説明

電子部品収容ケース及び表示装置

【課題】バラツキの無い安定した静電気シールド効果を得ることができ、しかも静電気シールド効果を長期間維持することができるケースを提供する。
【解決手段】部品収容空間が形成された樹脂製フレーム31と、フレーム31に対してその一方の主面32側から嵌装される金属製の第一ケース部材38と、フレーム31及び第一ケース部材38に対してフレームの他方の主面33側から嵌装される金属製の第二ケース部材43とを備え、第一ケース部材38の第一側面部40の所定個所に、第一側面部40の高さ方向に沿った二つの辺が第一側面部40から切り離された接点片42を形成し、フレーム31の外側面に、接点片42にフレーム31側から当接し、フレーム31への第一ケース部材38の嵌装に伴って、接点片42を第一側面部40の外面方向に傾くように弾性変形させて第二ケース部材43の第二側面部45に接触させる接点片押し出し突起37を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子部品収容ケース及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば表示パネル等の電子部品を収容するケースは、静電気による電子部品の誤動作や破壊を防止するために、外部からの静電気を遮蔽する静電気シールド機能を有することが望まれる。
【0003】
静電気シールド機能を有するケースとしては、特許文献1に記載されているように、部品収容空間が形成された樹脂製のフレームと、前記フレームに対して、一方の面側から嵌装される金属製の第一ケース部材と、前記フレーム及び第一ケース部材に対して、前記フレームの他方の面側から嵌装される金属製の第二ケース部材とを備えたものがある。
【0004】
このケースでは、一方のケース部材に突起状の接点を形成し、該接点を他方のケース部材に接触させて第一ケース部材と第二ケース部材とを電気的に導通させることにより、ケース全体に静電気シールド機能をもたせている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−199106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来のケースは、第一ケース部材と第二ケース部材との相対的な寸法の誤差により、一方のケース部材に形成された接点が他方のケース部材に対して充分な接触圧で接触しないことがある。そのため、従来のケースは、静電気シールド効果にバラツキがある。
【0007】
しかも、従来のケースは、前記接点を一方のケース部材の弾性によって他方のケース部材に接触させるものであるため、振動の繰り返し等によって接点の接触圧が弱くなり、それに伴って静電気シールド効果が低下する。
【0008】
この発明は、バラツキの無い安定した静電気シールド効果を得ることができ、しかも静電気シールド効果を長期間維持することができる電子部品収容ケース及び表示装置を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、電子部品を収容するケースであって、
所定の高さを有し、周縁部よりも内側の領域に部品収容空間が形成され、且つ前記部品収容空間が、高さ方向の両端の二つの主面にそれぞれ開口している樹脂製のフレームと、
前記フレームの一方の主面に当接する第一主面部と、前記第一主面部の各辺から前記フレームの方向に折曲された第一側面部とからなり、前記フレームに対して、前記一方の主面側から、前記第一側面部を前記フレームの外側面に被せて嵌装される金属製の第一ケース部材と、
前記フレームの他方の主面に当接する第二主面部と、前記第二主面部の各辺から前記フレームの方向に折曲された第二側面部とからなり、前記フレーム及び前記第一ケース部材に対して、前記フレームの前記他方の主面側から、前記第二側面部を前記第一ケース部材の第一側面部の外側に被せて嵌装される金属製の第二ケース部材と、
を備え、
前記第一ケース部材の第一側面部の所定個所に、前記第一側面部の高さ方向に沿った二つの辺が前記第一側面部から切り離され、前記第一主面部につながる基部からその反対側の先端に向かって前記第一側面部に対して傾くように弾性変形する接点片が形成され、
前記フレームの外側面に、前記接点片に前記フレーム側から当接し、前記フレームへの前記第一ケース部材の嵌装に伴って、前記接点片を前記第一側面部の外面方向に傾くように弾性変形させて前記第二ケース部材の第二側面部に接触させる接点片押し出し突起が形成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の電子部品収容ケースにおいて、前記接点片押し出し突起は、前記接点片に当接する面が、前記フレームの外側面に対して前記一方の主面側から前記他方の主面側に向かって斜めに突出するように傾斜した楔形状に形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の電子部品収容ケースにおいて、前記接点片は、前記第一ケース部材の第一主面部を前記フレームの前記一方の主面に当接させたときに、該接点片の先端側の部分が前記接点片押し出し突起を通り越す高さに形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載の電子部品収容ケースにおいて、前記フレームの外側面は、その高さ方向の所定の位置から前記一方の主面側の部分を、前記他方の主面側の部分に対して前記フレームの内側方向に後退させた形状に形成され、その後退面に前記接点片押し出し突起が形成されており、
前記第一ケース部材の第一側面部は、前記後退面の高さよりも低い高さに、且つ該第一側面部の内面が前記後退面に近接または接面するように形成され、
前記第二ケース部材の第二側面部は、その端部が前記第一ケース部材の第一側面部の外側に被さる高さに、且つ該第二側面部の内面が前記第一側面部の外面に近接または接面するように形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、前記請求項4に記載の電子部品収容ケースにおいて、前記フレームの外側面の前記後退面及び該後退面よりも前記他方の主面側の非後退面は、前記フレームの前記二つの主面に対して垂直な面に形成されており、前記第一ケース部材の第一側面部は、前記第一主面部に対して直角方向に折曲され、前記第二ケース部材の第二側面部は、前記第二主面部に対して直角方向に折曲されていることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、前記請求項5に記載の電子部品収容ケースにおいて、前記フレームの外側面の前記後退面は、前記非後退面に対し、前記第一ケース部材の第一側面部の板厚以上の幅で後退させて形成されており、
