説明

電子機器

【課題】動作不良を引き起こすことなく、電子機器の表示装置や入力装置の除菌及び電子機器周辺の空気清浄を行えるようにする。
【解決手段】表示部を備える第1筺体、操作入力部を備える第2筺体及び両筺体を結合するヒンジ部を含む折り畳み構造の電子機器であって、除菌を行うためのオゾン及び空気清浄を行うためのマイナスイオンを発生させるイオン発生手段を有し、イオン発生手段は、電子機器が開状態かつ電源ON状態の場合に電子機器から離間する方向にマイナスイオンを発生し、電子機器が閉状態かつ電源OFF状態の場合に両筺体が向い合う面に向けてオゾンを発生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関し、特に、ノート型PCや携帯ゲーム機器等の折り畳み構造を有する電子機器に好ましく適用される技術で、該電子機器に除菌機能や空気清浄機能を付加するための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザの清潔志向を反映して、PCやゲーム機器等の情報端末、テレビやビデオレコーダ等のAV機器、コピー機やプリンタ等の事務機器といった不特定多数のユーザにより操作される電子機器において、操作部に抗菌処理が施されているものが多く提供されている。例えば特許文献1では、ノート型PC等の電子機器におけるデータ表示装置やデータ入力装置の除菌処理に関する発明が開示されている。当該発明では、ノート型PCのディスプレイ、キーボード、ポインティングデバイス等に対して、光に反応して除菌を行う光触媒をコーティングしておき、これらの装置にバックライトの光を照射することで除菌処理を行っている。
【0003】
ところで、最近では、空気中の分子をプラスあるいはマイナスに帯電させてイオン化するイオン発生素子の開発が盛んに行われており、本格的な実用化がされつつある。また、このイオン発生素子はオゾンを発生することもでき、その場合はオゾンと同時にマイナスイオンも発生する。マイナスイオンは空気清浄、消煙、除電といった様々な効果をもたらし、オゾンは除菌、除臭、防ダニ等の機能を発揮する。家電分野では、空気清浄機やエアコンの集塵システム、冷蔵庫や掃除機の除菌・消臭システムに利用され始めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−339292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
不特定多数のユーザが操作する可能性のあるPC等の電子機器について、除菌だけでなく空気清浄機能も発揮させたい場合、特許文献1に開示された抗菌処理では対応できず、除菌及び空気清浄が可能なイオン発生技術を利用することが望ましい。しかしながら、上述したように、マイナスイオンは空気清浄だけでなく除電の効果も同時に働くため、利用にあたって以下の点を考慮する必要がある。
【0006】
一般に、オゾンによる除菌はキーボードやポインティングデバイスに対して行い、マイナスイオンによる空気清浄は電子機器周辺(例えば操作ユーザ等)に対して行うものである。PC電源ON時にマイナスイオンを操作ユーザに向けて発生させ空気清浄を行っても、PCに与える影響はない。しかし、PC電源ON時にオゾンを発生させてキーボードやポインティングデバイスの除菌を行う場合、同時に発生するマイナスイオンが、特に低電圧回路に影響を及ぼし、動作不良を引き起こす可能性があるため、PCのシステム動作中にオゾンによる電子機器の除菌を行うことは好ましくない。
【0007】
そこで、本発明は、動作不良を引き起こすことなく、電子機器の表示装置や入力装置の除菌及び電子機器周辺の空気清浄を行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電子機器は、表示部を備える第1筺体、操作入力部を備える第2筺体及び両筺体を結合するヒンジ部を含む折り畳み構造の電子機器であって、除菌を行うためのオゾン及び空気清浄を行うためのマイナスイオンを発生させるイオン発生手段を有し、イオン発生手段は、電子機器が開状態かつ電源ON状態の場合に電子機器から離間する方向にマイナスイオンを発生し、電子機器が閉状態かつ電源OFF状態の場合に両筺体が向い合う面に向けてオゾンを発生する。
【0009】
また、本発明の電子機器は、上記電子機器において、電子機器の開閉状態に応じて、イオン発生手段のオゾン又はマイナスイオンの出力方向を切り替える方向切り替え手段を有するように構成してもよい。
【0010】
また、本発明の電子機器は、上記電子機器において、方向切り替え手段が、イオン発生手段、第1筺体及び第2筺体に配置した磁石間の磁力を利用してイオン発生手段の出力方向を切り替えるようにしてもよい。
【0011】
また、本発明の電子機器は、上記電子機器において、方向切り替え手段が、電子機器の開閉動作で生じるヒンジ部の回転力を利用してイオン発生手段の出力方向を切り替えるようにしてもよい。
