説明

電子機器制御システム、電子機器制御方法、及びプログラム

【課題】ユーザにとって利便性の高い電子機器制御システム等を提供する。
【解決手段】電子機器制御システム100、部屋Rに設置されるとともに、ネットワーク20に接続されるエアコンディショナー等の電子機器50と、ネットワーク20を介して通信し、現在の位置情報を検出する位置情報検出手段を有する携帯端末40と、ネットワーク20に接続されるサーバ10とを備える。サーバ10は、前記位置情報に基づいて携帯端末40が所定のエリア内に位置しているか否かを判別するとともに、携帯端末40が所定のエリア内に位置している場合には、電子機器50に電源を投入するよう指示情報を送信する。このため、外出中のユーザが、携帯端末の特別な操作を行わなくても、所定の位置まで近づいた場合、帰宅前に部屋Rの室温を所望の温度にできる。したがって、利便性の高い電子機器制御システム等を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器制御システム、電子機器制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、外出中のユーザが、携帯端末等からインターネットを介して、家庭用電気製品等の電子機器を遠隔操作することができる技術が実用化されている。例えば、下記特許文献1及び2には、外出中のユーザが携帯端末を用いて、電子機器に指示データを送信し、電子機器を制御するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−20523号公報
【特許文献2】特開2007−133106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び2に係るシステムにおいては、ユーザが指示データを送信しなければ、電子機器は動作しない。すなわち、外出中のユーザが、指示データの送信を忘れると、電子機器は動作せず、仮にこの電子機器がエアコンであった場合、ユーザが帰宅しても自室の温度は適温になっていることはない。そのため、ユーザが特別な操作をしなくても、帰宅時までに電子機器の動作が自動的に行われるような、より利便性の高い電子機器の制御システムが望まれる。
【0005】
本発明は、上述の事情の下になされたもので、ユーザにとって利便性の高い電子機器制御システム、電子機器制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る電子機器制御システムは、
特定の場所に設置されるとともに、公衆通信網に接続される電子機器と、
前記公衆通信網を介して通信し、現在の位置情報を検出する位置情報検出手段を有する携帯端末と、
前記公衆通信網に接続され、前記電子機器が設置された前記特定の場所を基準として規定される所定のエリア内に、前記携帯端末が位置しているか否かを、前記位置情報に基づいて判別するとともに、前記携帯端末が前記エリア内に位置している場合には、前記電子機器に電源を投入するよう指示情報を送信するサーバと、
を備えることを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る電子機器制御方法は、
公衆通信網に接続される電子機器が設置された特定の場所を基準として規定される所定のエリア内に、前記公衆通信網を介して通信し、現在の位置情報を検出する位置情報検出手段を有する携帯端末が位置しているか否かを判別する工程と、
前記携帯端末が前記エリア内に位置している場合には、前記電子機器に電源を投入するよう指示情報を送信する工程と、
を含むことを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
公衆通信網に接続される電子機器が設置された特定の場所を基準として規定される所定のエリア内に、前記公衆通信網を介して通信し、現在の位置情報を検出する位置情報検出手段を有する携帯端末が位置しているか否かを判別する手順、
前記携帯端末が前記エリア内に位置している場合には、前記電子機器に電源を投入するよう指示情報を送信する手順、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電子機器制御システムは、携帯端末の現在の位置情報に基づいて、電子機器に電源を投入するように制御する。そのため、外出中のユーザが、携帯端末の操作を行わなくても、電子機器に対して所定の距離まで近づいた場合や、所定の場所に位置した場合に、帰宅前に電子機器の電源をオンにできる。これにより、携帯端末の操作を行わなくても、例えば、帰宅前にエアコンの電源をオンにできるなど、利便性の高い電子機器制御システム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態に係る電子機器制御システムを示す図である。
