電子機器
【課題】一例として、可動部の不本意なスライドを抑制しやすいテレビジョン受像機および電子機器を得る。
【解決手段】実施形態にかかるテレビジョン受像機では、表示装置は、表示画面を有した。電子部品は、表示装置と電気的に接続された。筐体には、表示装置と電子部品とが収容され、外面に開口された開口部が設けられた。機能部品は、筐体内に少なくとも一部が収容された。可動部は、開口部を介して外部から操作可能に露出され、機能部品における少なくとも一部の機能が制限される第一位置と、第一位置でなされた機能の制限が解除される第二位置との間で開口部に沿ってスライド可能である。凹部または凸部は、第二位置から開口部に沿った方向にみて第一位置よりも離れた位置、または第一位置から開口部に沿った方向にみて第二位置よりも離れた位置の何れか少なくとも一方に設けられるとともに、開口部の周縁領域に設けられた。
【解決手段】実施形態にかかるテレビジョン受像機では、表示装置は、表示画面を有した。電子部品は、表示装置と電気的に接続された。筐体には、表示装置と電子部品とが収容され、外面に開口された開口部が設けられた。機能部品は、筐体内に少なくとも一部が収容された。可動部は、開口部を介して外部から操作可能に露出され、機能部品における少なくとも一部の機能が制限される第一位置と、第一位置でなされた機能の制限が解除される第二位置との間で開口部に沿ってスライド可能である。凹部または凸部は、第二位置から開口部に沿った方向にみて第一位置よりも離れた位置、または第一位置から開口部に沿った方向にみて第二位置よりも離れた位置の何れか少なくとも一方に設けられるとともに、開口部の周縁領域に設けられた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、テレビジョン受像機および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筐体にその外面に沿ってスライドする可動部が設けられた電子機器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−264998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の装置では、一例としては、可動部の不本意なスライドを抑制することが望まれていた。
【0005】
そこで、本発明の実施形態は、一例として、可動部の不本意なスライドを抑制しやすいテレビジョン受像機および電子機器を得ることを、目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態にかかるテレビジョン受像機は、表示装置と、電子部品と、筐体と、機能部品と、可動部と、凹部または凸部と、を備えた。表示装置は、表示画面を有した。電子部品は、表示装置と電気的に接続された。筐体には、表示装置と電子部品とが収容され、外面に開口された開口部が設けられた。機能部品は、筐体内に少なくとも一部が収容された。可動部は、開口部を介して外部から操作可能に露出され、機能部品における少なくとも一部の機能が制限される第一位置と、第一位置でなされた機能の制限が解除される第二位置との間で開口部に沿ってスライド可能である。凹部または凸部は、第二位置から開口部に沿った方向にみて第一位置よりも離れた位置、または第一位置から開口部に沿った方向にみて第二位置よりも離れた位置の何れか少なくとも一方に設けられるとともに、開口部の周縁領域に設けられた。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、第1実施形態にかかるテレビジョン受像機の一例が示された正面図である。
【図2】図2は、第1実施形態にかかるテレビジョン受像機の一例が示された側面図である。
【図3】図3は、第1実施形態にかかるテレビジョン受像機の一例の一部が示された斜視図である。
【図4】図4は、図3のIV−IV断面図である。
【図5】図5は、図4のV−V断面図である。
【図6】図6は、図5と同じ断面での断面図であって、図5とは操作部の位置が異なる状態での図である。
【図7】図7は、第2実施形態にかかる電子機器の一例が示された正面図である。
【図8】図8は、第2実施形態にかかる電子機器の一例が示された背面図である。
【図9】図9は、第2実施形態にかかる電子機器の一例が示された側面図である。
【図10】図10は、第2実施形態にかかる電子機器の一例が示された側面図であって、図9とは別の方向から見た図である。
【図11】図11は、第2実施形態にかかる電子機器の一例が示された側面図であって、図9,10とは別の方向から見た図である。
【図12】図12は、第2実施形態にかかる電子機器の一例が示された側面図であって、図9〜11とは別の方向から見た図である。
【図13】図13は、第2実施形態にかかる電子機器の一例が示された分解斜視図である。
【図14】図14は、第2実施形態にかかる電子機器の内部構成の一例が示された平面図である。
【図15】図15は、図7のXV−XV断面図である。
【図16】図16は、第2実施形態にかかる電子機器の一例の一部が示された斜視図である。
【図17】図17は、図16のXVII−XVII断面図である。
【図18】図18は、第2実施形態にかかる電子機器がスタンドに支持された状態の一例が示された斜視図である。
【図19】図19は、第1変形例にかかる電子機器の一例の一部の平面図である。
【図20】図20は、図19のXX−XX断面図である。
【図21】図21は、第2変形例にかかる電子機器の一例の一部の平面図である。
【図22】図22は、第3変形例にかかる電子機器の一例の一部の平面図である。
【図23】図23は、図22のXXIII−XXIII断面図である。
【図24】図24は、第4変形例にかかる電子機器の一例の一部の平面図である。
【図25】図25は、第5変形例にかかる電子機器の一例の一部の平面図である。
【図26】図26は、第6変形例にかかる電子機器の一例の一部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の例示的な複数の実施形態および変形例には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、同様の構成要素には共通の符号が付されるとともに、重複する説明が省略される。また、各図では、便宜上、方向(X方向、Y方向、Z方向)が示されている。X方向は、テレビジョン受像機の表示画面に対する正面視での長手方向、Y方向は、表示画面に対する正面視での短手方向、Z方向は表示画面に対する正面視での前後方向(奥行方向、筐体の厚さ方向)である。X方向、Y方向、およびZ方向は、相互に直交している。
【0009】
また、以下の実施形態では、電子機器がテレビジョン受像機、あるいはタブレット型もしくはスレート型のパーソナルコンピュータとして構成された場合が例示されるが、本実施形態にかかる電子機器は、これらには限定されない。本実施形態にかかる電子機器は、例えば、ノート型、デスクトップ型のパーソナルコンピュータや、スマートフォン、スマートテレビ、スマートブック、携帯電話機、PDA(personal digital assistant)、映像表示装置、テレビ電話機等の種々の電子機器として構成することができる。
【0010】
<第1実施形態>
本実施形態にかかる電子機器の一例であるテレビジョン受像機1Aは、図1,2に示されるように、支持部2(支部、台、スタンド)と、筐体3Aと、を備える。支持部2Aは、机や、棚、台等の載置部(載置面、図示されず)上に載置され、筐体3Aを支持する。支持部2Aは、筐体3Aを固定的に支持してもよいし、移動可能(回動可能、スライド可能)に支持してもよい。筐体3Aの支持部2Aに対する回動形態としては、例えばチルトや、スイベル、ピボット等がある。
【0011】
筐体3Aは、図1に示されるように、正面視では矩形状(本実施形態では一例として長方形状)に構成されている。また、筐体3Aは、図2に示されるように、前後方向に薄い扁平な直方体状に構成されている。筐体3Aは、前面3a(正面、面、第一面、第一面部)とこの反対側の後面3b(背面、面、第二面、第二面部)と、を有する。前面3aと後面3bとは略並行している。また、筐体3Aは、図1に示されるように、正面視では、四つの端部3c〜3f(辺部、縁部)と、四つの角部3g〜3j(尖部、曲部、端部)と、を有する。また、端部3c,3eは、長辺部の一例である。端部3d,3fは、短辺部の一例である。
【0012】
また、筐体3Aは、前面3aを有する壁部3k(第一壁部、第一部分、プレート、フレーム、前壁部、表壁部、天壁部)と、後面3bを有する壁部3m(第二壁部、第二部分、プレート、後壁部、裏壁部、底壁部)と、を有する。壁部3k,3mは、矩形状(本実施形態では一例として長方形状)である。また、筐体3Aは、壁部3kと壁部3mとの間に亘った側面3p(面、周面、第三面)を有する四つの壁部3n(第三壁部、第三部分、プレート、側壁部、端壁部、立壁部、亘部)を有する。そして、壁部3kには、一例としては矩形状の開口部3rが設けられている。
【0013】
さらに、筐体3Aは、複数の部品(分割体、部材)が組み合わせられて構成されることができる。筐体3Aは、一例としては、少なくとも壁部3kを含む第一部材3Fr(第一部分、前側部材、カバー)と、少なくとも壁部3mを含む第二部材3Rr(第二部分、後側部材、ベース、ボトム)とを有する。壁部3nは、第一部材3Frおよび第二部材3Rrのうち少なくともいずれか一方(例えば、第二部材3Rr)に含まれることができる。また、筐体3Aは、第一部材3Frおよび第二部材3Rrとは別に、これらの間に位置した第三部材(第三部分、中間部材、隔部材、障壁部材、壁部材、介在部材、インナプレート、ミドルプレート、ミドルフレーム、図示されず)を有する。その場合、壁部3nは、第三部材に含まれることもできる。筐体3Aは、金属材料や、合成樹脂材料等で構成されることができる。
【0014】
筐体3A内には、表示装置4(表示部、ディスプレイ、パネル)が収容されている。表示装置4の、前面3a側に位置した表示画面4aは、開口部3rを介して筐体3Aの前方(外方)に露出しており、使用者は、前方側から開口部3rを介して表示画面4aを視認することができる。表示装置4は、正面視では矩形状(本実施形態では一例として長方形状)に構成されている。また、表示装置4は、前後方向に薄い扁平な直方体状に構成されている。表示装置4は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD,liquid crystal display)や有機ELディスプレイ(OELD,organic electro-luminescent display)等である。
【0015】
表示装置4の前側(表側、壁部3k側)には、透明な比較的薄い矩形状の入力操作パネル5(一例としてはタッチパネル、タッチセンサ、操作面)が設けられている。入力操作パネル5は、表示画面4aを覆っている。操作者(ユーザ等)は、例えば手指やスタイラス等によって、入力操作パネル5に対して、触れる、押す、擦る、あるいは入力操作パネル5の近傍で動かす等の操作を行うことで、入力処理を実行することができる。また、表示装置4の表示画面4aから出た光は、入力操作パネル5を通過して壁部3kの開口部3rから筐体3Aの前方(外方)へ出る。入力操作パネル5は、入力部の一例である。
【0016】
筐体3A内には、表示装置4の後側(裏側、背後側、壁部3m側、表示画面4aとは反対側)に、複数の基板6,7(回路基板)が収容されている。基板6,7は、相異なる位置に配置され、いずれも、表示装置4と並行して設けられている。また、基板6,7は、壁部3k,3m,3n等と離間した状態で、すなわち、壁部3k,3m,3n等との間に空間が形成された状態で、設けられている。基板6,7は、表示装置4に沿って並べて配置され、筐体3Aの厚さ方向には重なり合わないのが好適である。また、基板6,7は、例えばねじ等の固定具によって、筐体3Aに固定されている。
【0017】
図1に示される基板6,7(第一基板、第一回路基板、制御基板、メイン基板)には、CPU(central processing unit)等の複数の電子部品(部品、素子、図示されず)が実装されている。電子部品には、発熱体が含まれる。また、発熱量の大きな電子部品(発熱体)には、冷却機構(放熱部、受熱部、図示されず)を設けることができる。基板6,7および電子部品によって、制御回路(図示されず)の少なくとも一部が構成されている。制御回路は、例えば、映像信号処理回路や、チューナ部、HDMI(high-definition multimedia interface)信号処理部、AV(audio video)入力端子、リモコン信号受信部、制御部、セレクタ、オンスクリーンディスプレイインタフェース、記憶部(例えば、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)、HDD(hard disk drive)等)、音声信号処理回路等を、含むことができる。制御回路は、表示装置4の表示画面4aでの映像(動画や静止画等)の出力や、スピーカ(図示されず)での音声の出力、LED(light emitting diode、図示されず)での発光等を制御する。表示装置4や、スピーカ、LED等は、出力部の一例である。
【0018】
