説明

電子pHセンサ・ダイ・パッケージ

【課題】腐食性である環境にさらされることができるpHセンサを提供する。
【解決手段】pHセンサ4は、基板40と、pHに反応するイオン感度が高い部分を備えたイオン感受性電界効果トランジスタ(ISFET)ダイ10を有し、ISFETダイ10は基板40の上に配置される。pHセンサ4はまた、ISFETダイ40の外側表面の少なくとも一部、および、基板の少なくとも一部の上に形成された保護層14を有する。更に、pHセンサ4は、保護層14に機械的に結合されたカバー部材を有し、カバー部材は、ISFETダイ10および基板を収容し、カバー部材は、イオン感度が高い部分の近位に開口部を画定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、pHセンサ(例えば電子pHセンサ)に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] イオン感受性電界効果トランジスタ(ISFET)は、ISFETが浸漬される媒体のpHレベルを検出するのに用いられる。あるタイプの電子pHセンサは、pHを検出するために基準電極と結合して酸化金属半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)構造を利用するシリコン・マイクロ電気機械システム(MEMS)装置である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003] ある実施携帯では、pHセンサは、基板と、pHに反応するイオン感度が高い部分を備えたイオン感受性電界効果トランジスタ(ISFET)ダイを有し、ISFETダイは基板の上に配置される。pHセンサはまた、ISFETダイの外側表面の少なくとも一部、および、基板の少なくとも一部の上に形成された保護層を有する。更に、pHセンサは、保護層に機械的に結合されたカバー部材を有し、カバー部材は、ISFETダイおよび基板を収容し、カバー部材は、イオン感度が高い部分の近位に開口部を画定する。
【0004】
[0004] 別の実施携帯では、センサデバイスは、基板と、フリット材料を介して基板の上に取り付けられた電界効果トランジスタ(FET)を有する。センサデバイスはまた、FETダイの外側表面の少なくとも一部の上に、および、基板の少なくとも一部の上に形成された保護層を有する。更に、センサデバイスは、第1の端でFETダイにボンディングされる少なくとも1つのワイヤを有し、ワイヤの少なくとも一部が、フリット材料に埋め込まれる。
【0005】
[0005] 更なる実施形態では、センサデバイスを製造する方法を提供する。方法は、電界効果トランジスタ(FET)センシングダイの第1の側にワイヤの第1の端をボンディングするステップと、フリット材料にワイヤの少なくとも一部を埋め込むステップとを有する。方法は更に、第1の材料を介してFETセンシングダイの第1の側に基板を取り付けるステップと、基板とキャップとの間にフリット層を少なくとも適用することにより基板の上にキャップを取り付けるステップとを有する。方法はまた、キャップの少なくとも一部、および、FETセンシングダイの少なくとも一部の上に保護層を形成するステップを有する。
【0006】
[0006] 開示の一つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面および下記の説明に記載される。他の特徴、目的および開示の効果は、説明および図面から、そして、請求項から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】[0007] 図1は、本開示の一つ以上の態様によるpHセンサを備えたセンサデバイスの1つの実施形態を例示しているブロック図である。
【図2】[0008] 図2は、本開示の一つ以上の態様による、保護層から成るpHセンサの1つの実施形態を例示しているブロック図である。
【図3】[0009] 図3は、本開示の一つ以上の態様による保護層から成るpHセンサを製造する実施形態方法を例示しているフローチャートである。
【図4A】[0010] 図4Aは、本開示の一つ以上の態様による製造のさまざまな段階でのpHセンサのある実施形態を例示しているブロック図である。
【図4B】図4Bは、本開示の一つ以上の態様による製造のさまざまな段階でのpHセンサのある実施形態を例示しているブロック図である。
【図4C】図4Cは、本開示の一つ以上の態様による製造のさまざまな段階でのpHセンサのある実施形態を例示しているブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0011] 一般的な慣行により、種々の記載されている特徴は、一定の比率で描かれておらず、本開示に関連する特徴を強調するように描かれる。同様の参照記号は、図面およびテキストを通じて同じエレメントを示す。
【0009】
[0012] いくつかの電子pHセンサデバイスはマイクロ電気機械システム(MEMS)装置および電界効果トランジスタ(FET)が構築するシリコン(Si)を有する。この種のpHセンサデバイスの実施形態はイオン感受性電界効果トランジスタ(ISFET)から成ることができる。ISFETのイオン感度が高い部分は、重要な媒体にさらされ得る。媒体にさらされているときに、ISFET全体のゲート電圧は媒体のpHに関連する。ISFETデバイスのゲート電圧は、FET接合電圧と、媒体に浸漬される基準電極の電圧との違いである。FETゲート電圧は媒体変化のpHとして、対応して変化し、媒体のpHを表す電子信号を提供する。
【0010】
[0013] 用途によっては、pHセンサデバイスは腐食性である環境にさらされることができ、または、pHセンサデバイスの少なくとも一つの構成要素に有害であり、それはパフォーマンスおよびpHセンサデバイスの完全性に影響を及ぼす。その上、pH測定値の精度は、時間とともにドリフトする。例えば、高圧環境で、pHセンサデバイスは、高圧の下で緊張することができる。さらに、多数の圧力サイクルは、不正確な表示または他のセンサ・エラーを提供するためにpHセンサデバイスを導くことができる。他の実施形態では、媒体の組成は、pHセンサデバイス(例えば海水の塩)の材料で腐食され得る。
