説明

電極コネクター

【課題】電極ベースおよびこの電極ベースから突出する雄端子を含むタイプの生物医学的電極と連結される生物医学的電極コネクターを提供する。
【解決手段】電気配線ワイヤとの電気連結関係のために適合された電気接触材料を有する内部腔を含むジャケット付きハウジングを備える。このジャケット付きハウジングは、上記電極に隣接して位置決め可能でありかつその中に鍵穴スロット38を規定する内面部分を有する下部部材を含む。この鍵穴スロット38は、上記内部腔内で受容のための上記電極の雄端子の通過を許容するような第1の内部寸法を規定する第1のスロット部分40、およびこの第1の寸法より小さい第2の内部寸法を規定する第2のスロット部分42を有し、それによって、上記内部腔内の雄端子の横断移動に際し、上記雄端子が上記第2のスロット部分42を規定する内面部分内に固定され、よって上記電極を上記電極コネクターと電気的に接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
(1.技術分野)
本開示は、一般に、生物医学的電極に関し、そして詳細には、患者上の電極と、電気的医療デバイスとの間の電気的接続を行うための生物医学的電極コネクターに関する。
【背景技術】
【0002】
(2.関連技術の論議)
生物医学的電極は、例えば、心電図検査法手順、母体および/または胎児モニタリング、および種々の信号ベースの更生手順を含む診断および治療医療適用で一般に用いられる。従来の生物医療的電極は、接着剤を経由して患者の皮膚に固定され、そして電極ベースから突出する雄端子またはピンを組み込む。この電気−医療デバイスと通信する電気ケーブルは、雄端子に連結される雌端子を組み込み、電極と電気−医療デバイスとの間の電気回路を完成する。雌端子を雄端子に連結するための種々の機構が公知であり、「スナップオン」連結、「ピンチクリップ」配列、「ツイストオン」カップリングまたは磁気カップリングを含む。全部ではないにしても、多くの現在利用可能な生物医学的電極は、使い捨て、すなわち、単回使用後、棄てられることが意図されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
従って、本開示は、電極ベースおよびこの電極ベースから突出する雄端子を含むタイプの生物医学的電極と連結される生物医学的電極コネクターに関する。この電極コネクターは、電極配線ワイヤと電気的接続関係のために適合された電気接触材料を備えた内部腔を有するハウジングを覆い、そして電気的に絶縁するジャケットを含む。このジャケット付きハウジングは、上記電極に隣接して位置決め可能であり、そしてその中に鍵穴スロットを規定する内面部分を有する下部部材を含む。この鍵穴スロットは、上記内部腔内で受容のための上記電極の雄端子の通過を許容するように適合された第1の内部寸法を規定する第1のスロット部分、およびこの第1の寸法より小さい第2の内部寸法を規定する第2のスロット部分を有し、それによって、上記内部腔内の雄端子の横断移動に際し、この雄端子が該第2のスロット部分を規定する内面部分内に固定され、それによって上記電極を上記電極コネクターと電気的に接続する。
【0004】
上記ジャケット付きハウジングは、上記第2のスロット部分に隣接する内部腔内に少なくとも部分的に配置される内部ランプを含み得、それによって、上記雄端子の第2のスロット部分に向かう横断移動に際し、上記内部ランプが上記雄端子を係合し、上記雄端子を上記電気接触材料との接触関係に駆動し、上記電気接触材料との電気的接続を容易にする。上記下部部材は、上記内部ランプを含み得る。上記ジャケット付きハウジングは、上部部材を含み得、ここで、この上部部材は上記内部ランプを有する。
【0005】
上記ジャケット付きハウジングは、上記鍵穴スロット内で延びる少なくとも1つの可撓性ロック要素を含み得る。この少なくとも1つのロック要素は、上記雄端子の上記第2のスロット部分に向かう横断移動の間に曲がるように適合され、その中の上記雄端子の通過を許容し、そしてさらに上記第2のスロット部分内のその保持を容易にするために上記雄端子を係合するよう予備的曲げ状態に戻るように適合されている。上記ジャケット付きハウジングは、第1および第2の退行するロック要素を含み得る。
【0006】