【0012】
また、本発明の電子機器は、上記電子機器において、方向切り替え手段が、電子機器の開閉状態に基づいて駆動するアクチュエータの動力を利用してイオン発生手段の出力方向を切り替えるようにしてもよい。
【0013】
また、本発明の電子機器は、上記電子機器において、電子機器の開閉状態及び電源状態に応じて、イオン発生手段のオゾン又はマイナスイオンの発生機能を切り替える機能切り替え手段を有するように構成してもよい。
【0014】
また、本発明の電子機器は、上記電子機器において、電子機器が開状態から閉状態になった場合に電源ON状態から電源OFF状態に切り替え、電子機器が閉状態から開状態になった場合に電源OFF状態から電源ON状態に切り替える機器電源制御手段を有するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、動作不良を引き起こすことなく、電子機器の表示装置や入力装置の除菌及び電子機器周辺の空気清浄を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係るノート型PCの全体構成を示した図である。
【図2】イオン発生原理を説明するための図である。
【図3】本発明の実施形態に係るイオン発生装置の構成を示した図である。
【図4】本発明の実施形態に係るノート型PCのイオン発生方向切り替え構造を示した図である。
【図5】本発明の実施形態に係るノート型PCの発生モード切り替えの流れを示したフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態における機器状態とイオン発生方向及びイオン発生モードとの対応関係を示した図である。
【図7】本発明の実施形態に係るノート型PCのイオン発生機能を説明するための図である。
【図8】本発明の実施形態に係るノート型PCのイオン発生方向切り替え構造を示した図である。
【図9】本発明の実施形態に係るノート型PCの全体構成を示した図である。
【図10】本発明の実施形態に係るノート型PCのイオン発生方向切り替え構造を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
[第1実施形態]
本発明の第1の実施形態は、イオン発生装置を搭載したノート型PCで、ディスプレイやキーボード等へのオゾンによる除菌とマイナスイオンによるPC周辺の空気清浄とをイオン発生装置で行う。また、磁石を利用してイオン発生装置のマイナスイオン/オゾン出力方向を切り替える機構を備えたものである。
【0019】
図1は、本実施形態のノート型PCの全体構成を示した図である。本実施形態のノート型PC(以下、PCという)は、CPU10、RAM20、ROM30、割り込み制御部40、ディスク制御部50、ディスク装置51、液晶制御部60、液晶表示装置61、入力制御部70、キーボード71、マウス72、電源制御部80、電源ボタン81、システムステート制御部90、LCD開閉検出部91、イオン発生装置92を有して構成される。上記の各部は、システムバス100に接続され、このシステムバス100を介してデータのやり取りを行う。
【0020】
CPU10は、ROM30に格納された制御プログラムやアプリケーションプログラム等に従って、ノート型PCの全体動作やアプリケーション等の制御を行う。RAM20は、CPU10による動作制御の際に利用される作業用の記憶領域を有する。ROM30は、制御プログラムやアプリケーションプログラム等を格納する記憶領域を有する。割り込み制御部40は、複数のタスク間で実行される処理の割り込みを制御する。
【0021】
ディスク制御部50は、画像データや映像データ等の各種データを保存するための外部記憶装置であるディスク装置51を制御する。液晶制御部60は、PCのディスプレイである液晶表示装置61の表示制御を行う。入力制御部70は、データ入力装置であるキーボード71及びマウス72を制御する。なお、マウス72には、例えばキーボード71の下部に配置されるポインティングデバイス等の、PCに一体となって搭載される入力装置が含まれる。
【0022】
システムステート制御部90は、PCの電源状態やディスプレイ(液晶表示装置61)の開閉状態を監視し、これらの状態に応じてイオン発生機能の制御を行う。すなわち、システムステート制御部90は、システムへの電源供給開始及び電源供給停止を行う電源制御部80からPC電源状態を取得し、ディスプレイの開閉状態を検出するLCD開閉検出部91から開閉状態を取得し、電源状態と開閉状態に基づいて、イオン発生装置92のマイナスイオン/オゾン発生のモード変更を制御する。
【0023】
