説明

電子機器

【課題】表示モジュールとカメラモジュールとの相対的な位置関係を精度よく定めることができる電子機器を得ることにある。
【解決手段】電子機器は、筐体、表示モジュール、ホルダーおよびカメラモジュールを備えている。前記筐体は、開口部が設けられた前面を有している。前記表示モジュールは、前記筐体に収容されているとともに、前記開口部に露出された画面を有している。前記ホルダーは、前記表示モジュールに固定されている。前記カメラモジュールは、前記筐体の外を撮像するように前記ホルダーに保持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、カメラモジュールを搭載した電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶テレビのような電子機器では、例えば視聴者を認識するカメラを搭載することが試されている。カメラは、液晶パネルと一緒に筐体の内部に収容されているとともに、筐体の前面から筐体の外の情報を取り込むようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−198990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、カメラが取り込んだ情報に基づいて液晶パネルに表示される映像情報を制御する場合、カメラと液晶パネルとの位置関係が重要となる。
【0005】
本発明の目的は、表示モジュールとカメラモジュールとの相対的な位置関係を精度よく定めることができる電子機器を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、電子機器は、筐体、表示モジュール、ホルダーおよびカメラモジュールを備えている。前記筐体は、開口部が設けられた前面を有している。前記表示モジュールは、前記筐体に収容されているとともに、前記開口部に露出された画面を有している。前記ホルダーは、前記表示モジュールに固定されている。前記カメラモジュールは、前記筐体の外を撮像するように前記ホルダーに保持されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施形態に係る液晶テレビの正面図。
【図2】実施形態に係る液晶表示モジュールの正面図。
【図3】図2のF3の箇所を拡大して示す正面図。
【図4】カメラホルダーにカメラモジュールを組み込んだ状態を示す斜視図。
【図5】カメラホルダーおよびカメラモジュールを分解して示す斜視図。
【図6】液晶表示モジュールの外枠とカメラモジュールが保持されたカメラホルダーとの位置関係を示す斜視図。
【図7】図1のF7−F7線に沿う断面図。
【図8】液晶表示モジュールの外枠とカメラホルダーとの位置関係を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について図1ないし図8を参照して説明する。
【0009】
図1は、電子機器の一例である液晶テレビ1を開示している。液晶テレビ1は、卓上スタンド2とテレビ本体3とを備えている。卓上スタンド2は、例えばテレビ台の設置面4の上に据え付けられているとともに、テレビ本体3を支持している。
【0010】
図1、図7および図8に示すように、テレビ本体3は、キャビネット6、フレーム7および液晶表示モジュール8で構成されている。キャビネット6は筐体の一例であって、フロントカバー10、バックカバー11および化粧パネル12を備えている。
【0011】
フロントカバー10は、合成樹脂製であり、第1ないし第4の縁部10a,10b,10c,10dを有している。第1の縁部10aおよび第3の縁部10cは、キャビネット6の幅方向に水平に延びているとともに、キャビネット6の高さ方向に互いに間隔を存して平行に配置されている。第2の縁部10bおよび第4の縁部10dは、キャビネット6の高さ方向に垂直に延びているとともに、キャビネット6の幅方向に互いに間隔を存して平行に配置されている。
【0012】
このため、第1ないし第4の縁部10a,10b,10c,10dは、互いに協働して四角い開口部13を規定している。
【0013】
バックカバー11は、合成樹脂製の四角い板である。バックカバー11は、フロントカバー10に組み合わされてフロントカバー10を背後から覆っている。
【0014】