1つの実施形態では、上記ジャケット付きハウジングは上部部材を含み、この上部部材は上記電気接触材料をそれにともなって有する。それに代わって、またはそれに加えて、上記下部部材は、上記電気接触材料をそれにともなって有し得る。この下部部材はスプリングクリップを含み得る。このスプリングクリップは、上記雄端子を係合するように適合され、上記電極を上記電極コネクターと電気的に接続する。このスプリングクリップは、上記鍵穴スロットとほぼ整列し、そして上記雄端子の受容のために適合されている細長い開口部を含み得る。上記スプリングクリップは、上記雄端子と係合し、そして上記雄端子を上記ジャケット付きハウジング内で垂直に付勢するように適合されている。上記スプリングクリップの細長い開口部は、上記鍵穴スロットの第1のスロット部分とほぼ整列し、そして上記雄端子より大きい内部寸法を有する第1の開口部部分、および上記第2のスロット部分とほぼ整列し、そして雄端子より小さい内部寸法を有する第2の開口部部分を規定し得、それによって、上記雄端子の上記第1のスロット部分から上記第2のスロット部分への横断移動に際し、上記雄端子は上記電気接触材料との電気的接触に上記第2部分を規定するクリップ部分によって係合される。
【0007】
別の実施形態では、生物医学的電極配線セットアセンブリは、少なくとも1つの電気配線ワイヤを含むケーブル、生物医学的デバイスへの連結のための1つの電気配線ワイヤの1つの端部にあるデバイスコネクター、および生物医学的電極の電極端子との連結のための1つの電気配線の他方の端部にある電極コネクターを含む。この上記電極コネクターは、上記電極に隣接して位置決め可能であり、そしてその中に鍵穴スロットを規定する内面部分を有する下部部材を含む。この鍵穴スロットは、第1の内部寸法を規定する第1のスロット部分および上記第1の内部寸法より小さい第2の内部寸法を規定する第2のスロット部分を有する。上記ジャケット付きハウジングは、生物医療用電極上に位置決め可能であり、上記電極端子は、上記第1のスロット部分内に受容され、そして上記生物医療用電極に対して滑動可能であり、それによって、上記電極端子が上記鍵穴スロットを横切り、上記第2のスロット部分内に受容され、そして上記第2のスロット部分を規定するハウジング部分との電極端子の協動係合によりその中に保持され、それによって、上記電極を上記電極コネクターと機械的および電気的に連結する。
【0008】
複数の電極配線ワイヤ、および関連する電極コネクターが提供され得る。このケーブルは、配線セットケーブルであり得る。上記電極配線ワイヤは、上記配線セットケーブルから個々に分離可能であり得る。パッドが上記ケーブルに取り付けられ得、そして所定の身体位置に隣接して位置決めするために上記ケーブルに沿って滑動するように適合される。このパッドは、上記所定の身体位置へのパッドの取り付けを容易にする材料を有し、それによって上記ケーブルを患者に対して固定する。この材料は、感圧接着剤被覆または接着剤ヒドロゲルを含み得る。
【0009】
上記電極コネクターは、ジャケット付きハウジングを、上記ジャケット付きハウジング内に取り付けられる下部部材とともに含む。
【0010】
あるいは、上記電極コネクターは、それを通り、下部部材の鍵穴スロットとほぼ整列する細長いスロットを有する上部部材を含み、上記電極端子を受容し、上記電極端子の上記電極コネクター内の固定を容易にする。上記下部部材および上記上部部材は、弾性クリップを規定し得る。
【0011】
上記に加えて、本発明は、以下を提供する:
(項目1)電極ベースおよび該電極ベースから突出する雄端子を含むタイプの生物医学的
電極と連結される生物医学的電極コネクターであって:
電気接触材料を有する内部腔を含むジャケット付きハウジングを備え、該電気接触材料が電気配線ワイヤとの電気連結関係のために適合され、該ジャケット付きハウジングが該電極に隣接して位置決め可能な下部部材を含み、かつその中に鍵穴スロットを規定する内面部分を有し、該鍵穴スロットが、該内部腔内で受容のための該電極の雄端子の通過を許容するように適合された第1の内部寸法を規定する第1のスロット部分、および該第1の内分寸法より小さい第2の内部寸法を規定する第2のスロット部分を有し、それによって、該内部腔内の雄端子の横断移動に際し、該雄端子が該第2のスロット部分を規定する内面部分内に固定され、それによって該電極を該電極コネクターと電気的に接続する、生物医学的電極コネクター。
