電子部品用トレイ
【課題】本体部分を斜めに傾け、端子形成面にかかるように指で把持して、電子部品を安定して取り出すことができる電子部品用トレイを提供する。
【解決手段】樹脂パッケージ31と前記樹脂パッケージ31の第1の主面34から導出された端子32とを有する電子部品を収納する凹部で構成された収納部を有する電子部品用トレイであって、前記収納部が、底面1と、前記底面1の周縁部から起立せしめられた側壁部2と、前記底面1から前記端子32の導出部分よりも高い位置で、前記第1の主面34の一部を係止することで、前記端子32の先端が前記底面1に接触しないように、前記電子部品の前記第1の主面34を支持する係止面3とを具備し、前記収納部の開口において、前記電子部品が、回転可能なように、前記側壁部との間に間隙8を有し、前記側壁部の一部が、前記電子部品の外形よりも大きく形成される。
【解決手段】樹脂パッケージ31と前記樹脂パッケージ31の第1の主面34から導出された端子32とを有する電子部品を収納する凹部で構成された収納部を有する電子部品用トレイであって、前記収納部が、底面1と、前記底面1の周縁部から起立せしめられた側壁部2と、前記底面1から前記端子32の導出部分よりも高い位置で、前記第1の主面34の一部を係止することで、前記端子32の先端が前記底面1に接触しないように、前記電子部品の前記第1の主面34を支持する係止面3とを具備し、前記収納部の開口において、前記電子部品が、回転可能なように、前記側壁部との間に間隙8を有し、前記側壁部の一部が、前記電子部品の外形よりも大きく形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品用トレイに係り、特に電磁リレーなど薄型の電子部品を収納するためのトレイに関する。
【背景技術】
【0002】
電磁スイッチなど、端子を有する電子部品を搬送するために用いられるトレイは、ポリプロピレン、ポリカーボネートなどの樹脂材料やポリスチレン樹脂を用いて形成され、搬送用のみならず、保管用としても使用されている。
【0003】
端子を有する電子部品用のトレイとして、ICトレイの収納領域の底板に台を設け、更に側壁に、IC(半導体集積回路)を介して対向する位置に一対の切り込みを設け、ICを指で掴みやすくしたものが提案されている(特許文献1)。
【0004】
例えば図9乃至図11に電子部品用トレイの一例を示す。図9は要部拡大図、図10は全体上面図、図11は収納状態および取り出し時の状態を示す断面説明図である。ここで収納トレイ110は、薄型の電子部品130を収納するための収納部R1を多数配列形成したもので、この電子部品を取り出しやすくするものである。なお、この収納トレイ110は、収納部R1が、底面101と、底面101の周縁部から起立せしめられた係止壁102としての側壁部とを有している。また、電子部品を取り出しやすくするための切り込み104が形成されている。
図11(a)および(b)に取り出す際の収納部R1の断面図を示すように、ICなどの電子部品の樹脂パッケージ(本体部分)131が薄い場合、切り込み104があっても指で把持することが困難であった。そこで収納トレイ上で回転できると把持が容易となるが、図11に示すように、樹脂パッケージが引っ掛かり、樹脂パッケージ131の端子132導出面である第1の主面134を把持するのが困難であるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平5−031241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上説明したように、上記特許文献1の収納トレイでは、ICの樹脂パッケージ(本体部分)が薄い場合、切り込みがあっても指で把持することが困難であった。
また、本体部分が薄型化するにしたがい、切り込みを大きくすると安定に収納することが困難となる。また切り込みの深さについても、本体部分の厚さ程度に深くしなければ指で把持するのが難しい。
