説明

電子機器におけるディスプレイ装置及びその制御方法

【課題】電子機器におけるディスプレイ装置の制御方法及び関連する制御装置を提供する。
【解決手段】電子機器は、制御ユニットと、複数の表示素子、表示コントローラ及びスイッチング回路を有するディスプレイ装置とを有する。表示素子は複数のピクトグラムを有し、表示コントローラは表示素子に関連する複数の記憶素子を有する。表示素子に関連して使用される記憶素子はその表示素子よりも多い。方法は、表示素子における表示のためのコンテンツを記憶素子に書き込むステップ(S3)と、制御ユニットによって表示素子に関連する記憶素子をアクセス不能とするよう電子機器のスタンバイモードを設定するステップ(S4)と、表示によって示されるイベントを検出するステップ(S5)と、同じ表示素子において少なくとも2つの記憶素子のコンテンツを交互に表示することによって作動ピクトグラムを変えるようスイッチング回路を制御するステップとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視聴覚プログラムの受信機−デコーダ装置の分野に関し、より厳密には、スタンバイモードにおける表示管理に関する。
【背景技術】
【0002】
視聴覚プログラムの受信機/デコーダは、ますます多くの機能をユーザに提供する。プログラムの受信、記録及び表示を目的とする必須機能に加えて、機器は、例えば、第3の装置との通信、設定、又は電子マネーのための多数のインターフェースを有する。例えば、テレビ受像機、コンピュータ、スケジュール管理用コンピュータソフト、携帯電話機、データ記憶装置、プリンタ等の家庭用デジタル製品の開発の高まりは、異なる家電への相互接続を可能にするようプログラム受信機のインターフェースの数も増大させる。
【0003】
多数の装置及びインターフェースを有する構成は、ユーザが快適な機能の利益を享受することを可能にする一方で、回路の増大による高いエネルギ消費を引き起こす。故に、家庭用の装置のエネルギ消費並びに設置物全体及びより広くは家全体のエネルギ消費を制御することがますます重要になる。
【0004】
エネルギ消費に関して、現在、ヨーロッパの公式の指示が存在する。かかる公式の指示は、汎用の装置の設計段階で注意深く考慮されなければならない。
【0005】
エネルギ消費の高い削減制約は、装置を起動する必要性と結び付けられて、問題を生じる。最低限のエネルギ消費に対応するスタンバイモードを有することが必要であり、且つ、スタンバイモードにある装置を起動し得ることが必要である。これは、装置の起動を可能にするサブアセンブリがスタンバイモードにおいて依然として動作することを必要とする。
【0006】
その場合に、そのような制約を満たすという目的で、電源、マザーボード、並びにキーボード及びディスプレイ管理ボード(時々KDB(Key and Display Boardの略称)と呼ばれる。)を有するアーキテクチャを使用することが通例である。
【0007】
なお、以下の記載において、「マザーボード」、「電源」及び「KDB」との称号は、必ずしも独立した電子ボードに対応するわけではなく、関連する機能に関与する全ての構成要素を示す。
【0008】
従って、「マザーボード」は、KDBによってサポートされる機能及び電源によってサポートされるエネルギラインの供給と離れて装置によってサポートされる機能を果たす全ての電子回路を表す。
【0009】
「KDB」は、スタンバイモードにおける制御ユニット機能に加えて、リモートコントロール受信、キーボード管理及び表示機能に対応する全ての回路を表す。しかし、それらの回路は、ここで「マザーボード」と呼ばれる全ての回路と同じ電子ボード上に設置されてよい。
【0010】
同じように、装置が接続されている電気ネットワークからの電圧及び電流において様々な供給ラインが設けられることを可能にする電源回路は、ここで「マザーボード」と呼ばれる回路と同じボード上に設置されてよい。
【0011】
ここで使用される称号は、当業者が、本発明が属する適用範囲内にある装置のアーキテクチャ全体をより良く理解することを可能にする。
【0012】
KDBは、リモートコントロールによる装置制御のためのデータ受信に必要な要素をサポートする。しかし、リモートコントロールは、例えばブルートゥースのような如何なる他のタイプの通信も使用することができる。
【0013】
マザーボード及びKDBに基づく当該アーキテクチャは、スタンバイモードにおいて、表示及びキーボード管理並びにリモートコントロールフレームの受信のためにKDBの電源供給及び動作を保つことによって、マザーボード又はマザーボード全体に存在する非常に多くの機能の電力供給を中断することが可能であり且つ容易であるので、エネルギの経済的な管理を可能にする。実際には、視聴覚プログラムを受信する装置がスタンバイモードにおいて設定される場合に、装置を起動して作動モードに戻すためにキーボード又はリモートコントロールを使用することが通例である。