(項目2)前記ジャケット付きハウジングが、前記第2のスロット部分に隣接する内部腔
内に少なくとも部分的に配置される内部ランプを含み、それによって、前記雄端子の第2のスロット部分に向かう横断移動に際し、該内部ランプが該雄端子を係合し、該雄端子を前記電気接触材料との接触関係に駆動し、該電気接触材料との電気的接続を容易にする、項目1に記載の生物医学的電極コネクター。
(項目3)前記下部部材が、前記内部ランプを含む、項目2に記載の生物医学的電極コネ
クター。
(項目4)前記ジャケット付きハウジングが上部部材を含み、該上部部材が前記内部ラン
プを有する、項目2に記載の生物医学的電極コネクター。
(項目5)前記ジャケット付きハウジングが、前記鍵穴スロット内で延びる少なくとも1
つの可撓性ロック要素を含み、該少なくとも1つのロック要素が、前記雄端子の前記第2のスロット部分に向かう横断移動の間に曲がるように適合され、その中の該雄端子の通過を許容し、そしてさらに該第2のスロット部分内のその保持を容易にするために該雄端子を係合するよう予備的曲げ状態に戻るように適合されている、項目1に記載の生物医学的電極コネクター。
(項目6)前記ジャケット付きハウジングが、第1および第2の退行するロック要素を含
む、項目5に記載の生物医学的電極コネクター。
(項目7)前記ジャケット付きハウジングが上部部材を含み、該上部部材が前記電気接触
材料をそれにともなって有する、項目2に記載の生物医学的電極コネクター。
(項目8)前記下部部材が、前記電気接触材料をそれにともなって有する、項目1に記載
の生物医学的電極コネクター。
(項目9)前記下部部材がスプリングクリップを含み、該スプリングクリップが前記雄端
子を係合するように適合され、前記電極を前記電極コネクターに電気的に接続する、項目8に記載の生物医学的電極コネクター。
(項目10)前記スプリングクリップが前記鍵穴スロットとほぼ整列し、そして前記雄端
子の受容のために適合されている細長い開口部を含み、該スプリングクリップが、該雄端子と係合し、そして該雄端子を前記ジャケット付きハウジング内で付勢するように適合されている、項目9に記載の生物医学的電極コネクター。
(項目11)前記スプリングクリップの細長い開口部が、前記鍵穴スロットの第1のスロ
ット部分とほぼ整列し、そして前記雄端子より大きい内部寸法を有する第1の開口部部分、および前記第2のスロット部分とほぼ整列し、そして第1の寸法より小さい内部寸法を有する第2の開口部部分を規定し、それによって、該雄端子の該第1のスロット部分から該第のスロット部分への横断移動に際し、該雄端子が前記電気接触材料との電気的接触に該第2スロット部分を規定するクリップ部分によって係合される、項目10に記載の生物医学的電極コネクター。
(項目12)生物医学的電極配線セットアセンブリであって:
少なくとも1つの電気配線ワイヤを含むケーブル;
生物医学的デバイスへの連結のための1つの電気配線ワイヤの1つの端部にあるデバイスコネクター;および
生物医学的電極の電極端子との連結のための1つの電気配線の他方の端部にある電極コネクターであって、該電極コネクターが、該電極に隣接して位置決め可能であり、そしてその中に鍵穴スロットを規定する内面部分を有する下部部材を含み、該鍵穴スロットが、第1の内部寸法を規定する第1のスロット部分および該第1の内部寸法より小さい第2の内部寸法を規定する第2のスロット部分を有し、該下部部材が該生物医学的電極上に、該電極端子が該第1のスロット部分内に受容され、そして該生物医学的電極に対して滑動可能であるように位置決め可能であり、それによって、該電極端子が該鍵穴スロットを横切り、該第2のスロット部分内に受容され、そして該第2のスロット部分を規定する下部部材部分との電極端子の協動係合によりその中に保持され、それによって、該電極を該電極コネクターと機械的および電気的に連結する電極コネクター、を備える、生物医学的電極配線セットアセンブリ。
(項目13)複数の電極配線ワイヤ、および関連する電極コネクターを含む、項目12に
記載の生物医学的電極配線セットアセンブリ。
(項目14)前記ケーブルが、配線セットケーブルである、項目13に記載の生物医学的
電極配線セットアセンブリ。
(項目15)前記電極配線ワイヤが、該配線セットケーブルから個々に分離可能である、