前記第一ケース部材は、前記フレームに対して、前記第一側面部が、前記非後退面に対する前記後退面の後退幅内に収まるように嵌装され、
前記第二ケース部材は、前記フレーム及び前記第一ケース部材に対して、前記第二側面部の内面が、前記フレームの前記非後退面と前記第一ケース部材の第一側面部の外面とに近接または接面するように嵌装されることを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、前記請求項6に記載の電子部品収容ケースにおいて、前記第一ケース部材の第一側面部の所定個所に、前記接点片の幅に相当する間隔をおいて、前記第一側面部の高さ方向の全長にわたる二つの切り込みが設けられ、前記第一側面部の前記二つの切り込みの間の部分により前記接点片が形成されている特徴とする。
【0016】
請求項8に記載の発明は、前記請求項1から7の何れかに記載の電子部品収容ケースにおいて、前記フレームの部品収容空間に収容される電子部品は表示パネルであり、前記第一ケース部材の第一主面部と前記第二ケース部材の第二主面部の何れか一方に、前記表示パネルの画面エリアに対応する表示窓が設けられていることを特徴とする。
【0017】
請求項9に記載の発明は、表示パネルをケース内に収容した表示装置において、
前記ケースは、
所定の高さを有し、周縁部よりも内側の領域に部品収容空間が形成され、且つ前記部品収容空間が、高さ方向の両端の二つの主面にそれぞれ開口している樹脂製のフレームと、
前記フレームの一方の主面に当接する第一主面部と、前記第一主面部の各辺から前記フレームの方向に折曲された第一側面部とからなる金属製の第一ケース部材と、
前記フレームの他方の主面に当接する第二主面部と、前記第二主面部の各辺から前記フレームの方向に折曲された第二側面部とからなる金属製の第二ケース部材と、
を備え、
前記第一ケース部材の第一主面部と前記第二ケース部材の第二主面部の何れか一方に、前記表示パネルの画面エリアに対応する表示窓が設けられ、
前記第一ケース部材の第一側面部の所定個所に、前記第一側面部の高さ方向に沿った二つの辺が前記第一側面部から切り離され、前記第一主面部につながる基部からその反対側の先端に向かって前記第一側面部に対して傾くように弾性変形する接点片が形成され、
前記フレームの外側面に、前記接点片に前記フレーム側から当接して該接点片を前記第一側面部の外面方向に傾くように弾性変形させる接点片押し出し突起が形成されており、
前記フレームの部品収容空間に、前記表示パネルが配置され、
前記第一ケース部材が、前記フレームに対して、前記フレームの前記一方の主面側から、前記第一側面部を前記フレームの外側面に被せて嵌装され、
前記第二ケース部材が、前記フレーム及び前記第一ケース部材に対して、前記フレームの前記他方の主面側から、前記第二側面部を前記第一ケース部材の第一側面部の外側に被せて嵌装されると共に、
前記接点片が接点片押し出し突起により弾性変形されて前記第二ケース部材の第二側面部の内面に接触され、該接点片により前記第一ケース部材と前記第二ケース部材とが電気的に導通されていることを特徴とする。
【0018】
請求項10に記載の発明は、前記請求項9に記載の表示装置において、前記表示パネルは液晶表示パネルであり、前記フレームの部品収容空間に、前記液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルに向けて光を照射する面光源とが配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、バラツキの無い安定した静電気シールド効果を得ることができ、しかも静電気シールド効果を長期間維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の一実施例を示す表示装置の斜視図。
【図2】前記表示装置の分解斜視図。
【図3】前記表示装置のケースを構成するフレームの一部分の拡大斜視図。
【図4】前記表示装置のケースを構成する第一ケース部材の一部分の拡大斜視図。
【図5】前記表示装置の図1のV−V矢視線に沿った断面図。
【図6】前記表示装置の図1のVI−VI矢視線に沿った断面図。
【図7】前記表示装置の図1のVII−VII矢視線に沿った断面図。
【図8】前記表示装置の製造途中の状態における一部分の断面図。
【図9】この発明の他の実施例を示す前記第一ケース部材の一部分の斜視図。
【図10】前記他の実施例の表示装置の一部分の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[実施例]
図1〜図8はこの発明の一実施例の表示装置を示している。この表示装置は、光の透過を制御して画像を表示する液晶表示パネル1と、この液晶表示パネル1の背後に配置され、前記液晶表示パネル1に向けて照明光を照射する面光源10とを、静電気シールド機能をもったケース30内に収容したものである。
【0022】
液晶表示パネル1は、矩形状の平面形状を有しており、図2及び図5〜図7のように、所定の間隙を形成して対向配置され、画面エリア1aを囲む枠状のシール材4を介して接合された透明な第一基板2及び第二基板3と、これらの基板2,3間の間隙の前記シール材4で囲まれた領域に封入された液晶層5と、各基板2,3の外面にそれぞれ貼付けて配置された第一と第二の偏光板6,7とからなっている。
【0023】
この液晶表示パネル1は、例えばTFT(薄膜トランジスタ)をアクティブ素子としたアクティブマトリックス液晶表示パネルであり、図では省略しているが、第一基板2の第二基板3と対向する内面に、TFTに接続された複数の透明な画素電極が行方向及び列方向に配列させて設けられると共に、各行のTFTに該TFTをオン・オフさせる走査信号を供給する複数の走査信号線と、各列のTFTにデータ信号を供給する複数のデータ信号線が設けられている。
【0024】
また、第二基板3の第一基板2と対向する内面には、各画素電極にそれぞれ対応させて赤、緑、青の三色のカラーフィルタが形成されており、その上に、各画素電極と対向する一枚膜状の透明な共通電極が形成されている。
【0025】
さらに、第一基板2の内面には、各画素電極を覆って第一配向膜が形成され、第二基板3の内面には、共通電極を覆って第二配向膜が形成されており、液晶層5の液晶分子は、各配向膜により規定される所定の配向状態に配向している。
【0026】
