説明

電子機器のヘルスモニタリング装置

【課題】動作機器に対する制御信号を出力する電子機器の健全性を監視でき、制御部及びモニタ部を備えてジェネリック故障を監視することができるとともに、制御部及びモニタ部の劣化度まで検知できる、電子機器のヘルスモニタリング装置を提供する。
【解決手段】記憶部(24、27)は、制御部23への入出力電気信号の第1基準値とモニタ部26への入出力電気信号の第2基準値とを記憶する。第1注意信号出力部25は、制御部23への入出力電気信号と第1基準値との乖離量が閾値を超えた場合に、制御部23の劣化を検知して注意信号を出力する。第2注意信号出力部28は、モニタ部26への入出力電気信号と第2基準値との乖離量が閾値を超えた場合に、モニタ部26の劣化を検知して注意信号を出力する。第1及び第2基準値は、制御部23及びモニタ部26の製造完了から運用開始までの間に取得されて記憶部(24、27)に記憶される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動作制御対象としての動作機器に対する制御信号を出力する電子機器の健全性を監視するための、電子機器のヘルスモニタリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
動作制御対象としての動作機器であるアクチュエータに対する制御信号を出力する電子機器における故障を検知する装置として、特許文献1において、アクチュエータ制御装置に設けられたACE(Actuator Control Electronics)が開示されている。
【0003】
特許文献1に開示されたアクチュエータ制御装置は、航空機の舵面の動作を制御する装置として構成されている。そして、このアクチュエータ制御装置には、FCC(Flight Control Computer)と、上記のACEとが設けられている。FCCは、舵面の動作を制御するための指示信号を生成する装置として構成されている。ACEは、上記の指示信号に基づいて、舵面を駆動するアクチュエータを制御する制御信号を出力する電子機器として構成されている。
【0004】
特許文献1に開示されたアクチュエータ制御装置におけるACEには、FCCによって生成されて舵面の動作を指令する指示信号に基づいてアクチュエータの動作を制御するための制御信号を生成するデジタル演算部である制御部(31)が備えられている。そして、このACEには、更に、ACEの作動に関する異常を監視するデジタル演算部であるモニタ部(41)が設けられている。このモニタ部は、上記制御部と同一の処理を行うように構成されている。これにより、ジェネリック故障、即ち、同一のソフトウェアやハードウェアに共通して発生し得る故障の発生を監視できるように構成されている。
【0005】
尚、動作制御対象としての動作機器に対する制御信号を出力する電子機器の健全性を監視するための、電子機器のヘルスモニタリング装置ではないが、特許文献2において、航空機等のモバイルプラットフォームの構造健全性を管理するためのシステムが開示されている。この特許文献2においては、上記システムにより構造健全性が監視されるモバイルプラットフォームとして航空機が開示されており、上記システムにより監視される構造要素として胴体、一対の翼、垂直安定板、一対の水平安定板が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−240612号公報
【特許文献2】特表2008−505004
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述のように、特許文献1に開示されたアクチュエータ制御装置におけるACEは、アクチュエータに対する制御信号を出力する電子機器として設けられている。そして、このACEは、制御信号を生成する制御部と、この制御部と同一の処理を行うモニタ部とを有し、制御部及びモニタ部で生成される信号を比較することで、ジェネリック故障を検知するように構成されている。
【0008】
上記により、特許文献1に開示されたACEにおいては、ジェネリック故障は検知されるが、制御部及びモニタ部のそれぞれの劣化度、即ち、電子機器であるACEがどれだけ故障し易い状況にあるかということを検知することはできない。一方、制御部及びモニタ部のそれぞれの劣化度の検知が可能になると、制御部又はモニタ部にて故障が発生する前の適切なタイミングで機器や部品の交換等のメンテナンスが可能となる。このため、電子機器から制御信号が出力される動作機器の効率的な運転が電子機器の故障の発生によって妨げられてしまう機会が発生することが、抑制されることになる。
【0009】
尚、特許文献2に開示されたモバイルプラットフォームの構造健全性管理システムは、航空機における胴体等の構造要素の健全性が監視されるシステムであり、動作制御対象としての動作機器に対する制御信号を出力する電子機器の健全性を監視することはできない。
【0010】
本発明は、上記実情に鑑みることにより、動作制御対象としての動作機器に対する制御信号を出力する電子機器の健全性を監視することができ、制御部及びモニタ部を備えてジェネリック故障を監視することができるとともに、制御部及びモニタ部の劣化度まで検知することができる、電子機器のヘルスモニタリング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための第1発明に係る電子機器のヘルスモニタリング装置は、動作制御対象としての動作機器に対する制御信号を出力する電子機器の健全性を監視するための、電子機器のヘルスモニタリング装置であって、前記電子機器に設けられ、前記動作機器の作動を制御する前記制御信号を生成する制御部と、前記電子機器に設けられ、前記制御部と同一の演算を行うことで、前記制御部の状態を監視するモニタ部と、を備えている。そして、第1発明に係る電子機器のヘルスモニタリング装置は、前記制御部に対して入力又は出力される入出力電気信号の電圧値又は電流値の基準値である第1基準値と前記モニタ部に対して入力又は出力される入出力電気信号の電圧値又は電流値の基準値である第2基準値とを記憶する記憶部と、前記制御部に対する入出力電気信号と前記記憶部に記憶された前記第1基準値とを比較してそれらの乖離量を演算するとともに、当該乖離量の大きさが所定の第1の閾値を超えている場合に、前記制御部の劣化を検知したことを報知するための第1注意信号を出力する第1注意信号出力部と、前記モニタ部に対する入出力電気信号と前記記憶部に記憶された前記第2基準値とを比較してそれらの乖離量を演算するとともに、当該乖離量の大きさが所定の第2の閾値を超えている場合に、前記モニタ部の劣化を検知したことを報知するための第2注意信号を出力する第2注意信号出力部と、を更に備え、前記第1基準値及び前記第2基準値は、前記制御部及び前記モニタ部の製造が完了してから運用が開始されるまでの間に取得されて前記記憶部に記憶され、前記第1注意信号出力部及び前記第2注意信号出力部は、前記第1基準値及び前記第2基準値が取得された条件と同一の条件において、前記制御部及び前記モニタ部のそれぞれに対する入出力電気信号を取得することを特徴とする。
【0012】
この発明によると、モニタ部において制御部での処理についての電子機器の作動に関する異常が監視されることになり、ジェネリック故障を監視する構成を実現することができる。そして、制御部については、第1注意信号出力部にて、製造が完了してから運用が開始されるまでの間に取得されて記憶された入出力電気信号の基準値である第1基準値と、この第1基準値と同一条件で取得される入出力電気信号との乖離量が、演算される。制御部においてその初期状態に対する性能の劣化が進行すると、この乖離量が増大することになる。更に、第1注意信号出力部では、上記の乖離量が所定の閾値を超えている場合、即ち劣化度が所定の度合以上に進行した場合に、劣化が検知されて注意信号が出力される。よって、このヘルスモニタリング装置によると、制御部の劣化度が検知され、即ち、制御部がどれだけ故障し易い状況にあるかということが定量的に把握され、報知されることになる。