【0011】
[0014] 本開示の技術は、高圧または腐食性の環境において従来のいくつかのpHセンサデバイスより強いpHセンサデバイスを提供する。例えば、pHセンサデバイスは、ISFETダイのための圧力隔離を改善するためにセンサ・パッケージに取り付けられることができるISFETダイから成ることができる。ある実施形態では、例えば、少なくとも媒体にさらされ得る領域において、保護層は、少なくとも一部のpHセンサー組立体の上に形成される。保護層は、センサー組立体のこれらの部分が通常媒体にさらされる実施形態と比較して、保護層がカバーするセンサー組立体の部分の腐食を減らすのを助けることができる。いくつかの実施形態では、フリット材は、応力隔離を改善するためにpHセンサにワイヤを封入するのに用いる。pHセンサデバイスは、従来のpHセンサデバイスと比較してその延長期間にわたって比較的高い精度を保持することができる。例えば、pHセンサデバイスは、5乃至10年または他の時間以上の最大のドリフトより少なく保つことができる。
【0012】
[0015] 図1は、本開示の一つ以上の態様によるpHセンサ4を備えたセンサデバイス1のある実施形態を例示しているブロック図である。ある実施形態では、pHセンサ4は、溶液の水素イオン濃度の量を計量する(「pH」として共通に示される)。センサデバイス2は、一つ以上の電池20、一つ以上のプロセッサ22、一つ以上のセンサ24、一つ以上のブラダー26またはより多くの通信装置28台、および、1つ以上の記憶装置30から更に成ることができる。センサデバイス2の他の実施形態は、同様にこれらの構成要素だけまたは他の追加的な構成要素だけを含むことができる。
【0013】
[0016] ある実施形態では、pHセンサ4は、少なくとも部分的にpHセンサハウジング8に入っているpHセンサー組立体6から成ることができる。ある実施形態では、pHセンサー組立体6は、イオン感度が高い部分12を含んでいるISFETダイ10から成ることができる。保護層14は、少なくとも部分的にISFETダイ10の上に形成されることができる。その上、pHセンサー組立体6は、基準電極16を更に有することができる。pHセンサ4のある実施形態は、より完全に図2に記載され、後述する。
【0014】
[0017] ある実施形態では、少なくとも、一部のイオン感度が高い部分12および基準電極16が媒体のpHを決定するために媒体(例えば流体)にさらされることができるように、pHセンサ4は構成される。ある実施形態では、保護層14は、媒体にさらされることを目的としない一部のpHセンサー組立体6をカバーする。ある実施形態では、保護層14は、媒体にほぼ化学的に不活性でもよい。例えば、センサデバイス2が浸漬される媒体は、保護層14を腐食しない。例えば、媒体は保護層14から実質的にイオンを浸出させることができない。
【0015】
[0018] ある用途では、センサデバイス2は、海洋学的なブイであってもよい。海洋学的なブイは、海洋または水の他の主要部のパラメータを測定する一種の天気ブイであってもよい。例えば、この種のパラメータは、塩分、温度、電流、流れ、pH、位置、生物発光の存在などを含むことができる。センサ24は、これらの一つ以上、または他のパラメータを測定するために用いることができる。例えば、センサ24は、温度計、カメラ装置、液体比重計等を含むことができる。この種のアプリケーションにおいて、pHセンサ4は、海または海水のpHを測定するのに用いることができる。例えば、少なくとも、一部のイオン感度が高い部分12および一部の基準電極16が海または海洋水にさらされるように、pHセンサ4は構成されることができる。ある実施形態では、検出装置2は、海洋pHを測定し、それが海洋CO2濃度の変化を検出するのに使われることができる。
【0016】
[0019] イオン感度が高い部分12を媒体(例えば海洋水)にさらすことによって、pHセンサ4が媒体のpHレベルの変化を感知することができることができる。いくつかの実施形態では、pHセンサ4は、媒体のpHレベルの関数として、変化する電圧を生成するように構成される。例えば、ある実施形態では、ISFETダイ10の入口はイオン感度が高い部分12であってもよく、それはイオン溶液に影響される。このように、ISFETダイ10のゲート電圧は、センサデバイス2がある溶液のpHに依存する。イオン感度が高い部分12が曝される媒体のpHの変化によって、ISFETダイ10の電圧変化を生じさせる。基準電圧11は、ほぼ一定のレベルでISFETダイ10で電流を維持するためにISFETダイ10を駆動する。pHが変化するとき、ISFETダイ10のバイアスポイントも変化する。基準電圧11は、電流をほぼ一定のISFETダイ10に保つために対応して変わる。基準電圧11の電圧のこの変化は、媒体のpHの変化に関連する。ISFETダイ10は、pHレベル19を表す信号を出力する。いくつかの実施形態では、pHレベル19に関連した信号は、一つ以上のプロセッサ22に提供される。他の例では、pHレベル19を表す信号は、一つ以上の記憶装置30に保存される。下記の更なる詳細において議論されるように、追加的またはその代わりにpHレベル19を表す信号を局所的に格納するために、pHレベル19を表す信号はセンサデバイス2に外部の装置に送られる。
【0017】
[0020] いくつかの実施形態では、センサデバイス2は、期間にわたる測定をするために海において配備されることができる。センサデバイス2は、海の表面の下(例えば海の表面の下のほぼ1000メートル)の深さで海にリリースされることができる。センサデバイス2が上がるかまたは下降するために、電池20は、それぞれ、センサデバイス2の浮力を増減するためにブラダー26に水をポンプで送りこむことができる。一旦展開されると、ゆっくりと、表面まで上昇しながら、センサデバイス2は海洋パラメータの測定をすることができる。いくつかの実施形態では、1000メートルの深さから表面への上昇することは、3週間乃至6週間を必要とする。しかし、他の時間も企図される。
【0018】