また、本実施形態では、一例として、図3,4に示されるように、筐体3Aの角部3gに寄せて、二つのスイッチ30,31(操作部)が設けられている。具体的に、スイッチ30の開口部30aは、壁部3nの側面3p(面、外面)に、端部3dに沿った方向(Y方向)に長い長穴状の貫通孔として設けられている。スイッチ31の開口部31aは、壁部3mの後面3b(面、外面)に、端部3dに沿った方向(Y方向)に長い長穴状の貫通孔として設けられている。開口部30a,31aは、隣接して(対応して)設けられている。開口部30aには、可動部30b(操作子、操作部、ボタン)が収容されている。可動部30bは、側面3pと交叉した方向(本実施形態では、一例として法線方向)に突没可能(出没可能、出入可能、移動可能、往復可能)に設けられている。開口部31aには、可動部31b(操作子、操作部、スライダ)が収容されている。可動部31bは、側面3pに沿った方向に第一位置P1と第二位置P2との間で往復動可能に設けられている。また、開口部31aには、図4に示されるように、傾斜面31cが設けられている。傾斜面31cは、後面3b側で、筐体外側に向かうにつれて開口面積が拡がる方向に傾斜している。このような構成により、可動部31bの頂面31d(面、先端面)と後面3b(面、外面)との間には、傾斜面31cと可動部31bの側面とを含む凹部31eが形成される。よって、一例としては、操作者は指等を凹部31eに入れることで、可動部31bをより操作しやすい。
【0019】
また、本実施形態では、一例として、スイッチ30は、電源スイッチ(電源操作部、電源ボタン、機能部品、電気部品、部品)として構成される。この場合、例えば、可動部30bの押圧によってテレビジョン受像機1Aの電源のONとOFFとを切り替えることができる。可動部30bは、プッシュスイッチとして構成される接点部(図示されず)を押圧し、これにより電源のONとOFFとが切り替えられる。すなわち、スイッチ30は、プッシュスイッチとして構成される。
【0020】
一方、本実施形態では、一例として、スイッチ31は、スイッチ30のロック操作部(ロック部、ロック、ロックスイッチ、ロックスライダ)として機能することができる。具体的には、可動部31bは、一方側(本実施形態では、一例として第一位置P1)に位置された状態では可動部30bの移動(没入、引っ込み)を抑制し、他方側(本実施形態では、一例として第二位置P2)に位置された状態では可動部30bの移動を許容する。すなわち、可動部31bは、第一位置P1にある状態では、図5に示されるように、可動部30bの移動経路(移動方向P)に位置することで、可動部30bの移動を妨げる。すなわち、可動部31bは、第一位置P1にある状態では、機能部品としてのスイッチ30の機能を制限する。そして、可動部31bは、第二位置P2にある状態では、図6に示されるように、可動部30bの移動経路(移動方向P)から外れて位置することで、可動部30bは可動部31bによって妨げられることなく、外部操作に応じて移動することができる。すなわち、可動部31bは、第二位置P2にある状態では、可動部30bの移動を妨げない。なお、本実施形態では、一例として、接点部の位置と可動部31bが可動部30bの移動を妨げる位置とが異なっているため、図5,6の断面図には、接点部が図示されない。
【0021】
そして、本実施形態では、一例として、図3,4に示されるように、スイッチ31がスイッチ30をロックしている第一位置P1から第二位置P2へ移動するのを抑制する移動抑制部40A(スライド抑制部、操作抑制部、抑制部)が設けられている。本実施形態では、一例として、移動抑制部40Aは、後面3bから突出した突出部(凸部、突起、壁部、段差部)として設けられている。この移動抑制部40Aは、開口部31aの円弧状(半円状)の縁に沿って、円弧状(半円状、曲線状)に設けられている。移動抑制部40Aは、開口部31aの周縁領域で、第二位置P2側から見て第一位置P1より離れた位置に設けられている。よって、一例としては、操作者の手指等が筐体3Aの後面3bに沿って移動した際にあっては、移動抑制部40Aによって当該手指等が可動部31bに接触するのが抑制されうる。すなわち、移動抑制部40Aは、開口部31aの第一位置P1(一方側)にある可動部31bが第二位置P2(他方側)へスライドする(移動する)のを抑制することができる。移動抑制部40Aによる作用効果は、一例としては、物理的に手指等の移動を妨げることによるものや、移動抑制部40Aに手指等が触れることにより触覚的に後面3bとは異なるものと識別させ操作者に例えばそれ以上移動させない方がよいと気付かせることによるもの等がある。このように、本実施形態では、一例として、突出部として移動抑制部40Aが設けられたことで、可動部31bが第一位置P1から第二位置P2へ移動するのが抑制される。すなわち、可動部31bの誤操作や不本意な操作を抑制することができる。そして、本実施形態の場合、可動部31bが第二位置P2へ移動してスイッチ30のロックが解除され、電源スイッチとしてのスイッチ30が操作可能な状態、すなわち、不本意に電源がOFFされうる状態となるのが抑制される。なお、移動抑制部は、開口部31aの周縁領域で、第一位置P1側から見て第二位置P2より離れた位置、すなわち、開口部31aに対して移動抑制部40Aの反対側の位置に、設けられることができる。この場合には、当該移動抑制部によって、可動部31bが第二位置P2から第一位置P1へ移動するのが抑制される。開口部31aの可動部のスライド方向(移動方向)の両側に移動抑制部が設けられることもできる。
【0022】
また、本実施形態では、一例として、図4に示されるように、可動部31bの頂面31dは、突出部としての移動抑制部40Aより低く、さらには後面3bと同じかより低く設定されている。よって、本実施形態によれば、一例としては、可動部31bが後面3bあるいは移動抑制部40Aより高く突出していた場合に比べて、可動部31bが第一位置P1から第二位置P2へ移動するのを、より一層抑制することができる。
【0023】
また、移動抑制部40Aは、好適には、第一位置P1にある可動部31bから適宜に離間した位置(例えば、第一位置P1にある可動部31bから、可動部31bの直径(幅、横幅、太さ)の0.2〜1.5倍の距離離れた位置)に設けられる。移動抑制部40Aが可動部31bに近づき過ぎると可動部31bが操作されにくくなり、移動抑制部40Aが可動部31bから離れすぎると移動抑制部40Aによる移動抑制の効果が軽減するからである。
【0024】
また、本実施形態では、一例として、上述したように、移動抑制部40Aは、第一位置P1に位置した可動部31b(開口部31aの一方側の縁(端部、端縁))を一方側から囲っている。よって、本実施形態によれば、一例としては、可動部31bにより広い範囲から手指等が接触するのを抑制することができる。
【0025】
また、本実施形態では、一例として、スイッチ30,31(開口部30a,31a)は、筐体3Aの端部3dならびに角部3gに設けられた。よって、本実施形態によれば、一例としては、筐体3A内の他の部品との干渉を抑制しやすい。また、スイッチ30,31が相互に作用する構成(可動部31bが可動部30bの移動を抑制する構成)が得られやすい。また、後面3bの中央部に設けられる場合に比べて、使用者が前面3a側(正面側)から操作しやすい。
【0026】
また、本実施形態では、一例として、スイッチ30,31(可動部30b,31b)は、筐体3Aの異なる面(側面3p,後面3b)に設けられた。よって、スイッチ31を操作した際にスイッチ30を操作したり、スイッチ30を操作した際にスイッチ31を誤って操作したりする機会が低減されやすい。
【0027】
なお、傾斜面31cの傾斜角度は、第一位置P1側と第二位置P2側とで異ならせることができる。一例としては、第二位置P2側の傾斜面31c(図4では左側の傾斜面31c)の傾斜角度を第一位置P1側の傾斜面31c(図4では右側の傾斜面31c)の傾斜角度より緩やかに(後面3bとの角度が小さい状態)に設定することができる。この場合、一例としては、第一位置P1にある可動部31bと傾斜面31cとによって形成される凹部31eが、第一位置P2にある可動部31bと傾斜面31cとによって形成される凹部31eよりも狭くなる。よって、一例としては、第一位置P1にある可動部31bと傾斜面31cとによって形成される凹部31eには使用者の手指等がより入りにくくなって、可動部31bが第一位置P1から第二位置P2に移動するのが抑制される。また、頂面31dを後面3bから離れる方向に凸の曲面を有した形状に構成すれば、凹部31eがより拡がって、可動部31bがより操作されやすくなる。
【0028】
<第2実施形態>
本実施形態にかかる電子機器1Bは、例えば、所謂スレート型、タブレット型、ソフトキーボードの機能を有した表示装置等の、パーソナルコンピュータ、テレビジョン受像機、スマートフォン、スマートブック、携帯電話機、PDA等である。
【0029】
電子機器1Bの筐体3Bは、図7,8に示されるように、正面視および背面視では矩形状(本実施形態では一例として長方形状)に構成されている。また、筐体3Bは、図9〜12に示されるように、前後方向に薄い扁平な直方体状に構成されている。筐体3Bは、前面3a(正面、面、第一面、第一面部)とこの反対側の後面3b(背面、面、第二面、第二面部)と、を有する。前面3aと後面3bとは略並行している。また、筐体3Bは、図7,8に示されるように、正面視では、四つの端部3c〜3f(辺部、縁部)と、四つの角部3g〜3j(尖部、曲部、端部)と、を有する。端部3c,3eは、長辺部の一例である。また、端部3d,3fは、短辺部の一例である。
【0030】
また、筐体3Bは、前面3aを有する壁部3k(第一壁部、第一部分、プレート、フレーム、前壁部、表壁部、天壁部)と、後面3bを有する壁部3m(第二壁部、第二部分、プレート、後壁部、裏壁部、底壁部)と、を有する。壁部3k,3mは、矩形状(本実施形態では一例として長方形状)である。また、筐体3Bは、壁部3kと壁部3mとの間に亘った側面3p(面、周面、第三面)を有する四つの壁部3n(第三壁部、第三部分、プレート、側壁部、端壁部、立壁部、亘部)を有する。壁部3kには、一例としては矩形状の開口部3rが設けられている。
【0031】
さらに、筐体3Bは、複数の部品(分割体)が組み合わせられて構成されることができる。筐体3Bは、一例としては、少なくとも壁部3kを含む第一部材3Fr(第一部分、前側部材、カバー)と、少なくとも壁部3mを含む第二部材3Rr(第二部分、後側部材、ベース、ボトム)とを有する。壁部3nは、第一部材3Frおよび第二部材3Rrのうち少なくともいずれか一方(例えば、第二部材3Rr)に含まれる。また、本実施形態では、図13に示されるように、筐体3Bは、第一部材3Frおよび第二部材3Rrとは別に、これらの間に位置した第三部材3Md(第三部分、中間部材、隔部材、障壁部材、壁部材、介在部材、インナプレート、ミドルプレート、ミドルフレーム)を有する。壁部3nの一部は、第三部材3Mdに含まれることができる。筐体3Bは、金属材料や、合成樹脂材料等で構成されることができる。一例として、第二部材3Rrおよび第三部材3Mdは、例えばマグネシウム合金等の金属材料で構成されることができ、第一部材3Frは、第二部材3Rrおよび第三部材3Mdより剛性の低い合成樹脂材料で構成されることができる。なお、第一部材3Fr、第二部材3Rr、および第三部材3Mdには、リブ等の壁部(突出部、突出壁部)が設けられることができる。壁部により、筐体3Bの剛性が向上される。また、第三部材3Mdには、貫通孔等の開口部が設けられることができる。開口部により、筐体3Bをより軽量に構成することができる。
【0032】
また、本実施形態では、図10,12に示されるように、一例として、長手方向を横向きにした使用状態で下側または手前側(ユーザに近い側)となる第一部3Baの厚さが、当該使用状態で上側または奥側(ユーザから遠い側)となる第二部3Bbの厚さより薄い。このため、机等の載置面P上に載せて使用する状態では、筐体3Bの前面3aおよび表示画面4aの載置面Pからの高さが、手前側(下側)から奥側(上側)に向かうにつれて、高くなる。よって、本実施形態によれば、一例としては、電子機器1Bに対して図10の左側、図12の右側に位置したユーザにとって、表示画面4aが所謂チルトの状態となり、ユーザが表示画面4aを見やすいという利点がある。
【0033】
また、使用時に表示画面4aで出力される映像の向きは、筐体3B(電子機器1B)の姿勢に応じて変化させることができる。例えば、筐体3B内に設けられた制御回路(図示されず)は、筐体3Bに設けられたセンサ(例えば、ジャイロセンサや加速度センサ)等の検出結果に応じて、表示画面4aに出力される映像の向きや大きさ等を変更することができる。また、制御回路は、映像の姿勢を、いくつかに限定することができる。具体的には、例えば、制御回路は、筐体3Bの端部3cが端部3eより上側に位置したときに(第一姿勢)、表示画面4aに当該端部3c側が上の映像を表示し、端部3dが端部3fより上側に位置したときに(第二姿勢)、表示画面4aに当該端部3dが上の映像を表示することができる。そして、制御回路は、筐体3Bの姿勢が、従前の姿勢から第一姿勢および第二姿勢に変化した際には、表示画面4aの映像を姿勢に対応した映像に切り替えるが、従前の姿勢から第一姿勢および第二姿勢以外の姿勢(すなわち、この例では、端部3eが端部3cより上側に位置した姿勢、あるいは端部3fが端部3dより上側に位置した姿勢)に変化した際には、制御回路は、表示画面4aの映像を切り替えない。このような制御により、ユーザによる電子機器1Bの使用姿勢を、限定することができる。
【0034】