【図2】サーバのブロック図である。
【図3】携帯端末のブロック図である。
【図4】電子機器のブロック図である。
【図5】携帯端末の動作を示すフローチャートである。
【図6】サーバの動作を示すフローチャートである。
【図7】電子機器の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態に係る電子機器制御システム100について図面を参照しつつ説明する。
【0012】
電子機器制御システム100は、外出中のユーザが携帯端末40を用いて、電子機器50を遠方から制御できるものであり、図1に示すように、携帯端末40と、電子機器50とに加えて、サーバ10を有する。携帯端末40は、ネットワーク20、基地局30−1〜30−Nを介して、サーバ10や電子機器50に接続される。
【0013】
サーバ10は、携帯端末40の現在位置を示す携帯端末位置情報を受信するとともに、電子機器50が行う処理のための情報を送信する。このサーバ10は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)11と、主記憶部12と、補助記憶部13と、通信制御部14と、それらを相互に接続するバス15と、を備える。
【0014】
主記憶部12は、RAM(Random Access Memory)等を含んで構成され、CPU11の作業領域として用いられる。
【0015】
補助記憶部13は、ROM(Read Only Memory)、磁気ディスク、半導体メモリ等の不揮発性メモリを含んで構成されている。この補助記憶部13は、CPU11が実行するプログラム、各種パラメータを記憶している。さらに、補助記憶部13は、電子機器位置情報、電源投入指示の設定情報、電源投入エリア情報も記憶している。電子機器位置情報は、電子機器50が設置されている位置を示している。本実施形態においては、電子機器50は、携帯端末40のユーザの部屋Rに設置されている(図1参照)。電源投入指示の設定情報は、携帯端末位置情報を受信した場合に、電子機器50に電源を投入するように指示するか否かを判断するための情報(指示信号が送信可能設定となっているか、非送信設定となっているかの情報)である。電源投入エリア情報は、例えば、電子機器50の設置位置からの所定のエリアを規定している。このエリアは、例えば、電子機器50を基準として半径5km以内の円というように規定される。
【0016】
通信制御部14は、ネットワーク20を介して基地局30−1〜30−Nや電子機器50等との間でデータの送受信を行う。
【0017】
CPU11は、補助記憶部13に記録されているプログラムを実行することにより、上記各部の統括的な制御を行う。具体的には、サーバ10が携帯端末位置情報を受信した場合、補助記憶部13に記憶された電源投入指示の設定情報に基づいて、指示信号が送信可能設定になっているか否かを判断する。また、電源投入エリア情報に基づいて、携帯端末40が所定のエリア内にあるか否かを判断する。そして、これらの判断に基づいて、電子機器50に電源を投入するように指示信号を送信する。
【0018】
ネットワーク20は、IP(Internet Protocol)に従い、様々なデータを伝送する。このネットワーク20は、図1に示すように、サーバ10と、基地局30−1〜30−Nと、電子機器50と、にそれぞれ接続される。
【0019】
基地局30−1、30−2〜30−Nは、自己の通信エリア内それぞれの携帯端末40に無線接続される無線通信部、ネットワーク20を介してサーバ10に有線接続される中継処理部を含んで構成される。基地局30−1〜30−Nは、自己の通信エリア内に位置する携帯端末40からの信号を受信し、その信号をサーバ10等に送信する。
【0020】
携帯端末40は、例えば、携帯電話機として構成され、図3に示すように、CPU41と、主記憶部42と、補助記憶部43と、無線通信部44と、操作部45と、表示部46と、測位部47と、温度計測部48と、音声処理ユニットと、カメラユニットと、これらを相互に接続するバス49と、を備える。
【0021】
主記憶部42は、RAM等を含んで構成され、CPU41の作業領域として用いられる。
【0022】
補助記憶部43は、ROM、磁気ディスク、半導体メモリ等の不揮発性メモリを含んで構成されている。この補助記憶部43は、CPU41が実行するプログラム、及び各種パラメータなどを記憶している。
【0023】
無線通信部44は、アンテナ44aを有し、基地局30−1〜30−Nのうちのいずれかとの間で無線によるデータの送受信を行う。具体的には、通話情報や、後述する測位部47が求めた携帯端末40の位置情報の送受信を行う。
【0024】