【0013】
また、モニタ部については、第2注意信号出力部にて、製造が完了してから運用が開始されるまでの間に取得されて記憶された入出力電気信号の基準値である第2基準値と、この第2基準値と同一条件で取得される入出力電気信号との乖離量が、演算される。モニタ部においてその初期状態に対する性能の劣化が進行すると、この乖離量が増大することになる。更に、第2注意信号出力部では、上記の乖離量が所定の閾値を超えている場合、即ち劣化度が所定の度合以上に進行した場合に、劣化が検知されて注意信号が出力される。よって、このヘルスモニタリング装置によると、モニタ部の劣化度が検知され、即ち、モニタ部がどれだけ故障し易い状況にあるかということが定量的に把握され、報知されることになる。
【0014】
上記により、このヘルスモニタリング装置においては、制御部及びモニタ部のそれぞれの劣化度が検知されることになり、制御部又はモニタ部にて故障が発生する前の適切なタイミングで機器や部品の交換等のメンテナンスが可能となる。このため、電子機器から制御信号が出力される動作機器の効率的な運転が電子機器の故障の発生によって妨げられてしまう機会が発生することが、抑制されることになる。このように、本発明のヘルスモニタリング装置では、動作制御対象としての動作機器に対する制御信号を出力する電子機器の健全性を監視することができる。
【0015】
従って、本発明によると、動作制御対象としての動作機器に対する制御信号を出力する電子機器の健全性を監視することができ、制御部及びモニタ部を備えてジェネリック故障を監視することができるとともに、制御部及びモニタ部の劣化度まで検知することができる、電子機器のヘルスモニタリング装置を提供することができる。
【0016】
第2発明に係る電子機器のヘルスモニタリング装置は、第1発明の電子機器のヘルスモニタリング装置において、前記第1の閾値及び前記第2の閾値のそれぞれは、複数の水準に亘って設定され、前記第1注意信号は、複数の前記第1の閾値のそれぞれに対応して複数種類出力され、前記第2注意信号は、複数の前記第2の閾値のそれぞれに対応して複数種類出力されることを特徴とする。
【0017】
この発明によると、第1及び第2の閾値のそれぞれが複数水準に亘って設定され、第1及び第2注意信号が各水準に対応して複数種類出力されるため、制御部及びモニタ部における劣化度が複数段階に亘って段階的に検知されて報知されることになる。このため、メンテナンスにおいて、注意信号の水準に応じて段階的に異なる対応が可能となり、より劣化の状況に即して段階的に適切な対応が可能となる。
【0018】
第3発明に係る電子機器のヘルスモニタリング装置は、第1発明又は第2発明の電子機器のヘルスモニタリング装置において、前記制御部及び前記第1注意信号出力部は同一の演算処理装置において構成され、前記モニタ部及び前記第2注意信号出力部は同一の演算処理装置において構成されていることを特徴とする。
【0019】
この発明によると、制御部及び第1注意信号出力部と、モニタ部及び第2注意信号出力部とが、それぞれ同一の演算処理装置において構成される。このため、制御部としての機能を実現する演算処理装置を有効的に利用して第1注意信号出力部の機能も負担させ、モニタ部としての機能を実現する演算処理装置を有効的に利用して第2注意信号出力部の機能も負担させることができる。これにより、ヘルスモニタリング装置全体として、構成の簡素化及び合理化を図ることができる。
【0020】
第4発明に係る電子機器のヘルスモニタリング装置は、第1発明又は第2発明の電子機器のヘルスモニタリング装置において、前記第1注意信号出力部と、前記第2注意信号出力部と、前記制御部及び前記モニタ部のうちのいずれか一方とは、同一の演算処理装置において構成されていることを特徴とする。
【0021】
この発明によると、第1及び第2注意信号出力部と、制御部及びモニタ部の一方とが、同一の演算処理装置において構成される。このため、制御部又はモニタ部としての機能を実現する演算処理装置を有効的に利用して第1及び第2注意信号出力部の機能も負担させることができる。これにより、ヘルスモニタリング装置全体として、構成の簡素化及び合理化を図ることができる。
【0022】
第5発明に係る電子機器のヘルスモニタリング装置は、第1発明又は第2発明の電子機器のヘルスモニタリング装置において、前記制御部及び前記モニタ部が設けられた前記電子機器に対して指令信号を出力する上位のコントローラを備え、前記コントローラに、前記記憶部と、前記第1注意信号出力部と、前記第2注意信号出力部とが設けられていることを特徴とする。
【0023】
この発明によると、制御部及びモニタ部が設けられた電子機器に指令信号を出力する上位のコントローラに、記憶部と第1及び第2注意信号出力部とが設けられる。このため、上位のコントローラを有効的に利用して記憶部の機能と第1及び第2注意信号出力部の機能とを負担させることができる。これにより、電子機器及び上位のコントローラを含んで構成されるヘルスモニタリング装置全体として、構成の簡素化及び合理化を図ることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によると、動作制御対象としての動作機器に対する制御信号を出力する電子機器の健全性を監視することができ、制御部及びモニタ部を備えてジェネリック故障を監視することができるとともに、制御部及びモニタ部の劣化度まで検知することができる、電子機器のヘルスモニタリング装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電子機器のヘルスモニタリング装置が適用されるアクチュエータ制御システムの概略を示すブロック図である。
【図2】図1に示す電子機器のヘルスモニタリング装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る電子機器のヘルスモニタリング装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る電子機器のヘルスモニタリング装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。本発明の実施形態は、動作制御対象としての動作機器に対する制御信号を出力する電子機器の健全性を監視するための、電子機器のヘルスモニタリング装置として、広く適用することができるものである。
【0027】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る電子機器のヘルスモニタリング装置2が適用されるアクチュエータ制御システム1の概略を示すブロック図である。図1に示すアクチュエータ制御システム1は、図示していない航空機に搭載されており、航空機の舵面100の動作を電気信号によって制御するFBW(Fly By Wire)システムである飛行制御システムとして設けられている。
【0028】
アクチュエータ制御システム1によって動作が制御される舵面100を構成する航空機の動翼(操縦翼面)として、補助翼(エルロン)や方向舵(ラダー)、昇降舵(エレベータ)等が挙げられる。この舵面100は、複数のアクチュエータ(101、101)によって駆動され、各アクチュエータ101は、例えば、油圧シリンダを有する機構として設けられている。
【0029】
また、アクチュエータ(101、101)のそれぞれは、後述する各ACE2の制御によって動作するように構成されている。更に、アクチュエータ(101、101)は、ソレノイドバルブ(102、102)のそれぞれが各ACE2によって駆動されることで、舵面100の動きに従って動作するように(舵面100に従動するように)も構成されている。また、各ソレノイドバルブ(以下「SOV」という。)102は、各アクチュエータ101に対応するように設けられている。