化粧パネル12は、開口部13の下方でキャビネット6の全幅に亘って水平に延びている。化粧パネル12は、開口部13の下縁を規定する第1の縁部10aとバックカバー11の下縁部との間に跨っている。化粧パネル12は、フロントカバー10と協働してキャビネット6の前面6aを構成している。
【0015】
フレーム7は、液晶表示モジュール8を支持する要素であって、例えば板金材で構成されている。フレーム7は、バックカバー11の内面にねじ止めのような手段で固定されている。
【0016】
本実施形態の液晶表示モジュール8は、例えば専用の眼鏡を使用せずに3次元映像を再現するように構成された裸眼式の表示モジュールであって、前記キャビネット6の内部に収容されている。
【0017】
図2、図7および図8に示すように、液晶表示モジュール8は、液晶パネル15、光拡散板16、バックライト17および外枠18を備えている。液晶パネル15は、表示パネルの一例であって、映像を映し出す画面19を有している。画面19は、レンチキュラーシート20で覆われている。
【0018】
光拡散板16は、半透明な板であり、液晶パネル15の背面に配置されている。バックライト17は、液晶パネル15の背後に配置されて、光拡散板16と間隔を存して向かい合っている。
【0019】
外枠18は、液晶パネル15、光拡散板16およびバックライト17を取り囲んだ状態で、これら液晶パネル15、光拡散板16およびバックライト17を保持している。外枠18は、液晶パネル15の画面19を外れた液晶表示モジュール8の外周部に位置されている。さらに、外枠18は、例えば板金材のような金属材料で構成され、合成樹脂製のキャビネット6よりも剛性が高い。
【0020】
外枠18は、ベゼル22およびバックパネル23を備えている。ベゼル22は、液晶パネル15の画面19の周囲に位置されており、画面19を覆うレンチキュラーシート20の外周部がベゼル22の内面に接合されている。レンチキュラーシート20は、キャビネット6の開口部13からキャビネット6の外に露出されている。
【0021】
第1のフランジ部24がベゼル22の外周縁部に一体に形成されている。第1のフランジ部24は、ベゼル22の外周縁部からベゼル22の後方に向けて略直角に折り曲げられているとともに、ベゼル22の周方向に連続している。
【0022】
第1のフランジ部24は、水平部25を有している。水平部25は、液晶パネル15の下方を通って液晶パネル15の幅方向に延びている。一対のボス部26a,26bが水平部25に形成されている。ボス部26a,26bは、夫々水平部25から下向きに一体的に張り出すとともに、その突出端にフラットな支持面27を有している。さらに、ねじ孔28および位置決め用の通孔29が支持面27の中央部に一体に形成されている。
【0023】
図2および図3に示すように、ボス部26a,26bは、液晶パネル15の画面19の幅方向に互いに離れている。本実施形態では、画面19の幅方向に沿う中央を通って画面19の高さ方向に延びる中心線C1が、ボス部26a,26bの間に位置されている。
【0024】
図7および図8に示すように、バックパネル23は、バックライト17を背後から覆うように前記フレーム7の前面にねじ止め等の手段により固定されている。第2のフランジ部30がバックパネル23の外周縁部に一体に形成されている。第2のフランジ部30は、バックパネル23の外周縁部からバックパネル23の前方に向けて折り曲げられているとともに、バックパネル23の周方向に連続している。
【0025】
第2のフランジ部30のうち、液晶パネル15の下方を通って液晶パネル15の幅方向に延びる箇所に折り返し部31が一体に形成されている。折り返し部31は、第2のフランジ部30の先端からバックパネル23の後方に向けて直角に折り曲げられている。
【0026】
さらに、折り返し部31は、前記ボス部26a,26bを有する水平部25の上に位置されて、当該水平部25と向かい合っている。本実施形態では、回路部品32が水平部25と折り返し部31との間の隙間に収容されている。
【0027】
回路部品32は、内蔵物の一例であって、合成樹脂製のケース33と、ケース33の内部に収容された回路板34とで構成されている。回路部品32は、水平部25の上でボス部26a,26bの開口端を塞いでいる。
【0028】
一方、本実施形態に係る液晶テレビ1は、カメラモジュール40を搭載している。カメラモジュール40は、三次元映像を映し出す画面19に対し視聴者がどのあたりにいるのかを認識するための要素である。
【0029】
