説明

電子機器

【課題】操作性が良好な電子機器を提供する。
【解決手段】プロジェクタ1は、筐体10と、操作パネル20と、パネル回動機構30と、を備え、パネル回動機構30では、筐体外面11に設けられる円筒形状の内周面を有する筐体側受部31に、操作パネル20に基端面21に設けられる円筒形状の外周面を有するパネル側挿入部32を挿通すること、操作パネル20を筐体10に保持する。そして、パネル側挿入部32の外周面には、径外方向に突出する第一ピン51、および第一ピン51より突出寸法が大きい第二ピン52が設けられており、筐体側受部31には、これら第一ピン51および第二ピン52を位置決めする溝部311と、第二ピン52のみの移動を規制可能なストッパ60とが設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体外面に操作手段が設けられる電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筐体の外面に操作パネルが設けられ、この操作パネルを操作することで所定動作を実施する電子機器がある。また、このような電子機器として、筐体の設置姿勢によらず、使用可能なものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の映像投射装置は、天地方向に設置方向を検知するセンサを備え、このセンサにより天地方向が逆転したと検知されると、上下方向を逆転させた画像光を投射する。
【0003】
【特許文献1】特開2003−295310
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載の映像投射装置では、天地方向を逆転させて設置した場合でも、画像光を上下逆転させて投射することが可能となるが、筐体に設置される操作パネルの向きは変わらない。このため、映像投射装置に設置される操作パネルを操作する場合、筐体が平面に設置されている時と、筐体を天吊り設置した場合とでは、操作パネルの向きが変化する。したがって、映像投射装置が天吊り設置されている場合に、映像投射装置を平面に設置されている場合と同じように、操作パネルを操作すると、誤操作を招くなど、操作性が悪化するという問題がある。
【0005】
本発明は、上記のような問題に鑑みて、操作性が良好な電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電子機器は、筐体と、この筐体の外面に設けられる操作手段と、筐体外面に前記操作手段を回転可能に係止する係止手段と、を備えた電子機器であって、前記係止手段は、前記筐体外面および前記操作手段の筐体外面に対向する基端面のうちいずれか一方に設けられる円筒状の外周面を有する外周凸部と、前記筐体外面および前記基端面のうち、前記外周凸部が設けられていない他方に設けられるとともに、円筒状の内周面を有し、内周部において前記外周凸部のうち少なくとも一部を挿通可能な内周凹部と、前記外周凸部の外周面および前記内周凹部の内周面のうちいずれか一方に、他方に向かって突設される少なくとも1本以上の第一ピンと、前記外周凸部の外周面および前記内周凹部の内周面のうちいずれか一方に、他方に向かって突設されるとともに、前記第一ピンよりも突出寸法が大きい第二ピンと、前記外周凸部および前記内周凹部のうち、前記第一ピンおよび第二ピンが設けられていない他方の円筒軸方向の端面に設けられ、前記第二ピンにのみ係合可能なストッパと、前記外周凸部および前記内周凹部を所定位置で位置決めする位置決め部と、を具備することを特徴とする。
【0007】
この発明では、操作手段は、係止手段により筐体に係止されている。この係止手段は、外周凸部および内周凹部を備え、これらの外周凸部の外周面および内周凹部の内周面のうちいずれか一方は筐体外面に、他方は操作手段の基端面に取り付けられている。また、外周凸部の円筒状外周面および内周凹部の円筒状内周面のうち、いずれか一方には、他方に向かって突出する第一ピンおよび第二ピンが設けられている。このため、外周凸部を内周凹部に挿通し、外周凸部に第一および第二ピンが設けられている場合では、第一および第二ピンを内周凹部の端面に沿わすことで、また、内周凹部に第一および第二ピンが設けられている場合では、第一および第二ピンを外周凸部の端面に沿わすことで、外周凸部および内周凹部を互いに回動させることが可能となる。これにより、操作手段を筐体に対して回動させることが可能となり、電子機器の姿勢が変更された場合でも、操作手段を回動させて電子機器の向きに合わせて設置することができ、操作手段の操作性を向上させることができる。
また、第二ピンが第一ピンよりも突出寸法が大きく形成され、外周凸部および内周凹部のうち、第一ピンおよび第二ピンが設けられていない他方側の円筒軸方向の端面には、ストッパが設けられている。例えば、外周凸部に第一および第二ピンが設けられている場合では、内周凹部の端面にストッパが設けられ、内周凹部に第一および第二ピンが設けられている場合では、外周凸部の端面にストッパが設けられる。したがって、上述のように、第一および第二ピンを内周凹部または外周凸部の端面に沿わせて、外周凸部および内周凹部を相対回動させた場合に、第二ピンのみがストッパに当接することで、回動角度が360度未満に規制される。このような構成とすることで、操作手段と筐体内の基板とが配線により接続されている場合でも、操作手段の360度以上の過剰な回転による配線の断線を防止することができ、操作手段の破損を防止することができる。
また、係止手段には、位置決め部が設けられている。したがって、上述のように、操作手段を筐体に対して回動させた後、外周凸部を内周凹部に位置決めすることで、操作手段の回動を防止することができ、電子機器の使用中に操作手段の姿勢が変更されるなどの不都合を防止することができる。
以上により、操作手段に接続される配線を断線させることなく、簡単な構成で操作手段の姿勢を電子機器の姿勢に合わせて変更することができ、姿勢変更後に操作手段を位置決めすることで、電子機器の使用時における操作手段の回動も防止することができ、操作手段の操作性を向上させることができる。
【0008】
本発明の電子機器では、前記第一ピンおよび前記第二ピンは、前記外周凸部の外周面に設けられ、前記ストッパは、前記内周凹部に設けられることが好ましい。
【0009】
この発明では、外周凸部の外周面に第一ピンおよび第二ピンが設けられ、内周凹部に向かって外方に突出している。また、内周凹部の端面には、外周凸部から突出する第二ピンのみが接触可能な位置にストッパが設けられる。
このような構成とすることで、外周凸部に設けられる第一および第二ピンが位置決め部から外れた際に、外周凸部を内周凹部に対して回動させることができ、また、第二ピンがストッパに当接することにより、外周凸部が360度以上に回動して配線が断線するなどの不都合も回避できる。したがって、上記発明と同様に、電子機器の姿勢に合わせて操作手段の姿勢を容易に変更することができ、操作性を良好にできる。
また、操作手段と筐体内部に設けられる電子基板とを接続するリード線が、外周凸部の内部に設けられる場合、外周凸部を円筒状に形成する必要がある。この場合、内周凹部の内周面から外周凸部の外周面に向かって第一および第二ピンが突出する構成とすると、第一および第二ピンの先端がリード線に引っ掛かるなどするおそれがあり、配線の断線などの不都合が生じる場合がある。これを避けるためには、外周凸部の筒壁を厚くしたり、外周凸部そのものの径寸法を増大させるなど考えられるが、筒壁を増大させると、リード線が配線される筒内部の径寸法が小さくなり、製造時の配線作業が煩雑になったり、外周凸部の径寸法を大きくすると、装置の小型化に対応できないなどの問題がある。これに対して、外周凸部の外周面から内周凹部の内周面に向かって第一および第二ピンを突出させる本発明の構成では、外周凸部の内周部にリード線が配線されている場合でも、第一および第二ピンがこれらのリード線に干渉することがなく、リード線の断線など不都合も回避することができる。