[0021] 測定がされるにつれて、測定値は記憶装置30に保存されることができる。一度表面で、又はその近くで、センサデバイス2は、一つ以上の通信装置28を使用している記憶装置30において保存される測定値を送信することができる。例えば、センサデバイス2は、この遠隔測定法データを衛星無線リンクを介して調査センターに報告することができる。
【0019】
[0022] 一旦測定値の伝送が終了していると、センサデバイス2が他の時間の間、水中に沈むように、電池20はウォーターバックをブラダー26にポンプで送りこむことができる。例えば、このサイクルは数年以上、または、一つ以上の電池20は消耗するまで再び繰り返されることができる。これらの繰り返されたサイクルにわたって、高圧で、複数の圧力サイクルまで、センサデバイス2の構成要素は、媒体への長期露出のために腐食または圧力に曝される。この開示によるpHセンサ4の実施形態は、図2に関して下記に詳述されている保護層14および/または他の特徴のための、例えば、従来のpHセンサより強くてもよい。海洋学的な調査のような用途において、数年の期間にわたるpHセンサ4の拡張された無人の動作は、従来のpHセンサと関連してより高い精度によって成し遂げられることができる。ある実施形態では、pHはほぼ0.02%の精度に調整される。他の実施形態では、他の精度で、成し遂げられる。
【0020】
[0023] 一つ以上nおプロセッサ22は、機能性をインプリメントするように構成されることができ、および/または、センサデバイス2の実行のための指示を処理することができる。プロセッサ22は、記憶装置30に保存される処理指示ができ得る。プロセッサ22は、マイクロプロセッサ、コントローラ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、アプリケーション特定の集積回路(ASIC)、書替え可能ゲートアレイ(FPGA)または離散的な論理回路のいかなる一つ以上も含むことができる。本願明細書において記載されているプロセッサ22のものであると考えられる機能は、それについてソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアまたはいかなる組合せも介してハードウエア装置に実装されることができる。
【0021】
[0024] 記憶装置30はまた、一つ以上のコンピュータ可読の記憶媒体を含むことができる。記憶装置30は、pHセンサ4およびセンサ24からのセンサ表示を格納するように構成されることができる。記憶装置30は、情報の長期間記憶装置のために更に構成されることができる。いくつかの実施形態では、記憶装置30は、不揮発性記憶装置エレメントを含むことができる。この種の不揮発性記憶装置要素の実施形態は、磁気ハードディスク、光ディスク、フロッピー・ディスク、フラッシュメモリまたは電気的にプログラム可能なメモリ(EPROM)または電気的に消去可能でプログラム可能な(EEPROM)メモリの形状を含むが、これに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、センサデバイス2は、1つの記憶装置30から成る。
【0022】
[0025] いくつかの実施形態では、センサデバイス2は、ワイヤレスで外部素子または他のネットワーク化されたコンピュータと通信するために一つ以上の通信装置28を利用することができる。通信装置28の実施形態は、無線デバイス(例えば携帯電話、ラジオなど)、衛星通信装置またはレーダー装置を含むことができる。一つ以上の通信装置28は、プロセッサ22と通信するためのまたは記憶装置30からデータを受け取るためのネットワーク・インターフェース・カードを有することができる。ある実施形態では、一つ以上の通信装置28はイーサネット・カードを有することができ、例えば、イーサネット、伝達制御プロトコル(TCP)、インターネット・プロトコル(IP)、非同期転送モード(ATM)または他のネットワーク通信プロトコルを介して通信するように構成される。他の実施形態では、一つ以上の通信装置28は、光トランシーバ、無線周波数トランシーバまたは情報を送受信することができる装置の他のいかなるタイプでもあってもよい。ある実施形態では、通信装置28は、アンテナを含むことができる。
【0023】
[0026] この種の通信装置28の実施形態は、ブルートゥース(登録商標)、3G、WiFi(登録商標)、超短波(VHF)、および、極超短波(UHF)無線を包含する。通信装置28はまた、インターネットのようなワイド・エリア・ネットワーク、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、エンタープライズ・ネットワーク、無線ネットワーク、セルラー電話網、電話通信ネットワーク、メトロポリタンエリアネットワーク(例えば、Wi-Fi、WANまたはWiMAX)、一つ以上の他の種類のネットワーク、または、2つ以上の異なる種類のネットワーク(例えばセルラー電話網およびインターネットの組合せ)に接続するように構成されることができる。
【0024】
[0027] センサ2は、一つ以上の電池20を含むことができ、それはいくつかの実施形態では再充電可能でもよく、センサデバイス2に電力を提供する。一つ以上の電池20は、ニッケル-カドミウム、リチウムイオンまたは他のいかなる適切な材料からも作られることができる。ある実施形態では、一つ以上の電池20は、pHセンサ4に基準電圧11を提供する。
【0025】
[0028] 図2は、本開示の一つ以上の態様による、保護層14から成るpHセンサ4の1つの実施形態を例示しているブロック図である。この例では、pHセンサ4は、基板40に載置するISFETダイ10から成る。本願明細書において議論されるように、ISFETダイ10を含むpHセンサ4のコンポーネントは、図1に関して記載されているコンポーネントと同様である。
【0026】
[0029] 図2に示されるように、pHセンサ4は、ヘッダ60が設けられ、pHセンサー組立体が取り付けられるように構成されている。ある実施形態では、ヘッダ60はガラスで満たされたプラスチックから成る。いくつかの実施形態では、ヘッダ60は、pHセンサ4を特定の用途(例えば特定の検出装置の実施)に対してサポートするように構成される。例えば、ヘッダ60は、pHセンサ4が取り付けられる検出装置の寿命にわたって関心の媒体で実質的に腐食しないように構成されることができる。