【0030】
尚、本実施形態においては、ACE2が、動作制御対象としての動作機器であるアクチュエータ101に対する制御信号を出力する本実施形態における電子機器を構成している。そして、本実施形態においては、このACE2において、電子機器であるACE2の健全性を監視するための機能が備えられている。即ち、ACE2は、本実施形態における電子機器のヘルスモニタリング装置2も構成している。また、以下の説明では、ACE2について、「電子機器2」又は「ヘルスモニタリング装置2」とも称する。
【0031】
尚、ヘルスモニタリング装置2が適用される動作制御対象としての動作機器の形態は、舵面100の駆動用のアクチュエータ101として構成される形態に限られなくてもよい。即ち、種々の形態の動作機器に対してヘルスモニタリング装置2が適用されてもよい。
【0032】
図1に示すように、アクチュエータ制御システム1は、航空機において、各アクチュエータ101に対応してそれぞれ設けられている。このため、アクチュエータ制御システム1は、1つの舵面100に対して、複数(本実施形態では、2つ)設けられている。
【0033】
図2は、アクチュエータ制御システム1のACE2の構成を示すブロック図である。図1及び図2に示すように、アクチュエータ制御システム1は、FCC(Flight Control Computer)3と、ACE(Actuator Control Electronics)2と、FCC3とACE2との間の通信用のデジタルデータバス4と、を備えて構成されている。そして、FCC3及びACE2が1つのアクチュエータ101に対応するように設けられている。
【0034】
尚、図2においては、1つの舵面100に対して設けられた複数のアクチュエータ制御システム1のうちの一方のアクチュエータ制御システム1のブロック図について図示しており、他方のアクチュエータ制御システム1のブロック図については、同様となるため、図示を省略している。また、以下の説明においては一方のアクチュエータ制御システム1のFCC3及びACE2について説明することで、同様に構成される他方のアクチュエータ制御システム1におけるFCC3及びACE2の説明を省略する。
【0035】
図2に示すFCC3は、パイロット(図示せず)の操作によって生成される操作信号等に基づいて、舵面100の動作を指令する指令信号を生成し、この指令信号をACE2に対して出力する上位のコントローラとして設けられている。このFCC3からの指令信号に基づいて、舵面100の動作が制御されることになる。このFCC3においては、上記の指令信号を生成する指令生成部11が設けられている。尚、指令生成部11は、例えば、FCC3に備えられる図示を省略したCPU(Central Processing Unit)によってFCC3に備えられる図示を省略したメモリに記憶されたプログラムが実行されることによって構築される。そして、FCC3は、上記の指令信号を含む各種信号をシリアルデータとしてデジタルデータバス4を介してACE2に送信するように構成されている。
【0036】
次に、ACE2について説明する。図2に示すACE2は、FCC3からの指令信号に基づいてアクチュエータ101を制御する本実施形態の電子機器2を構成するとともに、電子機器の2の健全性を監視する本実施形態のヘルスモニタリング装置2を構成している。このACE2は、アクチュエータ101と一体的に設置され又は近接した場所に設置されている。そして、ACE2においては、I/F(インターフェース)12、第1演算処理装置13、第2演算処理装置14、D/A(デジタルアナログ変換部)15、16及び17、A/D(アナログデジタル変換部)18及び19、リレー20、アンプ21、SOVドライバ22、等が設けられている。
【0037】
I/F12は、デジタルデータバス4を介してFCC3との間で信号の入出力を行うように構成されている。第1演算処理装置13は、制御部23、第1記憶部24、第1注意信号出力部25、等を備えて構成され、例えば、電子部品が実装された回路基板として設けられている。
【0038】
制御部23は、デジタル演算装置として構成され、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、或いはCPU(Central Processing Unit)によって構成されている。そして、制御部23は、I/F12を介して入力されるFCC3からの指令信号と、アクチュエータ101から送信される帰還信号と、図示しない各種センサから入力されるセンサ信号とに基づいて、アクチュエータ101の動作を制御するための制御信号を生成するように構成されている。
【0039】
制御部23によって生成された制御信号は、D/A16においてデジタルデータからアナログデータに変換される。そして、D/A16にてアナログデータに変換された制御信号は、リレー20を介してアンプ21に入力され、このアンプ21において増幅されてアクチュエータ101に出力される。
【0040】
尚、後述のモニタ部26において異常が検知されていないときにおいては、リレー20は、図2に示すように、D/A16とアンプ21とを接続する状態となっている。また、D/A18にてデジタルデータからアナログデータに変換された制御信号は、再び、A/D18にてアナログデータからデジタルデータへと変換され、後述の第1注意信号出力部25にて取得される。また、アクチュエータ101からの帰還信号は、A/D15においてアナログデータからデジタルデータに変換される。この帰還信号は、第1演算処理装置13の制御部23と第2演算処理装置14のモニタ部26とに入力される。
【0041】
第1記憶部24は、例えば、半導体記憶装置、磁気記憶装置、或いは光学記憶装置として設けられ、後述する第2演算処理装置14の第2記憶部27とともに本実施形態における記憶部を構成している。そして、第1記憶部24には、制御部23に対して入力又は出力される入出力電気信号の電圧値又は電流値の基準値である第1基準値が記憶されている。尚、制御部23に対して入力又は出力される入出力電気信号としては、例えば、FCC3からの指令信号、アクチュエータ101からの帰還信号、アクチュエータ101の動作を制御するための制御信号、等がある。
【0042】
また、上記の第1基準値は、制御部23の製造が完了してから運用が開始されるまでの間に取得されて第1記憶部24に記憶される。即ち、第1基準値は、制御部23を構成するデジタル演算装置の製造が完了して以降、このデジタル演算装置について、航空機に搭載されたアクチュエータ制御システム1のACE2における第1演算処理装置13の制御部23としての運用が開始されるまでの間において、入出力電気信号の電圧値又は電流値の初期状態での値としての基準値として取得され、第1記憶部24に記憶される。
【0043】
第1基準値が取得されて第1記憶部24に記憶されるタイミングとしては、例えば、アクチュエータ制御システム1が航空機に搭載されて以降における初めてのプリフライトチェックが行われるタイミングが選択される。尚、プリフライトチェックは、航空機の離陸前にトレーラによって引っ張られた航空機が滑走路を移動する際に各機器の作動確認のために行われるテストであり、航空機の離陸前に毎回行われる。そして、このプリフライトチェックにおいて、各アクチュエータ101の作動確認も行われる。このため、プリフライトチェックの際においても、制御部23においては、FCC3からの指令信号及びアクチュエータ101からの帰還信号等に基づいて、アクチュエータ101の動作を制御するための制御信号の生成が行われることになる。
【0044】