なお、この液晶表示パネル1は、TN型、STN型、垂直配向型、非ツイストのホモジニアス配向型、ベンド配向型等のいずれの液晶表示パネルでもよく、また、強誘電性または反強誘電性液晶表示パネルでもよい。さらに、液晶表示パネル1は、第一基板2に形成した電極と第二基板3に形成した電極との間への電圧の印加により液晶分子の配向状態を変化させるものに限らず、一方の基板、例えば第一基板2の内面に、第一電極と、複数の細長電極部を有する第二電極とを互いに絶縁して形成し、これらの電極間に横電界(基板面に沿う方向の電界)を生じさせて液晶分子の配向状態を変化させる横電界制御型液晶表示パネルでもよい。
【0027】
また、第一基板2は、その一つの縁部に、第二基板3の外方に張り出すドライバ搭載部2aを有しており、このドライバ搭載部2aに、各走査信号線に走査信号を印加し、各データ信号線にデータ信号を印加するドライバ素子8が搭載されている。さらに、このドライバ搭載部2aの端縁部には、図示しない制御回路から出力される画像信号や制御信号等をドライバ素子8に供給する配線フィルム9の一端が接続されている。
【0028】
一方、面光源10は、透明板の一つの辺の端面に光を入射させる入射面12が形成され、二つの板面の一方に入射面12から入射した光の出射面13が形成され、他方の板面に入射面12から入射した光を出射面13に向けて反射する反射面14が形成された導光板11と、この導光板11の入射面12に対向させて配置された複数の発光素子17とにより構成されている。なお、導光板11は、液晶表示パネル1の画面エリア1aの全域に対向する面積を有する矩形形状の透明板からなっており、入射面12は、透明板の長手方向に対して直交する二つの端面の一方に形成されている。
【0029】
前記導光板11は、入射面12から入射した光を出射面13の全域から出射するものであり、入射面12から入射した光は、出射面13及び反射面14で内面反射しながら導光板11内を長手方向に導かれる。そして、出射面13に対して、該出射面13の法線方向に対する傾きが全反射角よりも小さい入射角で入射した光が出射面13から出射する。
【0030】
なお、導光板11に入射面12から入射した光は、反射面14からも出射する。そのため、導光板11の反射面14側には、反射面14から出射した漏れ光を反射して導光板11内に戻すための反射板15が配置されている。この反射板15は、その周縁部を両面粘着テープ16によって導光板11の反射面14に貼り付けられている。
【0031】
また、発光素子17は、例えば、LED(発光ダイオード)からなる固体発光素子であり、赤色LEDと緑色LEDと青色LEDとを備え、これらのLEDが発する赤、緑、青の三色の光の加法混色光である白色光を出射する。
【0032】
この発光素子17は、発光素子17の接続配線が形成された配線基板18上に配置されている。そして、配線基板18は、発光素子17の出射面を導光板11の入射面12に対向させると共に、配線基板18の側縁部を導光板11の出射面13の入射面12側の端部に重ねて配置され、両面粘着テープ19によって導光板11に貼付けられている。また、配線基板18の導光板11への貼付け側とは反対側の側縁部には、この配線基板18を図示しない光源点灯回路に接続するリード配線フィルム20の一端が接続されている。
【0033】
さらに、導光板11の出射面13上には、導光板11の出射面13から出射した光を拡散させる拡散フィルム21が配置され、その上に、二枚のプリズムシート22,23が積層して配置されている。
【0034】
この拡散フィルム21とプリズムシート22,23は、液晶表示パネル1の画面エリア1aよりも大きく、導光板11の外形よりも小さい形状に形成されており、導光板11の出射面13の周縁部を除く領域の上に順に重ねて貼り付けられている。
【0035】
なお、図ではプリズムシート22,23を簡略化しているが、拡散フィルム21側の第一プリズムシート22には、例えば導光板11の幅方向(導光板11の長手方向に対して直交する方向)に沿った複数の細長プリズムが密なピッチで形成され、この第一プリズムシート22の上の第二プリズムシート23には、例えば導光板11の長手方向に沿った複数の細長プリズムが密なピッチで形成されている。
【0036】
すなわち、前記面光源10は、複数の発光素子17から出射し、導光板11により導かれてその出射面13の全域から出射した光を、拡散フィルム21により拡散し、さらに2枚のプリズムシート22,23により導光板11の出射面13の法線方向に対する角度が小さくなる方向に屈折させて、正面方向(出射面13の法線付近の方向)への出射光の強度が高い強度分布の光を出射する。
【0037】
なお、前記液晶表示パネル1は、例えば第二基板3の外面に配置された第二偏光板7の外面を表示面としたものであり、面光源10は、液晶表示パネル1の背後(表示面とは反対側)に、第二プリズムシート23の外面を液晶表示パネル1に対向させて配置される。
【0038】
次に、液晶表示パネル1と面光源10を収容するケース30について説明する。このケース30は、図1〜図7のように、樹脂製のフレーム31と、金属製の第一ケース部材38と、金属製の第二ケース部材43とを備えている。
【0039】
フレーム31は、液晶表示パネル1とその背後に配置される面光源10とを収容できる所定の高さを有し、周縁部よりも内側の領域に部品収容空間が形成された樹脂成形品からなっている。前記部品収容空間は、フレーム31の高さ方向の両端の二つの主面32,33にそれぞれ開口している。以下、前記二つの主面32,33のうち、液晶表示パネル1が収容される側の主面32を上主面と言い、面光源10が収容される側の主面33を下主面と言う。
【0040】
このフレーム31は、部品収容空間のうちの上主面32側の部分に液晶表示パネル1を収容し、下主面33側の部分に面光源10を収容するものであり、該フレームの各辺の内側面に、前記部品収容空間を表示パネル収容部と面光源収容部とに区画する鍔状の仕切り部34がフレーム31の全周にわたって一体に突設されている。
【0041】
なお、フレーム31の上主面32と下主面33は互いに平行な面に形成されており、仕切り部34の上面(表示パネル収容部側の面)と下面(面光源収容部側の面)は、上主面32及び下主面33と平行な面に形成されている。
【0042】
このフレーム31の仕切り部34よりも上主面32側の表示パネル収容部は、その平面形状が液晶表示パネル1の平面形状よりも僅かに大きく、仕切り部34の上面から上主面32までの高さが液晶表示パネル1の厚さと同じか、或いは液晶表示パネル1よりも僅かに大きい形状に形成されている。
【0043】
また、仕切り部34よりも下主面33側の面光源収容部は、その平面形状が面光源10の配線基板18を含む平面形状よりも僅かに大きく、下主面33から仕切り部34の下面までの高さが面光源10の厚さ(反射板15の外面から第二プリズムシート23の外面までの厚さ)よりも僅かに大きい形状に形成されている。