操作部45は、テンキー、方向キー/決定キー、及びファンクションキー等から構成される。ユーザによる情報の入力は、操作部45を通じて行われる。操作部45は、ユーザの操作に応じた信号をCPU41に出力する。
【0025】
表示部46は、画像、図形、文字、記号などの情報を表示する。表示部46は、例えば、液晶パネルである。
【0026】
測位部47は、GPS(Global Positioning System)受信機を有する。GPS受信機は、複数のGPS衛星から発射された電波を受信する。そして、測位部47は、携帯端末40に到達するまでの時間を測定し、その時間差からGPS衛星と携帯端末40との距離を求め、この距離を利用して現在位置(位置座標)を求める。測位部47は、この携帯端末位置情報に対応した信号をCPU41に出力する。
【0027】
温度計測部48は、サーミスタ等を含んで構成され、携帯端末40の周囲の温度を計測する。そして、温度計測部48は、この温度情報に対応した信号をCPU41に出力する。
【0028】
CPU41は、補助記憶部43に記録されているプログラムを実行することにより、上記各部の統括的な制御を行う。具体的には、操作部45からの出力に応じて、無線通信部44、音声処理部、カメラユニットの制御を行う。また、測位部47、温度計測部48、カメラユニットから出力される信号に基づいて、適宜必要な情報を表示部46に表示させたり、基地局30−1〜30−Nに送信したりする。さらに、測位部47から出力される現在位置の情報をサーバ10に送信する。
【0029】
電子機器50は、図1に示すように、例えば、一般住宅の部屋Rに設置されたエアコンディショナー等の家電製品である。この電子機器50は、図4に示すように、CPU51と、主記憶部52と、補助記憶部53と、操作部54と、表示部55と、温度計測部56と、送風ユニット57と、ローカル通信部58と、無線通信部59と、これらを相互に接続するバス50aと、を備える。
【0030】
主記憶部52は、RAM等を含んで構成され、CPU51の作業領域として用いられる。
【0031】
補助記憶部53は、ROM、磁気ディスク、半導体メモリ等の不揮発性メモリを含んで構成されている。この補助記憶部53は、CPU51が実行するプログラム、及び各種パラメータなどを記憶している。
【0032】
操作部54は、例えば、リモコン装置と、このリモコン装置の受信ユニットとを含んで構成される。ユーザによる電子機器50への情報の入力は、この操作部54を通じて行われる。具体的には、冷房や暖房等の切り替え、希望する温度、風向き、タイマー等の設定は、この操作部54を通じて行われる。操作部54は、ユーザの操作に応じた信号をCPU51に出力する。
【0033】
表示部55は、例えば、液晶パネルであり、部屋Rの室温や設定温度その他の設定内容を表示する。
【0034】
温度計測部56は、部屋Rの室温を計測する。そして、温度計測部56は、この温度情報に対応した信号をCPU51に出力する。
【0035】
送風ユニット57は、部屋Rに冷風又は温風を供給する。また、送風ユニット57は、温度制御装置を備えており、この温度制御装置は、CPU51からの信号に基づいて、送風ユニット57から供給される空気の温度を制御する。
【0036】
ローカル通信部58は、ネットワーク20を介してサーバ10等との間でデータの送受信を行う。
【0037】
無線通信部59は、携帯端末40やそれ以外の情報端末との間で無線によるデータの送受信を行う。
【0038】
CPU51は、補助記憶部53に記録されているプログラムを実行することにより、上記各部の統括的な制御を行う。具体的には、操作部54や温度計測部56からの出力に応じて、送風ユニット57の制御を行う。また、操作部54、温度計測部48から出力される信号に基づいて、適宜必要な情報を表示部55に表示させる。
【0039】
上述した電子機器制御システム100の動作について、図1及び図5〜図7を参照しつつ説明する。
【0040】
図5に示されるフローチャートは、携帯端末40のCPU41が実行する一連の処理を示している。このフローチャートに示される処理は、携帯端末40が起動している間、実行される。
【0041】
最初のステップS101では、CPU41は、測位部47から入力された携帯端末40の携帯端末位置情報を基地局30−1〜30−Nに送信するタイミングを待ち受ける。そして、送信するタイミングになった場合には、ステップS101での判断が肯定され(ステップS101:Yes)、CPU41は、次のステップS102へ移行する。
【0042】
ステップS102では、CPU41は、基地局30−1〜30−Nのいずれかに携帯端末40の携帯端末位置情報を送信する。
【0043】
一方、ステップS101での判断が否定された場合は(ステップS101:No)、CPU41は、再び、測位部47が求めた携帯端末40の携帯端末位置情報を基地局30−1〜30−Nに送信するタイミングを待ち受ける。