第1注意信号出力部25は、制御部23に対する入出力電気信号と第1記憶部24に記憶された上記の第1基準値とを比較してそれらの乖離量を演算するように構成されている。更に、この第1注意信号出力部25は、演算した乖離量の大きさが、予め設定された所定の第1の閾値を超えている場合に、制御部23の劣化を検知したことを報知するための第1注意信号を出力する。この第1注意信号出力部25は、制御部23としても機能するデジタル演算装置によって構成される。即ち、同一のデジタル演算装置によって、制御部23としての機能と、第1注意信号出力部25としての機能とが実現される。このように、制御部23及び第1注意信号出力部25は、同一の演算処理装置13において構成されている。尚、制御部23に対する入出力電気信号のうち制御部23から出力される制御信号については、前述のように、A/D18を介して第1注意信号出力部25にて取得される。
【0045】
第1注意信号出力部25において上記のように制御部23の劣化が検知されて第1注意信号が出力されると、この第1注意信号は、I/F12及びデジタルデータバス4を介してFCC3に対して入力される。第1注意信号が入力されたFCC3は、例えば、図示しない表示装置に制御部23の劣化が発生していることを報知するためのアラームメッセージ等を表示させるようにこの表示装置を制御することになる。これにより、パイロット或いは整備担当者が、ACE2の制御部23において劣化が発生したことを把握することができる。
【0046】
また、第1注意信号出力部25は、上記の第1基準値が取得された条件と同一の条件において、制御部23に対する入出力電気信号を取得し、この取得した入出力電気信号を第1基準値と比較することになる。このため、第1基準値の取得が、アクチュエータ制御システム1が航空機に搭載されて以降の初めてのプリフライトチェックのタイミングに行われている場合であれば、第1基準値と比較される入出力電気信号についても、離陸前に毎回行われる各プリフライトチェックのタイミングでそれぞれ取得されることになる。
【0047】
また、第1注意信号出力部25は、上記のように、第1基準値とこの第1基準値が取得された条件と同一の条件で取得した入出力電気信号とを比較して演算した乖離量の大きさが所定の第1の閾値を超えているか否かを判断するが、この第1の閾値については、1つの水準に設定されていてもよく、また、複数の水準に亘って設定されていてもよい。尚、第1の閾値が複数の水準に亘って設定されている場合は、第1注意信号は、複数の第1の閾値のそれぞれに対応して複数種類出力される。
【0048】
第2演算処理装置14は、モニタ部26、第2記憶部27、第2注意信号出力部28、等を備えて構成され、例えば、電子部品が実装された回路基板として設けられている。
【0049】
モニタ部26は、デジタル演算装置として構成され、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、或いはCPU(Central Processing Unit)によって構成されている。そして、モニタ部26は、制御部23と同一の演算を行うことで、制御部23の状態を監視するように構成されている。このため、モニタ部26においては、I/F12を介して入力されるFCC3からの指令信号と、アクチュエータ101から送信される帰還信号と、図示しない各種センサから入力されるセンサ信号とに基づいて、制御部23によるアクチュエータ101の動作を制御するための制御信号の生成の場合と同一の演算により生成されるモニタ制御信号が生成される。そして、モニタ部26は、モニタ部26での演算結果を制御部23での演算結果と比較することで、制御部23の異常を監視するように構成されている。これにより、ACE2は、同一のソフトウェアやハードウェアに共通して発生し得る故障であるジェネリック故障の発生が監視されるように構成されている。
【0050】
モニタ部26によって生成された上記のモニタ制御信号は、D/A17においてデジタルデータからアナログデータに変換される。そして、D/A17にてアナログデータに変換されたモニタ制御信号は、再び、A/D19にてアナログデータからデジタルデータへと変換され、後述の第2注意信号出力部28にて取得される。
【0051】
また、モニタ部26において異常が検知された場合には、リレー20を切り替える切替信号がモニタ部26から出力される。これにより、リレー20の状態が、図2に示す状態からD/A16とアンプ21との接続が解除された状態に切り替えられ、D/A16からの制御信号がアンプ21に入力されない状態となる。このため、制御部23で生成された制御信号に基づくアクチュエータ101の制御が停止されることになる。
【0052】
更に、モニタ部26において異常が検知された場合には、アクチュエータ101を外部負荷に従動させるように(舵面100に従動させるように)SOV102を駆動する従動指令信号が、モニタ部26からD/A17を介してSOVドライバ22に出力される。これにより、SOVドライバ22は、アクチュエータ101を舵面100に従動させるように、SOV102を駆動する。
【0053】
第2記憶部27は、例えば、半導体記憶装置、磁気記憶装置、或いは光学記憶装置として設けられ、前述のように、第1演算処理装置13の第1記憶部24とともに本実施形態における記憶部を構成している。そして、第2記憶部27は、モニタ部26に対して入力又は出力される入出力電気信号の電圧値又は電流値の基準値である第2基準値が記憶されている。尚、モニタ部26に対して入力又は出力される入出力電気信号としては、例えば、FCC3からの指令信号、アクチュエータ101からの帰還信号、前述のモニタ制御信号、等がある。
【0054】
また、上記の第2基準値は、モニタ部23の製造が完了してから運用が開始されるまでの間に取得されて第2記憶部27に記憶される。即ち、第2基準値は、モニタ部27を構成するデジタル演算装置の製造が完了して以降、このデジタル演算装置について、航空機に搭載されたアクチュエータ制御システム1のACE2における第2演算処理装置14のモニタ部26としての運用が開始されるまでの間において、入出力電気信号の電圧値又は電流値の初期状態での値としての基準値として取得され、第2記憶部27に記憶される。
【0055】
第2基準値が取得されて第2記憶部27に記憶されるタイミングとしては、例えば、アクチュエータ制御システム1が航空機に搭載されて以降における初めてのプリフライトチェックが行われるタイミングが選択される。尚、前述のように、プリフライトチェックにおいては、各アクチュエータ101の作動確認も行われる。このため、プリフライトチェックの際においても、モニタ部26においては、FCC3からの指令信号及びアクチュエータ101からの帰還信号等に基づいて、前述のモニタ制御信号の生成が行われることになる。
【0056】
第2注意信号出力部28は、モニタ部26に対する入出力電気信号と第2記憶部27に記憶された上記の第2基準値とを比較してそれらの乖離量を演算するように構成されている。更に、この第2注意信号出力部28は、演算した乖離量の大きさが、予め設定された所定の第2の閾値を超えている場合に、モニタ部26の劣化を検知したことを報知するための第2注意信号を出力する。この第2注意信号出力部28は、モニタ部26としても機能するデジタル演算装置によって構成される。即ち、同一のデジタル演算装置によって、モニタ部26としての機能と、第2注意信号出力部28としての機能とが実現される。このように、モニタ部26及び第2注意信号出力部28は、同一の演算処理装置14において構成されている。尚、モニタ部26に対する入出力電気信号のうちモニタ部26から出力されるモニタ制御信号については、前述のように、A/D19を介して第2注意信号出力部28にて取得される。
【0057】
第2注意信号出力部28において上記のようにモニタ部26の劣化が検知されて第2注意信号が出力されると、この第2注意信号は、I/F12及びデジタルデータバス4を介してFCC3に対して入力される。第2注意信号が入力されたFCC3は、例えば、図示しない表示装置にモニタ部26の劣化が発生していることを報知するためのアラームメッセージ等を表示させるようにこの表示装置を制御することになる。これにより、パイロット或いは整備担当者が、ACE2のモニタ部26において劣化が発生したことを把握することができる。