さらに、第一および第二ピンが、外周径方向に突出するため、これら第一および第二ピンと位置決め部との係脱状態を容易に確認することができ、より操作性を良好にすることができる。
【0010】
本発明の電子機器では、前記外周凸部は、前記操作手段の前記基端面に設けられ、前記内周凹部は、前記筐体外面に設けられることが好ましい。
【0011】
この発明によれば、操作手段に外周凸部が設けられ、筐体外面に内周凹部が設けられている。このような構成では、操作手段を回動させる際、第一および第二ピンを位置決め部から外し、外周凸部または内周凹部の端面に沿わす作業を容易に実施できる。すなわち、操作手段を回動させる際には、操作手段を筐体から離隔する方向に引き出し、その後操作手段を回動させる必要がある。ここで、操作手段に内周凹部が設けられ、筐体外面に外周凸部が設けられ、外周凸部から内周凹部に向かって第一および第二ピンが設けられている構成では、第一ピンおよび第二ピンを筐体に近接する位置に設ける必要があり、利用者が目視によりこれらの第一ピンおよび第二ピンの位置を確認しにくくなる。これに対して、上記のように操作パネルに外周凸部を設け、筐体に内周凹部を設ける構成では、第一ピンおよび第二ピンが操作パネルに近い位置に配置されるため、利用者による第一および第二ピンの目視が容易となり、位置決め部と第一および第二ピンとの係脱状態を確認しやすくなる。したがって、操作性の更なる向上を図ることができる。
【0012】
本発明の電子機器では、前記位置決め部は、前記外周凸部の円筒外周面および前記内周凹部の円筒内周面のうち、前記第一ピンおよび第二ピンが設けられていない他方に設けられるとともに、前記第一ピンおよび前記第二ピンを挿通可能な溝部であり、前記溝部は、前記外周凸部および前記内周凹部のうち、前記第一ピンおよび第二ピンが設けられていない他方の端面から、円筒軸方向に延びる挿通案内部と、前記挿通案内部における前記端面から離隔する一方端から、前記外周凸部または前記内周凹部の円周方向に沿って延出する係止案内部と、を備えることが好ましい。
【0013】
この発明では、位置決め部は、外周凸部の外周面または内周凹部の内周面に形成される溝部であり、この溝部は、円筒軸方向に沿った挿通案内部と、挿通案内部の先端から周方向に沿って形成される係止案内部とを備えている。このような構成では、操作手段が回動可能な状態、すなわち外周凸部または内周凹部の端面に沿う位置に第一ピンおよび第二ピンが位置する状態から、第一ピンおよび第二ピンを挿通案内部に挿通させることで、これら第一ピンおよび第二ピンの円周方向への移動が規制され、操作手段を筐体に対して接離させる移動のみが許容される。さらに、第一及び第二ピンを係止案内部に挿通させることで、第一および第二ピンの円筒軸方向に沿う移動が規制される。したがって、操作手段は、筐体に対して接離させる移動が規制され、所定位置に位置決めすることができる。
【0014】
本発明の電子機器は、前記外周凸部および前記内周凹部のうち、少なくともいずれか一方は、前記内周凹部から前記外周凸部の脱落を防止する脱落防止部を備えることが好ましい。
【0015】
この発明によれば、脱落防止部が設けられているため、操作手段が筐体から離れる方向に引張られた場合でも、操作手段が筐体から外れることがなく、安全な操作手段の操作を実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
〔第一の実施の形態〕
以下、本発明に係る第一の実施の形態の電子機器としてのプロジェクタについて、図面に基づいて説明する。なお、本実施の形態において、電子機器として、水平設置や天吊り設置など、姿勢を変更して設置可能なプロジェクタ1を例示するが、これに限定されず、例えば、音声を再生するオーディオ装置など、姿勢を変更して設置可能ないかなる電子機器に本発明を適用してもよい。
図1は、本発明に係る第一の実施の形態のプロジェクタを水平設置した状態の概略構成を示す斜視図である。図2は、第一の実施の形態のプロジェクタを天吊り設置した状態の概略構成を示す斜視図である。図3は、図2において、操作パネルの姿勢を調整した後の、プロジェクタの概略構成を示す斜視図である。
【0017】
図1において、プロジェクタ1は、内部に図示しない光学エンジンが設けられ、この光学エンジンにより、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して画像光を形成し、形成した画像光をスクリーン等の表示領域に拡大投射するものである。このプロジェクタ1は、筐体10と、筐体10の内部に設けられる図示しない光学エンジンと、光学エンジンの動作を制御する図示しない制御回路部と、光学エンジンから射出される画像光を表示領域に向かって投射する投射レンズ2と、当該プロジェクタ1を操作するための操作手段としての操作パネル20とを備えている。
【0018】
筐体10は、例えば合成樹脂などにより形成される箱状部材であり、その内部に上述したように、光学エンジンや、制御回路部を収納する。この筐体10の底面部には、プロジェクタ1設置用の脚部3が設けられており、この脚部3を例えば載置台の上に載置することで、プロジェクタ1を水平設置することが可能となる。また、この脚部3は、図2に示すように、天吊り部材4を固定することができ、プロジェクタ1を脚部3に固定された天吊り部材4を介して天井に天吊りすることも可能となる(天吊り設置)。
また、筐体10の表装面である筐体外面11には、上記したように、操作パネル20が設置されている。この操作パネル20は、筐体10の内部に収納される制御回路部に接続されており、操作パネル20上に設けられる操作ボタンが操作されることで、制御回路部に操作信号が出力される。
【0019】
光学エンジンは、詳細な図は省略するが、光源と、光源から射出された光束を画像信号に応じて変調して画像を形成する光変調装置と、を備え、この光変調装置で形成された画像を投射レンズ2から投射させる。
制御回路部は、光学エンジンを制御する複数の制御回路を備えている。この制御回路部は、例えばプロジェクタ1に接続される外部機器から入力された画像信号に基づいて、光学エンジンの光変調装置を制御する。また、制御回路部は、操作パネル20から入力される操作信号に基づいて、光学エンジンの制御や、プロジェクタ1の設定変更などを実施する。
【0020】
操作パネル20は、パネル回動機構30(図4および図5参照)により、筐体10の筐体外面11に係止される。この操作パネル20は、制御回路部に図示しないリード線により接続されている。そして、この操作パネル20は、図1ないし図3に示すように、複数の操作ボタン22を備え、これらの操作ボタンが利用者に操作されることで、操作ボタン22に応じた操作信号を制御回路部に出力する。この操作ボタン22としては、例えば、プロジェクタ1の電源をオン/オフする電源ボタン、画像を再生する旨の再生ボタン、プロジェクタ1の設定や画質設定などの各種設定事項を変更するための設定ボタン、入出力の切替を実施する入出力切替ボタンなどが挙げられる。
【0021】
また、このプロジェクタ1は、上記したように、水平設置や、天吊り設置など、複数の設置状態に変更することが可能な構成となっている。ここで、プロジェクタ1の設置方法を変えると、例えば図1に示す水平設置から、図2に示すような、天吊り設置に設置方法を変更し、プロジェクタ1の姿勢を変更すると、操作パネル20の向きもプロジェクタ1の向きに応じて変更される。このような場合、通常通り操作パネル20を操作すると、操作パネル20上の各操作ボタン22の配置位置が変更されるため、誤操作の原因となる。例えば、水平設置において、左下に配置されていた操作ボタンAは、天吊り設置において右上に配置されることになり、水平設置において、右上に配置されていた操作ボタンBが天吊り設置において左下に配置されることとなる。したがって、利用者が操作ボタンAを操作する際、水平設置と同様の操作感で左下の操作ボタンを操作すると、操作ボタンBが操作されてしまい、誤操作の原因となる。これに対して、本実施の形態のプロジェクタ1では、以下に説明するパネル回動機構30により、図3に示すように操作パネル20の設置位置を変更し、上記のような誤操作を防止する。
