説明

電子装置

【課題】アンテナ素子と金属板との導通性が向上した電子装置を提供することを課題とする。
【解決手段】電子装置1は、基材B、基材Bに形成された皮膜Fを含み、貫通孔52a、52b、59aを有した金属板50と、給電され金属板50から離間した放射部16、貫通孔52bの少なくとも一部と重なり金属板50に導通した短絡部12、を有したアンテナ素子10と、金属板50にアンテナ素子10を固定する固定部材30と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子装置には、無線通信をするためのアンテナを備えたものがある。このようなアンテナとして、平板状の逆Fアンテナが知られている。特許文献1〜3には、このようなアンテナに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−46117号公報
【特許文献2】特開2005−64792号公報
【特許文献3】特開2008−258883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
逆Fアンテナのアンテナ素子には、電力が供給されると共に、金属板と導通して短絡される。ここで、アンテナ素子と金属板との導通性が悪いと、アンテナの性能に影響を与える恐れがある。
【0005】
本発明は、アンテナ素子と金属板との導通性が向上した電子装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示の電子装置は、基材、前記基材に形成された皮膜を含み、貫通孔を有した金属板と、給電され前記金属板から離間した放射部、前記貫通孔の少なくとも一部と重なり前記金属板に導通接触した短絡部、を有したアンテナ素子と、前記金属板に前記アンテナ素子を固定する固定部材と、を備えている。
【発明の効果】
【0007】
アンテナ素子と金属板との導通性が向上した電子装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1A、1Bは、電子装置の外観の説明図である。
【図2】図2は、電子装置の内部の構造の説明図である。
【図3】図3は、アンテナ素子、固定部材周辺の拡大図である。
【図4】図4は、アンテナの説明図である。
【図5】図5は、アンテナの説明図である。
【図6】図6は、アンテナの説明図である。
【図7】図7は、アンテナの説明図である。
【図8】図8は、アンテナの説明図である。
【図9】図9は、アンテナの説明図である。
【図10】図10は、アンテナの説明図である。
【図11】図11は、アンテナの説明図である。
【図12】図12A〜12Dは、金属板の製造方法の説明図である。
【図13】図13A、13Bは、金属板の製造方法の説明図である。
【図14】図14A、14Bは、金属板とアンテナ素子との接触の説明図である。
【図15】図15A、15Bは、位置決め部の説明図である。
【図16】図16A、16Bは、金属板の変形例の説明図である。
【図17】図17A、17Bは、金属板とアンテナ素子との接触の説明図である。
【図18】図18A、18Bは、固定部材の変形例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1A、1Bは、電子装置1の外観の説明図である。電子装置1は、枠体2、枠体2に保持されたディスプレイユニット3、枠体2の背面側に設けられた背面板4、背面板4を支持する支持台5、を有している。電子装置1は、ディスプレイユニット3に画像を表示可能な表示装置である。
【0010】
図2は、電子装置1の内部の構造の説明図である。図2は、電子装置1の背面側の内部構造を示している。電子装置1内には、メイン基板6、金属板50が収納されている。メイン基板6には、CPU(Central Processing Unit)、CPUを冷却するためのヒートシンク7、ヒートシンク7を冷却するためのファン8、メモリM等が実装されている。また、電子装置1内には、金属板50、アンテナ素子10〜10b、固定部材30〜30bが設けられている。メイン基板6、アンテナ素子10〜10b、固定部材30〜30b、ハードディスクドライブHD等は、金属板50に固定されている。金属板50は、ディスプレイユニット3の背面側全体を覆うようにしてディスプレイユニット3に固定されている。アンテナ素子10、10aは、ワイアレスLAN用に用いられる。アンテナ素子10bは、ワイアレスUSB(Universal Serial Bus)用に用いられる。電子装置1は、テレビ受像機としての機能を有すると共に、ネットワーク網にアクセス可能な情報処理装置としても機能する。