【0044】
携帯端末40から送信された携帯端末位置情報は、図1を参照するとわかるように、基地局30−1〜30−Nを介して、サーバ10に送信される。
【0045】
図6に示されるフローチャートは、サーバ10のCPU11が実行する一連の処理を示している。
【0046】
最初のステップS201において、CPU11は、携帯端末40からの携帯端末位置情報を待ち受ける。そして、携帯端末40からの携帯端末位置情報を受信した場合には、ステップS201での判断が肯定され(ステップS201:Yes)、CPU11は、次のステップS202へ移行する。
【0047】
ステップS202では、CPU11は、携帯端末40からの携帯端末位置情報を、補助記憶部13に記憶されている電源投入エリア情報と照合し、携帯端末40が、予め設定されているエリア内にあるか否かを判断する。エリア内にあると判断された場合には、ステップS202での判断が肯定され(ステップS202:Yes)、CPU11は、次のステップS203へ移行する。
【0048】
ステップS203では、CPU11は、補助記憶部13に記憶された電源投入指示の設定情報に基づいて、電源投入指示の情報が送信可能状態に設定されているか否かを判断する。送信可能状態の設定となっていると判断された場合には、ステップS203での判断が肯定され(ステップS203:Yes)、CPU11は、次のステップS204へ移行する。
【0049】
ステップS204では、CPU11は、電子機器50に電源投入指示の情報を、ネットワーク20を介して送信する。そして、CPU11は、次のステップS205へ移行する。
【0050】
ステップS205では、CPU11は、補助記憶部13に記憶された電源投入指示の設定情報を、電源投入指示の情報が送信可能状態から非送信状態に設定を切り替える。
【0051】
そして、CPU11は、再び、ステップS201に移行し、携帯端末40からの携帯端末位置情報を待ち受ける。
【0052】
一方、ステップS202での判断が否定された場合は(ステップS202:No)、CPU11は、次のステップS206へ移行する。
【0053】
ステップS206では、CPU11は、補助記憶部13に記憶された電源投入指示の設定情報に基づいて、電源投入指示の情報を送信することができる送信可能状態になっているか否かを判断する。非送信状態になっていると判断された場合には、すなわち、ステップS206での判断が否定された場合(ステップS206:No)、CPU11は、次のステップS207へ移行する。
【0054】
ステップS207では、CPU11は、補助記憶部13に記憶された電源投入指示の設定を、電源投入指示の情報を送信可能状態に切り替える。そして、CPU11は、再び、ステップS201に移行し、携帯端末40からの携帯端末位置情報を待ち受ける。
【0055】
一方、ステップS201、ステップS203での判断が否定された場合は(ステップS201:No、ステップS203:No)、CPU11は、再び、ステップS201に移行し、携帯端末40からの位置情報を待ち受ける。同様に、ステップS206での判断が肯定された場合、すなわち、送信可能状態になっている判断された場合にも(ステップS206:Yes)、CPU11は、ステップS201に移行し、携帯端末40からの位置情報を待ち受ける。
【0056】
サーバ10から送信された電源投入指示の情報は、図1を参照するとわかるように、ネットワーク20を介して、部屋Rに設置された電子機器50に送信される。
【0057】
図7に示されるフローチャートは、電子機器50のCPU51が実行する一連の処理を示している。このフローチャートに示される処理は、電子機器50が商用の電源に接続され、待機状態の間に実行される。
【0058】
最初のステップS301では、CPU51は、サーバ10からの電源投入指示の情報を待ち受ける。そして、サーバ10からの情報を受信した場合には、ステップS301での判断が肯定され(ステップS301:Yes)、CPU51は、次のステップS302へ移行する。
【0059】
ステップS302では、CPU51は、電子機器50の電源がオフになっているか否かを判断する。電源がオフとなっていると判断された場合には、ステップS302での判断が肯定され(ステップS302:Yes)、CPU51は、次のステップS303へ移行する。
【0060】
ステップS303では、CPU51は、電子機器50に電源を投入する。そして、CPU51は、再び、ステップS301に移行し、サーバ10からの電源投入指示の情報を待ち受ける。
【0061】
同様に、ステップS301、ステップS302での判断が否定された場合は(ステップS302:No)、CPU51は、次のステップS301へ移行し、サーバ10からの電源投入指示の情報を待ち受ける。