【0022】
〔パネル回動機構の構成〕
図4は、パネル回動機構の概略構成を示す斜視図である。図5は、パネル回動機構の正面図、平面図、および側面図である。
図4および図5に示すように、パネル回動機構30は、筐体10の筐体外面11に固定される内周凹部としての筐体側受部31と、操作パネル20の筐体外面11に対向する基端面21に固定される外周凸部としてのパネル側挿入部32と、を備えている。
【0023】
筐体側受部31は、図4に示すように、略円筒状に形成され、円筒一端部が筐体外面11に固定されている。この筐体側受部31の筐体外面11への固定方法としては、例えばネジ止めや溶接など、いかなる固定方法を用いてもよい。また、ここでは、筐体外面11に筐体側受部31が固定される例を示すが、筐体外面11に筐体側受部31が一体形成される構成などとしてもよい。
【0024】
また、筐体側受部31は、操作パネル20の基端面21に対向する端面40から筐体外面11に向かって、筐体側受部31の内周面と外周面とを連通する複数の長手状の溝部311を備えている。ここで、これらの溝部311により本発明の位置決め部が構成される。これらの溝部311は、図4及び図5に示すように、90度間隔で4箇所設けられている。そして、これらの溝部311は、筐体側受部31の円筒軸方向に沿う挿通案内部312と、挿通案内部312の筐体外面11側の先端から、筐体側受部31の円周時計回り方向および円周反時計回り方向に略沿ってそれぞれ形成される一対の係止案内部313と、を備えている。より具体的には、係止案内部313は、挿通案内部312の先端から離れるに従って、筐体外面11側に向かって傾斜する第一係止案内部313Aと、第一係止案内部313Aの先端から、円周方向に延出する、つまり筐体外面11の面方向と平行となる第二係止案内部313Bと、を備えている。この溝部311は、後述する第一ピン51および第二ピン52が挿通されることで、パネル側挿入部32を所定位置に位置決めする。
【0025】
さらに、筐体側受部31は、操作パネル20側端部から内周側に突出する抜止フランジ314を備えている。この抜止フランジ314には、溝部311の挿通案内部312に対応して切欠きが形成されている。これにより、パネル側挿入部32が筐体10側に移動した際、第一ピン51および第二ピン52が、抜止フランジ314に干渉することなく、溝部311に挿通可能となる。
【0026】
また、筐体側受部31の外周面には、端面40から操作パネル20側に突出するストッパ60が固定されている。なお、ストッパ60は、例えばネジ止めや溶接などにより筐体側受部31に固定されていてもよく、さらには、筐体側受部31に一体形成される構成などとしてもよい。
【0027】
パネル側挿入部32は、筐体側受部31と同軸上に配置される略円筒状部材であり、操作パネル20の基端面21に固定される。このパネル側挿入部32は、筐体10側に端部に一体形成される抜止部321を備えている。ここで、この抜止部321および筐体側受部31の抜止フランジ314により、本発明の脱落防止部が構成される。また、パネル側挿入部32の円筒内周部には、操作パネル20と筐体10内部に収納される制御回路部とを接続する複数のリード線が配線される配線孔41が形成されている。
また、パネル側挿入部32は、筐体側受部31の円筒内周面の径寸法より小さい径寸法を有する円筒状に形成されている。そして、抜止部321は、パネル側挿入部32の筐体10側の端部から筐体10側に向かうに従って径外方向に傾斜する傾斜面322を備え、この傾斜面322の外周縁に筐体側受部31の内周径寸法と略同寸法となる円筒状の摺接外周面323とを備えている。そして、パネル側挿入部32は、抜止部321の摺接外周面323が筐体側受部31の内周面に摺接することで、円筒軸方向への進退移動が可能となる。また、パネル側挿入部32は、抜止部321が筐体側受部31の抜止フランジ314に当接することで、筐体10から離れる方向への移動が規制され、すなわちパネル側挿入部32の抜け落ちが防止される。
【0028】
また、パネル側挿入部32には、図4および図5に示すように、第一ピン51および第二ピン52が径外方向に突出して固定されている。これらの第一ピン51および第二ピン52は、互いにパネル側挿入部32の円筒中心軸に対して対称となる位置、すなわち180度間隔で配設されている。ここで、第一ピン51は、パネル側挿入部32の円筒中心軸から突出先端部までの突出寸法が、筐体側受部31の外周面までの径寸法と略同一寸法もしくは僅かに形成され、第二ピン52は、パネル側挿入部32の円筒中心軸から突出先端部までの突出寸法が、筐体側受部31の外周面までの径寸法よりも大きい寸法に形成されている。すなわち、第一ピン51および第二ピン52の突出寸法は、当該第一ピン51および第二ピン52が筐体側受部31の端面40に沿って移動可能な状態において、第二ピン52のみがストッパ60に当接可能で、第一ピン51がストッパ60に干渉しない寸法に形成されている。これにより、操作パネル20が360度以上に回転することがなく、配線孔41に配線されるリード線の断線やねじれが防止される。なお、第一ピン51は、ストッパ60に干渉せず、溝部311に挿通可能な寸法に形成されていれば、いかなる寸法に形成されていてもよい。したがって、第一ピン51は、上記寸法に限られず、パネル側挿入部32の円筒中心軸から突出先端部までの突出寸法が、筐体側受部31の内周面までの径寸法以上であり、外周面までの径寸法未満であればよい。
【0029】
〔操作パネルの回動操作〕
次に、上記のようなプロジェクタ1において、操作パネル20を回動させて姿勢を変更させる際の操作方法を図面に基づいて説明する。図6は、操作パネル20の回動操作時のパネル回動機構30の状態を示す図であり、(A)は、操作パネル20が位置決めされた係止状態を示す側面図、(B)は、操作パネル20を引き出した回動可能状態を示す側面図、(C)は、脱落防止部による抜け落ちが防止された状態を示す側面図である。
【0030】
本実施の形態のプロジェクタ1は、上述したように、図1に示すような水平設置や、図2および図3に示すような天吊り設置に対応しており、例えば水平設置から天吊り設置に設置状態を変更した場合、操作パネル20の誤操作を防止するために、操作パネル20を回動させる。
これには、まず、図6(A)に示すように、所定位置に位置決めされた操作パネル20を引張りながら僅かに回動させ、第一ピン51および第二ピン52を溝部311の挿通案内部312に移動させる。これにより、操作パネル20は、円筒軸方向に沿って移動可能となる。この状態から、操作パネル20を引き出すことで図6(B)に示すように、第一ピン51および第二ピン52が溝部311から外れ、筐体側受部31の端面40に沿う位置まで移動される(回動可能状態)。この回動可能状態では、第一ピン51および第二ピン52が端面40に沿って移動可能となり、パネル側挿入部32が円筒軸を中心として回動可能となる。すなわち、操作パネル20を回動させることが可能となる。この時、第二ピン52の突出先端が筐体側受部31の外周面より径外側に突出するため、ストッパ60に当接可能となり、操作パネル20は、360度以上の回動が規制される。
【0031】
また、図6(B)の回動可能状態において、さらに操作パネル20が引き出された場合は、図6(C)に示すように、パネル側挿入部32の抜止部321の傾斜面322が筐体側受部31の抜止フランジ314に当接する。これにより、操作パネル20の引き出しが規制され、脱落が防止される。
【0032】