【0011】
図3は、アンテナ素子10、10b、固定部材30、30b周辺の拡大図である。アンテナ素子10、10b、固定部材30、30bは、金属板50の縁部に固定されている。金属板50の縁部と枠体2の外周壁2aとの間には、複数の部品が設けられている。例えば、図2、3に示すように、タッチパネル用のコネクタ3a、3bや、ウェブカメラ3c、3Dメガネに信号を送信するための送信部3d等である。このような部分に複数の部品を配置することにより、電子装置1の薄型化を確保している。
【0012】
図4〜11は、アンテナの説明図である。
アンテナ素子10、固定部材30、金属板50は、外部機器と無線通信を行なうためのアンテナとして機能する。図4は、アンテナ素子10の説明図である。アンテナ素子10は、例えば銅などの金属製であり、略平板状である。アンテナ素子10は、略矩形状である。アンテナ素子10は、短絡部12、折曲部14、放射部16を有している。アンテナ素子10には、電力を供給するための給電ケーブルCが接続されている。給電ケーブルCは、折曲部14に沿うようにテープ等で固定され、給電ケーブルC内の銅線は放射部16側に接続されている。放射部16には、折曲部14から互いに分岐した放射素子部17a、17bが形成されている。短絡部12、放射部16は互いに平行になるように折曲部14で折り曲げられている。短絡部12の表面積は、放射部16の表面積よりも大きい。アンテナ素子10は、いわゆる逆Fアンテナである。尚、放射素子部17a、17bについては、図4以外の図では省略してある。放射素子部17a、17bは形成されていなくてもよい。
【0013】
図5は、アンテナ素子10を固定する前の金属板50の部分拡大図である。
金属板50には、貫通孔52a、2つの貫通孔52b、挿入孔55、2つの位置決め部58、位置決め部58を挟むように設けられた貫通孔59a、59bが形成されている。貫通孔52aは、貫通孔52bよりも径が大きい。貫通孔52a、52b、59a、59bは、パンチを用いたせん断加工に形成される。位置決め部58は、位置決め部58周囲の部分よりも隆起した形状である。位置決め部58は、曲げ加工により形成される。また、金属板50には、ナットNが固定されている。ナットNは金属板50とは別体である。
【0014】
図6は、金属板50にアンテナ素子10を配置した状態を示している。
アンテナ素子10の短絡部12は、金属板50の貫通孔52a、52bを塞ぐよう重なっている。アンテナ素子10は、2つの位置決め部58に当接することにより金属板50に対して位置決めされる。2つの位置決め部58は、それぞれ短絡部12の隣接する2辺に当接する。短絡部12は、金属板50に当接する。折曲部14、放射部16は、金属板50に当接せずに離間している。放射部16は、金属板50から外側に突出している。短絡部12が位置決め部58に当接して適切な位置にある場合には、挿入孔55と短絡部12とは重ならない。給電ケーブルCの銅線は、金属板50と当接している短絡部12以外の、折曲部14、放射部16の何れかで接続していればよい。
【0015】
図7は、固定部材30の説明図である。
固定部材30は、絶縁性を有した合成樹脂製である。固定部材30は、アンテナ素子10の短絡部12を覆うための遮蔽部31を有している。遮蔽部31の内面側には、リブ32a、32b、ボス32c、32dが形成されている。リブ32a、32bは、互いに交差する方向に延びている。リブ32a上には略円筒状のボス32cが連続して形成されている。リブ32b上には円筒状の32dが連続して形成されている。遮蔽部31の縁部には、壁部33a、33bが形成されている。壁部33a、33bは、略直交して連続している。固定部材30は、アンテナ素子10の放射部16の縁を保護するための一対の保護部36を有している。固定部材30は、アンテナ素子10に接続されている給電ケーブルCを逃がすための切欠部37を有している。固定部材30は、金属板50の挿入孔55に挿入可能な挿入部35b、金属板50上に固定されたナットNに固定するための嵌合孔35a、を有している。
【0016】
図8は、金属板50に固定部材30を固定する際の説明図である。
アンテナ素子10が、2つの位置決め部58に位置決めされた状態で、挿入部35bを挿入孔55に挿入し、嵌合孔35aをナットNに嵌合させる。これにより、固定部材30は、金属板50に対して位置決めされる。次に、ネジSをナットNに嵌合する。これにより、固定部材30は金属板50に固定され、アンテナ素子10は固定部材30と金属板50との間で保持される。このように、固定部材30は、アンテナ素子10を金属板50に固定する。尚、詳しくは後述するが、2つの位置決め部58も固定部材30に当接することにより、固定部材30を位置決めする機能を有している。