【0044】
さらに、仕切り部34は、矩形枠形状のフレーム31の各辺のうち、二つの短辺の一方に沿った部分を、他の各辺(他方の短辺と二つの長辺)に沿った部分よりも幅広に形成した形成されている。
【0045】
この仕切り部34のうちのフレーム31の一方の短辺に沿った部分(以下、幅広部と言う)は、フレーム31の表示パネル収容部の内側面からの突出幅が、液晶表示パネル1のドライバ搭載部2aの幅よりも大きく、且つ前記ドライバ搭載部2aの端縁と画面エリア1aとの間の部分の幅よりも小さい形状に形成されている。
【0046】
また、仕切り部34の他の部分、つまりフレーム31の他の各辺に沿った幅狭部は、フレーム31の表示パネル収容部の内側面からの突出幅が、液晶表示パネル1のドライバ搭載部2a以外の各辺と画面エリア1aとの間の部分の幅よりも小さい形状に形成されている。すなわち、仕切り部34は、液晶表示パネル1の画面エリア1aよりも外側の部分に対応する形状に形成されている。
【0047】
そして、液晶表示パネル1は、フレーム31の表示パネル収容部に、液晶表示パネル1の表示面(第二偏光板7の外面)をフレーム31の上主面32側に向けると共に、液晶表示パネル1の各辺のうちのドライバ搭載部2aが形成された辺を仕切り部34の幅広部の上面に重ね、他の各辺を仕切り部34の幅狭部の上面に重ねて配置され、仕切り部34の上面の形状に対応した矩形枠形状の両面粘着シート50により仕切り部34の上面に貼り付けてフレーム31に支持される。
【0048】
また、面光源10は、フレーム31の面光源収容部に、第二プリズムシート23が配置された面を表示パネル収容部に向けると共に、配線基板18の発光素子17が設けられた面とは反対面を仕切り部34の幅広部の下面に重ね、導光板11の出射面13の各辺(拡散フィルム21及びプリズムシート22,23よりも外側の部分)のうち、配線基板18が貼り付けられた辺を除く三辺を仕切り部34の幅狭部の下面に重ねて配置され、仕切り部34の下面の形状に対応した矩形枠形状の両面粘着シート51により仕切り部34の下面に貼り付けてフレーム31に支持される。
【0049】
なお、仕切り部34の幅広部の下面は、幅狭部の下面に対して、前記配線基板18の厚さ分だけ上方に凹入させて形成されており、従って、面光源10は、液晶表示パネル1への光の照射面(第二プリズムシート23の外面)が液晶表示パネル1と平行になるようにフレーム31に支持される。
【0050】
また、フレーム31の各辺の外側面は、その高さ方向の所定の位置、例えば仕切り部34の下面と同程度の位置から二つの主面32,33のうちの一方の主面側の部分を、他方の主面側の部分に対して所定の幅でフレーム31の内側方向に後退させた形状に形成されている。この実施例では、フレーム31の各辺の外側面の下主面33側の部分を、上主面32側の部分に対して後退させている。この後退面31aと、該後退面31aよりも上主面32側の非後退面31bは、フレーム31の上主面32及び下主面33に対して垂直な面に形成されている。
【0051】
さらに、フレーム31の仕切り部34の幅広部に沿った辺には、液晶表示パネル1のドライバ搭載部2aに接続された配線フィルム9の引き出し部35と、面光源10の配線基板18に接続されたリード配線フィルム20の引き出し部36が設けられている。なお、配線フィルム9の引き出し部35は、フレーム31の上主面32を、配線フィルム9の幅及び厚さよりもある程度大きい幅及び深さに切欠して形成されている。また、リード配線フィルム20の引き出し部36は、フレーム31の下主面33側の部分を、前記後退面31aの高さ方向の全長に亘って、リード配線フィルム20の幅よりもある程度大きい幅に切欠して形成されている。
【0052】
一方、第一ケース部材38と第二ケース部材43はいずれも、アルミニウム等の良好な導電性をもった金属板のプレス加工品であり、第一ケース部材38は、フレーム31の一方の主面(この実施例では下主面)33に当接する第一主面部39と、該第一主面部39の各辺からフレーム31の方向に折曲された第一側面部40とからなっている。この第一ケース部材38は、フレーム31に対して、下主面33側から、第一側面部40をフレーム31の外側面に被せて嵌装される。
【0053】
また、第二ケース部材43は、フレーム31の他方の主面(この実施例では上主面)32に当接する第二主面部44と、該第二主面部44の各辺からフレーム31の方向に折曲された第二側面部45とからなっている。この第二ケース部材43は、フレーム31及び第一ケース部材38に対して、フレーム31上主面32側から、第二側面部45を第一ケース部材38の第一側面部40の外側に被せて嵌装される。
【0054】
なお、第一ケース部材38の第一主面部39は、フレーム31の下主面33の外形と同じか、或いはそれよりも僅かに大きい矩形形状に形成されている。また、第二ケース部材43の第二主面部44は、フレーム31の上主面32の外形と同じか、或いはそれよりも僅かに大きい矩形形状に形成されている。そして、第二ケース部材43の第二主面部44には、液晶表示パネル1の画面エリア1aに対応する表示窓46が設けられている。この表示窓46は、第二主面部44に穿設された矩形形状の開口からなっている。
【0055】
また、第一ケース部材38の第一側面部40は、第一主面部39に対して直角方向に折曲され、第二ケース部材43の第二側面部45は、第二主面部44に対して直角方向に折曲されている。
【0056】
さらに、フレーム31の外側面の後退面31aは、非後退面31bに対して、第一ケース部材38の第一側面部40の板厚以上の幅で後退させて形成されている。なお、非後退面31bに対する後退面31aの後退幅は、できるだけ第一ケース部材38の第一側面部40の板厚に近いことが望ましい。
【0057】
そして、第一ケース部材38の第一側面部40は、フレーム31の外側面のうちの後退面31aの高さよりも低い高さに、且つ該第一側面部40の内面が前記後退面31aに近接または接面するように形成されている。
【0058】
従って、第一ケース部材38は、フレーム31に対して、第一側面部40が、前記非後退面31bに対する後退面31aの後退幅内に収まるように、つまり非後退面31bを下主面33の方向に延長した仮想面と後退面31aとの間のスペース内に収まるように嵌装される。
【0059】
また、第二ケース部材43の第二側面部45は、その端部がフレーム31に嵌装された第一ケース部材38の第一側面部40の外側に被さる高さに、且つ該第二側面部45の内面が第一ケース部材38の第一側面部40の外面に近接または接面するように形成されている。
【0060】