【0014】
スタンバイモードでは、例えば、時間のような他の情報とともに動作モード(スタンバイモード)をユーザに示すためにディスプレイを動作したままとすることも通例である。このモードにおいて、KDBは時々完全に自立しており、マザーボードは動作しておらず、表示メモリのコンテンツを更新するであろうソフトウェアアプリケーションを実施しない。
【0015】
このアーキテクチャに基づき設計される装置の設計における重要な制約は、実施上、費用上及びモジュール上の理由のために、KDBを可能な限り簡素化することである。
【0016】
一般的に、KDBは、マイクロコントローラと、時間スタンピングのためのクロック回路と、時々表示コントローラを有する表示モジュールと、マイクロコントローラに接続されたキーの組によって構成されるキーボードと、同じくマイクロコントローラに接続されたリモートコントロールフレーム受信機とを有する。
【0017】
KDBマイクロコントローラの入出力ポートは、異なる要素との相互接続のために、特に、しばしば行及び列のキー配列によってキーボードを構成し且つリモートコントロールの受信機から信号を受信するために、使用される。
【0018】
表示コントローラは、自立的に表示を管理する。表示される情報の変更は、マザーボードから表示コントローラのメモリへの書込によって、装置がスタンバイモードにない場合に行われる。視聴覚プログラムを受信する装置のメイン制御ユニットは、例えばバスI2C等の通信インターフェースを介して表示コントローラのメモリに書き込む。
【0019】
例えば視聴覚プログラムの受信機レコーダ等の汎用の装置の設計において、既存の製品の基本アーキテクチャを再利用し、それを仕様において定義される特定のニーズに適応させることは珍しくない。例えば、ディスプレイは、LED(Light Emitting Diode)若しくはVFD(Vacuum Fluo Display)を有するエレクトロルミネセント等の種々のタイプ、又はLCD(Liquid Crystal Display)タイプであってよく、ユーザに表示される情報は装置ごとに異なる。
【0020】
装置によって実行される機能の数及び定義されるニーズに従って、ディスプレイは、表示されるプログラムの数、時間、英数字から成るメッセージ、使用される機能を象徴するアイコン若しくはピクトグラム、メンテナンス若しくはエラー情報等の、より多くの又はより少ない情報をユーザに表示することできなければならない。
【0021】
既に存在するKDBアーキテクチャにおけるディスプレイの適応は、同じ表示コントローラ及びKDBの同じマイクロコントローラを保ちながらディスプレイモデルを統合することが必要であるために、時々細心の注意を要する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明は、以上を鑑みて、装置がスタンバイモードにあり、表示コントローラのメモリが書込モードにおいてアクセスされ得ない場合の表示機能の巧妙な実現を可能にする。表示は、イベントの発生に従って変更されるべきである。
【0023】
本発明は、装置がスタンバイモードにあり、表示コントローラのメモリが書込モードにおいてアクセスされ得ない一方で、イベントの検出時に、汎用製品における表示の変更を可能にすることによって、先行技術の欠点のうち少なくとも1つが解消されること可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
以下の記載において、語「ピクトグラム」は、表示状態が表示メモリの2進デジタル単位(ビット)の状態に関係がある(依存する)ところの表示エンティティを表す。よって、それは、一意且つ分離できない要素から成ることを特徴とする表示エンティティである。その場合に、これは、一般的に使用される語「ピクトグラム」の意味に対応し、その形状/見た目がアイデア又は概念に対応することを意味し、あるいは、例えば、ダッシュ又はドット、ダブルドット、バー、アイコン、セグメント等の簡単な表示要素に対応してよい。以下の記載における語「ピクトグラム」の意味は、図3乃至7を読むことでも、より良く理解されるであろう。
【0025】
本発明は、制御ユニットと、少なくとも1つのピクトグラムを有する少なくとも1つの表示素子、該表示素子に関連し、前記ピクトグラムに関連する少なくとも1つのバイナリ要素から成る記憶素子を有する第1メモリを有する表示コントローラ、及びスイッチング回路を有するディスプレイ装置とを有する電子機器における前記ディスプレイ装置の制御方法であって、少なくとも1つの記憶素子を有する第2のメモリを使用し、前記第1のメモリの記憶素子と前記第2のメモリの記憶素子とにコンテンツを書き込むステップと、前記スイッチング回路に接続されるマイクロコントローラによって、表示によって伝えられるイベントを検出するステップと、前記表示素子の表示を前記マイクロコントローラによって、前記第1のメモリの記憶素子と前記第2のメモリの記憶素子とに交互に関連付けることによって当該表示を変更するよう前記スイッチング回路を制御するステップとを有する方法を記載する。