項目14に記載の生物医学的電極配線セットアセンブリ。
(項目16)前記ケーブルに取り付けられ、そして所定の身体位置に隣接して位置決めす
るために該ケーブルに沿って滑動するように適合されるパッドを含み、該パッドが該所定の身体位置への取り付けを容易にする材料を有し、それによって該ケーブルを患者に対して固定する、項目12に記載の生物医学的電極配線セットアセンブリ。
(項目17)前記材料が、接着剤材料を含む、項目16に記載の生物医学的電極配線セッ
トアセンブリ。
(項目18)前記電極コネクターが、ジャケット付きハウジング、該ジャケット付きハウ
ジング内に取り付けられる下部部材を含む、項目12に記載の生物医学的電極配線セットアセンブリ。
(項目19)前記電極コネクターが、それを通り、下部部材の鍵穴スロットとほぼ整列す
る細長いスロットを有する上部部材を含み、前記電極端子を受容し、該電極端子の該電極コネクター内の固定を容易にする、項目12に記載の生物医学的電極配線セットアセンブリ。
(項目20)前記下部部材および前記上部部材が、弾性クリップを規定する、項目19に
記載の生物医学的電極配線セットアセンブリ。
【0012】
(摘要)
電極ベースおよびこの電極ベースから突出する雄端子を含むタイプの生物医学的電極と連結される生物医学的電極コネクターが提供される。この電極コネクターは、電気配線ワイヤとの電気連結関係のために適合された電気接触材料を有する内部腔を含むジャケット付きハウジングを備える。このジャケット付きハウジングは、上記電極に隣接して位置決め可能であり、かつその中に鍵穴スロットを規定する内面部分を有する下部部材を含む。この鍵穴スロットは、上記内部腔内で受容のための上記電極の雄端子の通過を許容するような第1の内部寸法を規定する第1のスロット部分、およびこの第1の寸法より小さい第2の内部寸法を規定する第2のスロット部分を有し、それによって、上記内部腔内の雄端子の横断移動に際し、上記雄端子が上記第2のスロット部分を規定する内面部分内に固定され、それによって上記電極を上記電極コネクターと電気的に接続する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本明細書に援用され、そしてその一部を構成する添付の図面は、本開示の実施形態を図示し、そして上記で与えられる本開示の一般的説明、および以下で与えられる実施形態の詳細な説明とともに、本開示の原理を説明するために供される。
【図1】図1は、配線セットケーブル、調節可能な取り付けパッドおよび配線セットケーブルに取り付けられた電極コネクターを図示する本開示の原理に従う生物医療用電極配線セットアセンブリの斜視図である。
【図2】図2は、図1で識別された詳細の領域の部分斜視図であり、配線セットケーブルの配線ワイヤおよび電極コネクターを示し、この配線ワイヤの引き裂き能力を示す。
【図3】図3は、調節可能な取り付けパッドの上からの斜視図を示す。
【図4】図4は、調節可能な取り付けパッドの下からの斜視図を示す。
【図5】図5は、電極コネクターの1つの斜視図である。
【図6】図6は、図5の電極コネクターの側方断面図である。
【図7】図7は、図5の電極コネクター内に保持される電極端子を示す、切り抜き部分をともなう平面図である。
【図8】図8は、電極配線セットアセンブリとの使用のための電極コネクターの代替の実施形態の斜視図である。
【図9】図9は、図8の電極コネクターの平面図である。
【図10】図10は、図8の電極コネクターの切り抜き部分をともなう斜視図である。
【図11】図11は、図8の電極コネクターの側方断面図である。
【図12】図12は、電極配線セットアセンブリとの使用のための電極コネクターの代替の実施形態の上からの平面図であり、そして予備成型された状態で描写される。
【図13】図13は、生物医療用電極に接続された図12の電極コネクターの横からの平面図である。
【図14】図14は、電極配線セットアセンブリとの使用のための電極コネクターの代替の実施形態の上からの平面図であり、そして予備成型された状態で描写される。
【図15】図15は、生物医療用電極に接続された図14の電極コネクターの横からの平面図である。