また、図6(B)の回動可能状態において、操作パネル20を例えば180度回転させることで、図2に示すような操作パネル20の設置状態を図3に示すような設置状態にすることができ、すなわち図1と同じ向きで操作パネル20の各操作ボタン22を操作可能となる。そして、この状態で操作パネル20を筐体10側に押し込むことで第一ピン51および第二ピン52は、溝部311の挿通案内部312に挿通される。この状態では、操作パネル20の回動が規制されるため、操作パネル20は、回動不能となる。また、第一ピン51および第二ピン52を第一係止案内部313Aを移動させて第二係止案内部313Bに嵌め込むことで、操作パネル20が筐体10に位置決めされる。
【0033】
〔第一の実施の形態の作用効果〕
上述したように、上記実施の形態のプロジェクタ1は、筐体10と、操作パネル20と、操作パネル20を筐体10に係止するパネル回動機構30と、を備えている。そして、パネル回動機構30は、筐体外面11に設けられる円筒形状の内周面を有する筐体側受部31と、操作パネル20に基端面21に設けられる円筒形状の外周面を有するパネル側挿入部32とを備え、パネル側挿入部32を筐体側受部31の内周部に挿通することで操作パネル20を筐体10に保持している。そして、パネル側挿入部32の外周面には、径外方向に突出する第一ピン51、および第一ピン51より突出寸法が大きい第二ピン52が設けられており、筐体側受部31には、これら第一ピン51および第二ピン52を位置決めする溝部311と、第二ピン52のみの移動を規制可能なストッパ60とが設けられている。
このような構成では、第一ピン51および第二ピン52を溝部311に挿通させることで、操作パネル20の回動を規制して、所定位置に位置決めすることができる。また、第一ピン51および第二ピン52を溝部311から外し、筐体側受部31の端面40に沿わせることで、パネル側挿入部32が筐体側受部31に対して回動可能となる。したがって、操作パネル20をプロジェクタ1の設置状態に応じて回動させることができる。よって、図1に示すような水平設置から図2に示すような天吊り設置に変更した場合でも、図3に示すように、操作パネル20の向きを水平設置と同じ向きに容易に合わせることができ、操作パネル20の操作性を向上させることができる。
この時、筐体側受部31の外周面に、端面40側に突出するストッパ60が設けられ、第二ピン52のみがこのストッパ60に当接可能となるため、パネル側挿入部32の回動可能角度が360度未満となる。したがって、操作パネル20が360度以上回転されることによるリード線の断線やねじれを防止することができ、プロジェクタ1の破損を防止することができる。
【0034】
また、筐体側受部31の内周側に挿入されるパネル側挿入部32の外周面から第一ピン51および第二ピン52が径外方向に突出し、筐体側受部31に溝部311およびストッパ60が設けられている。
このような構成にすることで、パネル側挿入部32の内周部に設けられる配線孔41に第一ピン51や第二ピン52が突出することがないため、ストッパ60などによりリード線の配線スペースが阻害されることもなく、リード線の断線などの不都合を回避でき、パネル回動機構30を大型化させることなく、配線スペースを容易に確保することもできる。
【0035】
さらに、略円筒状の内周面を有する筐体側受部31の内部に、パネル側挿入部32が挿通され、このパネル側挿入部32の外周面から筐体側受部31の内周面に向かって第一ピン51および第二ピン52が突設されている。
このような構成では、第一ピン51および第二ピン52が操作パネル20に近い位置に設けられ、また、操作パネル20を引き出して、第一ピン51および第二ピン52が溝部311から離れた際に、操作パネル20と筐体10との間から容易に第一ピン51を第二ピン52の位置を確認することができる。したがって、利用者が第一ピン51およい第二ピン52を再び溝部311に挿入する際に、第一ピン51や第二ピン52の位置を目視により確認しながら操作することができ、操作パネル20の姿勢位置変更の際の操作性を良好にできる。
【0036】
また、本実施の形態では、溝部311により位置決め部が構成され、この溝部311は、筐体側受部31の円筒軸方向に沿う挿通案内部312と、挿通案内部312の先端に略円周方向に沿う係止案内部313とを備えている。
このため、第一ピン51および第二ピン52を係止案内部313に挿入させるだけで、パネル側挿入部32を筐体側受部31に対して位置決めすることができ、操作パネル20を所定位置に設置することができる。また、第一ピン51および第二ピン52を挿通案内部312に移動させ、操作パネル20を引き出すだけで、回動可能状態となり、操作パネル20を回動させることができる。
さらに、係止案内部313は、挿通案内部312の端部から筐体10側に向かって傾斜する第一係止案内部313Aと、第一係止案内部313Aから円周方向に延出する第二係止案内部313Bとを備えている。このため、第一ピン51および第二ピン52は、第二係止案内部313Bに係止されている状態から、操作パネル20を引き出しながら回転させなければ第一係止案内部313Aを通って挿通案内部312まで移動しない。したがって、例えば重量などの一定方向の応力のみでは、操作パネル20が回動することがなく、操作パネル20の操作時における回動などの不都合をも防止することができる。
【0037】
そして、パネル側挿入部32は、筐体10側の端部に笠形状の抜止部321を備え、筐体側受部31は、操作パネル20側端部に内周側に突出する抜止フランジ314を備え、これらの抜止部321および抜止フランジ314により本発明の脱落防止部が構成されている。
このため、操作パネル20が引き出された際に、抜止部321の傾斜面322が抜止フランジ314の内周縁に当接することで、パネル側挿入部32の引き出しが防止され、操作パネル20の脱落を防止することができる。
【0038】
また、抜止部321の摺接外周面323は、筐体側受部31の内周面に摺接して、パネル側挿入部32を円筒軸方向へ移動可能に保持している。このため、パネル側挿入部32が、円筒軸方向からずれて傾いたり、ガタが生じたりすることなく、良好な操作感で操作パネル20を引き出すことができる。
【0039】
〔第二の実施の形態〕
次に、本発明の第二の実施の形態に係るプロジェクタについて、図面に基づいて説明する。図7は、第二の実施の形態に係るプロジェクタにおけるパネル回動機構の概略構成を示す側断面図である。なお、以降の説明において、すでに説明した構成と同一構成のものに対しては同符号を付し、その説明を省略または簡略する。
上記第一の実施の形態では、第一ピン51および第二ピン52が外周凸部であるパネル側挿入部32に突設される構成を例示したが、第二の実施の形態では、内周凹部である筐体側受部31の内周面から第一ピン51および第二ピン52が突設される。
【0040】
すなわち、第二の実施の形態のパネル回動機構30Aでは、操作パネル20の基端面21に設けられる略円筒状のパネル側挿入部32Aと、筐体外面11に設けられる略円筒状の筐体側受部31Aと、を備えている。
【0041】
パネル側挿入部32Aは、円筒状に形成されるとともに、円筒軸方向の中間位置に、外周面から径外方向に突出する抜止部321Aを備えている。ここで、抜止部321A、および筐体側受部31Aに設けられる抜止フランジ314Aにより本発明の脱落防止部が構成される。また、パネル側挿入部32Aは、円筒中心軸に沿って、配線孔41を備え、操作パネル20と制御回路部とを接続するリード線が配線されている。
パネル側挿入部32Aの外周面には、筐体外面11に対向する端面40Aから操作パネル20の基端面21に向かう位置決め部としての複数の長手状の溝部311Aが形成されている。これらの溝部311Aは、第一の実施の形態の溝部311と同様に、90度間隔で4箇所設けられている。また、これらの溝部311Aは、第一の実施の形態と同様に、挿通案内部312と、一対の係止案内部313と、を備えている。ここで、第二の実施の形態のパネル側挿入部32Aは、第一の実施の形態のパネル側挿入部32より肉厚に形成され、溝部311Aは、パネル側挿入部32Aの円筒壁の内外を連通することなく、第一ピン51および第二ピン52が挿入可能な最小限の所定深さ寸法に形成されている。