従って、第二ケース部材43は、フレーム31及び第一ケース部材38に対して、第二側面部45が、フレーム31の非後退面31bと第一ケース部材38の第一側面部40の外面とに近接または接面するように嵌装される。
【0061】
また、第二ケース部材43の第二側面部45には、フレーム31の仕切り部34の幅広部に沿った辺に設けられた配線フィルム9及びリード配線フィルム20の引き出し部35,36に対応するスリット状の開口47が形成されている。
【0062】
すなわち、液晶表示パネル1のドライバ搭載部2aに接続された配線フィルム9は、フレーム31に形成された配線フィルム引き出し部35と、第二ケース部材43に形成されたスリット状開口47とを通してケース30外に引き出される。また、面光源10の配線基板18に接続されたリード配線フィルム20は、フレーム31に形成されたリード配線フィルム引き出し部36と、第二ケース部材43に形成された前記スリット状開口47とを通してケース30外に引き出される。
【0063】
なお、フレーム31のリード配線フィルム引き出し部36は、フレーム31の外側面のうちの後退面31aの高さ方向の全体に亘って形成され、第一ケース部材38の第一側面部40は前記後退面31aの高さよりも低い高さに形成されている。そのため、フレーム31のリード配線フィルム引き出し部36から引き出したリード配線フィルム20を、第一ケース部材38の第一側面部40の端縁とフレーム31の非後退面31bの下端の水平面との間の空間を通して、第二ケース部材43のスリット状開口47からケース30外に引き出すことができる。従って、第一ケース部材38の第一側面部40にリード配線フィルム20の引き出し部を設ける必要は無い。
【0064】
さらに、第一ケース部材38の第一側面部40の所定個所には、該第一側面部40の高さ方向に沿った二つの辺が第一側面部40から切り離され、第一主面部39につながる基部からその反対側の先端に向かって第一側面部40に対して傾くように弾性変形する接点片42が形成されている。
【0065】
この実施例において、接点片42は、第一ケース部材38の各辺の第一側面部40のうち、フレーム31の配線フィルム9及びリード配線フィルム20の引き出し部35,36が形成された外側面に被さる第一側面部40に、前記引き出し部35,36の位置を避けて形成されている。
【0066】
また、この実施例では、第一ケース部材38の第一側面部40の所定個所に、接点片42の幅に相当する間隔をおいて、第一側面部40の高さ方向の全長にわたる二つの切り込み41,41を設け、第一側面部40の二つの切り込み41,41の間の部分により前記接点片42を形成している。
【0067】
この接点片42は、該接点片42が形成された第一側面部40と面一に、つまり第一ケース部材38の第一主面39に対して直角方向に立ち上がるように形成されており、外部からの押し力により、第一主面部39につながる基部を支点部として、先端に向かって第一側面部40の外面方向に傾くように弾性変形する。
【0068】
また、フレーム31の外側面の後退面31a、つまり第一ケース部材38の第一側面部40が被さる部分には、第一ケース部材38の接点片42の位置に対応させて、前記接点片42にフレーム31側から当接し、フレーム31への第一ケース部材38の嵌装に伴って、接点片42をその先端に向かって第一側面部40外面方向に傾くように弾性変形させ、該接点片42の先端側の部分(以下、先端部という)部を強制的に第二ケース部材43の第二側面部45に接触させる接点片押し出し突起37が形成されている。
【0069】
この接点片押し出し突起37は、接点片42に当接する面(フレーム31の外側面の外方に向いた面)が、フレーム31の外側面に対して下主面33側から上主面32側に向かって斜めに突出するように傾斜した楔形状に形成されている。
【0070】
さらに、接点片押し出し突起37は、フレーム31の後退面31aの下端側(下主面33側)の領域、例えば後退面31aの下半分の領域に、接点片42に当接する傾斜面の下端を後退面31aの下端に一致させて、非後退面31bからの後退面31aの後退幅よりも小さい突出高さに形成されている。
【0071】
一方、第一ケース部材38の第一側面部40は、フレーム31の後退面31aの高さの半分よりも大きい高さを有している。そして、第一側面部40のうちの二つの切り込み41,41の間の部分からなる接点片42は、第一ケース部材38の第一主面部39をフレーム31の下主面33に当接させたときに、該接点片42の先端部が接点片押し出し突起37を通り越す高さに形成されている。なお、この実施例では、接点片42の高さを第一ケース部材38の第一側面部40の高さと同じにしている(図5参照)。
【0072】
この実施例の表示装置は、フレーム31の部品収容空間に液晶表示パネル1と面光源10を収容した後、フレーム31の下主面33側から第一ケース部材38を嵌装し、フレーム31の上主面32側から第二ケース部材43を嵌装してケース30を組立てることにより製造される。
【0073】
この表示装置の製造において、ケース30の組立ては、例えば、まずフレーム31に第二ケース部材43を嵌装し、その後に、第一ケース部材38を嵌装する手順で行なう。このケース30の組立てにおいて、第一ケース部材38は、その第一側面部40の端縁を図8のようにフレーム31の外側面の後退面31aと第二ケース部材43の第二側面部45との間に入り込ませ、その状態で第一ケース部材38をフレーム31側に押し付けることにより嵌装する。
【0074】
このように、フレーム31に第二ケース部材43を嵌装した後に第一ケース部材38を嵌装すると、第一ケース部材38の第一側面部40に形成された接点片42が、フレーム31の後退面31aに形成された接点片押し出し突起37によって押され、接点片42の先端に向かって第一側面部40の外面方向に傾くように弾性変形する。
【0075】
すなわち、第一ケース部材38の第一側面部40の端縁をフレーム31の外側面の後退面31aと第二ケース部材43の第二側面部45との間に入り込ませ、その状態で第一ケース部材38をフレーム31側に押し付けて行くと、それに伴って、接点片42が接点片押し出し突起37に乗り上げて行く。
【0076】
このとき、接点片押し出し突起37は、接点片42に当接する面が、フレーム31の外側面に対して、下主面33側から上主面32側に向かって外方に突出するように傾斜した楔形状に形成されているため、第一ケース部材38のフレーム31側への押し付けに伴って、接点片42が、接点片押し出し突起37の傾斜面上を上方に滑り移動しながら、スムースに接点片押し出し突起37に乗り上げて行く。
【0077】
そして、さらに第一ケース部材38をフレーム31側に押し付けると、接点片42が、接点片押し出し突起37により外面方向に押されて、接点片42の先端に向かって外面方向に傾くように弾性変形し、該接点片42の先端部が第二ケース部材43の第二側面部45に接触する。