【図16】図16は、図14の線16−16に沿ってとった電極コネクターの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本明細書に開示される電極配線セットアセンブリの例示の実施形態は、被験体に対して電気的信号を集めるか、または送達することで、外科的手順、診断手順または治療手順を実施する際の配線セットアセンブリの使用に関して論議される。このような手順は、制限されないで、心電図検査法、母体および/または胎児モニタリング、および種々の信号ベースの更生手順を含む。しかし、本開示は、被験体の疾患、身体の病気の手術、診断および関連する処置を含む多くの適用で採用され得ることが想定される。
【0015】
以下の論議において、用語「被験体」は、ヒト患者またはその他の動物をいう。用語「臨床医」は、ドクター、看護婦またはその他の医療提供者をいい、そして支援従業者を含み得る。
【0016】
ここで図面を参照し、同様の構成要素は、いくつかの図面全体で同様の参照番号によって指定され、図1は、本開示の原理による電極配線セットアセンブリ10を斜視図で示す。電極配線セットアセンブリ10は、配線セットケーブルまたはウェブ12、この配線セットケーブル12の一方の端部にあるデバイスコネクター14、およびそのいくつかが配線セットケーブル12の他方の端部にある複数の電極コネクター16を含む。配線セットケーブル12は、横に並んだ関係で配置された、複数の包まれ、そして絶縁された配線ワイヤ18を含む。絶縁された配線ワイヤ18は、EMI/RFシールドされ得る。配線セットケーブル12は、リボンケーブル、複数コンダクターシールドケーブル、または電気的信号を伝達する任意のその他のケーブルであり得る。
【0017】
図2に描写されるように、各配線ワイヤ18は、隣接する配線ワイヤ18から独立に分離可能であり、所定の身体位置で個々の電極コネクター16の配置を容易にし、それによって、各被験体に対する配線セットアセンブリ10のカスタマイズを可能にし、すなわち、各配線ワイヤ18は、配線セットケーブル12から独立に分離可能であり得る。図2では、電極コネクター16の部分を取り出して示される。1つの実施形態では、配線ワイヤ18は、それらの絶縁被覆を経由して取り付けられ、そして隣接する配線ワイヤ18の絶縁カバーの接続部の個々の線に沿って分離可能である。別の実施形態では、配線セットケーブル12は、可撓性基質または裏打ちを含み、これは、望ましくは、それらの長さの主要部分に沿って配線ワイヤ18を分離するように分離可能である。配線セットケーブル12の個々の配線ワイヤ18は、長さが異なり得、標的部位、例えば、胸部または腹部を横切って個々の電気コネクター16の配置を可能にし、これらの位置で生物医療用信号の回収または送達を許容する。図1は、残りの配線ワイヤ18のほぼ1/2長さである1つの個々の配線ワイヤ18を図示する。
【0018】
医療用デバイスコネクター14は、心電図検査法装置、胎児または母体モニタリング装置、または患者への治療理由のために電気的インパルスまたは信号を伝達するよう適合された信号発生器のような医療用デバイスへの接続のために適合された任意の適切なコネクターであり得る。1つの適切な医療用デバイスコネクターは、RJ14、RJ25、およびRJ45コネクターを含むRegistered Jackのために用いられるのと類似のモジュラーコネクターであり得る。
【0019】
ここで、図1と組み合わせて図3〜4を参照し、配線セットアセンブリ10は、配線セットケーブル12の周りに取り付けられた取り付けパッド20をさらに含み得る。1つの実施形態では、取り付けパッド20は、配線セットケーブル12を受容する閉鎖ループ24を有するベース22を含む。取り付けパッド20の他方の側面上には、可撓性の取り付け要素26があり、これは、身体組織に隣接して位置決めするために適合されている。可撓性の取り付け要素26は、その組織接触面上に、感圧接着剤被覆または接着剤ヒドロゲルのような適切な材料を有し得、これは、被験体への取り付けパッド20の固定を容易にする。取り付けパッド20は、ベース22の閉鎖ループ24を通って滑動する配線セットケーブル12のために、配線セットケーブル12に対して滑動可能に取り付けられる。この配列で、取り付けパッド20は、選択的に位置決めされ得、そして被験体に所望の位置で取り付けられ、それによって、被験体に対する配線セットケーブル12および配線セットアセンブリ10の固定を容易にする。