言い換えると、特に本体部分の厚みが薄い電子部品では、端子の形成された裏面にかかるように指で把持しなければ、安定に把持することが困難である。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたもので、本体部分を斜めに傾け、端子形成面にかかるように指で把持して、電子部品を安定して取り出すことができる電子部品用トレイを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明は、樹脂パッケージと前記樹脂パッケージの第1の主面から導出された端子とを有する電子部品を収納する凹部で構成された収納部を有する電子部品用トレイであって、前記収納部が、底面と、前記底面の周縁部から起立せしめられた側壁部と、前記底面から前記端子の導出部分よりも高い位置で、前記第1の主面の一部を係止することで、前記端子の先端が前記底面に接触しないように、前記電子部品の前記第1の主面を支持する係止面とを具備し、前記収納部の開口において、前記電子部品が、回転可能なように、前記側壁部との間に間隙を有し、前記側壁部の一部が、前記電子部品の外形よりも大きく形成されたことを特徴とする。
この構成により、電子部品を回転させ、斜めに取り出すことで、樹脂パッケージの第1の主面に到達するように指で把持することができ、確実に把持することが可能となる。
【0008】
また、本発明は、上記電子部品用トレイにおいて、前記係止面から前記底面に至る係止壁が、前記間隙を持つように前記電子部品を配置した状態で前記電子部品を回転し得るように、切除部を有する。
この構成により、端子の位置に対応して係止壁に切除部を形成することで、係止壁に干渉して、電子部品が回転できなくならないようにすることができ、電子部品を斜めに取り出すことで、樹脂パッケージの第1の主面に到達するように指で把持することができ、確実に把持することが可能となる。
【0009】
また、本発明は、上記電子部品用トレイにおいて、前記係止面から前記底面に至る係止壁が、前記間隙を持つように前記電子部品を配置した状態で前記電子部品を回転し得るように、テーパ面を構成する。
この構成により、係止壁を含む係止面の強度を維持しつつ、電子部品を安定に収納することが可能となる。またこのテーパ面を、電子部品を回転する際に端子の先端を導くガイド面として利用することも可能である。
【0010】
また、本発明は、上記電子部品用トレイにおいて、前記電子部品は、前記第1の主面上で、前記端子のうち少なくともひとつが非対称位置に形成されており、前記係止部は前記端子の位置を規制するように、非対称位置に形成される。
この構成により、電子部品を電子部品用トレイの収納部に収納する際、端子が係止部に接触することにより、電子部品の収納方向を一方向に規制することができ、収納作業性を向上することが可能となる。
【0011】
また、本発明は、上記電子部品用トレイにおいて、前記収納部は、長方形の開口をもち、前記間隙が、前記樹脂パッケージの1辺と、側面の対角線長との差よりも大きく形成され、前記電子部品の前記樹脂パッケージの厚さ分が、前記開口よりも外に出るように、前記電子部品が前記収納部内で回転可能に形成される。
この構成により、長方形の開口の1辺を支点として、電子部品が回転し、樹脂パッケージの第1の主面に指が到達するように、把持することができ、効率よく確実に取り出す頃ができる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明してきたように、本発明の収納トレイは、薄型の電子部品であっても、確実に収納することができ、かつ回転により、極めて効率よく取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態の収納トレイを示す斜視図
【図2】本発明の実施の形態の収納トレイを示す上面図
【図3】本発明の実施の形態の収納トレイの収納部の要部断面図
【図4】本発明の実施の形態の収納トレイの収納部から電子部品を取り出すときの様子を示す図
【図5】本発明の実施の形態の収納トレイに収納される部品の一例を示す図、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は下面図
【図6】本発明の実施の形態の収納トレイに収納される部品の斜視図
【図7】本発明の実施の形態の収納トレイを示す上面説明図
【図8】本発明の実施の形態の収納トレイを示す要部上面説明図
【図9】従来例の収納トレイを示す要部上面説明図
【図10】従来例の収納トレイを示す上面図
【図11】従来例の収納トレイの収納部から電子部品を取り出すときの様子を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態の収納トレイの全体斜視図、図2は同収納トレイの上面図、図3は図2のA−A断面図、図4は、電子部品としての電磁リレー30を収納トレイの収納部から取り出す過程を示す説明図、図5はこの電磁リレーを示す図、図6は同電磁リレーの斜視図である。図5(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は下面図である。