【0026】
本発明の実施形態に従って、コンテンツを記憶素子に書き込む前記ステップは、制御ユニットがスタンバイモードへの切替のための信号を検出することによって先導される。
【0027】
本発明の他の実施形態に従って、イベントを検出する前記ステップは、前記電子機器のリモートコントロールによって発せられるデータフレームの受信に対応する。
【0028】
有利に、イベントを検出する前記ステップは、前記スイッチング回路に接続されるマイクロコントローラが前記電子機器のキーボードのキーの押下の後の信号の変化を検出することに対応する。
【0029】
本発明の実施形態に従って、イベントを検出する前記ステップは、前記スイッチング回路に接続されるマイクロコントローラによって現在の時間と前記電子機器の機能の作動を生じさせるプログラムされた時間とが一致することが検出されることに対応する。
【0030】
また、本発明は、少なくとも1つのピクトグラムを有する少なくとも1つの表示素子と、該少なくとも1つの表示素子に関連する少なくとも1つの記憶素子を有する第1のメモリを有する表示コントローラとを有する電子機器におけるディスプレイ装置であって、前少なくとも1つの記憶素子を有する第2のメモリと、該第2のメモリの記憶素子が前記表示素子と関連付けられることを可能にするスイッチング手段とを更に有するディスプレイ装置に関する。
【0031】
本発明の実施形態に従って、前記電子機器は、スタンバイモードにおける設定手段と、制御ユニットとを有し、前記制御ユニットは、スタンバイモードにおいて前記第1のメモリと前記第2のメモリとへのアクセスを有することができない。
【0032】
本発明の実施形態に従って、前記電子機器は、視聴覚プログラムの受信機である。
【0033】
本発明の実施形態に従って、前記ピクトグラムは、前記電子機器のリモートコントロールによって発せられるコマンドの受信を示す。
【0034】
よって、本発明は、電子機器がスタンバイモードにおいて設定されて、表示制御メモリが表示情報の内容を変更するよう書込モードにおいてアクセスされ得ない場合のディスプレイ表示の作動又はフリッカを可能にするように、ディスプレイ装置が電子機器において制御されることを可能にする。
【発明の効果】
【0035】
本発明の利点は、従って、スタンバイモードにおいて表示のピクトグラムのフリッカを引き起こすことによって、リモートコントロールを介して発せられたコマンドが装置によって実際に考慮されることをユーザに示すことが可能である点である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】3つのモジュールにおいて構成される電子機器を表す。
【図2】本発明の実施形態に従うKDBモジュールを表す。
【図3】ピクトグラムを有する表示素子を表す。
【図4】表示素子及び関連する記憶素子を図式的に表す。
【図5】スタンバイモードの使用及び装置のリモートコントロールによって発せられたデータの受信のピクトグラム表示を含む表示素子を表す。
【図6】表示素子及び2進要素がロードされた関連する記憶素子を表す。
【図7】スタンバイモードの使用及び装置のリモートコントロールによって発せられたデータの受信のピクトグラム表示を含む表示素子、並びに関連する記憶素子を表す。
【図8】方法のステップを表す機能図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
添付の図面を参照して以下の説明を読むことで、本発明はより良く理解され、他の具体的な特徴及び利点は明らかになるであろう。
【0038】
図1乃至7において、示される方法は、物理的に区別することができるユニットに対応してもしなくてもよい機能ユニットである。例えば、かかるモジュール又はそれらの一部は、単一の構成要素にまとめられてよく、あるいは、同じソフトウェアの機能を構成してよい。それどころか、幾つかのモジュールは、別個の物理エンティティから成ってよい。
【0039】
限定的ではなく一般的に、本発明は、装置がスタンバイモードにあり、表示メモリが書込モードにおいてアクセスされ得ない場合に、リモートコントロールのフレームの受信を示すピクトグラムの作動、非作動又はフリッカ(又は明滅)を可能にする、視聴覚プログラム復号化装置の表示を制御する方法に関する。
【0040】