【0020】
図5〜7をここで参照し、配線セットアセンブリ10の電極コネクター16が論議される。電極コネクター16は、上部部材30および下部部材32を有し、そしてそれらの間に内部腔34を規定するジャケット付きハウジング28を含む。ジャケット付きハウジング28は、非伝導性材料、例えば、ジャケット付きハウジング28内の伝導性要素から被験体を電気的に絶縁するオーバーモールドされたポリマーの外部ジャケット28aを含む。図6では、外部ジャケット28aの一部分は除去されている。上部部材30および下部部材32は、従来手段によって互いに付着された別個の構成要素であり得るか、または単一の一体に形成された構成要素であり得、ジャケット付きハウジング28の伝導性要素を形成する。ジャケット付きハウジング28の上部部材30は、個々の配線ワイヤ18に電気的に接続される配線ワイヤ端子36を有する。ジャケット付きハウジング28の下部部材32は、それを通って延び、そしてジャケット付きハウジング28の内部腔34と連通する鍵穴スロット38を規定する。鍵穴スロット38は、第1のスロット部分40と第2のスロット部分42を含む。第1のスロット部分40は、第2のスロット部分42の対応する内部寸法または直径より大きい内部寸法または直径を規定する。下部部材32は、第1および第2のスロット部分40、42の接続部に複数の可撓性のロック要素44をさらに含む。ロック部材44は、内側に曲がるように適合されているが、図7に描写されるようなそれらの初期位置に戻るに十分な弾性を有している。これに関し、ロック要素44は、ステンレス鋼、チタン、またはポリマー材料を含む任意の可撓性のスプリング様材料から形成され得る。
【0021】
電極コネクター16は、生物医療用電極46への接続のために適合されている。図6に最も良く描写されるように、生物医療用電極46は、電極フランジまたはベース48、およびこの電極ベース48に対し横断関係で延びる雄スタッドまたは雄端子50を組み込む。雄端子50は、球根状配列を有し得、それによって雄端子50上部分50aは、この雄端子50の下部分より大きな断面寸法を有する。感圧接着剤被覆および接着剤ヒドロゲル(図示されず)が、電極ベース48の組織接触面に付与され得、被験体への電気的接続を増大し、この被験体への/からの生物医療信号を受容/伝達する。上方に延びる雄端子またはピン50を有する任意の市販され、利用可能な生物医療用電極46が利用され得る。
【0022】
電極の配線セットアセンブリ10の使用において、この配線セットアセンブリ10は、被験体の身体に隣接して配置される。生物医療用電極46は、必要と見なされる身体上に位置決めされ、そして感圧接着剤または接着剤ヒドロゲルなどの使用で身体に固定される。各電極コネクター16は、次いで、関連する電極46に対して位置決めされる。認識されように、個々の生物医療用電極46に連結される配線ワイヤ18は、配線セットケーブル12から分離され得、電極コネクター16への連結のために配線ワイヤ18の選択的な個々の位置決めを許容する。電極コネクター16は、生物医療用電極46の雄端子50が下部部材32の鍵穴スロット38の第1のスロット部分40内に受容されるように位置決めされる。その後、電極コネクター16は、生物医療用電極46に対して滑動され、それによって、雄端子50は、鍵穴スロット38の第2のスロット部分42内に受容されるよう第1のスロット部分40を横切る。この横断移動の間に、ロック要素44は内包に曲がり、雄端子50の通過を許容し、それによって、この雄端子50の撤去に際し、ロック要素44は、図7に描写されるようなそれらの初期位置に戻る。この位置では、配線ワイヤ端子36の接触表面は、生物医療用電極46の雄端子50の上面と接触し、それによって電気的回路を完成する。それ故、電極コネクター16の鍵穴スロット38のこの配列で、電極コネクター16を生物医療用電極46に固定するために最小の下方の力ですむか、または下方の力は不要である。従って、生物医療用電極46の所望されない移動の可能性は最小になり、それによって上記手順の一体性を維持し、そして被験体の胸部または腹部上の痛みの難儀を最小にする。
【0023】