図4ないし図7に示すように、カメラモジュール40は、液晶表示モジュール8と一緒にキャビネット6の内部に収容されている。本実施形態によると、カメラモジュール40は、液晶表示モジュール8の下方に配置されている。
【0030】
カメラモジュール40は、モジュール基板41、カメラ42、複数のチップ部品43およびコネクタ44を備えている。
【0031】
モジュール基板41は、液晶パネル15の幅方向に延びる細長いプリント配線板で構成され、第1の面45aおよび第2の面45bを有している。第2の面45bは、第1の面45aの裏側に位置されている。
【0032】
カメラ42は、モジュール基板41の第1の面45aに半田付け等の手段により固定されて、モジュール基板41の長手方向に沿う一端部に位置されている。カメラ42は、撮像時の視野を定める前面レンズ46と、前面レンズ46を透過した光を受ける撮像素子47とを有している。さらに、カメラ42は、光軸F1を有している。光軸F1は、カメラ42の視野の中心を通って真っ直ぐに延びている。
【0033】
チップ部品43は、カメラ42の動作を制御するための要素であり、モジュール基板41の第1の面45aおよび第2の面45bに実装されている。
【0034】
コネクタ44は、モジュール基板41の第2の面45bに半田付け等の手段により固定されている。コネクタ44は、カメラハーネスを介して液晶パネル15を駆動する制御手段に電気的に接続されている。
【0035】
図4ないし図8に示すように、カメラモジュール40は、合成樹脂製のカメラホルダー50を介して液晶表示モジュール8の外枠18に固定されている。カメラホルダー50は、ホルダー本体51と押え板52とを備えている。
【0036】
ホルダー本体51は、前面パネル53を有している。前面パネル53は、モジュール基板41よりも一回り大きな長方形状であり、液晶パネル15の幅方向に延びている。
【0037】
フランジ部55が前面パネル53の一側縁部に形成されている。フランジ部55は、前面パネル53の一側縁部から略直角に折り曲げられている。一対のねじ挿入孔56a,56bおよび一対の円柱状の突起57a,57bがフランジ部55に形成されている。ねじ挿入孔56a,56bは、外枠18のボス部26a,26bのねじ孔28に対応するように、フランジ部55の長手方向に離れている。同様に、突起57a,57bは、ボス部26a,26bの通孔29に対応するように、フランジ部55の長手方向に離れている。
【0038】
カメラホルダー50のフランジ部55は、ボス部26a,26bの支持面27に突き合わされている。この際、突起57a,57bが通孔29に嵌合されて、ねじ挿入孔56a,56bがねじ孔28に同軸状に合致するようなっている。
【0039】
図6ないし図8に示すように、一対のねじ58がフランジ部55の下方からねじ挿入孔56a,56bに挿入されている。ねじ58は、ねじ挿入孔56a,56bを貫通してねじ孔28にねじ込まれている。
【0040】
このねじ込みにより、ホルダー本体51がベゼル22の水平部25に固定されているとともに、ホルダー本体51の前面パネル53がキャビネット6の内側で化粧パネル12の内面と向かい合うように起立されている。
【0041】
図8に最もよく示されるように、ホルダー本体51をベゼル22の水平部25に固定した状態では、ねじ58の先端58aがボス部26a,26bの内側に収まっている。言い換えると、ねじ58の先端58aがベゼル22の水平部25とバックパネル23の折り返し部31との間に突出しておらず、これら水平部25と折り返し部31との間に回路部品32を収めるスペースを充分に確保することができる。
【0042】
リブ状の壁部59がカメラホルダー50のフランジ部55に一体に形成されている。壁部59は、係合部の一例であり、フランジ部55からベゼル22の水平部25に向けて突出されている。壁部59は、ねじ挿入孔56a,56bの間でフランジ部55と直交する方向に延びている。
【0043】
壁部59は、ホルダー本体51をベゼル22の水平部25に固定した時に、液晶表示モジュール8の奥行き方向に沿うとともに、図3に示すようにボス部26a,26bの間で水平部25に突き当たっている。つまり、壁部59は、ボス部26a,26bと同じ高さを有している。
【0044】
この結果、ホルダー本体51が液晶表示モジュール8の高さ方向に首を振るように変位するのを防止でき、ホルダー本体51を外枠18の定位置にしっかりと固定できる。
【0045】