本発明の収納トレイ10は、薄型の電子部品としての電磁リレー30を収納するための収納部R1を多数配列形成したもので、この電子部品を取り出しやすくするものである。なお、この収納トレイ10は、紙製のふた付き箱20に収納されている。
ここでこの収納トレイ10は、収納部R1が、底面1と、底面1の周縁部から起立せしめられた係止壁2としての側壁部と、電磁リレー30を係止する係止面3とを具備し、この収納部R1の開口において、係止壁2との間で電磁リレー30が回転可能なように、電磁リレー30と間隙8を有しており、係止壁2の一部が電磁リレー30の外形よりも大きく形成されたことを特徴とする。4は取り出しを容易にするための切り込みである。
【0015】
ここで電磁リレー30は、図5および図6に示すように、薄型直方体のエポキシ樹脂製の樹脂パッケージ31と、この樹脂パッケージ31から、非対称位置に導出された4本の端子32とを有している。そして第1の主面34と、これと対向する第2の主面33とを具備し、第1の主面から端子32が導出されている。そしてこの端子32の導出された第1の主面34は、収納トレイ10の凹部に設けられた係止片5と、上記係止面3とで係止され、端子32が収納部R1内に空間的に保持された状態となっている。
【0016】
ここで収納部R1は、底面1から電磁リレー30の端子32の導出部分の長さよりも高い位置で、第1の主面34の一部を係止することで、端子32の先端が底面1に接触しないように、前記電磁リレー30の第1の主面34を支持する係止面3とを具備し、収納部R1の開口において、前記電子部品と前記側壁部との間に間隙をもつように、前記側壁部の一部が、電磁リレー30の外形よりも大きく形成されており、電磁リレー30が回転可能である。
【0017】
そして図3に電磁リレー30の収納部への収納状況を示す。ここで樹脂パッケージ31は1辺の長さをW1、高さをH、側面の対角線の長さをW4としたとき、間隙W3>W4−W1となるようにしている。
このように、開口部の幅W2が側面の対角線の長さW4よりも大きくなるように形成することで、間隙8を間隙幅W3=W2−W1>W4−W1を満たすように形成する。かかる構成をとることで、図4(a)および(b)に示すように、開口部で電磁リレー30が回転可能となり、切り込み4(図1参照)から指をいれ、電磁リレー30を傾けて指を第1の面まで到達させることができ、薄型の樹脂パッケージについても安定に把持することができる。ここでは開口の1辺を支点Pとして回転可能となっている。この間隙幅W3は把持具が入る程度の大きさが有効である。
【0018】
このように、端子32の位置に対応して係止壁2に切除部を形成することで、係止壁2に干渉して、電磁リレー30が回転できなくならないようにすることができ、電磁リレー30を斜めに取り出すことで、樹脂パッケージ31の第1の主面34に到達するように指で把持することができ、確実に把持することが可能となる。
【0019】
また、係止壁2がテーパ面を構成しているため、係止壁2および係止面3の強度を維持しつつ、電磁リレー30を安定に収納することが可能となる。またこのテーパ面を、電磁リレー30を回転する際に端子の先端を導くガイド面として利用することも可能である。
【0020】
また、電子部品用トレイ10において、電磁リレー30を電子部品用トレイの収納部R1に収納する際、端子32が係止壁2、係止面3および係止片5からなる係止部に接触することにより、電磁リレー30の収納方向を一方向に規制することができ、収納作業性を向上することが可能となる。
【0021】
このように収納部R1は、前記間隙が、前記樹脂パッケージ31の1辺と、側面の対角線長との差よりも大きく形成され、前記電磁リレー30の前記樹脂パッケージ31の厚さ分が、前記開口よりも外に出るように、前記電磁リレーが前記収納領域内で回転可能に形成されている。
【0022】
また図7に示すように、収納部R1は係止壁2、係止面3、係止片5が、非対称に配置されており、電磁リレー30の端子32が接触することで、電磁リレーの収納方向が一方向に規制可能となる。5は係止片である。
従って図8に示すように、電磁リレー30の向きを反対にすると、係止壁2に端子32がぶつかり、収納できない。従って図7に示すように整列して収納されるようにすることができる。
【0023】
なお、係止壁3は切除部を形成していてもよいし、テーパ面であってかつ切除部9(図3)を構成していてもよい。