ディスプレイ、キーボード、ポインティングデバイスに対するオゾンを用いた除菌は、上述したマイナスイオンの除電効果を考慮して、PCが電源OFF中に各デバイスに向けて発生したオゾンを放射することが望ましい。一方、PC周辺の空気清浄は除菌が行われている以外の時(つまり電源ON状態)になされることになる。上記から、システムステート制御部90は、イオン発生装置92のイオン発生モードを、PCが電源OFF状態に除菌のためのオゾンを発生させるモード(オゾンモード)に切り替え、PCが電源ON状態に空気清浄のためのマイナスイオンを発生させるモード(マイナスイオンモード)に切り替える。
【0024】
イオン発生装置92は、図2に示すような、鋭利な電極に高電圧を印加することで強電界を局部集中させ電極周辺の空気分子を励起してイオン化するイオン発生原理を応用して、空気分子を効率良くイオン化する装置である。図3にイオン発生装置92の構成を示す。イオン発生装置92は、発生制御部921、電圧供給部922、可変抵抗部923、電極部924を有して構成される。
【0025】
発生制御部921は、システムステート制御部90からの命令に従って、イオン発生モードをマイナスイオンモードとオゾンモードの2モード間で切り替える。ここで、マイナスイオンの発生量は印加電圧や電流等には無関係に一定であり、オゾンの発生量は印加電圧や電流等に応じて変化することが知られている。つまり、イオン発生装置92に電圧を印加することでマイナスイオンとオゾンはともに発生するが、オゾンの発生量が印加電圧によって異なる。本実施形態では、オゾンの濃度が1ppm以上となるイオン発生モードをオゾンモードとし、オゾンの濃度が0.05ppm以下となるイオン発生モードをマイナスイオンモードとしている。
【0026】
また、本実施形態では、電極に流れる電流の値を調整することでイオン発生モードを切り替える方法を採用する。具体的には、電圧供給部922により一定の電圧をイオン発生装置92に印加し、発生制御部921の命令を受けて可変抵抗部923の抵抗値を調整し、電極部924への電流値を制御する。発生制御部921は、システムステート制御部90からマイナスイオンモードに切り替える指示を受けた場合、可変抵抗部923の抵抗値を大きくして電極部924への電流値を小さくし、オゾン濃度が0.05ppmとなるようにする。逆に、オゾンモードに切り替える指示を受けた場合、発生制御部921は、可変抵抗部923の抵抗値を小さくして電極部924への電流値を大きくし、オゾン濃度が1ppm以上となるようにする。上記のような電流制御による方法の他に、発生回路に印加する電圧を調整する方法、針電極の長さや電極の距離(配置)を調整する方法がある。
【0027】
図4は、本実施形態のPCのイオン発生方向切り替え構造を示した図である。本実施形態では、ディスプレイを搭載した上部筺体、キーボードを搭載した下部筺体、イオン発生装置に磁石(永久磁石)を取り付け、これらの磁石間に磁力を利用してイオン発生装置の出力方向の切り替えを行う。イオン発生装置は、ユーザの操作に影響がない場所として、PCの内部に配置するのが好ましいが、これに限られるものではない。図4では下部筺体におけるヒンジ部とは反対側の端部近くにイオン発生装置を配置しているが、配置場所は下部筺体におけるヒンジ部近辺でも上部筺体の中でもよい。また、磁力を発生させる磁石として電磁石を用いることも可能である。
【0028】
N極の磁石は、上部筺体におけるヒンジ部とは反対側の端部近くとイオン発生装置に取り付け、S極の磁石は、下部筺体におけるヒンジ部とは反対側の端部近くでイオン発生装置の配置場所の下方に取り付ける。上部筺体(ディスプレイ)が開いている状態では、図4(a)に示すように、イオン発生装置のN極磁石とその下方のS極磁石とが引き合って、イオン発生装置の出力方向が端末外側(PCから離間する方向(操作するユーザのいる方向))となる。一方、上部筺体(ディスプレイ)が閉じている状態では、図4(b)に示すように、イオン発生装置のN極磁石と上部筺体のN極磁石が反発して、イオン発生装置の出力方向が端末内側(両筺体が向い合う面(ディスプレイやキーボード等の配置面))となる。
【0029】
図5は、本実施形態におけるイオン発生モードの切り替え処理の流れを示したフローチャートである。電源制御部80は、電源ONあるいは電源OFFとなったタイミングで電源状態をシステムステート制御部90に通知する。また、LCD開閉検出部91は、ディスプレイ(LCD)が開状態あるいは閉状態となったタイミングで開閉状態をシステムステート制御部90に通知する。システムステート制御部90は、電源制御部80あるいはLCD開閉検出部91から端末状態情報を取得したタイミングで、後述するモード切り替え判定を行う。
【0030】
電源制御部80及びLCD開閉検出部91からの端末状態情報が電源ON状態かつLCD開状態の場合(ステップS1/YES、ステップS2/YES)には、イオン発生装置92に対して、マイナスイオンモードに切り替える命令を出す(ステップS4)。電源制御部80及びLCD開閉検出部91からの端末状態情報が電源OFF状態かつLCD閉状態の場合(ステップS1/NO、ステップS3/YES)には、イオン発生装置92に対して、オゾンモードに切り替える命令を出す(ステップS5)。