また、パネル側挿入部32Aの端面40Aには、円筒内周縁近傍から筐体10側に突出するストッパ60Aが設けられている。
抜止部321Aは、パネル側挿入部32Aの外周面から鍔状に突出する円筒状部材であり、パネル側挿入部32Aに一体形成されている。また、抜止部321Aの周面は、摺接外周面323を構成し、筐体側受部31Aの内周面に当接することで、パネル側挿入部32Aを円筒軸方向に沿って移動可能に保持している。
【0042】
筐体側受部31Aは、第一の実施の形態の筐体側受部31と同様に、操作パネル20側の端部に、内周側に突出する抜止フランジ314Aを備えている。また、筐体側受部31Aの内周面における筐体外面11側には、第一ピン51および第二ピン52が径内方向に向かって突設されている。これらの第一ピン51および第二ピン52は、第一の実施の形態と略同様に、互いに筐体側受部31Aの円筒中心軸に対して対称となる位置、すなわち180度間隔で配設されている。ここで、第一ピン51は、筐体側受部31Aの内周面から突出先端部までの突出寸法が、筐体側受部31Aの内周面からパネル側挿入部32Aの外周面までの寸法より大きく、筐体側受部31Aの内周面からストッパ60Aの径外側面60A1までの寸法より小さく形成されている。一方、第二ピン52は、筐体側受部31Aの内周面から突出先端部までの突出寸法が、筐体側受部31Aの内周面からストッパ60Aの径外側面60A1までの寸法より大きく、筐体側受部31Aの内周面から溝部311Aの溝底までの寸法より小さく形成されている。すなわち、第一ピン51および第二ピン52の突出寸法は、当該第一ピン51および第二ピン52がパネル側挿入部32Aの端面40Aに沿って移動可能な状態において、第一ピン51がストッパ60Aに干渉せず、第二ピン52のみがストッパ60Aに当接可能で、かつ第一ピン51および第二ピン52の双方が溝部311Aに挿通可能な寸法に形成されている。
【0043】
〔操作パネルの回動操作〕
次に、上記のようなパネル回動機構30Aの動作について説明する。
【0044】
第二の実施の形態のプロジェクタ1においても、上記第一の実施の形態と同様に、水平設置や天吊り設置に対応しており、例えば水平設置から天吊り設置に設置状態を変更した場合、操作パネル20の誤操作を防止するために、操作パネル20を回動させることが可能となる。
これには、まず、所定位置に位置決めされた操作パネル20を引張りながら僅かに回動させ、第一ピン51および第二ピン52を溝部311Aの挿通案内部312に移動させ、操作パネル20の円筒軸方向に沿う移動が可能な状態とする。この状態から、操作パネル20を引き出すことで、第一ピン51および第二ピン52が溝部311Aから外れ、パネル側挿入部32Aの端面40Aに沿う位置まで移動され、回動可能状態となる。この回動可能状態では、第一ピン51および第二ピン52が端面40Aに沿って移動可能となり、パネル側挿入部32Aが円筒軸を中心として回動可能となり、操作パネル20を回動させることが可能となる。この時、第二ピン52の突出先端がストッパ60Aの径外側面60A1よりも円筒内周側に突出するため、ストッパ60Aに当接可能となり、操作パネル20の360度以上の回動が規制される。
【0045】
また、操作パネル20がさらに引き出された場合は、パネル側挿入部32Aの抜止部321Aの操作パネル20に対向する上端面が筐体側受部31Aの抜止フランジ314Aに当接する。これにより、操作パネル20の引き出しが規制され、脱落が防止される。
【0046】
また、回動可能状態において、操作パネル20を例えば180度回転させることで、図2に示すような操作パネル20の設置状態を図3に示すような設置状態にすることができ、すなわち図1と同じ向きで操作パネル20の各操作ボタン22を操作可能となる。そして、この状態で操作パネル20を筐体10側に押し込むことで第一ピン51および第二ピン52が溝部311Aの挿通案内部312に挿通される。この状態では、操作パネル20の回動が規制され、操作パネル20の回動操作が不能となる。また、第一ピン51および第二ピン52を係止案内部313に係止させることで、操作パネル20が筐体10に位置決めされる。
【0047】
〔第二の実施の形態の作用効果〕
上述したように、上記第二の実施の形態のプロジェクタ1は、筐体10と、操作パネル20と、操作パネル20を筐体10に係止するパネル回動機構30Aと、を備えている。パネル回動機構30Aは、筐体外面11に設けられる円筒形状の内周面を有する筐体側受部31Aと、操作パネル20に基端面21に設けられる円筒形状の外周面を有するパネル側挿入部32Aと、を備え、パネル側挿入部32Aを筐体側受部31Aに挿通することで操作パネル20が筐体10に保持されている。そして、筐体側受部31Aの内周面には、径内方向に突出する第一ピン51、および第一ピン51より突出寸法が大きい第二ピン52が設けられており、パネル側挿入部32Aには、これら第一ピン51および第二ピン52を位置決めする溝部311Aと、第二ピン52のみの移動を規制可能なストッパ60Aと、が設けられている。
このため、第一の実施の形態と同様に、第一ピン51および第二ピン52を溝部311Aから外し、パネル側挿入部32Aの端面40Aに沿わせることで、パネル側挿入部32Aを筐体側受部31Aに対して回動させることができ、操作パネル20をプロジェクタ1の設置状態に応じて回動させることができる。したがって、図1に示すような水平設置から図2に示すような天吊り設置に変更した場合でも、図3に示すように、操作パネル20の向きを水平設置と同じ向きに容易に合わせることができ、操作パネル20の操作性を向上させることができる。また、第一ピン51および第二ピン52を溝部311Aに挿通させることで、操作パネル20の回動を規制して、所定位置に位置決めすることができる。
さらに、パネル側挿入部32Aの端面40Aに、第二ピン52のみが当接可能なストッパ60Aが設けられている。このため、パネル側挿入部32Aの回動可能角度が360度以上回転することがなく、リード線の断線やねじれを防止することができる。
【0048】
また、パネル側挿入部32Aの円筒壁が肉厚に形成され、溝部311Aが円筒壁の内外を連通していないため、第一ピン51および第二ピン52が溝部311Aに挿通された際に、突出先端が配線孔41に突出せず、操作パネル20および制御回路部を接続するリード線に干渉しない。したがって、第二ピン52とリード線との接触によるリード線の断線などの不都合を防止することができる。
さらに、ストッパ60Aは、パネル側挿入部32Aの端面40Aにおいて、円筒内周縁近傍から、筐体外面11A側に突出形成されている。すなわち、ストッパ60Aがパネル側挿入部32Aの内周側である配線孔41に設けられていないため、配線孔41におけるリード線の配置スペースが圧迫されず、配線作業が容易になる。
【0049】
〔第三の実施の形態〕
次に、本発明の第三の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図8は、第三の実施の形態に係るプロジェクタにおけるパネル回動機構の概略構成を示す側面図である。
上記第一の実施の形態では、操作パネル20の基端面21に外周凸部であるパネル側挿入部32が設けられ、筐体外面11に内周凹部である筐体側受部31が設けられる構成を示したが、第三の実施の形態のパネル回動機構30Bでは、操作パネル20の基端面21に内周凹部であるパネル側受部33が設けられ、筐体外面11に外周凸部である筐体側挿入部34が設けられる
すなわち、第三の実施の形態のパネル回動機構30Bでは、操作パネル20に設けられる略円筒状のパネル側受部33の内周部に、筐体10に設けられる略円筒状の筐体側挿入部34が挿通される。
【0050】
具体的には、パネル回動機構30Bのパネル側受部33は、筐体外面11に対向する端面40Bから基端面21に向かって円筒壁の内外を連通する複数の溝部311Bを備えている。これらの溝部311Bは、上述した溝部311,311Aと同様であり、90度間隔で形成されており、また、各溝部311Bは、それぞれ挿通案内部312および係止案内部313を備えて構成されている。