図1は、視聴覚プログラムを受信する装置1の全体的なアーキテクチャを表す。装置1は、マザーボード2及びモジュールKDBのための供給ラインを提供する供給モジュール4を有する。KDB(キー及びディスプレイ・ボード)(Key and Display Board)モジュールは常に供給モジュール4によって給電され、供給モジュール4を制御することによってスタンバイモードを出るよう装置1の起動を管理する。スタンバイモードにおいて、電圧をマザーボード2へ供給する供給ラインの全て又は一部は非作動にされる。これは、スタンバイモードでの大きなエネルギ節約を可能にする。マザーボード2は、装置1のメイン制御ユニットを有し、KDB3は、表示機能に必要な要素、キーボード、及びリモートコントロール用のデータ受信機を有する。マザーボード2がスタンバイモードにある場合に、その制御ユニットはもはや、KDBモジュール3に配置された表示コントローラのメモリに書き込むことができない。その場合に、本発明を構成する方法は、リモートコントロールによって発せられたデータフレームの受信の間、関連するピクトグラムのフリッカ(又は明滅)を引き起こすために使用される。
【0041】
図2は、本発明の実施形態に従う、図1において使用され且つ表されたKDBモジュール3を表す。KDB3は、ディスプレイ装置301と、キーボード302と、赤外線リモートコントロール受信機303と、表示コントローラ304と、マイクロコントローラ305とを有する。マイクロコントローラ305は、表示コントローラ304と共に、受信機デコーダ装置がスタンバイモードにある場合且つマザーボードのモジュールの全て又は一部が給電されない場合に、ディスプレイ、キーボード及びリモートコントロールの管理に必要な動作の主たる部分を確保する。
【0042】
マザーボードの制御ユニットとのやり取りは、インターフェースバス306を用いて行われる。
【0043】
表示コントローラ304は、ディスプレイ装置301の表示素子と夫々関連する記憶素子308と、付加的な記憶素子309とを有する。スイッチング回路310は、マイクロコントローラ305によって制御され、付加的な記憶素子309が、通常は他の記憶素子と関連付けられている表示素子と関連付けられることを可能にする。
【0044】
ディスプレイ装置301の表示素子における表示は、表示素子の共通ピン307を作動させることができる表示コントローラ304によって順次行われる。
【0045】
スタンバイモードにおける設定のためのよう球がマザーボードの制御ユニットによって検出される場合に、制御ユニットは、表示コントローラ304の記憶素子への書込を行う。書込は、インターフェースバス306を用いて行われる。次いで、制御ユニットは、スタンバイモードにおける表示(表示素子と関連する記憶素子)に対応するコンテンツ及び付加的な記憶素子309のコンテンツを書き込む。
【0046】
リモートコントロール受信機303による装置リモートコントールによって発せられたデータフレームの受信時に、受信されたデータは、処理のためにマイクロコントローラ305へ送信される。マイクロコントローラ305は、データフレームを検出及び処理し、スイッチング回路310を制御して、リモートコントロールからのデータの受信を表すピクトグラムを有する表示素子が、関連する記憶素子(308)のコンテンツと付加的な記憶素子(309)のコンテンツとに交互に関連付けられるようにする。表示素子レベルで、それはまさに、あたかも、関連する記憶素子のコンテンツが変更されたかのようである。しかし、これは、通常表示素子に関連付けられている記憶素子とは異なるコンテンツを予め有する他の記憶素子を切り替えることによって関連付けることを伴う。
【0047】
表示素子のピクトグラムの制御ライン、従って、表示は、このようにして変更される。
【0048】
実際に、リモートコントロールからのデータフレームの受信を示すピクトグラムを有する表示素子とこのようにして関連付けられ得る2つの記憶素子308及び309が、一方がピクトグラムの作動に、他方がその非作動に対応するコンテンツを予め有している場合に、交互のスイッチングはピクトグラムのフリッカを生じさせる。スタンバイモードにおいて、スタンバイモードの表示のためのピクトグラムの作動に対応する2進要素は、(表示素子及び付加的な記憶素子と関連付けられる)2つの記憶素子において1(作動状態)に設定される。
【0049】
このように、表示コントローラ304の記憶素子308及び309が装置のスタンバイモードへの切替の前に必要な論理情報を予め有しているという条件で、ピクトグラムの明滅を引き起こすようディスプレイ装置301の表示を変更することが可能である。スタンバイモードは、装置マザーボードの制御ユニットがメモリにアクセスできないようにする。スイッチング回路310は、本発明の実施形態に従って、関連する表示素子の共通ピンが接続又は切断されることを可能にする電子スイッチを有する。スイッチング回路310は、KDBのマイクロコントローラ305の出力ポートへ接続される信号によって制御される。マイクロコントローラ305によって実行されるソフトウェアは、リモートコントロール303の受信機からの信号検出時にスイッチング回路310を制御し、受信機303はマイクロコントローラ305の入力ポートへ接続されている。