【0031】
他方、端末状態情報が電源ON状態かつLCD閉状態の場合(ステップS1/YES、ステップS2/NO)、電源OFF状態かつLCD開状態の場合(ステップS1/NO、ステップS3/NO)は、イオン発生装置92に対して、イオン発生動作の停止命令を出す(ステップS6)。
【0032】
このように、本実施形態では、PC電源状態及びLCD開閉状態とイオン発生方向及びイオン発生機能(モード)の関係は、図6のシステム動作モード対応表のようにまとめることができる。PC電源がON状態でLCDが開状態のとき、イオン発生モードはマイナスイオンモードで出力方向は端末外側(操作ユーザ側)となる。一方、PC電源がOFF状態でLCDが閉状態のとき、イオン発生モードはオゾンモードで出力方向は端末内側(LCD、キーボード側)となる。
【0033】
また、本実施形態のPCにおける空気清浄及び除菌を図で示すと図7のようになる。LCDが開いている状態では、図7(c)のようにイオン発生装置の出力方向は操作ユーザ側で、図7(a)のようにイオン発生装置はマイナスイオンモードに切り替わり、ユーザ周辺の空気清浄を行う。LCDが閉じている状態では、図7(d)のようにイオン発生装置の出力方向はLCDやキーボードの側で、図7(b)のようにイオン発生装置はオゾンモードに切り替わり、LCDやキーボード、ポインティングデバイス(スライドパッド)の除菌を行う。
【0034】
なお、本実施形態では、マイナスイオンモードは電源ON状態かつLCD開状態のみ、オゾンモードは電源OFF状態かつLCD閉状態のみとしたが、電源ON時にPCに向けてイオン発生を行わないこと及びLCDやキーボードに向けてオゾン除菌を行うことに従う限り、上記2つに限られない。例えば、電源OFF状態で開状態の場合にマイナスイオンモードとするようにしてもよい。
【0035】
[第2実施形態]
本発明の第2の実施形態は、第1実施形態と同様の空気清浄機能と除菌機能を持ったイオン発生装置搭載PCだが、イオン発生方向切り替え構造が第1実施形態とは異なる。第2実施形態のPCは、ディスプレイの開閉動作で生じるヒンジ部の回転力を利用してイオン発生装置のマイナスイオン/オゾン出力方向を切り替える機構を備える。
【0036】
上部筺体と下部筺体とを結合するヒンジ部にワイヤ巻き部材を設け、ワイヤの一端をこのワイヤ巻き部材に取り付け、他の一端をイオン発生装置の出力側端部に取り付ける。なお、イオン発生装置は、重りを付加したり、支持する位置を調整する等して、端末外側(PCから離間する方向(操作するユーザのいる方向))を向いている状態を初期状態(外部から力の加えられていない状態)とする。
【0037】
上部筺体(ディスプレイ)が開いている状態では、図8(a)に示すように、ワイヤはワイヤ巻き部材に巻き取られておらず、イオン発生装置は初期状態にあるため出力方向が端末外側となる。一方、上部筺体(ディスプレイ)が閉じている状態では、図8(b)に示すように、ワイヤがワイヤ巻き部材に巻き取られるため、ワイヤに引っ張られたイオン発生装置の出力方向は端末内側(両筺体が向い合う面(ディスプレイやキーボード等の配置面))となる。
【0038】
[第3実施形態]
本発明の第3の実施形態は、第1実施形態や第2実施形態と同様の空気清浄機能と除菌機能を持ったイオン発生装置搭載PCだが、イオン発生方向切り替え構造が第1実施形態とは異なる。第3実施形態のPCは、ディスプレイの開閉状態に基づいて駆動するアクチュエータの動力を利用してイオン発生装置のマイナスイオン/オゾン出力方向を切り替える機構を備える。
【0039】
図9は、本実施形態のPCの全体構成を示した図である。図1と共通する箇所についての説明は省略し、相違する部分についてのみ述べることとする。本実施形態のPCは、上述したように、ディスプレイの開閉状態に応じてアクチュエータを駆動させ、その動力によりイオン発生装置の出力方向を切り替えるが、図1の構成に加えてイオン発生端子針向き制御部93を有する。イオン発生端子針向き制御部93は、例えばイオン発生端子の向きを切り替えるアクチュエータである。LCD開閉検出部91は、ディスプレイの開閉状態を検出してシステムステート制御部90に状態情報を通知し、システムステート制御部90は、LCD開閉検出部91からの開閉状態に基づいて、イオン発生端子針向き制御部93を駆動させる制御信号を送出する。イオン発生端子針向き制御部93は、システムステート制御部90からの制御信号に従って駆動し、イオン発生端子の向きを切り替える。
【0040】