【0058】
また、第2注意信号出力部28は、上記の第2基準値が取得された条件と同一の条件において、モニタ部26に対する入出力電気信号を取得し、この取得した入出力電気信号を第2基準値と比較することになる。このため、第2基準値の取得が、アクチュエータ制御システム1が航空機に搭載されて以降の初めてのプリフライトチェックのタイミングに行われている場合であれば、第2基準値と比較される入出力電気信号についても、離陸前に毎回行われる各プリフライトチェックのタイミングでそれぞれ取得されることになる。
【0059】
また、第2注意信号出力部28は、上記のように、第2基準値とこの第2基準値が取得された条件と同一の条件で取得した入出力電気信号とを比較して演算した乖離量の大きさが所定の第2の閾値を超えているか否かを判断するが、この第2の閾値については、1つの水準に設定されていてもよく、また、複数の水準に亘って設定されていてもよい。尚、第2の閾値が複数の水準に亘って設定されている場合は、第2注意信号は、複数の第2の閾値のそれぞれに対応して複数種類出力される。
【0060】
次に、電子機器2及びヘルスモニタリング装置2として設けられたACE2の作動について説明する。ACE2のモニタ部26にて異常が検知されていない通常の作動時においては、FCC3からの指令信号に基づいてACE2における第1演算処理装置13の制御部23が制御信号を生成してアクチュエータ101の作動を制御する。これにより、アクチュエータ101によって駆動される舵面100の動作が制御されている。
【0061】
一方、ACE2のモニタ部26にて異常が検知されたときは、モニタ部26から切替信号が出力され、リレー20の状態がD/A16とアンプ21との接続が解除された状態に切り替えられる。これにより、制御部23で生成された制御信号に基づくアクチュエータ101の制御が停止される。また、モニタ部26から従動指令信号がSOVドライバ22に出力され、アクチュエータ101を舵面100に従動させるようにSOV102を駆動するSOVドライバ22による制御が開始される。
【0062】
また、第1基準値が取得された条件と同一の条件が成立したタイミング(例えば、プリフライトチェックのタイミング)において、制御部23に対する入出力電気信号が第1注意信号出力部25にて取得される。そして、この取得された入出力電気信号と第1基準値との乖離量が演算され、所定の第1の閾値を超えている場合のみ、制御部23の劣化が検知されたことを報知するための第1注意信号が第1注意信号出力部25からI/F12及びデジタルデータバス4を介してFCC3に出力される。
【0063】
また、第2基準値が取得された条件と同一の条件が成立したタイミング(例えば、プリフライトチェックのタイミング)において、モニタ部26に対する入出力電気信号が第2注意信号出力部28にて取得される。そして、この取得された入出力電気信号と第2基準値との乖離量が演算され、所定の第2の閾値を超えている場合のみ、モニタ部26の劣化が検知されたことを報知するための第2注意信号が第2注意信号出力部28からI/F12及びデジタルデータバス4を介してFCC3に出力される。
【0064】
以上説明したように、ヘルスモニタリング装置2によると、モニタ部26において制御部23での処理についての電子機器2の作動に関する異常が監視されることになり、ジェネリック故障を監視する構成を実現することができる。そして、制御部23については、第1注意信号出力部25にて、製造が完了してから運用が開始されるまでの間に取得されて記憶された入出力電気信号の基準値である第1基準値と、この第1基準値と同一条件で取得される入出力電気信号との乖離量が、演算される。制御部23においてその初期状態に対する性能の劣化が進行すると、この乖離量が増大することになる。更に、第1注意信号出力部25では、上記の乖離量が所定の閾値(第1の閾値)を超えている場合、即ち劣化度が所定の度合以上に進行した場合に、劣化が検知されて注意信号(第1注意信号)が出力される。よって、このヘルスモニタリング装置2によると、制御部23の劣化度が検知され、即ち、制御部23がどれだけ故障し易い状況にあるかということが定量的に把握され、報知されることになる。
【0065】
また、モニタ部26については、第2注意信号出力部28にて、製造が完了してから運用が開始されるまでの間に取得されて記憶された入出力電気信号の基準値である第2基準値と、この第2基準値と同一条件で取得される入出力電気信号との乖離量が、演算される。モニタ部26においてその初期状態に対する性能の劣化が進行すると、この乖離量が増大することになる。更に、第2注意信号出力部28では、上記の乖離量が所定の閾値(第2の閾値)を超えている場合、即ち劣化度が所定の度合以上に進行した場合に、劣化が検知されて注意信号(第2注意信号)が出力される。よって、このヘルスモニタリング装置2によると、モニタ部26の劣化度が検知され、即ち、モニタ部26がどれだけ故障し易い状況にあるかということが定量的に把握され、報知されることになる。
【0066】
上記により、このヘルスモニタリング装置2においては、制御部23及びモニタ部26のそれぞれの劣化度が検知されることになり、制御部23又はモニタ部26にて故障が発生する前の適切なタイミングで機器や部品の交換等のメンテナンスが可能となる。このため、電子機器2から制御信号が出力されるアクチュエータ101の効率的な運転が電子機器2の故障の発生によって妨げられてしまう機会が発生することが、抑制されることになる。このように、ヘルスモニタリング装置2では、動作制御対象としての動作機器(アクチュエータ101)に対する制御信号を出力する電子機器2の健全性を監視することができる。
【0067】
従って、本実施形態によると、動作制御対象としての動作機器に対する制御信号を出力する電子機器2の健全性を監視することができ、制御部23及びモニタ部26を備えてジェネリック故障を監視することができるとともに、制御部23及びモニタ部26の劣化度まで検知することができる、電子機器のヘルスモニタリング装置2を提供することができる。
【0068】
また、本実施形態によると、第1及び第2の閾値のそれぞれが複数水準に亘って設定され、第1及び第2注意信号が各水準に対応して複数種類出力されるヘルスモニタリング装置2を構成することもできる。このヘルスモニタリング装置2によると、制御部23及びモニタ部26における劣化度が複数段階に亘って段階的に検知されて報知されることになる。このため、メンテナンスにおいて、注意信号の水準に応じて段階的に異なる対応が可能となり、より劣化の状況に即して段階的に適切な対応が可能となる。
【0069】
また、ヘルスモニタリング装置2によると、制御部23及び第1注意信号出力部25と、モニタ部26及び第2注意信号出力部28とが、それぞれ同一の演算処理装置において構成される。このため、制御部23としての機能を実現する第1演算処理装置13を有効的に利用して第1注意信号出力部25の機能も負担させ、モニタ部26としての機能を実現する第2演算処理装置14を有効的に利用して第2注意信号出力部28の機能も負担させることができる。これにより、ヘルスモニタリング装置2全体として、構成の簡素化及び合理化を図ることができる。
【0070】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る電子機器のヘルスモニタリング装置2aについて説明する。図3は、本実施形態のヘルスモニタリング装置2aを含むアクチュエータ制御システム1aを示すブロック図であって、ヘルスモニタリング装置2aの構成を示すブロック図である。
【0071】