【0050】
図3は、図2において表されたディスプレイ装置において使用される表示素子30を示す。表示素子30は、独立して作動又は非作動とされ得るピクトグラム31の組を有する。作動中のピクトグラムは装置のユーザに可視的であり、一方、非作動のピクトグラムは可視的でない。実施形態に従って、ピクトグラム31は、関連する記憶素子の対応する2進要素(ビット)が1に設定される場合に、作動し可視的である。逆に、記憶素子が0に設定される場合に、ピクトグラム31は非作動とされ、装置のユーザに不可視である。
【0051】
ピクトグラム31の作動は表示コントローラによって行われ、供給電圧に接続される共通ピンの原理に従って動作する。次いで、夫々のピクトグラム31は、表示素子30の特定のピンと関連付けられる。作動ピン(及び関連する2進要素)の論理状態は、ピクトグラム31の作動状態及び可視性を定義する。共通ピンによるこのような制御は広く使用されており、電子回路に必要なピン及び制御の数が制限されることを可能にする。
【0052】
装置301のようにディスプレイ装置が複数の表示素子を使用する場合に、素子の制御は多重化される。素子は多重化周波数により順次制御され、人間の網膜残像によりユーザに対し順次不可視となる。このシステムは、エネルギ、とりわけ、電子回路のための多数のピン及び相互接続が節約されることを可能にする。表示素子の夫々の制御の間、表示コントローラは、対応する記憶素子の内容を作動ピンに設定する。
【0053】
図4は、図3において記載されるものと同じ表示素子40を表し、ピクトグラムと作動ピンとの間の相互接続を示し、使用される接続モードをこのようにして表す。表示コントローラの記憶素子のビット位置は、対応するピンの電気的な状態を引き起こし、関連するピクトグラムを可視的とする。共通ピン41及びピクトグラム作動ピン42は区別される。作動ピンの状態は、表示素子に関連する表示素子の記憶素子の2進要素(ビット)の状態に依存する。
【0054】
実施形態に従って、記憶素子44は、B15からB0を特定する16個の2進要素45を有する。
【0055】
表示素子は巧みにスイッチング回路の制御によって他の記憶素子と交互に関連付けられるので、表示コントローラの記憶素子は夫々の表示素子に対応し、リモートコントロールからのデータフレームの受信を示すピクトグラムを除いて2進要素は夫々のピクトグラムに対応する。
【0056】
図5は、スタンバイモードの起動を表すピクトグラム51と、リモートコントロールのフレームの受信を表すピクトグラム52とを有する表示素子50を表す。この表示素子50は、共通ピンに加えて、2つのピクトグラムの夫々の作動に夫々対応する2つのピンを有する。まさに、英数字が作動中のピクトグラムの組み合わせに従って表示されることを可能にする一般的な表示素子30及び40と同じように、表示素子50のピクトグラム作動ピンの論理状態は、表示コントローラの関連する記憶素子の状態に対応する。
【0057】
この表示素子に関連する記憶素子の2進要素は、スタンバイモード表示ピクトグラム51に対応し、記憶素子の他の2進要素は、リモートコントロールによって発せられたデータフレームの受信を表すピクトグラム52に対応する。
【0058】
図6は、内容“1011001000001001”を表示素子に関連する記憶素子に書き込むことによる表示素子上の数字“3”の表示を表す。
【0059】
図7は、関連する記憶素子及び関連する記憶素子の2進要素とピクトグラムとの間の対応を示すことによって図3の表示素子を表す。
【0060】
この場合において、表示素子は2つのピクトグラムしか有さない。その場合に、記憶素子の2つの2進要素(すなわち、ビット)のみがピクトグラムに関連付けられる。
【0061】
図8は、方法を表す機能図である。
【0062】
ステップS1は、方法の開始ステップを表す。デコーダは通常の動作状態にあり、特に、使用各プログラムを受信し復号化し、あるいは、このモードにおいて利用可能な何らかの他の機能を確かにすることができる。
【0063】
ステップS2は、スタンバイモードへの切替のための要求の検出に対応する。この検出は、リモートコントロールからの、スタンバイモードへの切替に対応するコードを含むデータフレームの受信(その場合に、ユーザは装置をスタンバイモードに設定する。)に続いて起こることができるが、例えば、所定の期間の間装置機能の作動がない場合にプログラム又は自動化されてよい。実施形態に従って、その時から、スタンバイモードへの切替の前に表示コントローラのメモリへの起こり得る上書きを回避するために、スタンバイモードにおける表示に有用な情報のみがメモリに書き込まれ得る。スタンバイモードへの実際の切替は、表示コントローラのメモリへのアクセスを不可能にする。