図8〜11は、電極コネクターの代替の実施形態を示す。電極コネクター100は、ジャケットハウジリング102内の配線ワイヤ端子106に連結するために延びる配線ワイヤ104を有するジャケット付きハウジング102を含む。ジャケット付きハウジング102は、絶縁性または非伝導性材料の外部ジャケット102aを有する。ジャケット付きハウジング102の下部部材108は、図5〜7と組み合わせて本明細書で上記に記載された鍵穴スロットと同様に、鍵穴スロット110を規定する。特に、鍵穴スロット110は、比較的大きな内部寸法または直径を規定する第1のスロット部分112、および第1のスロット部分112のそれより小さい内部寸法または直径を規定する第2のスロット部分114を含む。下部部材108は、少なくとも第2のスロット部分114に外接し、そして、好ましくは、第1のスロット部分112の周縁領域に沿って延びる弧状のレリーフ開口部または切り抜き116をさらに含む。この配列は、それによって、ジャケット付きハウジング102に対して片持ち(カンチレバー)関係で延びる下部部材108内の電極接触タブ118を規定する。1つの実施形態では、接触タブ118は、第1のスロット部分112と第2のスロット部分114とのほぼ接続部で内部ランプ面120と対向する。ランプ面120は、下部部材108に対して斜めに配列され、そして雄端子50が鍵穴スロット110の第2のスロット部分114内に受容されるよう第1のスロット部分112を横切るとき、生物医療用電極46の雄端子50に上方の力を提供する。ランプ面120は、生物医療用電極46の雄端子50を配線ワイヤ端子106の接触面との接触に引くような形態および寸法であり、それによって、配線ワイヤ端子106と電極46との間の良好に確立されたか、または有効な電気的接触を確実にする。さらに、ランプ面120は、雄端子50を、ジャケット付きハウジング102中に、電極ベースまたはフランジ48が下部部材108と電気的に接触させるような様式で引く。それ故、ランプ面120の配列のために、タブ118と生物医療用電極46との間の接触が少なくとも以下の位置に沿って確立される:1)電極46の雄端子50の上面とジャケット付きハウジング102内の上部部材122との間;2)雄端子50の外側または胴面と接触タブ118(すなわち、第2のスロット部分114を規定する内部エッジまたは面)との間;および3)電極ベース48と下部部材108との間。
【0024】
この実施形態では、電極コネクター100は、ロック要素がない。むしろ、電極46の雄端子50は、下部部材108の製作の材料の固有の弾性に起因して、電極接触タブ118の第2のスロット部分114内に保持される。1つの実施形態では、第1のスロット部分112と第2のスロット部分114との間の接続領域124aおよび124bは、弾性的に可撓性であり、そして電極46の雄端子50の寸法より小さい寸法を規定する。接続領域124aおよび124bは、弧状レリーフ開口部116によって提供されるように外方に曲がり得、雄端子50の通過を許容し、そして次に、図9で描写されるような初期位置にそれ自体の弾性特徴の下で戻り、電極の雄端子50をそれとの電気的接触に確実に契合する。さらなる代替として、下部部材108は、電極接触タブ118と下部部材108との間に延びる弧状の補強領域またはタブ126を有し得る。補強タブ126は、望ましくは、この領域に沿って特定の強度または剛直性を付加し得、雄端子50が第2のスロット部分114内に強固に係合することを確実にする。補強タブ126は、下部部材108に一体化される任意の適切な比較的剛性の材料であり得る。
【0025】
図12〜13は、電極コネクター200の伝導性部分の代替の実施形態を示す。種々の金属打ち抜きが想定される:図12は、予備成型された状態の電極コネクター200を示す。この実施形態によれば、電極コネクター200は、本明細書の以下で論議されるように絶縁ジャケット内に囲われ得るスプリングクリップ202を含む。スプリリングクリップ202は、配線ワイヤ18に接続する配線端子204を含む。配線端子204に従属するのは、ベース208および電極接触タブ210を有するコネクター部分206である。ベース208は、第1のスロット部分214と第2のスロット部分216を規定する改変された鍵穴スロット212を規定する。第1のスロット部分214は、第2のスロット部分216の内部寸法または直径より大きい内部寸法または直径を規定する。作動位置では、電極接触タブ210はそれ自体の上で曲がり、図13に描写されるように鍵穴スロット212に重なる。この位置では、電極接触タブ212は、電極46の雄端子50の上面と接触し、コネクター200の電極46との電気的カップリングを行う。