そして、筐体3Bには、部品16を出入可能に収容した部品収容部17が設けられている。部品収容部17の開口部17aは、本実施形態では、一例として、端部3dに開口している。この開口部17aは、いずれかの使用姿勢(上述の例では、第一姿勢または第二姿勢)で上側となり、かつ非使用姿勢では下側とならない端部3dに設けられている。このような構成によれば、使用姿勢では、開口部17aが上側に位置される。よって、一例としては、部品16が部品収容部17から重力の作用によって脱落するのを抑制しやすくなる。部品16は、具体的には、例えば、スタイラス、スタイラスペン、ペン等である。
【0035】
また、図7に示されるように、本実施形態では、バッテリ18と、表示装置4とが、筐体3Bの厚さ方向には重ならず、厚さ方向と直交する方向(前面3aまたは後面3bに沿う方向、X方向またはY方向、本実施形態では一例として、Y方向)に並んで配置されている。よって、一例としては、バッテリ18と表示装置4とが筐体3Bの厚さ方向に重なった場合に比べて、筐体3Bをより薄く構成することができる。また、一例としては、バッテリ18と表示装置4とが筐体3Bの厚さ方向に重なった場合に比べて、バッテリ18をより厚くしやすくなり、ひいては、バッテリ18の単位体積あたりの容量を高めやすくなる。また、図10,12に示されるように、本実施形態では、筐体3Bは、薄い第一部3Baと、厚い第二部3Bbとを有している。バッテリ18を収容するバッテリ収容部3s(バッテリ支持部)は、厚い第二部3Bbの端部3cに設けられている。よって、一例としては、バッテリ収容部3sが第一部3Baに設けられた場合に比べて、バッテリ18を厚くしやすくなり、ひいては、バッテリ18の単位体積あたりの蓄電容量を高めやすくなる。
【0036】
また、本実施形態では、バッテリ収容部3sが設けられた端部3cと反対側の端部3eが、スタンド(他の電子機器、ドッキングステーション、図18参照)に支持される。よって、一例としては、作業者(ユーザ等)は、電子機器1Bがスタンド2Bに支持された状態で、バッテリ18を筐体3Bに着脱することができる。また、端部3eには、図11に示されるように、スタンド2Bのコネクタ43と接続されるコネクタ19が設けられている。よって、一例としては、バッテリ収容部3sおよびコネクタ19が、相互に干渉することなく、筐体3Bに設けられやすい。なお、端部3eには、端子3tも露出している。コネクタ19および端子3tは、端部3eの壁部3nに設けられた開口部3uを介して露出している。
【0037】
図18に示されるように、スタンド2Bは、載置面P(図10,12参照)に沿って延びる第一支持部2aと、載置面Pと交叉した方向に延びた第二支持部2bとを有する。また、スタンド2Bは、筐体3Bの端部3dを囲う壁部2f,2g,2hを有する。壁部2hには開口部2i(切欠部)が設けられる。筐体3Bは、スタンド2Bに支持された状態では、壁部2f,2g,2hの端部2j,2k(上端部)より載置面Pから離れた部分(上側部分)が、スタンド2Bから露出する。
【0038】
また、バッテリ収容部3sにおいて、バッテリ18によって隠される部分には、筐体3Bの第一部材3Fr、第二部材3Rr、および第三部材3Mdのうちいずれか二つ以上(二つまたは三つ)の結合部分が、設けられている。この結合部分では、例えば、結合具の一例としてのねじ(図示されず)によって、第一部材3Frと第三部材3Mdまたは第二部材3Rrとが結合されている。筐体3Bを分解する場合、作業者(ユーザ等)は、まず、このねじを外して、第一部材3Frと第三部材3Mdまたは第二部材3Rrとをこの部分で少なくとも局所的に分離し、離間させる。その後、作業者は、例えば、この離間した部分に力を加えることで、第一部材3Frを弾性的に変形させながら、第一部材3Frと第三部材3Mdまたは第二部材3Rrとの弾性的な結合部(係合部、接続部、一例としては爪と孔の縁とによる係合部、図示されず)の結合を解除して、第一部材3Frを第三部材3Mdまたは第二部材3Rrから取り外す。第一部材3Frと第三部材3Mdまたは第二部材3Rrとの複数の結合部(係合部、接続部)が、第一部材3Frの外周に沿って設けられている。第二部材3Rrと第三部材3Mdとを結合する結合具としての複数のねじ(図示されず)は、第一部材3Frによって全て覆われている。よって、作業者は、第一部材3Frを第三部材3Mdまたは第二部材3Rrから取り外すことで、そのねじを取り外すことができ、第二部材3Rrと第三部材3Mdとを分離することができる。このような構成によれば、バッテリ18をバッテリ収容部3sから取り外したときに、筐体3Bの円滑な分解が可能となる。すなわち、バッテリ18がバッテリ収容部3sに装着された状態で筐体3Bが分解されるのを抑制することができる。
【0039】
また、本実施形態では、第二部材3Rrおよび第三部材3Mdがバッテリ収容部3sまで進出し、端部3c(壁部3n、側面3p)の一部を構成している。よって、一例としては、筐体3Bの剛性をより高くすることができる。また、バッテリ収容部3sの剛性がより高くなるため、一例としては、バッテリ18の振動やずれ等をより一層抑制しやすくなる。
【0040】
また、図7〜12に示されるように、筐体3Bの前面3aや側面3pには、操作部20やコネクタ21が設けられている。操作部20は、押しボタンや、押しスイッチ、スライドスイッチ、ポインティングデバイス等であることができる。コネクタ21は、電源ケーブル用のコネクタや、USBコネクタ、イヤホンやマイクのコネクタ等である。操作部20やコネクタ21は、筐体3Bの壁部3k,3nに設けられた開口部3uを介して露出している。また、前面3aには、カメラ50(カメラモジュール、撮像装置)を設けることができる。
【0041】
また、図8,10に示されるように、筐体3Bの後面3bや側面3pには、電子部品12(図15等参照)の冷却等に用いる空気を導入したり排出したりする通気口22が設けられている。本実施形態では、一例として、後面3b(壁部3m)に、空気を導入する導入口22aが設けられ、側面3p(壁部3n、端部3d)に、空気を排出する排出口22bが設けられている。本実施形態では、導入口22aや排出口22bは、壁部3m,3nに設けられた複数の小孔22cが集まった部分として設けられている。なお、後面3bには突出部3v(例えば、ゴム等によって構成された突出部)が設けられている。よって、図10,12に示されるような後面3bが載置面P上に載せられた状態でも、導入口22aは塞がれない。また、本実施形態では、筐体3Bの薄い第一部3Baと厚い第二部3Bbとの境界部分に、傾斜部3Bcが設けられている。そして、図8に示されるように、導入口22aのうちの一つ22a1が、傾斜部3Bcの後面3bに設けられている。図10,12に示されるように、傾斜部3Bcと載置面Pとの間の距離は、他の部分と載置面Pとの間の距離より大きくなるため、この傾斜部3Bcに設けられた導入口22a1については、空気の通流抵抗を減らしやすくなって、冷却効率をより高めやすくなる。また、本実施形態では、複数の導入口22aが設けられている。よって、一例としては、何らかの原因で一つの導入口22aが塞がれたような場合にあっても、他の導入口22aから空気流を筐体3B内に導入することができ、冷却性能が損なわれにくくなる。なお、筐体3B内は、冷却機構23(図14等参照)によって冷却してもよいし、自然冷却(対流冷却)によって冷却してもよい。
【0042】
図13に示されるように、本実施形態でも、筐体3B内に、本実施形態では、一例として、第一部材3Frと第三部材3Mdとの間に、表示装置4(表示部、ディスプレイ、パネル)が収容されている。表示装置4の、前面3a側に位置した表示画面4aは、開口部3rを介して筐体3Bの前方(外方)に露出しており、使用者は、前方側から開口部3rを介して表示画面4aを視認することができる。表示装置4は、正面視では矩形状(本実施形態では一例として長方形状)に構成されている。また、表示装置4は、前後方向に薄い扁平な直方体状に構成されている。表示装置4は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD,liquid crystal display)や有機ELディスプレイ(OELD,organic electro-luminescent display)等である。
【0043】
また、表示装置4の前側(表側、壁部3k側)には、透明な比較的薄い矩形状の入力操作パネル5(一例としてはタッチパネル、タッチセンサ、操作面)が設けられている。入力操作パネル5は、表示画面4aを覆っている。操作者(ユーザ等)は、例えば、手指や部品16(スタイラス)等で入力操作パネル5に対して、触れる、押す、擦る、あるいは手指やスタイラス等を入力操作パネル5の近傍で動かす等の操作を行うことで、入力処理を実行することができる。また、表示装置4の表示画面4aから出た光は、入力操作パネル5を通過して壁部3kの開口部3rから筐体3Bの前方(外方)へ出る。入力操作パネル5は、入力部の一例である。
【0044】
そして、図13,14等に示されるように、筐体3B内には、表示装置4の後側(裏側、背後側、壁部3m側、表示画面4aとは反対側)、本実施形態では、一例として、第二部材3Rrと第三部材3Mdとの間に、複数の基板6,7,25が収容されている。基板6,7,25は、相異なる位置に配置され、いずれも、表示装置4と並行して設けられている。また、基板6,7,25は、壁部3k,3m,3n等と離間した状態で、すなわち、壁部3k,3m,3n等との間に空間が形成された状態で、設けられている。基板6,7,25は、表示装置4に沿って並べて配置され、筐体3Bの厚さ方向には重なり合わないのが好適である。また、基板6,7,25は、ねじ等の固定具によって、筐体3Bに固定されている。
【0045】
基板6(第一基板、第一回路基板、制御基板、メイン基板)には、例えば、CPU(central processing unit)や、グラフィックコントローラ、電源回路部品、PCH(platform controller hub)、メモリスロットコネクタ、LCDコネクタ、I/O(input/output)コネクタ、電源コイル、素子、コネクタ等の複数の電子部品12(図15等参照、図15には一部のみ図示)を実装することができる。電子部品12には、発熱体が含まれる。発熱量の大きな電子部品12(発熱体)には、冷却機構23を設けることができる。冷却機構23は、ヒートシンク(受熱部、図示されず)、ヒートパイプ23a、放熱部23b、ファン24等を含んでいる。基板6および電子部品12によって、制御回路(図示されず)の少なくとも一部が構成されている。また、制御回路は、例えば、映像信号処理回路や、チューナ部、HDMI(high-definition multimedia interface)信号処理部、AV(audio video)入力端子、リモコン信号受信部、制御部、セレクタ、オンスクリーンディスプレイインタフェース、記憶部(例えば、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)、HDD(hard disk drive)等)、音声信号処理回路等を、含むことができる。制御回路は、表示装置4の表示画面4aでの映像(動画や静止画等)の出力や、スピーカ(図示されず)での音声の出力、LED(light emitting diode、図示されず)での発光等を制御する。表示装置4や、スピーカ、LED等は、出力部の一例である。
【0046】
基板7およびモジュール8A,8Bは、上記第1実施形態と同様の構成を有している。本実施形態でも、基板7の第一面7aおよびモジュール8Aが表示装置4側に位置し、第二面7bおよびモジュール8Bが表示装置4の反対側に位置している。また、第一面7a、第二面7b、およびモジュール8A,8Bは、表示装置4に沿って配置されている。また、基板25には、電子部品12が設けられている。また、筐体3B内には、フレキシブルケーブル27が収容されている。フレキシブルケーブル27は、基板6,7,25や、表示装置4、コネクタ19等の間を、電気的に接続している。フレキシブルケーブル27は、対応するコネクタ14に電気的に接続されている。フレキシブルケーブル27は、例えば、フレキシブルプリント配線板や、フラットケーブル等である。
【0047】
また、図14に示されるように、筐体3B内には、複数のアンテナ26が収容されている。本実施形態では、一つの通信モジュール(例えば、モジュール8B)に接続された複数のアンテナ26が、相互に離間して配置されている。本実施形態では、一例として、一つのアンテナ26は、筐体3Bの端部3dおよび端部3eの近傍(角部3hの近傍)に配置され、もう一つのアンテナ26は、筐体3Bの端部3eおよび端部3fの近傍(角部3iの近傍)に配置されている。これにより、一例としては、アンテナ26の空間ダイバーシティを構成することができる。なお、アンテナ26とモジュール8Bとは、ケーブル28を介して電気的に接続されている。なお、一方のアンテナ26を送受信用とし、他方のアンテナ26を受信専用とするなど、複数のアンテナ26,26で機能を分けることもできるし、一方のアンテナ26を他方のアンテナ26の予備として利用することもできる。
【0048】
また、図8,13から明らかであるように、基板6,7および冷却機構23は、筐体3Bの厚い第二部3Bbに位置されている。よって、一例としては、基板6,7および冷却機構23が薄い第一部3Baに位置された場合に比べて、空間をより広く確保しやすくなり、冷却機構23のファン24によって流される空気流による冷却効果が得られやすい。また、本実施形態では、ファン24および放熱部23bは、規定された(制御された)使用状態で上側となる端部3cと端部3dとが接続される角部3gに設けられている。したがって、一例としては、電子機器1Bの使用姿勢によらず、ファン24および放熱部23bを筐体3B内の上側に配置することができる。よって、一例としては、熱が筐体3B内に留まりにくくなる。なお、ファン24および放熱部23bは、排出口22bに隣接して設けられている。