アクチュエータ制御システム1aは、第1実施形態のアクチュエータ制御システム1と同様に、図示していない航空機に搭載されており、航空機の舵面100の動作を電気信号によって制御するFBW(Fly By Wire)システムである飛行制御システムとして設けられている。そして、アクチュエータ制御システム1aは、FCC(Flight Control Computer)3と、ACE(Actuator Control Electronics)2aと、FCC3とACE2aとの間の通信用のデジタルデータバス4と、を備えて構成されている。そして、FCC3及びACE2aが1つのアクチュエータ101に対応するように設けられている。
【0072】
尚、本実施形態においては、ACE2aが、動作制御対象としての動作機器であるアクチュエータ101に対する制御信号を出力する本実施形態における電子機器を構成している。そして、本実施形態においては、このACE2aにおいて、電子機器であるACE2aの健全性を監視するための機能が備えられている。即ち、ACE2aは、本実施形態における電子機器のヘルスモニタリング装置2aも構成している。尚、以下の説明では、ACE2aについて、「電子機器2a」又は「ヘルスモニタリング装置2a」とも称する。また、以下の説明では、第1実施形態と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付すことで説明を省略し、第1実施形態と構成が異なる点について説明する。
【0073】
図3に示すように、ACE2aにおいては、I/F(インターフェース)12、第1演算処理装置13a、第2演算処理装置14a、D/A(デジタルアナログ変換部)15、16及び17、A/D(アナログデジタル変換部)18及び19、リレー20、アンプ21、SOVドライバ22、等が設けられている。
【0074】
ACE2aにおける第1演算処理装置13aは、制御部23、記憶部24a、第1注意信号出力部25a、第2注意信号出力部28a、等を備えて構成され、例えば、電子部品が実装された回路基板として設けられている。また、ACE2aにおける第2演算処理装置14aは、モニタ部26等を備えて構成され、例えば、電子部品が実装された回路基板として設けられている。
【0075】
制御部23は、デジタル演算装置として構成され、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、或いはCPU(Central Processing Unit)によって構成されている。そして、第1演算処理装置13aの制御部23は、第1実施形態の第1演算処理装置13の制御部23と同様に構成され、FCC3からの指令信号及びアクチュエータ101からの帰還信号等に基づいて、アクチュエータ101の動作を制御するための制御信号を生成するように構成されている。
【0076】
モニタ部26は、デジタル演算装置として構成され、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、或いはCPU(Central Processing Unit)によって構成されている。そして、第2演算処理装置14aのモニタ部26は、第1実施形態の第2演算処理装置14のモニタ部26と同様に構成され、制御部23と同一の演算を行うことで、制御部23の状態を監視するように構成されている。
【0077】
記憶部24aは、例えば、半導体記憶装置、磁気記憶装置、或いは光学記憶装置として設けられ、本実施形態における記憶部を構成している。即ち、ACE2aにおいては、第1実施形態のACE2とは異なり、第1演算処理装置13aのみに本実施形態の記憶部が設けられている。そして、記憶部24aは、制御部23に対して入力又は出力される入出力電気信号の電圧値又は電流値の基準値である第1基準値と、モニタ部26に対して入力又は出力される入出力電気信号の電圧値又は電流値の基準値である第2基準値と、が記憶されている。
【0078】
尚、制御部23に対する入出力電気信号、モニタ部26に対する入出力電気信号、第1基準値、第2基準値は、それぞれ第1実施形態と同様の信号として構成される。また、第1基準値及び第2基準値は、第1実施形態と同様に、制御部23及びモニタ部26の製造が完了してから運用が開始されるまでの間に取得されて記憶部24aに記憶される。例えば、第1基準値及び第2基準値が取得されて記憶部24aに記憶されるタイミングとしては、アクチュエータ制御システム1aが航空機に搭載されて以降における初めてのプリフライトチェックが行われるタイミングが選択される。
【0079】
第1注意信号出力部25aは、第1実施形態の第1注意信号出力部25と同様に構成されている。即ち、第1注意信号出力部25aは、制御部23に対する入出力電気信号と記憶部24aに記憶された第1基準値とを比較してそれらの乖離量を演算し、この乖離量の大きさが所定の第1の閾値を超えている場合に、制御部23の劣化を検知したことを報知するための第1注意信号を出力するように構成されている。そして、第1注意信号出力部25aは、第1基準値が取得された条件と同一の条件において、制御部23に対する入出力電気信号を取得するように構成されている。
【0080】
また、第2注意信号出力部28aは、第1実施形態の第2注意信号出力部28と同様に構成されている。即ち、第2注意信号出力部28aは、モニタ部26に対する入出力電気信号と記憶部24aに記憶された第2基準値とを比較してそれらの乖離量を演算し、この乖離量の大きさが所定の第2の閾値を超えている場合に、モニタ部26の劣化を検知したことを報知するための第2注意信号を出力するように構成されている。そして、第2注意信号出力部28aは、第2基準値が取得された条件と同一の条件において、モニタ部26に対する入出力電気信号を取得するように構成されている。
【0081】
但し、ACE2aにおいては、第1実施形態のACE2とは異なり、第1注意信号出力部25a及び第2注意信号出力部28aは、制御部23としても機能するデジタル演算装置によって構成されている。即ち、同一のデジタル演算装置によって、制御部23としての機能と、第1注意信号出力部25aとしての機能と、第2注意信号出力部28aとしての機能とが実現される。このように、ACE2aでは、第1注意信号出力部25aと、第2注意信号出力部28aと、制御部23とが、同一の演算処理装置13aにおいて構成されている。
【0082】
以上説明したヘルスモニタリング装置2aは、第1実施形態のヘルスモニタリング装置2と同様に作動し、同様の効果を奏することができる。即ち、本実施形態によると、動作制御対象としての動作機器に対する制御信号を出力する電子機器2aの健全性を監視することができ、制御部23及びモニタ部26を備えてジェネリック故障を監視することができるとともに、制御部23及びモニタ部26の劣化度まで検知することができる、電子機器のヘルスモニタリング装置2aを提供することができる。
【0083】
また、ヘルスモニタリング装置2aによると、第1注意信号出力部25aと第2注意信号出力部28aと制御部23とが、同一の演算処理装置13aにおいて構成される。このため、制御部23としての機能を実現する演算処理装置13aを有効的に利用して第1注意信号出力部25a及び第2注意信号出力部28aの機能も負担させることができる。これにより、ヘルスモニタリング装置2a全体として、構成の簡素化及び合理化を図ることができる。
【0084】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る電子機器のヘルスモニタリング装置1bについて説明する。図4は、本実施形態のヘルスモニタリング装置1bを構成するアクチュエータ制御装置1bの構成を示すブロック図である。
【0085】