また、パネル側受部33の内周面には、長手方向(円筒軸方向)の中間位置に、内周側に突出する抜止部321Bが設けられている。この抜止部321Bとしては、例えば、パネル側受部33の内周面円周方向に亘ってリング状に形成されていてもよく、所定間隔おきに複数の突起部が形成される構成としてもよい。
さらに、パネル側受部33の外周面には、筐体10側の端面40Bよりも筐体10側に突出するストッパ60Bが設けられている。
【0051】
一方、筐体側挿入部34は、円筒内周部に配線孔41が形成される。また、筐体側挿入部の操作パネル20側の端部には、外径方向に突出する円筒状の抜止突出部341が形成されている。ここで、抜止突出部341および抜止部321Bにより本発明の脱落防止部が構成される。この抜止突出部341は、パネル側受部33における抜止部321Bおよび操作パネル20の基端面21の間に配置され、操作パネル20およびパネル側受部33が筐体10から離れる方向に所定量だけ引き出された際、抜止部321Bの操作パネル20に対向する上端面に当接して、パネル側受部33の移動を規制する。
また、この抜止突出部341は、パネル側受部33の内周面に摺接する摺接外周面323を備えている。そして、この摺接外周面323をパネル側受部33の内周面に摺接させることで、パネル側受部33は、筐体側挿入部34に対して、円筒軸方向に進退可能となる。
さらに、筐体側挿入部34の外周面には、径外方向に突出する第一ピン51および第二ピン52が設けられている。これらの第一ピン51および第二ピン52は、上記第一および第二の実施の形態と同様に、180度間隔で配置されている。また、第一ピン51は、筐体側挿入部34の円筒中心から突出先端部までの突出寸法が、パネル側受部33の内周面の径寸法より大きく、円筒中心からストッパ60Bの径内側面60B1までの寸法より小さく形成されている。一方、第二ピン52は、筐体側挿入部34の円筒中心から突出先端部までの突出寸法が、円筒中心からストッパ60Bの径内側面60B1までの寸法より大きく形成されている。すなわち、第一ピン51および第二ピン52の突出寸法は、当該第一ピン51および第二ピン52がパネル側受部33の端面40Bに沿って移動可能な状態において、第一ピン51がストッパ60Bに干渉せず、第二ピン52のみがストッパ60Bに当接可能で、かつ第一ピン51および第二ピン52の双方が溝部311Bに挿通可能な寸法に形成されている。
【0052】
〔操作パネルの回動操作〕
上記のような第三の実施の形態のパネル回動機構30Bにおいても、上記第一および第二の実施の形態と同様の操作により操作パネルを回動させることができる。
すなわち、所定位置に位置決めされた操作パネル20を引張りながら僅かに回動させ、第一ピン51および第二ピン52を溝部311Bの挿通案内部312に移動させ、操作パネル20の円筒軸方向に沿う移動が可能な状態とする。この状態から、操作パネル20を引き出すことで、第一ピン51および第二ピン52が溝部311Bから外れ、パネル側受部33の端面40Bに沿う位置まで移動され、回動可能状態となる。この回動可能状態では、第一ピン51および第二ピン52が端面40Bに沿って移動可能となり、パネル側受部33が円筒軸を中心として回動可能となり、操作パネル20を回動させることが可能となる。この時、第二ピン52の突出先端がストッパ60Bの径内側面60B1よりも円筒内周側に突出するため、ストッパ60Bに当接可能となり、操作パネル20は、360度以上の回動が不可能となる。
【0053】
また、操作パネル20がさらに引き出された場合は、パネル側受部33の抜止部321Bの操作パネル20に対向する上端面が筐体側挿入部34の抜止突出部341に当接する。これにより、操作パネル20の引き出しが規制され、脱落が防止される。
【0054】
また、回動可能状態において、操作パネル20を例えば180度回転させることで、図2に示すような操作パネル20の設置状態を図3に示すような設置状態にすることができ、すなわち図1と同じ向きで操作パネル20の各操作ボタン22を操作可能となる。そして、この状態で操作パネル20を筐体10側に押し込むことで第一ピン51および第二ピン52が溝部311Bの挿通案内部312に挿通される。この状態では、操作パネル20の回動が規制され、操作パネル20の回動操作が不能となる。また、第一ピン51および第二ピン52を係止案内部313に係止させることで、操作パネル20が筐体10に位置決めされる。
【0055】
〔第三の実施の形態の作用効果〕
上述したように、上記第三の実施の形態のプロジェクタ1は、筐体10と、操作パネル20と、操作パネル20を筐体10に係止するパネル回動機構30Bと、を備えている。パネル回動機構30Bは、操作パネル20に設けられる円筒形状の内周面を有するパネル側受部33と、筐体10に設けられる円筒形状の外周面を有する筐体側挿入部34と、を備え、筐体側挿入部34をパネル側受部33に挿通することで、操作パネル20が筐体10に保持されている。そして、筐体側挿入部34の内周面には、径外方向に突出する第一ピン51、および第一ピン51より突出寸法が大きい第二ピン52が設けられており、パネル側受部33には、これら第一ピン51および第二ピン52を位置決めする溝部311Bと、第二ピン52のみの移動を規制可能なストッパ60Bと、が設けられている。
このため、上述した第一および第二の実施の形態と同様に、第一ピン51および第二ピン52を溝部311Bから外し、パネル側受部33の端面40Bに沿わせることで、パネル側受部33を筐体側挿入部34に対して回動させることができ、操作パネル20をプロジェクタ1の設置状態に応じて回動させることができる。したがって、図1に示すような水平設置から図2に示すような天吊り設置に変更した場合でも、図3に示すように、操作パネル20の向きを水平設置と同じ向きに容易に合わせることができ、操作パネル20の操作性を向上させることができる。また、第一ピン51および第二ピン52を溝部311Bに挿通させることで、操作パネル20の回動を規制して、所定位置に位置決めすることができる。
さらに、パネル側受部33の端面40Bに、第二ピン52のみが当接可能なストッパ60Bが設けられているため、パネル側受部33の回動可能角度が360度以上回転することがなく、リード線の断線やねじれを防止することができる。
【0056】
〔第四の実施の形態〕
次に、本発明の第四の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図9は、第四の実施の形態に係るプロジェクタにおけるパネル回動機構の概略構成を示す側断面図である。
上記第三の実施の形態では、パネル側受部33に位置決め部である溝部311Bが設けられ、筐体側挿入部34に第一ピン51および第二ピン52が設けられる構成としたが、第四の実施の形態では、筐体側挿入部34Cに位置決め部である溝部311Cが設けられ、パネル側受部33Cに第一ピン51および第二ピン52が設けられる。
【0057】
具体的には、第四の実施の形態のパネル回動機構30Cでは、操作パネル20の基端面21に設けられる略円筒状のパネル側受部33Cと、筐体外面11に設けられる略円筒状の筐体側挿入部34Cと、を備え、筐体側挿入部34Cがパネル側受部33Cの内周部に挿通されている。
【0058】
筐体側挿入部34Cは、円筒軸方向の中間位置に、外周面から径外方向に突出する抜止突出部341Cを備えている。また、筐体側挿入部34Cは、円筒中心軸に沿って配線孔41が備え、この配線孔41には、操作パネル20と制御回路部とを接続するリード線が配線されている。