【0049】
基板7は、冷却機構23との間で基板6を挟む位置(第二部3Bbで基板7、基板6、および冷却機構23の順に並ぶ位置)に設けられる。このような構成により、外部から吸気された空気が基板6の位置に到達する前に基板7に当たる。よって、一例としては、基板7の放熱効率が向上する。また、モジュール8A,8Bが実装された基板7が、筐体3B内の部品の中では比較的重量が大きく筐体3Bの中央に位置した基板6に対し、他の重量物である冷却機構23と反対側に位置される。よって、一例としては、電子機器1Bの重量バランスがより良くなる。よって、一例としては、ユーザは、電子機器1Bを持ち運ぶ際に、より持ちやすい。
【0050】
また、図8,13に示されるように、本実施形態では、一例として、筐体3Bの壁部3mに、ファン24に近い導入口22a2と、基板6を挟んで導入口22a2の反対側に位置した導入口22a3と、導入口22a2,22a3より発熱体としての電子部品12に近い導入口22a1と、が設けられている。導入口22a2が設けられたことで、筐体3B内により効率良く空気流を流すことができる。また、導入口22a3から導入された空気流Sは、基板6の後側の第二面6bに沿ってファン24に向けて流れる空気流S2と、基板6のファン24の反対側に位置した端部6cの外側を通過して(回り込んで、迂回して)基板6の前側の第一面6aに沿ってファン24に向けて流れる空気流S1と、に分けられる。よって、基板6の第一面6aおよび第二面6bの両側に設けられた電子部品12(発熱体)を冷却することができる。
【0051】
そして、本実施形態では、一例として、図16,17に示されるように、上記第1実施形態と同様の構成を有したスイッチ30,31および移動抑制部40Aが設けられている。筐体3Bの外形が若干異なるものの、スイッチ30,31の構成や配置は、上記第1実施形態と同様である。よって、本実施形態によっても、スイッチ30,31に関し、移動抑制部40Aによる上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0052】
また、本実施形態では、一例として、図16に示されるように、バッテリ収容部3sの長手方向端部に設けられてバッテリ18を支持する支持部3w(突出部)の内部に、スイッチ30,31が設けられている。このような構成により、一例としては、この部分のデッドスペースをより有効に利用することができる。
【0053】
また、本実施形態では、一例として、突出部(凸部)として設けられる移動抑制部40Aより高く突出した突出部3vが設けられている。よって、図10に示されるような載置面Pに載置された状態で筐体3Bが移動されたような場合や、筐体3Bが鞄にいれられたような場合にあっても、移動抑制部40Aに加えてさらに突出部3vにより、可動部31bが不本意に移動するのが抑制される。また、突出部3vは、第一位置P1にある可動部31bから見て移動抑制部40Aの位置された側で、移動抑制部40Aより離れて位置されている。よって、突出部3vは、移動抑制部40Aによる可動部31bの移動抑制の効果を補強することができる。また、本実施形態では、一例として、図8に示されるように、突出部3vは、スイッチ31および移動抑制部40Aの近傍に配置されている。よって、本実施形態によれば、一例としては、突出部3vによる効果が得られやすい。また、本実施形態では、一例として、スイッチ31および移動抑制部40Aは、突出部3vより端部3dおよび角部3gに寄せて位置されている。よって、本実施形態によれば、一例としては、筐体3Bの正面側からのスイッチ31(可動部31b)の操作が、突出部3vによって妨げられにくい。
【0054】
また、図8,18からわかるように、本実施形態では、一例として、スイッチ31(可動部31b)および移動抑制部40Aは、筐体3Bがスタンド2Bに支持された状態で、スタンド2Bから露出する部分、すなわち、コネクタ19が設けられた端部3eとは反対側の端部3cまたは角部3gに、設けられる。よって、一例としては、筐体3Bがスタンド2Bに着脱される際に、スタンド2B等が当たって可動部31bが移動するのが抑制される。
【0055】
なお、スイッチ31(可動部31b)は、筐体3Bの湾曲部分に設けることができる。この場合、可動部31bを後面3b(面)からより離間した位置に設けることができるため、筐体3Bが載置面P等に載せられた場合に、当該載置面Pに当たるなどして可動部31bが動くのが抑制される。また、スイッチ31の開口部31a(の長手方向、可動部31bの移動方向)は、本実施形態では、一例として、筐体3Bの短手方向(スタンド2への着脱方向)に沿っているが、長手方向に沿ってもよい。
【0056】
<第1変形例>
本変形例では、一例として、図19,20に示されるように、上記第1、第2実施形態の移動抑制部40Aに替えて移動抑制部40Cが設けられている。本変形例は、移動抑制部40Aに替えて移動抑制部40Cが設けられた点以外、第2実施形態と同様である。移動抑制部40Cは、一例として、凹部(凹溝、穴部、開口部、段差部)として設けられている。移動抑制部40Cは、凹凸部の一例である。この移動抑制部40Cも、開口部31aの円弧状(半円状)の縁に沿って、円弧状(半円状、曲線状)に設けられている。よって、一例としては、操作者の手指等が筐体3Cの後面3bに沿って移動した際にあっては、移動抑制部40Cにより当該手指等が可動部31bに接触するのが抑制されうる。すなわち、移動抑制部40Cは、開口部31aの第一位置P1(一方側)にある可動部31bが第二位置P2(他方側)へスライドする(移動する)のを抑制することができる。移動抑制部40Cによる作用効果は、一例としては、物理的に手指等の移動を妨げる(例えば、手指等を凹部の縁に引っ掛ける)ことによるものや、移動抑制部40Cに手指等が触れることにより触覚的に後面3bとは異なるものと識別させ操作者に例えばそれ以上移動させない方がよいと気付かせることによるもの等がある。このように、本実施形態では、一例として、凹部として移動抑制部40Cが設けられたことで、可動部31bが第一位置P1から第二位置P2へ移動するのが抑制される。すなわち、操作者による可動部31bの誤操作や不本意な操作を抑制することができる。本変形例によっても、上記実施形態と同様の効果が得られる。また、本変形例によれば、後面3b(面)に突出した部分が設けられない場合や設けにくい場合等に有効である。
【0057】
<第2変形例>
本変形例では、一例として、図21に示されるように、上記第1、第2実施形態の移動抑制部40Aに替えて移動抑制部40Dが設けられている。本変形例は、移動抑制部40Aに替えて移動抑制部40Dが設けられた点以外、第2実施形態と同様である。移動抑制部40Dは、一例として、複数の突起40a(突出部、段差部)として設けられている。移動抑制部40Dは、凹凸部の一例である。本変形例では、複数の突起40aとしての移動抑制部40Dが、開口部31aの円弧状(半円状)の縁に沿って、円弧状(半円状、曲線状)に並べて配置されている。本変形例によっても、上記実施形態や変形例と同様の効果が得られる。また、本変形例でも、後面3b(面)に突出した部分が設けにくい場合等に有効である。なお、移動抑制部40Dは、筐体3Dの壁部3mの一部として一体的に設けてもよいし、別部材を取り付ける(嵌める、装着する、付ける、貼り付ける)等によって設けてもよい。
【0058】
<第3変形例>
本変形例では、一例として、図22,23に示されるように、上記第1、第2実施形態の移動抑制部40Aに替えて移動抑制部40E1,40E2が設けられている。本変形例は、移動抑制部40Aに替えて移動抑制部40E1,40E2が設けられた点以外、第2実施形態と同様である。移動抑制部40E1は、一例として、後面3b上に、当該後面3bの他の領域(一般領域)より粗い(表面粗さが大きい)領域として設けられている。移動抑制部40E1は、例えば、成形型に設けた凹凸によって形成することができるし、成形後に切削加工やプレス加工等を施すことで設けることもできる。また、当該領域に、他の領域とは面粗さの異なる部材を取り付ける(嵌める、装着する、付ける、貼り付ける)等によって設けてもよい。移動抑制部40E1による作用効果は、一例としては、物理的に手指等の移動を妨げる(例えば、手指等の移動速度を低下させる)ことによるものや、移動抑制部40E1に手指等が触れることにより触覚的に後面3bとは異なるものと識別させ操作者に例えばそれ以上移動させない方がよいと気付かせることによるもの等がある。移動抑制部40E1は、凹凸部の一例である。この移動抑制部40E1も、開口部31aの円弧状(半円状)の縁に沿って、円弧状(半円状、曲線状)に設けられている。一方、移動抑制部40E2は、一例として、傾斜面31cに、突出部(突起、凸部、壁部、段差部)として設けられている。移動抑制部40E2は、凹凸部の一例である。この移動抑制部40E2も、開口部31aの円弧状(半円状)の縁に沿って、円弧状(半円状、曲線状)に設けられている。本変形例によっても、上記実施形態や変形例と同様の効果が得られる。また、本変形例によれば、後面3b(面)に突出した部分が設けにくい場合等に有効である。また、本変形例によれば、可動部31bを、二つの移動抑制部40E1,40E2で囲う(覆う)ため、可動部31bの移動がより一層抑制されやすい。また、本変形例では、可動部31bの頂面31d(先端部、先端)が、後面3b(面)より低く設けられた。よって、可動部31bの不本意な操作あるいは誤操作がより一層抑制されやすい。
【0059】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は一例に過ぎない。本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、移動抑制部は、当該移動抑制部が設けられる面の他の部分(周辺部分、一般部分)と表面性状(例えば、面粗度等)の異なる領域として設けることができる。また、図24〜26に示される筐体3F〜3Hのように、移動抑制部40F〜40Hは、開口部31aの長手方向と交叉する方向(短手方向、幅方向)に沿った線状(I字状)に設けることができるし(図24)、L字状に第一位置P1の可動部31bを囲っても良いし(図25)、開口部31aの長手方向に沿って延びた二つの並行した部分を有したII字状に設けてもよい(図26)。また、上記各実施形態の技術的特徴は、適宜に組み合わせて実施することができる。また、各構成要素のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。また、上記実施形態あるいは変形例にかかる構成は、鞄に電子機器を入れる際に物と干渉した場合など、手指等以外による誤操作や不本意な操作に対しても有効である。
【符号の説明】
【0060】
1A…テレビジョン受像機(電子機器)、1B…電子機器、3A〜3E…筐体、3b…後面(外面)、3d…端部、3g…角部、3p…側面(面)、12…電子部品、30…スイッチ(機能部品)、30b…可動部(第二可動部)、31a…開口部、31b…可動部、31e…凹部、40A,40D,40E1,40E2…移動抑制部(凸部、抑制部、段差部)、40C…移動抑制部(凹部、抑制部、段差部)、P1…第一位置、P2…第二位置。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、テレビジョン受像機および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筐体にその外面に沿ってスライドする可動部が設けられた電子機器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−264998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の装置では、一例としては、可動部の不本意なスライドを抑制することが望まれていた。
【0005】
そこで、本発明の実施形態は、一例として、可動部の不本意なスライドを抑制しやすいテレビジョン受像機および電子機器を得ることを、目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態にかかるテレビジョン受像機は、表示装置と、電子部品と、筐体と、機能部品と、可動部と、凹部または凸部と、を備えた。表示装置は、表示画面を有した。電子部品は、表示装置と電気的に接続された。筐体には、表示装置と電子部品とが収容され、外面に開口された開口部が設けられた。機能部品は、筐体内に少なくとも一部が収容された。可動部は、開口部を介して外部から操作可能に露出され、機能部品における少なくとも一部の機能が制限される第一位置と、第一位置でなされた機能の制限が解除される第二位置との間で開口部に沿ってスライド可能である。凹部または凸部は、第二位置から開口部に沿った方向にみて第一位置よりも離れた位置、または第一位置から開口部に沿った方向にみて第二位置よりも離れた位置の何れか少なくとも一方に設けられるとともに、開口部の周縁領域に設けられた。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、第1実施形態にかかるテレビジョン受像機の一例が示された正面図である。
【図2】図2は、第1実施形態にかかるテレビジョン受像機の一例が示された側面図である。
【図3】図3は、第1実施形態にかかるテレビジョン受像機の一例の一部が示された斜視図である。
【図4】図4は、図3のIV−IV断面図である。
【図5】図5は、図4のV−V断面図である。
【図6】図6は、図5と同じ断面での断面図であって、図5とは操作部の位置が異なる状態での図である。