図4に示すアクチュエータ制御装置1bは、第1実施形態のアクチュエータ制御システム1と同様に、図示していない航空機に搭載されており、航空機の舵面100の動作を電気信号によって制御するFBW(Fly By Wire)システムである飛行制御装置又は飛行制御システムとして設けられている。そして、アクチュエータ制御装置1aは、FCC(Flight Control Computer)3aと、ACE(Actuator Control Electronics)2bと、FCC3aとACE2bとの間の通信用のデジタルデータバス4と、を備えて構成されている。そして、FCC3a及びACE2bが1つのアクチュエータ101に対応するように設けられている。
【0086】
尚、本実施形態においては、ACE2bが、動作制御対象としての動作機器であるアクチュエータ101に対する制御信号を出力する本実施形態における電子機器を構成している。そして、本実施形態においては、ACE2b及びFCC3aを備えるアクチュエータ制御装置1bが、電子機器であるACE2aの健全性を監視するための機能が備えられた本実施形態における電子機器のヘルスモニタリング装置1bを構成している。尚、以下の説明では、ACE2bについて「電子機器2b」とも称し、アクチュエータ制御装置1bについて「ヘルスモニタリング装置1b」とも称する。また、以下の説明では、第1実施形態と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付すことで説明を省略し、第1実施形態と構成が異なる点について説明する。
【0087】
図4に示すように、ACE2bにおいては、I/F(インターフェース)12、第1演算処理装置13b、第2演算処理装置14b、D/A(デジタルアナログ変換部)15、16及び17、A/D(アナログデジタル変換部)18及び19、リレー20、アンプ21、SOVドライバ22、等が設けられている。
【0088】
ACE2bにおける第1演算処理装置13bは、制御部23等を備えて構成され、例えば、電子部品が実装された回路基板として設けられている。また、ACE2bにおける第2演算処理装置14bは、モニタ部26等を備えて構成され、例えば、電子部品が実装された回路基板として設けられている。
【0089】
制御部23は、デジタル演算装置として構成され、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、或いはCPU(Central Processing Unit)によって構成されている。そして、第1演算処理装置13bの制御部23は、第1実施形態の第1演算処理装置13の制御部23と同様に構成され、FCC3aからの指令信号及びアクチュエータ101からの帰還信号等に基づいて、アクチュエータ101の動作を制御するための制御信号を生成するように構成されている。
【0090】
モニタ部26は、デジタル演算装置として構成され、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、或いはCPU(Central Processing Unit)によって構成されている。そして、第2演算処理装置14bのモニタ部26は、第1実施形態の第2演算処理装置14のモニタ部26と同様に構成され、制御部23と同一の演算を行うことで、制御部23の状態を監視するように構成されている。
【0091】
図4に示すFCC3aは、パイロット(図示せず)の操作によって生成される操作信号等に基づいて、舵面100の動作を指令する指令信号を生成し、この指令信号をACE2bに対して出力する上位のコントローラとして設けられている(以下の説明では、FCC3aについて、「コントローラ3a」とも称する)。このFCC3aからの指令信号に基づいて、舵面100の動作が制御されることになる。
【0092】
FCC3aにおいては、指令生成部11、記憶部24b、第1注意信号出力部25b、第2注意信号出力部28b、等が備えられている。FCC3aは、第1実施形態のFCC3と同様に、前述の指令信号を含む各種信号をシリアルデータとしてデジタルデータバス4を介してACE2bに送信するように構成されている。
【0093】
指令生成部11は、デジタル演算装置として構成され、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、或いはCPU(Central Processing Unit)によって構成されている。そして、FCC3aの指令生成部11は、第1実施形態のFCC3の指令生成部11と同様に、パイロットの操作によって生成される操作信号等に基づいて前述の指令信号を生成するように構成される。
【0094】
記憶部24bは、例えば、半導体記憶装置、磁気記憶装置、或いは光学記憶装置として設けられ、本実施形態における記憶部を構成している。即ち、アクチュエータ制御装置1bにおいては、第1実施形態のアクチュエータ制御システム1とは異なり、FCC3aに本実施形態の記憶部が設けられている。そして、記憶部24bは、ACE2bの制御部23に対して入力又は出力される入出力電気信号の電圧値又は電流値の基準値である第1基準値と、ACE2bのモニタ部26に対して入力又は出力される入出力電気信号の電圧値又は電流値の基準値である第2基準値と、が記憶されている。
【0095】
尚、制御部23に対する入出力電気信号、モニタ部26に対する入出力電気信号、第1基準値、第2基準値は、それぞれ第1実施形態と同様の信号として構成される。また、第1基準値及び第2基準値は、第1実施形態と同様に、制御部23及びモニタ部26の製造が完了してから運用が開始されるまでの間に取得されて記憶部24bに記憶される。例えば、第1基準値及び第2基準値が取得されて記憶部24bに記憶されるタイミングとしては、アクチュエータ制御装置1bが航空機に搭載されて以降における初めてのプリフライトチェックが行われるタイミングが選択される。
【0096】
第1注意信号出力部25bは、第1実施形態の第1注意信号出力部25と同様に構成されている。即ち、第1注意信号出力部25bは、制御部23に対する入出力電気信号と記憶部24bに記憶された第1基準値とを比較してそれらの乖離量を演算し、この乖離量の大きさが所定の第1の閾値を超えている場合に、制御部23の劣化を検知したことを報知するための第1注意信号を出力するように構成されている。そして、第1注意信号出力部25bは、第1基準値が取得された条件と同一の条件において、制御部23に対する入出力電気信号を取得するように構成されている。尚、制御部23に対する入出力電気信号については、I/F12及びデジタルデータバス4を介して第1注意信号出力部25bにて取得される。
【0097】
また、第2注意信号出力部28bは、第1実施形態の第2注意信号出力部28と同様に構成されている。即ち、第2注意信号出力部28bは、モニタ部26に対する入出力電気信号と記憶部24bに記憶された第2基準値とを比較してそれらの乖離量を演算し、この乖離量の大きさが所定の第2の閾値を超えている場合に、モニタ部26の劣化を検知したことを報知するための第2注意信号を出力するように構成されている。そして、第2注意信号出力部28bは、第2基準値が取得された条件と同一の条件において、モニタ部26に対する入出力電気信号を取得するように構成されている。尚、モニタ部26に対する入出力電気信号については、I/F12及びデジタルデータバス4を介して第2注意信号出力部28bにて取得される。
【0098】
但し、アクチュエータ制御装置1bにおいては、第1実施形態のアクチュエータ制御システム1とは異なり、第1注意信号出力部25b及び第2注意信号出力部28bは、指令生成部11としても機能するデジタル演算装置によって構成されている。即ち、同一のデジタル演算装置によって、指令生成部11としての機能と、第1注意信号出力部25bとしての機能と、第2注意信号出力部28bとしての機能とが実現される。また、アクチュエータ制御装置1bにおいては、第1実施形態のアクチュエータ制御システム1とは異なり、記憶部24bがFCC3aに設けられている。このように、アクチュエータ制御装置1bでは、FCC3aに、記憶部24bと、第1注意信号出力部25bと、第2注意信号出力部28bとが設けられている。