システムステート制御部90は、図6の対応表に従って、ディスプレイが開状態の場合、イオン発生端子針向き制御部93に対して、図10(a)に示すようにイオン発生端子が端末外側(操作ユーザ側)に向くように駆動させる制御信号を送出する。また、ディスプレイが閉状態の場合、イオン発生端子針向き制御部93に対して、図10(b)に示すようにイオン発生端子が端末内側(ディスプレイやキーボード等の配置面)に向くように駆動させる制御信号を送出する。
【0041】
[第4実施形態]
本発明の第4の実施形態は、第1実施形態から第3実施形態と同様の空気清浄機能と除菌機能を持ったイオン発生装置搭載PCで、これらの実施形態に対して、PCの開閉状態に応じて電源状態を切り替える機器電源制御手段を付加したものである。機器電源制御手段は、PCが開状態から閉状態になったとき電源ON状態から電源OFF状態に切り替え、PCが閉状態から開状態になったとき電源OFF状態から電源ON状態に切り替える。本実施形態では、図1や図9の電源制御部80が機器電源制御手段に相当する。電源制御部80は、LCD開閉検出部から開閉状態の情報を取得し、電源のON/OFFを切り替える。
【0042】
本実施形態のPCは、機器電源制御手段を備えることで、ディスプレイの開閉動作により、イオン発生端子の向きの切り替えとイオン発生モードの切り替えを同時に行うことが可能である。
【0043】
なお、上述してきた実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。本発明が適用される電子機器は、表示部を持つ第1筺体と操作部を持つ第2筺体がヒンジ部で結合された折り畳み構造を持つものであれば、第1実施形態から第3実施形態として述べたノート型PCのほか、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話機、携帯ゲーム機等が挙げられる。
【符号の説明】
【0044】
10 CPU
20 RAM
30 ROM
40 割り込み制御部
50 ディスク制御部
51 ディスク装置
60 液晶制御部
61 液晶表示装置
70 入力制御部
71 キーボード
72 マウス
80 電源制御部
81 電源ボタン
90 システムステート制御部
91 LCD開閉検出部
92 イオン発生装置
93 イオン発生端子針向き制御部
921 発生制御部
922 電圧供給部
923 可変抵抗部
924 電極部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を備える第1筺体、操作入力部を備える第2筺体及び両筺体を結合するヒンジ部を含む折り畳み構造の電子機器であって、
除菌を行うためのオゾン及び空気清浄を行うためのマイナスイオンを発生させるイオン発生手段を有し、
前記イオン発生手段は、前記電子機器が開状態かつ電源ON状態の場合に前記電子機器から離間する方向に前記マイナスイオンを発生し、前記電子機器が閉状態かつ電源OFF状態の場合に前記両筺体が向い合う面に向けて前記オゾンを発生することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記電子機器の開閉状態に応じて、前記イオン発生手段の前記オゾン又は前記マイナスイオンの出力方向を切り替える方向切り替え手段を有することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記方向切り替え手段は、前記イオン発生手段、前記第1筺体及び前記第2筺体に配置した磁石間の磁力を利用して前記イオン発生手段の出力方向を切り替えることを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記方向切り替え手段は、前記電子機器の開閉動作で生じる前記ヒンジ部の回転力を利用して前記イオン発生手段の出力方向を切り替えることを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項5】
前記方向切り替え手段は、前記電子機器の開閉状態に基づいて駆動するアクチュエータの動力を利用して前記イオン発生手段の出力方向を切り替えることを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項6】
前記電子機器の開閉状態及び電源状態に応じて、前記イオン発生手段の前記オゾン又は前記マイナスイオンの発生機能を切り替える機能切り替え手段を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記電子機器が開状態から閉状態になった場合に電源ON状態から電源OFF状態に切り替え、前記電子機器が閉状態から開状態になった場合に電源OFF状態から電源ON状態に切り替える機器電源制御手段を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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