部95により、画像データと関連付けられてメモリカード96に記録される。
【0054】
ここで、三脚を用いるために、三脚固定用ネジ43を三脚固定用ネジ穴44に螺合し、マイクロホン46に外部電源を入力するために、外部電源入力ジャック55に外部電源からの電源供給コネクタを接続して動画撮影を行った場合、三脚固定用ネジ43、マイクロホン46、および電源回路56が近接して配置されているため、これらの相互作用によってマイクロホン46で収録される音声に雑音が乗るおそれがあるが、三脚固定用ネジ穴44とマイクロホン46との間に板金48を配置し、第三取り付けネジ53を介して板金48を接地基板34に接続しているので、三脚固定用ネジ43、マイクロホン46、および電源回路56の相互作用により発生する雑音が板金48によって完全に遮断される。
【0055】
一方、モードダイヤル20が操作されて再生モードが選択され、画像の再生指示がなされると、メモリカード96に記録された画像データがSDRAM91に格納される。そして、SDRAM91から圧縮伸張処理部94に画像データが読み出され、圧縮伸張処理部94で伸張されて元の画像データとなり、再びSDRAM91に格納される。SDRAM91に格納された伸張後の画像データは、LCDドライバ97に読み出されてLCD18に再生表示される。
【0056】
以上説明したように、板金48で雑音を遮断したので、常にクリアな音声を収録することができる。また、フロントケース30と本体基部32、リアケース31と本体基部32、および、電気回路基板33と接地基板34を、それぞれ、第一〜第三取り付けネジ36、40、53で板金48に共締めする構成としたので、これらの部品同士の組み付け強度、および各部品自体の機械的強度が増し、組み立て部品の削減、および組み立て工程の簡略化を図ることができる。なお、本発明は、これらの部品を共締めする構成としない態様も含まれる。
【0057】
上記実施形態では、板金48の側端部73がハーネス58に接触しないように、板金本体70を突起45の形状に沿うように半円弧状に曲げているが、図8に示すように、板金本体70には加工を施さず、本体基部32のハーネス58が懸け回される位置と側端部73との間に、接触防止リブ110を設けてもよい。但し、接触防止リブ110を設置するスペースを確保する必要があるので、上記実施形態のように、板金本体70を曲げることがより好ましい。
【0058】
上記実施形態では、電子機器としてデジタルカメラ2を例示して説明したが、本発明はこれに限定されず、マイクロホンで音声を収録するあらゆる電子機器についても適用することが可能である。同様に、上記実施形態の三脚固定用ネジ穴44や電源回路56は、請求項1に記載の係合部と電気回路の一例であり、本発明を特に限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】デジタルカメラの正面概観を示す斜視図である。
【図2】デジタルカメラの背面概観を示す平面図である。
【図3】カメラ本体の構成を示す分解斜視図である。
【図4】板金の構成を示す斜視図である。
【図5】マイクロホンの周辺の構成を示す拡大斜視図である。
【図6】マイクロホンの周辺の構成を示す拡大断面図である。
【図7】デジタルカメラの電気的構成を示すブロック図である。
【図8】別の実施形態におけるマイクロホンの周辺の構成を示す拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0060】
2 デジタルカメラ
10 カメラ本体
11 撮像レンズ
16 レリーズボタン
18 液晶表示器(LCD)
19 操作部
30 フロントケース
31 リアケース
32 本体基部
33 電気回路基板
34 接地基板
36、40、53 第一〜第三取り付けネジ
37、41、51、52、54、59 第一〜第六挿通穴
43 三脚固定用ネジ
44 三脚固定用ネジ穴
46 マイクロホン
48 板金
55 外部電源入力ジャック
56 電源回路
58 ハーネス
73 側端部
76〜78 第一〜第三ネジ穴
83 CPU
86 CCD
96 メモリカード
100 音声信号処理部
110 接触防止リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロホンと、電気回路と、前記マイクロホンと前記電気回路との間に設けられ、金属製の係合部材が取り付けられる樹脂製の係合部とを備えた電子機器において、
前記マイクロホンと前記係合部との間に、接地された金属製の雑音遮断部材が配置されていることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
マイクロホンと、前記マイクロホンに電源を供給する電源回路と、前記マイクロホンと前記電源回路との間に設けられ、金属製の三脚固定用ネジが取り付けられる樹脂製の三脚固定用ネジ穴とを備えたデジタルカメラにおいて、
前記マイクロホンと前記三脚固定用ネジ穴との間に、接地された金属製の雑音遮断部材が配置されていることを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項3】
前記雑音遮断部材は、前記電源回路が設けられた基板と接地導体とに締結固定されていることを特徴とする請求項2に記載のデジタルカメラ。
【請求項4】
前記雑音遮断部材は、その側端部が前記マイクロホンと前記電源回路とを繋ぐ配線に接触しないように曲げられていることを特徴とする請求項2または3に記載のデジタルカメラ。
【請求項5】
前記雑音遮断部材の側端部が、前記マイクロホンと前記電源回路とを繋ぐ配線に接触することを防ぐ接触防止部材を備えることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載のデジタルカメラ。
【請求項6】
前記接触防止部材は、前記三脚固定用ネジ穴が形成された部材に一体化して設けられたリブであることを特徴とする請求項5に記載のデジタルカメラ。
【請求項7】
前記雑音遮断部材は、前記三脚固定用ネジ穴が形成された部材と外装ケースとに締結固定されていることを特徴とする請求項2ないし6のいずれかに記載のデジタルカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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