【0017】
図9は、金属板50にアンテナ素子10、固定部材30が固定された状態を示している。
固定部材30の先端部側は、金属板50から突出している。遮蔽部31は、アンテナ素子10の短絡部12を覆っている2つの保護部36は、放射部16の縁を覆っている。固定部材30は、放射部16の両面側を開放している。
【0018】
図10は、固定部材30の内部構造を示した図である。図11は、図10のA−A断面図である。
壁部33a、33bが位置決め部58に当接することにより、固定部材30は金属板50に対して位置決めされている。また、固定部材30のリブ32bは、短絡部12を介して、1つの貫通孔52bと重なるようにして短絡部12を金属板50側に押している。また、壁部33aは、貫通孔59aと重なるようにして短絡部12を金属板50側に押している。また、壁部33bも同様に、貫通孔59aと重なるようにして短絡部12を金属板50側に押している。これにより、短絡部12と金属板50との導通性が確保される。リブ32b、壁部33a、33bは、短絡部12を介して貫通孔52b、59aの少なくとも一部と重なるように短絡部12を金属板50側に押す押圧部に相当する。短絡部12と金属板50との導通性が確保される理由について説明する前に、金属板50の製造方法について説明する。
【0019】
図12A〜12D、13A、13Bは、金属板50の製造方法の説明図である。尚、これら図は、理解を容易にするために誇張して示している。図12Aに示すように、金属板50の基材Bを用意する。
基材Bは、圧延鋼板であるが、それ以外の金属性の板であってもよい。次に、図12Bに示すように、貫通孔52a、52bを、パンチによりせん断加工する。尚、図12Bにおいては、貫通孔59a、59b等は省略していある。図12Cは、貫通孔52a周辺の拡大図である。貫通孔52aの加工に伴い、貫通孔52aの縁周囲には、貫通孔52aの軸方向に延びたバリB1が形成される。このバリB1を面打ち加工により潰すと、図12Dに示すように、バリB1が潰れて傾斜部B2が形成される。傾斜部B2は、基材Bの水平面に対して傾斜している。
【0020】
次に、基材Bに対してメッキ処理をする。メッキ処理は、例えば電気亜鉛メッキであるが、これ以外の電気メッキでもよいし、無電解メッキ、溶融亜鉛メッキであってもよい。これにより、図13Aに示すように、基材Bの表面には薄い皮膜Fが形成される。このようにして金属板50は製造される。図13Bは、傾斜部B2付近の拡大図である。傾斜部B2を覆う皮膜F2、基材Bの貫通孔52aの内周を覆う皮膜F3、の厚さは、基材Bの平面を覆う皮膜F1の厚さよりも薄い。この理由は、平坦な部分の面積が小さい箇所ほど、メッキ液を保持しにくいと考えられるからである。メッキ処理を行う理由は、基材Bの耐食性等を向上させるためである。
【0021】
図14A、14Bは、金属板50とアンテナ素子10との接触の説明図である。図14Aは、金属板50にアンテナ素子10を載せた状態を示しており、図14Bは、固定部材30によりアンテナ素子10が金属板50側に押し付けられた状態を示している。アンテナ素子10が押し付けられることにより、短絡部12が撓んで皮膜F2に接触する。ここで、前述したように、皮膜F2は、皮膜F1よりも薄い。ここで、皮膜Fは、短絡部12と基材Bとの導通性を妨げるように作用する。しかしながら、図14Bに示すように、厚みの薄い皮膜F2の部分に短絡部12が押し付けられることにより、短絡部12と基材Bとの間の距離が短くなる。これにより、アンテナ素子10と金属板50との導通性が向上する。
【0022】
このように、本発明者は、せん断破壊された部位周辺での皮膜Fの厚みは、それ以外の部位の皮膜Fの厚みよりも薄いことを見出した。更に、本発明者は、皮膜Fの厚みが薄い部分にアンテナ素子10の短絡部12を接触させることにより、アンテナ素子10と金属板50との導通性が向上することを見出した。
【0023】
尚、上述したように、バリは、2つの貫通孔52bの周囲でも発生し、また、貫通孔59a、59b周囲でも発生する。これらのバリも面打ち加工される。このため、皮膜処理により、上述したように貫通孔52b、59a、59b周辺には、皮膜の薄い部分が形成される。このため、アンテナ素子10の短絡部12は、複数の箇所で基材Bと導通を確保することができる。これにより、アンテナ素子10と金属板50との導通性が向上する。