このように、端子の位置に対応して係止壁に切除部を形成することで、係止壁に干渉して、電子部品が回転できなくならないようにすることができ、電子部品を斜めに取り出すことで、樹脂パッケージの第1の主面に到達するように指で把持することができ、確実に把持することが可能となる。
【0024】
なお、前記実施の形態では、電磁リレーの収納用トレイについて説明したが、電磁リレーに限定されることなく、適宜変更可能であり、特に薄型のパッケージの場合に有効である。
【符号の説明】
【0025】
1 底面
2 係止壁
3 係止面
4 切り込み
5 係止片
8 間隙
9 切除部
10 収納トレイ
20 紙製のふた付き箱
30 電磁リレー
31 樹脂パッケージ
32 端子
33 第2の主面
34 第1の主面
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品用トレイに係り、特に電磁リレーなど薄型の電子部品を収納するためのトレイに関する。
【背景技術】
【0002】
電磁スイッチなど、端子を有する電子部品を搬送するために用いられるトレイは、ポリプロピレン、ポリカーボネートなどの樹脂材料やポリスチレン樹脂を用いて形成され、搬送用のみならず、保管用としても使用されている。
【0003】
端子を有する電子部品用のトレイとして、ICトレイの収納領域の底板に台を設け、更に側壁に、IC(半導体集積回路)を介して対向する位置に一対の切り込みを設け、ICを指で掴みやすくしたものが提案されている(特許文献1)。
【0004】
例えば図9乃至図11に電子部品用トレイの一例を示す。図9は要部拡大図、図10は全体上面図、図11は収納状態および取り出し時の状態を示す断面説明図である。ここで収納トレイ110は、薄型の電子部品130を収納するための収納部R1を多数配列形成したもので、この電子部品を取り出しやすくするものである。なお、この収納トレイ110は、収納部R1が、底面101と、底面101の周縁部から起立せしめられた係止壁102としての側壁部とを有している。また、電子部品を取り出しやすくするための切り込み104が形成されている。
図11(a)および(b)に取り出す際の収納部R1の断面図を示すように、ICなどの電子部品の樹脂パッケージ(本体部分)131が薄い場合、切り込み104があっても指で把持することが困難であった。そこで収納トレイ上で回転できると把持が容易となるが、図11に示すように、樹脂パッケージが引っ掛かり、樹脂パッケージ131の端子132導出面である第1の主面134を把持するのが困難であるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平5−031241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上説明したように、上記特許文献1の収納トレイでは、ICの樹脂パッケージ(本体部分)が薄い場合、切り込みがあっても指で把持することが困難であった。
また、本体部分が薄型化するにしたがい、切り込みを大きくすると安定に収納することが困難となる。また切り込みの深さについても、本体部分の厚さ程度に深くしなければ指で把持するのが難しい。
言い換えると、特に本体部分の厚みが薄い電子部品では、端子の形成された裏面にかかるように指で把持しなければ、安定に把持することが困難である。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたもので、本体部分を斜めに傾け、端子形成面にかかるように指で把持して、電子部品を安定して取り出すことができる電子部品用トレイを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明は、樹脂パッケージと前記樹脂パッケージの第1の主面から導出された端子とを有する電子部品を収納する凹部で構成された収納部を有する電子部品用トレイであって、前記収納部が、底面と、前記底面の周縁部から起立せしめられた側壁部と、前記底面から前記端子の導出部分よりも高い位置で、前記第1の主面の一部を係止することで、前記端子の先端が前記底面に接触しないように、前記電子部品の前記第1の主面を支持する係止面とを具備し、前記収納部の開口において、前記電子部品が、回転可能なように、前記側壁部との間に間隙を有し、前記側壁部の一部が、前記電子部品の外形よりも大きく形成されたことを特徴とする。
この構成により、電子部品を回転させ、斜めに取り出すことで、樹脂パッケージの第1の主面に到達するように指で把持することができ、確実に把持することが可能となる。