【0078】
この接点片42の外面方向への弾性変形は、接点片42が接点片押し出し突起37にり上げて行くのに伴って大きくなり、それに伴って接点片42の先端部が第二ケース部材43の第二側面部45に強い接触圧で接触する。
【0079】
この実施例では、接点片42が、第一ケース部材38の第一主面部39をフレーム31の下主面33に当接させたときに、該接点片42の先端部が接点片押し出し突起37を通り越す高さに形成しているため、第一ケース部材38を第一主面部39がフレーム31の下主面33に当接するまで嵌装すると、接点片42の先端部が接点片押し出し突起37よりも大きく外方に張り出す。そのため、接点片42の先端部が第二ケース部材43の第二側面部45にさらに強い接触圧で接触する。
【0080】
なお、接点片42の接点片押し出し突起37を通り越した先端部は、接点片42が弾性を有しているため、第二側面部45への押し付け反力により、第二側面部45の内面に沿って撓むように弾性変形し、第二側面部45に対してある程度の接触面積で接触する。
【0081】
このように、第一ケース部材38の第一側面部40に形成された接点片42が第二ケース部材43の第二側面部45に接触すると、金属製の第一ケース部材38と第二ケース部材43とが接点片42を介して電気的に導通される。
【0082】
また、接点片42に加わる接点片押し出し突起37からの押し力は、接点片42を弾性変形させるだけでなく、第一ケース部材38を、フレーム31に対して、接点片42が形成された第一側面部40がフレーム31の外側面から離れて行く方向(図5において左方向)に移動させるように作用する。そのため、第一ケース部材38をフレーム31に嵌装すると、第一ケース部材38の接点片42が形成された側とは反対側の第一側面部40が、図5のようにフレーム31の外側面の後退面31aに押し付けられる。
【0083】
さらに、第二ケース部材43の第二側面部45に対する接点片42の接触力は、第二ケース部材43を、フレーム31及び第一ケース部材38に対して、接点片42が接触した第二側面部45がフレーム31の外側面及び第一ケース部材38の第一側面部40から離れて行く方向(図5において左方向)に移動させるように作用する。そのため、第二ケース部材43の接点片42が接触した側とは反対側の第二側面部45が、フレーム31の外側面の非後退面31bに押し付けられる。
【0084】
従って、嵌装された第一ケース部材38は、接点片42と接点片押し出し突起37との当接面の摩擦力と、前記反対側の第一側面部40とフレーム31との押し付け面の摩擦力とによってフレーム31に固定される。また、第二ケース部材43は、接点片42と第二側面部45との接触面の摩擦力と、前記反対側の第二側面部45とフレーム31との押し付け面の摩擦力とによってフレーム31及び第一ケース部材38に固定される。
【0085】
そのため、第一ケース部材38及び第二ケース部材43をビス止め等の手段によりフレーム31に固定しなくても、両方のケース部材38,43の嵌装状態を、振動や比較的軽い衝撃が加わった程度では脱落しないように保持することができる。
【0086】
なお、前記ケース30は、まずフレーム31に第一ケース部材38を嵌装し、その後に、第二ケース部材43を嵌装する手順で行なってもよい。その場合は、第一ケース部材38を嵌装した後に、外面方向に弾性変形した接点片42の先端部(接点片押し出し突起37を通り越した部分)をフレーム31側に押し戻すように弾性変形させながら、第二ケース部材43をその第二側面部45が接点片42の外側に被さるように嵌装すればよい。
【0087】
前記ケース30は、金属製の第一ケース部材38と第二ケース部材43とが接点片42を介して電気的に導通されるため、第一ケース部材38と第二ケース部材43が同電位になる。従って、外部からの静電気を第一及び第二ケース部材38,43により遮蔽する静電気シールド機能をもっている。
【0088】
そのため、フレーム31の部品収容空間に収容された液晶表示パネル1及び該液晶表示パネル1に搭載されたドライバ素子8や、面光源10の発光素子17の静電気による誤動作や破壊を防ぐことができる。
【0089】
そして、前記ケース30は、第一ケース部材38の第一側面部40に形成された接点片42を、フレーム31の外側面に形成された接点片押し出し突起37により弾性変形させて強制的に第二側面部45に接触させるようにしているため、第一ケース部材38と第二ケース部材43との相対的な寸法に誤差があっても、接点片42を第二ケース部材43の第二側面部45に充分な接触圧で接触させることができる。
【0090】
従って、このケース30によれば、バラツキの無い安定した静電気シールド効果を得ることができる。しかも、第一ケース部材38の第一側面部40に対する接点片42の接触圧が振動の繰り返し等によって弱くなることがないため、安定した静電気シールド効果を長期間維持することができる。
【0091】
また、上記実施例では、第一ケース部材38の第一側面部40の所定個所に、接点片42の幅に相当する間隔をおいて、第一側面部40の高さ方向の全長にわたる二つの切り込み41,41を設け、第一側面部40の二つの切り込み41,41の間の部分により接点片42を形成しているため、第一ケース部材38と接点片42を、一枚の金属板の加工により低コストに製作することができる。
【0092】
一方、接点片押し出し突起37は、接点片42に当接する面がフレーム31の外側面に対して下主面33側から上主面32側に向かって外方に突出するように傾斜した楔形状に形成されている。そのため、接点片42を、大きな抵抗力を受けることなくスムースに接点片押し出し突起37に乗り上げさせることができ、従って、フレーム31への第一ケース部材38の嵌装を容易に行なうことができる。
【0093】
さらに、接点片42は、第一ケース部材38の第一主面部39をフレーム31の下主面33に当接させたときに該接点片42の先端部が接点片押し出し突起37を通り越す高さに形成されている。そのため、接点片42の接点片押し出し突起37を通り越した先端部を、接点片押し出し突起37よりも大きく外方に張り出させて第二ケース部材43の第二側面部45にさらに強い接触圧で接触させることができる。
【0094】
また、上記実施例では、フレーム31の外側面を、その高さ方向の所定の位置から上主面32側の部分を、下主面33側の部分に対してフレーム31の内側方向に後退させた形状に形成し、その後退面31aに接点片押し出し突起37を、後退面31aの後退幅よりも小さい突出高さに形成しているため、フレーム31の上主面32側から見た平面形状は、接点片押し出し突起37が外側に突出しない形状である。