【0024】
また、図10、11に示したように、リブ32bは、1つの貫通孔52bの真上の部分の短絡部12を押圧し、壁部33a、33bは、貫通孔59aの真上の部分の短絡部12を押圧する。これにより、上述した皮膜の薄い部分と短絡部12とが圧接される。このため、アンテナ素子10と金属板50との導通性が向上する。
【0025】
また、金属板50に、貫通孔52a、52b、59aが形成され、短絡部12が金属板50側に押されていることにより、短絡部12は、貫通孔52a、52b、59aの縁に沿って撓むことが可能となる。これにより、貫通孔52a、52b、59aの縁に短絡部12が圧接して、アンテナ素子10と金属板50との導通性が向上する。また、短絡部12の面積は、放射部16の面積よりも大きい。短絡部12の面積が比較的大きいため、固定部材30に押圧されることにより短絡部12は撓みやすい。
【0026】
図15A、15Bは、位置決め部58の説明図である。
図15A、15Bは、位置決め部58によりアンテナ素子10が位置決めされた状態を示している。位置決め部58の側端58aが短絡部12の縁に当接する。ここで、側端58aの面積も他の部分の面積と比較して小さいので、側端58a上の皮膜の厚さも他の部分と比較して薄くなる。従って、この皮膜の薄い部分の側端58aに短絡部12が当接することにより、アンテナ素子10と金属板50との導通性が向上する。このように、位置決め部58は、金属板50に対してアンテナ素子10を位置決めすると共に、アンテナ素子10と金属板50との導通性の向上にも貢献している。以上のように、アンテナ素子10と金属板50との導通性が向上することにより、短絡部12を適切に短絡させることができ、アンテナとしての性能が向上する。
【0027】
また、上述したように、短絡部12の面積は、放射部16の面積よりも大きい。このため、面積の大きい短絡部12を固定部材30により押えることができるので、アンテナ素子10は固定部材30と金属板50との間でより安定して保持される。また、放射部16の面積は、短絡部12の面積よりも小さくすることにより、金属板50からの放射部16の突出量を抑制している。これにより、枠体2の大型化を抑制している。即ち、電子装置1のディスプレイの平面方向での大型化を抑制している。
【0028】
また、図8に示したように、挿入部35bは挿入孔55に挿入される。この際に、例えば、アンテナ素子10が位置決め部58に当接しない状態で金属板50上に載せた場合であっても、固定部材30を金属板50に固定する際には、挿入部35bが挿入孔55に挿入される。挿入部35bが挿入孔55に挿入されることにより、アンテナ素子10は移動して位置決め部58に当接して適切な位置に移動する。このように、金属板50に固定部材30を固定する際に、併せてアンテナ素子10も適切な位置に移動して位置決めされる。このため、アンテナ素子10、固定部材30を金属板50に固定する作業性が向上している。
【0029】
また、図9に示したように、保護部36は放射部16の縁を覆っている。この理由は、図2、3に示したように、枠体2の外周壁2aと金属板50との間には、コネクタ3a等の数々の部品が配置されている。例えば、作業者がこれら部品の設置や交換等の作業の際に、アンテナ素子10の放射部16に触れてしまうと放射部16が湾曲したり破損する恐れがある。しかしながら、固定部材30の保護部36が放射部16の縁を覆うことにより、放射部16を保護できる。これにより、アンテナ素子10、固定部材30周辺で行なう作業の効率性が向上する。金属板50にアンテナ素子10、固定部材30を固定する作業性が向上していると共に、アンテナ素子10、固定部材30周辺で行なう作業の効率性も向上している。尚、図2、3においては、テープによりアンテナ素子10を金属板50に貼付して固定部材30を金属板50に固定している場合を示しているが、テープを用いなくてもよい。
【0030】
また、固定部材30の遮蔽部31は、短絡部12を覆っている。これにより、工具などを用いてアンテナ素子10周辺で作業する際に、短絡部12に工具が接触して短絡部12が破損することを防止できる。
【0031】
図16A、16Bは、金属板50の変形例の説明図である。
金属板50aは、プレス加工により形成されたバリB1を面打することなく、皮膜処理をしたものである。バリB1を覆う皮膜F2´の厚みは、皮膜F1の厚みより薄い。
【0032】