【0008】
また、本発明は、上記電子部品用トレイにおいて、前記係止面から前記底面に至る係止壁が、前記間隙を持つように前記電子部品を配置した状態で前記電子部品を回転し得るように、切除部を有する。
この構成により、端子の位置に対応して係止壁に切除部を形成することで、係止壁に干渉して、電子部品が回転できなくならないようにすることができ、電子部品を斜めに取り出すことで、樹脂パッケージの第1の主面に到達するように指で把持することができ、確実に把持することが可能となる。
【0009】
また、本発明は、上記電子部品用トレイにおいて、前記係止面から前記底面に至る係止壁が、前記間隙を持つように前記電子部品を配置した状態で前記電子部品を回転し得るように、テーパ面を構成する。
この構成により、係止壁を含む係止面の強度を維持しつつ、電子部品を安定に収納することが可能となる。またこのテーパ面を、電子部品を回転する際に端子の先端を導くガイド面として利用することも可能である。
【0010】
また、本発明は、上記電子部品用トレイにおいて、前記電子部品は、前記第1の主面上で、前記端子のうち少なくともひとつが非対称位置に形成されており、前記係止部は前記端子の位置を規制するように、非対称位置に形成される。
この構成により、電子部品を電子部品用トレイの収納部に収納する際、端子が係止部に接触することにより、電子部品の収納方向を一方向に規制することができ、収納作業性を向上することが可能となる。
【0011】
また、本発明は、上記電子部品用トレイにおいて、前記収納部は、長方形の開口をもち、前記間隙が、前記樹脂パッケージの1辺と、側面の対角線長との差よりも大きく形成され、前記電子部品の前記樹脂パッケージの厚さ分が、前記開口よりも外に出るように、前記電子部品が前記収納部内で回転可能に形成される。
この構成により、長方形の開口の1辺を支点として、電子部品が回転し、樹脂パッケージの第1の主面に指が到達するように、把持することができ、効率よく確実に取り出す頃ができる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明してきたように、本発明の収納トレイは、薄型の電子部品であっても、確実に収納することができ、かつ回転により、極めて効率よく取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態の収納トレイを示す斜視図
【図2】本発明の実施の形態の収納トレイを示す上面図
【図3】本発明の実施の形態の収納トレイの収納部の要部断面図
【図4】本発明の実施の形態の収納トレイの収納部から電子部品を取り出すときの様子を示す図
【図5】本発明の実施の形態の収納トレイに収納される部品の一例を示す図、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は下面図
【図6】本発明の実施の形態の収納トレイに収納される部品の斜視図
【図7】本発明の実施の形態の収納トレイを示す上面説明図
【図8】本発明の実施の形態の収納トレイを示す要部上面説明図
【図9】従来例の収納トレイを示す要部上面説明図
【図10】従来例の収納トレイを示す上面図
【図11】従来例の収納トレイの収納部から電子部品を取り出すときの様子を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態の収納トレイの全体斜視図、図2は同収納トレイの上面図、図3は図2のA−A断面図、図4は、電子部品としての電磁リレー30を収納トレイの収納部から取り出す過程を示す説明図、図5はこの電磁リレーを示す図、図6は同電磁リレーの斜視図である。図5(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は下面図である。
本発明の収納トレイ10は、薄型の電子部品としての電磁リレー30を収納するための収納部R1を多数配列形成したもので、この電子部品を取り出しやすくするものである。なお、この収納トレイ10は、紙製のふた付き箱20に収納されている。
ここでこの収納トレイ10は、収納部R1が、底面1と、底面1の周縁部から起立せしめられた係止壁2としての側壁部と、電磁リレー30を係止する係止面3とを具備し、この収納部R1の開口において、係止壁2との間で電磁リレー30が回転可能なように、電磁リレー30と間隙8を有しており、係止壁2の一部が電磁リレー30の外形よりも大きく形成されたことを特徴とする。4は取り出しを容易にするための切り込みである。