そして、筐体側挿入部34Cの外周面には、操作パネル20の基端面21に対向する端面40Cから筐体10側に向かって、位置決め部としての複数の長手状の溝部311Cを備えている。これらの溝部311Cは、第一ないし第三の実施の形態の溝部311,311A,311Bと同様に、90度間隔で4箇所設けられている。また、これらの溝部311Cは、第一ないし第三の実施の形態と同様に、挿通案内部312と、一対の係止案内部313と、を備えている。ここで、第三の実施の形態の筐体側挿入部34Cは、第二の実施の形態と同様に、円筒壁が肉厚に形成され、溝部311Cは、この筐体側挿入部34Cの円筒壁の内外を連通することなく、第一ピン51および第二ピン52が挿入可能な最小限の所定深さ寸法に形成されている。
また、筐体側挿入部34Cの端面40Cには、円筒内周縁近傍から操作パネル20側に突出するストッパ60Cが設けられている。
また、筐体側挿入部34Cの長手方向(円筒軸方向)の中間位置には、径外方向に突出する抜止突出部341Cが形成されている。この抜止突出部341Cは、円筒状に形成されており、その周面に摺接外周面323が形成され、パネル側受部33Cの内周面に摺接している。これにより、パネル側受部33Cは、円筒軸方向に沿って移動可能に保持される。
【0059】
パネル側受部33Cは、筐体10側の端部に、内周側に突出する抜止部321Cを備えている。また、パネル側受部33Cの内周面における操作パネル20側には、第一ピン51および第二ピン52が径内方向に向かって突設されている。これらの第一ピン51および第二ピン52は、第一ないし第三の実施の形態と略同様に、互いに筐体側受部31Aの円筒中心軸に対して対称となる位置、すなわち180度間隔で配設されている。ここで、第一ピン51は、パネル側受部33Cの内周面から突出先端部までの突出寸法が、パネル側受部33Cの内周面から筐体側挿入部34Cの外周面までの寸法より大きく、パネル側受部33Cの内周面からストッパ60Cの径外側面60C1までの寸法より小さく形成されている。一方、第二ピン52は、パネル側受部33Cの内周面から突出先端部までの突出寸法が、パネル側受部33Cの内周面からストッパ60Cの径外側面60C1までの寸法より大きく、パネル側受部33Cの内周面から溝部311Cの溝底までの寸法より小さく形成されている。すなわち、第一ピン51および第二ピン52の突出寸法は、当該第一ピン51および第二ピン52が筐体側挿入部34Cの端面40Cに沿って移動可能な状態において、第一ピン51がストッパ60Cに干渉せず、第二ピン52のみがストッパ60Cに当接可能で、かつ第一ピン51および第二ピン52の双方が溝部311Cに挿通可能な寸法に形成されている。
【0060】
〔操作パネルの回動操作〕
次に、上記のようなパネル回動機構30Cの動作について説明する。
【0061】
第四の実施の形態のプロジェクタ1においても、上記第一ないし第三の実施の形態と同様に、操作パネル20を回動させるために、まず、所定位置に位置決めされた操作パネル20を引張りながら僅かに回動させ、第一ピン51および第二ピン52を溝部311Cの挿通案内部312に移動させ、操作パネル20の円筒軸方向に沿う移動が可能な状態とする。この状態から、操作パネル20を引き出すことで、第一ピン51および第二ピン52が溝部311Cから外れ、パネル側挿入部32Cの端面40Cに沿う位置まで移動され、回動可能状態となる。この時、第二ピン52の突出先端がストッパ60Cの径外側面60C1よりも円筒内周側に突出するため、ストッパ60Cに当接可能となり、操作パネル20は、360度以上の回動が規制される。
【0062】
また、操作パネル20がさらに引き出された場合は、パネル側受部33Cの抜止部321Cの操作パネル20に対向する上端面が筐体側挿入部34Cの抜止突出部341Cに当接する。これにより、操作パネル20の引き出しが規制され、脱落が防止される。
【0063】
また、回動可能状態において、操作パネル20の設置状態を調整した後、操作パネル20を筐体10側に押し込むことで第一ピン51および第二ピン52が溝部311Cの挿通案内部312に挿通される。この状態では、操作パネル20の回動が規制され、操作パネル20の回動操作が不能となる。さらに、第一ピン51および第二ピン52を係止案内部313に係止させることで、操作パネル20が筐体10に位置決めされる。
【0064】
〔第四の実施の形態の作用効果〕
上述したように、上記第四の実施の形態のプロジェクタ1は、筐体10と、操作パネル20と、操作パネル20を筐体10に係止するパネル回動機構30Cと、を備えている。パネル回動機構30Cは、操作パネル20に設けられる円筒形状の内周面を有するパネル側受部33Cと、筐体10に設けられる円筒形状の外周面を有する筐体側挿入部34Cと、を備え、筐体側挿入部34Cをパネル側受部33に挿通することで、操作パネル20を筐体10に保持している。そして、パネル側受部33Cの内周面には、径内方向に突出する第一ピン51、および第一ピン51より突出寸法が大きい第二ピン52が設けられており、筐体側挿入部34には、これら第一ピン51および第二ピン52を位置決めする溝部311Cと、第二ピン52のみの移動を規制可能なストッパ60Cと、が設けられている。
このため、上述した第一ないし第三の実施の形態と同様に、第一ピン51および第二ピン52を溝部311Cから外し、筐体側挿入部34Cの端面40Cに沿わせることで、パネル側受部33Cを筐体側挿入部34Cに対して回動させることができ、操作パネル20をプロジェクタ1の設置状態に応じて回動させることができる。したがって、図1に示すような水平設置から図2に示すような天吊り設置に変更した場合でも、図3に示すように、操作パネル20の向きを水平設置と同じ向きに容易に合わせることができ、操作パネル20の操作性を向上させることができる。また、第一ピン51および第二ピン52を溝部311Cに挿通させることで、操作パネル20の回動を規制して、所定位置に位置決めすることができる。
さらに、パネル側受部33Cの端面40Cに、第二ピン52のみが当接可能なストッパ60Cが設けられているため、パネル側受部33Cの回動可能角度が360度以上回転することがなく、リード線の断線やねじれを防止することができる。
【0065】
また、筐体側挿入部34Cの円筒壁が肉厚に形成され、溝部311Cが円筒壁の内外を連通していないため、上述した第二の実施の形態と同様に、第一ピン51および第二ピン52が溝部311Cに挿通された際に、突出先端が配線孔41に突出せず、操作パネル20および制御回路部を接続するリード線に干渉しない。したがって、断線などの不都合を防止することができる。
【0066】
〔他の実施の形態〕
なお、本発明は、以上説明した実施の形態に限定されず、本発明の目的を達せられる範囲で種々の改良、変形が可能である。
【0067】
例えば、上記実施の形態において、電子機器としてプロジェクタ1を例示したが、これに限定されない。すなわち、水平設置、天吊り設置、壁面に立てかける壁面設置、縦置きなど各種設置方法による設置が可能で、これらの設置方法に応じて操作パネルの向きが変わるいかなる電子機器に対しても本発明を適用することができる。
【0068】
また、上記第一および第四の実施の形態において、内周凹部を構成する筐体側受部31,31A、パネル側受部33,33Cが円筒形状に形成される構成を例示したが、これに限定されない。すなわち、内周凹部としては、外周凸部が内周側で回動可能な円筒状の内周面を有していればよく、例えば内周面が円筒状で外周面の断面形状が多角形である筒状部材であってもよい。
【0069】
また、同様に、外周凸部を構成するパネル側挿入部32,32A、筐体側挿入部34,34Cとしては、内周凹部の内周側で回動可能な構成であればよく、外周面が円筒状であり、リード線が挿通される内周が例えば断面多角形状の筒状に形成されているものであってもよい。さらには、外周凸部としては、内周凹部の内周側で回動可能な構成であればよい。したがって、例えば、上記第一ないし第四実施の形態のように、脱落防止部を構成する抜止部321,321A,抜止突出部341,341Cの摺接外周面が内周凹部の内周面に当接して、内周凹部と同軸上で回転可能な構成であれば、外周凸部の摺接外周面以外の部分が例えば断面多角形状に形成されていてもよい。
【0070】