【図7】図7は、第2実施形態にかかる電子機器の一例が示された正面図である。
【図8】図8は、第2実施形態にかかる電子機器の一例が示された背面図である。
【図9】図9は、第2実施形態にかかる電子機器の一例が示された側面図である。
【図10】図10は、第2実施形態にかかる電子機器の一例が示された側面図であって、図9とは別の方向から見た図である。
【図11】図11は、第2実施形態にかかる電子機器の一例が示された側面図であって、図9,10とは別の方向から見た図である。
【図12】図12は、第2実施形態にかかる電子機器の一例が示された側面図であって、図9〜11とは別の方向から見た図である。
【図13】図13は、第2実施形態にかかる電子機器の一例が示された分解斜視図である。
【図14】図14は、第2実施形態にかかる電子機器の内部構成の一例が示された平面図である。
【図15】図15は、図7のXV−XV断面図である。
【図16】図16は、第2実施形態にかかる電子機器の一例の一部が示された斜視図である。
【図17】図17は、図16のXVII−XVII断面図である。
【図18】図18は、第2実施形態にかかる電子機器がスタンドに支持された状態の一例が示された斜視図である。
【図19】図19は、第1変形例にかかる電子機器の一例の一部の平面図である。
【図20】図20は、図19のXX−XX断面図である。
【図21】図21は、第2変形例にかかる電子機器の一例の一部の平面図である。
【図22】図22は、第3変形例にかかる電子機器の一例の一部の平面図である。
【図23】図23は、図22のXXIII−XXIII断面図である。
【図24】図24は、第4変形例にかかる電子機器の一例の一部の平面図である。
【図25】図25は、第5変形例にかかる電子機器の一例の一部の平面図である。
【図26】図26は、第6変形例にかかる電子機器の一例の一部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の例示的な複数の実施形態および変形例には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、同様の構成要素には共通の符号が付されるとともに、重複する説明が省略される。また、各図では、便宜上、方向(X方向、Y方向、Z方向)が示されている。X方向は、テレビジョン受像機の表示画面に対する正面視での長手方向、Y方向は、表示画面に対する正面視での短手方向、Z方向は表示画面に対する正面視での前後方向(奥行方向、筐体の厚さ方向)である。X方向、Y方向、およびZ方向は、相互に直交している。
【0009】
また、以下の実施形態では、電子機器がテレビジョン受像機、あるいはタブレット型もしくはスレート型のパーソナルコンピュータとして構成された場合が例示されるが、本実施形態にかかる電子機器は、これらには限定されない。本実施形態にかかる電子機器は、例えば、ノート型、デスクトップ型のパーソナルコンピュータや、スマートフォン、スマートテレビ、スマートブック、携帯電話機、PDA(personal digital assistant)、映像表示装置、テレビ電話機等の種々の電子機器として構成することができる。
【0010】
<第1実施形態>
本実施形態にかかる電子機器の一例であるテレビジョン受像機1Aは、図1,2に示されるように、支持部2(支部、台、スタンド)と、筐体3Aと、を備える。支持部2Aは、机や、棚、台等の載置部(載置面、図示されず)上に載置され、筐体3Aを支持する。支持部2Aは、筐体3Aを固定的に支持してもよいし、移動可能(回動可能、スライド可能)に支持してもよい。筐体3Aの支持部2Aに対する回動形態としては、例えばチルトや、スイベル、ピボット等がある。
【0011】
筐体3Aは、図1に示されるように、正面視では矩形状(本実施形態では一例として長方形状)に構成されている。また、筐体3Aは、図2に示されるように、前後方向に薄い扁平な直方体状に構成されている。筐体3Aは、前面3a(正面、面、第一面、第一面部)とこの反対側の後面3b(背面、面、第二面、第二面部)と、を有する。前面3aと後面3bとは略並行している。また、筐体3Aは、図1に示されるように、正面視では、四つの端部3c〜3f(辺部、縁部)と、四つの角部3g〜3j(尖部、曲部、端部)と、を有する。また、端部3c,3eは、長辺部の一例である。端部3d,3fは、短辺部の一例である。
【0012】
また、筐体3Aは、前面3aを有する壁部3k(第一壁部、第一部分、プレート、フレーム、前壁部、表壁部、天壁部)と、後面3bを有する壁部3m(第二壁部、第二部分、プレート、後壁部、裏壁部、底壁部)と、を有する。壁部3k,3mは、矩形状(本実施形態では一例として長方形状)である。また、筐体3Aは、壁部3kと壁部3mとの間に亘った側面3p(面、周面、第三面)を有する四つの壁部3n(第三壁部、第三部分、プレート、側壁部、端壁部、立壁部、亘部)を有する。そして、壁部3kには、一例としては矩形状の開口部3rが設けられている。
【0013】
さらに、筐体3Aは、複数の部品(分割体、部材)が組み合わせられて構成されることができる。筐体3Aは、一例としては、少なくとも壁部3kを含む第一部材3Fr(第一部分、前側部材、カバー)と、少なくとも壁部3mを含む第二部材3Rr(第二部分、後側部材、ベース、ボトム)とを有する。壁部3nは、第一部材3Frおよび第二部材3Rrのうち少なくともいずれか一方(例えば、第二部材3Rr)に含まれることができる。また、筐体3Aは、第一部材3Frおよび第二部材3Rrとは別に、これらの間に位置した第三部材(第三部分、中間部材、隔部材、障壁部材、壁部材、介在部材、インナプレート、ミドルプレート、ミドルフレーム、図示されず)を有する。その場合、壁部3nは、第三部材に含まれることもできる。筐体3Aは、金属材料や、合成樹脂材料等で構成されることができる。
【0014】
筐体3A内には、表示装置4(表示部、ディスプレイ、パネル)が収容されている。表示装置4の、前面3a側に位置した表示画面4aは、開口部3rを介して筐体3Aの前方(外方)に露出しており、使用者は、前方側から開口部3rを介して表示画面4aを視認することができる。表示装置4は、正面視では矩形状(本実施形態では一例として長方形状)に構成されている。また、表示装置4は、前後方向に薄い扁平な直方体状に構成されている。表示装置4は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD,liquid crystal display)や有機ELディスプレイ(OELD,organic electro-luminescent display)等である。
【0015】
表示装置4の前側(表側、壁部3k側)には、透明な比較的薄い矩形状の入力操作パネル5(一例としてはタッチパネル、タッチセンサ、操作面)が設けられている。入力操作パネル5は、表示画面4aを覆っている。操作者(ユーザ等)は、例えば手指やスタイラス等によって、入力操作パネル5に対して、触れる、押す、擦る、あるいは入力操作パネル5の近傍で動かす等の操作を行うことで、入力処理を実行することができる。また、表示装置4の表示画面4aから出た光は、入力操作パネル5を通過して壁部3kの開口部3rから筐体3Aの前方(外方)へ出る。入力操作パネル5は、入力部の一例である。
【0016】
筐体3A内には、表示装置4の後側(裏側、背後側、壁部3m側、表示画面4aとは反対側)に、複数の基板6,7(回路基板)が収容されている。基板6,7は、相異なる位置に配置され、いずれも、表示装置4と並行して設けられている。また、基板6,7は、壁部3k,3m,3n等と離間した状態で、すなわち、壁部3k,3m,3n等との間に空間が形成された状態で、設けられている。基板6,7は、表示装置4に沿って並べて配置され、筐体3Aの厚さ方向には重なり合わないのが好適である。また、基板6,7は、例えばねじ等の固定具によって、筐体3Aに固定されている。
【0017】
図1に示される基板6,7(第一基板、第一回路基板、制御基板、メイン基板)には、CPU(central processing unit)等の複数の電子部品(部品、素子、図示されず)が実装されている。電子部品には、発熱体が含まれる。また、発熱量の大きな電子部品(発熱体)には、冷却機構(放熱部、受熱部、図示されず)を設けることができる。基板6,7および電子部品によって、制御回路(図示されず)の少なくとも一部が構成されている。制御回路は、例えば、映像信号処理回路や、チューナ部、HDMI(high-definition multimedia interface)信号処理部、AV(audio video)入力端子、リモコン信号受信部、制御部、セレクタ、オンスクリーンディスプレイインタフェース、記憶部(例えば、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)、HDD(hard disk drive)等)、音声信号処理回路等を、含むことができる。制御回路は、表示装置4の表示画面4aでの映像(動画や静止画等)の出力や、スピーカ(図示されず)での音声の出力、LED(light emitting diode、図示されず)での発光等を制御する。表示装置4や、スピーカ、LED等は、出力部の一例である。
【0018】
また、本実施形態では、一例として、図3,4に示されるように、筐体3Aの角部3gに寄せて、二つのスイッチ30,31(操作部)が設けられている。具体的に、スイッチ30の開口部30aは、壁部3nの側面3p(面、外面)に、端部3dに沿った方向(Y方向)に長い長穴状の貫通孔として設けられている。スイッチ31の開口部31aは、壁部3mの後面3b(面、外面)に、端部3dに沿った方向(Y方向)に長い長穴状の貫通孔として設けられている。開口部30a,31aは、隣接して(対応して)設けられている。開口部30aには、可動部30b(操作子、操作部、ボタン)が収容されている。可動部30bは、側面3pと交叉した方向(本実施形態では、一例として法線方向)に突没可能(出没可能、出入可能、移動可能、往復可能)に設けられている。開口部31aには、可動部31b(操作子、操作部、スライダ)が収容されている。可動部31bは、側面3pに沿った方向に第一位置P1と第二位置P2との間で往復動可能に設けられている。また、開口部31aには、図4に示されるように、傾斜面31cが設けられている。傾斜面31cは、後面3b側で、筐体外側に向かうにつれて開口面積が拡がる方向に傾斜している。このような構成により、可動部31bの頂面31d(面、先端面)と後面3b(面、外面)との間には、傾斜面31cと可動部31bの側面とを含む凹部31eが形成される。よって、一例としては、操作者は指等を凹部31eに入れることで、可動部31bをより操作しやすい。
【0019】
また、本実施形態では、一例として、スイッチ30は、電源スイッチ(電源操作部、電源ボタン、機能部品、電気部品、部品)として構成される。この場合、例えば、可動部30bの押圧によってテレビジョン受像機1Aの電源のONとOFFとを切り替えることができる。可動部30bは、プッシュスイッチとして構成される接点部(図示されず)を押圧し、これにより電源のONとOFFとが切り替えられる。すなわち、スイッチ30は、プッシュスイッチとして構成される。
【0020】
一方、本実施形態では、一例として、スイッチ31は、スイッチ30のロック操作部(ロック部、ロック、ロックスイッチ、ロックスライダ)として機能することができる。具体的には、可動部31bは、一方側(本実施形態では、一例として第一位置P1)に位置された状態では可動部30bの移動(没入、引っ込み)を抑制し、他方側(本実施形態では、一例として第二位置P2)に位置された状態では可動部30bの移動を許容する。すなわち、可動部31bは、第一位置P1にある状態では、図5に示されるように、可動部30bの移動経路(移動方向P)に位置することで、可動部30bの移動を妨げる。すなわち、可動部31bは、第一位置P1にある状態では、機能部品としてのスイッチ30の機能を制限する。そして、可動部31bは、第二位置P2にある状態では、図6に示されるように、可動部30bの移動経路(移動方向P)から外れて位置することで、可動部30bは可動部31bによって妨げられることなく、外部操作に応じて移動することができる。すなわち、可動部31bは、第二位置P2にある状態では、可動部30bの移動を妨げない。なお、本実施形態では、一例として、接点部の位置と可動部31bが可動部30bの移動を妨げる位置とが異なっているため、図5,6の断面図には、接点部が図示されない。
【0021】