【0099】
以上説明したヘルスモニタリング装置1bは、第1実施形態のヘルスモニタリング装置2と同様に作動し、同様の効果を奏することができる。即ち、本実施形態によると、動作制御対象としての動作機器に対する制御信号を出力する電子機器2bの健全性を監視することができ、制御部23及びモニタ部26を備えてジェネリック故障を監視することができるとともに、制御部23及びモニタ部26の劣化度まで検知することができる、電子機器のヘルスモニタリング装置1bを提供することができる。
【0100】
また、ヘルスモニタリング装置1bによると、制御部23及びモニタ部26が設けられた電子機器2bに指令信号を出力する上位のコントローラ3aに、記憶部24bと第1注意信号出力部25bと第2注意信号出力部28bとが設けられる。このため、上位のコントローラ3aを有効的に利用して記憶部24bの機能と第1注意信号出力部25bの機能と第2注意信号出力部28bの機能とを負担させることができる。これにより、電子機器2b及び上位のコントローラ3aを含んで構成されるヘルスモニタリング装置1b全体として、構成の簡素化及び合理化を図ることができる。
【0101】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができる。例えば、次のように変更して実施することができる。
【0102】
(1)第1乃至第3実施形態では、ヘルスモニタリング装置が適用される動作制御対象としての動作機器が、航空機の舵面の駆動用のアクチュエータである場合を例にとって説明したが、この例に限らず、種々の動作機器に対してヘルスモニタリング装置が適用されてもよい。例えば、本発明のヘルスモニタリング装置が、航空機におけるランディングギア(降着装置)等の脚(航空機の機体を地上で支持する機構)、航空機に設置される空気調和機、航空機のエンジン、等を制御する電子機器の健全性を監視するためのヘルスモニタリング装置として用いられてもよい。また、ヘルスモニタリング装置が適用される用途は、航空機の用途に限定されなくてもよい。例えば、本発明のヘルスモニタリング装置が、発電用に広く用いられるガスタービンエンジン等を制御する電子機器の健全性を監視するためのヘルスモニタリング装置として用いられてもよい。
【0103】
(2)第2実施形態では、第1注意信号出力部と、第2注意信号出力部と、制御部とが、同一の演算処理装置において構成され、モニタ部が他の演算処理装置において構成されている形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。第1注意信号出力部と、第2注意信号出力部と、モニタ部とが、同一の演算処理装置において構成され、制御部が他の演算処理装置において構成されているヘルスモニタリング装置を実施してもよい。
【0104】
(3)第1乃至第3実施形態では、記憶部に記憶される第1及び第2基準値が取得されるタイミングとして、プリフライトチェックが行われるタイミングを例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。第1及び第2基準値が取得されるタイミングは、制御部及びモニタ部の製造が完了してから運用が開始されるまでの間のタイミングであればどのようなタイミングであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明は、動作制御対象としての動作機器に対する制御信号を出力する電子機器の健全性を監視するための、電子機器のヘルスモニタリング装置として、広く適用することができるものである。
【符号の説明】
【0106】
2 ACE(電子機器のヘルスモニタリング装置、電子機器)
23 制御部
24 第1記憶部(記憶部)
25 第1注意信号出力部
26 モニタ部
27 第2記憶部(記憶部)
28 第2注意信号出力部
101 アクチュエータ(動作機器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作制御対象としての動作機器に対する制御信号を出力する電子機器の健全性を監視するための、電子機器のヘルスモニタリング装置であって、
前記電子機器に設けられ、前記動作機器の作動を制御する前記制御信号を生成する制御部と、
前記電子機器に設けられ、前記制御部と同一の演算を行うことで、前記制御部の状態を監視するモニタ部と、
前記制御部に対して入力又は出力される入出力電気信号の電圧値又は電流値の基準値である第1基準値と前記モニタ部に対して入力又は出力される入出力電気信号の電圧値又は電流値の基準値である第2基準値とを記憶する記憶部と、
前記制御部に対する入出力電気信号と前記記憶部に記憶された前記第1基準値とを比較してそれらの乖離量を演算するとともに、当該乖離量の大きさが所定の第1の閾値を超えている場合に、前記制御部の劣化を検知したことを報知するための第1注意信号を出力する第1注意信号出力部と、
前記モニタ部に対する入出力電気信号と前記記憶部に記憶された前記第2基準値とを比較してそれらの乖離量を演算するとともに、当該乖離量の大きさが所定の第2の閾値を超えている場合に、前記モニタ部の劣化を検知したことを報知するための第2注意信号を出力する第2注意信号出力部と、
を備え、
前記第1基準値及び前記第2基準値は、前記制御部及び前記モニタ部の製造が完了してから運用が開始されるまでの間に取得されて前記記憶部に記憶され、
前記第1注意信号出力部及び前記第2注意信号出力部は、前記第1基準値及び前記第2基準値が取得された条件と同一の条件において、前記制御部及び前記モニタ部のそれぞれに対する入出力電気信号を取得することを特徴とする、電子機器のヘルスモニタリング装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器のヘルスモニタリング装置であって、
前記第1の閾値及び前記第2の閾値のそれぞれは、複数の水準に亘って設定され、
前記第1注意信号は、複数の前記第1の閾値のそれぞれに対応して複数種類出力され、
前記第2注意信号は、複数の前記第2の閾値のそれぞれに対応して複数種類出力されることを特徴とする、電子機器のヘルスモニタリング装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の電子機器のヘルスモニタリング装置であって、
前記制御部及び前記第1注意信号出力部は同一の演算処理装置において構成され、前記モニタ部及び前記第2注意信号出力部は同一の演算処理装置において構成されていることを特徴とする、電子機器のヘルスモニタリング。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の電子機器のヘルスモニタリング装置であって、
前記第1注意信号出力部と、前記第2注意信号出力部と、前記制御部及び前記モニタ部のうちのいずれか一方とは、同一の演算処理装置において構成されていることを特徴とする、電子機器のヘルスモニタリング装置。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の電子機器のヘルスモニタリング装置であって、
前記制御部及び前記モニタ部が設けられた前記電子機器に対して指令信号を出力する上位のコントローラを備え、
前記コントローラに、前記記憶部と、前記第1注意信号出力部と、前記第2注意信号出力部とが設けられていることを特徴とする、電子機器のヘルスモニタリング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−176645(P2012−176645A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−39530(P2011−39530)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(503405689)ナブテスコ株式会社 (737)