それとともに、図7および図8に示すように、ホルダー本体51は、キャビネット6のフロントカバー10の第1の縁部10aおよび化粧パネル12から離れている。この結果、ホルダー本体51とフロントパネル10の第1の縁部10aとの間およびホルダー本体51と化粧パネル12との間に夫々隙間が存在し、ホルダー本体51がキャビネット6から浮いた状態に保持されている。
【0046】
図5ないし図7に示すように、前面パネル53は、モジュール基板41が嵌まり込む実装領域61を有している。実装領域61は、モジュール基板41の外周縁を取り囲む第1ないし第4の壁部62a,62b,62c,62dで規定されている。第1ないし第4の壁部62a,62b,62c,62dは、前面パネル53から前面パネル53の後方に向けて突出されている。
【0047】
複数のガイド突部63が第1ないし第4の壁部62a,62b,62c,62dの内面に一体に形成されている。ガイド突起63は、第1ないし第4の壁部62a,62b,62c,62dから実装領域61に張り出している。ガイド突起63は、モジュール基板41の周方向に間隔を存して並んでいるとともに、モジュール基板41の外周縁に摺動可能に接している。
【0048】
第1の壁部62aは、起立されたモジュール基板41の上縁に沿って水平に延びている。同様に、第2の壁部62bは、起立されたモジュール基板41の下縁に沿って水平に延びている。
【0049】
第1の壁部62aと前面パネル53とで規定された角部に複数の第1の突起65が形成されている。第1の突起65は、第1の壁部62aの長手方向に間隔を存して並んでいる。
【0050】
第2の壁部62bと前面パネル53とで規定された角部に複数の第2の突起66が形成されている。第2の突起66は、第2の壁部62bの長手方向に間隔を存して並んでいる。図7に示すように、第1の突起65の先端および第2の突起66の先端は、夫々モジュール基板41の第1の面45aの外周部に突き当たっている。
【0051】
第1の突起65の先端は、第2の突起66の先端よりも前面パネル53の後方に位置されている。さらに、第1の突起65の先端および第2の突起66の先端は、鉛直線に対しホルダー本体51の下方に進むに従いホルダー本体51の前方に向けて傾いている。
【0052】
前記押え板52は、第1ないし第4の壁部62a,62b,62c,62dの先端に突き合わされて、実装領域61を前面パネル53の背後から覆っている。押え板52は、前面パネル53から突出されたねじ受け部67にねじ68を介して固定されている。
【0053】
それとともに、押え板52は、実装領域61に向けて突出された複数の第3の突起69を有している。第3の突起69の先端は、モジュール基板41の第2の面45bの外周部に突き当たっている。
【0054】
したがって、押え板52は、ホルダー本体51と協働してモジュール基板41を挟み込んでいる。これにより、カメラモジュール40がカメラホルダー50の定位置に保持されている。
【0055】
カメラモジュール40のカメラ42は、ホルダー本体51の前面パネル53に開けた通孔71を通じてカメラホルダー50の前方に向けて露出されている。さらに、前面パネル53の通孔71は、化粧パネル12に開口されたカメラ窓72からキャビネット6の前方に露出されている。カメラ窓72は、光透過性を有するレンズカバー73で塞がれている。
【0056】
本実施形態では、モジュール基板41に接する第1および第2の突起65,66の先端が傾いている。このため、図7に示すように、カメラモジュール40は、カメラ42の光軸F1が液晶パネル15の前方に進むに従い上向きとなるように、画面19の高さ方向に傾斜されている。水平線Gに対する光軸F1の傾斜角度αは例えば11°であり、カメラ42の視野の範囲内に視聴者の顔が位置するようになっている。
【0057】
なお、カメラ42の光軸F1の傾斜角度αは11°に限定されるものではなく、水平線Gに対しある程度傾斜されていればよい。
【0058】
図2および図3は、カメラモジュール40がカメラホルダー50を介して液晶表示モジュール8の外枠18に保持された状態を示している。カメラモジュール40のカメラ42は、液晶パネル15の画面19の真下において、画面19の中心線C1の上に位置されている。この結果、カメラ42の光軸F1は、中心線C1と交差されている。
【0059】
このような構成を有する液晶テレビ1によると、視聴者が液晶パネル15の画面19に映し出された三次元映像を見ている時に、カメラモジュール40のカメラ42は視聴者の顔を撮像し、画面19に対する視聴者の顔の位置を液晶テレビ1の外の情報として取り込む。