そして、本実施形態では、一例として、図3,4に示されるように、スイッチ31がスイッチ30をロックしている第一位置P1から第二位置P2へ移動するのを抑制する移動抑制部40A(スライド抑制部、操作抑制部、抑制部)が設けられている。本実施形態では、一例として、移動抑制部40Aは、後面3bから突出した突出部(凸部、突起、壁部、段差部)として設けられている。この移動抑制部40Aは、開口部31aの円弧状(半円状)の縁に沿って、円弧状(半円状、曲線状)に設けられている。移動抑制部40Aは、開口部31aの周縁領域で、第二位置P2側から見て第一位置P1より離れた位置に設けられている。よって、一例としては、操作者の手指等が筐体3Aの後面3bに沿って移動した際にあっては、移動抑制部40Aによって当該手指等が可動部31bに接触するのが抑制されうる。すなわち、移動抑制部40Aは、開口部31aの第一位置P1(一方側)にある可動部31bが第二位置P2(他方側)へスライドする(移動する)のを抑制することができる。移動抑制部40Aによる作用効果は、一例としては、物理的に手指等の移動を妨げることによるものや、移動抑制部40Aに手指等が触れることにより触覚的に後面3bとは異なるものと識別させ操作者に例えばそれ以上移動させない方がよいと気付かせることによるもの等がある。このように、本実施形態では、一例として、突出部として移動抑制部40Aが設けられたことで、可動部31bが第一位置P1から第二位置P2へ移動するのが抑制される。すなわち、可動部31bの誤操作や不本意な操作を抑制することができる。そして、本実施形態の場合、可動部31bが第二位置P2へ移動してスイッチ30のロックが解除され、電源スイッチとしてのスイッチ30が操作可能な状態、すなわち、不本意に電源がOFFされうる状態となるのが抑制される。なお、移動抑制部は、開口部31aの周縁領域で、第一位置P1側から見て第二位置P2より離れた位置、すなわち、開口部31aに対して移動抑制部40Aの反対側の位置に、設けられることができる。この場合には、当該移動抑制部によって、可動部31bが第二位置P2から第一位置P1へ移動するのが抑制される。開口部31aの可動部のスライド方向(移動方向)の両側に移動抑制部が設けられることもできる。
【0022】
また、本実施形態では、一例として、図4に示されるように、可動部31bの頂面31dは、突出部としての移動抑制部40Aより低く、さらには後面3bと同じかより低く設定されている。よって、本実施形態によれば、一例としては、可動部31bが後面3bあるいは移動抑制部40Aより高く突出していた場合に比べて、可動部31bが第一位置P1から第二位置P2へ移動するのを、より一層抑制することができる。
【0023】
また、移動抑制部40Aは、好適には、第一位置P1にある可動部31bから適宜に離間した位置(例えば、第一位置P1にある可動部31bから、可動部31bの直径(幅、横幅、太さ)の0.2〜1.5倍の距離離れた位置)に設けられる。移動抑制部40Aが可動部31bに近づき過ぎると可動部31bが操作されにくくなり、移動抑制部40Aが可動部31bから離れすぎると移動抑制部40Aによる移動抑制の効果が軽減するからである。
【0024】
また、本実施形態では、一例として、上述したように、移動抑制部40Aは、第一位置P1に位置した可動部31b(開口部31aの一方側の縁(端部、端縁))を一方側から囲っている。よって、本実施形態によれば、一例としては、可動部31bにより広い範囲から手指等が接触するのを抑制することができる。
【0025】
また、本実施形態では、一例として、スイッチ30,31(開口部30a,31a)は、筐体3Aの端部3dならびに角部3gに設けられた。よって、本実施形態によれば、一例としては、筐体3A内の他の部品との干渉を抑制しやすい。また、スイッチ30,31が相互に作用する構成(可動部31bが可動部30bの移動を抑制する構成)が得られやすい。また、後面3bの中央部に設けられる場合に比べて、使用者が前面3a側(正面側)から操作しやすい。
【0026】
また、本実施形態では、一例として、スイッチ30,31(可動部30b,31b)は、筐体3Aの異なる面(側面3p,後面3b)に設けられた。よって、スイッチ31を操作した際にスイッチ30を操作したり、スイッチ30を操作した際にスイッチ31を誤って操作したりする機会が低減されやすい。
【0027】
なお、傾斜面31cの傾斜角度は、第一位置P1側と第二位置P2側とで異ならせることができる。一例としては、第二位置P2側の傾斜面31c(図4では左側の傾斜面31c)の傾斜角度を第一位置P1側の傾斜面31c(図4では右側の傾斜面31c)の傾斜角度より緩やかに(後面3bとの角度が小さい状態)に設定することができる。この場合、一例としては、第一位置P1にある可動部31bと傾斜面31cとによって形成される凹部31eが、第一位置P2にある可動部31bと傾斜面31cとによって形成される凹部31eよりも狭くなる。よって、一例としては、第一位置P1にある可動部31bと傾斜面31cとによって形成される凹部31eには使用者の手指等がより入りにくくなって、可動部31bが第一位置P1から第二位置P2に移動するのが抑制される。また、頂面31dを後面3bから離れる方向に凸の曲面を有した形状に構成すれば、凹部31eがより拡がって、可動部31bがより操作されやすくなる。
【0028】
<第2実施形態>
本実施形態にかかる電子機器1Bは、例えば、所謂スレート型、タブレット型、ソフトキーボードの機能を有した表示装置等の、パーソナルコンピュータ、テレビジョン受像機、スマートフォン、スマートブック、携帯電話機、PDA等である。
【0029】
電子機器1Bの筐体3Bは、図7,8に示されるように、正面視および背面視では矩形状(本実施形態では一例として長方形状)に構成されている。また、筐体3Bは、図9〜12に示されるように、前後方向に薄い扁平な直方体状に構成されている。筐体3Bは、前面3a(正面、面、第一面、第一面部)とこの反対側の後面3b(背面、面、第二面、第二面部)と、を有する。前面3aと後面3bとは略並行している。また、筐体3Bは、図7,8に示されるように、正面視では、四つの端部3c〜3f(辺部、縁部)と、四つの角部3g〜3j(尖部、曲部、端部)と、を有する。端部3c,3eは、長辺部の一例である。また、端部3d,3fは、短辺部の一例である。
【0030】
また、筐体3Bは、前面3aを有する壁部3k(第一壁部、第一部分、プレート、フレーム、前壁部、表壁部、天壁部)と、後面3bを有する壁部3m(第二壁部、第二部分、プレート、後壁部、裏壁部、底壁部)と、を有する。壁部3k,3mは、矩形状(本実施形態では一例として長方形状)である。また、筐体3Bは、壁部3kと壁部3mとの間に亘った側面3p(面、周面、第三面)を有する四つの壁部3n(第三壁部、第三部分、プレート、側壁部、端壁部、立壁部、亘部)を有する。壁部3kには、一例としては矩形状の開口部3rが設けられている。
【0031】
さらに、筐体3Bは、複数の部品(分割体)が組み合わせられて構成されることができる。筐体3Bは、一例としては、少なくとも壁部3kを含む第一部材3Fr(第一部分、前側部材、カバー)と、少なくとも壁部3mを含む第二部材3Rr(第二部分、後側部材、ベース、ボトム)とを有する。壁部3nは、第一部材3Frおよび第二部材3Rrのうち少なくともいずれか一方(例えば、第二部材3Rr)に含まれる。また、本実施形態では、図13に示されるように、筐体3Bは、第一部材3Frおよび第二部材3Rrとは別に、これらの間に位置した第三部材3Md(第三部分、中間部材、隔部材、障壁部材、壁部材、介在部材、インナプレート、ミドルプレート、ミドルフレーム)を有する。壁部3nの一部は、第三部材3Mdに含まれることができる。筐体3Bは、金属材料や、合成樹脂材料等で構成されることができる。一例として、第二部材3Rrおよび第三部材3Mdは、例えばマグネシウム合金等の金属材料で構成されることができ、第一部材3Frは、第二部材3Rrおよび第三部材3Mdより剛性の低い合成樹脂材料で構成されることができる。なお、第一部材3Fr、第二部材3Rr、および第三部材3Mdには、リブ等の壁部(突出部、突出壁部)が設けられることができる。壁部により、筐体3Bの剛性が向上される。また、第三部材3Mdには、貫通孔等の開口部が設けられることができる。開口部により、筐体3Bをより軽量に構成することができる。
【0032】
また、本実施形態では、図10,12に示されるように、一例として、長手方向を横向きにした使用状態で下側または手前側(ユーザに近い側)となる第一部3Baの厚さが、当該使用状態で上側または奥側(ユーザから遠い側)となる第二部3Bbの厚さより薄い。このため、机等の載置面P上に載せて使用する状態では、筐体3Bの前面3aおよび表示画面4aの載置面Pからの高さが、手前側(下側)から奥側(上側)に向かうにつれて、高くなる。よって、本実施形態によれば、一例としては、電子機器1Bに対して図10の左側、図12の右側に位置したユーザにとって、表示画面4aが所謂チルトの状態となり、ユーザが表示画面4aを見やすいという利点がある。
【0033】
また、使用時に表示画面4aで出力される映像の向きは、筐体3B(電子機器1B)の姿勢に応じて変化させることができる。例えば、筐体3B内に設けられた制御回路(図示されず)は、筐体3Bに設けられたセンサ(例えば、ジャイロセンサや加速度センサ)等の検出結果に応じて、表示画面4aに出力される映像の向きや大きさ等を変更することができる。また、制御回路は、映像の姿勢を、いくつかに限定することができる。具体的には、例えば、制御回路は、筐体3Bの端部3cが端部3eより上側に位置したときに(第一姿勢)、表示画面4aに当該端部3c側が上の映像を表示し、端部3dが端部3fより上側に位置したときに(第二姿勢)、表示画面4aに当該端部3dが上の映像を表示することができる。そして、制御回路は、筐体3Bの姿勢が、従前の姿勢から第一姿勢および第二姿勢に変化した際には、表示画面4aの映像を姿勢に対応した映像に切り替えるが、従前の姿勢から第一姿勢および第二姿勢以外の姿勢(すなわち、この例では、端部3eが端部3cより上側に位置した姿勢、あるいは端部3fが端部3dより上側に位置した姿勢)に変化した際には、制御回路は、表示画面4aの映像を切り替えない。このような制御により、ユーザによる電子機器1Bの使用姿勢を、限定することができる。
【0034】
そして、筐体3Bには、部品16を出入可能に収容した部品収容部17が設けられている。部品収容部17の開口部17aは、本実施形態では、一例として、端部3dに開口している。この開口部17aは、いずれかの使用姿勢(上述の例では、第一姿勢または第二姿勢)で上側となり、かつ非使用姿勢では下側とならない端部3dに設けられている。このような構成によれば、使用姿勢では、開口部17aが上側に位置される。よって、一例としては、部品16が部品収容部17から重力の作用によって脱落するのを抑制しやすくなる。部品16は、具体的には、例えば、スタイラス、スタイラスペン、ペン等である。
【0035】
また、図7に示されるように、本実施形態では、バッテリ18と、表示装置4とが、筐体3Bの厚さ方向には重ならず、厚さ方向と直交する方向(前面3aまたは後面3bに沿う方向、X方向またはY方向、本実施形態では一例として、Y方向)に並んで配置されている。よって、一例としては、バッテリ18と表示装置4とが筐体3Bの厚さ方向に重なった場合に比べて、筐体3Bをより薄く構成することができる。また、一例としては、バッテリ18と表示装置4とが筐体3Bの厚さ方向に重なった場合に比べて、バッテリ18をより厚くしやすくなり、ひいては、バッテリ18の単位体積あたりの容量を高めやすくなる。また、図10,12に示されるように、本実施形態では、筐体3Bは、薄い第一部3Baと、厚い第二部3Bbとを有している。バッテリ18を収容するバッテリ収容部3s(バッテリ支持部)は、厚い第二部3Bbの端部3cに設けられている。よって、一例としては、バッテリ収容部3sが第一部3Baに設けられた場合に比べて、バッテリ18を厚くしやすくなり、ひいては、バッテリ18の単位体積あたりの蓄電容量を高めやすくなる。
【0036】
また、本実施形態では、バッテリ収容部3sが設けられた端部3cと反対側の端部3eが、スタンド(他の電子機器、ドッキングステーション、図18参照)に支持される。よって、一例としては、作業者(ユーザ等)は、電子機器1Bがスタンド2Bに支持された状態で、バッテリ18を筐体3Bに着脱することができる。また、端部3eには、図11に示されるように、スタンド2Bのコネクタ43と接続されるコネクタ19が設けられている。よって、一例としては、バッテリ収容部3sおよびコネクタ19が、相互に干渉することなく、筐体3Bに設けられやすい。なお、端部3eには、端子3tも露出している。コネクタ19および端子3tは、端部3eの壁部3nに設けられた開口部3uを介して露出している。
【0037】
図18に示されるように、スタンド2Bは、載置面P(図10,12参照)に沿って延びる第一支持部2aと、載置面Pと交叉した方向に延びた第二支持部2bとを有する。また、スタンド2Bは、筐体3Bの端部3dを囲う壁部2f,2g,2hを有する。壁部2hには開口部2i(切欠部)が設けられる。筐体3Bは、スタンド2Bに支持された状態では、壁部2f,2g,2hの端部2j,2k(上端部)より載置面Pから離れた部分(上側部分)が、スタンド2Bから露出する。
【0038】
また、バッテリ収容部3sにおいて、バッテリ18によって隠される部分には、筐体3Bの第一部材3Fr、第二部材3Rr、および第三部材3Mdのうちいずれか二つ以上(二つまたは三つ)の結合部分が、設けられている。この結合部分では、例えば、結合具の一例としてのねじ(図示されず)によって、第一部材3Frと第三部材3Mdまたは第二部材3Rrとが結合されている。筐体3Bを分解する場合、作業者(ユーザ等)は、まず、このねじを外して、第一部材3Frと第三部材3Mdまたは第二部材3Rrとをこの部分で少なくとも局所的に分離し、離間させる。その後、作業者は、例えば、この離間した部分に力を加えることで、第一部材3Frを弾性的に変形させながら、第一部材3Frと第三部材3Mdまたは第二部材3Rrとの弾性的な結合部(係合部、接続部、一例としては爪と孔の縁とによる係合部、図示されず)の結合を解除して、第一部材3Frを第三部材3Mdまたは第二部材3Rrから取り外す。第一部材3Frと第三部材3Mdまたは第二部材3Rrとの複数の結合部(係合部、接続部)が、第一部材3Frの外周に沿って設けられている。第二部材3Rrと第三部材3Mdとを結合する結合具としての複数のねじ(図示されず)は、第一部材3Frによって全て覆われている。よって、作業者は、第一部材3Frを第三部材3Mdまたは第二部材3Rrから取り外すことで、そのねじを取り外すことができ、第二部材3Rrと第三部材3Mdとを分離することができる。このような構成によれば、バッテリ18をバッテリ収容部3sから取り外したときに、筐体3Bの円滑な分解が可能となる。すなわち、バッテリ18がバッテリ収容部3sに装着された状態で筐体3Bが分解されるのを抑制することができる。