図17A、17Bは、金属板50aとアンテナ素子10との接触の説明図である。図17Aは、金属板50aにアンテナ素子10を乗せた状態を示しており、図17Bは、固定部材30によりアンテナ素子10が金属板50側に押し付けられた状態を示している。アンテナ素子10が押し付けられることにより、短絡部12が撓んで皮膜F2´に強く押し付けられる。上述したように、皮膜F2´は、皮膜F1よりも薄い。このため、短絡部12と基材Bとの導通性が向上する。よって、アンテナ素子10と金属板50aとの導通性が向上する。このように、本発明者は、バリを積極的に利用することにより、アンテナ素子10と金属板50aとの導通性が向上することを見出した。また、バリB1に対して面打加工しなくても導通性が確保できるので、作業効率が向上する。
【0033】
図18A、18Bは、固定部材30の変形例の説明図である。
固定部材30cは、爪部35cを有している。爪部35cは、ある程度の弾性変形が可能であり、金属板50に形成された不図示の孔にスナップフィット係合する。この場合、金属板50のナットNを設ける必要はない。このように、爪部35cを用いることにより、ネジなどが不要となり部品点数が削減され、固定作業が容易となる。
【0034】
以上本発明の好ましい一実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0035】
短絡部12は、金属板50に形成された貫通孔の少なくとも一部と重なっていればよい。
【0036】
リブ32a、32b、ボス32c、32d、壁部33a、33b等のうち少なくとも一つが、貫通孔52a、52b、59aの少なくとも一つの一部と重なるようにして、短絡部12を金属板50側に押圧していればよい。
【0037】
貫通孔52a、52bは略円形であり、貫通孔59aは略矩形状であるが、これらはその他の形状であってもよく、例えば、三角形状、5角形以上の多角形状、楕円形状、長孔形状であってもよい。
【0038】
位置決め部58は、1つだけてもよいし、3つ以上でもよい。貫通孔の個数は、一つであってもよいし、複数あってもよい。
【0039】
実施例では、電子装置として表示装置を一例に説明した。しかしながら、電子装置はこれ以外の機器でもよく、例えば、デスクトップ型コンピュータ、カーナビゲーション等の据置型の情報処理装置であってもよいし、ノート型コンピュータや携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション等の携帯型の情報処理装置であってもよい。
【0040】
上記アンテナを利用する無線通信の方式は、ワイアレスLAN方式、3G方式、UWB(Ultra Wide Band)方式や、その他の方式であってもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 電子装置
B 基材
B1 バリ
B2 傾斜部
F、F1〜F3、F2´ 皮膜
C 給電ケーブル
10〜10b アンテナ素子
12 短絡部
16 放射部
30〜30c 固定部材
31 遮蔽部
32a、32b リブ
32c、32d ボス
33a、33b 壁部
50、50a 金属板
52a、52b、59a、59b 貫通孔
55 挿入孔
58 位置決め部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材、前記基材に形成された皮膜を含み、貫通孔を有した金属板と、
給電され前記金属板から離間した放射部、前記貫通孔の少なくとも一部と重なり前記金属板に導通した短絡部、を有したアンテナ素子と、
前記金属板に前記アンテナ素子を固定する固定部材と、を備えている電子装置。
【請求項2】
前記固定部材は、前記短絡部を介して前記貫通孔の少なくとも一部と重なるように前記短絡部を前記金属板側に押す押圧部を有している、請求項1の電子装置。
【請求項3】
前記金属板は、該金属板の一部分が切欠されて隆起し前記短絡部と当接して前記アンテナ素子を位置決めする位置決め部を有している、請求項1又は2の電子装置。
【請求項4】
前記固定部材は、前記放射部の縁の少なくとも一部を覆う保護部を有している、請求項1乃至3の何れかの電子装置。
【請求項5】
前記固定部材は、前記短絡部を覆う遮蔽部を有している、請求項1乃至4の何れかの電子装置。
【請求項6】
前記貫通孔の縁には、前記短絡部に向けて突出したバリが形成されている、請求項1乃至5の何れかの電子装置。
【請求項7】
前記短絡部は、前記放射部の面積よりも大きい平板状である、請求項1乃至6の何れかの電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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