【0095】
そして、第一ケース部材38の第一側面部40は、フレーム31の外側面の後退面31aの高さよりも低い高さに、且つ該第一側面部40の内面が前記後退面31aに近接または接面するように形成され、第二ケース部材43の第二側面部45は、その端部が第一ケース部材38の第一側面部40の外側に被さる高さに、且つ該第二側面部45の内面が前記第一側面部40の外面に近接または接面するように形成されている。
【0096】
そのため、フレーム31に第一ケース部材38と第二ケース部材43を嵌装して組立てられたケース30の外形は、フレーム31の外側面の非後退面31bの外側に第二ケース部材43の第二側面部45が被さった大きさであり、従って、ケース30の大型化を防ぐことができる。
【0097】
また、上記実施例では、フレーム31の外側面の後退面31a及び非後退面31bを、フレーム31の二つの主面32,33に対して垂直な面に形成し、第一ケース部材38の第一側面部40を、該第一ケース部材38の第一主面部39に対して直角方向に折曲して形成し、第二ケース部材43の第二側面部45を、該第二ケース部材43の第二主面部44に対して直角方向に折曲して形成している。そのため、第一ケース部材38を、第一側面部40がフレーム31の後退面31aと平行になるように嵌装し、第二ケース部材43を、第二側面部45がフレーム31の非後退面31b及び第一ケース部材38の第一側面部40と平行になるように嵌装することができる。
【0098】
さらに上記実施例では、フレーム31の外側面の後退面31aを、非後退面31bに対して、第一ケース部材38の第一側面部40の板厚以上の幅で後退させて形成し、第一ケース部材38を、フレーム31に対して、第一側面部40が非後退面31bに対する後退面31aの後退幅内に収まるように嵌装すると共に、第二ケース部材43を、フレーム31及び第一ケース部材38に対して、第二側面部45の内面が、フレーム31の非後退面31bと第一ケース部材38の第一側面部40の外面とに近接または接面するように嵌装している。そのため、ケース30の外形は、フレーム31の外形(上主面32の外形と同じ形状)に対して、第二ケース部材43の第二側面部45の板厚程度大きくなるだけであり、従って、ケース30の大型化をより効果的に防ぐことができる。
【0099】
また、上記実施例の表示装置は、フレーム31の部品収容空間に液晶表示パネル1と面光源10を収容し、フレーム31に、第一ケース部材38と、第二主面部44に液晶表示パネル1の画面エリア1aに対応する表示窓46が設けられた第二ケース部材43とを嵌装したものであるため、液晶表示パネル1と面光源10の両方を、外部からの静電気に対して保護することができる。
【0100】
[他の実施例]
なお、上記実施例では、接点片42を、第一ケース部材38の第一主面39に対して直角方向に立ち上がるように形成しているが、この接点片42は、例えば図9に示したように、第一主面部39につながる基部から先端に向かって第一側面部40の外面方向にある程度傾き、さらに先端部が第一主面39に対して直角方向に屈曲した形状に形成してもよい。
【0101】
その場合、第一ケース部材38の第一主面39に対する接点片42の傾斜角は、フレーム31の下主面33に対する接点接点片押し出し突起37の傾斜面の傾斜角よりも小さい角度(垂直に近い角度)であればよい。接点片42の傾斜角がこのような角度であれば、フレーム31への第一ケース部材38の嵌装に伴って、接点片42が、接点接点片押し出し突起37の押し力により、先端に向かって第一側面部40の外面方向に傾くように弾性変形し、第二ケース部材43の第二側面部45に充分な接触圧で接触する。
【0102】
そして、この実施例によれば、接点片42の先端部が第一主面39に対して直角方向に屈曲した形状に形成されているため、該接点片42の先端部を、図10のように第二ケース部材43の第二側面部45に面接触させ、第一ケース部材38と第二ケース部材43とをより広い接触面積で導通させることができる。
【0103】
また、上記実施例のケース30は、第一ケース部材38の一辺の第一側面部40に接点片42を形成したものであるが、第一ケース部材38の複数の辺の第一側面部40に接点片42を形成し、フレーム31の外側面に、各接点片42にそれぞれ対応させて接点接点片押し出し突起37を形成してもよい。
【0104】
さらに、上記実施例では、第一ケース部材38の第一側面部40の所定個所に二つの切り込み41,41を設け、第一側面部40の二つの切り込み41,41の間の部分により接点片42を形成しているが、接点片は、第一ケース部材38とは別の金属片を、その一端部を第一ケース部材38の第一主面部39の片部に溶接またリベット等により電気的に導通させて固定することにより形成してもよい。
【0105】
その場合は、第一ケース部材38の第一側面部40の所定個所を、第一側面部40の高さ方向の全長にわたって所定の幅に切欠し、その切欠された空間部に前記金属片を配置すればよく、このようにすることにより、第一側面部40の高さ方向に沿った二つの辺が第一側面部40から切り離された接点片を形成することができる。
【0106】
また、上記実施例の表示装置は、ケース30内に液晶表示パネル1と面光源10を収容したものであるが、この発明は、ケース30内にプラズマ表示パネルや有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示パネル等の自発光型表示パネルを収容した表示装置にも適用することができる。
【0107】
さらに、この発明のケース30は、表示装置に限らず、表示パネル以外の電子部品を収容するケースとしても利用することができる。
【符号の説明】
【0108】
1…液晶表示パネル、1a…画面エリア、10…面光源、30…ケース、31…フレーム、a…後退面、31b…非後退面、32,33…主面、37…接点接点片押し出し突起、38…第一ケース部材、39…第一主面部、40…第一側面部、41…切り込み、42…接点片、43…第二ケース部材、44…第二主面部、45…第二側面部、46…表示窓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を収容するケースであって、
所定の高さを有し、周縁部よりも内側の領域に部品収容空間が形成され、且つ前記部品収容空間が、高さ方向の両端の二つの主面にそれぞれ開口している樹脂製のフレームと、
前記フレームの一方の主面に当接する第一主面部と、前記第一主面部の各辺から前記フレームの方向に折曲された第一側面部とからなり、前記フレームに対して、前記一方の主面側から、前記第一側面部を前記フレームの外側面に被せて嵌装される金属製の第一ケース部材と、