【0015】
ここで電磁リレー30は、図5および図6に示すように、薄型直方体のエポキシ樹脂製の樹脂パッケージ31と、この樹脂パッケージ31から、非対称位置に導出された4本の端子32とを有している。そして第1の主面34と、これと対向する第2の主面33とを具備し、第1の主面から端子32が導出されている。そしてこの端子32の導出された第1の主面34は、収納トレイ10の凹部に設けられた係止片5と、上記係止面3とで係止され、端子32が収納部R1内に空間的に保持された状態となっている。
【0016】
ここで収納部R1は、底面1から電磁リレー30の端子32の導出部分の長さよりも高い位置で、第1の主面34の一部を係止することで、端子32の先端が底面1に接触しないように、前記電磁リレー30の第1の主面34を支持する係止面3とを具備し、収納部R1の開口において、前記電子部品と前記側壁部との間に間隙をもつように、前記側壁部の一部が、電磁リレー30の外形よりも大きく形成されており、電磁リレー30が回転可能である。
【0017】
そして図3に電磁リレー30の収納部への収納状況を示す。ここで樹脂パッケージ31は1辺の長さをW1、高さをH、側面の対角線の長さをW4としたとき、間隙W3>W4−W1となるようにしている。
このように、開口部の幅W2が側面の対角線の長さW4よりも大きくなるように形成することで、間隙8を間隙幅W3=W2−W1>W4−W1を満たすように形成する。かかる構成をとることで、図4(a)および(b)に示すように、開口部で電磁リレー30が回転可能となり、切り込み4(図1参照)から指をいれ、電磁リレー30を傾けて指を第1の面まで到達させることができ、薄型の樹脂パッケージについても安定に把持することができる。ここでは開口の1辺を支点Pとして回転可能となっている。この間隙幅W3は把持具が入る程度の大きさが有効である。
【0018】
このように、端子32の位置に対応して係止壁2に切除部を形成することで、係止壁2に干渉して、電磁リレー30が回転できなくならないようにすることができ、電磁リレー30を斜めに取り出すことで、樹脂パッケージ31の第1の主面34に到達するように指で把持することができ、確実に把持することが可能となる。
【0019】
また、係止壁2がテーパ面を構成しているため、係止壁2および係止面3の強度を維持しつつ、電磁リレー30を安定に収納することが可能となる。またこのテーパ面を、電磁リレー30を回転する際に端子の先端を導くガイド面として利用することも可能である。
【0020】
また、電子部品用トレイ10において、電磁リレー30を電子部品用トレイの収納部R1に収納する際、端子32が係止壁2、係止面3および係止片5からなる係止部に接触することにより、電磁リレー30の収納方向を一方向に規制することができ、収納作業性を向上することが可能となる。
【0021】
このように収納部R1は、前記間隙が、前記樹脂パッケージ31の1辺と、側面の対角線長との差よりも大きく形成され、前記電磁リレー30の前記樹脂パッケージ31の厚さ分が、前記開口よりも外に出るように、前記電磁リレーが前記収納領域内で回転可能に形成されている。
【0022】
また図7に示すように、収納部R1は係止壁2、係止面3、係止片5が、非対称に配置されており、電磁リレー30の端子32が接触することで、電磁リレーの収納方向が一方向に規制可能となる。5は係止片である。
従って図8に示すように、電磁リレー30の向きを反対にすると、係止壁2に端子32がぶつかり、収納できない。従って図7に示すように整列して収納されるようにすることができる。
【0023】
なお、係止壁3は切除部を形成していてもよいし、テーパ面であってかつ切除部9(図3)を構成していてもよい。
このように、端子の位置に対応して係止壁に切除部を形成することで、係止壁に干渉して、電子部品が回転できなくならないようにすることができ、電子部品を斜めに取り出すことで、樹脂パッケージの第1の主面に到達するように指で把持することができ、確実に把持することが可能となる。
【0024】
なお、前記実施の形態では、電磁リレーの収納用トレイについて説明したが、電磁リレーに限定されることなく、適宜変更可能であり、特に薄型のパッケージの場合に有効である。
【符号の説明】
【0025】
1 底面
2 係止壁
3 係止面
4 切り込み
5 係止片
8 間隙
9 切除部
10 収納トレイ
20 紙製のふた付き箱
30 電磁リレー
31 樹脂パッケージ
32 端子
33 第2の主面