また、上記第一の実施の形態において、抜止部321が傾斜面322と摺接外周面323とを備える笠形状に形成される構成を例示したが、これに限定されない。例えば第二の実施の形態のような抜止部321Aが形成される構成としてもよい。
【0071】
さらに、上記第一ないし第四の実施の形態において、第一ピン51および第二ピン52がそれぞれ円筒中心軸に対して対称となる位置、すなわち180度間隔で配置される構成を例示したが、これに限定されず、例えば第一ピン51が複数設け、これらの第一ピン51および第二ピン52の固定位置に対応して、溝部311を設ける構成としてもよい。
【0072】
また、第一の実施の形態において、ストッパ60を筐体側受部31の外周面に設ける構成とし、第三の実施の形態において、ストッパ60Cをパネル側受部33の外周面に設ける構成としたが、これに限らない。すなわち、第二ピン52のみが当接可能で、第一ピン51が当接しない構成であれば、いかなる位置に設けられていてもよく、例えば第二および第四の実施の形態のように、端面40,40Cにストッパ60,60Cが設けられる構成としてもよい。
【0073】
また、位置決め部として、溝部311,311A,311B,311Cを例示したが、例えば磁石により操作パネル20を筐体10に位置決めする構成などとしてもよく、また、溝部311,311A,311B,311C、および磁石を組み合わせるなどの構成としてもよい。
さらに、溝部311,311A,311B,311Cの係止案内部313として、第一係止案内部313Aおよび第二係止案内部313Bを備える構成としたが、例えば、上記のように磁石による位置決めをも実施する場合では、重力などによる一方向の応力が加わったとしても操作パネル20が回動することがない。したがって、係止案内部313として、挿通案内部312から円周方向に延出する溝(第二係止案内部)のみを形成してもよい。
【0074】
そして、上記第二および第四実施の形態において、パネル側挿入部32Aおよび筐体側挿入部34Cの円筒壁の肉厚を大きくし、溝部311A,311Cを、内外を連通させない構成とすることで、配線孔41のリード線を保護する構成としたが、これに限定されない。例えば、配線孔41にパイプを連通させ、このパイプ内にリード線を配置するなどすることで、溝部311A,311Cがパネル側挿入部32Aおよび筐体側挿入部34Cの円筒壁内外を連通する構成であっても、第一ピン51および第二ピン52の接触による断線などを防止することができる。また、第二ピン52の突出先端がパネル側挿入部32Aおよび筐体側挿入部34Cの内周面である配線孔41に突出しない構成としてもよい。
【0075】
以上、本発明を実施するための最良の構成について具体的に説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、当業者が様々な変形および改良を加えることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明に係る第一の実施の形態のプロジェクタを水平設置した状態の概略構成を示す斜視図である。
【図2】第一の実施の形態のプロジェクタを天吊り設置した状態の概略構成を示す斜視図である。
【図3】図2において、操作パネルの姿勢を調整した後の、プロジェクタの概略構成を示す斜視図である。
【図4】パネル回動機構の概略構成を示す斜視図である。
【図5】パネル回動機構の正面図、平面図、および側面図である。
【図6】操作パネルの回動操作時のパネル回動機構の状態を示す図であり、(A)は、操作パネルが位置決めされた係止状態を示す側面図、(B)は、操作パネルを引き出した回動可能状態を示す側面図、(C)は、脱落防止部による抜け落ちが防止された状態を示す側面図である。
【図7】第二の実施の形態に係るプロジェクタにおけるパネル回動機構の概略構成を示す側断面図である。
【図8】第三の実施の形態に係るプロジェクタにおけるパネル回動機構の概略構成を示す側面図である。
【図9】第四の実施の形態に係るプロジェクタにおけるパネル回動機構の概略構成を示す側断面図である。
【符号の説明】
【0077】
1…電子機器としてのプロジェクタ、10…筐体、11…筐体外面、20…操作手段としての操作パネル、21…基端面、30,30A,30B,30C…係止手段としてのパネル回動機構、31,31A…内周凹部としての筐体側受部、32,32A…外周凸部としてのパネル側挿入部、33,33C…内周凹部としてのパネル側受部、34,34C…外周凸部としての筐体側挿入部、51…第一ピン、52…第二ピン、60,60A,60B,60C…ストッパ、311,311A,311B,311C…位置決め部としての溝部、312…挿通案内部、313…係止案内部、314,314A…脱落防止部を構成する抜止フランジ、321,321A,321B,321C…脱落防止部を構成する抜止部、341,341C…脱落防止部を構成する抜止突出部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、この筐体の外面に設けられる操作手段と、筐体外面に前記操作手段を回転可能に係止する係止手段と、を備えた電子機器であって、
前記係止手段は、
前記筐体外面および前記操作手段の筐体外面に対向する基端面のうちいずれか一方に設けられる円筒状の外周面を有する外周凸部と、
前記筐体外面および前記基端面のうち、前記外周凸部が設けられていない他方に設けられるとともに、円筒状の内周面を有し、内周部において前記外周凸部のうち少なくとも一部を挿通可能な内周凹部と、
前記外周凸部の外周面および前記内周凹部の内周面のうちいずれか一方に、他方に向かって突設される少なくとも1本以上の第一ピンと、
前記外周凸部の外周面および前記内周凹部の内周面のうちいずれか一方に、他方に向かって突設されるとともに、前記第一ピンよりも突出寸法が大きい第二ピンと、
前記外周凸部および前記内周凹部のうち、前記第一ピンおよび第二ピンが設けられていない他方の円筒軸方向の端面に設けられ、前記第二ピンにのみ係合可能なストッパと、
前記外周凸部および前記内周凹部を所定位置で位置決めする位置決め部と、
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
前記第一ピンおよび前記第二ピンは、前記外周凸部の外周面に設けられ、
前記ストッパは、前記内周凹部に設けられる
ことを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項2に記載の電子機器において、
前記外周凸部は、前記操作手段の前記基端面に設けられ、
前記内周凹部は、前記筐体外面に設けられる
ことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電子機器において、
前記位置決め部は、前記外周凸部の円筒外周面および前記内周凹部の円筒内周面のうち、前記第一ピンおよび第二ピンが設けられていない他方に設けられるとともに、前記第一ピンおよび前記第二ピンを挿通可能な溝部であり、
前記溝部は、前記外周凸部および前記内周凹部のうち、前記第一ピンおよび第二ピンが設けられていない他方の端面から、円筒軸方向に延びる挿通案内部と、前記挿通案内部における前記端面から離隔する一方端から、前記外周凸部または前記内周凹部の円周方向に沿って延出する係止案内部と、を備える
ことを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電子機器において、
前記外周凸部および前記内周凹部のうち、少なくともいずれか一方は、前記内周凹部から前記外周凸部の脱落を防止する脱落防止部を備える
ことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−186114(P2010−186114A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−31011(P2009−31011)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】