【0064】
ステップS3は、スタンバイモードの間に表示されるコンテンツ及び付加的な記憶素子のコンテンツの表示コントローラのメモリへの書込に対応する。それらのコンテンツは、既に他の記憶素子と関連付けられた表示素子上で、スイッチング回路を用いることによってスタンバイモードにおいて表示され得る。
【0065】
ステップS4は、デコーダのスタンバイモードへの切替に対応する。マザーボードの全て又は一部は非作動にされ、デコーダの主制御ユニットは非作動にされ、もはや、KDB表示コントローラのメモリへの書込モードにおけるアクセスを有することを可能にしない。
【0066】
ステップS5で、マザーボードはスタンバイモードにあるが、KDBは作動中のままであり、イベントの発生を検知する。このように、そのリモートコントロール受信機を用いて、KDBは、特に、リモートコントロールによって発せられたデータフレームの受信を検出することができる。
【0067】
ステップS6で、リモートコントロールによって発せられたデータフレームの検出に続いて、リモートコントロール受信機からの信号が接続されるKDBマイクロコントローラは、所定の期間にスイッチング回路を作動させる。次いで、スイッチング回路は、2つの記憶素子のコンテンツを同じ表示素子上で交互に表示するよう表示モジュール制御信号を交互に切り替える。次いで、表示素子は、スタンバイモードへの設定の前に予めロードされたコンテンツを表示する。コンテンツは、リモートコントロールから発せられたデータの受信を象徴するピクトグラムの明滅に対応するように、予め定義されている。スイッチング回路の作動存続期間が経過した場合、処理はステップS4へ戻り、表示素子上の表示により報告されるであろうイベントを待つ。リモートコントロールによって発せられたデータが、デコーダがスタンバイモードを出るべきことをKDBマイクロコントローラに示す場合において、KDBは、通常の動作モードを再開させるよう供給モジュール及びマザーボードを制御する。次いで、処理は最初のステップS1に戻る。
【0068】
実施形態に従って、スイッチング回路は、フリッカ又は明滅効果によらずにピクトグラムをオン又はオフするよう静的に制御されてよい。
【0069】
他の実施形態に従って、検出されるイベントは、リモートコントロールとは無関係であって、現在の時間とプログラムされた時間との間の一致の検出によって起こってよく、KDBはシステムクロック機能を確保する。次いで、デコーダは、例えば、接続される周辺機器で受信されるフローの記録のような機能を有効にし、この記録機能の作動をピクトグラムの出現により示すことができる。なお、このような機能の作動は、たとえスタンバイモードにあってもデコーダ・マザーボードの素子が有効なままである場合にのみ、可能である。実際に、デコーダの通常動作の低下モードに対応し、一部の機能が作動し、一方、他の機能がエネルギ節約のために非作動にされることを可能にする様々なタイプのスタンバイモードが存在する。従って、本発明の他の実施形態に従って、現在の時間が視聴覚プログラムの記録の予約時間に対応することを検出し、デコーダの主制御ユニットが表示コントローラのメモリに書き込むことができない場合に、たとえ通常の動作モードにないとしてもこの記録を実施し、スイッチング回路を作動させることで関連するピクトグラムを表示することによって記録を示すことが可能である。ピクトグラムは、表示コントローラの記憶素子に予めロードされており、作動回路は、表示素子にこの記憶素子のコンテンツを表示するよう制御される。
【0070】
また、本発明は、スタンバイモードにおいて設定され且つ制御ユニットが表示コントローラのメモリへのアクセスを有することができないように構成され、ユーザに可視的なプログラムがイベントを報告するために変更されることを可能にするようなあらゆる電子機器に関する。関連する電子機器は、一例として、TVセット、プログラム再生機、放送データの受信機、ゲーム機、スクリーンである。
【符号の説明】
【0071】
1 受信/復号化装置
2 マザーボード
3 KDBモジュール
4 供給モジュール
30,40,50 表示素子
31,43,51,52 ピクトグラム
42 ピクトグラム作動ピン
45 2進要素
301 ディスプレイ装置
302 キーボード
303 赤外線リモートコントロール受信機
304 表示コントローラ
305 マイクロコントローラ
306 インターフェースバス
41,307 共通ピン
44,308 記憶素子
309 付加的な記憶素子