【0060】
具体的には、例えば床の上に座った姿勢で画面19を見ていた視聴者が画面19に対し少しずれて座った時に、カメラ42は、視聴者の動きに関する情報を取り込む。取り込まれた情報は、液晶パネル15の駆動手段に送られる。駆動手段は、カメラ42から送られた情報に基づいて視聴者が画面19に対しどのあたりにいるのかを認識するとともに、液晶パネル15から視聴者に向かう画像を制御する。
【0061】
この結果、画面19を見ている視聴者が動いた場合でも、画面19の上に映し出された三次元映像が乱れることがないように、三次元映像を視聴できる範囲が移動される。
【0062】
本実施形態では、カメラモジュール40が液晶表示モジュール8の外枠18に固定されている。外枠18は、テレビ本体3の外郭となるキャビネット6よりも剛性が高く、曲げやねじりに対して強い。
【0063】
すなわち、キャビネット6を介さず液晶表示モジュール8にカメラモジュール40を直に固定することで、カメラモジュール40の取り付け時に生じ易いカメラモジュール40の位置や姿勢のばらつき要因を減らして精度を上げることができる。
【0064】
このため、カメラモジュール40の姿勢が安定し、カメラ42の光軸F1が液晶パネル15の画面19の中心を通る中心線C1と交差する位置にカメラ42を精度よく固定することができる。
【0065】
よって、画面19を見ている視聴者が画面19に対してどのあたりにいるのかを確実に見極めることができ、例えばカメラ42が取り込んだ情報を基に液晶パネル15から視聴者に向かう光の方向を制御する上で有益な構成となる。
【0066】
さらに、本実施形態によると、液晶表示モジュール8の外枠18に固定されたカメラホルダー50は、キャビネット6から離れている。言い換えると、カメラホルダー50は、キャビネット6に接することなくキャビネット6から浮いた状態に保たれている。
【0067】
このため、例えば液晶テレビ1を設置面4に据え付ける時に、外枠18よりも剛性に欠けるキャビネット6が撓んだとしても、キャビネット6がカメラホルダー50と干渉するのを防止できる。
【0068】
したがって、カメラホルダー50に保持されたカメラモジュール8の位置が不所望に変動するのを回避でき、画面19とカメラ42との位置関係を高精度に維持することができる。
【0069】
加えて、本実施形態では、カメラモジュール40のモジュール基板41をホルダー本体51と押え板52との間で挟み込んで保持している。この構成によれば、モジュール基板41からねじ止め用の孔や切欠きを含むねじ止め箇所を排除することができ、その分、モジュール基板41を小型化することができる。
【0070】
それとともに、ホルダー本体50の第1および第2の突起65,66の先端の傾き度合いを変更することで、カメラ42の光軸F1の傾斜角度αを調整できるといった利点もある。
【0071】
前記実施形態によると、カメラモジュールが液晶パネルの画面に下側に配置されている。しかしながら、カメラモジュールは画面の下側に限らず、画面の上側に配置してもよい。カメラモジュールを画面の上側に配置する場合、カメラの光軸を液晶パネルの前方に進むに従い下向きに傾斜させることが望ましい。
【0072】
さらに、前記実施形態では、液晶テレビを電子機器の一例として説明したが、電子機器は液晶テレビに限定されるものではない。例えば、ノート型あるいはスレートタイプのポータブルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯形のゲーム機のようなその他の電子機器に広く適用が可能である。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0074】
6…筐体(キャビネット)、6a…前面、8…表示モジュール(液晶表示モジュール)、13…開口部、15…表示パネル(液晶パネル)、18…外枠、19…画面、26a,26b…ボス部、40…カメラモジュール、50…ホルダー(カメラホルダー)、59…係合部(壁部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に開口部が設けられた筐体と、
前記筐体に収容され、前記開口部に露出された画面を有する表示モジュールと、
前記表示モジュールに固定されたホルダーと、
前記ホルダーに保持され、前記筐体の外を撮像するカメラモジュールと、
を具備する電子機器。