【0026】
使用において、図13の配列中のスプリリングクリップ202は、鍵穴スロット208の第1のスロット部分214内に受容されるように雄端子50上に位置決めされる。スプリングクリップ202は、雄端子50に対して滑動され、それによって、雄端子50は、第2のスロット部分216内の受容のために鍵穴スロット212を横切る。1つの実施形態では、第1のスロット部分214と第2のスロット部分216との接続部は、雄端子50の寸法より小さいそれらの間の寸法を規定する、対向する内部スリーブ218を規定する。鍵穴スロット212内の雄端子50の横断移動に際し、スリーブ218は外方に付勢され、雄端子50の通過を許容し、その一方、それらの弾性特徴の下、図12の通常位置まで戻り、それによって雄端子50を第2のスロット部分216内に保持する。雄端子50を第2のスロット部分216内にして、電極接触タブ210は、雄端子50の上面に接触し、それによって、電極46と電極コネクター200との間の電気的カップリングを確立する。
【0027】
図14〜16は、電極コネクター300の伝導性部分の別の実施形態を示す。図14は、予備成型された状態にある電気コネクター300を示す。コネクター300は、図12〜13と組み合わせて論議したコネクター200と類似である。電極接触タブ302は、線形様式で漸次増加する寸法を有する細長い開口部304を規定する。さらに、細長い開口部304を規定する内部部分306は、図16に描写されるように上方に巻くか、または曲げられる。図15は、鍵穴スロット308とほぼ整列して巻かれる電極接触タブ302を示す。それ故、使用において、雄端子50は、鍵穴スロット308内、特に電極接触タブも302の第1のスロット部分310内、そして細長い開口部304内に受容される。その後、電極コネクター300は、電極46に対して直線状に移動し、それによって電極46の雄端子50は、第2のスロット部分312、および電極接触タブ302の細長い開口部304のより狭い部分内の受容のために鍵穴スロット308を横切る。細長い開口部304のより狭い部分は、電極コネクター300の雄端子50に対する移動に抵抗するために供される。さらに、巻かれたか、または曲げられた内部部分306は、細長い開口部304を通る雄端子50の通過を容易にする。さらに、電極接触タブ302は、その固有の弾性および曲がった内部部分306の配列により、電極46の雄端子50の上部球根状部分50aを係合し、そして上方方向に持ち上げ、電極46のフランジ48が電極接触タブ302の下部またはベース部材314と電気的接触関係で係合するようにし、それによって、例えば、2つの位置で適正な電気的接続を確実にする。下部部材314と上部部材316との間の高さまたは距離「h」は、電極フランジ48と雄端子50の球根状部分50aとの間の距離に、少なくとも等しいか、またはそれより大きく、電極46が電極接触タブ302内に固定されるとき、上部部材316が電極46を上方方向に垂直に付勢し、所望の電気的接触を確立することを容易にする。
【0028】
本開示の例示の実施形態を、添付の図面を参照して本明細書中に説明してきたが、本開示は、これらとまさに同じ実施形態に制限されるのではなく、しかも、種々のその他の変更または改変が、本開示の範囲および思想から逸脱することなく当業者によってその中で行われ得ることが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載された発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−81802(P2013−81802A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−1001(P2013−1001)
【出願日】平成25年1月8日(2013.1.8)
【分割の表示】特願2007−314076(P2007−314076)の分割
【原出願日】平成19年12月4日(2007.12.4)
【出願人】(507362281)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (666)