【0027】
[0030] 例示のISFETダイ10は、部分12(図1)のようにpHを検知するのに使われることができるイオン検知部分とシリコン(Si)から成る。他の実施形態では、ISFETダイ10は、溶液のpHを検出するために用いることができる他のタイプのダイである。ある実施形態では、ISFETダイ10の一部は、海水にさらされ、pHセンサ4は海水のpHを表す電気信号を生成することができる。
【0028】
[0031] 図2に示される実施形態では、基板40はISFETダイ10を支持し、一つ以上の電気ピン64のためのスルーホールを定める。基板40のための適切な材料の例は、セラミック、Si、窒化ケイ素(Si3N4)、サファイヤ、ダイヤモンド、ダイヤモンド上のシリコン(SOD)、絶縁体上のシリコン(SOI)または他のいかなる適切な基板材料も含むが、これらに限定されるものではない。基板40がセラミックである実施形態では、基板40が高密度アルミナ、アルミナ窒化物(AlN)または窒化ケイ素(Si3N4)から成られることができるが、これらに制限されることはない。他の実施形態では、基板40は他の材料(例えばテフロンまたはそれの組合せ)から成ることができる。いくつかの実施形態では、基板40は、厚さがほぼ0.1ないし100マイクロメートル(μm)までの間にあってもよい。他の実施形態では、基板40は他の厚みであってもよい。
【0029】
[0032] 一つ以上の導線50は、ISFETダイ10と外部の回路と間の電気接続をダイ10に提供する。図2に示すように、一つ以上の導線50は、ISFETダイ10の下側、および、少なくとも一つの電気ピン64に結合される導線であってもよい。導線50のある実施形態は、ほぼ2mm以下の厚みを有する金(Au)導線から成ることができる。他の実施形態では、導線50は他の材料(例えばアルミニウム)から成ることができて、他の厚みを有することができる。
【0030】
[0033] 図2に示すように、pHセンサ4は、キャップ42を有し、それはISFETダイ10周辺に配置される。ある実施形態では、キャップ42は、基板40に対する少なくとも部分的なボンディングでもよい。いくつかの実施形態では、キャップ42はキャップ基板と称され、基板40はベース基板と称される。キャップ42は、ISFETダイ10のためのカットアウト(cut-out)を含むことができる。キャップ42の構成の実施形態は、高密度アルミナ、AlNまたはSi3N4、Si、サファイア、ダイヤモンド、SOD、SOIまたは他のいかなる適切な基板材料または、それらの組合せのようなセラミック材を含むことができる。ある実施形態では、キャップ42は基板40と同じ組成物から成る。他の実施形態では、キャップ42は基板40と異なる材料から成る。
【0031】
[0034] ある実施形態では、基板40および42は、基板40、42に取り付けられるISFETダイ10に堅いサポートを提供し、その結果、温度および圧力の変更による反復可能な応力は減少する。pHセンサ4のいくつかの実施形態では、ISFETダイ10の上部表面(例えば、最も大きなz軸寸法、x-z軸が説明の容易さだけのために図2に示す)は、キャップ42の上面または保護層14の上面と、ほとんど同一平面上でもよく、それはイオン感度が高い部分12によって流れる媒体を支援する。他の実施形態では、図2に示すように、ISFETダイ10の上面は、キャップ42によって画定される開口部の範囲内で凹部が作られる。ある実施形態では、保護層14は、基板40とほぼ平行である。
【0032】
[0035] 加えて、いくつかの実施形態では、pHセンサ4は更にフリット材料44が設けられ、pHセンサ4に対する応力および圧力を更に減らすことができ、順番に失敗の可能性を減らし、エラーを少なくするように構成されている。フリット材料44は、ウェハボンディングプロセスで使用するために適切なタイプのセラミック構成であってもよい。ある実施形態では、フリット材料44は、ガラス・フリットである。
【0033】
[0036] フリット材料44は、pHセンサ4のいくつかの場所の一つ以上で形成されることができる。例えば、フリット材料44は、基板40とキャップ42との間、ISFETダイ10と基板40との間の領域の一つ以上に、ISFETダイ10とキャップ42との間の側壁領域70に、ISFETダイ10に、および、キャップ42に形成されることができる。いくつかの実施形態では、フリット材料44は、厚さ0.05からほぼ10mmまで変動することができる。ある実施形態では、キャップ42と基板40と間のフリット材料44は、厚さほぼ6mmまでであってもよい。他の例では、ISFETダイ10と基板40との間のフリット材料44は、厚さほぼ8mmまでであってもよい。他の実施形態では、フリット材料44は、他の厚みであってもよい。
【0034】
[0037] いくつかの前の電気pHセンサでは、ISFETダイは、エポキシを有する基板に直接ボンディングされ、または、キャビティがISFETダイと基板との間にある。この種のpHセンサ構造体を広い温度範囲にまたは高圧(例えば、平方インチにつきほぼ6キロポンド(KSI)まで)にさらすことは、基板とエポキシとISFETダイとの間のTCEミスマッチのためにISFETダイに増加した応力および歪みが生じる。この増加した応力および歪みは、pH出力信号における増加するエラーにつながり得る。対照的に、ISFETダイ10と基板40との間のフリット材料44は、ISFETダイ10を基板40から分離することにより、ISFETダイ10の応力の影響を減らすことができる。
【0035】
[0038] さらに、ある実施形態では、フリット材料44の熱膨張係数(TCE)は、ISFETダイ10のTCEとほぼ同様(例えばISFETダイ10が形成されるシリコンと同じTCE)である。すなわち、フリット材料44およびISFETダイ10は、ほぼ同じ量によって温度変化にわたって拡大することができて、縮むことができる。フリット材料44およびISFETダイ10のTCEsにほぼマッチすることによって、pHセンサ4は、より少ない応力および歪み(例えば、ISFETダイ10と関連する基板40の膨張によるより少ない緊張、またはその逆も同じ)にさらされ、pHセンサ4の信頼性および長命を改良することができる。