【請求項2】
請求項1の記載において、前記カメラモジュールは、基板と、前記基板に実装されたカメラと、を含み、前記カメラが前記画面の幅方向に沿う中心を通って前記画面の高さ方向に延びる中心線の上に位置された電子機器。
【請求項3】
請求項2の記載において、前記表示モジュールは、前記画面を有する表示パネルと、前記表示パネルを取り囲むとともに前記筐体よりも剛性が高い外枠と、を含み、前記ホルダーが前記外枠に固定された電子機器。
【請求項4】
請求項3の記載において、前記外枠は、前記外枠の外側に向けて突出された複数のボス部を有し、前記カメラモジュールの前記基板が前記ボス部の先端にねじを介して固定されているとともに、前記ねじの先端が前記ボス部の内側に位置された電子機器。
【請求項5】
請求項4の記載において、前記外枠は、前記ボス部が形成されたフランジ部を有し、前記表示パネルと前記外枠の前記フランジ部との間に内蔵物が収容された電子機器。
【請求項6】
請求項2の記載において、前記ホルダーは、前記表示モジュールの外周部に固定されたホルダー本体と、前記ホルダー本体に固定された押え板と、を含み、前記ホルダー本体および前記押え板は、互いに協働して前記カメラモジュールの前記基板を挟み込むように構成された電子機器。
【請求項7】
請求項2の記載において、前記カメラは、前記カメラの視野の中心を通って前記画面の前方に向かう光軸を有し、前記光軸が水平線に対し前記画面の高さ方向に傾いた電子機器。
【請求項8】
請求項7の記載において、前記ホルダーは、前記表示モジュールの外周部に固定されたホルダー本体と、前記ホルダー本体に設けられ、前記表示モジュールの前記基板に突き当たることで前記カメラの前記光軸が傾くように前記カメラモジュールの姿勢を定める複数の突起と、前記ホルダー本体に固定され、前記基板を前記突起との間で挟み込んで保持する押え板と、を具備する電子機器。
【請求項9】
請求項2ないし請求項8のいずれかの記載において、前記表示モジュールの前記画面がレンチキュラーシートで覆われた電子機器。
【請求項10】
筐体と、
前記筐体に収容された表示モジュールと、
前記表示モジュールの外周部に固定され、前記筐体の内面から離れたホルダーと、
前記ホルダーに保持され、前記筐体の外の情報を取り込むカメラモジュールと、
を具備する電子機器。
【請求項11】
請求項10の記載において、前記表示モジュールは、前記筐体の外に露出された画面を有する表示パネルと、前記表示パネルを取り囲むとともに前記筐体よりも剛性が高い外枠と、を含み、前記ホルダーが前記外枠に固定された電子機器。
【請求項12】
請求項11の記載において、前記カメラモジュールは、基板と、前記基板に実装されたカメラと、を含み、前記カメラが前記画面の幅方向に沿う中心を通って前記画面の高さ方向に延びる中心線の上に位置された電子機器。
【請求項13】
筐体と、
表示パネルと、前記表示パネルを取り囲むとともに前記筐体よりも剛性が高い外枠と、前記外枠から前記外枠の外側に突出された複数のボス部と、を含み、前記筐体に収容された表示モジュールと、
前記表示モジュールの前記ボス部の先端に固定されるとともに、前記ボス部の間で前記外枠に接する係合部を有するホルダーと、
前記ホルダーに保持され、前記筐体の外の情報を取り込むカメラモジュールと、
を具備する電子機器。
【請求項14】
請求項13の記載において、前記ボス部は、前記表示モジュールの幅方向に互いに離れているとともに、前記係合部は、前記表示モジュールの奥行き方向に延びている電子機器。
【請求項15】
請求項13又は請求項14の記載において、前記カメラモジュールは、基板と、前記基板に実装されたカメラと、を含み、前記カメラが前記画面の幅方向に沿う中心を通って前記画面の高さ方向に延びる中心線の上に位置された電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−81040(P2013−81040A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219421(P2011−219421)
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【特許番号】特許第5106672号(P5106672)
【特許公報発行日】平成24年12月26日(2012.12.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】