【0062】
以上の処理を行うことで、電子機器50には電源が投入される。電源が投入されると、送風ユニット57は、冷風又は温風を部屋Rに供給する。同時に、電子機器50の温度計測部56が、部屋Rの室温を計測する。この計測した温度に基づいて、送風ユニット57は、冷風又は温風の供給の停止及び再開を行ったり、供給する空気の温度調整を行ったりする。これにより、部屋Rの室温を、ユーザが設定した温度に調整する。
【0063】
以上、説明したように、本実施形態に係る電子機器制御システム100は、携帯端末40の携帯端末位置情報に基づいて、携帯端末40が所定のエリア内に入った場合には、サーバ10は、電子機器50に電源を投入する指示情報を送信する。これにより電子機器50に電源が投入され、ユーザは外出中に特別な操作をすることなく、帰宅した時の部屋Rの室内温度を適温にすることができる。そのため、ユーザにとって、利便性の高い電子機器制御システム100を提供することができる。
【0064】
また、本実施形態においては、サーバ10は、携帯端末40の測位部47が求めた携帯端末位置情報を受信しているが、これに加えて、携帯端末40の温度計測部48の計測した温度情報を受信してもよい。この場合、サーバ10は、例えば、温度計測部48の計測した温度が所定の温度以上の場合は電子機器50を冷房の設定にしたり、所定の温度以下の場合は暖房の設定にしたりすることができる。
【0065】
また、本実施形態においては、サーバ10は、電源投入指示の情報を電子機器50に送信しているが、これに加えて、携帯端末40の温度計測部48の計測した温度の情報も送信することができる。この場合、電子機器50は、電子機器50自身の温度計測部56が計測して温度の情報に加えて、携帯端末40の温度計測部48の計測した温度の情報に基づいて、精度の高い温度調整をすることができる。
【0066】
また、本実施形態においては、携帯端末40が所定のエリア内に入った場合に、電子機器50に電源を投入している。しかしながら、これに限らず、携帯端末40が所定の位置(例えば、ユーザが通勤、通学で利用する最寄り駅など)に位置した場合に、電子機器50に電源を投入することもできる。
【0067】
また、本実施形態においては、電子機器50は、エアコンディショナーであるが、これに限らず、電灯や全自動バスユニット等であってもよい。
【0068】
また、本実施形態においては、携帯端末40は、携帯端末位置情報を基地局30−1〜30−N、ネットワーク20、サーバ10等を経由して、電子機器50に送信しているが、これに限らず、直接電子機器50に送信してもよい。
【0069】
上記の実施形態で用いられるプログラムは、フレキシブルディスク(磁気記録ディスク等)、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto-Optical disk)等の記録媒体(コンピュータで読み取り可能な記録媒体)に格納されて配布可能にされたものであってもよい。この場合、そのプログラムを所定のコンピュータにインストールすることにより、上述の処理を実行することができる。また、上記の実施形態のプログラムは、通信ネットワーク(例えばインターネットやイントラネット等)上に設けられたサーバの記憶装置(ハードディスク等)に格納され、例えば搬送波に重畳されてローカルコンピュータにダウンロードされるものであっても、又は随時サーバから読み出されてローカルコンピュータで起動実行されるものであってもよい。なお、機能の一部をOS(Operating System)が担う場合には、OSが担う機能以外の部分のみを配布又は転送するようにしてもよい。
【0070】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0071】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0072】
(付記1)特定の場所に設置されるとともに、公衆通信網に接続される電子機器と、
前記公衆通信網を介して通信し、現在の位置情報を検出する位置情報検出手段を有する携帯端末と、
前記公衆通信網に接続され、前記電子機器が設置された前記特定の場所を基準として規定される所定のエリア内に、前記携帯端末が位置しているか否かを、前記位置情報に基づいて判別するとともに、前記携帯端末が前記エリア内に位置している場合には、前記電子機器に電源を投入するよう指示情報を送信するサーバと、
を備えることを特徴とする電子機器制御システム。
【0073】
(付記2)前記携帯端末は、前記携帯端末の周囲の温度を計測する第1温度計測手段を有し、
前記第1温度計測手段で計測した温度情報を、前記サーバを介して、前記電子機器に送信することを特徴とする付記1に記載の電子機器制御システム。