34 第1の主面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂パッケージと前記樹脂パッケージの第1の主面から導出された端子とを有する電子部品を収納する凹部で構成された収納部を有する電子部品用トレイであって、
前記収納部が、
底面と、
前記底面の周縁部から起立せしめられた側壁部と、
前記底面から前記端子の導出部分よりも高い位置で、前記第1の主面の一部を係止することで、前記端子の先端が前記底面に接触しないように、前記電子部品の前記第1の主面を支持する係止面とを具備し、
前記収納部の開口において、前記電子部品と前記側壁部との間で前記電子部品が回転可能な程度の間隙をもつように、前記側壁部の一部が、前記電子部品の外形よりも大きく形成された電子部品用トレイ。
【請求項2】
請求項1に記載の電子部品用トレイであって、
前記係止面から前記底面に至る係止壁が、前記間隙を持つように前記電子部品を配置した状態で前記電子部品を回転し得るように、切除部を有する電子部品用トレイ。
【請求項3】
請求項1に記載の電子部品用トレイであって、
前記係止面から前記底面に至る係止壁が、前記間隙を持つように前記電子部品を配置した状態で前記電子部品を回転し得るように、テーパ面を構成する電子部品用トレイ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の電子部品用トレイであって、
前記電子部品は、前記第1の主面上で、前記端子のうち少なくともひとつが非対称位置に形成されており、前記係止部は前記端子の位置を規制するように、非対称位置に形成された電子部品用トレイ。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の電子部品用トレイであって、
前記収納部は、長方形の開口をもち、
前記間隙が、前記樹脂パッケージの1辺と、側面の対角線長との差よりも大きく形成され、
前記電子部品の前記樹脂パッケージの厚さ分が、前記開口よりも外に出るように、前記電子部品が前記収納部内で回転可能に形成された電子部品用トレイ。
【請求項1】
樹脂パッケージと前記樹脂パッケージの第1の主面から導出された端子とを有する電子部品を収納する凹部で構成された収納部を有する電子部品用トレイであって、
前記収納部が、
底面と、
前記底面の周縁部から起立せしめられた側壁部と、
前記底面から前記端子の導出部分よりも高い位置で、前記第1の主面の一部を係止することで、前記端子の先端が前記底面に接触しないように、前記電子部品の前記第1の主面を支持する係止面とを具備し、
前記収納部の開口において、前記電子部品と前記側壁部との間で前記電子部品が回転可能な程度の間隙をもつように、前記側壁部の一部が、前記電子部品の外形よりも大きく形成された電子部品用トレイ。
【請求項2】
請求項1に記載の電子部品用トレイであって、
前記係止面から前記底面に至る係止壁が、前記間隙を持つように前記電子部品を配置した状態で前記電子部品を回転し得るように、切除部を有する電子部品用トレイ。
【請求項3】
請求項1に記載の電子部品用トレイであって、
前記係止面から前記底面に至る係止壁が、前記間隙を持つように前記電子部品を配置した状態で前記電子部品を回転し得るように、テーパ面を構成する電子部品用トレイ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の電子部品用トレイであって、
前記電子部品は、前記第1の主面上で、前記端子のうち少なくともひとつが非対称位置に形成されており、前記係止部は前記端子の位置を規制するように、非対称位置に形成された電子部品用トレイ。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の電子部品用トレイであって、
前記収納部は、長方形の開口をもち、
前記間隙が、前記樹脂パッケージの1辺と、側面の対角線長との差よりも大きく形成され、
前記電子部品の前記樹脂パッケージの厚さ分が、前記開口よりも外に出るように、前記電子部品が前記収納部内で回転可能に形成された電子部品用トレイ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−280404(P2010−280404A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−134204(P2009−134204)
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]