【0036】
[0039] ある実施形態では、一つ以上の導線50は、フリット材料44に埋められることができる。一つ以上の導線50をフリット材料44に埋めることは、漏れ電流からのと同様に、温度および圧力変化から一つ以上の導線50の増加する保護を提供することができる。他の例では、ISFETダイ10に対する一つ以上の導線50に関するワイヤーボンディングは、フリット材料44に埋め込まれ、それはISFETダイ10に安定した、堅いマウントを一つ以上の導線50に提供することができる。
【0037】
[0040] 更なる実施形態では、一つ以上の導線50はまた、1本以上の電気ピン64のうちの1本まで結合されることができる。保護ボリューム58は、導線50と少なくとも一つの電気ピン64との間のワイヤーボンディング周辺で形成されることができる。ある実施形態では、保護ボリューム58は、フリット材料44または他のいかなるボンディング材料も有しない電気ピン64の上のスペースである。フリット材料44は、いくつかの実施形態の電気ピン64を部分的にカバーすることができる。他の実施形態では、保護ボリューム58は、ガス(例えば空気)から成るかまたは少なくとも部分的には真空である。保護ボリューム58は、図4Bに関して下で更に詳細に更に議論される。
【0038】
[0041] あるアプリケーションにおいて、pHセンサ4は、媒体(例えば海水)のpHを検出するために媒体にさらされ得る。いくつかの媒体(例えば海水)は、フリット材料44またはキャップ42からイオンを浸出させることができ、pHセンサ4を性能低下に至らせるフリット材料44またはキャップ42の孔またはくぼみを形成する。この潜在的腐食のため、保護層14は、pHセンサ4の一部の上に形成される。ある実施形態では、保護層14は、所定の媒体(例えば海水)で、フリット材料44より不活発である。ある実施形態では、保護層14は、塩水への露出のための長期の低下からフリット材料44を保護する。ある実施形態では、保護層14が、ほぼ1のpHからほぼ11のpHの範囲でpHセンサ4を保護する。
【0039】
[0042] 保護層14は、pHセンサ4の一部の表面を横切って主たるバリアとして使用されるコーティングであってもよい。図2に示すように、保護層14は、キャップ42およびISFETダイ10の一部の上に形成されることができる。保護層14はまた、側壁領域70のフリット材料44のような、フリット材料44の一部の上に形成されることができる。ある実施形態では、(図4Cに関して更に下記に詳述する)一部のヘッダ60、保護層14、Oリング56および一部のISFETダイ10は、pHセンサ4の動作の間、関心の媒体にさらされる。
【0040】
[0043] いくつかの実施形態では、保護層14は、メタライゼーション層であってもよい。例えば、保護層14は、タンタル五酸化物(Ta2O5)、タングステン五酸化物(W2O5)または他のいかなる金属-酸化物またはそれらの組み合わせのような金属-酸化物保護コーティング、若しくは、選択された時間(例えば最高10年)にわたって関心の媒体で、ほぼ不活発である窒化ケイ素(Si3N4)であってもよい。加えて、またはその代わりに、保護層14は、ダイヤモンド(例えば合成ダイヤモンド、サファイヤまたはセラミック材)であってもよい。上述した実施形態に加えてまたはその代わりに、保護層14は、無孔材料から成ることができる。
【0041】
[0044] 保護層14が、キャップ42、ISFETダイ10およびフリット材料44の表面を固守するように、保護層14は厚みを有することができ、その一方で、フリット材料44、および/または、キャップ42と比較して相対的に低い確率の多孔性を有する。ある実施形態では、保護層14は、多数の薄い層から成ることができる。多数の薄い層は、pHセンサ4のリークおよび最終的な性能低下に至る保護層14の小孔を発達させる可能性を減らすことができる。いくつかの実施形態では、保護層14がほぼ2,000オングストローム(Å)乃至10,000Åまでの厚みを有することができる。しかし、他の実施形態では、保護層14の他の厚みが使われることができる。いくつかの実施形態では、保護層14は、ほぼ均一の厚みであり、その一方で、他の実施形態では、保護層14の厚みは変化する。
【0042】
[0045] ある実施形態では、保護層14は、イオン検出部分12を少なくとも部分的にカバーし、イオン検出部分12でないISFETダイ10の外面を完全にカバーする。他の例では、ISFETダイ10上のいかなる露出したメタライゼーション(例えばテストパッド)も、保護層14によってカバーされる。他の例では、保護層14は、基準電極16をカバーしない。さらに別の実施形態では、保護層14は、ISFETダイ10の全ての表面にわたって形成されることができる。いくつかの実施形態では、電気接続のような関心のある媒体にさらされ得るpHセンサ4の構成要素、部分、または態様は、保護層14によってカバーされることができる。
【0043】
[0046] 保護層14は、他の実施形態の他の構成を有することができる。例えば、ある実施形態では、保護層14は、キャップ42、フリット材料44およびISFETダイ10の表面に適合してもよい。他の実施形態では、保護層14は、キャップ42、フリット材料44およびISFETダイ10の表面全体にわたって平らであり、その結果、保護層14の厚みはx軸方向において変化する。他の例では、フリット材料44が、側壁領域70にはなく、かくして、保護層14によって直接カバーされない。
【0044】
[0047] 既存のいくつかのpHセンサにおいて、Oリングは、pHセンサのISFETダイに置かれる。このOリングは、pHセンサー組立体をハウジングに密封し、そこにおいて、ハウジングはISFETダイのイオン感度が高い部分をさらす。温度変化および高圧は、OリングまたはハウジングからISFETダイを応力にさらす。既存のpHセンサにおいて、これらの応力は、ISFETダイと基板との間で形成されるキャビティを介してなることができる、その理由は、次のことにある、この種の構造では、ISFETダイは、ISFETダイをOリングの伸縮により影響されるようにするダイアフラムとして作用することができる。これらの応力は、測定エラーに至ることができる。