【0039】
また、本実施形態では、第二部材3Rrおよび第三部材3Mdがバッテリ収容部3sまで進出し、端部3c(壁部3n、側面3p)の一部を構成している。よって、一例としては、筐体3Bの剛性をより高くすることができる。また、バッテリ収容部3sの剛性がより高くなるため、一例としては、バッテリ18の振動やずれ等をより一層抑制しやすくなる。
【0040】
また、図7〜12に示されるように、筐体3Bの前面3aや側面3pには、操作部20やコネクタ21が設けられている。操作部20は、押しボタンや、押しスイッチ、スライドスイッチ、ポインティングデバイス等であることができる。コネクタ21は、電源ケーブル用のコネクタや、USBコネクタ、イヤホンやマイクのコネクタ等である。操作部20やコネクタ21は、筐体3Bの壁部3k,3nに設けられた開口部3uを介して露出している。また、前面3aには、カメラ50(カメラモジュール、撮像装置)を設けることができる。
【0041】
また、図8,10に示されるように、筐体3Bの後面3bや側面3pには、電子部品12(図15等参照)の冷却等に用いる空気を導入したり排出したりする通気口22が設けられている。本実施形態では、一例として、後面3b(壁部3m)に、空気を導入する導入口22aが設けられ、側面3p(壁部3n、端部3d)に、空気を排出する排出口22bが設けられている。本実施形態では、導入口22aや排出口22bは、壁部3m,3nに設けられた複数の小孔22cが集まった部分として設けられている。なお、後面3bには突出部3v(例えば、ゴム等によって構成された突出部)が設けられている。よって、図10,12に示されるような後面3bが載置面P上に載せられた状態でも、導入口22aは塞がれない。また、本実施形態では、筐体3Bの薄い第一部3Baと厚い第二部3Bbとの境界部分に、傾斜部3Bcが設けられている。そして、図8に示されるように、導入口22aのうちの一つ22a1が、傾斜部3Bcの後面3bに設けられている。図10,12に示されるように、傾斜部3Bcと載置面Pとの間の距離は、他の部分と載置面Pとの間の距離より大きくなるため、この傾斜部3Bcに設けられた導入口22a1については、空気の通流抵抗を減らしやすくなって、冷却効率をより高めやすくなる。また、本実施形態では、複数の導入口22aが設けられている。よって、一例としては、何らかの原因で一つの導入口22aが塞がれたような場合にあっても、他の導入口22aから空気流を筐体3B内に導入することができ、冷却性能が損なわれにくくなる。なお、筐体3B内は、冷却機構23(図14等参照)によって冷却してもよいし、自然冷却(対流冷却)によって冷却してもよい。
【0042】
図13に示されるように、本実施形態でも、筐体3B内に、本実施形態では、一例として、第一部材3Frと第三部材3Mdとの間に、表示装置4(表示部、ディスプレイ、パネル)が収容されている。表示装置4の、前面3a側に位置した表示画面4aは、開口部3rを介して筐体3Bの前方(外方)に露出しており、使用者は、前方側から開口部3rを介して表示画面4aを視認することができる。表示装置4は、正面視では矩形状(本実施形態では一例として長方形状)に構成されている。また、表示装置4は、前後方向に薄い扁平な直方体状に構成されている。表示装置4は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD,liquid crystal display)や有機ELディスプレイ(OELD,organic electro-luminescent display)等である。
【0043】
また、表示装置4の前側(表側、壁部3k側)には、透明な比較的薄い矩形状の入力操作パネル5(一例としてはタッチパネル、タッチセンサ、操作面)が設けられている。入力操作パネル5は、表示画面4aを覆っている。操作者(ユーザ等)は、例えば、手指や部品16(スタイラス)等で入力操作パネル5に対して、触れる、押す、擦る、あるいは手指やスタイラス等を入力操作パネル5の近傍で動かす等の操作を行うことで、入力処理を実行することができる。また、表示装置4の表示画面4aから出た光は、入力操作パネル5を通過して壁部3kの開口部3rから筐体3Bの前方(外方)へ出る。入力操作パネル5は、入力部の一例である。
【0044】
そして、図13,14等に示されるように、筐体3B内には、表示装置4の後側(裏側、背後側、壁部3m側、表示画面4aとは反対側)、本実施形態では、一例として、第二部材3Rrと第三部材3Mdとの間に、複数の基板6,7,25が収容されている。基板6,7,25は、相異なる位置に配置され、いずれも、表示装置4と並行して設けられている。また、基板6,7,25は、壁部3k,3m,3n等と離間した状態で、すなわち、壁部3k,3m,3n等との間に空間が形成された状態で、設けられている。基板6,7,25は、表示装置4に沿って並べて配置され、筐体3Bの厚さ方向には重なり合わないのが好適である。また、基板6,7,25は、ねじ等の固定具によって、筐体3Bに固定されている。
【0045】
基板6(第一基板、第一回路基板、制御基板、メイン基板)には、例えば、CPU(central processing unit)や、グラフィックコントローラ、電源回路部品、PCH(platform controller hub)、メモリスロットコネクタ、LCDコネクタ、I/O(input/output)コネクタ、電源コイル、素子、コネクタ等の複数の電子部品12(図15等参照、図15には一部のみ図示)を実装することができる。電子部品12には、発熱体が含まれる。発熱量の大きな電子部品12(発熱体)には、冷却機構23を設けることができる。冷却機構23は、ヒートシンク(受熱部、図示されず)、ヒートパイプ23a、放熱部23b、ファン24等を含んでいる。基板6および電子部品12によって、制御回路(図示されず)の少なくとも一部が構成されている。また、制御回路は、例えば、映像信号処理回路や、チューナ部、HDMI(high-definition multimedia interface)信号処理部、AV(audio video)入力端子、リモコン信号受信部、制御部、セレクタ、オンスクリーンディスプレイインタフェース、記憶部(例えば、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)、HDD(hard disk drive)等)、音声信号処理回路等を、含むことができる。制御回路は、表示装置4の表示画面4aでの映像(動画や静止画等)の出力や、スピーカ(図示されず)での音声の出力、LED(light emitting diode、図示されず)での発光等を制御する。表示装置4や、スピーカ、LED等は、出力部の一例である。
【0046】
基板7およびモジュール8A,8Bは、上記第1実施形態と同様の構成を有している。本実施形態でも、基板7の第一面7aおよびモジュール8Aが表示装置4側に位置し、第二面7bおよびモジュール8Bが表示装置4の反対側に位置している。また、第一面7a、第二面7b、およびモジュール8A,8Bは、表示装置4に沿って配置されている。また、基板25には、電子部品12が設けられている。また、筐体3B内には、フレキシブルケーブル27が収容されている。フレキシブルケーブル27は、基板6,7,25や、表示装置4、コネクタ19等の間を、電気的に接続している。フレキシブルケーブル27は、対応するコネクタ14に電気的に接続されている。フレキシブルケーブル27は、例えば、フレキシブルプリント配線板や、フラットケーブル等である。
【0047】
また、図14に示されるように、筐体3B内には、複数のアンテナ26が収容されている。本実施形態では、一つの通信モジュール(例えば、モジュール8B)に接続された複数のアンテナ26が、相互に離間して配置されている。本実施形態では、一例として、一つのアンテナ26は、筐体3Bの端部3dおよび端部3eの近傍(角部3hの近傍)に配置され、もう一つのアンテナ26は、筐体3Bの端部3eおよび端部3fの近傍(角部3iの近傍)に配置されている。これにより、一例としては、アンテナ26の空間ダイバーシティを構成することができる。なお、アンテナ26とモジュール8Bとは、ケーブル28を介して電気的に接続されている。なお、一方のアンテナ26を送受信用とし、他方のアンテナ26を受信専用とするなど、複数のアンテナ26,26で機能を分けることもできるし、一方のアンテナ26を他方のアンテナ26の予備として利用することもできる。
【0048】
また、図8,13から明らかであるように、基板6,7および冷却機構23は、筐体3Bの厚い第二部3Bbに位置されている。よって、一例としては、基板6,7および冷却機構23が薄い第一部3Baに位置された場合に比べて、空間をより広く確保しやすくなり、冷却機構23のファン24によって流される空気流による冷却効果が得られやすい。また、本実施形態では、ファン24および放熱部23bは、規定された(制御された)使用状態で上側となる端部3cと端部3dとが接続される角部3gに設けられている。したがって、一例としては、電子機器1Bの使用姿勢によらず、ファン24および放熱部23bを筐体3B内の上側に配置することができる。よって、一例としては、熱が筐体3B内に留まりにくくなる。なお、ファン24および放熱部23bは、排出口22bに隣接して設けられている。
【0049】
基板7は、冷却機構23との間で基板6を挟む位置(第二部3Bbで基板7、基板6、および冷却機構23の順に並ぶ位置)に設けられる。このような構成により、外部から吸気された空気が基板6の位置に到達する前に基板7に当たる。よって、一例としては、基板7の放熱効率が向上する。また、モジュール8A,8Bが実装された基板7が、筐体3B内の部品の中では比較的重量が大きく筐体3Bの中央に位置した基板6に対し、他の重量物である冷却機構23と反対側に位置される。よって、一例としては、電子機器1Bの重量バランスがより良くなる。よって、一例としては、ユーザは、電子機器1Bを持ち運ぶ際に、より持ちやすい。
【0050】
また、図8,13に示されるように、本実施形態では、一例として、筐体3Bの壁部3mに、ファン24に近い導入口22a2と、基板6を挟んで導入口22a2の反対側に位置した導入口22a3と、導入口22a2,22a3より発熱体としての電子部品12に近い導入口22a1と、が設けられている。導入口22a2が設けられたことで、筐体3B内により効率良く空気流を流すことができる。また、導入口22a3から導入された空気流Sは、基板6の後側の第二面6bに沿ってファン24に向けて流れる空気流S2と、基板6のファン24の反対側に位置した端部6cの外側を通過して(回り込んで、迂回して)基板6の前側の第一面6aに沿ってファン24に向けて流れる空気流S1と、に分けられる。よって、基板6の第一面6aおよび第二面6bの両側に設けられた電子部品12(発熱体)を冷却することができる。
【0051】
そして、本実施形態では、一例として、図16,17に示されるように、上記第1実施形態と同様の構成を有したスイッチ30,31および移動抑制部40Aが設けられている。筐体3Bの外形が若干異なるものの、スイッチ30,31の構成や配置は、上記第1実施形態と同様である。よって、本実施形態によっても、スイッチ30,31に関し、移動抑制部40Aによる上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0052】
また、本実施形態では、一例として、図16に示されるように、バッテリ収容部3sの長手方向端部に設けられてバッテリ18を支持する支持部3w(突出部)の内部に、スイッチ30,31が設けられている。このような構成により、一例としては、この部分のデッドスペースをより有効に利用することができる。
【0053】
また、本実施形態では、一例として、突出部(凸部)として設けられる移動抑制部40Aより高く突出した突出部3vが設けられている。よって、図10に示されるような載置面Pに載置された状態で筐体3Bが移動されたような場合や、筐体3Bが鞄にいれられたような場合にあっても、移動抑制部40Aに加えてさらに突出部3vにより、可動部31bが不本意に移動するのが抑制される。また、突出部3vは、第一位置P1にある可動部31bから見て移動抑制部40Aの位置された側で、移動抑制部40Aより離れて位置されている。よって、突出部3vは、移動抑制部40Aによる可動部31bの移動抑制の効果を補強することができる。また、本実施形態では、一例として、図8に示されるように、突出部3vは、スイッチ31および移動抑制部40Aの近傍に配置されている。よって、本実施形態によれば、一例としては、突出部3vによる効果が得られやすい。また、本実施形態では、一例として、スイッチ31および移動抑制部40Aは、突出部3vより端部3dおよび角部3gに寄せて位置されている。よって、本実施形態によれば、一例としては、筐体3Bの正面側からのスイッチ31(可動部31b)の操作が、突出部3vによって妨げられにくい。
【0054】
また、図8,18からわかるように、本実施形態では、一例として、スイッチ31(可動部31b)および移動抑制部40Aは、筐体3Bがスタンド2Bに支持された状態で、スタンド2Bから露出する部分、すなわち、コネクタ19が設けられた端部3eとは反対側の端部3cまたは角部3gに、設けられる。よって、一例としては、筐体3Bがスタンド2Bに着脱される際に、スタンド2B等が当たって可動部31bが移動するのが抑制される。