310 スイッチング回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのピクトグラムを有する少なくとも1つの表示素子と、該少なくとも1つの表示素子に関連する少なくとも1つの記憶素子を有する第1のメモリ、及び少なくとも1つの記憶素子を有する第2のメモリを有する1つの表示コントローラと、1つのスイッチング回路とを有する電子機器におけるディスプレイ装置の制御方法であって、
コンテンツを前記第1のメモリの少なくとも1つの記憶素子と前記第2のメモリの少なくとも1つの記憶素子とに書き込むステップと、
前記電子機器のスタンバイモードを設定するステップと、
前記スイッチング回路に接続されるマイクロコントローラによって、表示によって示されるイベントを検出するステップと、
前記スタンバイモードの設定後且つ前記イベントの検出前に、前記第1のメモリ及び前記第2のメモリへのアクセスをブロックするステップと、
前記少なくとも1つの表示素子の表示を前記第1のメモリの少なくとも1つの記憶素子と前記第2のメモリの少なくとも1つの記憶素子とに交互に関連付けることによって前記少なくとも1つの表示素子の表示を変更するよう前記スイッチング回路を制御するステップと
を有することを特徴とする電子機器におけるディスプレイ装置の制御方法。
【請求項2】
コンテンツを前記第1のメモリの少なくとも1つの記憶素子と前記第2のメモリの少なくとも1つの記憶素子とに書き込む前記ステップは、制御ユニットがスタンバイモードへの切替のための信号を検出することによってトリガされる、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器におけるディスプレイ装置の制御方法。
【請求項3】
前記検出されるイベントは、前記電子機器のリモートコントロールによって発せられるデータフレームの受信に対応する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器におけるディスプレイ装置の制御方法。
【請求項4】
イベントを検出する前記ステップは、前記スイッチング回路に接続されるマイクロコントローラが前記電子機器のキーボードのキーの押下に続く信号の変化を検出することに対応する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器におけるディスプレイ装置の制御方法。
【請求項5】
イベントを検出する前記ステップは、前記スイッチング回路に接続されるマイクロコントローラによって現在の時間と前記電子機器の機能の作動を生じさせるプログラムされた時間とが一致することが検出されることに対応する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器におけるディスプレイ装置の制御方法。
【請求項6】
少なくとも1つのピクトグラムを有する少なくとも1つの表示素子と、該少なくとも1つの表示素子に関連する少なくとも1つの記憶素子を有する第1のメモリを有する表示コントローラと、スイッチング手段とを有する電子機器におけるディスプレイ装置であって、
前記表示コントローラは第2のメモリを更に有し、
当該ディスプレイ装置は、前記電子機器のスタンバイモード設定によってトリガされるよう構成された、前記第1のメモリ及び前記第2のメモリへのアクセスをブロックする手段を有し、
前記スイッチング手段は、前記少なくとも1つの表示素子を前記第2のメモリと前記第1のメモリの少なくとも1つの記憶素子とに交互に関連付けるよう構成され、イベントの検出によってトリガされ得る、
ことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項7】
前記電子機器は、視聴覚プログラムの受信機である、
ことを特徴とする請求項6に記載のディスプレイ装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つのピクトグラムは、前記電子機器のリモートコントロールによって発せられるコマンドの受信を示す、
ことを特徴とする請求項6又は7に記載のディスプレイ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−54353(P2013−54353A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−188540(P2012−188540)
【出願日】平成24年8月29日(2012.8.29)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】1−5, rue Jeanne d’Arc, 92130 ISSY LES MOULINEAUX, France
【Fターム(参考)】