【0045】
[0048] これらの既存のpHセンサとは対照的に、pHセンサ4は、キャップ42の上に配置されるOリング56を含む。Oリング56とキャップ42と間のこの装置は、Oリング56とISFETダイ10との間の直接の接触を除去することによってOリング56とISFETダイ10と間の相対的な伸縮によって発生するISFETダイ10に対する応力を減らすことができる。ある実施形態では、Oリング56は、アウター・ハウジングを有するキャップ42を封止することができる(図1)。この種の実施形態では、Oリング56は、カバー部材に、または、ヘッダ60の一部に連結することができる。
【0046】
[0049] いくつかの実施形態では、pHセンサ4のpH出力信号(例えばpHレベル19を表す信号)は、圧力および温度変化のために繰り返し可能なエラーにさらされ得る。例えば上記のように、pHセンサ4は、温度および圧力変化から応力を受けることができ、それはセンサ4の性能に影響を及ぼし得る。センサ4の特徴が、例えば、ISFETダイ10をフリット材40を有する基板40から分離することによって応力を最小化するのを助けると共に、これらのセンサ・エラーはまだ、算出されたpHの非線形性につながり得る。これらのエラーは、圧力および温度変化の影響のためのpH出力信号を調整するために修正アルゴリズムを使用して補償され、または、修正されうる。いくつかの実施形態では、多項式の修正アルゴリズムは、pHの非線形性を修正するために用いられる。いくつかの実施形態では、非訂正可能なエラー(例えばヒステリシスおよび非反復)は、(ISFETダイ10と接触してOリング56を有することとは反対に)キャップ42の上にOリング56の位置を決めることによって減少する。
【0047】
[0050] いくつかの実施形態では、基板40は、ヘッダ60に取り付けられることができる。ある実施形態では、エポキシ・マウント62は、基板40をヘッダ60に取り付けるのに用いられる。しかし、他の実施形態では、取付基板40をヘッダ60に取り付けるための他の形態または技術が使われる。図2の実施形態に示すように、ヘッダ60は一つ以上の電気ピン64を含むことができる。ある実施形態では、電気ピン64は、ヘッダ60を越えて伸びる。他の実施形態では、ヘッダ60は、pHセンサー組立体6に関するpHセンサハウジング8の一部であってもよい。その上、pHセンサハウジング8は、Oリング56で密封され、ヘッダ60に機械的に結合するカバー部材90(図4C参照)から更に成ることができる。
【0048】
[0051] (例えば、基板40または、保護層14のような)図2に関して本願明細書において記載するような層が、単一の層、若しくは、一層又は部分的な層よりも大きな構造体であってもよい。さらに、図2の実施形態に記載されている構造または層は、追加的な実施形態の他の層または構造と組み合わせることができる。ISFETダイ10はまた、追加的な層または構造を有することができる。更なる実施形態では、pHセンサ4の層が、例えば、多結晶、単結晶、アモルファスなどのようなタイプの構造を有する。
【0049】
[0052] 図3は、本開示の一つ以上の態様による保護層から成るpHセンサを製造する例示の方法70を図示するフローチャートである。本願明細書において議論されるように、方法70は、図1、2および4A-4Cに関して記載されているpHセンサ4の実施形態に関して記載されている。しかし、方法70は、本開示の他のセンサの実施形態にもあてはまり得る。方法70は、図4A-4Cで部分的に例示され、それは図3とともに本願明細書において記載される。図4A-4Cは、本開示の一つ以上の態様によれる製造のさまざまな段階でpHセンサ4の1つの実施形態を例示しているブロック図である。
【0050】
[0053] 図3に示される実施形態では、方法70は、導線の第1端部を電界効果トランジスタ(FET)センシングダイ(72)の第1側に結合することを含む。いくつかの実施形態では、方法70はまた、フリット材料(74)のワイヤの少なくとも一部で埋め込むことを含む。いくつかの実施形態では、フリット材料はガラス・フリットから成り、ガラス・フリットの熱膨張係数は、ISFETダイの熱膨張係数にほぼ合致する。
【0051】
[0054] 図4Aにちょっと戻ると、導線50の第1端部52は、ISFETダイ10(72)の第1側86上のメタライゼーション82にボンディングされ得る。メタライゼーション82は、ISFETダイ10と外部素子(例えば図1に示されるプロセッサ22)と間の電気的結合を作るために用いられるいかなるメタライゼーションパッドであってもよい。導線50は、メタライゼーション82に導線50をはんだ付けすることによって、現在公知であるかまたは後で開発される導線結合の技術のいずれかを使用して、メタライゼーション82に結合されることができる。図4Bに示すように、ISFETダイ10の第1側86は、フリット材料44を介して基板40にボンディングされ得るISFETダイ10の側である。ISFETダイ10の第2側88は、イオン感度が高い部分12が配置され得る対向する第1側86であってもよい。ある実施形態では、イオン感度が高い部分12は、媒体のpHを決定するために関心の媒体にさらされることができる。
【0052】
[0055] 一旦導線50が、メタライゼーション82に結合されると、フリット材料44は、pHセンサ4(74)に加えられ得る。いくつかの実施形態では、ウェハボンディングのために使用されるいくつかのフリット材料44は、スクリーン印刷技術によって堆積することができ、フリット材料44は、ペーストとして堆積され得る。ある実施形態では、ペーストは、微粒子のガラス・フリット材(例えばチキソトロピックバインダおよびバインダのための溶媒)を含む。フリット材料44、バインダおよび溶媒の比率は、(例えば、基板40またはキャップ基板42上の)ウェハのうちの1つの指定されたボンディング表面上のペーストの制御量のスクリーン印刷を許すように調整されることができる。このように、フリット材料44は、シルクスクリーン技術、若しくは、現在公知のまたは後で開発されるフリット材料を適用するための他のいかなる適切な技術を使用してISFETダイ10に適用されることができる。ある実施形態では、少なくとも導線50の一部分が、フリット材料44に埋められ、導線50の一部はフリット材料44によって供給される。