【0074】
(付記3)前記電子機器は、前記屋内の温度を計測する第2温度計測手段と、前記屋内に供給する空気の温度を調整する送風ユニットと、を有し、
前記送風ユニットは、前記携帯端末の前記第1温度計測手段が計測した温度及び前記電子機器の前記第2温度計測手段が計測した温度それぞれに基づいて、供給する空気の温度を調整することを特徴とする付記2に記載の電子機器制御システム。
【0075】
(付記4)公衆通信網に接続される電子機器が設置された特定の場所を基準として規定される所定のエリア内に、前記公衆通信網を介して通信し、現在の位置情報を検出する位置情報検出手段を有する携帯端末が位置しているか否かを判別する工程と、
前記携帯端末が前記エリア内に位置している場合には、前記電子機器に電源を投入するよう指示情報を送信する工程と、
を含むことを特徴とする電子機器制御方法。
【0076】
(付記5)コンピュータを、
公衆通信網に接続される電子機器が設置された特定の場所を基準として規定される所定のエリア内に、前記公衆通信網を介して通信し、現在の位置情報を検出する位置情報検出手段を有する携帯端末が位置しているか否かを判別する手順、
前記携帯端末が前記エリア内に位置している場合には、前記電子機器に電源を投入するよう指示情報を送信する手順、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0077】
10 サーバ
11 CPU
12 主記憶部
13 補助記憶部
14 通信制御部
15 バス
20 ネットワーク(公衆通信網)
30−1、30−2、30−N 基地局
40 携帯端末
41 CPU
42 主記憶部
43 補助記憶部
44 無線通信部
44a アンテナ
45 操作部
46 表示部
47 測位部
48 温度計測部(第1温度計測手段)
49 バス
50 電子機器
50a バス
51 CPU
52 主記憶部
53 補助記憶部
54 操作部
55 表示部
56 温度計測部(第2温度計測手段)
57 送風ユニット
58 ローカル通信部
59 無線通信部
100 電子機器制御システム
R 部屋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の場所に設置されるとともに、公衆通信網に接続される電子機器と、
前記公衆通信網を介して通信し、現在の位置情報を検出する位置情報検出手段を有する携帯端末と、
前記公衆通信網に接続され、前記電子機器が設置された前記特定の場所を基準として規定される所定のエリア内に、前記携帯端末が位置しているか否かを、前記位置情報に基づいて判別するとともに、前記携帯端末が前記エリア内に位置している場合には、前記電子機器に電源を投入するよう指示情報を送信するサーバと、
を備えることを特徴とする電子機器制御システム。
【請求項2】
前記携帯端末は、前記携帯端末の周囲の温度を計測する第1温度計測手段を有し、
前記第1温度計測手段で計測した温度情報を、前記サーバを介して、前記電子機器に送信することを特徴とする請求項1に記載の電子機器制御システム。
【請求項3】
前記電子機器は、前記屋内の温度を計測する第2温度計測手段と、前記屋内に供給する空気の温度を調整する送風ユニットと、を有し、
前記送風ユニットは、前記携帯端末の前記第1温度計測手段が計測した温度及び前記電子機器の前記第2温度計測手段が計測した温度それぞれに基づいて、供給する空気の温度を調整することを特徴とする請求項2に記載の電子機器制御システム。
【請求項4】
公衆通信網に接続される電子機器が設置された特定の場所を基準として規定される所定のエリア内に、前記公衆通信網を介して通信し、現在の位置情報を検出する位置情報検出手段を有する携帯端末が位置しているか否かを判別する工程と、
前記携帯端末が前記エリア内に位置している場合には、前記電子機器に電源を投入するよう指示情報を送信する工程と、
を含むことを特徴とする電子機器制御方法。
【請求項5】
コンピュータを、
公衆通信網に接続される電子機器が設置された特定の場所を基準として規定される所定のエリア内に、前記公衆通信網を介して通信し、現在の位置情報を検出する位置情報検出手段を有する携帯端末が位置しているか否かを判別する手順、
前記携帯端末が前記エリア内に位置している場合には、前記電子機器に電源を投入するよう指示情報を送信する手順、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−186725(P2012−186725A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49437(P2011−49437)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】