【0055】
なお、スイッチ31(可動部31b)は、筐体3Bの湾曲部分に設けることができる。この場合、可動部31bを後面3b(面)からより離間した位置に設けることができるため、筐体3Bが載置面P等に載せられた場合に、当該載置面Pに当たるなどして可動部31bが動くのが抑制される。また、スイッチ31の開口部31a(の長手方向、可動部31bの移動方向)は、本実施形態では、一例として、筐体3Bの短手方向(スタンド2への着脱方向)に沿っているが、長手方向に沿ってもよい。
【0056】
<第1変形例>
本変形例では、一例として、図19,20に示されるように、上記第1、第2実施形態の移動抑制部40Aに替えて移動抑制部40Cが設けられている。本変形例は、移動抑制部40Aに替えて移動抑制部40Cが設けられた点以外、第2実施形態と同様である。移動抑制部40Cは、一例として、凹部(凹溝、穴部、開口部、段差部)として設けられている。移動抑制部40Cは、凹凸部の一例である。この移動抑制部40Cも、開口部31aの円弧状(半円状)の縁に沿って、円弧状(半円状、曲線状)に設けられている。よって、一例としては、操作者の手指等が筐体3Cの後面3bに沿って移動した際にあっては、移動抑制部40Cにより当該手指等が可動部31bに接触するのが抑制されうる。すなわち、移動抑制部40Cは、開口部31aの第一位置P1(一方側)にある可動部31bが第二位置P2(他方側)へスライドする(移動する)のを抑制することができる。移動抑制部40Cによる作用効果は、一例としては、物理的に手指等の移動を妨げる(例えば、手指等を凹部の縁に引っ掛ける)ことによるものや、移動抑制部40Cに手指等が触れることにより触覚的に後面3bとは異なるものと識別させ操作者に例えばそれ以上移動させない方がよいと気付かせることによるもの等がある。このように、本実施形態では、一例として、凹部として移動抑制部40Cが設けられたことで、可動部31bが第一位置P1から第二位置P2へ移動するのが抑制される。すなわち、操作者による可動部31bの誤操作や不本意な操作を抑制することができる。本変形例によっても、上記実施形態と同様の効果が得られる。また、本変形例によれば、後面3b(面)に突出した部分が設けられない場合や設けにくい場合等に有効である。
【0057】
<第2変形例>
本変形例では、一例として、図21に示されるように、上記第1、第2実施形態の移動抑制部40Aに替えて移動抑制部40Dが設けられている。本変形例は、移動抑制部40Aに替えて移動抑制部40Dが設けられた点以外、第2実施形態と同様である。移動抑制部40Dは、一例として、複数の突起40a(突出部、段差部)として設けられている。移動抑制部40Dは、凹凸部の一例である。本変形例では、複数の突起40aとしての移動抑制部40Dが、開口部31aの円弧状(半円状)の縁に沿って、円弧状(半円状、曲線状)に並べて配置されている。本変形例によっても、上記実施形態や変形例と同様の効果が得られる。また、本変形例でも、後面3b(面)に突出した部分が設けにくい場合等に有効である。なお、移動抑制部40Dは、筐体3Dの壁部3mの一部として一体的に設けてもよいし、別部材を取り付ける(嵌める、装着する、付ける、貼り付ける)等によって設けてもよい。
【0058】
<第3変形例>
本変形例では、一例として、図22,23に示されるように、上記第1、第2実施形態の移動抑制部40Aに替えて移動抑制部40E1,40E2が設けられている。本変形例は、移動抑制部40Aに替えて移動抑制部40E1,40E2が設けられた点以外、第2実施形態と同様である。移動抑制部40E1は、一例として、後面3b上に、当該後面3bの他の領域(一般領域)より粗い(表面粗さが大きい)領域として設けられている。移動抑制部40E1は、例えば、成形型に設けた凹凸によって形成することができるし、成形後に切削加工やプレス加工等を施すことで設けることもできる。また、当該領域に、他の領域とは面粗さの異なる部材を取り付ける(嵌める、装着する、付ける、貼り付ける)等によって設けてもよい。移動抑制部40E1による作用効果は、一例としては、物理的に手指等の移動を妨げる(例えば、手指等の移動速度を低下させる)ことによるものや、移動抑制部40E1に手指等が触れることにより触覚的に後面3bとは異なるものと識別させ操作者に例えばそれ以上移動させない方がよいと気付かせることによるもの等がある。移動抑制部40E1は、凹凸部の一例である。この移動抑制部40E1も、開口部31aの円弧状(半円状)の縁に沿って、円弧状(半円状、曲線状)に設けられている。一方、移動抑制部40E2は、一例として、傾斜面31cに、突出部(突起、凸部、壁部、段差部)として設けられている。移動抑制部40E2は、凹凸部の一例である。この移動抑制部40E2も、開口部31aの円弧状(半円状)の縁に沿って、円弧状(半円状、曲線状)に設けられている。本変形例によっても、上記実施形態や変形例と同様の効果が得られる。また、本変形例によれば、後面3b(面)に突出した部分が設けにくい場合等に有効である。また、本変形例によれば、可動部31bを、二つの移動抑制部40E1,40E2で囲う(覆う)ため、可動部31bの移動がより一層抑制されやすい。また、本変形例では、可動部31bの頂面31d(先端部、先端)が、後面3b(面)より低く設けられた。よって、可動部31bの不本意な操作あるいは誤操作がより一層抑制されやすい。
【0059】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は一例に過ぎない。本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、移動抑制部は、当該移動抑制部が設けられる面の他の部分(周辺部分、一般部分)と表面性状(例えば、面粗度等)の異なる領域として設けることができる。また、図24〜26に示される筐体3F〜3Hのように、移動抑制部40F〜40Hは、開口部31aの長手方向と交叉する方向(短手方向、幅方向)に沿った線状(I字状)に設けることができるし(図24)、L字状に第一位置P1の可動部31bを囲っても良いし(図25)、開口部31aの長手方向に沿って延びた二つの並行した部分を有したII字状に設けてもよい(図26)。また、上記各実施形態の技術的特徴は、適宜に組み合わせて実施することができる。また、各構成要素のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。また、上記実施形態あるいは変形例にかかる構成は、鞄に電子機器を入れる際に物と干渉した場合など、手指等以外による誤操作や不本意な操作に対しても有効である。
【符号の説明】
【0060】
1A…テレビジョン受像機(電子機器)、1B…電子機器、3A〜3E…筐体、3b…後面(外面)、3d…端部、3g…角部、3p…側面(面)、12…電子部品、30…スイッチ(機能部品)、30b…可動部(第二可動部)、31a…開口部、31b…可動部、31e…凹部、40A,40D,40E1,40E2…移動抑制部(凸部、抑制部、段差部)、40C…移動抑制部(凹部、抑制部、段差部)、P1…第一位置、P2…第二位置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面を有した表示装置と、
前記表示装置と電気的に接続された電子部品と、
前記表示装置と前記電子部品とが収容され、外面に開口された開口部が設けられた筐体と、
前記筐体内に少なくとも一部が収容された機能部品と、
前記開口部を介して外部から操作可能に露出され、前記機能部品における少なくとも一部の機能が制限される第一位置と、前記第一位置でなされた前記機能の制限が解除される第二位置との間で前記開口部に沿ってスライド可能な可動部と、
前記第二位置から前記開口部に沿った方向にみて前記第一位置よりも離れた位置、または前記第一位置から前記開口部に沿った方向にみて前記第二位置よりも離れた位置の何れか少なくとも一方に設けられるとともに、前記開口部の周縁領域に設けられた凹部または凸部と、
を備えた、テレビジョン受像機。
【請求項2】
前記凹部または凸部は、前記可動部を囲う凸部である、請求項1に記載のテレビジョン受像機。
【請求項3】
前記凸部は、前記第一位置にある前記可動部を囲う、請求項2に記載のテレビジョン受像機。
【請求項4】
前記外面から前記凸部より高く突出した突出部が設けられた、請求項2または3に記載のテレビジョン受像機。
【請求項5】
前記可動部は、前記外面より低く設けられた、請求項1〜4のうちいずれか一つに記載のテレビジョン受像機。
【請求項6】
前記開口部は、前記筐体の端部に設けられた、請求項1〜5のうちいずれか一つに記載のテレビジョン受像機。
【請求項7】
前記開口部は、前記端部の湾曲部分に設けられた、請求項6に記載のテレビジョン受像機。
【請求項8】
前記筐体に移動可能に設けられた第二可動部を備え、
前記可動部は、前記第一位置で前記第二可動部の移動を抑制し、前記第二位置で前記第二可動部の移動を抑制しない、請求項1〜7のうちいずれか一つに記載のテレビジョン受像機。
【請求項9】
前記第二可動部が、前記可動部が露出した外面とは異なる前記筐体の面で露出した、請求項8に記載のテレビジョン受像機。
【請求項10】
表示画面を有した表示装置が収容され、開口部が設けられた筐体と、
前記開口部から露出され、前記筐体の前記開口部の周縁部の一部より低く位置され、前記開口部で前記外面に沿ってスライド可能に設けられた可動部と、
前記開口部周縁の一部の領域に設けられた段差部と、
を備えた、電子機器。
【請求項11】
表示画面を有した表示装置が収容され、開口部が設けられた筐体と、
前記開口部から露出され、前記筐体の前記開口部の周縁部の少なくとも一部より低く位置され、前記開口部に沿ってスライド可能に設けられた可動部と、
前記開口部の一方側の周縁部に設けられ前記可動部が他方側へ移動するのを抑制する抑制部と、
を備えた、電子機器。
【請求項1】
表示画面を有した表示装置と、
前記表示装置と電気的に接続された電子部品と、
前記表示装置と前記電子部品とが収容され、外面に開口された開口部が設けられた筐体と、
前記筐体内に少なくとも一部が収容された機能部品と、
前記開口部を介して外部から操作可能に露出され、前記機能部品における少なくとも一部の機能が制限される第一位置と、前記第一位置でなされた前記機能の制限が解除される第二位置との間で前記開口部に沿ってスライド可能な可動部と、
前記第二位置から前記開口部に沿った方向にみて前記第一位置よりも離れた位置、または前記第一位置から前記開口部に沿った方向にみて前記第二位置よりも離れた位置の何れか少なくとも一方に設けられるとともに、前記開口部の周縁領域に設けられた凹部または凸部と、
を備えた、テレビジョン受像機。
【請求項2】
前記凹部または凸部は、前記可動部を囲う凸部である、請求項1に記載のテレビジョン受像機。
【請求項3】
前記凸部は、前記第一位置にある前記可動部を囲う、請求項2に記載のテレビジョン受像機。
【請求項4】
前記外面から前記凸部より高く突出した突出部が設けられた、請求項2または3に記載のテレビジョン受像機。
【請求項5】
前記可動部は、前記外面より低く設けられた、請求項1〜4のうちいずれか一つに記載のテレビジョン受像機。
【請求項6】
前記開口部は、前記筐体の端部に設けられた、請求項1〜5のうちいずれか一つに記載のテレビジョン受像機。
【請求項7】
前記開口部は、前記端部の湾曲部分に設けられた、請求項6に記載のテレビジョン受像機。
【請求項8】
前記筐体に移動可能に設けられた第二可動部を備え、
前記可動部は、前記第一位置で前記第二可動部の移動を抑制し、前記第二位置で前記第二可動部の移動を抑制しない、請求項1〜7のうちいずれか一つに記載のテレビジョン受像機。
【請求項9】
前記第二可動部が、前記可動部が露出した外面とは異なる前記筐体の面で露出した、請求項8に記載のテレビジョン受像機。
【請求項10】
表示画面を有した表示装置が収容され、開口部が設けられた筐体と、
前記開口部から露出され、前記筐体の前記開口部の周縁部の一部より低く位置され、前記開口部で前記外面に沿ってスライド可能に設けられた可動部と、
前記開口部周縁の一部の領域に設けられた段差部と、
を備えた、電子機器。
【請求項11】
表示画面を有した表示装置が収容され、開口部が設けられた筐体と、
前記開口部から露出され、前記筐体の前記開口部の周縁部の少なくとも一部より低く位置され、前記開口部に沿ってスライド可能に設けられた可動部と、
前記開口部の一方側の周縁部に設けられ前記可動部が他方側へ移動するのを抑制する抑制部と、
を備えた、電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
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【図21】
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【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2013−98667(P2013−98667A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238027(P2011−238027)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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