【0053】
[0056] フリット材料44は、いくつかの実施形態のフリット材料44を堅くするためにヒーター(例えば、ベルト炉のようなヒーターであるが、それには制限されない)に配置されることができる。ファイヤリングフリット材料44は、単一のステップでまたは2つ以上のステップで実行されることができる。ある実施形態では、2つのステップ・プロセスが、(例えば、溶媒およびバインダのような)フリット材料44のいかなる揮発性物質も追い出すために、ファイヤリングを最初に実行することを有する。第2に、他のファイヤリングは、フリット材料44を溶解させるために実行される。一旦フリット材料44が冷えたならば、フリット材料44の堅い構造は残されることができる。ある実施形態では、このツーステップファイヤリングプロセスは、フリット材料44に埋められる一つ以上の導線50で実行される。図4Aの実施形態に示すように、導線50の第1の端52でボンディングしている導線は、フリット材料44に入っている。これは、導線50とメタライゼーション82と間の電気接続を封止し、導線50に構造上の完全性を提供する。フリット材料44はまた、流れてきた電流から電気的絶縁を提供するためにISFETダイ10のエッジ周辺で溶解する。
【0054】
[0057] 図3に一旦戻ると、方法70は、フリット材料(76)を介してFETセンシングダイの第1側に基板を取り付けることを更に含むことができる。方法70はまた、少なくとも一つのヘッダ・ピンの上部に導線の第2端部を結合することを含むことができ、ヘッダ・ピンは基板を通って延びる。図4Bに示すように、ISFETダイ10は、フリット材料44を介して基板40に取り付けられることができ、それは(例えば、上記した技術を使用して)フリット材料44の硬化に続いている基板40と関連して、実質的にISFETダイ10の位置を特定する。ある実施形態では、基板40をISFETダイ10の第1側86に取り付けることは、フリット材料44を溶解させることを更に含む。
【0055】
[0058] その上、一部の導線50がフリット材料44に埋められたあと、導線50の第2端部54は電気ピン64の上部84にボンディングされてもよい。いくつかの実施形態では、保護ボリューム58は、ワイヤーボンディングに対する応力の影響を減らすために導線50の第2の端54のワイヤーボンディングを通じて形成される。いくつかの実施形態では、保護ボリューム58は、フリット材料44を含まない。電気ピン64より上の保護ボリューム58は、電気ピン64のTCEとフリット材料44との間のいかなるミスマッチもワイヤーボンディングに対する望ましくない応力を及ぼし得るという可能性を減少させる。望ましくない応力は、例えば、ワイヤーボンディングの完全性に影響を及ぼし、それはpHセンサ4の性能に影響を及ぼし得る。いくつかの実施形態では、保護ボリューム58は、ガス、ガス混合、若しくは、部分的又は完全な真空から成る。少なくとも一部の導線50をフリット材料44に埋めることは、電気ピン64の上部84周辺で、被保護ボリューム58を除いてフリット材料44にカプセル化されるワイヤーボンディング電気接続に結果としてなる。これらの特徴は、漏れ電流から、および、外部の環境影響までワイヤーボンディングを保護することができる。
【0056】
[0059] 図3に一旦戻ると、方法70は、基板とキャップ(78)との間のフリット層を少なくとも適用することによって基板の上にキャップを取り付けることを更に含むことができる。例えば、キャップ42はフリット材料44を介して基板40の上に取り付けられることができる。ある実施形態では、フリット材料44を堅くするために最初のファイヤリングの後、フリット材料44が第2のウェハの補完的に接着している表面を接触させるために、第1のウェハ(例えば、ベース基板40)は第2のウェハ(例えば、キャップ基板42)と整列配置され、嵌合した。ウェハは、次いで、フリット材料44から溶媒およびバインダを完全に削除し、フリット材料44を溶解させるために逐次加熱され得る。ある実施形態では、(図2のフリット材料44の構成に関して示すように)ISFETダイ10とキャップ42との間の垂直側壁領域70の上で融解フリット材料44をドライブするために、圧力は、ISFETダイ10に配置される。ある実施形態では、冷えると、即座に、基板40とキャップ42との間の実質的に均一なガラスボンディングラインを形成するために、フリット材料44は再凝固する。このように、ガラス・フリットのような中間ボンディング材料を使用するさまざまなボンディング技術は、ウェハ結合の強さおよび信頼性を改善するのに用いることができる。
【0057】
[0060] 方法70はまた、キャップの少なくとも一部、および、FET検知ダイ(80)の少なくとも一部の上に保護層を形成することを含むことができる。例えば、保護層14は、キャップ42の一部およびISFETダイ10の一部の上に形成される。ある実施形態では、保護層14を形成することは、キャップ42の少なくとも一部およびISFETダイ10の一部の上に金属酸化物pH媒体バリアを適用することを更に有する。スパッタリングまたは他の堆積のような現在周知または後に開発された技術も、保護層14を形成するために用いることができる。例えば、保護層14が合成ダイヤモンドである実施形態では、蒸気クラウド技術は、所望の表面上にダイヤモンドの結晶をつくるのに用いることができる。保護層14がサファイヤである実施形態では、フォグ方法は、サファイヤ・コーティングを置くために用いることができる。他の実施形態では、保護層14は、所望の表面の上に吹き付けられるフレームであるセラミック層であってもよい。
【0058】
[0061] 方法70はまた、圧力隔離デバイス(例えばヘッダ60)上の取付基板40を含むことができる。少なくとも一つのヘッダ・ピンが圧力隔離デバイス(例えばガラス-金属封止)を通って延びる所で、封止は形成されることができる。
【0059】