前記フレームの他方の主面に当接する第二主面部と、前記第二主面部の各辺から前記フレームの方向に折曲された第二側面部とからなり、前記フレーム及び前記第一ケース部材に対して、前記フレームの前記他方の主面側から、前記第二側面部を前記第一ケース部材の第一側面部の外側に被せて嵌装される金属製の第二ケース部材と、
を備え、
前記第一ケース部材の第一側面部の所定個所に、前記第一側面部の高さ方向に沿った二つの辺が前記第一側面部から切り離され、前記第一主面部につながる基部からその反対側の先端に向かって前記第一側面部に対して傾くように弾性変形する接点片が形成され、
前記フレームの外側面に、前記接点片に前記フレーム側から当接し、前記フレームへの前記第一ケース部材の嵌装に伴って、前記接点片を前記第一側面部の外面方向に傾くように弾性変形させて前記第二ケース部材の第二側面部に接触させる接点片押し出し突起が形成されていることを特徴とする電子部品収容ケース。
【請求項2】
前記接点片押し出し突起は、前記接点片に当接する面が、前記フレームの外側面に対して前記一方の主面側から前記他方の主面側に向かって斜めに突出するように傾斜した楔形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子部品収容ケース。
【請求項3】
前記接点片は、前記第一ケース部材の第一主面部を前記フレームの前記一方の主面に当接させたときに、該接点片の先端部が前記接点片押し出し突起を通り越す高さに形成されていることを特徴とする請求項2に記載の電子部品収容ケース。
【請求項4】
前記フレームの外側面は、その高さ方向の所定の位置から前記一方の主面側の部分を、前記他方の主面側の部分に対して所定の幅で前記フレームの内側方向に後退させた形状に形成され、その後退面に前記接点片押し出し突起が、前記後退面の後退幅よりも小さい突出高さに形成されており、
前記第一ケース部材の第一側面部は、前記後退面の高さよりも低い高さに、且つ該第一側面部の内面が前記後退面に近接または接面するように形成され、
前記第二ケース部材の第二側面部は、その端部が前記第一ケース部材の第一側面部の外側に被さる高さに、且つ該第二側面部の内面が前記第一側面部の外面に近接または接面するように形成されていることを特徴とする請求項3に記載の電子部品収容ケース。
【請求項5】
前記フレームの外側面の前記後退面及び該後退面よりも前記他方の主面側の非後退面は、前記フレームの前記二つの主面に対して垂直な面に形成されており、前記第一ケース部材の第一側面部は、前記第一主面部に対して直角方向に折曲され、前記第二ケース部材の第二側面部は、前記第二主面部に対して直角方向に折曲されていることを特徴とする請求項4に記載の電子部品収容ケース。
【請求項6】
前記フレームの外側面の前記後退面は、前記非後退面に対し、前記第一ケース部材の第一側面部の板厚以上の幅で後退させて形成されており、
前記第一ケース部材は、前記フレームに対して、前記第一側面部が、前記非後退面に対する前記後退面の後退幅内に収まるように嵌装され、
前記第二ケース部材は、前記フレーム及び前記第一ケース部材に対して、前記第二側面部の内面が、前記フレームの前記非後退面と前記第一ケース部材の第一側面部の外面とに近接または接面するように嵌装されることを特徴とする請求項5に記載の電子部品収容ケース。
【請求項7】
前記第一ケース部材の第一側面部の所定個所に、前記接点片の幅に相当する間隔をおいて、前記第一側面部の高さ方向の全長にわたる二つの切り込みが設けられ、前記第一側面部の前記二つの切り込みの間の部分により前記接点片が形成されている特徴とする請求項6に記載の電子部品収容ケース。
【請求項8】
前記フレームの部品収容空間に収容される電子部品は表示パネルであり、前記第一ケース部材の第一主面部と前記第二ケース部材の第二主面部の何れか一方に、前記表示パネルの画面エリアに対応する表示窓が設けられていることを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の電子部品収容ケース。
【請求項9】
表示パネルをケース内に収容した表示装置において、
前記ケースは、
所定の高さを有し、周縁部よりも内側の領域に部品収容空間が形成され、且つ前記部品収容空間が、高さ方向の両端の二つの主面にそれぞれ開口している樹脂製のフレームと、
前記フレームの一方の主面に当接する第一主面部と、前記第一主面部の各辺から前記フレームの方向に折曲された第一側面部とからなる金属製の第一ケース部材と、
前記フレームの他方の主面に当接する第二主面部と、前記第二主面部の各辺から前記フレームの方向に折曲された第二側面部とからなる金属製の第二ケース部材と、
を備え、
前記第一ケース部材の第一主面部と前記第二ケース部材の第二主面部の何れか一方に、前記表示パネルの画面エリアに対応する表示窓が設けられ、
前記第一ケース部材の第一側面部の所定個所に、前記第一側面部の高さ方向に沿った二つの辺が前記第一側面部から切り離され、前記第一主面部につながる基部からその反対側の先端に向かって前記第一側面部に対して傾くように弾性変形する接点片が形成され、
前記フレームの外側面に、前記接点片に前記フレーム側から当接して該接点片を前記第一側面部の外面方向に傾くように弾性変形させる接点片押し出し突起が形成されており、
前記フレームの部品収容空間に、前記表示パネルが配置され、
前記第一ケース部材が、前記フレームに対して、前記フレームの前記一方の主面側から、前記第一側面部を前記フレームの外側面に被せて嵌装され、
前記第二ケース部材が、前記フレーム及び前記第一ケース部材に対して、前記フレームの前記他方の主面側から、前記第二側面部を前記第一ケース部材の第一側面部の外側に被せて嵌装されると共に、
前記接点片が接点片押し出し突起により弾性変形されて前記第二ケース部材の第二側面部の内面に接触され、該接点片により前記第一ケース部材と前記第二ケース部材とが電気的に導通されていることを特徴とする表示装置。
【請求項10】
前記表示パネルは液晶表示パネルであり、前記フレームの部品収容空間に、前記液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルに向けて光を照射する面光源とが配置されていることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−64665(P2012−64665A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−205860(P2010−205860)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】