[0062] 他の実施形態では、方法70は、少なくともキャップの一部の上に、カバー部材を取り付けることを更に含む。pHセンサー組立体6の概略上面図である図4Cに示すように、カバー部材90は、pHセンサー組立体6を収納する。カバー部材90はまた、ISFETダイ10の上に位置するカバー開口部92から成ることができる。いくつかの実施形態では、カバー開口部92は、ISFETダイ10のイオン感度が高い部分12の近位に配置される開口部からなる。カバー開口部92によって、イオン感度が高い部分12を媒体にさすことができる。ある実施形態では、カバー部材90は、Oリング56を介して保護層14に結合される。その場合、キャップ42またはフリット材料44の部分は、媒体にさらされることはない。いくつかの実施形態では、ヘッダ60およびカバー部材90は、単一のデバイスから成る。
【0060】
[0063] 他の例では、電気ピンの上部に、導線の第2端部を結合するときに、方法70はまた、電気ピンの上部周辺で保護ボリュームを形成することを含むことができる。この保護ボリューム(例えば保護ボリューム58)は、いかなるフリット材料44も有しないpHセンサー組立体6のスペースであってもよい。ある実施形態では、導線50の第2の端54と電気ピン64の上部84との間のワイヤーボンディングで呈される応力を最小化すると共に、保護ボリューム58は、pHセンサ4を拡大させ、接触させる。保護ボリューム58は、電気ピン64を部分的に重ねることができる。
【0061】
[0064] 本願明細書において記載されているように、ワイヤーボンディングは応力隔離を改善するために検出装置のガラス・フリットにカプセル化されることができる。ガラス・フリットを海水のような媒体にさらすことはガラス・フリット(それはガラス・フリットをリークさせ、ガラス・フリットの一体性に他の影響を与えることになる)から、重いイオンを浸出させることができるので、保護コーティングまたは層は、ガラス・フリットを媒体から保護するのを助けるためにセンサ・ダイの最上部の上に形成される。ある実施形態では、保護コーティングは、金属酸化物である。いくつかの実施形態では、pHセンサー組立体を形成するのに用いる取付材料は、異種の伸縮から応力を減らすために、ISFETダイのTCEの近くにあるTCEを有する。
【0062】
[0065] 本願明細書および特許請求範囲の議論において、用語「に(on)」は、2つの材料に関して用いられ、材料の間に少なくとも接触があることを意味し、一方、用語「上に(over)」は、近くにある材料を意味するが、接触していることも可能であるが、それは必須ではない。本願明細書において使われるように、用語「に(on)」または用語「上に(over)」のいずれも、いかなる指向性も意味する。用語「約」、「ほぼ」などは、結果として不一致にならない限り変更可能な範囲を示す。
【0063】
[0066] ウェハまたは基板の方位に関係なく、この開示において用いられているように、相対的な位置の条件は、従来の平面との平らな類似またはウェハまたは基板の加工面に基づいて定められる。ウェハまたは基板の方位に関係なく、この開示において用いられているように、用語「水平」は、従来の平面との平らな類似またはウェハまたは基板の加工面として定義される。用語「垂直」は、水平位置に対して垂直な方向に関連する。
【0064】
[0067] 開示のさまざまな態様を記載してきた。態様または本願明細書において記載されている実施形態の特徴は、態様または特徴が他の実施形態に記載した他のものと結合されることができる。これらの、そしてまた他の実施形態は以下の特許請求の範囲内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
pHに応答するイオン感度が高い部分(12)を備えたイオン感受性電界効果トランジスタ(ISFET)ダイ(10)であって、前記ISFETダイが前記基板の上に配置されることを特徴とするISFETダイと、
前記ISFETダイの外側表面(86)の少なくとも一部、および、前記基板の少なくとも一部の上に形成された保護層(14)と、
前記保護層に機械的に結合されたカバー部材(90)であって、前記カバー部材が前記ISFETダイ及び前記基板を収容し、前記カバー部材がイオン感度が高い部分の近位に開口部(92)を画定することを特徴とするカバー部材と
を有することを特徴とするpHセンサ。
【請求項2】
前記基板が、ベース基板とベース基板の上に形成されたキャップ(42)とを有し、前記pHセンサが更に、
前記ISFETダイと前記キャップとの間の側壁領域(70)に少なくとも部分的に形成されたフリット材料(44)であって、前記保護層が、前記側壁領域の前記フリット材料の少なくとも一部の上、および、前記キャップの少なくとも一部の上に形成されることを特徴とするフリット材料
を有することを特徴とする請求項1に記載のpHセンサ。
【請求項3】
基板(40)と、
フリット材料(44)を介して前記基板の上に取り付けられた電界効果トランジスタ(FET)と、
前記FETダイの外側表面(86)の少なくとも部分的に上に、および、前記基板の少なくとも部分的に上に形成された保護層(14)と、
第1の端(52)で前記FETダイにボンディングされた少なくとも1つのワイヤ(50)と、
を有し、
前記ワイヤの少なくとも一部が、前記フリット材料に埋め込まれることを特徴とするセンサデバイス。

【図1】
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【図3】
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【図2】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【公開番号】特開2012−233876(P2012−233876A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−40395(P2012−40395)
【出願日】平成24年2月27日(2012.2.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
2.イーサネット
3.テフロン
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)